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B 1756:2008 

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本歯車工業会(JGMA)/財団法人

日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 14104:1995,Gears−Surface temper

etch inspection after grinding を基礎として用いた。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録出願

に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特

許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,

責任をもたない。

JIS B 1756 には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


 
B 1756:2008

(2)

目  次

ページ

序文 

1

1.  適用範囲

1

2.  設備

1

2.1  容器の材質 

1

2.2  検査の場所 

1

2.3  検査の時間 

2

2.4  洗浄

2

3.  試薬

2

3.1  洗浄剤

2

3.2  硝酸

2

3.3  塩酸

2

3.4  アルコール 

2

3.5  水

2

3.6  アルカリ溶液 

2

3.7  さび止め油 

2

4.  検査の手順 

2

4.1  洗浄

2

4.2  エッチング 

4

5.  検査基準

5

5.1  目視検査及び等級分類 

5

5.2  表面硬さの影響

6

6.  表面焼戻し箇所の再加工 

6

7.  エッチング変色の除去 

7

8.  メンテナンス及び管理 

7

9.  安全性及び環境への配慮 

7

10.  仕様書及び検査証明書 

7

10.1  仕様書

7

10.2  検査証明書 

8

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

9


B 1756:2008

日本工業規格

JIS

 B

1756

:2008

歯車−研削後の表面焼戻しエッチング検査法

Gears Surface temper etch inspection after grinding

序文  この規格は,1995 年に第 1 版として発行された ISO 14104,Gears−Surface temper etch inspection after

grinding を元に対応する部分については,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本

工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない規定項目を日本工業規格として追加している。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。変更

の一覧表をその説明を付けて,

附属書(参考)に示す。

この規格では,この検査によって検出された表面焼戻しの状態を記録するための等級分類についても規

定している。ただし,合否判定基準については個々の歯車の仕様によって検討されるべきであり,注文者

又は製造業者の判断に委ねられる。したがって,この規格では合否判定基準は規定しない。

1.  適用範囲  この規格は,研削歯面の局部的な熱影響を化学的エッチングによって検出するための検査

手順,検査基準,等級分類などについて規定する。

この規格によるエッチング検査法は,通常の硬さ試験より表面硬さの変化に敏感である。したがって,

研削後の表面焼戻しの検出には,この規格の検査法を用いることが望ましい。

この規格は,鉄鋼製の歯車に適用するが,軸・スプライン・ベアリングなどの鉄鋼製の部品にも準用し

てよい。しかし,窒化された部品及びステンレス鋼には適用しない。

このエッチング検査は,研削後,他の仕上げ工程を施す前に実施しなければならない。

備考1.  この規格では,この検査法をナイタルエッチ(nital etch)と呼び,一般に金属組織を観察するた

めに用いる従来のエッチング方法と混同してはならない。

2.  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 14104:1995,Gears−Surface temper etch inspection after grinding (MOD)

