B 1185:2010
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語及び定義 ··················································································································· 1
4 種類······························································································································· 1
5 形状・寸法 ······················································································································ 2
6 ねじ······························································································································· 2
7 保証トルク ······················································································································ 2
8 材料······························································································································· 3
9 表面状態························································································································· 3
10 表面処理 ······················································································································· 3
11 試験・検査 ···················································································································· 3
11.1 形状・寸法検査 ············································································································ 3
11.2 ねじ検査 ····················································································································· 4
11.3 保証トルク試験 ············································································································ 4
11.4 表面状態検査 ··············································································································· 5
12 製品の呼び方 ················································································································· 5
13 表示 ····························································································································· 5
13.1 製品の表示 ·················································································································· 5
13.2 包装の表示 ·················································································································· 5
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まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本ねじ研究協会
(JFRI)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの
申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS B 1185:1994は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責
任はもたない。
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日本工業規格 JIS
B 1185:2010
ちょうナット
Wing nuts
1
適用範囲
この規格は,一般に用いる金属製のちょうナット(以下,ナットという。)の特性について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0101 ねじ用語
JIS B 0205-2 一般用メートルねじ−第2部:全体系
JIS B 0209-3 一般用メートルねじ−公差−第3部:構造体用ねじの寸法許容差
JIS B 1010 締結用部品の呼び方
JIS B 1044 締結用部品−電気めっき
JIS B 1071 締結用部品−精度測定方法
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0101による。
4
種類
ナットの種類は,形状及び製造方法によって区分し,表1による。
2
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表1−種類
種類
頭部の形状
製造方法
1種
翼端は半円形とする。
特に規定しない。
2種
翼端は角形とする。
3種
高形
ねじ部長さ(ks)によっ
て高形と低形に区分す
る。
翼端は特に規定しない。
板のプレス加工による。
低形
4種
翼部のくぼみは,付けな
くてもよい。
ダイカストによる。
5
形状・寸法
ナットは,11.1によって測定し,その形状・寸法は,表3〜表6による。
6
ねじ
ナットは,JIS B 0205-2のメートル並目ねじとし,その公差域クラスは,JIS B 0209-3の7H(M3未満の
ねじは6H)とする。
7
保証トルク
ナットは,11.3の規定によって試験を行い,表2の保証トルク以下で破断したり,翼部が著しく変形す
ることなく,また,保証トルクを加えた後,ナットはボルトから指で取り外せなければならない。
3
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表2−保証トルク
単位 N・m
ねじの呼び
d
種類
1種及び2種
3種高形 3種低形
4種
保証トルクの区分
−
Aa)
Bb)
M2
0.20
0.15
−
−
−
M2.2
0.29
0.20
−
−
−
M2.5
0.39
0.29
−
−
−
M3
0.69
0.49
0.49
0.29
0.49
M4
1.57
1.08
1.08
0.59
1.08
M5
3.14
2.16
2.16
1.08
2.16
M6
5.39
3.92
3.92
1.96
3.92
M8
12.7
8.83
8.83
4.41
8.83
M10
25.5
17.7
17.7
8.83
17.7
M12
45.1
31.4
−
−
−
(M14)
71.6
50.0
−
−
−
M16
113
78.5
−
−
−
(M18)
157
108
−
−
−
M20
216
147
−
−
−
(M22)
294
206
−
−
−
M24
382
265
−
−
−
ねじの呼びに括弧を付けたものは,できるだけ用いない。
注a) 1種及び2種の保証トルクAは,通常材料が炭素鋼,可鍛鋳鉄,ステンレス
鋼などのものに適用する。
b) 保証トルクBは鋳鉄,銅合金,亜鉛合金などのものに適用する。
8
材料
ナットの材料は,表2の保証トルクを満足するものとする。
9
表面状態
ナットは11.4によって検査を行い,表面が滑らかで,使用上有害な割れ,きず,かえり,くぼみ,欠け,
型ずれなどの欠陥がなく,めっき又はその他の表面処理を施したものには,膨れ,素地露出などの欠陥が
あってはならない。
10 表面処理
ナットには,一般に表面処理を施さない。特に,めっき又はその他の表面処理を必要とする場合は,注
文者が指定する。
なお,電気めっきを施す場合は,JIS B 1044によるのがよい。
11 試験・検査
11.1 形状・寸法検査
ナットの形状・寸法検査は,直接測定,限界ゲージ又はその他の方法で検査を行い,箇条5の規定に適
合しなければならない。
4
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11.2 ねじ検査
ナットのねじ検査は,JIS B 1071又はこれに代わる方法によって測定を行い,箇条6の規定に適合しな
ければならない。
11.3 保証トルク試験
保証トルク試験に用いる座金及びボルトは,全面にスピンドル油を塗布する。その後,ナットは,図1
のように,ボルトに座金を入れて供試ナットをねじ込み,次のa)又はb)の方法によって表2のトルクを加
えたとき,箇条7の規定に適合しなければならない。
この場合,最初の1/2回転は,レンチを使用してナットを緩めてよい。
なお,ボルトのねじ山が崩れた場合は,ボルトの強さを高めて再試験する。
a) 図1のように組み立てられたもののボルト頭部を万力などで軽く挟んで回らないようにし,供試ナッ
トの翼部をジグなどでつかみ,これにトルクを加えて試験する。この場合,翼部のつかみ代は,座の
高さ(kc)を除いた部分とする[図2のa)参照]。
b) 図1のように組み立てられたものの供試ナット翼部を万力などで軽く挟み,ボルトにトルクを加えて
試験する。この場合,翼部のつかみ代は,座の高さ(kc)を除いた部分とする[図2のb)参照]。
注記 供試ナットの翼部とトルクを加えるジグの溝(又は翼部を固定する用具)との間に大きなすき
間があるときは,図3のように適切な当て金を入れる。
平座金:硬さ 30HRC(300HV)以上
厚さ(h)は,供試ボルトの不完全ねじ部長さ(x)より大きい。
ボルト:硬さ 27HRC(280HV)以上
座面の表面粗さ Rz 25
ねじの公差域クラス 6g
図1−保証トルク試験
a)
b)
図2−ボルト又は翼部を固定する方法
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図3−当て金の例
11.4 表面状態検査
ナットの表面状態は,目視によって検査を行い,箇条10の規定に適合しなければならない。
12 製品の呼び方
ナットの呼び方は,JIS B 1010による。
なお,保証トルクの区分を指定する場合は,1種及び2種のナットに対してA又はBのいずれかを表2
に基づいて示す。一段大きい翼部を指定した場合は,種類の後に(大形)と付け加える。材料は,その一
般名称によるものでもよい。
例1 ねじの呼びがM5,種類が3種の高形,材料が鋼板,亜鉛めっきのちょうナットの場合
