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B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 2 

3 記号······························································································································· 3 

4 強度区分の表し方,表示及び仕上げ ····················································································· 3 

4.1 強度区分の表し方 ·········································································································· 3 

4.2 表示 ···························································································································· 4 

4.3 仕上げ ························································································································· 6 

5 化学成分························································································································· 6 

6 機械的性質 ······················································································································ 7 

7 試験······························································································································· 9 

7.1 試験プログラム ············································································································· 9 

7.2 試験方法 ····················································································································· 10 

附属書A(規定)ねじの有効断面積の計算 ··············································································· 14 

附属書B(参考)ステンレス鋼の鋼種分類及び鋼種区分 ······························································ 15 

附属書C(参考)ステンレス鋼の成分仕様(ISO 683-13:1986からの抜粋) ···································· 18 

附属書D(参考)冷間加工用ステンレス鋼(ISO 4954:1993からの抜粋) ······································· 20 

附属書E(参考)塩化物が引き起こす応力腐食に特定の抵抗をもつオーステナイト系ステンレス鋼(EN 

10088-1:2005からの抜粋) ······························································································ 22 

附属書F(参考)高温での機械的性質及び低温での適用 ······························································ 23 

附属書G(参考)オーステナイト系ステンレス鋼の鋼種区分A2(18/8鋼)における粒界腐食の時間−温

度線図 ························································································································· 24 

附属書H(参考)オーステナイト系ステンレス鋼の磁性 ····························································· 25 

附属書JA(参考)ステンレス鋼の鋼種及び化学成分(JISとISO規格との対比表) ························ 26 

B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本ねじ研究協会 

(JFRI)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS B 1054-1:2001は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS B 1054の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS B 1054-1 第1部:ボルト,小ねじ及び植込みボルト 

JIS B 1054-2 第2部:ナット 

JIS B 1054-3 第3部:引張力を受けない止めねじ及び類似のねじ部品 

JIS B 1054-4 第4部:タッピンねじ 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

      JIS 

B 1054-1:2013 

(ISO 3506-1:2009) 

耐食ステンレス鋼製締結用部品の機械的性質− 

第1部:ボルト,小ねじ及び植込みボルト 

Mechanical properties of corrosion-resistant stainless steel fasteners- 

Part 1: Bolts, screws and studs 

序文 

この規格は,2009年に第2版として発行されたISO 3506-1を基に,技術的内容及び構成を変更するこ

となく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格の附属書JAは,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,10 ℃〜35 ℃の環境温度範囲で試験したときの,オーステナイト系,マルテンサイト系及

びフェライト系耐食ステンレス鋼製ボルト,小ねじ及び植込みボルトの機械的性質について規定する。機

械的性質は,この環境温度より高い温度又は低い温度では変化する。 

この規格は,次のボルト,小ねじ及び植込みボルトに適用する。 

− ねじの呼び径dが,39 mm以下のもの 

− JIS B 0205-1による一般用メートルねじで,ねじの呼び径とピッチとの組合せがJIS B 0205-2及びJIS 

B 0205-3によるもの 

− 任意の形状 

この規格は,溶接性能などの特殊な性質が要求されるボルト,小ねじ及び植込みボルトには適用しない。 

注記 強度区分に関する機械的性質の要求事項を全て満たしている場合には,この規格の鋼種区分及

び強度区分の表し方の体系は,この規格で規定する範囲外の寸法(例えばd>39 mm)に対し

ても適用することができる。 

この規格は,特定の環境における耐食性又は耐酸化性については規定しないが,特定の環境で用いる材

料についての幾つかの情報を,附属書Eに示す。腐食及び耐食性に関する定義は,ISO 8044を参照。 

この規格の目的は,耐食ステンレス鋼製おねじ部品1)を幾つかの強度区分に分類することである。材料

の中には,大気中で−200 ℃までの低温又は800 ℃までの高温で使用できるものがあるため,機械的性質

に与える温度の影響に関する情報を,附属書Fに示す。 

注1) この規格では,ボルト,小ねじ及び植込みボルトを総称する場合に,“おねじ部品”という用語

を用いる。 

高温又は氷点下の温度で使用する場合,耐食及び耐酸化性能並びに機械的性質については,それぞれの

特殊な使用条件に合うように受渡当事者間の協定によることができる。高温域における炭素含有量に依存

する粒界腐食の危険の度合いを,附属書Gに示す。 

B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

全てのオーステナイト系ステンレス鋼製おねじ部品は,固溶化熱処理後の状態では通常,非磁性である

が,冷間加工後に磁気的性質が現れるものがある(附属書H参照)。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 3506-1: 2009,Mechanical properties of corrosion-resistant stainless steel fasteners−Part 1: Bolts, 

screws and studs(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0205-1 一般用メートルねじ−第1部:基準山形 

注記 対応国際規格:ISO 68-1:1998,ISO general purpose screw threads−Basic profile−Part 1: Metric 

screw threads(IDT) 

JIS B 0205-2 一般用メートルねじ−第2部:全体系 

注記 対応国際規格:ISO 261: 1998,ISO general purpose metric screw threads−General plan(IDT) 

JIS B 0205-3 一般用メートルねじ−第3部:ねじ部品用に選択したサイズ 

注記 対応国際規格:ISO 262: 1998,ISO general purpose metric screw threads−Selected sizes for screws, 

bolts and nuts(IDT) 

JIS B 1047 耐食ステンレス鋼製締結用部品の不動態化 

注記 対応国際規格:ISO 16048: 2003,Passivation of corrosion-resistant stainless-steel fasteners(IDT) 

JIS B 1051 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質−第1部:ボルト,ねじ及び植込みボルト 

注記 対応国際規格:ISO 898-1: 1999,Mechanical properties of fasteners made of carbon steel and alloy 

steel−Part 1: Bolts, screws and studs(IDT) 

JIS B 1092 締結用部品−品質保証システム 

注記 対応国際規格:ISO 16426: 2002,Fasteners−Quality assurance system(IDT) 

JIS G 0573 ステンレス鋼の65 %硝酸腐食試験方法 

注記 対応国際規格:ISO 3651-1: 1998,Determination of resistance to intergranular corrosion of stainless 

steels−Part 1: Austenitic and ferritic-austenitic (duplex) stainless steels−Corrosion test in nitric acid 

medium by measurement of loss in mass (Huey test)(MOD) 

JIS G 0575 ステンレス鋼の硫酸・硫酸銅腐食試験方法 

注記 対応国際規格:ISO 3651-2: 1998,Determination of resistance to intergranular corrosion of stainless 

steels−Part 2: Ferritic, austenitic and ferritic-austenitic (duplex) stainless steels−Corrosion test in 

media containing sulfuric acid(MOD) 

JIS Z 2241 金属材料引張試験方法 

注記 対応国際規格:ISO 6892-1: 2009,Metallic materials−Tensile testing−Part 1: Method of test at 

room temperature(MOD) 

JIS Z 2243 ブリネル硬さ試験−試験方法 

注記 対応国際規格:ISO 6506-1: 2005,Metallic materials−Brinell hardness test−Part 1: Test method

(MOD) 

B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験−試験方法 

注記 対応国際規格:ISO 6507-1: 2005,Metallic materials−Vickers hardness test−Part 1: Test method

(MOD) 

JIS Z 2245 ロックウェル硬さ試験−試験方法 

注記 対応国際規格:ISO 6508-1: 2005,Metallic materials−Rockwell hardness test−Part 1: Test method 

(scales A, B, C, D, E, F, G, H, K, N, T)(MOD) 

記号 

この規格で用いる主な記号は,次による。 

破断後の伸び 

As.nom ねじの有効断面積 

d  

ねじの呼び径 

d1  

おねじの谷の径の基準寸法 

d2  

おねじの有効径の基準寸法 

d3  

(応力を計算するための)おねじの谷の径 

ねじのとがり山の高さ 

L1  

おねじ部品の全長 

L2  

おねじ部品の破断後の全長 

L3  

頭部の下側とめねじ付き取付具との距離 

l  

呼び長さ 

ls 

円筒部長さ 

MB  破壊トルク 

ねじのピッチ 

ReL  下降伏応力(下降伏点) 

Rm  

引張強さ 

Rp0.2  0.2 %永久伸びに対する応力(永久伸び0.2 %耐力) 

α  

くさび引張試験におけるくさびの角度 

μr  

磁場内での透磁率 

強度区分の表し方,表示及び仕上げ 

4.1 

強度区分の表し方 

ステンレス鋼製おねじ部品の材料の鋼種区分及び機械的性質の強度区分に対する表し方の体系を図1に

示す。ステンレス鋼製おねじ部品に対する強度区分の表し方は,ハイフン(-)によって分けた二つのブロ

ックから構成し,第1ブロックは材料の鋼種区分を表し,第2ブロックは製品の機械的性質の強度区分を

表す。 

鋼種区分(第1ブロック)の表し方は,次による。 

− A:オーステナイト系ステンレス鋼 

− C:マルテンサイト系ステンレス鋼 

− F:フェライト系ステンレス鋼 

これらは,鋼種分類を示し,鋼種に含まれる化学成分の範囲を1桁の数字で示す(表1参照)。 

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B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

