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B 1404-1:2005 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本工作機器工業会(JMAA)/財団

法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工

業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登

録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS B 1404の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS B 1404-1 用語 

JIS B 1404-2 試験方法 

B 1404-1:2005 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 分類 ······························································································································ 1 

3. 用語及び定義 ·················································································································· 1 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 1404-1:2005 

電磁クラッチ及び電磁ブレーキ―第1部:用語 

Electromagnetic clutches and electromagnetic brakes - Part 1: Vocabulary 

1. 適用範囲 この規格は,一直線上にある2軸の一方から他の軸へ,又は同心軸上にある駆動側から被

動側へトルクを伝達,遮断又は制動を行う電磁クラッチ及び電磁ブレーキ(以下,クラッチ・ブレーキと

いう。)に関する用語について規定する。 

2. 分類 クラッチ・ブレーキに関する用語の分類は,次による。 

a) 名称用語  

b) 部品用語  

c) 作動用語  

d) 性能用語  

e) 安全用語  

3. 用語及び定義 クラッチ・ブレーキの用語及び定義は,次による。 

なお,参考のため,対応英語,量記号及び単位を示す。 

a) 名称用語  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

101 

電磁クラッチ 

電磁作動によって同心軸上にある駆動側から被動
側にトルクを伝達・遮断する機能をもつクラッチ。 

electromagnetic clutch 

102 

電磁摩擦クラッチ 

摩擦力によって連結する電磁クラッチ。 

electromagnetic friction clutch 

103 

マイクロ電磁摩擦クラ 
 ッチ 

静摩擦トルクが10 N・m未満の電磁摩擦クラッチ。 electromagnetic friction  

 micro-clutch 

104 

電磁ディスククラッチ 

摩擦面が円板状の電磁摩擦クラッチ。 

electromagnetic disc clutch 

105 

電磁かみあいクラッチ 

かみあいによって連結する電磁クラッチ。 

electromagnetic positive clutch 

106 

電磁ツースクラッチ 

相対する円筒端面にある多数の山形の歯によって
連結するかみあい形の電磁クラッチ。 

electromagnetic toothed clutch 

107 

電磁空げき形クラッチ 

駆動側と被動側との間に空げきをもつ電磁クラッ
チ。 

electromagnetic gap type clutch 

108 

電磁パウダクラッチ 

空げき内に封入したパウダをトルク伝達の媒体と
する電磁クラッチ。 

electromagnetic particle clutch,  
electromagnetic powder clutch 

109 

ヒステリシスクラッチ 

磁性材料のヒステリシス特性を利用する電磁クラ
ッチ。 

hysteresis clutch 

110 

インダクションクラッ 
 チ 

電磁誘導作用を利用する電磁クラッチ。 

induction clutch 

 
 

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B 1404-1:2005 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

