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B 1575 : 2000  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによってJIS B 1575 : 1994は改正され,この規格に置き換えられる。 

今回の改正では,国際規格との整合を図ることを基本とし,対応する国際規格であるISO 6392-1 : 1996, 

Earth-moving machinery−Lubrication fittings−Part 1 : Nipple typeを基礎として用い,国内の使用実態を考慮

して規定項目の追加,形状寸法の追加などを行った。 

JIS B 1575には,次に示す附属書がある。 

附属書1(規定) 取付け部の周囲空間 

附属書2(規定) 衝撃強さ 

附属書3(規定) 従来形グリ−スニップルの形状及び寸法 

附属書4(参考) ボタンヘッド及びピンタイプの形状及び寸法 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 1575 : 2000 

グリースニップル 

Grease nipples 

序文 この規格は,1996年に第1版として発行されたISO 6392-1を元に,対応する部分については技術

的内容を変更することなく規定したが,対応国際規格には規定されていない規定項目及び内容を日本工業

規格として追加している。 

なお,本体の点線の下線を施した部分,附属書2(規定),附属書3(規定)及び附属書4(参考)は,原

国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,一般機械,自動車,船舶などに使用するグリ−スニップル(以下,ニップル

という。)について規定する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 6392-1 : 1996, Earth-moving machinery−Lubrication fittings−Part 1 : Nipple type 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これら引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0203 管用テ−パねじ 

備考 ISO 7-1 : 1994, Pipe threads where pressure−tight joints are made on the threads−Part 1 : 

Dimensions, tolerances and designationからの引用事項は,この規格の該当事項と同等であ

る。 

JIS B 0207 メ−トル細目ねじ 

備考 ISO 261 : 1973, ISO general−purpose metric screw threads−General planからの引用事項は,こ

の規格の該当事項と同等である。 

JIS B 0211 メ−トル細目ねじの許容限界寸法及び公差 

JIS B 0405 普通公差−第1部:個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差 

JIS B 9808 グリ−スガン 

JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材 

JIS G 4401 炭素工具鋼鋼材 

JIS G 4804 硫黄及び硫黄複合快削鋼鋼材 

JIS H 3250 銅及び銅合金棒 

JIS H 8610 電気亜鉛めっき 

備考 ISO 2081 : 1986, Metallic coatings−Electroplated coatings of zinc on iron or steelからの引用事項

は,この規格の該当事項と同等である。 

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B 1575 : 2000  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3. 種類及び形式 ニップルの種類は,ニップル本体の材料及び表面硬化処理によって区分し,形式は,

ニップルの形状によって区分し,表1による。 

表1 種類及び形式 

種類 

形式 

材料 

表面硬化処理 

記号 

名称 

鋼製ニップル 

表面硬化を施したもの(記号H) 1形 

2形 
3形 
4形 
5形 

平行ねじ立形 
テ−パねじ立形 
45°エルボ形 
65°〜67.5°エルボ形 
90°エルボ形 

表面硬化を施さないもの 

黄銅製ニップル 

− 

4. 材料及び品質 

4.1 

材料 ニップル本体及び頭部ニップルに使用する材料は,表2又は使用上これらと同等以上のもの

とする。 

表2 材料 

種類 

材料 

鋼製ニップル 

JIS G 4051のS15C, S20C又はJIS G 4804のSUM22〜SUM24L

黄銅製ニップル 

JIS H 3250のC3601〜C3604 

4.2 

衝撃強さ 特に必要があって受渡当事者間で協定した場合には,ニップルの衝撃強さは附属書2に

よる。 

4.3 

硬さ 頭部に表面硬化を施した鋼製ニップルの頭部表面の硬さは,83HRA又は55HR30N相当以上

とし,硬化深さは0.1mm以上とする。 

4.4 

表面処理 鋼製ニップルには,JIS H 8610のEp-Fe/Zn5/CM1又はEp-Fe/Zn5/CM2の電気亜鉛めっき

を施す。ただし,ねじ部のめっき厚さはこの限りではない。 

なお,黄銅製ニップルにめっきを施す場合には,その仕様は受渡当事者間の協定による。 

4.5 

外観 ニップルには,割れ,有害なきず,ばり及びねじ山のかけなど,有害な欠点があってはなら

ない。 

4.6 

漏れ防止 ニップルは,異物の侵入を防止し,グリ−スを封入でき,かつ,3.5MPaの圧力でグリ−

スが流出しない構造とする。 

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5. 形状及び寸法 ニップルの形状及び寸法は,図1及び表3による。 