強度区分(第2ブロック)は,表2又は表3によっておねじ部品の引張強さの1/10の数値で示される2

桁又は3桁の数字で表す。 

例1 A2-70:冷間加工された引張強さの最小値が700 MPaのオーステナイト系ステンレス鋼 

例2 C4-70:焼入れ焼戻しされた引張強さの最小値が700 M Paのマルテンサイト系ステンレス鋼 

注a) 図1で分類した鋼種分類及び鋼種区分は,附属書Bに示しており,表1の化学成分によって規定する。 

b) 炭素含有量が0.03 %を超えない低炭素オーステナイト系ステンレス鋼の場合には,“L”の文字を付け加えて表

示することができる。 

例 A4L-80 

c) JIS B 1047に従って不動態化したおねじ部品の場合には,“P”の文字を付け加えて表示することができる。 

例 A4-80P 

図1−ステンレス鋼製ボルト,小ねじ及び植込みボルトの材料の鋼種区分及び機械的性質の強度区分に 

対する表し方の体系 

4.2 

表示 

4.2.1 

一般 

この規格の仕様によって製造したおねじ部品には,4.1の強度区分の表し方を適用し,可能ならば,4.2.2

及び4.2.3又は4.2.4の規定によって表示を施さなければならない。ただし,4.1の強度区分の表し方及び

4.2.3又は4.2.4による表示は,この規格の全ての要求事項を満たす場合だけに適用する。 

製品規格で特別の規定がない場合には,製品の頭部頂面に施した凸形の表示の高さは,頭部高さの寸法

に含めない。 

注記 左ねじの表示については,JIS B 1051を参照。 

4.2.2 

製造業者の識別記号 

製造業者の識別記号の表示は,強度区分の記号を表示する全てのおねじ部品に対して,製造工程中に施

さなければならない。強度区分の表示を施さないおねじ部品でも,製造業者の識別記号の表示を施すのが

望ましい。 

4.2.3 

ボルト及び小ねじ 

呼び径dが5 mm以上の全ての六角ボルト(フランジ付きを含む。),六角穴付きボルト及びヘクサロビ

ュラ穴付きボルトには,図1を適用し,図2及び図3に示すように明瞭に表示を施さなければならない。

表示は必須であり,鋼種区分及び強度区分を含まなければならない。 

オーステナイト系 

マルテンサイト系 

フェライト系 

A1  A2b) A3  A4b) A5 

C1 

F1 

鋼種区分a) 

C3 

C4 

鋼種分類a) 

50 

80 

70 

軟質 

高強度 

焼入れ 
焼戻し 

焼入れ 
焼戻し 

冷間 
加工 

45 

強度区分c) 

冷間 
加工 

60 

軟質 

80 

焼入れ 
焼戻し 

50 

軟質 

軟質 

50 

70 

110 

70 

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B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 1 

製造業者の識別記号 

鋼種区分 

強度区分 

図2−六角ボルトの表示 

いずれか一方を表示する。 

図3−六角穴付きボルト及びヘクサロビュラ穴付きボルトの表示  

形状の異なるボルト及び小ねじについても,それらの頭部に表示することが可能である場合には,同じ

ような表示を施すことができる。混乱を起こすようなことがなければ,その他の表示を付け加えてもよい。 

形状的要因によって(箇条6参照),引っ張り又はねじりに関する要求事項を満たさないおねじ部品につ

いては,鋼種区分は表示できるが,強度区分を表示してはならない(図4参照)。 

図4−形状的要因によって引っ張り又はねじりに関する要求事項を満たさないおねじ部品の表示 

4.2.4 

植込みボルト 

呼び径6 mm以上の植込みボルトには,図1を適用し,図5に示すように明瞭に表示を施さなければな

らない。表示は,植込みボルトのねじのない円筒部に施し,鋼種区分及び強度区分を含まなければならな

い。ねじのない部分に表示ができない場合には,植込みボルトのナット側先端に鋼種区分を表示するだけ

でよい(図5参照)。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

いずれか一方を表示する。 

図5−植込みボルトの表示  

4.2.5 

包装 

全ての種類の全てのサイズのおねじ部品に対して,個々の包装には,(例えば,ラベルを貼ることによっ

て)表示を施さなければならない。包装の表示には,製造業者及び/又は販売業者の識別記号,図1によ

る鋼種区分及び強度区分の記号,並びにJIS B 1092に規定する製造ロット番号を含めなければならない。 

4.3 

仕上げ 

特に指定がない限り,この規格によるおねじ部品は,表面がきれいで光沢のある状態で供給しなければ

ならない。最大の耐食性をもたせるために,不動態化(パッシベーション,passivation)処理を施すのが

望ましい。不動態化処理を要求される場合には,JIS B 1047に従って行わなければならない。不動態化処

理が施されたおねじ部品には,鋼種区分及び強度区分の記号に続けて付加的な記号“P”を表示すること

ができる[図1の注c)参照]。 

特殊な注文で製造されたおねじ部品に対しては,おねじ部品及びラベルの双方に付加的な表示を施すの

が望ましい。既に製造した在庫の品を発送する場合のおねじ部品に対しては,ラベルに付加的な表示を施

すのが望ましい。 

化学成分 

この規格によるおねじ部品に適合するステンレス鋼の化学成分を,表1に示す。 

鋼種区分ごとに規定された範囲内での化学成分の最終選択は,受渡当事者間の事前の協定がない場合,

製造業者の任意とする。 

粒界腐食の危険がある場合には,JIS G 0573又はJIS G 0575による試験の実施が望ましい。このような

場合,鋼種区分A3及びA5の安定化ステンレス鋼又は炭素含有量が0.03 %を超えない鋼種区分A2及び

A4のステンレス鋼が望ましい。 

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B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1−ステンレス鋼の鋼種区分−化学成分 

鋼種分類 

鋼種区分 

化学成分a) 

質量分率 % 

Si Mn 

Cr 

Mo 

Ni 

Cu 

オーステナ
イト系 

A1b) c) d) 

0.12 

1 6.5 

0.2 

0.15〜0.35 16〜19 

0.7 

5〜10 

1.75〜2.25 

A2f) g) 

0.10 

1 2 

0.05 

0.03 

15〜20 

−e) 

8〜19 

A3h) 

0.08 

1 2 

0.045 

0.03 

17〜19 

−e) 

9〜12 

A4g) i) 

0.08 

1 2 

0.045 

0.03 

16〜18.5 2〜3 

10〜15 

A5h) i) 

0.08 

1 2 

0.045 

0.03 

16〜18.5 2〜3 10.5〜14 

マルテンサ
イト系 

C1i) 

0.09〜0.15 

1 1 

0.05 

0.03 

11.5〜14 

− 

− 

C3 

0.17〜0.25 

1 1 

0.04 

0.03 

16〜18 

− 

1.5〜2.5 

− 

C4b) i) 

0.08〜0.15 

1 1.5 

0.06 

0.15〜0.35 12〜14 

0.6 

− 

フェライト
系 

F1k) l) 

0.12 

1 1 

0.04 

0.03 

15〜18 

−j) 

− 

注記1 特定の目的をもつステンレス鋼の鋼種分類及び鋼種区分の適用に関する説明を,附属書Bに示す。 
注記2 ISO 683-13及びISO 4954で規定しているステンレス鋼の例を,それぞれ附属書C及び附属書Dに

示す。 

注記3 特定の目的に適する幾つかの材料を,附属書Eに示す。 
注a) 値は,ほかに示すものがなければ,最大を示す。 

b) 硫黄(S)は,セレン(Se)に置き換えてもよい。 

c) ニッケル(Ni)の含有量が8 %以下の場合は,マンガン(Mn)の含有量を5 %以上にしなければなら

ない。 

d) ニッケル(Ni)の含有量が8 %を超える場合には,銅(Cu)の含有量に下限はない。 

e) モリブデン(Mo)の添加は,製造業者の任意である。ただし,モリブデンの含有量の制限が必要な

場合は,購入者が注文時に指定しなければならない。 

f) クロム(Cr)の含有量が17 %以下の場合には,ニッケル(Ni)の含有量の最小を12 %とするのがよ

い。 

g) 炭素(C)の含有量が0.03 %以下のオーステナイト系ステンレス鋼に対しては,窒素(N)の含有量

は,最大0.22 %まで含んでもよい。 

h) 安定化のために,チタン(Ti)の含有量は,炭素(C)の含有量の5倍以上で最大0.8 %までとするか,

ニオブ(Nb)及び/又はタンタル(Ta)の含有量は,炭素(C)の含有量の10倍以上で,最大1.0 %
までとする。 

i) 直径の大きいもので,規定の機械的性質を満足させるために,炭素含有量を多くすることは,製造業

者の任意であるが,オーステナイト系ステンレス鋼に対しては,0.12 %を超えてはならない。 

j) モリブデン(Mo)の添加は,製造業者の任意である。 

k) チタン(Ti)の含有量は,炭素(C)の含有量の5倍以上で,最大0.8 %まで含んでもよい。 

l) ニオブ(Nb)及び/又はタンタル(Ta)の含有量は,炭素(C)の含有量の10倍以上で,最大1.0 %

まで含んでもよい。 

機械的性質 

この規格によるボルト,小ねじ及び植込みボルトの機械的性質は,表2,表3又は表4に規定する値に

適合しなければならない。 

マルテンサイト系ステンレス鋼製のボルト及び小ねじのくさび引張試験における引張強さは,表3に示

す引張強さの最小値を満足しなければならない。 

受入れ目的に対する機械的性質は,この箇条を適用し,箇条7の試験プログラムによって試験しなけれ

ばならない。 

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B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

