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B 1759

:2013

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

2

4

  記号及び単位  

2

5

  運転試験方法  

4

5.1

  一般  

4

5.2

  運転試験の条件  

4

5.3

  標準試験条件  

5

6

  試験歯車及び相手歯車  

5

7

  試験歯車の歯元曲げ応力  

5

7.1

  呼び接線力,トルク,伝達動力及び周速  

5

7.2

  歯元曲げ応力  

5

7.3

  歯幅  

6

7.4

  歯形係数  

6

7.5

  応力修正係数  

10

7.6

  ねじれ角係数  

10

7.7

  歯元形状係数  

10

7.8

  リム厚さ係数  

10

8

  歯車の材料の許容歯元曲げ応力  

11

8.1

  一般  

11

8.2

  歯車の許容曲げ応力,寿命係数及び雰囲気温度係数  

11

8.3

  温度上昇係数  

12

8.4

  潤滑係数及び相手歯車係数  

12

9

  歯車の安全性の評価  

12

附属書 A(参考)歯元形状係数の算出例  

14

附属書 B(参考)許容曲げ応力,寿命係数及び雰囲気温度係数の算出例  

15

附属書 C(参考)潤滑係数及び相手歯車係数の算出例  

17

参考文献  

19


B 1759

:2013

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本歯車工業会(JGMA)及び

一般財団法人日本規格協会(JSA)から工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 B

1759

:2013

プラスチック円筒歯車の曲げ強さ評価方法

Estimation of tooth bending strength of cylindrical plastic gears

適用範囲 

この規格は,次の諸元をもつ平行軸プラスチック歯車対の曲げ強さ評価方法について規定する。評価は,

歯車の運転試験結果に基づいて歯車材料の許容歯元曲げ応力を求めるための係数を決定することによって

行う。

a)

歯直角モジュール 0.5

mm 以上 2.0 mm 以下

b)

基準円直径 100

mm 以下

c)

圧力角 14.5°以上 25°以下

d)

ねじれ角 25°以下

e)

正面かみ合い率 1.0 を超え 2.0 未満

f)

歯幅 25

mm 以下

g)

歯車精度

JIS B 1702-3

に規定する精度等級 P4∼P11 とする。

h)

歯形

JIS B 1701-1

の規定による。ただし,歯直角圧力角については,JIS B 1701-1 

規定する以外の歯形にも適用できる。また,歯元すみ肉形状が単一半径をもつ

歯車についても適用できる。

i)

その他

干渉がなく,歯先とがりがなく,適切なバックラッシがあり,かつ,歯当たり

不良がないもの。

  この規格は,射出成形によって製造したプラスチック歯車に適用するが,機

械加工したプラスチック歯車にも準用できる。

注記  この規格を適用するとき,次の事項について注意を要する。

a)

この規格に示す曲げ強さ評価方法は,外歯車及び内歯車に対して適用可能であるが,内歯車

に対しては実験データが少ないため応力解析に基づいて作成している。

b)

摩耗が進行したときの歯厚は,設計時の歯厚よりも小さくなり,損傷モードが異なることが

ある。

c)

繊維強化材料のプラスチック歯車にも適用できるが,繊維強化材料を使用した歯車の強度は,

繊維強化の方法及び成形方法に大きく依存する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0102-1

  歯車用語−第 1 部:幾何形状に関する定義


2

B 1759

:2013

   

JIS B 0121

  歯車記号−幾何学的データの記号

JIS B 1701-1

  円筒歯車−インボリュート歯車歯形−第 1 部:標準基準ラック歯形

JIS B 1702-1

  円筒歯車−精度等級    第 1 部:歯車の歯面に関する誤差の定義及び許容値

JIS B 1702-3

  円筒歯車−精度等級−第 3 部:射出成形プラスチック歯車の歯面に関する誤差及び両歯

面かみ合い誤差の定義並びに精度許容値

ISO 21771:2007

,Gears−Cylindrical involute gears and gear pairs−Concepts and geometry

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0102-1 によるほか,次による。

3.1 

試験トルク 

運転試験中の制御された負荷トルクの平均値。

3.2 

試験回転速度 

運転試験中の制御された試験を行う歯車の回転速度の平均値。

3.3 

試験温度 

運転試験中の制御された雰囲気温度の平均値。

記号及び単位 

この規格で用いる記号及び単位は,JIS B 0121 によるほか,次による。

B

R

:バックアップレシオ

b

:歯幅(mm)

d

:基準円直径(mm)

d

a

:歯先円直径(mm)

d

an

:相当平歯車の歯先円直径(mm)

d

bn

:相当平歯車の基礎円直径(mm)

d

en

:相当平歯車の一歯かみ合い領域の歯先側の点を通る円の直径(mm)

d

n

:相当平歯車の基準円直径(mm)

d

Na

:有効歯先円直径(mm)

d

w

:かみ合いピッチ円直径(mm)

E

:基準ラック歯元すみ肉半径の中心位置を示す寸法(mm)

F

wt

:呼び接線力(かみ合いピッチ円上)

(N)

