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B 1054-2

:2013 (ISO 3506-2:2009)

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

2

3

  記号 

3

4

  強度区分の表し方,表示及び仕上げ  

3

4.1

  強度区分の表し方  

3

4.2

  表示  

4

4.3

  仕上げ  

5

5

  化学成分  

6

6

  機械的性質  

6

7

  試験方法  

7

7.1

  硬さ  

7

7.2

  保証荷重  

7

附属書 A(参考)ステンレス鋼の鋼種分類及び鋼種区分  

8

附属書 B(参考)ステンレス鋼の成分仕様(ISO 683-13:1986 からの抜粋)  

10

附属書 C(参考)冷間加工用ステンレス鋼(ISO 4954:1993 からの抜粋)  

12

附属書 D(参考)塩化物が引き起こす応力腐食に特定の抵抗をもつオーステナイト系ステンレス鋼 

    (EN 10088-1:2005 からの抜粋)  

14

附属書 E(参考)高温での機械的性質及び低温での適用  

15

附属書 F(参考)オーステナイト系ステンレス鋼の鋼種区分 A218/8 鋼)における 

    粒界腐食の時間−温度線図  

16

附属書 G(参考)オーステナイト系ステンレス鋼の磁性  

17

附属書 JA(参考)ステンレス鋼の鋼種及び化学成分(JIS と ISO 規格との対比表)  

18


B 1054-2

:2013 (ISO 3506-2:2009)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本ねじ研究協会

(JFRI)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS B 1054-2:2001 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS B 1054

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS B 1054-1

第 1 部:ボルト,小ねじ及び植込みボルト

JIS B 1054-2

第 2 部:ナット

JIS B 1054-3

第 3 部:引張力を受けない止めねじ及び類似のねじ部品

JIS B 1054-4

第 4 部:タッピンねじ


日本工業規格

JIS

 B

1054-2

:2013

(ISO 3506-2

:2009

)

耐食ステンレス鋼製締結用部品の機械的性質−

第 2 部:ナット

Mechanical properties of corrosion-resistant stainless steel fasteners-

Part 2: Nuts

序文 

この規格は,2009 年に第 2 版として発行された ISO 3506-2 を基に,技術的内容及び構成を変更するこ

となく作成した日本工業規格である。

なお,この規格の

附属書 JA は,対応国際規格にはない事項である。

適用範囲 

この規格は,10  ℃∼35  ℃の環境温度範囲で試験したときの,オーステナイト系,マルテンサイト系及

びフェライト系耐食ステンレス鋼製ナットの機械的性質について規定する。機械的性質は,この環境温度

より高い温度又は低い温度では変化する。

この規格は,次のナットに適用する。

−  ねじの呼び径 が,39 mm 以下のもの

−  JIS B 0205-1 による一般用メートルねじで,ねじの呼び径とピッチとの組合せが JIS B 0205-2 及び JIS 

B 0205-3

によるもの

−  任意の形状

−  二面幅寸法が JIS B 1002(網かけしたものは除く。

)によるもの

−  ナットの高さ が 0.5以上のもの

この規格は,次のような特殊な性質が要求されるナットには適用しない。

−  戻り止め性能

−  溶接性

注記  強度区分に関する機械的性質の要求事項を全て満たしている場合には,この規格の鋼種区分と

強度区分の表し方の体系は,この規格で規定する範囲外の寸法(例えば,D>39 mm)に対して

も適用することができる。

この規格は,特定の環境における耐食又は耐酸化性については規定しないが,特定の環境で用いる材料

についての幾つかの情報を,

附属書 に示す。腐食及び耐食性に対する定義は,ISO 8044 を参照。

この規格の目的は,耐食ステンレス鋼製ナットを幾つかの強度区分に分類することである。材料の中に

は,大気中で−200  ℃の低温又は 800  ℃までの高温で使用できるものがあるため,機械的性質に与える温

度の影響に関する情報を,

附属書 に示す。

高温又は氷点下の温度で使用する場合,耐食及び耐酸化性能並びに機械的性質については,それぞれの

特殊な使用条件に合うように受渡当事者間の協定によることができる。高温域における炭素含有量に依存


2

B 1054-2

:2013 (ISO 3506-2:2009)

する粒界腐食の危険の度合いを,

附属書 に示す。

全てのオーステナイト系ステンレス鋼製ナットは,固溶化熱処理後の状態では通常,非磁性であるが,

冷間加工後に磁気的性質が現れるものがある(

附属書 参照)。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 3506-2:2009

,Mechanical properties of corrosion-resistant stainless steel fasteners−Part 2: Nuts

(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0205-1

  一般用メートルねじ−第 1 部:基準山形

注記  対応国際規格:ISO 68-1:1998,ISO general purpose screw threads−Basic profile−Part 1: Metric

screw threads

(IDT)

JIS B 0205-2

  一般用メートルねじ−第 2 部:全体系

注記  対応国際規格:ISO 261:1998,ISO general purpose metric screw threads−General plan(IDT)

JIS B 0205-3

  一般用メートルねじ−第 3 部:ねじ部品用に選択したサイズ

注記  対応国際規格:ISO 262:1998,ISO general purpose metric screw threads−Selected sizes for screws,

bolts and nuts

(IDT)

JIS B 1002

  二面幅の寸法

注記  対応国際規格:ISO 272:1982,Fasteners−Hexagon products−Widths across flats(MOD)

JIS B 1047

  耐食ステンレス鋼製締結用部品の不動態化

注記  対応国際規格:ISO 16048:2003,Passivation of corrosion-resistant stainless-steel fasteners(IDT)

JIS B 1052-2

  締結用部品の機械的性質−第 2 部:保証荷重値規定ナット−並目ねじ

注記  対応国際規格:ISO 898-2:1992,Mechanical properties of fasteners−Part 2: Nuts with specified

proof load values

−Coarse thread(IDT)

JIS B 1052-6

  締結用部品の機械的性質−第 6 部:保証荷重値規定ナット−細目ねじ

注記  対応国際規格:ISO 898-6:1994,Mechanical properties of fasteners−Part 6: Nuts with specified

proof load values

−Fine pitch thread(IDT)

JIS B 1092

  締結用部品−品質保証システム

注記  対応国際規格:ISO 16426:2002,Fasteners−Quality assurance system(IDT)

JIS G 0573

  ステンレス鋼の 65 %硝酸腐食試験方法

注記  対応国際規格:ISO 3651-1:1998,Determination of resistance to intergranular corrosion of stainless

steels

−Part 1: Austenitic and ferritic-austenitic (duplex) stainless steels−Corrosion test in nitric acid

medium by measurement of loss in mass (Huey test)

(MOD)

JIS G 0575

  ステンレス鋼の硫酸・硫酸銅腐食試験方法

注記  対応国際規格:ISO 3651-2:1998,Determination of resistance to intergranular corrosion of stainless

steels

−Part 2: Ferritic, austenitic and ferritic-austenitic (duplex) stainless steels−Corrosion test in

media containing sulfuric acid

(MOD)


3

B 1054-2

:2013 (ISO 3506-2:2009)

JIS Z 2243

  ブリネル硬さ試験−試験方法

注記  対応国際規格:ISO 6506-1:2005,Metallic materials−Brinell hardness test−Part 1:Test method

(MOD)

JIS Z 2244

  ビッカース硬さ試験−試験方法

注記  対応国際規格:ISO 6507-1:2005,Metallic materials−Vickers hardness test−Part 1: Test method

(MOD)

JIS Z 2245

  ロックウェル硬さ試験−試験方法

注記  対応国際規格:ISO 6508-1:2005,Metallic materials−Rockwell hardness test−Part 1: Test method