おねじ部品の材料が全ての要求事項を満たしている場合でも,皿頭,丸皿頭及びチーズ頭のようにねじ

の有効断面積に比較してせん断断面積が減少しているような頭部形状のために,引っ張り又はねじりに対

する要求事項を満たさないおねじ部品もある。 

注記 この規格では,多数の強度区分が規定されているが,全ての強度区分が全てのおねじ部品に適

用されることを意味するものではない。強度区分の適用基準については,この規格を引用する

製品規格で決まる。 

規格化されていないおねじ部品に対しては,できる限りそのおねじ部品に類似の規格値を適用するのが

よい。 

表2−ボルト,小ねじ及び植込みボルトの機械的性質− 

オーステナイト系の鋼種区分 

鋼種分類 

鋼種区分 強度区分 引張強さ 

Rma) 

最小 

MPa 

永久伸び 
0.2%耐力 

Rp0.2 a) 

最小 

MPa 

破断後の

伸び 

Ab) 

最小 

mm 

オーステナイト系 A1, A2 

A3, A4 
A5 

50 

500 

210 

0.6d 

70 

700 

450 

0.4d 

80 

800 

600 

0.3d 

注a) 引張応力は,有効断面積を用いて計算する(附属書A参照)。 

b) 伸びは7.2.4によって,(削出し試験片ではなく)製品そのものから

求めるものとする。 

表3−ボルト,小ねじ及び植込みボルトの機械的性質− 

マルテンサイト系及びフェライト系の鋼種区分 

鋼種分類 

鋼種区分 強度区分 引張強さ 

Rma) 

最小 

MPa 

永久伸び 

0.2 %耐力 

Rp0.2a) 

最小 

MPa 

破断後 
の伸び 

Ab) 

最小 

mm 

硬さ 

HBW 

HRC 

HV 

マルテン 
サイト系 

C1 

50 

500 

250 

0.2d 

147〜209 

− 

155〜220 

70 

700 

410 

0.2d 

209〜314 16〜34 220〜330 

110c) 

1 100 

820 

0.2d 

− 

36〜45 350〜440 

C3 

80 

800 

640 

0.2d 

228〜323 21〜35 240〜340 

C4 

50 

500 

250 

0.2d 

147〜209 

− 

155〜220 

70 

700 

410 

0.2d 

209〜314 16〜34 220〜330 

フェライト系 F1d) 

45 

450 

250 

0.2d 

128〜209 

− 

135〜220 

60 

600 

410 

0.2d 

171〜271 

− 

180〜285 

注a) 引張応力は,有効断面積を用いて計算する(附属書A参照)。 

b) 伸びは7.2.4によって,(削出し試験片でなく)製品そのものから求めるものとする。 

c) 最低焼戻し温度275 ℃での焼入焼戻しを行う。 

d) ねじの呼び径dは,24 mm以下とする。 

background image

B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表4−オーステナイト系鋼種区分のボルト及び小ねじの最小破壊トルクMB,min 

M1.6からM16まで(並目ねじ) 

ねじの 

呼び 

最小破壊トルク MB,min 

Nm 

強度区分 

50 

70 

80 

M1.6 

0.15 

0.2 

0.24 

M2 

0.3 

0.4 

0.48 

M2.5 

0.6 

0.9 

0.96 

M3 

1.1 

1.6 

1.8 

M4 

2.7 

3.8 

4.3 

M5 

5.5 

7.8 

8.8 

M6 

9.3 

13 

15 

M8 

23 

32 

37 

M10 

46 

65 

74 

M12 

80 

110 

130 

M16 

210 

290 

330 

マルテンサイト系及びフェライト系鋼種区分のおねじ部品に対する最小破壊トルクの値については,受

渡当事者間の協定による。 

試験 

7.1 

試験プログラム 

試験は,鋼種区分及びボルト,小ねじ又は植込みボルトの長さに応じて,表5に示す試験プログラムに

よって行わなければならない。 

表5−試験プログラム 

鋼種区分 

引張強さa) 

破壊 

トルクb) 

永久伸び

0.2 %耐力

Rp0.2a) 

破断後の 

伸び 

A a) 

硬さ 

くさび 

引張試験 

A1 

l≧2.5d c) 

l<2.5d 

l≧2.5d c) 

l≧2.5d c) 

− 

− 

A2 

l≧2.5d c) 

l<2.5d 

l≧2.5d c) 

l≧2.5d c) 

− 

− 

A3 

l≧2.5d c) 

l<2.5d 

l≧2.5d c) 

l≧2.5d c) 

− 

− 

A4 

l≧2.5d c) 

l<2.5d 

l≧2.5d c) 

l≧2.5d c) 

− 

− 

A5 

l≧2.5d c) 

l<2.5d 

l≧2.5d c) 

l≧2.5d c) 

− 

− 

C1 

l≧2.5d c)d) 

− 

l≧2.5d c) 

l≧2.5d c) 

要求事項 

ls≧2d 

C3 

l≧2.5d c)d) 

− 

l≧2.5d c) 

l≧2.5d c) 

要求事項 

ls≧2d 

C4 

l≧2.5d c)d) 

− 

l≧2.5d c) 

l≧2.5d c) 

要求事項 

ls≧2d 

F1 

l≧2.5d c)d) 

− 

l≧2.5d c) 

l≧2.5d c) 

要求事項 

− 

注a) d≧5 mmの全てのサイズ。 

b) 1.6 mm≦d≦5 mmの製品に対しては,全ての呼び長さに対して試験する。 

c) 植込みボルトに対しては,l≧3.5d。 

d) l<2.5dの製品に対しては,試験は受渡当事者間の協定による。 

10 

B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.2 

試験方法 

7.2.1 

一般 

全ての長さの測定精度は,±0.05 mm以内とする。 

7.2.6のくさび引張試験以外の全ての引張試験は,供試品に軸方向以外の力が加わらないように自動調心

式の取付具をもつ試験機で実施しなければならない(図6参照)。7.2.2,7.2.3及び7.2.4の試験における下

側の取付具は,熱処理及びねじ立てを行い,その硬さは45 HRC以上,めねじの公差域クラスは5H6Gと

する。 

7.2.2 

引張強さRm 

引張強さRmは,JIS B 1051及びJIS Z 2241に基づいてl≧2.5dのおねじ部品について求めなければなら

ない。 

この場合,少なくともねじの呼び径と同じ長さの遊びねじ部に引張力がかかるようにする。 

この試験の要求事項を満たすために,破断は遊びねじ部又は円筒部で生じなければならない。破断は頭

部で生じてはならない。 

ねじのない円筒部をもつおねじ部品においては,破断が頭部と軸部との移行域で生じてはならない。 

全ねじのものでは,破断を引き起こす亀裂が遊びねじ部で発生し,破断する前に,その亀裂が頭部とね

じ部との移行域又は頭部へ延び広がっても差し支えない。 

得られたRmの値は,表2又は表3に適合しなければならない。 

7.2.3 

永久伸び0.2 %耐力Rp0.2 

永久伸び0.2 %耐力Rp0.2は,仕上げ状態の完全なボルト及び小ねじについて求めなければならず,呼び

径 d の2.5倍以上の長さのおねじ部品だけに適用する。 

試験は,軸方向の引張力を受けるボルト又は小ねじの伸びを測定することによって行わなければならな

い(図6参照)。 

供試品は,熱処理しためねじ取付具に,呼び径dの深さまでねじ込む(図6参照)。 

伸びに対する試験力の曲線を,図7に示すように描く。 

永久伸び0.2 %耐力の計算に用いる原標点距離は,頭部の下側とめねじ取付具との距離L3とする[図6

並びに表2及び表3の注b)参照]。永久伸び0.2 %の値を,試験力−伸び線図の横軸(伸び)に0Pとして目

盛り,同じ値を線図の直線部から横方向にQRとして描く。P及びRを通る直線と試験力−伸び線図との

交点Sの縦軸上における点Tの値が永久伸び0.2 %の試験力に相当する。この試験力Tをねじの有効断面

積で除したときの値を,永久伸び0.2 %耐力Rp0.2とする。 

伸びの値は,ボルト頭部の座面と取付具の端面との間で求める。 

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11 

B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図6−自動調心式ボルト伸び計の例 

X 伸び 
Y 試験力 

図7−永久伸び0.2 %耐力Rp0.2を求めるための試験力−伸び線図 

7.2.4 

破断後の伸びA  

破断後の伸びAは,l≧2.5dのおねじ部品について求める。 

おねじ部品の全長L1を,測定しなければならない(図8参照)。おねじ部品は,めねじ付き取付具に1d

の深さまでねじ込む(図6参照)。 

おねじ部品が破断した後,この試験片を互いに密着させ,図8のように長さL2を測定する。 

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12 

B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

破断後の伸びAは,式(1)を用いて計算する。 

A=L2−L1················································································· (1) 