111 

電磁ラップスプリング 
 クラッチ 

コイル状に巻いたスプリングが同心軸上にある入
力軸と出力軸とを締め付けてトルクの伝達・遮断
を行う巻掛倍力(増幅)効果を利用する電磁クラ
ッチ。 

electromagnetic wrap spring  
 clutch 

121 

電磁ブレーキ 

電磁作動によって回転体を減速,停止又は停止状
態若しくは一定の状態に保持する機能をもつブレ
ーキ。 

electromagnetic brake 

122 

電磁摩擦ブレーキ 

摩擦力を利用する電磁ブレーキ。 

electromagnetic friction brake 

123 

マイクロ電磁摩擦ブレ 
 ーキ 

静摩擦トルクが10 N・m未満の電磁摩擦ブレーキ。 electromagnetic friction  

 micro-brake 

124 

電磁ディスクブレーキ 

摩擦面が円板状の電磁摩擦ブレーキ。 

electromagnetic disc brake 

125 

電磁かみあいブレーキ 

かみあいによって作動する電磁ブレーキ。 

electromagnetic positive brake 

126 

電磁ツースブレーキ 

相対する円筒端面にある多数の山形の歯をもつか
みあい形の電磁ブレーキ。 

electromagnetic toothed brake 

127 

電磁空げき形ブレーキ 

静止部分と回転部分との間に空げきのある電磁ブ
レーキ。 

electromagnetic gap type brake 

128 

電磁パウダブレーキ 

空げき内に封入したパウダをトルク伝達の媒体と
する電磁ブレーキ。 

electromagnetic particle brake, 
electromagnetic powder brake 

129 

ヒステリシスブレーキ 

磁性材料のヒステリシス特性を利用する電磁ブレ
ーキ。 

hysteresis brake 

130 

インダクションブレー 
 キ 

電磁誘導作用を利用する電磁ブレーキ。 

induction brake 

131 

電磁ラップスプリング 
 ブレーキ 

コイル状に巻いたスプリングが同心軸上にある回
転ハブと静止ハブとを同時に締め付けてトルクの
伝達・遮断を行う巻掛倍力(増幅)効果を利用す
る電磁ブレーキ。 

electromagnetic wrap spring  
 brake 

141 

乾式 

トルク伝達部が乾燥状態にある形式。 

dry type 

142 

湿式 

トルク伝達部が油による湿潤状態にある形式。 

wet type 

143 

単板 

摩擦面が1面の形式。 

single disc 

144 

多板 

摩擦面が2面以上の形式。摩擦面が2面の形式を
複板ということがある。 

multiple disc 
(multi-disc) 

145 

コイル静止形 

コイルが静止している形式。 

stationary coil type 

146 

コイル回転形 

コイルが回転する形式。 

rotating coil type 

147 

励磁作動形 
(正作動形) 

通電したときにクラッチが入り又はブレーキがか
かる形式。 

electromagnetic actuated type 
(electromagnetic engaged  
 type) 

148 

無励磁作動形 
(負作動形) 

通電を断ったときにクラッチが入り又はブレーキ
がかかる形式。 

spring actuated type 
parmanent magnet actuated type 
(negative actuated type) 
(spring negative type) 
(fail safe type) 

149 

摩耗調整形 

摩擦板の摩耗がある量に達したとき,機能を保持
するために調整を必要とする形式。 

wear adjusting type 

150 

摩耗調整不要形 

摩擦板が摩耗しきるまで調整を必要としない形
式。 

wear non-adjusting type 

151 

摩擦板磁化形 

摩擦板が磁路となる形式。 

flux traversed disc type 

152 

摩擦板非磁化形 

摩擦板が磁路とならない形式。 

non-flux traversed disc type 

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B 1404-1:2005 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

153 

突合せ軸形 

突合せ軸に使用する形式(付図1参照)。 

split shaft type 

154 

通し軸形 

通し軸に使用する形式。 

through shaft type 

155 

スプライン駆動形 

乾式単板クラッチ・ブレーキ及びツースクラッ
チ・ブレーキにおいて,スプラインによってアー
マチュアを軸方向に移動させ,同時にトルクを伝
達する形式(付図1参照)。 