(scales A, B, C, D, E, F, G, H, K, N, T)

(MOD)

記号 

この規格で用いる主な記号は,次による。

D

ねじの呼び径

m

ナットの高さ

P

ねじのピッチ

R

eL

下降伏応力(下降伏点)

R

p0.2

 0.2

%

永久伸びに対する応力(永久伸び 0.2 %耐力)

s

二面幅

S

p

保証荷重応力

μ

r

磁場内での透磁率

強度区分の表し方,表示及び仕上げ 

4.1 

強度区分の表し方 

ステンレス鋼製ナットの材料の鋼種区分及び機械的性質の強度区分に対する表し方の体系を,

図 に示

す。ステンレス鋼製ナットに対する強度区分の表し方は,ハイフン(-)によって分けた二つのブロックか

ら構成し,第 1 ブロックは材料の鋼種区分を表し,第 2 ブロックは製品の機械的性質の強度区分を表す。

鋼種区分(第 1 ブロック)の表し方は,次による。

−  A:オーステナイト系ステンレス鋼

−  C:マルテンサイト系ステンレス鋼

−  F:フェライト系ステンレス鋼

これらは,鋼種分類を示し,鋼種に含まれる化学成分の範囲を 1 桁の数字で示す(

表 参照)。

ナットの高さ が 0.8以上のナット(スタイル 1,スタイル 2 又はフランジ付き六角ナット)に対する

強度区分(第 2 ブロック)は,保証荷重応力の 1/10 の数値で示される 2 桁の数字で表し,ナットの高さ m

が 0.5以上で 0.8未満のナット(低ナット又はスタイル 0 ナット)に対する強度区分は,3 桁の数字で

表し,最初の数値“0”が,低ナット又はスタイル 0 のナットであることを示し,次の 2 桁が保証荷重応力

の 1/10 を示す。以下は,強度区分の表し方の例である。

例 1 A2-70  冷間加工された保証荷重応力の最小値が,700 MPa のオーステナイト系ステンレス鋼

m≧0.8のナット)

例 2 C4-70  焼入れ焼戻しされた保証荷重応力の最小値が,700 MPa のマルテンサイト系ステンレ

ス鋼(m≧0.8のナット)


4

B 1054-2

:2013 (ISO 3506-2:2009)

例 3 A2-035 冷間加工された保証荷重応力の最小値が,350 MPa のオーステナイト系ステンレス鋼

(0.5D≦m<0.8のナット)

a)

図 で分類した鋼種分類及び鋼種区分は,附属書 に示しており,表 の化学成分によって規定する。

b)

炭素含有量が 0.03 %を超えない低炭素オーステナイト系ステンレス鋼の場合には“L”の文字を付け加えて表

示することができる。

例 A4L-80

c)

  JIS B 1047

に従って不動態化したナットの場合には,

“P”の文字を付け加えて表示することができる。

例 A4-80P

図 1−ステンレス鋼製ナットの材料の鋼種区分及び機械的性質の強度区分に対する表し方の体系

4.2 

表示 

4.2.1 

一般 

この規格の仕様によって製造したナットには,4.1 の強度区分の表し方を適用し,4.2.2 及び 4.2.3 の規定

によって表示を施さなければならない。ただし,4.1 の強度区分の表し方及び 4.2.3 による表示は,この規

格の全ての要求事項を満たす場合にだけ適用する。

注記  左ねじの表示については,JIS B 1052-2 参照(切欠きによる表示を除く。)。

4.2.2 

製造業者の識別記号 

技術的に可能であれば,製造業者の識別記号の表示は,強度区分を表示する全てのナットに対して,製

造工程中に施さなければならない。強度区分の表示を施さないナットでも,製造業者の識別記号の表示を

施すのが望ましい。

4.2.3 

ナット 

呼び径 が 5 mm 以上の全てのナットには,

図 を適用し,図 又は図 に示すように明瞭に表示を施

さなければならない。表示は必須であり,鋼種区分及び強度区分を含まなければならない。ナットの座面

に表示を施す場合には,一面だけに表示を施してよいが,くぼみによらなければならない。ナットの座面

の代わりに,ナットの一つの側面に表示を施してもよい。

鋼種分類

a)

オーステナイト系

鋼種区分

a)

強度区分

c)

m≧0.8のナット

0.5D

m<0.8

ナット

 A1 A2

b)

 A3 A4

b)

 A5

軟質

冷間

加工

高強度

 025

035

040

 50

70

80

軟質 焼入れ

焼戻し

軟質 焼入れ

焼戻し

 50  70  110

 025 035 055

 50

70

80

 025

035

040

C1 C4 C3

焼入れ

焼戻し

マルテンサイト系

フェライト系

軟質

 45

60

 020

030

冷間

加工

F1


5

B 1054-2

:2013 (ISO 3506-2:2009)

1

製造業者の識別記号

2

鋼種区分

3

強度区分

図 2−強度区分の表し方及び製造業者の識別記号の表示

s

二面幅

図 3−切欠きによる代用記号(鋼種区分 A2 及び A4 だけ)

切欠き(

図 参照)による表示で,強度区分を示さない場合には,強度区分 50 又は 025 を適用する。

細目ねじ又はナットの形状的要因によって,ある種のナットは保証荷重の要求事項を満たさない場合も

ある。これらのナットについては,鋼種区分は表示できるが,強度区分を表示してはならない。

4.2.4 

包装 

全ての種類の全てのサイズのナットに対して,個々の包装には,

(例えば,ラベルを貼ることによって)

表示を施さなければならない。包装の表示には,製造業者及び/又は販売業者の識別記号,

図 による鋼

種区分及び強度区分の記号,並びに JIS B 1092 に規定する製造ロット番号を含めなければならない。

4.3 

仕上げ 

特に指定がない限り,この規格によるナットは,表面がきれいで光沢のある状態で供給しなければなら

ない。最大の耐食性をもたせるために,不動態化(パッシベーション,passivation)処理を施すのが望ま

しい。不動態化処理が要求される場合には,JIS B 1047 に従って行わなければならない。不動態化処理が

施されたナットには,鋼種区分及び強度区分の記号に続けて付加的な記号“P”を表示することができる

図 の注

c)

参照]

特殊な注文で製造したナットに対しては,

ナット及びラベルの双方に付加的な表示を施すのが望ましい。

既に製造された在庫の品を発送する場合のナットに対しては,

ラベルに付加的な表示を施すのが望ましい。


6

B 1054-2

:2013 (ISO 3506-2:2009)

化学成分 

この規格によるナットに適合するステンレス鋼の化学成分を,

表 に示す。

注記  表 の化学成分は,関連する鋼種区分に対して JIS B 1054-1 の表 に与えられた化学成分に一

致している。

鋼種区分ごとに規定された範囲内での化学成分の最終選択は,受渡当事者間の事前の協定がない場合,

製造業者の任意とする。

粒界腐食の危険がある場合には,JIS G 0573 又は JIS G 0575 による試験の実施が望ましい。このような

場合,鋼種区分 A3 及び A5 の安定化ステンレス鋼又は炭素含有量が 0.03 %を超えない鋼種区分 A2 及び

A4

のステンレス鋼が望ましい。

表 1−ステンレス鋼の鋼種区分−化学成分

鋼種分類

鋼種区分

化学成分

a)

質量分率 %

C Si

Mn

P  S  Cr Mo Ni  Cu

オ ー ス テ

ナイト系

A1

b) c) d)

 0.12 1

6.5

0.2

0.15

∼0.35

16

∼19

0.7 5

∼10 1.75∼2.25

A2

f) g)