備考1. 頭部ニップルの取付け角度の許容差は,JIS B 0405に規定するvとする。 

2. 六角部の向きは,一例を示したものである。 

図1 ニップルの形状及び寸法 

表3 ニップルの寸法 

単位mm 

形式 

ねじの 

呼び 

寸法及び許容差 

参考 

記号 

名称 

l1 

±0.2 

l2 

±0.5 

l3 

±0.5 

−0.2 

l4 

±0.2 

l5 

最大 

従来の形式 

1形 

平行ねじ立形 

M6×0.75 

− 

− 

5.4 

A−M6F形 

2形 

テ−パねじ立形 

R8

11 

− 

− 

10 

9.5 

A−PT

8

1形 

3形 

45°エルボ形 

R8

− 

12.5 

8.5 

10 

− 

− 

4形 

65°〜67.5°エルボ形 R8

− 

12.5 

8.5 

10 

− 

B形 

5形 

90°エルボ形 

R8

− 

12.5 

8.5 

10 

− 

C形 

備考 M6×0.75のねじは,JIS B 0207の規定によるもので.その精度はJIS B 0211に規定する6gとする。

また,R8

1のねじは,JIS B 0203による。 

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6. グリ−ス流入性 図2の例に示すように,ニップルにJIS B 9808に規定するチャック式ノズルを取り

付け,約3MPa及び約20MPaの圧力でニップルにグリ−スを流入させたとき,流入状況は良好で,鋼球の

作動その他に異状があってはならない。 

図2 グリ−ス流入性試験装置(例) 

7. 取付け部の周囲空間 取付け部の周囲空間は,附属書1(規定)による。 

8. 検査 ニップルの検査は,材料・品質,形状・寸法及びグリ−ス流入性について行い,4.〜6.の規定に

適合しなければならない。 

9. 製品の呼び方 ニップルの呼び方は,規格番号又は規格の名称,形式の記号,材料の種類の記号及び

表面硬化処理によって次のように表す。 

例 JIS B 1575-ISO 6392-1-2形-S20C-H 

10. 表示 ニップルの包装には,見やすい箇所に次の事項を表示する。 

a) 種類及び形式(表面硬化処理を施したものには,記号Hを表示する。) 

b) 数量 

c) 製造業者名又はその略号 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1(規定) 取付け部の周囲空間 