spline drive type 

156 

ピン駆動形 

乾式単板クラッチ・ブレーキ及びツースクラッ
チ・ブレーキにおいて,ピンによってアーマチュ
アを軸方向に移動させ,同時にトルクを伝達する
形式(付図2参照)。 

pin drive type 

157 

板ばね駆動形 

乾式単板クラッチ・ブレーキ及びツースクラッ
チ・ブレーキにおいて,板ばねによってアーマチ
ュアを軸方向に移動させ,同時にトルクを伝達す
る形式。 

disc spring drive type 

158 

定位置かみあい形 

相対する歯が,1回転のうちのある定まった位置だ
けでかみあう構造の形式。 

synchro position type 

159 

任意かみあい形 

相対する歯が,いずれの位置でもかみあう構造の
形式。 

full position type 

160 

歯面磁化形 

歯の部分が磁路となる形式。 

flux traversed tooth type 

161 

歯面非磁化形 

歯の部分が磁路とならない形式。 

non-flux traversed tooth type 

162 

水冷形 

発生した熱を水で冷却する形式。 

water cooling type 

163 

空冷形 

発生した熱を空気で冷却する形式。 

air cooling type 

b) 部品用語  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

201 

コイル 

磁力を発生する線輪(付図1〜4参照)。 

magnetic coil 

202 

ヨーク 

磁気回路を構成する継鉄(付図1〜4参照)。 

yoke 

203 

フィールド 

ヨークにコイルを内蔵した部品(付図1,付図3
及び付図4参照)。 

field 

204 

フィールドまわり止め 

フィールドの回転を止める部品(付図1及び付図3
参照)。 

holding arm 

205 

マグネットボディ 

ヨークにコイルを内蔵し,かつ,摩擦面をもつ部
品。 

magnet body 

206 

アーマチュア 

磁気回路を形成する可動鉄片(付図1〜4参照)。 

armature 

207 

アーマチュアアダプタ 

アーマチュアに固定されアーマチュアハブとかみ
あって動力を伝達する部品(付図1参照)。 

armature adapter 

208 

アーマチュアハブ 

軸に固定し,アーマチュア又はアーマチュアアダ
プタと結合して動力を伝達する部品(付図1及び
付図2参照)。 

armature hub 

209 

ドライブピン 

アーマチュアを軸方向にスライドさせ,同時に動
力を伝達する部品(付図2参照)。 

drive pin 

210 

ロータ 

磁気回路を構成する部分で,コイルに対して相対
的に回転し,動力を伝達する回転体(付図1及び
付図3参照)。 

rotor 

211 

ディスク(摩擦板) 

摩擦力を発生する板(付図3及び付図4参照)。 

friction disc 

212 

インナディスク 

内周部をインナドライバと組み合わせてアウタデ
ィスクとの間でトルクを伝える摩擦板(付図3及
び付図4参照)。 

inner disc 

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B 1404-1:2005 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

213 

アウタディスク 

外周部をアウタドライバと組み合わせてインナデ
ィスクとの間でトルクを伝える摩擦板(付図3及
び付図4参照)。 

outer disc 

214 

ドライバ 

ディスクとかみあって動力を伝達する部品(付図3
参照)。 

driver 

215 

インナドライバ 

インナディスクと組み合わせてトルクを伝える部
品(付図3及び付図4参照)。 

inner driver 

216 

アウタドライバ 

アウタディスクと組み合わせてトルクを伝える部
品(付図3参照)。 

outer driver 

217 

フェーシング 

円板面又は円筒端面にはり付けて使用するクラッ
チ・ブレーキ用摩擦材(付図1及び付図2参照)。 
例えば,ディスククラッチ,ディスクブレーキの
摩擦材。 

facing 

218 

ブレーキ板 

磁気回路を構成する部分で,制動作用をし,ブレ
ーキフェーシングをもつ摩擦板。 

brake plate 

219 

オートギャップ装置 

摩耗による摩擦面間の空げきの増大を自動的に補
正する装置(付図1及び付図2参照)。 

autogap device 

220 

解放ばね 

クラッチ・ブレーキで摩擦面間又は歯先間に必要
な空げきを保持するためのばね(付図1及び付図2
参照)。 

release spring 

221 

作動ばね 

無励磁作動のクラッチ・ブレーキで作動圧力を与
えるためのばね(付図4参照)。 

actuating spring 

222 

ラップスプリング 

同心軸上にある入力ハブ及び出力ハブと組み合わ
せてトルクを伝達・遮断するばね。 

wrap spring 

223 

パウダ 

トルク伝達の媒体となる磁性鉄粉(磁性粉体)。 

magnetic particle, 
magnetic powder 

c) 作動用語  

番号 

用語 

定義 

量記号

(参考) 

単位 

(参考) 

対応英語(参考) 