 0.10

1

2

0.05

0.03

15

∼20

e)

8

∼19 4

A3

h)

 0.08

1

2

0.045

0.03

17

∼19

e)

9

∼12 1

A4

g) i)

 0.08

1

2

0.045

0.03

16

∼18.5

2

∼3 10∼15 4

A5

h) i)

 0.08

1

2

0.045

0.03

16

∼18.5

2

∼3 10.5∼14 1

マ ル テ ン

サイト系

C1

i)

 0.09

∼0.15 1  1 0.05

0.03  11.5

∼14

− 1  −

C3 0.17

∼0.25 1  1 0.04

0.03

16

∼18

− 1.5∼2.5

C4

b) i)

 0.08

∼0.15 1  1.5

0.06 0.15

∼0.35

12

∼14

0.6 1

フ ェ ラ イ
ト系

F1

k) l)

 0.12

1

1

0.04

0.03

15

∼18

j)

 1

注記 1  特定の目的をもつステンレス鋼の鋼種分類及び鋼種区分の適用に関する説明を,附属書 に示す。 
注記 2  ISO 683-13 及び ISO 4954 で規定されているステンレス鋼の例を,それぞれ附属書 及び附属書 に示す。
注記 3  特定の目的に適する幾つかの材料を,附属書 に示す。 

a)

値は,ほかに示すものがなければ,最大を示す。

b)

硫黄(S)は,セレン(Se)に置き換えてもよい。

c)

ニッケル(Ni)の含有量が 8 %以下の場合は,マンガン(Mn)の含有量を 5 %以上にしなければならない。

d)

ニッケル(Ni)の含有量が 8 %を超える場合には,銅(Cu)の含有量に下限はない。

e)

モリブデン(Mo)の添加は,製造業者の任意である。ただし,モリブデンの含有量の制限が必要な場合は,

購入者が注文時に指定しなければならない。

f)

クロム(Cr)の含有量が 17 %以下の場合には,ニッケル(Ni)の含有量の最小を 12 %とするのがよい。

g)

炭素(C)の含有量が 0.03 %以下のオーステナイト系ステンレス鋼に対しては,窒素(N)の含有量は,最大

0.22 %

まで含んでもよい。

h)

安定化のために,チタン(Ti)の含有量は,炭素(C)の含有量の 5 倍以上で,最大 0.8 %までとするか,ニ
オブ(Nb)及び/又はタンタル(Ta)の含有量は,炭素(C)の含有量の 10 倍以上で,最大 1.0 %までとす

る。

i)

直径の大きいもので,規定の機械的性質を満足させるために,炭素含有量を多くすることは,製造業者の任
意であるが,オーステナイト系ステンレス鋼に対しては,0.12 %を超えてはならない。

j)

モリブデン(Mo)の添加は,製造業者の任意である。

k)

チタン(Ti)の含有量は,炭素(C)の含有量の 5 倍以上で,最大 0.8 %まで含んでもよい。

l)

ニオブ(Nb)及び/又はタンタル(Ta)の含有量は,炭素(C)の含有量の 10 倍以上で,最大 1.0 %まで含

んでもよい。

機械的性質 

この規格によるナットの機械的性質は,

表 及び表 に規定する値に適合しなければならない。


7

B 1054-2

:2013 (ISO 3506-2:2009)

受入れ目的に対する機械的性質は,この箇条を適用し,その試験は,次による。

−  硬さ試験は,7.1 による(焼入焼戻しされた鋼種区分 C1,C3 及び C4 だけに適用)

−  保証荷重試験は,7.2 による。

注記  この規格では,多数の強度区分が規定されているが,全ての強度区分が全てのナットに適用さ

れることを意味するものではない。強度区分の適用基準については,この規格を引用する製品

規格で決まる。

規格化されていないナットに対しては,できる限りそのナットに類似の規格値を適用するのがよい。

表 2−ナットの機械的性質−オーステナイト系の鋼種区分

鋼種分類

鋼種区分

強度区分

保証荷重応力

S

p

最小

MPa

m≧0.8D

のナット

0.5D

m<0.8D

のナット

m≧0.8D

のナット

0.5D

m<0.8D

のナット

オーステ 
ナイト系

A1

,A2

A3

,A4

A5

50  025 500 250

70  035 700 350

80  040 800 400

表 3−ナットの機械的性質−マルテンサイト系及びフェライト系の鋼種区分

鋼種分類

鋼種区分

強度区分

保証荷重応力

S

p

最小

MPa

硬さ

M≧0.8D

のナット

0.5D

m<0.8D

のナット

m≧0.8D

のナット

0.5D

m<0.8D

のナット

HBW HRC  HV

マ ル テ ン
サイト系

C1 50

025

500

250

147

∼209

− 155∼220

70

− 700

− 209∼314 16∼34 220∼330

110

a)

 055

a)

 1 100

550

− 36∼45 350∼440

C3 80

040

800

400

228

∼323 21∼35 240∼340

C4 50

− 500

− 147∼209

− 155∼220

70 035  700 350

209

∼314 16∼34 220∼330

フ ェ ラ イ
ト系

F1

b)

 45

020 450

200

128

∼209

− 135∼220

60 030  600 300

171

∼271

− 180∼285

a)

最低焼戻し温度 275  ℃での焼入焼戻しを行う。

b)

ねじの呼び径 は,24 mm 以下とする。

試験方法 

7.1 

硬さ 

マルテンサイト系及びフェライト系のナットについて,硬さ試験は,JIS Z 2243(HBW)

JIS Z 2244(HV)

又は JIS Z 2245(HRC)によって行う。疑義が生じた場合には,ビッカース硬さによって合否を判定する。

試験の手順は,JIS B 1052-2 又は JIS B 1052-6 による。

7.2 

保証荷重 

試験手順及び判定基準は,JIS B 1052-2 又は JIS B 1052-6 による。


8

B 1054-2

:2013 (ISO 3506-2:2009)

附属書 A

(参考)

ステンレス鋼の鋼種分類及び鋼種区分

A.1 

一般 

JIS B 1054

規格群に引用する鋼種分類は,次の鋼種区分 A1∼A5,C1∼C4 及び F1 とする。

−  オーステナイト系 A1∼A5

−  マルテンサイト系 C1∼C4

−  フェライト系 F1

この附属書は,これらの鋼種分類及び鋼種区分の特性を説明する。

この附属書は,本体で規定されていない鋼種分類 FA の鋼についての追加情報を記す。この鋼種分類は,

フェライト−オーステナイト系である。

A.2 

鋼種分類 A(オーステナイト系) 