1. 適用範囲 この附属書は,ニップル取付け後の取付け部の周囲空間について規定する。 

備考 この附属書の規定は,ISO 6392-1 : 1996の7.に規定する周囲空間による。 

2. 周囲空間 この規格で規定するニップルには,外径が18mmのグリ−スガンノズル及びその延長部が,

附属書1図1に示すように,少なくとも一つの方向に25°まで傾けることができる周囲空間が必要である。 

備考 この周囲空間が必要なのは,チャック式ノズルを用いた場合である。 

附属書1図1 取付け部の周囲空間 

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附属書2(規定) 衝撃強さ 

1. 適用範囲 この附属書は,ニップルの衝撃強さについて規定する。 

2. 衝撃強さ ニップルの衝撃強さは,ニップルを附属書2図1に示すように,ニップル頭部を水平にね

じ込んで固定し,1.5kgのおもり(1)を附属書2図1に規定する高さ100mmから鉛直に自由落下させてニッ

プルに衝撃を与えたとき,ニップルに切断,割れ及びひびが生じてはならない。 

注(1) おもりは,直径約50mmの円柱状で,材料はJIS G 4401のSK5が一般的である。 

衝撃を加えた後,目視によって異状の有無が判別できない場合は,附属書2図2に示すように頭部の鋼

球周辺部を密封し,ニップル取付けねじ側から0.3MPa±0.05MPaの空気を加えたとき,漏れが生じてはな

らない。 

なお,本体図1の頭部ニップルを用いる形式のものは,頭部ニップルについての強さとする。 

附属書2図1 衝撃試験 

附属書2図2 空気漏れ試験 

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附属書3(規定) 従来形グリースニップルの形状及び寸法 

1. 適用範囲 この附属書は,本体で規定したニップル以外の従来形ニップルの形状及び寸法について規

定する。ただし,新規設計の際には本体で規定したニップルを使用するのが望ましい。 

なお,形状及び寸法以外は,本体の規定を適用する。 

2. 形状及び寸法 A-MT6×1形及びA-MT6×0.75形の形状及び寸法は,附属書3表1及び附属書3表2

による。 

附属書3表1 ニップルの形状及び寸法 

形式 

ねじの呼び 

寸法及び許容差 

±0.4 

−0.2 

l4 

±0.2 

l5 

最大 

A-MT6×1形 

MT6×1 

13.5 

7.0 

4.0 

5.4 

A-MT6×0.75形 MT6×0.75 

13.5 

7.0 

4.0 

5.4 

備考 頭部の形状・寸法は,本体図1による。 

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附属書3表2 テ−パねじの形状及び寸法 

ねじの呼び 

ピッチ 

山の高さ 

丸み 

基準径 

基準径の位置 

適用する
めねじの
等級 

外径 

有効径 

谷の径 

管端から 

d2 

d3 

許容差 

MT6×1 

1.0 

0.613 

0.144 

6.000 

5.350 

4.773 

1.0 

−1.0 

6H 

MT6×0.75 

0.75 

0.460 

0.108 

6.000 

5.513 

5.080 

1.0 

−1.0 

6H 

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附属書4(参考) ボタンヘッド及びピンタイプの 

形状及び寸法 

この附属書は,ボタンヘッド及びピンタイプのニップルの形状及び寸法について記載するもので,規定

ではない。 

附属書4表1 ボタンヘッド及びピンタイプの形状及び寸法 

ねじの呼び 

L最大 

R8

18±0.4 

 8 

 9.5 

17025

.0

G8

R

4

21±0.4 

11 

12.5 

17025

.0

G

4

ねじの呼び 

R8

27±0.4 

 8 

1002.0

G8

R

4

30±0.4 

11 

14025

.0

G

4

備考1. R8

1及びR

4

1のねじは,JIS B 0203による。G8

1及びG

4

1のねじは,JIS B 0202による。 

2. 寸法許容差を特に規定していないものは,JIS B 0405のm(中級)による。 
3. 製品の呼び方は,名称,ねじの呼び(d)及び材料による。 

例 ボタンヘッドR8

1黄銅 

10 

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グリースニップルJIS改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

斉 藤 敬 三 

通商産業省工業技術院機械技術研究所 

(幹事) 

黒 田 孝 雄 

日本グリ−スニップル株式会社 

(委員) 

中 込 常 雄 

日本工業標準調査会自動車航空部会規格調整専門委員会 

本 間   清 

通商産業省工業技術院標準部 

浦 田 益太郎 

通商産業省機械情報産業局 

関 上 義 明 

運輸省自動車交通局 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

石 丸 尋 士 

社団法人自動車技術会 

川 合 雄 二 

社団法人日本建設機械化協会 

八 賀 聡 一 

社団法人日本工作機械工業会 

小 郷 一 郎 

財団法人日本船舶標準協会 

鈴 木 正 志 

大川製螺工業株式会社 

寺 内   孝 

日盛金属工業株式会社 

河 村   大 

太平洋精工株式会社 

広 瀬 政 昭 

伊藤金属工業株式会社 

北 川 雅 昭 

株式会社ヤマダコ−ポレ−ション 

小 島 克 己 

社団法人日本自動車部品工業会 

糠 本 勝 利 

小松フォ−クリフト株式会社 

冨 川 孝 幸 

トヨタ自動車株式会社 

井 上 忠 弘 

日産自動車株式会社 

近 藤 清 隆 

いすゞ自動車株式会社 

(関係者) 

中 林 賢 二 

通商産業省工業技術院標準部 

三 塚 隆 正 

財団法人日本規格協会 

岡 安 英 雄 

社団法人日本工作機械工業会 

山 田 栄太郎 

日本グリ−スニップル株式会社 

寺 内 慶 明 

日盛金属工業株式会社 

(事務局) 

高 橋 マサ子 

社団法人日本自動車部品工業会