得られる値Aは,表2及び表3に規定する値より大きくなくてはならない。 

a) 破断前 

b) 破断後 

図8−破断後の伸びAの決定 

7.2.5 

破壊トルクMB 

破壊トルクMBは,図9に示すような試験装置を用いて求める。トルク測定器は,測定する最小値の±6 %

以内の精度がなければならない。 

ねじ部の固定は,袋めねじをもつ半割りの固定ジグを用い,それに先端の面取り部を除いてねじの呼び

径に等しい長さをねじ込み,かつ,固定ジグの上面に完全ねじ部が2山以上残るようにする。 

トルクは,ねじに破損が生じるまで加えたとき,表4に示す最小破壊トルクの条件に適合しなければな

らない。 

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13 

B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

半割りねじ付きダイス又はねじインサート 

袋穴付きねじインサート 

半割りねじ付きダイス 

図9−破壊トルクMBを求めるための試験装置 

7.2.6 

マルテンサイト系のボルト及び小ねじのくさび引張試験 

この試験は,表6に示すくさびの寸法で,JIS B 1051に基づいて行う。 

表6−くさびの寸法 

ねじの呼び径 

mm 

くさびの角度 α 

円筒部長さが2d以上

のボルト及び小ねじ 

全ねじ又は円筒部長さが2d

未満のボルト及び小ねじ 

ls≧2d 

ls<2d 

  d≦20 

10°±30′ 

6°±30′ 

20<d≦39 

 6°±30′ 

4°±30′ 

7.2.7 

硬さHBW,HRC又はHV 

マルテンサイト系及びフェライト系のおねじ部品について,硬さ試験は,JIS Z 2243(HBW),JIS Z 2244 

(HV)又はJIS Z 2245(HRC)によって行う。疑義が生じた場合には,ビッカース硬さによって合否を判

定する。 

ボルトの硬さ試験は,ねじ先端面における中心と外周との中間の位置で行う。判定を目的とする場合に

は,ねじ先端から1dの長さだけ切断した横断面とする。 

硬さの値は,表3に規定する範囲内でなければならない。 

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14 

B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(規定) 

ねじの有効断面積の計算 

ねじの有効断面積As, nomの計算は,式(A.1)を用いて求める。 

2

3

2

nom

s,

2

4

d

d

A

=π

 ································································ (A.1) 

ここに, 

d2: おねじの有効径の基準寸法(JIS B 0205-4参照) 

d3: (応力計算のための)おねじの谷の径,式(A.2)を用いて

求める。 

6

1

3

H

d

d

 ············································································ (A.2) 

ここに, 

d1: おねじの谷の径の基準寸法(JIS B 0205-4参照) 

H: ねじのとがり山の高さ(JIS B 0205-1参照) 

計算結果を,表A.1に示す。 

表A.1−並目ねじ及び細目ねじの有効断面積 

並目ねじd 

有効断面積 

As, nom 

mm2 

細目ねじd×P 

有効断面積 

As, nom 

mm2 

M1.6 

1.27 

M8×1 

39.2 

M2 

2.07 

M10×1 

64.5 

M2.5 

3.39 

M10×1.25 

61.2 

M3 

5.03 

M12×1.25 

92.1 

M4 

8.78 

M12×1.5 

88.1 

M5 

14.2 

M14×1.5 

125 

M6 

20.1 

M16×1.5 

167 

M8 

36.6 

M18×1.5 

216 

M10 

58 

M20×1.5 

272 

M12 

84.3 

M22×1.5 

333 

M14 

115 

M24×2 

384 

M16 

157 

M27×2 

496 

M18 

192 

M30×2 

621 

M20 

245 

M33×2 

761 

M22 

303 

M36×3 

865 

M24 

353 

M39×3 

1 030 

M27 

459 

注記 ねじの呼び径が小さくなる

と,ねじの有効断面積と実
際の応力面積との差が増加
する。 

M30 

561 

M33 

694 

M36 

817 

M39 

976 

15 

B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(参考) 

ステンレス鋼の鋼種分類及び鋼種区分 

B.1 

一般 

JIS B 1054規格群に引用する鋼種分類は,次の鋼種区分A1〜A5,C1〜C4及びF1とする。 

− オーステナイト系 

A1〜A5 

− マルテンサイト系 

C1〜C4 

− フェライト系  

F1 

この附属書は,これらの鋼種分類及び鋼種区分の特性を説明する。 

この附属書は,本体で規定していない鋼種分類FAの鋼についての追加情報を記す。この鋼種分類は,

フェライト−オーステナイト系である。 

B.2 

鋼種分類 A(オーステナイト系) 

B.2.1 一般 

オーステナイト系ステンレス鋼の五つの主要な鋼種区分A1〜A5が,JIS B 1054規格群に含まれている。

これらは,硬化処理ができず,一般に非磁性体である。加工硬化の感受性を少なくするために,表1で規

定している鋼種区分A1〜A5に,銅を加えてもよい。 

非安定化鋼の鋼種区分A2及びA4の鋼は,次のような特性がある。 

− クロム酸化物は,鋼の腐食に対して抵抗するので,低炭素量は,非安定化鋼に対して非常に重要であ

る。クロムの炭素に対する高い親和力のため,特に高温時には,クロム酸化物に代わってクロム炭化

物が生成される(附属書G参照)。 

安定化鋼の鋼種区分A3及びA5の鋼は,次のような特性がある。 

− 炭素及びクロム酸化物に影響を与える元素Ti,Nb又はTaは,規格範囲の上限で製造される。 

海洋(offshore)又は似たような条件では,Cr及びNiが約20 %の含有量並びに4.5〜6.5 %のMoの鋼が

要求される。 

腐食の危険が高い場合は,専門家に相談することが望ましい。 

B.2.2 鋼種区分A1 

鋼種区分A1の鋼は,切削加工用に特に設計されたもので,高い硫黄含有鋼のため,通常の硫黄含有量

に対応する鋼よりも耐食性は低い。 

B.2.3 鋼種区分A2 

鋼種区分A2の鋼は,最も頻繁に使用されているステンレス鋼で,台所用品及び化学工場の装置に使用

されている。この鋼種区分のものは,非酸化性酸及び塩化物中,例えば,水泳用プール,海水などでの使

用には適さない。 

B.2.4 鋼種区分A3 

鋼種区分A3の鋼は,鋼種区分A2の鋼の性質をもつ,安定化されたステンレス鋼である。 

B.2.5 鋼種区分A4 

鋼種区分A4の鋼は,Mo合金で,優れた耐食性を与える“耐酸鋼”である。A4の鋼は,沸騰した硫酸

に対して開発された鋼で(それゆえ“耐酸”と名付けられた。),化学繊維工業の広い範囲で使用されてい

16 

B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

て,塩化物を含む環境にも適しているため,確実に広い範囲で使用されている。また,A4の鋼は,食品工

業及び造船業で頻繁に使用されている。 

B.2.6 鋼種区分 A5 

鋼種区分A5の鋼は,鋼種区分A4の鋼の性質をもつ安定化された“耐酸鋼”である。 

B.3 

鋼種分類 F(フェライト系) 

B.3.1 一般 

JIS B 1054規格群には,一つのフェライト系ステンレス鋼の鋼種区分F1が含まれている。鋼種区分F1

に含まれる鋼は,通常,硬化処理はできない。実際に可能な場合でも,硬化処理はしないほうがよい。F1

の鋼は,磁性体である。 

B.3.2 鋼種区分 F1 

鋼種区分F1の鋼は,C及びNの含有量を極端に低くしたスーパーフェライトを除いて,一般に簡単な

装置に使用される。鋼種区分F1に含まれる鋼は,必要ならば鋼種区分A2及びA3の鋼に置き換えること

ができ,高い塩化物を含む条件下で使用できる。 

B.4 

鋼種分類 C(マルテンサイト系) 