A.2.1 

一般 

オーステナイト系ステンレス鋼の五つの主要な鋼種区分 A1∼A5 が,

JIS B 1054

規格群に含まれている。

これらは,硬化処理ができず,一般に非磁性体である。加工硬化の感受性を少なくするために,

表 で規

定している鋼種区分 A1∼A5 に,銅を加えてもよい。

非安定化鋼の鋼種区分 A2 及び A4 の鋼は,次のような特性がある。

−  クロム酸化物は,鋼の腐食に対して抵抗するので,低炭素量は,非安定化鋼に対して非常に重要であ

る。クロムの炭素に対する高い親和力のため,特に高温時には,クロム酸化物に代わってクロム炭化

物が生成される(

附属書 参照)。

安定化鋼の鋼種区分 A3 及び A5 の鋼は,次のような特性がある。

−  炭素及びクロム酸化物に影響を与える元素 Ti,Nb 又は Ta は,規格範囲の上限一杯に製造される。

海洋(offshore)又は似たような条件では,Cr 及び Ni が約 20 %の含有量並びに 4.5∼6.5 %の Mo の鋼が

要求される。

腐食の危険が高い場合は,専門家に相談することが望ましい。

A.2.2 

鋼種区分 A1 

鋼種区分 A1 の鋼は,切削加工用に特に設計されたもので,高い硫黄含有鋼のため,通常の硫黄含有量

の対応する鋼よりも耐食性は低い。

A.2.3 

鋼種区分 A2 

鋼種区分 A2 の鋼は,最も頻繁に使用されているステンレス鋼で,台所用品及び化学工場の装置に使用

されている。この鋼種区分のものは,非酸化性酸及び塩化物中,例えば,水泳用プール,海水などでの使

用には適さない。

A.2.4 

鋼種区分 A3 

鋼種区分 A3 の鋼は,鋼種区分 A2 の鋼の性質をもつ,安定化されたステンレス鋼である。

A.2.5 

鋼種区分 A4 

鋼種区分 A4 の鋼は,Mo 合金で,優れた耐食性を与える“耐酸鋼”である。A4 の鋼は,沸騰した硫酸

に対して開発された鋼で(それゆえ“耐酸”と名付けられた。

,化学繊維工業の広い範囲で使用されてい


9

B 1054-2

:2013 (ISO 3506-2:2009)

て,塩化物を含む環境にも適しているため,確実に広い範囲で使用されている。また,A4 の鋼は,食品工

業及び造船業で頻繁に使用されている。

A.2.6 

鋼種区分 A5 

鋼種区分 A5 の鋼は,鋼種区分 A4 の鋼の性質をもつ安定化された“耐酸鋼”である。

A.3 

鋼種分類  F(フェライト系) 

A.3.1 

一般 

一つのフェライト系ステンレス鋼の鋼種区分 F1 が,JIS B 1054 規格群に含まれている。鋼種区分 F1 に

含まれる鋼は,通常,硬化処理はできない。実際に可能な場合でも,硬化処理はしないほうがよい。F1 の

鋼は,磁性体である。

A.3.2 

鋼種区分 F1 

鋼種区分 F1 の鋼は,C 及び N の含有量を極端に低くしたスーパーフェライトを除いて,一般に簡単な

装置に使用される。鋼種区分 F1 に含まれる鋼は,必要ならば鋼種区分 A2 及び A3 の鋼に置き換えること

ができ,高い塩化物を含む条件下で使用できる。

A.4 

鋼種分類  C(マルテンサイト系) 

A.4.1 

一般 

この規格群には,マルテンサイト系ステンレス鋼の三つのタイプ,鋼種区分 C1,C3 及び C4 の鋼が含ま

れている。これらは優れた強さに硬化処理が可能であり,磁性体である。

A.4.2 

鋼種区分 C1 

鋼種区分 C1 の鋼は,耐食性に限界がある。この鋼は,タービン,ポンプ及びナイフに使用されている。

A.4.3 

鋼種区分 C3 

鋼種区分 C3 の鋼は,鋼種区分 C1 の鋼より優れた耐食性をもっているが,その耐食性には限界がある。

この鋼は,ポンプ及びバルブに使用されている。

A.4.4 

鋼種区分 C4 

鋼種区分 C4 の鋼は,耐食性に限界がある。この鋼は,機械加工を意図したもので,その他は鋼種区分

C1

の鋼と同等である。

A.5 

鋼種分類 FA(フェライト−オーステナイト系) 

鋼種分類 FA の鋼は,JIS B 1054 規格群には含まれていないが,将来は含まれ得る。

この鋼種分類の鋼は,二相鋼と呼ばれる。最初に開発された FA の鋼は,幾つかの欠点があったが,そ

の後に開発された鋼では,その欠点は取り除かれた。FA の鋼は,特に強さに関しては,鋼種区分 A4 及び

A5

の鋼よりも,よい性質をもっている。この鋼は,孔食及び亀裂腐食に対して非常に優れている。

成分の例を,

表 A.1 に示す。

表 A.1−フェライト−オーステナイト系の化学成分の例

鋼種分類

化学成分

質量分率 %

C

最大

Si Mn Cr  Ni Mo N

フェライト−オ

ーステナイト系

0.03 1.7  1.5 18.5  5  2.7 0.07

0.03

<1

<2 22  5.5  3  0.14


附属書 B

(参考)

ステンレス鋼の成分仕様

[ISO 683-13:1986

1)

からの抜粋]

表 B.1−ステンレス鋼の成分仕様

鋼種

a)

化学成分

b)

質量分率 %

鋼種 
区分

表示

d)

C Si

最大

Mn

最大

P

最大

S N

Al

Cr

Mo

Nb

c)

 Ni

Se

最小

Ti Cu

フェライト系 

8

≦0.08 1.0 1.0

0.040

≦0.030

− 16.0∼18.0

≦1.0

− F1

8b

≦0.07 1.0 1.0

0.040

≦0.030

− 16.0∼18.0

≦1.0

7

×% C≦1.10

− F1

9c

≦0.08 1.0 1.0

0.040

≦0.030

− 16.0∼18.0

0.90

1.30

≦1.0

− F1

F1

≦0.025

e)

1.0 1.0

0.040

≦0.030

≦0.025

e)

− 17.0∼19.0

1.75

2.50

f)

≦0.60

f)

− F1

マルテンサイト系 

3 0.09

∼0.15

1.0 1.0

0.040

≦0.030

− 11.5∼13.5

≦1.0

− C1

7 0.08

∼0.15

1.0 1.5

0.060

0.15

∼0.35

− 12.0∼14.0

≦0.60 

g)

≦1.0

− C4

4 0.16

∼0.25

1.0 1.0

0.040

≦0.030

− 12.0∼14.0

≦1.0

− C1

9a 0.10

∼0.17

1.0 1.5

0.060

0.15

∼0.35

− 15.5∼17.5

≦0.60 

g)

≦1.0

− C3

9b 0.14

∼0.23

1.0 1.0

0.040

≦0.030

− 15.0∼17.5

− 1.5∼2.5

− C3

5 0.26

∼0.35

1.0 1.0

0.040

≦0.030

12.0

∼14.0

≦1.0

− C1

オーステナイト系 

10

≦0.030 1.0  2.0 0.045

≦0.030

− 17.0∼19.0

− 9.0∼12.0

− A2

h)

11

≦0.07 1.0 2.0

0.045

≦0.030

− 17.0∼19.0

− 8.0∼11.0

− A2

15

≦0.08 1.0 2.0

0.045

≦0.030

− 17.0∼19.0

− 9.0∼12.0

5

×% C≦0.80

− A3

i)

16

≦0.08 1.0 2.0

0.045

≦0.030

− 17.0∼19.0

− 10×% C≦1.0

9.0

∼12.0

− A3

i)

17

≦0.12 1.0 2.0

0.060

0.15

∼0.35

− 17.0∼19.0

j)

− 8.0∼10.0

k)

− A1

13

≦0.10 1.0 2.0

0.045

≦0.030

− 17.0∼19.0

− 11.0∼13.0

− A2

10

B 1054-2


2013

 (IS

O

 3506-2


2009)


表 B.1−ステンレス鋼の成分仕様(続き)

鋼種

a)

化学成分

b)

質量分率 %

鋼種 
区分

表示

d)

C Si

最大

Mn

最大

P

最大

S N

Al

Cr

Mo

Nb

c)