参考  ここでいう局部的な熱影響とは,表面焼戻し(目視で確認できないような軽度な研削焼けのこ

とである。

)として現れる。

2.  設備   
2.1 

容器の材質  容器の材質は,中に入れる溶液と反応しないものであるとともに,検査の過程で試料

に損傷を与えるものであってはならない。容器には,中の溶液についての表示ラベルを貼付し,使用しな

いときはアルコールの蒸散による発火を避けるため,密封して保管する必要がある。

2.2 

検査の場所  被検面に影及び反射がないよう十分に照明する必要がある。検査時の明るさは,照度

3 200 lx が望ましい。


2

B 1756:2008

2.3 

検査の時間  良好な検査結果を得るためには,すべての過程において作業時間を守る必要がある。

2.4 

洗浄  アルカリ洗浄,蒸気脱脂,溶剤洗浄又は同等の洗浄工程が必要である。

3.  試薬  使用する化学薬品は,大量生産されている一般の試薬又はそれ以上の品質のものでなければな

らない。

3.1 

洗浄剤  試料の汚れ,砂,グリース及び油を除去し,“水切れ”のない被検面を得るために洗浄剤を

使用する。

なお,被検面は 40  ℃以下の清浄な水の連続した水皮膜が 15 秒以上保持できるような“水切れ”のない

表面でなければならない。

参考  水切れ(water break)とは,表面が汚れているために,水皮膜が不連続に現れる現象。

3.2 

硝酸  密度  ρ=1.42 g/ml のもの。

3.3 

塩酸  密度  ρ=1.19 g/ml のもの。

3.4 

アルコール  油などの含有物を含まない清浄なメタノール又は変性エタノール

3.5 

水  清浄な水

3.6 

アルカリ溶液  pH 値 10 以上の,体積分率 4∼6  %水酸化ナトリウム水溶液又は体積分率 13∼17  %

水酸化アンモニウムのアルコール溶液

3.7 

さび止め油  さび止め油は,エッチングの結果を保護するためのものではない。

4.  検査の手順  図 によって,最初に試料の被検面を洗浄する(4.1 及び表 参照)。次に,試料の材質

に応じて,

表 又は表 に示された手順でエッチングする。特定の指示がない限り,手順は製造業者が選

択する。

4.1 

洗浄  良好な検査結果を得るためには,エッチング前の被検面の洗浄は非常に重要であり,適切な

洗浄はエッチング検査の必す(須)工程である。不適切な洗浄は,不均一な変色・しみの発生に繋がり,

エッチング結果の解析が困難となる。洗浄が十分であるかは,被検面を水洗いしたときに“水切れ”がな

いことで確認できる。エッチングに先立ち,被検面の汚れが完全に除去されているかを確認することを記

録しておくとよい。

推奨される代表的な洗浄方法を,次に示す。

a)  蒸気脱脂又は溶剤洗浄

b)  ブラスト処理:表面の仕上り程度及び寸法精度を維持するため,研磨材の粒子の大きさ及び吹付け方

法を選択する。また,試料は清浄な白い手袋で取り扱うことが望ましい。

c)  アルカリ洗浄又は超音波洗浄

上記 a) b) c)は,洗浄後,

“水切れ”に対する確認を行い,

“水切れ”のない被検面が得られるまで洗浄を

繰り返す。

洗浄方法は,試料に付着した汚れの種類によって決められ,製造業者が選択する。

表 に汚れの種類及

びそれに対応した洗浄方法の一例を示す。

  1  洗浄方法の一例

汚れの種類

洗浄方法

染料又はインキ

アルコール,メチルエチルケトン又は同等品

グリース又は油

蒸気脱脂

石けん

アルカリ洗浄液(60∼80  ℃)又は超音波洗浄


3

B 1756:2008

  1  検査手順のフローチャート

洗    浄

染料又はインキ

グリース,油 
又はワックス

泥又は石けん

酸化物

“水切れ”のない被検面が

得られるまで洗浄を繰り返す

エッチング

タイプ 2

浸炭鋼又は全体硬化鋼

タイプ 1

(この規格では用いない)

タイプ 3

工具鋼又は高合金鋼

さび止め油

検    査

洗    浄

(ベーキングが必要な場合)

ベーキング

(必要な場合)

さび止め油


4

B 1756:2008

4.2 

エッチング  表面焼戻しエッチング検査に有効であるエッチング法を,次に示す。エッチング法は,

試料の材質及び取扱いの容易さによって選択される。

参考  図 に示すタイプ 1 のエッチング法は,一般に金属組織を観察するために用いる従来の方法で

あり,この規格では用いない。

タイプ 2 のエッチング法(

表 参照)は,一般的な検査方法である。タイプ 2 は,通常,浸炭鋼の検査

に用いられるが,全体硬化鋼の表面焼入れ部分にも用いることができる。

タイプ 3 のエッチング法(

表 参照)は,通常,工具鋼及び高合金鋼の検査に用いる。また,タイプ 2

の代用として用いることができる。タイプ 3 を用いる場合は,ブラスト処理が不要である。

実用的にはタンク内に浸す方法が望ましいが,これができない大きさの試料は,綿布などを用いて,

又は表 に示したものと同様の試薬及び方法でエッチングすることができる。この綿布などを用いる方

法は,管理及び検査結果の判断が困難であるため,受渡当事者間の合意の下に実施することが望ましい。

エッチング後,直ちに被検面の検査を実施しなければならない。

検査後,水素ぜい性除去の目的でベーキングを実施してもよい。この場合の最高熱処理温度は,最終の

焼戻し温度より,

少なくとも 14  ℃以上低くなければならない。

ベーキングの時間は 2∼4 時間が望ましい。

  2  タイプ のエッチング法(浸炭鋼,全体硬化鋼の表面焼入れ部分などに適用)

工程  (

1

)

溶液  (

2

)