B.4.1 一般 

この規格には,マルテンサイト系ステンレス鋼の三つのタイプ,鋼種区分C1,C3及びC4の鋼が含まれ

ている。これらは,優れた強さに硬化処理が可能であり,磁性体である。 

B.4.2 鋼種区分 C1 

鋼種区分C1の鋼は,耐食性に限界がある。この鋼は,タービン,ポンプ及びナイフに使用されている。 

B.4.3 鋼種区分 C3 

鋼種区分C3の鋼は,鋼種区分C1の鋼より優れた耐食性をもっているが,その耐食性には限界がある。

この鋼は,ポンプ及びバルブに使用されている。 

B.4.4 鋼種区分 C4 

鋼種区分C4の鋼は,耐食性に限界がある。この鋼は,機械加工を意図したもので,その他は鋼種区分

C1の鋼と同等である。 

B.5 

鋼種分類 FA(フェライト−オーステナイト系) 

鋼種分類FAの鋼は,JIS B 1054規格群には含まれていないが,将来は含まれ得る。 

この鋼種分類の鋼は,二相鋼と呼ばれる。最初に開発されたFAの鋼は,幾つかの欠点があったが,そ

の後に開発された鋼では,その欠点は取り除かれた。FAの鋼は,特に強さに関しては,鋼種区分A4及び

A5の鋼よりも,よい性質をもっている。この鋼は,孔食及び亀裂腐食に対して非常に優れている。 

成分の例を,表B.1に示す。 

background image

17 

B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表B.1−フェライト−オーステナイト系の化学成分の例 

鋼種分類 

化学成分 

質量分率 % 

最大 

Si 

Mn 

Cr 

Ni 

Mo 

フェライト−オ
ーステナイト系 

0.03 

1.7 

1.5 

18.5 

2.7 

0.07 

0.03 

<1 

<2 

22 

5.5 

0.14 

background image

附属書C 
(参考) 

ステンレス鋼の成分仕様 

[ISO 683-13:19862)からの抜粋] 

表C.1−ステンレス鋼の成分仕様 

鋼種a) 

化学成分b)  

質量分率 % 

鋼種区

分表示d) 

Si 

Mn 

Al 

Cr 

Mo 

Nbc) 

Ni 

Se 

Ti 

Cu 

  

最大 最大  最大 

最小 

フェライト系 

≦0.08 

1.0 

1.0 

0.040 

≦0.030 

− 

− 16.0〜18.0 

− 

− 

≦1.0  

− 

− 

− 

F1 

8b 

≦0.07 

1.0 

1.0 

0.040 

≦0.030 

− 

− 16.0〜18.0 

− 

− 

≦1.0  

− 

7×% C≦1.10 

− 

F1 

9c 

≦0.08 

1.0 

1.0 

0.040 

≦0.030 

− 16.0〜18.0  0.90〜1.30 

≦1.0  

− 

− 

− 

F1 

F1 

≦0.025e) 

1.0 

1.0 

0.040 

≦0.030 

≦0.025 e) 

− 17.0〜19.0  1.75〜2.50 

−f) 

≦0.60  

− 

−f) 

− 

F1 

マルテンサイト系 

0.09〜0.15 

1.0 

1.0 

0.040 

≦0.030 

− 

− 11.5〜13.5 

− 

− 

≦1.0 

− 

− 

− 

C1 

0.08〜0.15 

1.0 

1.5 

0.060 0.15〜0.35 

− 

− 12.0〜14.0 

≦0.60 g) 

− 

≦1.0 

− 

− 

− 

C4 

0.16〜0.25 

1.0 

1.0 

0.040 

≦0.030 

− 

− 12.0〜14.0 

− 

− 

≦1.0 

− 

− 

− 

C1 

9a 

0.10〜0.17 

1.0 

1.5 

0.060 0.15〜0.35 

− 

− 15.5〜17.5 

≦0.60 g) 

− 

≦1.0 

− 

− 

− 

C3 

9b 

0.14〜0.23 

1.0 

1.0 

0.040 

≦0.030 

− 

− 15.0〜17.5 

− 

− 

1.5〜2.5 

− 

− 

− 

C3 

0.26〜0.35 

1.0 

1.0 

0.040 

≦0.030 

− 

12.0〜14.0 

− 

− 

≦1.0 

− 

− 

− 

C1 

1

8

B

 1

0

5

4

-1

2

0

1

3

 (I

S

O

 3

5

0

6

-1

2

0

0

9

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

background image

表C.1−ステンレス鋼の成分仕様(続き) 

鋼種a) 

化学成分b)  

質量分率 % 

鋼種区

分表示d) 

Si 

Mn 

Al 

Cr 

Mo 

Nbc) 

Ni 

Se 

Ti 

Cu 

  

最大 最大  最大 

最小 

オーステナイト系 

10 

≦0.030 

1.0 

2.0 

0.045 

≦0.030 

− 

− 17.0〜19.0 

− 

− 

9.0〜12.0 

− 

− 

− 

A2h) 

11 

≦0.07 

1.0 

2.0 

0.045 

≦0.030 

− 

− 17.0〜19.0 

− 

− 

8.0〜11.0 

− 

− 

− 

A2 

15 

≦0.08 

1.0 

2.0 

0.045 

≦0.030 

− 

− 17.0〜19.0 

− 

− 

9.0〜12.0 

− 

5×% C≦0.80 

− 

A3i) 

16 

≦0.08 

1.0 

2.0 

0.045 

≦0.030 

− 

− 17.0〜19.0 

− 

10×% C≦1.0 

9.0〜12.0 

− 

− 

− 

A3i) 

17 

≦0.12 

1.0 

2.0 

0.060 0.15〜0.35 

− 

− 17.0〜19.0 

−j) 

− 

8.0〜10.0k) 

− 

− 

− 

A1 

13 

≦0.10 

1.0 

2.0 

0.045 

≦0.030 

− 

− 17.0〜19.0 

− 

− 

11.0〜13.0 

− 

− 

− 

A2 

19 

≦0.030 

1.0 

2.0 

0.045 

≦0.030 

− 

− 16.5〜18.5 

2.0〜2.5 

− 

11.0〜14.0 

− 

− 

− 

A4 

20 

≦0.07 

1.0 

2.0 

0.045 

≦0.030 

− 

− 16.5〜18.5 

2.0〜2.5 

− 

10.5〜13.5 

− 

− 

− 

A4 

21 

≦0.08 

1.0 

2.0 

0.045 

≦0.030 

− 

− 16.5〜18.5 

2.0〜2.5 

− 

11.0〜14.0 

− 

5×% C≦0.80 

− 

A5i) 

23 

≦0.08 

1.0 

2.0 

0.045 

≦0.030 

− 

− 16.5〜18.5 

2.0〜2.5 

10×% C≦1.0 

11.0〜14.0 

− 

− 

− 

A5i) 

19a 

≦0.030 

1.0 

2.0 

0.045 

≦0.030 

− 

− 16.5〜18.5 

2.5〜3.0 

− 

11.5〜14.5 

− 

− 

− 

A4 

20a 

≦0.07 

1.0 

2.0 

0.045 

≦0.030 

− 

− 16.5〜18.5 

2.5〜3.0 

− 

11.0〜14.0 

− 

− 

− 

A4 

10N 

≦0.030 

1.0 

2.0 

0.045 

≦0.030 

0.12〜0.22 

− 17.0〜19.0 

− 

− 

8.5〜11.5 

− 

− 

− 

A2 

19N 

≦0.030 

1.0 

2.0 

0.045 

≦0.030 

0.12〜0.22 

− 16.5〜18.5 

2.0〜2.5 

− 

10.5〜13.5 

− 

− 

− 

A4h) 

19aN 

≦0.030 

1.0 

2.0 

0.045 

≦0.030 

0.12〜0.22 

− 16.5〜18.5 

2.5〜3.0 

− 

11.5〜14.5 

− 

− 

− 

A4h) 

注a) この鋼種の数字は,仮のもので,関連する国際規格が発行されたときに変更する。 

b) この表に記載されていない元素は,溶せん(銑)終了の目的を除いて購買者の合意なしに,故意に添加してはならない。製造時に使用するスクラップ又は他の原

料から,焼入性,機械的性質及び適用性に影響するようなものが添加されないように,合理的なあらゆる予防処置をとらなければならない。 

c) タンタル(Ta)は,ニオブ(Nb)で確定する。 

d) 鋼種区分表示は,ISO 683-13にはない。 

e) (C+N)の最大質量分率は,0.040 %。 

f) 8×(C+N)の質量分率は,(Nb+Ti)の質量分率以上で0.80 %以下。 

g) 照会及び注文時に協定によって,モリブデン(Mo)の質量分率が0.20〜0.60 %の鋼を供給してもよい。 

h) 粒界腐食に対して優れた抵抗性をもつ。 

i) 安定化鋼。 

j) 質量分率0.70 %未満のモリブデン(Mo)の添加は,製造業者の任意である。 

k) 継目なし管を製造する素材のニッケル(Ni)の最大質量分率は,0.5 %増加させてもよい。 

注2) 廃止された国際規格 

1

9

B

 1

0

5

4

-1

2

0

1

3

 (I

S

O

 3

5

0

6

-1

2

0

0

9

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

background image

附属書D 
(参考) 