 Ni

Se

最小

Ti Cu

19

≦0.030 1.0  2.0 0.045

≦0.030

− 16.5∼18.5

2.0

∼2.5

− 11.0∼14.0

− A4

20

≦0.07 1.0 2.0

0.045

≦0.030

− 16.5∼18.5

2.0

∼2.5

− 10.5∼13.5

− A4

21

≦0.08 1.0 2.0

0.045

≦0.030

− 16.5∼18.5

2.0

∼2.5

− 11.0∼14.0

5

×% C≦0.80

− A5

i)

23

≦0.08 1.0 2.0

0.045

≦0.030

− 16.5∼18.5

2.0

∼2.5 10×% C≦1.0 11.0∼14.0

− A5

i)

19a

≦0.030 1.0  2.0 0.045

≦0.030

− 16.5∼18.5

2.5

∼3.0

− 11.5∼14.5

− A4

20a

≦0.07 1.0 2.0

0.045

≦0.030

− 16.5∼18.5

2.5

∼3.0

− 11.0∼14.0

− A4

10N

≦0.030 1.0  2.0 0.045

≦0.030 0.12∼0.22

− 17.0∼19.0

− 8.5∼11.5

− A2

19N

≦0.030 1.0  2.0 0.045

≦0.030 0.12∼0.22

− 16.5∼18.5

2.0

∼2.5

− 10.5∼13.5

− A4

h)

19aN

≦0.030 1.0  2.0 0.045

≦0.030 0.12∼0.22

− 16.5∼18.5

2.5

∼3.0

− 11.5∼14.5

− A4

h)

a)

この鋼種の数字は仮のもので,関連する国際規格が発行されたときに変更する。

b)

この表に記載されていない元素は,溶せん(銑)終了の目的を除いて購買者との協定なしに,故意に添加してはならない。製造時に使用するスクラップ又は他の
原料から,焼入性,機械的性質及び適用性に影響するようなものが添加されないように,合理的なあらゆる予防処置をとらなければならない。

c)

タンタル(Ta)は,ニオブ(Nb)で確定する。

d)

鋼種区分表示は,ISO 683-13 にはない。

e)

(C+N)の最大質量分率は,0.040 %とする。

f)

  8

×(C+N)の質量分率は,

(Nb+Ti)の質量分率以上で 0.80 %以下とする。

g)

照会及び注文時に協定によって,モリブデン(Mo)の質量分率が 0.20 %∼0.60 %の鋼を供給してもよい。

h)

粒界腐食に対して優れた抵抗性をもつ。

i)

安定化鋼。

j)

質量分率 0.70 %未満のモリブデン(Mo)の添加は,製造業者の任意である。

k)

継目なし管を製造する素材のニッケル(Ni)の最大質量分率は,0.5 %増加させてもよい。

1)

廃止された国際規格

11

B 1054-2


2013

 (IS

O

 3506-2


2009)


附属書 C 
(参考)

冷間加工用ステンレス鋼

(ISO 4954:1993 からの抜粋)

表 C.1−冷間加工用ステンレス鋼

鋼種

呼び方

a)

化学成分

b)

質量分率 %

鋼種区分

表示

c)

番号

名称

ISO 4954:1979

による記号

C Si

最大

Mn

最大

P

最大

S

最大

Cr Mo Ni

その他

フェライト系 

71

X3 Cr 17 E

≦0.04 1.00 1.00

0.040

0.030

16.0

∼18.0

≦1.0   F1

72

X6 Cr 17 E

D1

≦0.08 1.00 1.00

0.040

0.030

16.0

∼18.0

≦1.0   F1

73

X6 CrMo 17 1 E

D2

≦0.08 1.00 1.00

0.040

0.030

16.0

∼18.0

0.90

∼1.30

≦1.0   F1

74

X6 CrTi 12 E

≦0.08 1.00 1.00

0.040

0.030

10.5

∼12.5

≦0.50 Ti:

6

×% C≦1.0

F1

75

X6 CrNb 12 E

≦0.08 1.00 1.00

0.040

0.030

10.5

∼12.5

≦0.50 Nb:

6

×% C≦1.0

F1

マルテンサイト系 

76

X12 Cr 13 E

D10

0.09

∼0.15

1.00 1.00 0.040

0.030

11.5

∼13.5

≦1.0   C1

77

X19 CrNi 16 2 E

D12

0.14

∼0.23

1.00 1.00 0.040

0.030

15.0

∼17.5

 1.5

∼2.5

C3

オーステナイト系 

78

X2 CrNi 18 10 E

D20

≦0.030 1.00 2.00 0.045

0.030

17.0

∼19.0

 9.0

∼12.0

 A2

d)

79

X5 CrNi 18 9 E

D21

≦0.07 1.00 2.00

0.045

0.030

17.0

∼19.0

 8.0

∼11.0

 A2

80

X10 CrNi 18 9 E

D22

≦0.12 1.00 2.00

0.045

0.030

17.0

∼19.0

 8.0

∼10.0

 A2

81

X5 CrNi 18 12 E

D23

≦0.07 1.00 2.00

0.045

0.030

17.0

∼19.0

 11.0

∼13.0

 A2

82

X6 CrNi 18 16 E

D25

≦0.08 1.00 2.00

0.045

0.030

15.0

∼17.0

 17.0

∼19.0

 A2

83

X6 CrNiTi 18 10 E

D26

≦0.08 1.00 2.00

0.045

0.030

17.0

∼19.0

 9.0

∼12.0

Ti: 5

×% C≦0.80

A3

e)

84

X5 CrNiMo 17 12 2 E

D29

≦0.07 1.00 2.00

0.045

0.030

16.5

∼18.5

2.0

∼2.5 10.5∼13.5

 A4

85

X6 CrNiMoTi 17 12 2 E

D30

≦0.08 1.00 2.00

0.045

0.030

16.5

∼18.5

2.0

∼2.5 11.0∼14.0

Ti: 5

×% C≦0.80

A5

e)

86

X2 CrNiMo 17 13 3 E

≦0.030 1.00 2.00 0.045

0.030

16.5

∼18.5

2.5

∼3.0 11.5∼14.5

 A4

d)

87

X2 CrNiMoN 17 13 3 E

≦0.030 1.00 2.00 0.045

0.030

16.5

∼18.5

2.5

∼3.0 11.5∼14.5

N: 0.12

∼0.22 A4

d)

88

X3 CrNiCu 18 9 3 E

D32

≦0.04 1.00 2.00

0.045

0.030

17.0

∼19.0

 8.5

∼10.5

Cu: 3.00

∼4.00 A2

12

B 1054-2


2013

 (IS

O

 3506-2


2009)


表 C.1−冷間加工用ステンレス鋼(続き)

a)

鋼種の番号は,連続した数字である。記号の表示は,ISO/TC 17/SC 2 で提案されたシステムによっている。記号は ISO 4954:1979 に使用されている旧式の表示で
ある。

b)

この表に引用されていない元素は,溶せん(銑)の終了の目的を除いて購買者との協定なしに,故意に添加しないのが望ましい。製造時に使用するスクラップ又

は他の原料から,機械的性質及び適用性に影響するようなものが添加されないように,合理的なあらゆる予防処置をとるのが望ましい。

c)

鋼種区分表示は,ISO 4954 にはない。

d)

粒界腐食に対して優れた抵抗性をもつ。

e)

安定化鋼。

13

B 1054-2


2013

 (IS

O

 3506-2


2009)


14

B 1054-2

:2013 (ISO 3506-2:2009)

附属書 D

(参考)

塩化物が引き起こす応力腐食に特定の抵抗をもつ

オーステナイト系ステンレス鋼

(EN 10088-1:2005 からの抜粋)