G

:危険断面歯厚を求めるときの補助係数

H

:危険断面歯厚を求めるときの補助角度(rad)

h

:全歯たけ(mm)

h

Fe

:曲げモーメントの腕の長さ(mm)

h

fp

:基準ラックの歯元のたけ(mm)

L

:危険断面歯厚と曲げモーメントの腕の長さとの比

m

n

:歯直角モジュール(mm)


3

B 1759

:2013

n

:回転速度(min

1

P

:伝達動力(W)

p

bn

:歯直角法線ピッチ(mm)

q

s

:危険断面歯厚と歯元すみ肉丸み半径との比

R

c

:基準ラック歯元すみ肉半径(mm)

S

F

:曲げ強さに対する安全率

S

Fmin

:最小安全率

s

Fn

:歯元危険断面歯厚(mm)

s

R

:リム厚さ(mm)

T

:トルク(N·m)

v

w

:かみ合いピッチ円上における周速(m/s)

x

:転位係数(歯直角基準)

x

0

:ピニオンカッタの転位係数

Y

B

:リム厚さ係数

Y

F

:歯形係数

Y

f

:歯元形状係数

Y

L

:潤滑係数

Y

M

:相手歯車係数

Y

NT

:寿命係数

Y

S

:応力修正係数

Y

β

:ねじれ角係数

Y

Θ

:雰囲気温度係数

Y

ΔΘ

:温度上昇係数

z

:歯数

z

0

:ピニオンカッタの歯数

z

n

:相当平歯車の歯数

α

en

:相当平歯車の一歯かみ合い領域の歯先側の点の圧力角(°)

α

n

:歯直角圧力角(°)

α

Fen

:相当平歯車の一歯かみ合い領域の歯先側の点の作用角(°)

α

wt

:正面かみ合い圧力角(°)

β

:ねじれ角(°)

β

b

:基礎円筒ねじれ角(°)

γ

e

:相当平歯車の一歯かみ合い領域の歯先側の点の角度(°)

σ

F

:歯元曲げ応力(MPa)

σ

Flim

:許容曲げ応力(MPa)

σ

FP

:許容歯元曲げ応力(MPa)

ε

α

:正面かみ合い率

ε

αn

:相当平歯車の正面かみ合い率

ε

β

:重なりかみ合い率

ε

γ

:全かみ合い率


4

B 1759

:2013

   

Θ

:雰囲気温度(℃)

θ

:歯元の危険断面位置におけるラック工具(ピニオンカッタ)の創成角(rad)

ρ

fp

:基準ラックの歯元すみ肉半径(mm)

ρ

fpv

:創成ラック(ピニオンカッタ)の刃先丸み半径(mm)

ρ

F

:歯元すみ肉丸み半径(mm)

ω

:角速度(rad/s)