301 

連結 

クラッチの作動によって被動側が駆動
側に同期した状態。 

engaging of clutch 

302 

制動 

ブレーキを作動させ,可動体の運動を減
速又は停止させる状態。 

braking 

303 

保持 

可動体を現状の静止位置に保った状態。  

holding 

304 

解放 

クラッチ・ブレーキの連結及び制動を解
いた状態。 

disengaging of clutch 
release of brake 

305 

電磁作動 

電磁力によって,クラッチの連結又は解
放及びブレーキの制動又は解放を行う
動き。 

electromagnetic operation, 
electromagnetic actuation 

306 

緩衝連結 

クラッチで駆動側から被動側にトルク
を徐々に伝えて被動側が衝撃なく同期
させた連結。 

shockless engaging of clutch 
(cushioned start) 

307 

緩衝制動 

ブレーキで制動対象物を衝撃なく減速
又は停止させる動き。 

shockless braking 

308 

連続すべり作動 

クラッチ・ブレーキを連続してすべらせ
ながら作動させる動き。 

slip service 

309 

不完全かみあい 

連結する相対する歯が歯面途中でかみ
あった状態。 

incomplete engaging of tooth 

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B 1404-1:2005 

  

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番号 

用語 

定義 

量記号

(参考) 

単位 

(参考) 

対応英語(参考) 

310 

歯先連結 

相対する歯の先端と先端とが接触した
状態で行う連結。 

engaging with tooth top 

311 

静止連結 

クラッチを静止させた状態で行う連結。 

stationary engagement of 

clutch 

312 

回転連結 

クラッチを回転させた状態で行う連結。 

rotating engagement of clutch 

313 

連結頻度 

クラッチが単位時間内に作動する回数。 

Ne 

回/s 

回/min 

engaging frequency 

314 

制動頻度 

ブレーキが単位時間内に作動する回数。 

Nb 

回/s 

回/min 

braking frequency 

315 

通電時間率 

クラッチ・ブレーキでコイルに通電して
いる時間と1サイクルの時間との比を百
分率で表した値。 

% 

exciting time ratio 

316 

回転時間率 

回転体が回転している時間と1サイクル
の時間との比を百分率で表した値。 

% 

rotating time ratio 

317 

過励磁 

クラッチ・ブレーキで応答性を速めた
り,発生トルクを増大したりするために
定格電圧より高い電圧を瞬時に加えて
行う励磁。 

over excitation 

318 

弱励磁 

クラッチ・ブレーキで緩衝性をもたせた
り,発生トルクを弱めたりするため定格
電圧より低い電圧を加えて行う励磁。 

weak excitation 

319 

急速励磁 

クラッチ・ブレーキで応答性を速めるた
めに,時定数を小さくした回路で行う励
磁。 

quick response excitation 

320 

急速過励磁 

クラッチ・ブレーキで応答性を更に速め
たり,発生トルクを増大するために過励
磁と急速励磁とを併用した励磁。 

quick response over 

excitation 

321 

ドラグ 

ドラグトルク(空転トルク)によって,
クラッチでは被動側が回転し,ブレーキ
では制動がかかる状態又は現象。 

drag 

322 

トルク干渉 
(トルクラッ
プ) 

2個のクラッチ又はブレーキを併用して
作動させるとき,その減衰トルクと発生
トルクとが相互に干渉し合い,連結時
間,制動時間又は摩耗に影響を及ぼす現
象。 

torque wrap 

d) 性能用語  

番号 

用語 

定義 

量記号

(参考) 

単位 

(参考) 

対応英語(参考) 

401 

定格トルク 

クラッチ・ブレーキに規定されているト
ルク(付図5〜8参照)。 

Tr 

N・m 

rated torque 

402 

静摩擦トルク 

摩擦クラッチ及び摩擦ブレーキで摩擦
面が静止状態で発生する摩擦トルク(付
図5〜8参照)。 

Ts 

N・m 

static friction torque 

403 

動摩擦トルク 

摩擦クラッチ及び摩擦ブレーキで摩擦
面がすべり状態で発生する摩擦トルク
(付図5〜8参照)。 

Td 

N・m 

dynamic friction torque 

background image

B 1404-1:2005 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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番号 

用語 

定義 

量記号

(参考) 

単位 

(参考) 

対応英語(参考) 