冷間加工用ステンレス鋼 

(ISO 4954:1993からの抜粋) 

表D.1−冷間加工用ステンレス鋼 

鋼種 

呼び方a) 

化学成分b) 

質量分率 % 

鋼種区分

表示c) 

番号 

名称 

ISO 4954 : 1979

による記号 

Si 

最大 

Mn 

最大 

最大 

最大 

Cr 

Mo 

Ni 

その他 

フェライト系 

71 

X3 Cr 17 E 

− 

≦0.04 

1.00 

1.00 

0.040 

0.030 

16.0〜18.0 

≦1.0 

F1 

72 

X6 Cr 17 E 

D1 

≦0.08 

1.00 

1.00 

0.040 

0.030 

16.0〜18.0 

≦1.0 

F1 

73 

X6 CrMo 17 1 E 

D2 

≦0.08 

1.00 

1.00 

0.040 

0.030 

16.0〜18.0 

0.90〜1.30 

≦1.0 

F1 

74 

X6 CrTi 12 E 

− 

≦0.08 

1.00 

1.00 

0.040 

0.030 

10.5〜12.5 

≦0.50 

Ti : 6×% C≦1.0 

F1 

75 

X6 CrNb 12 E 

− 

≦0.08 

1.00 

1.00 

0.040 

0.030 

10.5〜12.5 

≦0.50 

Nb : 6×% C≦1.0 

F1 

マルテンサイト系 

76 

X12 Cr 13 E 

D10 

0.09〜0.15 

1.00 

1.00 

0.040 

0.030 

11.5〜13.5 

≦1.0 

C1 

77 

X19 CrNi 16 2 E 

D12 

0.14〜0.23 

1.00 

1.00 

0.040 

0.030 

15.0〜17.5 

1.5〜2.5 

C3 

オーステナイト系 

78 

X2 CrNi 18 10 E 

D20 

≦0.030 

1.00 

2.00 

0.045 

0.030 

17.0〜19.0 

9.0〜12.0 

A2d) 

79 

X5 CrNi 18 9 E 

D21 

≦0.07 

1.00 

2.00 

0.045 

0.030 

17.0〜19.0 

8.0〜11.0 

A2 

80 

X10 CrNi 18 9 E 

D22 

≦0.12 

1.00 

2.00 

0.045 

0.030 

17.0〜19.0 

8.0〜10.0 

A2 

81 

X5 CrNi 18 12 E 

D23 

≦0.07 

1.00 

2.00 

0.045 

0.030 

17.0〜19.0 

11.0〜13.0 

A2 

82 

X6 CrNi 18 16 E 

D25 

≦0.08 

1.00 

2.00 

0.045 

0.030 

15.0〜17.0 

17.0〜19.0 

A2 

83 

X6 CrNiTi 18 10 E 

D26 

≦0.08 

1.00 

2.00 

0.045 

0.030 

17.0〜19.0 

9.0〜12.0 Ti : 5×% C≦0.80 

A3e) 

84 

X5 CrNiMo 17 12 2 E 

D29 

≦0.07 

1.00 

2.00 

0.045 

0.030 

16.5〜18.5 

2.0〜2.5 

10.5〜13.5 

A4 

85 

X6 CrNiMoTi 17 12 2 E 

D30 

≦0.08 

1.00 

2.00 

0.045 

0.030 

16.5〜18.5 

2.0〜2.5 

11.0〜14.0 Ti : 5×% C≦0.80 

A5e) 

86 

X2 CrNiMo 17 13 3 E 

− 

≦0.030 

1.00 

2.00 

0.045 

0.030 

16.5〜18.5 

2.5〜3.0 

11.5〜14.5 

A4d) 

87 

X2 CrNiMoN 17 13 3 E 

− 

≦0.030 

1.00 

2.00 

0.045 

0.030 

16.5〜18.5 

2.5〜3.0 

11.5〜14.5 

N : 0.12〜0.22 

A4d) 

88 

X3 CrNiCu 18 9 3 E 

D32 

≦0.04 

1.00 

2.00 

0.045 

0.030 

17.0〜19.0 

8.5〜10.5 

Cu : 3.00〜4.00 

A2 

2

0

B

 1

0

5

4

-1

2

0

1

3

 (I

S

O

 3

5

0

6

-1

2

0

0

9

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

background image

表D.1−冷間加工用ステンレス鋼(続き) 

注a) 鋼種の番号は,連続した数字である。名称は,ISO/TC 17/SC 2で提案されたシステムによる。記号は,ISO 4954: 1979に使用されている旧式の表示である。 

b) この表に引用されていない元素は,溶せん(銑)の終了の目的を除いて購買者との協定なしに,故意に添加しないのが望ましい。製造時に使用するスクラップ

又は他の原料から,機械的性質及び適用性に影響するようなものが添加されないように,合理的なあらゆる予防処置をとるのが望ましい。 

c) 鋼種区分表示は,ISO 4954にはない。 

d) 粒界腐食に対して優れた抵抗性をもつ。 

e) 安定化鋼。 

2

1

B

 1

0

5

4

-1

2

0

1

3

 (I

S

O

 3

5

0

6

-1

2

0

0

9

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

background image

22 

B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書E 

(参考) 

塩化物が引き起こす応力腐食に特定の抵抗をもつ 

オーステナイト系ステンレス鋼 

(EN 10088-1:2005からの抜粋) 

塩化物が引き起こす応力腐食(例えば,室内水泳プール)で,ボルト,小ねじ及び植込みボルトの破壊

の危険性は,表E.1に示す材料を使用することによって軽減できる。 

表E.1−塩化物が引き起こす応力腐食に特定の抵抗をもつオーステナイト系ステンレス鋼 

オーステナイト系 

化学成分 質量分率 % 

ステンレス鋼 

(記号/材料番号) 

最大 

Si 

最大 

Mn 

最大 

最大 

最大 

Cr 

Mo 

Ni 

Cu 

X2 CrNiMoN 17-13-5 
(1.4439) 

0.030 1.00 

2.00 0.045 0.015 0.12〜 

0.22 

16.5〜 

18.5 

4.0〜 

5.0 

12.5〜 

14.5 

X1 NiCrMoCu 25-20-5 
(1.4539) 

0.020 0.70 

2.00 0.030 0.010 ≦0.15 19.0〜 

21.0 

4.0〜 

5.0 

24.0〜 

26.0 

1.20〜 

2.00 

X1 NiCrMoCuN 25-20-7 
(1.4529) 

0.020 0.50 

1.00 0.030 0.010 0.15〜 

0.25 

19.0〜 

21.0 

6.0〜 

7.0 

24.0〜 

26.0 

0.50〜 

1.50 

X2 CrNiMoN 22-5-3a) 
(1.4462) 

0.030 1.00 

2.00 0.035 0.015 0.10〜 

0.22 

21.0〜 

23.0 

2.5〜 

3.5 

4.5〜 

6.5 

注a) フェライト−オーステナイト系ステンレス鋼 

background image

23 

B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書F 

(参考) 

高温での機械的性質及び低温での適用 

F.0A ナットの関係 

ボルト,小ねじ又は植込みボルトの強度が,正確に計算されていれば,組み合わせるナットは,自動的

に要求事項を満たす。したがって,高温又は低温での適用の場合には,ボルト,小ねじ及び植込みボルト

の機械的性質を考慮すれば十分である。 

F.1 

高温での下降伏応力(下降伏点)又は永久伸び0.2 %耐力 

この附属書に示す値は,参考である。使用者は,実際の組成,取り付けられたおねじ部品に加えられる

荷重及び環境によって重要な変化が起こることを理解することが望ましい。荷重が変動し,高い温度での

操作が長期間の場合又は応力腐食の可能性がある場合には,使用者は製造業者に相談することが望ましい。 

表F.1に,高温での下降伏応力(下降伏点)ReL及び永久伸び0.2 %耐力Rp0.2の値を,室温での値との%

による比で示す。 

表F.1−ReL及びRp0.2への温度の影響 

鋼種区分 

ReL及びRp0.2 

温度 

+100 ℃ +200 ℃ +300 ℃ +400 ℃ 

A2,A3, 
A4, A5 

85 

80 

75 

70 

C1 

95 

90 

80 

65 

C3 

90 

85 

80 

60 

注記 これは,強度区分70及び80だけに適用する。 

F.2 

低温での適用温度 

低温でのオーステナイト系ステンレス鋼製ボルト,小ねじ及び植込みボルトの適用温度を,表F.2に示

す。 

表F.2−低温におけるステンレス鋼製ボルト,小ねじ及び植込みボルトの適用 

(オーステナイト系だけ) 