推奨時間  (

3

)

摘要

1  硝酸エッチング  (

4

)

体積分率 3∼5  %
硝酸の

アルコール溶液

又は  水溶液

 

30∼60 秒 
10∼30 秒

黒色酸化皮膜が生成される適切な時間
は一様でない。

2  水洗

適宜

酸の除去

3  アルコール浸せき・乾燥  (

5

)  アルコール

適宜

浸せき・乾燥・水の除去

4  脱色  (

4

)

体積分率 4∼6  %
塩酸の

アルコール溶液

又は  水溶液

30∼60 秒

被検面が均一な茶色がかった灰色とな
るように適切な時間だけ浸せきさせる。

5  水洗

適宜

酸の除去

6  中和

アルカリ溶液

(≧pH 10)

10∼60 秒

かくはんしながら浸せき

7  水洗

適宜

アルカリ溶液の除去

8  アルコール浸せき・乾燥  (

5

)  アルコール

適宜

浸せき・乾燥・水の除去

9  防せい(錆)

さび止め油

適宜

防食及び色合いを強調させるため

(

1

)  各液槽への浸せき及び水洗は,不均一なエッチングを避けるため,又は完全に中和させるため,均一にか

くはんする。

(

2

)  すべての溶液は常温で用いる。

(

3

)  各推奨時間は目安であり,試験によって適切な時間を確立し,設定しておく。

(

4

)  表面焼戻しエッチング検査が不要で精密な許容差をもつ部分は,肉厚減少を避けるため,適宜にマスキン

グするとよい。この表に記載された条件のエッチングでは,片側約 0.003 mm の肉厚減少が生じる。

(

5

)  アルコール中に沈めて,よくかくはんする。他の方法として,65  ℃以上の湯洗いとエアーブローとによ

る乾燥を用いてもよい。


5

B 1756:2008

  3  タイプ のエッチング法(工具鋼,高合金鋼などに適用)

工程  (

1

)

溶液  (

2

)

推奨時間  (

3

)

摘要

1

塩酸エッチング  (

4

)

体積分率 4∼6  %塩
酸の

アルコール溶液

又は  水溶液

 

1.5∼3.5 分

30∼60 秒

2

水洗

適宜

酸の除去

3

アルコール浸せき・乾燥  (

5

)  アルコール

適宜

浸せき・乾燥・水の除去

4

硝酸エッチング  (

4

)

体積分率 3∼5  %硝
酸の

アルコール溶液

又は  水溶液

 

1.5∼3.5 分

30∼60 秒

黒色酸化皮膜が生成される適切な時
間は一様でない。

5

水洗

適宜

酸の除去

6

アルコール浸せき・乾燥  (

5

)  アルコール

適宜

浸せき・乾燥・水の除去

7

脱色  (

4

)

体積分率 4∼6  %塩

酸の

アルコール溶液

又は  水溶液

 

1.5∼3.5 分

30∼60 秒

被検面が均一な茶色がかった灰色と

なるように適切な時間だけ浸せきさ
せる。

8

水洗

適宜

酸の除去

9

中和

アルカリ溶液

(≧pH 10)

10∼60 秒

かくはんしながら浸せき

10  水洗

適宜

アルカリ溶液の除去

11

アルコール浸せき・乾燥  (

5

)  アルコール

適宜

浸せき・乾燥・水の除去

12  防せい(錆)

さび止め油

適宜

防食及び色合いを強調させるため

5.  検査基準   
5.1 

目視検査及び等級分類  焼戻しされた表面の状態の等級分類を,表 に示す。適切な洗浄及び適切

なエッチングを実施した場合,焼戻しされていない部分は,一様な灰色の色彩を呈する。局部的に焼戻し

された部分は,濃い灰色又は黒色を呈する。一般に焼戻しの激しさは,その色合いが濃くなるに連れて増

大する。

研削中に再焼入れに十分な熱が発生した場合は,

結果として部分的に再硬化が起こることもある。

この再硬化部分には,白色又は明るい色調の焼戻しされていないマルテンサイト部を含んでおり,その周

囲を黒色の焼戻し部分が取り囲んでいることもある。

局部的に焼戻しされた部分及び再硬化部分は,その部分の面圧強度に影響を及ぼすことになるが,実用

できる可能性はあるので,合否の判定は受渡当事者間で協議することが望ましい。

特に,き裂に進展しやすい等級 D 及び等級 E の状態を呈する部分は,磁粉探傷試験によって検査するの

がよい。

表 に示す等級分類システムを用いて,受入基準及び廃却基準を設けるのが望ましい。また,この規格

の使用者が独自の参照規格を設定しておくことが望ましい。


6

B 1756:2008

  4  表面焼戻し等級分類システム

接頭コード

F:機能表面:歯面,歯底面,軸受面,その他指定箇所 
N:非機能表面:上記以外の表面

等級コード  (

6

)