ちょうナットJIS B 1185−M5−3種高形−鋼板−亜鉛めっき
例2 ねじの呼びがM8,種類が1種(大形),保証トルクの区分がA,材料がFCMW34-04のちょう
ナットの場合
ちょうナットJIS B 1185−M8−1種(大形)−A−FCMW34-04
13 表示
13.1 製品の表示
製品の表示については,特に規定しない。
13.2 包装の表示
包装には,外面に次の事項を表示しなければならない。
a) 規格番号又は規格名称
b) 種類
c) ねじの呼び
なお,1種及び2種のナットに対しては,ねじの呼びの後に保証トルクの区分(A又はB)を表示
する。
例 M5−A
d) 材料(材料の表示は,鋼,鋳鋼,ステンレス鋼,黄銅などの一般名称でもよい。)
e) 指定事項(例えば,表面処理など)
f)
数量
g) 製造業者名又はその略号
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表3−ちょうナット1種
単位 mm
ねじの呼び
d
dk
db
kc
dd
k
ya
yb
t1
t2
最小
約
最小 基準寸法 許容差 基準寸法 許容差
最大
最大 最大 最大
M2
4
3
2
12
±1.5
6
±1.5
2.5
3
0.3
0.11
M2.2
M2.5
5
4
3
16
8
2.5
3
0.13
M3
0.4
M4
7
6
4
20
10
3
4
0.19
M5
8.5
7
5
25
12
3.5
4.5
0.5
0.23
M6
10.5
9
6
32
±2
16
4
5
0.29
M8
14
12
8
40
20
4.5
5.5
0.6
0.39
M10
18
15
10
50
25
5.5
6.5
0.7
0.50
M12
22
18
12
60
30
7
8
1
0.61
(M14)
26
22
14
70
35
±2
8
9
1.1
0.72
M16
1.2
(M18)
30
25
16
80
40
8
10
1.4
0.83
M20*
34
28
18
90
±2.5
45
9
11
1.5
0.94
(M22)
38
32
20
100
50
10
12
1.6
1.06
M24*
43
36
22
112
56
11
13
1.8
1.20
ねじの呼びに括弧,又は*を付けたものは,できるだけ用いない。座面側のねじ部面取りは,その直径が
ねじの谷の径よりもわずかに大きい程度とする。ただし,この面取りは,注文者の指定によって省略して
もよい。
大きい翼部を必要とする場合は,一段上の寸法(dk,db,kc,dd,k,ya及びyb)を用いてもよい。
注a) 直径0.8×dkの円内に対して適用する。
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表4−ちょうナット2種
単位 mm
ねじの呼び
d
dk
db
kc
dd
k
ya
yb
t1
t2
最小
約
最小
基準寸法 許容差 基準寸法 許容差 最大 最大 最大 最大
M3
6.5
4
3
17
±1.5
9
±1.5
3
4
0.4
0.18
M4
M5
8
6
4
21
11
3.5
4.5
0.5
0.22
M6
10
7
4.5
27
13
4
5
0.27
M8
13
10
6
31
±2
16
4.5
5.5
0.6
0.36
M10
16
12
7.5
36
18
5.5
6.5
0.7
0.44
M12
20
16
9
48
23
7
8
1
0.55
(M14)
1.1
M16
27
22
12
68
35
±2
8
9
1.2
0.75
(M18)
1.4
M20*
1.5
ねじの呼びに括弧,又は*を付けたものは,できるだけ用いない。座面側のねじ部面取りは,その直径が
ねじの谷の径よりもわずかに大きい程度とする。ただし,この面取りは,注文者の指定によって省略して
もよい。
大きい翼部を必要とする場合は,一段上の寸法(dk,db,kc,dd,k,ya及びyb)を用いてもよい。
注a) 直径0.8×dkの円内に対して適用する。
8
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表5−ちょうナット3種
単位 mm
ねじの呼び
d
yd
db
kc
dd
k
yg
高形
低形
t1
ks
ct
ks
ct
最小
約
約 基準
寸法
許容差 基準
寸法
許容差 最大 基準
寸法
許容差 約 基準
寸法
許容差 約
最大
M3
10
5
2
16
±1
6.5
±1
4
3.5
±0.5
1
1.4
±0.3
0.8
0.4
M4
12
6
2.5
19
8.5
5
4
1.6
M5
13
7
3
22
9
5.5
4.5
1.8
0.5
M6
15
9
3.5
25
9.5
6
5
±0.8
2.4
±0.4
1.0
M8
17
10
5
28
11
7
6
1.2
3.1
±0.5
1.2
0.6
M10
20
12
6
35
±1.5 12
8
7
3.8
0.7
9
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表6−ちょうナット4種
単位 mm
ねじの呼び
d
dk
db
kc
dd
k
ya
yb
t1
t2
最小
約
最小 基準寸法 許容差 基準寸法 許容差 最大
最大
最大
最大
M3
5
4
2.4
16
±1.5
8.5
±1.5
2.5
3
0.4
0.13
M4
7
6
3.2
21
11
3
4
0.19
M5
8.5
7
4
21
11
3.5
4.5
1.2
0.23
M6
10.5
9
5
23
14
4
5
0.29
M8
13
10
6.5
30
16
4.5
5.5
0.6
0.36
M10
16
12
8
37
±2
19
5.5
6.5
0.7
0.44
座面側のねじ部面取りは,その直径がねじの谷の径よりもわずかに大きい程度とする。ただし,この面取
りは,注文者の指定によって省略してもよい。
大きい翼部を必要とする場合は,一段上の寸法(dk,db,kc,dd,k,ya及びyb)を用いてもよい。翼部の
くぼみの深さ及び形状は任意とする。
なお,このくぼみは,付けなくてもよい。
注a) 直径0.8×dkの円内に対して適用する。