鋼種区分 連続使用での使用温度の下限 

A2, A3 

−200 ℃ 

A4, A5 ボルト及び小ねじa) 

 −60 ℃ 

植込みボルト 

−200 ℃ 

注a) おねじ部品の製造中の条件に高度の

変形を加えた場合,合金元素Moに
関連して,オーステナイトの安定化
が減少し,遷移温度が高い値に移行
する。 

background image

24 

B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書G 
(参考) 

オーステナイト系ステンレス鋼の鋼種区分A2(18/8鋼)における 

粒界腐食の時間−温度線図 

図G.1に,五つの異なる炭素含有量をもつオーステナイト系ステンレス鋼の鋼種区分A2(18/8鋼)に対

して,550〜925 ℃の温度範囲において,粒界腐食が起こるまでの概略の時間を示す。 

注記 炭素含有量が低くなると,耐粒界腐食性は向上する。 

X 時間(分) 
Y 温度(℃) 

図G.1−オーステナイト系ステンレス鋼の鋼種区分A2における粒界腐食の時間−温度線図 

25 

B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書H 
(参考) 

オーステナイト系ステンレス鋼の磁性 

特殊な磁性が必要な場合には,金属材料の専門家に相談することが望ましい。 

オーステナイト系ステンレス鋼製おねじ部品は,通常,非磁性であるが,冷間加工後に磁気的性質が現

れるものがある。 

ステンレス鋼においても,使われる鋼種によって,磁化のされやすさに差異がある。この材料は,おそ

らく真空においてだけ完全な非磁性である。磁場内での材料の透磁率の度合いは,真空の透磁率に対する

その材料の透磁率の比μrで表す。μrが1に近いほど,材料の磁性は低い。 

例1 A2:μr≒1.8 

例2 A4:μr≒1.015 

例3 A4L:μr≒1.005 

例4 F1:μr≒5 

background image

附属書JA 

(参考) 

ステンレス鋼の鋼種及び化学成分(JISとISO規格との対比表) 

表JA.1−ステンレス鋼の鋼種及び化学成分(JISとISO規格との対比表) 

JIS 

鋼種 a) 

ISO 

鋼種 b) 

化学成分 c) (質量分率 %) 

備考d) 

Si 

Mn 

Ni 

Cr 

Mo 

Cu 

その他 

オーステナイト系ステンレス鋼 

3506-1 

A1 

≦0.12 

≦1 

≦6.5 

≦0.2 

0.15〜0.35 

5〜10 

16〜19 

≦0.7 

1.75〜2.25 

− 

e) f) g) 

3506-1 

A2 

≦0.10 

≦1 

≦2 

≦0.05 

≦0.03 

8〜19 

15〜20 

−h) 

≦4 

− 

i) j) 

3506-1 

A3 

≦0.08 

≦1 

≦2 

≦0.045 

≦0.03 

9〜12 

17〜19 

−h) 

≦1 

− 

k) 

3506-1 

A4 

≦0.08 

≦1 

≦2 

≦0.045 

≦0.03 

10〜15 

16〜18.5 

2〜3 

≦4 

− 

j) l) 

3506-1 

A5 

≦0.08 

≦1 

≦2 

≦0.045 

≦0.03 

10.5〜14 

16〜18.5 

2〜3 

≦1 

− 

k) l) 

SUS 

304 

≦0.08 

≦1.00 

≦2.00 

≦0.045 

≦0.030 

8.00〜 

10.50 

18.00〜 

20.00 

− 

− 

− 

A2 

SUS 

304L 

≦0.030 

≦1.00 

≦2.00 

≦0.045 

≦0.030 

9.00〜 

13.00 

18.00〜 

20.00 

− 

− 

− 

A2 

SUS 

304J3 

≦0.08 

≦1.00 

≦2.00 

≦0.045 

≦0.030 

8.00〜 

10.50 

17.00〜 

19.00 

− 

1.00〜3.00 

− 

A2 

SUS 

305 

≦0.12 

≦1.00 

≦2.00 

≦0.045 

≦0.030 

10.50〜 

13.00 

17.00〜 

19.00 

− 

− 

− 

(A2) m) 

SUS 

305J1 

≦0.08 

≦1.00 

≦2.00 

≦0.045 

≦0.030 

11.00〜 

13.50 

16.50〜 

19.00 

− 

− 

− 

A2 

SUS 

316 

≦0.08 

≦1.00 

≦2.00 

≦0.045 

≦0.030 

10.00〜 

14.00 

16.00〜 

18.00 

2.00〜3.00 

− 

− 

A4 

SUS 

316L 

≦0.030 

≦1.00 

≦2.00 

≦0.045 

≦0.030 

12.00〜 

15.00 

16.00〜 

18.00 

2.00〜3.00 

− 

− 

A4 

2

6

B

 1

0

5

4

-1

2

0

1

3

 (I

S

O

 3

5

0

6

-1

2

0

0

9

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

background image

表JA.1−ステンレス鋼の鋼種及び化学成分(JISとISO規格との対比表)(続き) 

JIS 

鋼種 a) 

ISO 

鋼種 b) 

化学成分 c) (質量分率 %) 

備考d) 

Si 

Mn 

Ni 

Cr 

Mo 

Cu 

その他 

SUS 

384 

≦0.08 

≦1.00 

≦2.00 

≦0.045 

≦0.030 

17.00〜 

19.00 

15.00〜 

17.00 

− 

− 

− 

SUS 

XM7 

≦0.08 

≦1.00 

≦2.00 

≦0.045 

≦0.030 

8.50〜 

10.50 

17.00〜 

19.00 

− 

3.00〜4.00 

− 

A2 

SUH 

660 n) 

≦0.08 

≦1.00 

≦2.00 

≦0.040 

≦0.030 

24.00〜 

27.00 

13.50〜 

16.00 

1.00〜1.50 

− 

V: 0.10〜

0.50 

Ti: 1.90〜

2.35 

Al: ≦0.35 

B: 0.001〜

0.010 

4954 

78 

≦0.030 

≦1.00 

≦2.00 

≦0.045 

≦0.030 

9.0〜12.0 

17.0〜19.0 

− 

− 

− 

A2 o) 

4954 

79 

≦0.07 

≦1.00 

≦2.00 

≦0.045 

≦0.030 

8.0〜11.0 

17.0〜19.0 

− 

− 

− 

A2 

4954 

80 

≦0.12 

≦1.00 

≦2.00 

≦0.045 

≦0.030 

8.0〜10.0 

17.0〜19.0 

− 

− 

− 

(A2) m) 

4954 

81 

≦0.07 

≦1.00 

≦2.00 

≦0.045 

≦0.030 

11.0〜13.0 

17.0〜19.0 

− 

− 

− 

A2 

4954 

82 

≦0.08 

≦1.00 

≦2.00 

≦0.045 

≦0.030 

17.0〜19.0 

15.0〜17.0 

− 

− 

− 

A2 

4954 

83 

≦0.08 

≦1.00 

≦2.00 

≦0.045 

≦0.030 

9.0〜12.0 

17.0〜19.0 

− 

− 

Ti: 5×%C

≦0.80 

A3 p) 

4954 

84 

≦0.07 

≦1.00 

≦2.00 

≦0.045 

≦0.030 

10.5〜13.5 

16.5〜18.5 

2.0〜2.5 

− 

− 

A4 

4954 

85 

≦0.08 

≦1.00 

≦2.00 

≦0.045 

≦0.030 

11.0〜14.0 

16.5〜18.5 

2.0〜2.5 

− 

Ti: 5×%C

≦0.80 

A5 p) 

4954 

86 

≦0.030 

≦1.00 

≦2.00 

≦0.045 

≦0.030 

11.5〜14.5 

16.5〜18.5 

2.5〜3.0 

− 

− 

A4 o) 

4954 

87 

≦0.030 

≦1.00 

≦2.00 

≦0.045 

≦0.030 

11.5〜14.5 

16.5〜18.5 

2.5〜3.0 

− 

N:  

0.12〜0.22 

A4 o) 

2

7

B

 1

0

5

4

-1

2

0

1

3

 (I

S

O

 3

5

0

6

-1

2

0

0

9

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

background image

表JA.1−ステンレス鋼の鋼種及び化学成分(JISとISO規格との対比表)(続き) 

JIS 

鋼種 a) 

ISO 

鋼種 b) 

化学成分 c) (質量分率 %) 

備考d) 