塩化物が引き起こす応力腐食(例えば,室内水泳プール)で,ボルト,小ねじ及び植込みボルトの破壊

の危険性は,

表 D.1 に示す材料を使用することによって軽減できる。

表 D.1−塩化物が引き起こす応力腐食に特定の抵抗をもつオーステナイト系ステンレス鋼

オーステナイト系

ステンレス鋼

(記号/材料番号)

化学成分

質量分率 %

C

最大

Si

最大

Mn

最大

P

最大

S

最大

N  Cr Mo Ni  Cu

X2 CrNiMoN 17-13-5

(1.4439)

0.030 1.00  2.00 0.045

0.015

0.12

0.22

16.5

18.5

4.0

5.0

12.5

14.5

X1 NiCrMoCu 25-20-5

(1.4539)

0.020 0.70  2.00 0.030

0.010

≦0.15

19.0

21.0

4.0

5.0

24.0

26.0

1.20

2.00

X1 NiCrMoCuN 25-20-7

(1.4529)

0.020 0.50  1.00 0.030

0.010

0.15

0.25

19.0

21.0

6.0

7.0

24.0

26.0

0.50

1.50

X2 CrNiMoN 22-5-3

a)

(1.4462)

0.030 1.00  2.00 0.035

0.015

0.10

0.22

21.0

23.0

2.5

3.5

4.5

6.5

a)

フェライト−オーステナイト系ステンレス鋼


15

B 1054-2

:2013 (ISO 3506-2:2009)

附属書 E

(参考)

高温での機械的性質及び低温での適用

E.0A 

ナットとの関係 

ボルト,小ねじ又は植込みボルトの強度が,正確に計算されていれば,組み合わせるナットは,自動的

に要求事項を満たす。したがって,高温又は低温での適用の場合には,ボルト,小ねじ及び植込みボルト

の機械的性質を考慮すれば十分である。

E.1 

高温での下降伏応力(下降伏点)又は永久伸び 0.2 %耐力 

この附属書に示す値は,参考である。使用者は,実際の組成,取り付けられたおねじ部品に加えられる

荷重及び環境によって重要な変化が起こることを理解するのが望ましい。荷重が変動し,高い温度での操

作が長期間の場合又は応力腐食の可能性がある場合には,使用者は製造業者に相談することが望ましい。

表 E.1 に,高温での下降伏応力(下降伏点)R

eL

及び永久伸び 0.2 %耐力 R

p0.2

の値を,室温での値との%

による比で示す。

表 E.1R

eL

及び R

p0.2

への温度の影響

鋼種区分

R

eL

及び R

p0.2

%

温度

+100  ℃

+200  ℃

+300  ℃

+400  ℃

A2

,A3,

A4

,A5

85 80 75 70

C1 95 90 80 65

C3 90 85 80 60

注記  これは強度区分 70 及び 80 だけに適用する。

E.2 

低温での適用温度 

低温でのオーステナイト系ステンレス鋼製ボルト,小ねじ及び植込みボルトの適用温度を,

表 E.2 に示

す。

表 E.2−低温におけるステンレス鋼製ボルト,小ねじ及び 

植込みボルトの適用(オーステナイト系だけ)

鋼種区分

連続使用での使用温度の下限

A2

,A3

−200  ℃

A4

,A5

ボルト及び小ねじ

a)

−60  ℃

植込みボルト

−200  ℃

a)

おねじ部品の製造中の条件に高度の変形を加えた場

合,合金元素 Mo に関連して,オーステナイトの安定
化が減少し,遷移温度が高い値に移行する。


16

B 1054-2

:2013 (ISO 3506-2:2009)

附属書 F

(参考)

オーステナイト系ステンレス鋼の鋼種区分 A2(18/8 鋼)における

粒界腐食の時間−温度線図

図 F.1 に,五つの異なる炭素含有量をもつオーステナイト系ステンレス鋼の鋼種区分 A2(18/8 鋼)に対

して,550∼925  ℃の温度範囲において,粒界腐食が起こるまでの概略の時間を示す。

注記  炭素含有量が低くなると,耐粒界腐食性は向上する。

X

時間(分)

Y

温度(℃)

図 F.1−オーステナイト系ステンレス鋼の鋼種区分 A2 における粒界腐食の時間−温度線図


17

B 1054-2

:2013 (ISO 3506-2:2009)

附属書 G 
(参考)

オーステナイト系ステンレス鋼の磁性

特殊な磁性が必要な場合には,金属材料の専門家に相談することが望ましい。

オーステナイト系ステンレス鋼製ナットは,通常,非磁性であるが,冷間加工後に磁気的性質が現れる

ものがある。

ステンレス鋼といえども,使われる鋼種によって,磁化のされやすさに差異がある。この材料は,おそ

らく真空においてだけ完全な非磁性である。磁場内での材料の透磁率の度合いは,真空の透磁率に対する

その材料の透磁率の比

μ

r

で表す。

μ

r

が 1 に近いほど,材料の磁性は低い。

例 1 A2:

μ

r

≒1.8

例 2 A4:

μ

r

≒1.015

例 3 A4L:

μ

r

≒1.005

例 4 F1:

μ

r

≒5


附属書 JA

(参考)

ステンレス鋼の鋼種及び化学成分(JIS と ISO 規格との対比表)

表 JA.1−ステンレス鋼の鋼種及び化学成分(JIS と ISO 規格との対比表)

JIS

鋼種

a)

ISO

鋼種

b)

化学成分

c)

(質量分率  %)

備考

d)

C Si Mn P  S Ni Cr

Mo

Cu

その他

オーステナイト系ステンレス鋼 

 3506-2

A1

≦0.12

≦1

≦6.5

≦0.2 0.15∼0.35

5

∼10 16∼19

≦0.7 1.75∼2.25

e) f) g)

 3506-2

A2

≦0.10

≦1

≦2

≦0.05

≦0.03 8∼19 15∼20

h)

≦4

i) j)

 3506-2

A3

≦0.08

≦1

≦2

≦0.045

≦0.03 9∼12 17∼19

h)

≦1

k) 

 3506-2

A4

≦0.08

≦1

≦2

≦0.045

≦0.03 10∼15 16∼18.5

2

∼3

≦4

j) l)

 3506-2

A5

≦0.08

≦1

≦2

≦0.045

≦0.03 10.5∼14 16∼18.5

2

∼3

≦1

k) l)

SUS

304

≦0.08

≦1.00

≦2.00

≦0.045

≦0.030 8.00∼

10.50

18.00

20.00

− A2

SUS

304L

≦0.030

≦1.00

≦2.00

≦0.045

≦0.030 9.00∼

13.00

18.00

20.00

− A2

SUS

304J3

≦0.08

≦1.00

≦2.00

≦0.045

≦0.030 8.00∼

10.50

17.00

19.00

− 1.00∼3.00

− A2

SUS

305

≦0.12

≦1.00

≦2.00

≦0.045

≦0.030 10.50∼

13.00

17.00

19.00

− (A2)

m)

SUS

305J1

≦0.08

≦1.00

≦2.00

≦0.045

≦0.030 11.00∼

13.50

16.50

19.00

− A2

SUS

316

≦0.08

≦1.00

≦2.00

≦0.045

≦0.030 10.00∼

14.00

16.00

18.00

2.00

∼3.00

− A4

SUS

316L

≦0.030

≦1.00

≦2.00

≦0.045

≦0.030 12.00∼

15.00

16.00

18.00

2.00

∼3.00

− A4

18

B 1054-2


2013

 (IS

O

 3506-2


2009)


表 JA.1−ステンレス鋼の鋼種及び化学成分(JIS と ISO 規格との対比表)(続き)

JIS

鋼種

a)