404 

定格静摩擦トル
ク 

クラッチ・ブレーキに規定されている静
摩擦トルク。 

N・m 

rated static friction torque 

405 

定格動摩擦トル
ク 

クラッチ・ブレーキに規定されている動
摩擦トルク(付図5〜8参照)。 

N・m 

rated dynamic friction torque 

406 

平均動摩擦トル
ク 

クラッチでは実連結時間内に発生する
動摩擦トルクの平均値。ブレーキでは実
制動時間内に発生する動摩擦トルクの
平均値。 

Ta 

N・m 

average dynamic friction 

torque 

407 

初期トルク 

摩擦クラッチ及び摩擦ブレーキで摩擦
面がなじんでいない状態のとき発生す
るトルク。 

Ti 

N・m 

initial torque 

408 

負荷トルク 

クラッチ・ブレーキの作動時に抵抗トル
ク又は制動トルクとして現れる負荷側
のトルクの総称(付図5及び付図6参
照)。 

Tl 

N・m 

load torque 

409 

減衰トルク 

クラッチ・ブレーキで電流を切ってから
ドラグトルク(空転トルク)に移行する
間の過渡的トルク(付図5〜8参照)。 

decreasing torque 

410 

ドラグトルク 
(空転トルク) 

クラッチ・ブレーキが解放状態で空転し
ているときに発生するトルク(付図5〜8
参照)。 

Tdg 

N・m 

drag torque, 
residual torque 

411 

脱出トルク 

定格励磁のときに,過負荷によって歯が
軸方向にはずれ始める直前のトルク。 

N・m 

pull-out torque 

412 

静止脱出トルク 

静止状態における脱出トルク。 

N・m 

static pull-out torque 

413 

回転脱出トルク 

回転状態における脱出トルク。 

N・m 

rotating pull-out torque 

414 

歯先連結トルク 

歯先連結の状態で伝達するトルク。 

N・m 

torque under tooth-top  

engagement 

415 

係合トルク 

定位置かみあい形において,作動入力に
よって相対する二つの回転体が接触し,
正規のかみあいに入る前に相互の部材
の接触によって伝達されるトルク。 

N・m 

rubbing torque in synchro  

position type 

416 

制動力 

制動対象を減速又は停止させる力。 

Fn 

braking force 

421 

全連結時間 

クラッチで操作入力が入ってからクラ
ッチが連結を完了するまでの時間(付図
5及び付図6参照)。 

tte 

total engaging time 
(total engagement time) 

422 

連結時間 

クラッチ本体に作動入力が入ってから
連結が完了するまでの時間(付図5及び
付図6参照)。 

te 

engaging time 

423 

実連結時間 

クラッチでトルクを発生し始めてから
連結が完了するまでの時間(付図5参
照)。 

tae 

actual engaging time 
(actual engagement time) 

424 

全制動時間 

ブレーキで操作入力が入ってからブレ
ーキが制動を完了するまでの時間(付図
7及び付図8参照)。 

ttb 

total braking time 

425 

制動時間 

ブレーキ本体に作動入力が入ってから
運動を停止するまでの時間又は減速を
完了するまでの時間(付図7及び付図8
参照)。 

tb 

braking time 

background image

B 1404-1:2005 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

量記号

(参考) 

単位 

(参考) 

対応英語(参考) 

426 

実制動時間 

ブレーキでトルクが発生してから制動
が完了するまでの時間(付図7及び付図
8参照)。 

tab 

actual braking time 

427 

応答時間 

連結時間及び制動時間の総称。 

tr 

response time 

428 

初期遅れ時間 

クラッチ・ブレーキで操作入力が入って
から,クラッチ又はブレーキ本体に作動
入力が入るまでの時間(付図5〜8参照)。 

tid 

initial delay time 

429 

アーマチュア吸
引 
 時間 

クラッチ・ブレーキで電流を通じてか
ら,励磁作動形ではアーマチュアが吸引
されて摩擦面が接触してトルクが発生
するまでの時間(付図5〜8参照)。無励
磁作動形ではトルクがドラグトルク(空
転トルク)になるか,又はトルクがなく
なるまでの時間。 

