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B 1086 : 1998 (ISO 10484 : 1997)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

JIS B 1086

は,JIS B 1042 で規定するナットの表面欠陥の合否を評価するための試験手順及び判定基準

を示したものである。


日本工業規格

JIS

 B

1086

 : 1998

 (I

10484

: 1997

)

ナットの拡張試験

Widening test on nuts

序文  この規格は,1997 年に第 1 版として発行された ISO 10484, Widening test on nuts を翻訳し,技術的内

容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある“備考”は,原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,JIS B 1042 で規定される表面欠陥の合否を評価するための試験手順を規定し

ており,快削鋼製のナットには適用しない。

この規格は,次のナットに適用する。

−  ねじの呼び径 d  5∼39mm

−  部品等級  A 及び B

−  JIS B 1052 

附属書 及び附属書 による強度区分

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

JIS B 1052

  鋼製ナットの機械的性質

備考  ISO 898-2 : 1992, Mechanical properties of fasteners−Part 2 : Nuts with specified proof load values

−Coarse thread 及び ISO 898-6 : 1994, Mechanical properties of fasteners−Part 6 : Nuts with

specified proof load values

−Fine pitch thread からの引用事項は,この規格の該当事項と同

等である。

JIS B 1056

  プリベリングトルク形戻り止め鋼製ナットの機械的性質及び性能

備考  ISO 2320 :  −

1)

Prevailing torque type steel hexagon nuts

−Mechanical and performance properties

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS B 1042

  締結用部品−表面欠陥  第 2 部  ねじの呼び M5∼M39 のナット

備考  ISO 6157-2 : 1995, Fasteners−Surface discontinuities−Part 2 : Nuts がこの規格と一致している。

3.

拡張試験

3.1

原理  ねじ部を呼び径まで除去した後,テーパのついたマンドレルをナットに押し込む。拡張量は,

穴の直径に対する百分率として評価する。

                                                        

1)

 ISO 2320

:1983 の改訂版を発行予定。


2

B 1086 : 1998 (ISO 10484 : 1997)

3.2

試験用マンドレル  図 に示す試験用マンドレルは,それぞれ,6%又は 4%の拡張試験に用いる(4.

参照)

。マンドレルの最小硬さは,45HRC とし,円すい部分は,ポリシング仕上げ(粗さ R

a

=2.5

µm)とす

る。

3.3

試験ナット  拡張試験を受けるナットは,公差 H12 で,ねじの呼び径と等しい直径までねじ部を除

去する。

3.4

手順  試験を行う前に,マンドレルに二硫化モリブデン (MoS

2

)

を塗布する。

図 に示すように,マンドレルをナットに挿入し,マンドレルの円筒部が抜けるまで,軸方向に,徐々

にかつ連続的に荷重を作用させる。マンドレルは,上端部をしっかりと固定する。疑義が生じた場合の判

定目的に対しては,挿入速度は,25mm/min を超えてはならない。

(

3

)  F

:荷重

(

4

)

硬化処理を施すこと

(

5

)  d

:ナットのねじの呼び径

図 2  試験の組付け状態

(

1

)  d

:ナットのねじの呼び径。オーバサイズタップで

ねじ立てされたナットを試験する場合には,寸法

d

を,そのナットの谷の径の値まで増加させる。

(

2

)  m

:ナットの呼び高さ

図 1  ナットの拡張量 6% (1.06d)  又は 4% (1.04d

の試験用マンドレル

4.

判定基準  ナットの総拡張量は,次による。

強度区分 4 から 12 までのナット:6%


3

B 1086 : 1998 (ISO 10484 : 1997)

強度区分 04 及び 05 のナット:4%

規定の最小拡張量に達する前にナットの側面が完全に破断したとき,ナットの破壊が起こったものとす

る。疑義が生じた場合には,ナットの反対側の側面を切断し,二つの部分に分かれることによって,破壊

を認識してもよい。

5.

特別な場合−プリベリングトルク形戻り止めナット  JIS B 1056 によるプリベリングトルク形戻り止

めナットの場合には,拡張量の最小値は,4.で規定する六角ナットに対する値より 20%減少させる。


4

B 1086 : 1998 (ISO 10484 : 1997)

JIS B 1086

(ナットの拡張試験)制定原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

吉  本      勇

東京工業大学名誉教授

(幹事)

萩  原  正  弥

名古屋工業大学

大  橋  宣  俊

湘南工業大学

中  嶋      誠

通商産業省機械情報産業局

本  間      清

工業技術院標準部

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会

稲  葉  元  成

新  井      正

日産自動車株式会社

酒  井  智  次

トヨタ自動車株式会社

田  仁      哲

社団法人日本工作機械工業会

辻      義  克

社団法人日本電機工業会

深  沢  一  男

株式会社フカサワ

田  中  誠之助

株式会社佐賀鉄工所

山  田  輝  一

株式会社フセラシ

高  橋  利  夫

株式会社サトーラシ

山  下  徳  郎

株式会社浅川製作所

伊  藤  隆  彦

株式会社青山製作所

中  村  智  男

日本ねじ研究協会

(解説作成者)

萩  原  正  弥