運転試験方法 

5.1 

一般 

プラスチック歯車の運転試験は,試験回転速度を一定とし,一定の負荷の下で,試験歯車に損傷が生じ

るか,又は試験歯車かみ合い回数が打ち切り値(10

6

を標準とする)に達するまで行う。用いる運転試験機

は,動力吸収式歯車運転試験機を基準とするが,負荷トルク変動を 5.2 に規定する値以下に制御できる場

合は,

動力循環式歯車運転試験機も使用できる。

動力吸収式歯車運転試験機の基本構成の例を

図 に示す。

この図では駆動モータがベルトを介して,ブレーキが直結でつながれているが,駆動モータ,ブレーキの

締結方法は問わない。相手歯車(箇条 参照)を駆動側とし,試験歯車を被動側とする。試験歯車と負荷

装置との間にトルクメータを置き,試験歯車に作用する負荷トルクを,試験回転速度とともに常時監視す

る。

1  ブレーキ 2

継ぎ手

3  トルクメータ 4

軸受

5  歯車軸 6

相手歯車

7  試験歯車 8

駆動モータ

9  ベルト 10

プーリ

図 1−動力吸収式歯車運転試験機の基本構成の例 

5.2 

運転試験の条件 

試験歯車の材料の強度及びしゅう(摺)動性を考慮し,試験歯車に負荷するトルク及び試験回転速度を

決定する。試験回転速度は,鋼歯車を相手歯車とする場合は 1 000 min

1

,プラスチック試験歯車で試験を

行う場合は 500 min

1

を目安とする。運転試験機の歯車取付け軸の全振れを 20  μm 以下にして,適切なバ

ックラッシを与え,

過度の片当たりが生じないように試験歯車及び相手歯車,

又は試験歯車対を組み付け,

運転を開始する。運転試験開始後,速やかに規定の回転速度まで加速するとともに,規定のトルクまで負

荷を増加させる。プラスチック材料は,一般に,線膨張係数が大きいので,運転試験中,軸穴部の隙間が

大きくならないように,またバックラッシが小さくならないように注意する。

運転試験中は,試験回転速度を±3 %以内に制御するとともに,負荷トルクも±5 %以内に制御しなけれ

ばならない。また,雰囲気温度の変動は,±2  ℃の範囲に保ち,相対湿度の変動は,±5 %の範囲に保た

なければならない。


5

B 1759

:2013

試験歯車の歯の損傷は,目視などで確認する。歯元のき裂又は歯の折損が確認された時点で寿命と判断

し,運転試験を終了する。負荷トルクに加え,試験歯車のかみ合いに起因すると考えられる振動,騒音,

温度上昇などを監視して,できるだけ初期のき裂発生時で試験を終了することが望ましい。歯面の過度の

摩耗,溶融など,前記以外の損傷が認められた場合は運転条件を見直す必要がある。

5.3 

標準試験条件 

この規格で定める標準試験条件は,雰囲気温度を(23±2)℃,相対湿度を(50±5)%,相手歯車を鋼

歯車,試験回転速度を 1 000 min

1

,潤滑剤は用いないものとする。

試験歯車及び相手歯車 

試験歯車は,モジュール 1 mm,歯幅 8 mm,歯数 50 を目安とする(以後,標準試験歯車という)

。相手

歯車は,歯幅が試験歯車より大きく,歯数が試験歯車と異なり,適切な歯先修整を施した歯車精度等級 JIS

5 級(JIS B 1702-1)以上の精度をもつ鋼製歯車とする。プラスチック歯車どうしで運転試験をしてもよい。

この場合,同歯数,同歯幅をもつ歯車対も使用できる。ただし,同じ歯幅の歯車で試験する場合は,両歯

車の側面をそろ(揃)えるように取り付けなければならない。

使用するプラスチック歯車は,射出成形及び歯切りを問わず,加工後,雰囲気温度(23±2)℃,相対湿

度(50±5)%で 24 時間以上状態を調節する。他の雰囲気温度で運転試験を行う場合は,状態を調節した

後,高い雰囲気温度に対してはゆっくりと加熱,低い雰囲気温度に対しては冷却し,10 分以上保持した後,

運転試験を開始する。潤滑剤を用いず運転試験を行う場合は,安定した試験結果を得るために,試験歯車

及び相手歯車のいずれも揮発性溶剤などで歯面を洗浄することが望ましい。

試験歯車の歯元曲げ応力 

7.1 

呼び接線力,トルク,伝達動力及び周速 

許容伝達力を求めるために用いる呼び接線力,すなわち,かみ合いピッチ円上の接線力とトルク及び伝

達動力との関係式を式(1)∼(4)に示す。添字 1 及び 2 は,JIS B 0121 による。

呼び接線力

w

2

w

,

1

w

2

,

1

2

w

,

1

w

2

,

1

wt

2

000

1

/

60

/

π

2

2

000

1

/

v

P

d

n

P

d

T

F

=

=

=

  (1)

トルク

2

,

1

2

,

1

2

w

,

1

w

wt

2

,

1

60

/

π

2

2

000

1

/

ω

P

n

P

d

F

T

=

=

=

  (2)

伝達動力

60

/

π

2

2

,

1

2

,

1

2

,

1

2

,

1

w

wt

T

n

T

v

F

P

=

=

=

ω

  (3)

周速

2

000

1

/

60

π

2

2

,

1

2

,

1

w

d

n

v

=

  (4)

7.2 

歯元曲げ応力 

歯元曲げ応力

σ

F

は,歯元表面における最大引張応力であり,式

(5)

で計算する。

σ

F

は,相当平歯車の一歯

かみ合い領域の歯先側の点に荷重が作用したときに発生する歯元曲げ応力である。

B

f

β

S

F

n

wt

F

Y

Y

Y

Y

Y

m

b

F

=

σ

  (5)

ここに,

m

n

歯直角モジュール(

mm


6

B 1759

:2013

   

Y

F

歯形係数(7.4 参照)

:一歯かみ合い領域の歯先側の点に荷

重が作用する場合の,歯元曲げ応力に及ぼす歯の形状の影
響を考慮するための係数

Y

S

応力修正係数(7.5 参照)

:一歯かみ合い領域の歯先側の点

に荷重が作用する場合の,公称歯元曲げ応力から局所歯元
曲げ応力を求めるための係数

Y

β

ねじれ角係数(7.6 参照)

:相当平歯車の歯元応力を,はす

ば歯車の応力に変換するための係数

Y

f

歯元形状係数(7.7 参照)

:歯元すみ肉形状が標準基準ラッ

ク(JIS B 1701-1)に準拠していない場合の歯元応力の変化
を考慮するための係数

Y

B

リム厚さ係数(7.8 参照)

:歯元応力に及ぼすリム厚さの影

響を考慮するための係数

7.3 

歯幅 

歯幅は,歯たけ中央を通る円筒上で測った歯の幅である。

異なる歯幅をもつプラスチック歯車対で試験する場合は,

図 のように狭いほうの歯幅

b

で評価する。

図 2−歯幅 

7.4 

歯形係数 

7.4.1 

概要 

危険断面位置は,外歯車に対しては

30

°接線が歯元すみ肉に接する位置,内歯車に対しては

60

°接線が

歯元すみ肉に接する位置とする(

図 及び図 参照)。7.4 及び 7.5 に記載する式は,図 に示す基準ラッ

ク歯形の記号を用いている。

はすば歯車に対する

Y

F

は,相当平歯車に対して計算する。相当平歯車の歯数

z

n

は,式

(20)