ISO

鋼種

b)

化学成分

c)

(質量分率  %)

備考

d)

C Si Mn P  S Ni Cr

Mo

Cu

その他

SUS

384

≦0.08

≦1.00

≦2.00

≦0.045

≦0.030 17.00∼

19.00

15.00

17.00

SUS

XM7

≦0.08

≦1.00

≦2.00

≦0.045

≦0.030 8.50∼

10.50

17.00

19.00

− 3.00∼4.00

− A2

SUH

660

n)

≦0.08

≦1.00

≦2.00

≦0.040

≦0.030 24.00∼

27.00

13.50

16.00

1.00

∼1.50

− V:

0.10

∼0.50

Ti: 1.90

∼2.35

Al:

≦0.35

B: 0.001

∼0.010

 4954

78

≦0.030

≦1.00

≦2.00

≦0.045

≦0.030 9.0∼12.0 17.0∼19.0

− A2

o)

 4954

79

≦0.07

≦1.00

≦2.00

≦0.045

≦0.030 8.0∼11.0 17.0∼19.0

− A2

 4954

80

≦0.12

≦1.00

≦2.00

≦0.045

≦0.030 8.0∼10.0 17.0∼19.0

− (A2)

m)

 4954

81

≦0.07

≦1.00

≦2.00

≦0.045

≦0.030 11.0∼13.0 17.0∼19.0

− A2

 4954

82

≦0.08

≦1.00

≦2.00

≦0.045

≦0.030 17.0∼19.0 15.0∼17.0

− A2

 4954

83

≦0.08

≦1.00

≦2.00

≦0.045

≦0.030 9.0∼12.0 17.0∼19.0

− Ti:

5

×%C≦0.80

A3

p)

 4954

84

≦0.07

≦1.00

≦2.00

≦0.045

≦0.030 10.5∼13.5 16.5∼18.5

2.0

∼2.5

− A4

 4954

85

≦0.08

≦1.00

≦2.00

≦0.045

≦0.030 11.0∼14.0 16.5∼18.5

2.0

∼2.5

− Ti:

5

×%C≦0.80

A5

p)

 4954

86

≦0.030

≦1.00

≦2.00

≦0.045

≦0.030 11.5∼14.5 16.5∼18.5

2.5

∼3.0

− A4

o)

 4954

87

≦0.030

≦1.00

≦2.00

≦0.045

≦0.030 11.5∼14.5 16.5∼18.5

2.5

∼3.0

− N:

0.12

∼0.22 A4

o)

 4954

88

≦0.04

≦1.00

≦2.00

≦0.045

≦0.030 8.5∼10.5 17.0∼19.0

− 3.00∼4.00

− A2

19

B 1054-2


2013

 (IS

O

 3506-2


2009)


表 JA.1−ステンレス鋼の鋼種及び化学成分(JIS と ISO 規格との対比表)(続き)

JIS

鋼種

a)

ISO

鋼種

b)

化学成分

c)

(質量分率  %)

備考

d)

C Si Mn P  S Ni Cr

Mo

Cu

その他

 683-13

10

≦0.030

≦1.0

≦2.0

≦0.045

≦0.030 9.0∼12.0 17.0∼19.0

− A2

o)

 683-13

11

≦0.07

≦1.0

≦2.0

≦0.045

≦0.030 8.0∼11.0 17.0∼19.0

− A2

 683-13

15

≦0.08

≦1.0

≦2.0

≦0.045

≦0.030 9.0∼12.0 17.0∼19.0

− Ti:

5

×%C≦0.80

A3

p)

 683-13

16

≦0.08

≦1.0

≦2.0

≦0.045

≦0.030 9.0∼12.0 17.0∼19.0

− Nb:

10

×%C≦1.0 

q)

A3

p)

 683-13

17

≦0.12

≦1.0

≦2.0

≦0.060 0.15∼0.35

8.0

∼10.0 17.0∼19.0

r)

− A1

 683-13

13

≦0.10

≦1.0

≦2.0

≦0.045

≦0.030 11.0∼13.0 17.0∼19.0

− A2

 683-13

19

≦0.030

≦1.0

≦2.0

≦0.045

≦0.030 11.0∼14.0 16.5∼18.5

2.0

∼2.5

− A4

 683-13

20

≦0.07

≦1.0

≦2.0

≦0.045

≦0.030 10.5∼13.5 16.5∼18.5

2.0

∼2.5

− A4

 683-13

21

≦0.08

≦1.0

≦2.0

≦0.045

≦0.030 11.0∼14.0 16.5∼18.5

2.0

∼2.5

− Ti:

5

×%C≦0.80

A5

p)

 683-13

23

≦0.08

≦1.0

≦2.0

≦0.045

≦0.030 11.0∼14.0 16.5∼18.5

2.0

∼2.5

− Nb:

10

×%C≦1.0 

q)

A5

p)

 683-13

19a

≦0.030

≦1.0

≦2.0

≦0.045

≦0.030 11.5∼14.5 16.5∼18.5

2.5

∼3.0

− A4

 683-13

20a

≦0.07

≦1.0

≦2.0

≦0.045

≦0.030 11.0∼14.0 16.5∼18.5

2.5

∼3.0

− A4

 683-13

10N

≦0.030

≦1.0

≦2.0

≦0.045

≦0.030 8.5∼11.5 17.0∼19.0

− N:

0.12

∼0.22 A2

 683-13

19N

≦0.030

≦1.0

≦2.0

≦0.045

≦0.030 10.5∼13.5 16.5∼18.5

2.0

∼2.5

− N:

0.12

∼0.22 A4

o)

 683-13

19aN

≦0.030

≦1.0

≦2.0

≦0.045

≦0.030 11.5∼14.5 16.5∼18.5

2.5

∼3.0

− N:

0.12

∼0.22 A4

o)

20

B 1054-2


2013

 (IS

O

 3506-2


2009)


表 JA.1−ステンレス鋼の鋼種及び化学成分(JIS と ISO 規格との対比表)(続き)

JIS

鋼種

a)

ISO

鋼種

b)

化学成分

c)

(質量分率  %)

備考

d)

C Si Mn P  S Ni Cr

Mo

Cu

その他

マルテンサイト系ステンレス鋼 

 3506-2

C1

0.09

∼0.15

≦1

≦1

≦0.05

≦0.03

≦1 11.5∼14

 3506-2

C3

0.17

∼0.25

≦1

≦1

≦0.04

≦0.03 1.5∼2.5 16∼18

 3506-2

C4

0.08

∼0.15

≦1

≦1.5

≦0.06 0.15∼

0.35

≦1 12∼14

≦0.6

e) l)

SUS

403

≦0.15

≦0.50

≦1.00

≦0.040

≦0.030

s) 

11.50

13.00

− (C1)

t)

SUS

410

≦0.15

≦1.00

≦1.00

≦0.040

≦0.030

s) 

11.50

13.50

− (C1)

t)

 4954

76

0.09 

u)

0.15

≦1.00

≦1.00

≦0.040

≦0.030

≦1.0 11.5∼13.5

− C1

 4954

77

0.14

0.23

≦1.00

≦1.00

≦0.040

≦0.030 1.5∼2.5 15.0∼17.5

− (C3)

v)

 683-13

3

0.09

∼0.15

≦1.0

≦1.0

≦0.040

≦0.030

≦1.0 11.5∼13.5

− C1

 683-13

7

0.08

∼0.15

≦1.0

≦1.5

≦0.060 0.15∼0.35

≦1.0 12.0∼14.0

≦0.60 

w)