等級

説明

表面指示状態


B

(C)(削除等級)

D

E

焼戻しなし

軽微な焼戻し

(中程度の焼戻し)

重度の焼戻し

再硬化

極度のオーバーヒーティング

一様な灰色

小範囲の(明るい)変色

(使用しない)

広範囲の(暗い)変色

黒色変色域に囲まれた白色域

接尾コード  (

6

)

レベル

影響部面積の最大割合



3

10  % 
25  %

無制限

(

6

)  歯面のような単一表面で測定する。

備考  等級の表示例を,次に示す。

FA/NB2:機能表面での焼戻しは許容されないが,単一の非機能表面(例えば,ボス及び

軸の肩部)での軽微な焼戻しは,その領域の 25  %まで差し支えない。

FB1/ND2 
FB2:非機能表面においては,制限なし。 
FB3/FD2/ND3:軽微な焼戻しは無制限に許容されるが,重度の焼戻しは,単一の機能表

面(例えば,歯面)において,その領域の 25  %まで差し支えない。さらに,非機能表面
での重度の焼戻しは無制限でも差し支えない。

5.2 

表面硬さの影響  このエッチング検査法は,他の硬さ試験によって容易に表面硬さの変化を検出で

きる。経験上,浸炭された表面に部分的な焼戻しが存在すると,許容接触応力σ

Hlim

の値が減少するのは確

実である。可能であれば,焼戻し部分の検査は,微小硬さ試験法を用いるのが望ましい。硬さ試験法には

差異があるため,装置の形式,荷重,使用する換算図表などについて記録することが望ましい。幾つかの

ポータブル形微小硬度計は,被検面に測定きずを付けずに測定が可能である。しかし,正確な測定値を得

るためには,これらの硬度計の適切な使用が必要である。

油汚れ,変色,さび,その他表面に異常があった場合,誤ったエッチング結果を招くことがある。この

場合には,再洗浄したうえで,再検査しなければならない。繰返しエッチングを行う場合,肉厚減少に注

意し,寸法公差を維持したうえで実施しなければならない。しみなどによる変色部は,ほぼ完全に拭き取

ることができるため,焼戻しされた部分とは区別できる。拭き取り後も,焼戻しされた部分は周囲の部分

より黒ずんだ色彩を呈する。

このようなエッチング手法は,化学変化部分,不均一な浸炭部分,未浸炭部分などの表面硬さの異常を

検出することにも有効である。

6.  表面焼戻し箇所の再加工  研削仕上げされた部分が,この検査で許容できないことが判明した場合で

あっても,仕上げ代があれば再加工することができる。再加工に当たっては,注文者の許諾を得ることが

望ましい。


7

B 1756:2008

再加工の前後に,磁粉探傷試験を実施しなければならない。

ショットピーニングによって,悪条件の研削で生じた有害な影響を低減できる場合がある。表面焼戻し

箇所へのショットピーニングの実施については,受渡当事者間の協定による。

7.  エッチング変色の除去  エッチングによる変色は機能的に有害ではないが,外観上の目的で要求があ

れば,アルカリ電解クリーナー・ベーパホーニング・ポリシング・ガラスビーズクリーニングなどによっ

て除去してもよい。しかし,変色の除去は寸法及び表面性状の変化につながることがある。

8.  メンテナンス及び管理  溶液の性能を管理するためには,溶液の使用法,製造時期などを把握するほ

か,既知の焼戻しのある標本でエッチング検査を確認することが望ましい。このエッチング検査後には,

標本の変色を除去しておかなければならない(7.  参照)。その後,標本は防せい(錆)しておく。また,

定期的に交換するのが望ましい。

溶液は,濃度及び汚れを使用に応じて定期的に管理し,記録する。酸アルコール溶液の場合の検査は,

アルカリ滴定による。

9.  安全性及び環境への配慮  次の項目は,安全性及び環境への配慮についての推奨事項である。

参考  安全性及び廃液の処理については,薬品製造業者・販売店などからアドバイスを受け,関連法

規を遵守しなければならない。

a)  濃縮又は希釈された酸又はアルカリは,危険な場合がある。万一人体に付着するようなことが発生し

た場合は,ただちに大量の冷水で流し,医師の診察を受ける。

b)  メチルエチルケトンのような溶剤に直接触れることは避ける。皮膚に激しいやけど(火傷)を負うこ

とがある。また,適切な換気を行い使用する。

c)  常に,水又はアルコールに酸を加える。決して酸に水又はアルコールを加えてはならない。

d)  使用しないときは,薬品容器を密封して保管しておく。

e)  酸とアルカリ薬品とを混合する場合,又は取り扱う場合は,常に保護手袋・顔面保護シールド及びエ