ta 

armature pull in time 

430 

アーマチュア釈
放 
 時間 

クラッチ・ブレーキで作動入力が入って
から,アーマチュアが吸引前の位置に戻
るまでの時間(付図5〜8参照)。 

tar 

armature release time 

431 

トルク立上り時
間 

クラッチ・ブレーキに作動入力が入って
から定格動摩擦トルクの80 %になるま
での時間(付図5〜8参照)。 

tp 

torque build-up time 

432 

実トルク立上り
時 
 間 

クラッチ・ブレーキで,トルクが発生し
はじめてから定格動摩擦トルクの80 %
になるまでの時間(付図5〜8参照)。 

tap 

actual torque build-up time 

433 

トルク消滅時間 

クラッチ・ブレーキ本体に解放入力が入
ってから定格トルクの10 %になるまで
の時間(付図5〜8参照)。 

td 

torque decaying time 

434 

解放時間 

解放のための作動入力がクラッチ又は
ブレーキに入ってから,連結又は制動が
解かれるまでの時間(付図5〜8参照)。 

tre 

release time 
(disengagement time) 

435 

惰性停止時間 

クラッチに解放のための作動入力が入
ってから,出力回転速度がゼロになるま
での時間(付図5及び付図6参照)。 

time to zero speed 

441 

連結仕事 

クラッチで駆動側と被動側とを連結す
るときの仕事。 

Ee 

engaging energy 

442 

連結仕事率 

単位時間当たりの連結仕事。 

Pe 

engaging energy rate 

443 

許容連結仕事 

クラッチで駆動側と被動側とを連結す
るときに許容する仕事。 

Eeal 

allowable engaging energy 

444 

許容連結仕事率 

クラッチで駆動側と被動側とを連結す
るときに許容する仕事率。 

Peal 

allowable engaging energy 

rate 

445 

制動仕事 

ブレーキで制動するときの仕事。 

Eb 

braking energy 

446 

制動仕事率 

単位時間当たりの制動仕事。 

Pb 

braking energy rate 

447 

許容制動仕事 

ブレーキで制動するときに許容する仕
事。 

Ebal 

allowable braking energy 

448 

許容制動仕事率 

ブレーキで制動するときに許容する仕
事率。 

Pbal 

allowable braking energy rate 

449 

熱放散能力 

クラッチ・ブレーキで摩擦仕事などによ
って発生する熱を放散する能力。 

Cd 

heat dissipation capacity 

background image

B 1404-1:2005 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

量記号

(参考) 

単位 

(参考) 

対応英語(参考) 

450 

スリップ工率 
(すべり工率) 

連続すべり作動をさせたときの仕事率。 

Ps 

continuous heat dissipation 

451 

許容スリップ工
率 
(許容すべり工
率) 

連続すべり作動をさせたときに許容す
る仕事率。 

Psal 

allowable continuous heat  

dissipation 

452 

連結限界 

回転連結の可能な負荷条件。負荷の慣性
モーメント,負荷トルク及び相対回転速
度で表す。 

allowable engaging load  

condition 

461 

定格電圧 

クラッチ・ブレーキに加えられる電圧の
基準値。 

rated voltage 

462 

最低吸引電圧 

アーマチュアを吸引することのできる
最低電圧。 

minimum pull in voltage 

463 

最高釈放電圧 

アーマチュアを釈放することのできる
最高電圧。 

maximum release voltage 

464 

保持電圧 

アーマチュアを吸引した状態に保持し
ている電圧。 

holding voltage 

465 

定格電流 

クラッチ・ブレーキでコイル温度20 ℃
において定格電圧を加えたときにコイ
ルに流れる電流。 

rated current 

466 

最低吸引電流 

アーマチュアを吸引することのできる
最低電流。 

minimum pull in current 

467 

最高釈放電流 

アーマチュアを釈放することのできる
最高電流。 

maximum release current 

468 

保持電流 

アーマチュアを吸引した状態に保持し
ている電流。 

holding current 

471 

平均摩擦半径 

ディスククラッチ,ディスクブレーキな
どで摩擦面の外径をD及び内径をdとし
たときに,(D+d)/4で求めた半径。 

Rm 

mean friction radius 

cm 

472 

静摩擦係数 

相対運動を行っていない静摩擦状態の
接触面に生じる摩擦力と法線作用力と
の比。 

μs 

coefficient of static friction 

473 

動摩擦係数 

相対運動を行っている動摩擦状態の接
触面に生じる摩擦力と法線作用力との
比。 

μd 

coefficient of dynamic 

friction 

474 

すべり速度 
(スリップ速度) 