によって計算

する。


7

B 1759

:2013

図 3−基準ラック歯形 

7.4.2 

歯形係数 Y

F

の計算 

歯形係数

Y

F

の計算に必要な諸寸法を

図 及び図 に示す。

Y

F

は,これらの寸法を用いて式

(6)

によって

計算できる。以降に,歯形係数

Y

F

の計算に必要な寸法の計算式を示す。ただし,内歯車の

z

及び

x

の符号

については ISO 21771

:2007

を参照。

wt

2

n

Fn

Fen

n

Fe

F

cos

cos

6

α

α





=

m

s

m

h

Y

   (6)

7.4.3 

歯元危険断面歯厚,曲げモーメントの腕の長さ及び歯元すみ肉丸み半径の決定方法 

歯元危険断面歯厚

s

Fn

,曲げモーメントの腕の長さ

h

Fe

及び歯元すみ肉丸み半径

ρ

F

は,式

(7)

(18)

によっ

て求める(記号については

図 及び図 参照)。ただし,歯先に丸み又は面取りがある場合は,歯先円直

d

a

を有効歯先円直径

d

Na

に置き換える必要がある。

d

Na

は,歯先円筒近くの実際にかみ合うことができる

歯面の限界を通る円の直径である。

注記

歯元すみ肉丸み半径は,7.5 で用いる。

図 4−外歯車の危険断面


8

B 1759

:2013

   

図 5−内歯車の危険断面 

初めに,式

(6)

を計算するに当たり必要となる補助的な値を決定する。

基準ラック歯元すみ肉半径の中心位置を示す寸法

E

を式

(7)

(9)

によって計算する。

n

fpv

n

n

fp

n

cos

)

sin

1

(

tan

4

π

α

ρ

α

α

h

m

E

=

  (7)

                    ただし,

fp

fpv

ρ

ρ =

(外歯車の場合)  (8)

(

)

0

95

.

1

n

fp

n

fp

0

n

fp

fpv

036

.

1

156

.

3

/

/

z

m

m

h

x

m

×

+

+

ρ

ρ

ρ

(内歯車の場合)

  (9)

歯元危険断面歯厚を求めるための補助係数 は,式

(10)

によって計算する。

x

m

h

m

G

+

=

n

fp

n

fpv

ρ

   (10)

歯元危険断面歯厚を求めるための補助角度 は,式

(11)

及び式

(12)

によって計算する。

3

π

2

π

2

n

n





=

m

E

z

H

(外歯車の場合)

  (11)

6

π

2

π

2

n

n





=

m

E

z

H

(内歯車の場合)

  (12)

これらを用いて,式

(13)

から θ を求める。

H

z

G

=

θ

θ

tan

2

n

   (13)

超越方程式

(13)

の繰返し計算の初期値としては,外歯車に対しては θ

π/6

,内歯車に対しては θ

π/3

用いる。


9

B 1759

:2013

外歯車の歯元危険断面歯厚は式

(14)

で,内歯車の歯元危険断面歯厚は式

(15)

によって計算する。





+

=

n

fpv

n

n

Fn

cos

3

3

π

sin

m

G

z

m

s

ρ

θ

θ

  (14)





+

=

n

fpv

n

n

Fn

cos

6

π

sin

m

G

z

m

s

ρ

θ

θ

   (15)

外歯車の曲げモーメントの腕の長さは式

(16)

で,内歯車の曲げモーメントの腕の長さは式

(17)

によって計

算する。

(

)





=

n

fpv

n

n

en

Fen

e

e

n

Fe

cos

3

π

cos

tan

sin

cos

2

1

m

G

z

m

d

m

h

ρ

θ

θ

α

γ

γ

  (16)

(

)





 −

=

n

fpv

n

n

en

e

Fen

e

n

Fe

cos

3

6

π

cos

cos

tan

sin

2

1

m

G

z

m

d

m

h

ρ

θ

θ

γ

α

γ

 ···  (17)

歯元すみ肉丸み半径は外歯車及び内歯車ともに式

(18)

で求める。

(

)

G

z

G

m

m

2

cos

cos

2

2

n

2

n

fpv

n

F

+

=

θ

θ

ρ

ρ

  (18)

7.4.4 

相当平歯車に関するパラメータ 

相当平歯車に関するパラメータは,式

(19)

(29)

によって計算する。

(

)

(

)

n

2

n

b

cos

sin

arcsin

cos

sin

1

arccos

α

β

α

β

β

=

=

  (19)

β

β

cos

cos

b

2

n

z

z

=

   (20)

b

2

α

αn

cos

β

ε

ε

=

   (21)

n

n

b

2

n

cos

z

m

d

d

=

=

β

  (22)

n

n

bn

cos

π

α

m

p

=

  (23)

n

n

bn

cos

α

d

d

=

  (24)

d

d

d

d

+

=

a

n

an

   (25)

(

)

2

bn

2

an

n

2

bn

2

an

en

2

1

cos

cos

π

2

2

2

+



×

=

d

z

d

d

d

d

ε

α

β

   (26)





=

en

bn

en

arccos

d

d

α

   (27)

en

n

n

n

e

inv

inv

tan

2

π

5

.