プロンを着用するのが望ましい。

f)  業務上の安全・衛生規則に従う。これらは,教育訓練・化学物質等安全データシート(MSDS)・保管・

容器のラベル表示などを含む。

g)  すべての酸・薬品及び副生成物に関する暴露限度を規定する法規に従う。

h)  換気は,適切な法規に従う。

i)

引火性液体・可燃性液体に関する法規,保険で規定された事項並びに引火性溶剤の保管及び使用に関

する防火基準を遵守する。

j)  化学薬品の運搬及び有害廃棄物に関する政府の法規を遵守しなければならない。

k)  公衆の知る権利及び報告に関する規則を遵守しなければならない。

10.  仕様書及び検査証明書   
10.1  仕様書  この規格に準拠する仕様書には,次の事項を含むのが望ましい。

−  検査箇所の明示

−  検査箇所に対する合否判定基準

−  拭取り方法,ぜい化防止のベーキングなどのような制限事項又は要求事項


8

B 1756:2008

これらの要求事項から外れる場合は,受渡当事者間の合意が必要である。また,前もって用意された必

要な書類を参照するのが望ましい。

10.2  検査証明書  製造業者は,注文者の要求によって,この規格に従い表面焼戻し検査が実施されたこ

との証明書を発行しなければならない。


B 1756:2008

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS B 1756:2007  歯車−研削後の表面焼き戻しエッチング検査法

ISO 1410:1995,歯車−研削後の表面焼き戻しエッチング検査法

(Ⅰ) JIS の規定

(Ⅲ)  国際規格の規

(Ⅳ)  JIS と国際規格との技術的差異の項
目ごとの評価及びその内容 
  表示箇所:本体

  表示方法:点線の下線及び側線

項目

番号

内容

(Ⅱ)  国際
規格番号

項目

番号

内容

項 目 ご と

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)  JIS と国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策

1.  適用範囲

研削歯面の局部的な熱影響を化学的エッ

チングによって検出するための検査手順,
検査基準,等級分類などについて規定。

1

JIS に同じ

IDT

 

2.  設備

容器の材質,検査の場所,検査の時間及び

洗浄について規定。

2

JIS に同じ

IDT

 

3.  試薬

洗浄剤,硝酸,塩酸,アルコール,水,ア

ルカリ溶液及びさび止め油について規定。

3

JIS に同じ

IDT

 

4.  検査の手順

洗浄及びエッチング法について規定(表 1

∼表 3)

4

JIS に同じ

IDT

 

5.  検査基準

目視検査及び等級分類並びに表面硬さの
影響について規定。

5

JIS に同じ

IDT

 

6.  表 面 焼 戻 し
箇所の再加工

再加工について規定。 6

JIS に同じ

IDT

7.  エ ッ チ ン グ
変色の除去

エッチングの変色の除去方法について規
定。

7

JIS に同じ

IDT

8.  メ ン テ ナ ン
ス及び管理

溶液の性能管理方法及びその管理につい
て規定。

8

JIS に同じ

IDT

9.  安 全 性 及 び
環境への配慮

安全性及び環境への配慮についての推奨
事項を規定。

9

JIS に同じ

IDT

10.  仕様書及び
検査証明書

仕様書に含む事項及び検査証明書につい
て規定。

ISO 14104

ISO になし MOD/追加

仕様書に含む事項及び証
明書について JIS に追加。

ISO 規格になく,JIS 独自と
して追加する。今後,ISO 
提案をする予定である。

9

B 1756

20

08


10

B 1756:2008

JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

 
備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。 
    ―  MOD/追加………  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

2. JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。

10

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