− C4

 683-13

4

0.16

∼0.25

≦1.0

≦1.0

≦0.040

≦0.030

≦1.0 12.0∼14.0

 683-13

9a

0.10

∼0.17

≦1.0

≦1.5

≦0.060 0.15∼0.35

≦1.0 15.5∼17.5

≦0.60 

w)

 683-13

9b

0.14

∼0.23

≦1.0

≦1.0

≦0.040

≦0.030 1.5∼2.5 15.0∼17.5

− (C3)

x)

 683-13

5

0.26

∼0.35

≦1.0

≦1.0

≦0.040

≦0.030

≦1.0 12.0∼14.0

21

B 1054-2


2013

 (IS

O

 3506-2


2009)


表 JA.1−ステンレス鋼の鋼種及び化学成分(JIS と ISO 規格との対比表)(続き)

JIS

鋼種

a)

ISO

鋼種

b)

化学成分

c)

(質量分率  %)

備考

d)

C Si Mn P  S Ni Cr

Mo

Cu

その他

フェライト系ステンレス鋼 

 3506-2

F1

≦0.12

≦1

≦1

≦0.04

≦0.03

≦1 15∼18

y)

z) aa)

SUS

430

≦0.12

≦0.75

≦1.00

≦0.040

≦0.030

s) 

16.00

18.00

− F1

SUS

434

≦0.12

≦1.00

≦1.00

≦0.040

≦0.030

s) 

16.00

18.00

0.75

∼1.25

− F1

 4954

71

≦0.04

≦1.00

≦1.00

≦0.040

≦0.030

≦1.0 16.0∼18.0

− F1

 4954

72

≦0.08

≦1.00

≦1.00

≦0.040

≦0.030

≦1.0 16.0∼18.0

− F1

 4954

73

≦0.08

≦1.00

≦1.00

≦0.040

≦0.030

≦1.0 16.0∼18.0

0.90

∼1.30

− F1

 4954

74

≦0.08

≦1.00

≦1.00

≦0.040

≦0.030

≦0.50 10.5∼12.5

− Ti:

6

×%C≦1.0

 4954

75

≦0.08

≦1.00

≦1.00

≦0.040

≦0.030

≦0.50 10.5∼12.5

− Nb:6×%C≦1.0

 683-13

8

≦0.08

≦1.0

≦1.0

≦0.040

≦0.030

≦1.0 16.0∼18.0

− F1

 683-13

8b

≦0.07

≦1.0

≦1.0

≦0.040

≦0.030

≦1.0 16.0∼18.0

− Ti:

7

×%C≦1.10

(F1)

ab)

 683-13

9c

≦0.08

≦1.0

≦1.0

≦0.040

≦0.030

≦1.0 16.0∼18.0

0.90

∼1.30

− F1

 683-13

F1

≦0.025

ac)

≦1.0

≦1.0

≦0.040

≦0.030

≦0.60 17.0∼19.0

1.75

∼2.50

− N:

≦0.025

ac) ad)

(F1)

ae)

a)

  JIS

のステンレス鋼の鋼種は,JIS G 4315 に規定されているものだけを記載する。

b)

  ISO

規格のステンレス鋼の鋼種は,ISO 3506-2 及び ISO 4954 による。

c)

値は,一部の誤植を訂正したものを除いて,上記の JIS 及び ISO 規格に規定された数値をそのまま記載している。

d)

  ISO 3506-2

の Table 1 に規定された鋼種との対応関係を示し,ISO 3506-2 の Table 1 における化学成分に対する全ての要件を満たしている場合にだけ,対応関係が

あるとしている。

e)

硫黄(S)は,セレン(Se)に置き換えてもよい。

22

B 1054-2


2013

 (IS

O

 3506-2


2009)


表 JA.1−ステンレス鋼の鋼種及び化学成分(JIS と ISO 規格との対比表)(続き)

f)

ニッケル(Ni)の含有量が 8 %以下の場合には,マンガン(Mn)の含有量を 5 %以上にしなければならない。

g)

ニッケル(Ni)の含有量が 8 %以上の場合には,銅(Cu)の含有量に下限はない。

h)

モリブデン(Mo)の添加は,製造業者の任意である。モリブデンの含有量を制限する必要がある場合には,購入者が注文時に指定しなければならない。

i)

クロム(Cr)の含有量が 17 %以下の場合には,ニッケル(Ni)の最小含有量を 12 %とするのがよい。

j)

炭素(C)の含有量が 0.03 %以下のオーステナイト系ステンレス鋼に対しては,窒素(N)の最大含有量は,0.22 %まで可能である。

k)

安定化のために,チタン(Ti)の含有量は,炭素(C)の含有量の 5 倍以上で,最大 0.8 %までとするか,ニオブ(Nb)及び/又はタンタル(Ta)の含有量を炭素

の含有量の 10 倍以上で,最大 1.0 %までとする。

l)

直径の大きいもので,規定の機械的性質を満足するために炭素(C)の含有量を多くすることは製造業者の任意であるが,オーステナイト系ステンレス鋼に対し
ては 0.12 %を超えてはならない。

m)

炭素(C)の含有量が 0.10 %以下であれば,A2 に相当する。

n)

 SUH660

はオーステナイト系耐熱鋼(JIS G 4311 参照)であるが,JIS G 4315 に含まれるため,そのまま記載する。

o)

粒界腐食に対して優れた抵抗性をもつ。

p)

安定化鋼。

q)

タンタル(Ta)は,ニオブ(Nb)で確定する。

r)

含有率 0.70 %未満のモリブデン(Mo)の添加は,製造業者の任意である。

s)

ニッケル(Ni)は,0.60 %を超えてはならない。

t)

炭素(C)の含有量が 0.09 %以上であれば,C1 に相当する。

u)

  ISO 3506-2

の Annex C の Table C.1 では 0.90 %となっているが,0.09 %の誤植である。

v)

炭素(C)の含有量が 0.17 %以上で,クロム(Cr)の含有量が 16 %以上であれば,C3 に相当する。

w)

照会及び注文時の合意によって,モリブデン(Mo)の含有率を 0.20 %∼0.60 %としてもよい。

x)

炭素(C)の含有率が 0.17 %以上であれば,C3 に相当する。

y)

モリブデン(Mo)の添加は,製造業者の任意である。

z)

チタン(Ti)の含有量は,炭素(C)の含有量の 5 倍以上で,最大 0.8 %まで含んでもよい。

aa)

ニオブ(Nb)及び/又はタンタル(Ta)の含有量は,炭素(C)の含有量の 10 倍以上で,最大 1.0 %まで含んでよい。

ab)

チタン(Ti)の含有量が 0.8 %以下であれば,F1 に相当する。

ac)

(C+N)の最大含有率は,0.040 %。

ad)

  8

×(C+N)の含有率は,

(Nb+Ti)の含有率以上で≦0.80 %以下。

ae)

クロム(Cr)の含有率が 18 %以下であれば,F1 に相当する。

23

B 1054-2


2013

 (IS

O

 3506-2


2009)


24

B 1054-2

:2013 (ISO 3506-2:2009)

参考文献 [1] JIS G 4311  耐熱鋼棒及び線材

[2]  JIS G 4315

  冷間圧造用ステンレス鋼線

[3]  ISO 683-13:1986

2)

,Heat-treatable steels, alloy steels and free-cutting steels−Part 13:

Wrought stainless steels

[4]  ISO 4954:1993

,Steels for cold heading and cold extruding

[5]  ISO 8044

,Corrosion of metals and alloys−Basic terms and definitions

[6]  EN 10088-1:2005

,Stainless steels−Part 1: List of stainless steels

2)

この規格は,廃止された。