0

α

α

α

γ

+

+

=

z

x

   (28)

e

en

Fen

γ

α

α

=

   (29)


10

B 1759

:2013

   

7.5 

応力修正係数 

応力修正係数

Y

S

は,

1

q

s

 < 8

の場合に対して,式

(30)

によって計算する(記号については

図 及び図 5

参照)

(

)

+

+

=

L

q

L

Y

3

.

2

21

.

1

1

s

S

13

.

0

2

.

1

  (30)

                    ここに,

Fe

Fn

h

s

L

=

  (31)

F

Fn

s

2

ρ

s

q

=

   (32)

7.6 

ねじれ角係数 

ねじれ角係数 Y

β

は,式(33)によって計算する。また,重なりかみ合い率は,式(34)によって計算する。

°

=

120

1

β

β

β

ε

Y

  (33)

n

β

π

sin

m

b

=

β

ε

  (34)

ただし,

ε

β

 > 1.0 のときは

ε

β

=1 を代入する。

7.7 

歯元形状係数 

歯元形状係数は,歯元すみ肉形状が標準基準ラック(JIS B 1701-1)に準拠する場合,Y

f

=1.0 とする。

歯元形状が標準基準ラックに準拠しない場合,例えば円弧のときは,Y

f

 > 1.0 とする。ただし,詳細な応力

解析を行って最適化した歯元形状とした場合は Y

f

 < 1.0 もあり得るが,相手歯車の歯先との干渉の危険性

も考慮して決定しなければならない。

附属書 に,歯元形状係数の例を示す。

7.8 

リム厚さ係数 

射出成形プラスチック歯車は,歯車精度を確保するためにリムを薄く製造することが多い。そのため,

リム厚さが充分な歯車に比べて負荷容量が減少する。

リム厚さ係数 Y

B

は,式(35)で表されるリム厚さの全歯たけに対する比,いわゆるバックアップレシオ B

R

図 及び図 参照)を用いて計算する。

h

s

B

R

R

=

  (35)

外歯車に対しては式(36)及び(37)によって計算する。

  0.4 < B

R

 < 1.4 のとき





=

R

B

9

.

52

ln

276

.

0

B

Y

  (36)

  B

R

≧1.4 のとき

0

.

1

B

=

Y

  (37)

内歯車に対しては式(38)及び(39)によって計算する。

  0.4 < B

R

 < 1.5 のとき


11

B 1759

:2013





=

R

B

61

.

5

ln

759

.

0

B

Y

   (38)

B

R

≧1.5 のとき

0

.

1

B

=

Y

  (39)

図 6−リム厚さ(外歯車) 

図 7−リム厚さ(内歯車) 

歯車の材料の許容歯元曲げ応力 

8.1 

一般 

歯車の材料の許容歯元曲げ応力

σ

FP

は,式(40)によって計算する。

M

L

Δ

NT

Flim

FP

Y

Y

Y

Y

Y

σ

σ

=

Θ

Θ

  (40)

ここに,

σ

Flim

許容曲げ応力(8.2 参照)(MPa)

Y

NT

寿命係数(8.2 参照:有限寿命時の曲げ強さを与える係数)

Y

Θ

雰囲気温度係数(8.2 参照:雰囲気温度が曲げ強さに及ぼす
影響を考慮するための係数)

Y

ΔΘ

温度上昇係数(8.3 参照:歯車本体温度の上昇が歯の曲げ強
さに及ぼす影響を考慮するための係数)

Y

L

潤滑係数(8.4 参照:潤滑方法が曲げ強さに及ぼす影響を考
慮するための係数)

Y

M

相手歯車係数(8.4 参照:相手歯車の材料が曲げ強さに及ぼ
す影響を考慮するための係数)

これらの値は実際のプラスチック歯車に対して運転試験を行い,8.28.4 のように求める。必要に応じ

て運転試験の結果を補完する解析結果を用いることもできる。

8.2 

歯車の許容曲げ応力,寿命係数及び雰囲気温度係数 

この規格で用いる歯車の許容曲げ応力

σ

Flim

は,試験歯車を用いて行った運転試験の結果によって得られ

た値で,材料試験片を用いて行った曲げ試験の結果によって得られた値ではない。プラスチック材料は,

一般に明確な疲労限度を示さないため,この規格では,かみ合い回数 10

6

で損傷確率 1 %となる負荷トル

クから式(5)で計算した歯元曲げ応力を歯車の許容曲げ応力

σ

Flim

と定義する。

寿命係数 Y

NT

は,かみ合い回数 10

6

以下の有限寿命設計を行う際に用いる係数である。必要な場合には,

10

6

を超える寿命を確保するために用いてもよい。

雰囲気温度係数 Y

Θ

は,雰囲気温度が材料強度に及ぼす影響を考慮するために用いる係数である。この規

格では,標準試験条件での強度を基準としているので,標準試験条件における運転に対して Y

Θ

=1.0 とす

る。

歯車運転試験における負荷トルクは,少なくとも 3 レベルとし,歯の損傷の確認されるかみ合い回数が

10

6

以下の範囲でなるべく広くなるように選ぶ

[3]