すべり状態にあるクラッチ・ブレーキの
作動面における速度。 

m/s 

slipping velocity 

475 

慣性モーメント 

回転体の質量m(kg)と回転体半径R(m)の
2乗との積で表した値。 

kg・m2 

moment of inertia 

476 

摩擦面圧力 

クラッチ・ブレーキの単位摩擦面積に生
じる力。 

Pe 

Pa 

N/ m2 

contact pressure 

477 

許容摩擦面圧力 

摩擦材の摩擦面に生じる使用上許容で
きる面積当たりの力。 

Pcal 

Pa 

N/ m2 

allowable normal (surface) 
 pressure of friction 

material 

478 

摩耗率 

ある条件のもとに摩擦運動させたとき
の単位摩擦仕事当たりの摩耗量。 

cm3/J 

wear rate of friction material 

background image

B 1404-1:2005 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

量記号

(参考) 

単位 

(参考) 

対応英語(参考) 

481 

速度トルク特性 

クラッチ・ブレーキのすべり速度の変化
に対するトルク特性。 

torque to slip characteristic 

482 

回転速度トルク
低 
 減特性 

ツースかみあい形及びスプリング形に
おいて,連結完了後回転速度の変化に対
するトルク特性。 

torque to speed characteristic 

483 

電流トルク特性 

クラッチ・ブレーキの励磁電流とトルク
との関係を表す特性。 

torque to current 

characteristic 

e) 安全用語  

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

501 

   危険 

取扱いを誤った場合に,使用者が死亡又は重傷を負う可
能性が想定される場合の安全注意事項。 

danger 

502 

   注意 

取扱いを誤った場合に,使用者が傷害を負う可能性が想
定される場合及び物的損害だけの発生が想定される場合
の安全注意事項。 

caution 

503 

警告表示 

危険をうながし,人身事故及び機器の破壊を未然に防ぐ
ための注意事項及び点検事項の表示。 

warning signs 

504 

警告ラベル 

危険をうながし,人身事故及び機器の破壊を未然に防ぐ
ためのラベルで,クラッチ・ブレーキ本体に直接又は近
辺にはるラベル。 

warning labels 

505 

安全カバー 

機械装置などによる人身への傷害を防止するため,設置
するカバー。 

safety covers 

background image

10 

B 1404-1:2005 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図 1 部品用語(乾式単板電磁クラッチ励磁作動形) 

付図 2 部品用語(乾式単板電磁ブレーキ励磁作動形) 

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11 

B 1404-1:2005 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図 3 部品用語(湿式多板電磁クラッチ励磁作動形) 

付図 4 部品用語(乾式多板無励磁作動形電磁ブレーキ) 

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12 

B 1404-1:2005 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注(1) 乾式の場合は静摩擦トルクとし,湿式の場合は動摩擦トルクとする。 

  

付図 5 励磁作動形クラッチ動作特性(摩擦形) 

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13 

B 1404-1:2005 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注(1) 乾式の場合は静摩擦トルクとし,湿式の場合は動摩擦トルクとする。 

  

付図 6 無励磁作動形クラッチ動作特性(摩擦形) 

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14 

B 1404-1:2005 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注(1) 乾式の場合は静摩擦トルクとし,湿式の場合は動摩擦トルクとする。 

  

付図 7 励磁作動形ブレーキ動作特性(摩擦形) 

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15 

B 1404-1:2005 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注(1) 乾式の場合は静摩擦トルクとし,湿式の場合は動摩擦トルクとする。 

  

付図 8 無励磁作動形ブレーキ動作特性(摩擦形)