。かみ合い回数が 10

6

を超える寿命に対しても寿命係数を


12

B 1759

:2013

   

求める場合は,この 3 レベルに加え,歯の損傷がかみ合い回数が 10

6

を超えるまで歯の損傷が認められな

い負荷レベルの結果を少なくとも一つ以上含まなければならない。

種々の負荷トルクで運転試験を行った結果に基づき式(5)によって求めた歯元曲げ応力

σ

F

と損傷が認め

られたときのかみ合い回数 の関係として両対数グラフにプロットする。これを最小二乗法で直線近似す

る。各プロット点のこの近似直線からの偏差に基づき標準偏差

σを求め,近似直線を 2.33σだけ下方に平行

移動する。この近似直線と N=10

6

の線の交点における

σ

F

の値を歯車の許容曲げ応力

σ

Flim

とする。

この近似直線を表す式を

σ

F

で無次元化した式を寿命係数 Y

NT

とする。

標準試験条件以外の雰囲気温度下での雰囲気温度係数 Y

Θ(at

Θ=

XX

)

は,式(41)によって計算する。

Flim

)

XX

atΘ

lim(

F

)

XX

atΘ

(

Θ

σ

σ

=

=

=

Y

  (41)

また,複数の雰囲気温度に対して雰囲気温度係数を求め,これを雰囲気温度係数の式で表してもよい。

附属書 にポリアセタール歯車に対して行った運転試験の結果から歯車の許容曲げ応力,寿命係数及び

雰囲気温度係数を求める例を示す。

8.3 

温度上昇係数 

プラスチック材料は,鋼などの金属材料に比べ熱伝導率が非常に小さい。したがって,摩擦発熱及びヒ

ステリシス発熱による歯部の温度上昇が材料強度に影響を及ぼす程度の大きさに達する。温度上昇係数

Y

ΔΘ

は,この影響を考慮するための係数である。標準試験歯車に対し,標準試験条件で行ったときに Y

ΔΘ

=1.0 とする。

この温度上昇は,モジュール,歯幅,歯車回転速度等の影響を受ける。したがって,モジュールが 1 mm

未満,歯幅が 8 mm 未満,歯車回転速度が 1 000 min

1

未満の場合は Y

ΔΘ

 > 1.0,モジュールが 1 mm 超,歯

幅が 8 mm 超,歯車回転速度が 1 000 min

1

超の場合は Y

ΔΘ

 < 1.0 となる。

温度上昇係数を決めるためには詳細な実験及び解析が必要となる。ポリアセタール歯車に対する温度上

昇係数を求める例を参考文献[5]∼[7]に示す。

8.4 

潤滑係数及び相手歯車係数 

プラスチック歯車は,しばしば潤滑剤を用いずに使用する。しかし,適切な潤滑剤を用いることで負荷

容量を大きくできる場合も多い。潤滑係数 Y

L

は,この効果を考慮するための係数である。

この規格は,潤滑剤を用いない場合を標準としているため,潤滑剤を用いない運転に対して Y

L

=1.0 と

する。したがって,適切な潤滑剤を用いたとき Y

L

 > 1.0 となる。

プラスチック歯車と鋼歯車をかみ合わせる場合に比べプラスチック歯車どうしをかみ合わせると,歯部

の温度上昇が大きくなり負荷容量が低下する。相手歯車係数 Y

M

は,この影響を考慮するための係数であ

る。この規格は,鋼歯車を相手歯車とする場合を標準としているため相手歯車が鋼歯車のとき Y

M

=1.0 と

する。したがって,プラスチック製の試験歯車の対のとき Y

M

 < 1.0 となる。プラスチック歯車どうしの運

転試験に基づいて求められた許容曲げ応力

σ

Flim

を用いる場合には,鋼製歯車を用いたとき Y

M

 > 1.0 となる。

材料が異なるプラスチック歯車の対での運転の場合,Y

M

は運転試験を行うなどして求めなければならない。

附属書 に,ポリアセタール歯車に対する運転試験の結果から潤滑係数及び相手歯車係数を求める例を

示す。

歯車の安全性の評価 

許容歯元曲げ応力が既知のプラスチック材料を用いて歯車の諸元設計をする場合の安全性評価は,次の

とおりである。


13

B 1759

:2013

設計諸元によって式(5)を用いて,与えられた呼び接線力に対する歯元曲げ応力

σ

F

を求め,更に与えられ

た運転条件に対する許容歯元曲げ応力

σ

FP

を式(40)から求める。このときのプラスチック歯車の安全率 S

F

を式(42)と定義する。

F

FP

F

σ

σ

S

=

   (42)

これが,式(43)を満たすとき,安全であるとみなす。

min

F

F

S

S

>

   (43)

ここに,S

Fmin

は,安全率の最小値で,受渡当事者間の協議による。


14

B 1759

:2013

   

附属書 A

(参考)

歯元形状係数の算出例

A.1

  一般 

この規格は,歯元すみ肉形状を基準ラック対応のホブが創成する歯元すみ肉形状となる場合を標準とし

ているが,歯元すみ肉形状を円弧とするものも広く利用されている。円弧形状で生じる歯元応力は,歯元

すみ肉形状で生じる応力より大きくなることが知られている。この規格では,標準の歯元すみ肉形状に対

する歯元形状係数を Y

f

=1.0 とし,歯元形状が円弧の場合は Y

f

 > 1.0 として与える。

A.2

  歯元形状係数 

歯車の歯元形状を円弧とした歯車と,標準の歯元すみ肉形状をもつ歯車について FEM 解析によって歯

元曲げ応力の比較を行い,歯元形状係数 Y

f

を求めた。その結果を

図 A.1 に示す。

図 A.1−歯元形状係数の例 


15

B 1759

:2013

附属書 B

(参考)

許容曲げ応力,寿命係数及び雰囲気温度係数の算出例

B.1

  許容曲げ応力 

図 B.1 のプロット点は,表 B.1 に示す歯車を用いて表 B.2 に示す条件下で運転試験を行ったときの式(5)

によって求めた歯元曲げ応力

σ

F

と損傷が認められたときまでのかみ合い回数 との関係を両対数目盛で示

したものである。

図 B.1 中の破線はそれらを最小二乗法で直線近似したものである。その近似直線と各プ

ロット点との偏差から標準偏差

σを求め,その破線を 2.33 σだけ下方に平行移動した直線(図 B.1 の実線:

かみ合い回数 10

6

で損傷確率が 1 %となる応力レベル)を引くとその方程式は,式(B.1)となる。

112

.

0

F

376

N

σ

=

  (B.1)

式(B.1)で N=10

6

としたときの

σ

F

=80.0 MPa が,この実験から得られる許容曲げ応力

σ

Flim

である。

B.2

  寿命係数 

式(B.1)を B.1 で求めた

σ

Flim

で無次元化して寿命係数 Y

NT

が,式(B.2)のように求められる。

112

.

0

NT

70

.

4

N

Y

=

   (B.2)

かみ合い回数  N

図 B.1−許容曲げ応力及び寿命係数の算出 

表 B.1−歯車諸元 

表 B.2−運転条件 

相手歯車

試験歯車

トルク(N・m) 4.0,5.0,7.0

モジュール(mm) 1.0

回転速度(min

1

) 1

000

圧力角(°) 20

雰囲気温度(℃) 25

歯数 67

48

相対湿度(%) 50

ねじれ角(°) 0  0

転位係数 0

0

歯幅(mm) 10.0

8.0

歯先円直径(mm) 69.0

50.0

歯底円直径(mm) 64.5

45.5

材料 SCM415

POM

120

100

80

60

歯元曲げ応力

σ

F

(MPa)

10

5

10

6

 10

7


16

B 1759

:2013

   

B.3

  雰囲気温度係数 

図 B.2 のプロット点は,雰囲気温度だけを 80  ℃と高くした場合の運転試験の結果を示している。図の

破線は,これらの結果を

図 B.1 に示した直線と同じ傾きの直線で最小二乗近似したもので,実線は,図 B.1

と同じように,1 %の損傷確率となるレベルに平行移動した直線である。この直線からかみ合い回数 N=10

6

で損傷確率が 1 %となる応力レベルを求めると 65.9 MPa となる。これが

σ

Flim (at 80

)

となる。したがって,

雰囲気温度 80  ℃における雰囲気温度係数 Y

Θ (at 80

)

は 0.82(安全側に丸めている)となる。

かみ合い回数  N

図 B.2−雰囲気温度係数の算出 

必要な場合には

σ

Flim

を求めたときの雰囲気温度が 25  ℃であったことを考慮し,これらを雰囲気温度 Θ

(℃)について線形近似し,雰囲気温度係数を,式(B.3)として見積もることもできる(

図 B.3 参照)。

07

.

1

)

10

12

.

3

(

3

+

×

=

Θ

Θ

Y

  (B.3)

しかし,より正確を期すため,雰囲気温度を種々に変えて試験することが望ましい。

図 B.3−雰囲気温度係数の例 

120

100

80

60

歯元曲げ応力

 σ

F

(MPa)

10

5

 10

6

 10

7

温度

Θ

(℃)

雰囲気温度係

 Y

Θ

0 20 40 60 80

100

1.6

1.4

1.2

1.0

0.8

0.6

0.4

0.2

0

07

.

1

)

10

12

.

3

(

3

+

×

=

Θ

Θ

Y


17

B 1759

:2013

附属書 C 
(参考)

潤滑係数及び相手歯車係数の算出例

C.1

  一般 

潤滑係数及び相手歯車係数も本来は潤滑剤を用いた運転試験,又はプラスチック歯車対での運転試験を

行い,得られた許容曲げ応力

σ

Flim

を標準試験条件での運転試験の結果から得られたそれと比較して決める

べきである。しかしながら,ここでは簡易な方法として安全率の観点から見積もる方法を,潤滑係数を例

にして示す。歯元曲げ応力

σ

F

が式

(5)

から算出でき,また許容歯元曲げ応力

σ

FP

を与える式

(40)

の潤滑係数以

外の全ての係数が既知であるとき,

(42)

から求めた安全率が

1

となるように仮の潤滑係数を計算できる。

同様にして,仮の相手歯車係数も計算できる。

C.2

  潤滑係数 

図 C.1 は,表 B.1 に示した歯車を用いて,表 C.1 に示す条件下で運転試験を行い,損傷が認められたと

きのかみ合い回数から式

(B.2)

で計算される寿命係数と仮の潤滑係数との関係を表したものである。

なお,雰囲気温度係数は,B.3 に従い

0.82

とした。

図 C.1 に示すように,仮の潤滑係数が平均で

1.25

図 C.1 の破線)となっているが,ばらつき(標準偏

σ=

0.025

)を考慮し,おおよそ

1 %

の損傷確率となるように潤滑係数を見積もる。そこで,

図 C.1 の破

線を

2.33

σだけ下方に平行移動(図 C.1 の実線)し,この場合には,潤滑係数を

1.19

と見積もることがで

きる。

図 C.1−潤滑係数の算出 

表 C.1−運転条件(プラスチック−鋼歯車対) 

トルク(N・m) 5.0

回転速度(min

1

) 1

000

雰囲気温度(℃) 80

相対湿度(%) 50

潤滑油

グリス

1.35

1.30

1.25

1.20

1.15

1.10

1.05

1.00

寿命係数

仮の潤滑係数

0.90 0.92 0.94 0.96 0.98 1.00 1.02 1.04


18

B 1759

:2013

   

C.3

  相手歯車係数 

図 C.2 は,表 B.1 に示した試験歯車を対として,表 C.2 に示した条件下で運転試験を行い,損傷が認め

られたときのかみ合い回数から式

(B.2)

で算出した寿命係数と仮の相手歯車係数の関係を表したものであ

る。

なお,参考文献

[5]

[8]

を参考にして,回転速度

500 min

1

のときの温度上昇係数を,伝達トルクが

5 N·m

では

Y

ΔΘ

1.32

4 N·m

では

Y

ΔΘ

1.23

とした。

図 C.2 に示したように,仮の相手歯車係数が平均で

0.685

図 C.2 の破線)となっているが,ばらつき(標

準偏差

σ=

0.012

)を考慮し,おおよそ

1 %

の損傷確率となるように相手歯車係数を見積もる。そこで,

C.2

の破線を

2.33

σだけ下方に平行移動(図 C.2 の実線)し,この場合,相手歯車係数を

0.65

と見積もる

ことができる。

図 C.2−相手歯車係数の算出 

表 C.2−運転条件(プラスチック製の試験歯車の対) 

トルク(N・m) 4.0,5.0

回転速度(min

1

) 500

雰囲気温度(℃) 25

相対湿度(%) 50

仮の相手歯車

係数

寿命係数

0.80

0.75

0.70

0.65

0.60

0.55

0.50

0.95  1.00 1.05 1.10 1.15


19

B 1759

:2013

参考文献

[1]

ISO 6336-1

:2006

Calculation of load capacity of spur and helical gears

Part 1: Basic principles, introduction

and general influence factors

[2]

ISO 6336-3

:2006

Calculation of load capacity of spur and helical gears

Part 3: Calculation of tooth bending

strength

[3]

JSME S 002

:1994

,統計的疲労試験方法,社団法人日本機械学会,

1994

[4]

森脇一郎,福島隆雄,上田昭夫,中村守正,プラスチック歯車の疲労折損に及ぼすリム厚さの影響,

精密工学会誌,

76

巻,

2

号,

pp.201-206

2010

[5]

上田昭夫,吉原正義,高橋秀雄,森脇一郎,プラスチック歯車のかみ合い発熱のコンピュータシミュ

レーション(プラスチック平歯車対の場合)

,日本機械学会論文集

C

編,

73

巻,

732

号,

p.2364

2007

[6]

上田昭夫,高橋秀雄,中村守正,森脇一郎,プラスチック歯車のかみ合い発熱のコンピュータシミュ

レーション

(歯の温度上昇に及ぼす歯幅の影響)

日本機械学会論文集

C

編,

74

748

号,

pp.3050-3055

2008

[7]

上田昭夫,高橋秀雄,中村守正,森脇一郎,プラスチック歯車のかみ合い発熱のコンピュータシミュ

レーション(歯の温度上昇に及ぼすモジュールと回転速度の影響)

,日本機械学会論文集

C

編,

75

752

号,

pp.1072-1076

2009

[8]

森脇一郎,今吉健,中村守正,上田昭夫,プラスチック歯車の負荷容量に及ぼす潤滑剤及び相手歯車

材料の影響,精密工学会誌,

vol.78

No.11

pp.992-997

2012