Si 

Mn 

Ni 

Cr 

Mo 

Cu 

その他 

4954 

88 

≦0.04 

≦1.00 

≦2.00 

≦0.045 

≦0.030 

8.5〜10.5 

17.0〜19.0 

− 

3.00〜4.00 

− 

A2 

683-13 

10 

≦0.030 

≦1.0 

≦2.0 

≦0.045 

≦0.030 

9.0〜12.0 

17.0〜19.0 

− 

− 

− 

A2 o) 

683-13 

11 

≦0.07 

≦1.0 

≦2.0 

≦0.045 

≦0.030 

8.0〜11.0 

17.0〜19.0 

− 

− 

− 

A2 

683-13 

15 

≦0.08 

≦1.0 

≦2.0 

≦0.045 

≦0.030 

9.0〜12.0 

17.0〜19.0 

− 

− 

Ti: 5×%C

≦0.80 

A3 p) 

683-13 

16 

≦0.08 

≦1.0 

≦2.0 

≦0.045 

≦0.030 

9.0〜12.0 

17.0〜19.0 

− 

− 

Nb:  

10×%C 

≦1.0 q) 

A3 p) 

683-13 

17 

≦0.12 

≦1.0 

≦2.0 

≦0.060 

0.15〜0.35 

8.0〜10.0 

17.0〜19.0 

− r) 

− 

− 

A1 

683-13 

13 

≦0.10 

≦1.0 

≦2.0 

≦0.045 

≦0.030 

11.0〜13.0 

17.0〜19.0 

− 

− 

− 

A2 

683-13 

19 

≦0.030 

≦1.0 

≦2.0 

≦0.045 

≦0.030 

11.0〜14.0 

16.5〜18.5 

2.0〜2.5 

− 

− 

A4 

683-13 

20 

≦0.07 

≦1.0 

≦2.0 

≦0.045 

≦0.030 

10.5〜13.5 

16.5〜18.5 

2.0〜2.5 

− 

− 

A4 

683-13 

21 

≦0.08 

≦1.0 

≦2.0 

≦0.045 

≦0.030 

11.0〜14.0 

16.5〜18.5 

2.0〜2.5 

− 

Ti: 5×%C

≦0.80 

A5 p) 

683-13 

23 

≦0.08 

≦1.0 

≦2.0 

≦0.045 

≦0.030 

11.0〜14.0 

16.5〜18.5 

2.0〜2.5 

− 

Nb:  

10×%C 

≦1.0 q) 

A5 p) 

683-13 

19a 

≦0.030 

≦1.0 

≦2.0 

≦0.045 

≦0.030 

11.5〜14.5 

16.5〜18.5 

2.5〜3.0 

− 

− 

A4 

683-13 

20a 

≦0.07 

≦1.0 

≦2.0 

≦0.045 

≦0.030 

11.0〜14.0 

16.5〜18.5 

2.5〜3.0 

− 

− 

A4 

683-13 

10N 

≦0.030 

≦1.0 

≦2.0 

≦0.045 

≦0.030 

8.5〜11.5 

17.0〜19.0 

− 

− 

N:  

0.12〜0.22 

A2 

2

8

B

 1

0

5

4

-1

2

0

1

3

 (I

S

O

 3

5

0

6

-1

2

0

0

9

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

background image

表JA.1−ステンレス鋼の鋼種及び化学成分(JISとISO規格との対比表)(続き) 

JIS 

鋼種 a) 

ISO 

鋼種 b) 

化学成分 c) (質量分率 %) 

備考d) 

Si 

Mn 

Ni 

Cr 

Mo 

Cu 

その他 

683-13 

19N 

≦0.030 

≦1.0 

≦2.0 

≦0.045 

≦0.030 

10.5〜13.5 

16.5〜18.5 

2.0〜2.5 

− 

N:  

0.12〜0.22 

A4 o) 

683-13 

19aN 

≦0.030 

≦1.0 

≦2.0 

≦0.045 

≦0.030 

11.5〜14.5 

16.5〜18.5 

2.5〜3.0 

− 

N:  

0.12〜0.22 

A4 o) 

マルテンサイト系ステンレス鋼 

3506-1 

C1 

0.09〜0.15 

≦1 

≦1 

≦0.05 

≦0.03 

≦1 

11.5〜14 

− 

− 

− 

3506-1 

C3 

0.17〜0.25 

≦1 

≦1 

≦0.04 

≦0.03 

1.5〜2.5 

16〜18 

− 

− 

− 

3506-1 

C4 

0.08〜0.15 

≦1 

≦1.5 

≦0.06 

0.15〜 

0.35 

≦1 

12〜14 

≦0.6 

− 

− 

e) l) 

SUS 

403 

≦0.15 

≦0.50 

≦1.00 

≦0.040 

≦0.030 

s) 

11.50〜 

13.00 

− 

− 

− 

(C1) t) 

SUS 

410 

≦0.15 

≦1.00 

≦1.00 

≦0.040 

≦0.030 

s) 

11.50〜 

13.50 

− 

− 

− 

(C1) t) 

4954 

76 

0.09 u)〜 

0.15 

≦1.00 

≦1.00 

≦0.040 

≦0.030 

≦1.0 

11.5〜13.5 

− 

− 

− 

C1 

4954 

77 

0.14〜 

0.23 

≦1.00 

≦1.00 

≦0.040 

≦0.030 

1.5〜2.5 

15.0〜17.5 

− 

− 

− 

(C3) v) 

683-13 

0.09〜0.15 

≦1.0 

≦1.0 

≦0.040 

≦0.030 

≦1.0 

11.5〜13.5 

− 

− 

− 

C1 

683-13 

0.08〜0.15 

≦1.0 

≦1.5 

≦0.060 

0.15〜0.35 

≦1.0 

12.0〜14.0 

≦0.60 w) 

− 

− 

C4 

683-13 

0.16〜0.25 

≦1.0 

≦1.0 

≦0.040 

≦0.030 

≦1.0 

12.0〜14.0 

− 

− 

− 

683-13 

9a 

0.10〜0.17 

≦1.0 

≦1.5 

≦0.060 

0.15〜0.35 

≦1.0 

15.5〜17.5 

≦0.60 w) 

− 

− 

683-13 

9b 

0.14〜0.23 

≦1.0 

≦1.0 

≦0.040 

≦0.030 

1.5〜2.5 

15.0〜17.5 

− 

− 

− 

(C3) x) 

683-13 

0.26〜0.35 

≦1.0 

≦1.0 

≦0.040 

≦0.030 

≦1.0 

12.0〜14.0 

− 

− 

− 

2

9

B

 1

0

5

4

-1

2

0

1

3

 (I

S

O

 3

5

0

6

-1

2

0

0

9

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

background image

表JA.1−ステンレス鋼の鋼種及び化学成分(JISとISO規格との対比表)(続き) 

JIS 

鋼種 a) 

ISO 

鋼種 b) 

化学成分 c) (質量分率 %) 

備考d) 

Si 

Mn 

Ni 

Cr 

Mo 

Cu 

その他 

フェライト系ステンレス鋼 

3506-1 

F1 

≦0.12 

≦1 

≦1 

≦0.04 

≦0.03 

≦1 

15〜18 

−y) 

− 

− 

z) aa) 

SUS 

430 

≦0.12 

≦0.75 

≦1.00 

≦0.040 

≦0.030 

s) 

16.00〜 

18.00 

− 

− 

− 

F1 

SUS 

434 

≦0.12 

≦1.00 

≦1.00 

≦0.040 

≦0.030 

s) 

16.00〜 

18.00 

0.75〜1.25 

− 

− 

F1 

4954 

71 

≦0.04 

≦1.00 

≦1.00 

≦0.040 

≦0.030 

≦1.0 

16.0〜18.0 

− 

− 

− 

F1 

4954 

72 

≦0.08 

≦1.00 

≦1.00 

≦0.040 

≦0.030 

≦1.0 

16.0〜18.0 

− 

− 

− 

F1 

4954 

73 

≦0.08 

≦1.00 

≦1.00 

≦0.040 

≦0.030 

≦1.0 

16.0〜18.0 

0.90〜1.30 

− 

− 

F1 

4954 

74 

≦0.08 

≦1.00 

≦1.00 

≦0.040 

≦0.030 

≦0.50 

10.5〜12.5 

− 

− 

Ti: 6×%C

≦1.0 

4954 

75 

≦0.08 

≦1.00 

≦1.00 

≦0.040 

≦0.030 

≦0.50 

10.5〜12.5 

− 

− 

Nb:  

6×%C 

≦1.0 

683-13 

≦0.08 

≦1.0 

≦1.0 

≦0.040 

≦0.030 

≦1.0 

16.0〜18.0 

− 

− 

− 

F1 

683-13 

8b 

≦0.07 

≦1.0 

≦1.0 

≦0.040 

≦0.030 

≦1.0 

16.0〜18.0 

− 

− 

Ti: 7×%C

≦1.10 

(F1) ab) 

683-13 

9c 

≦0.08 

≦1.0 

≦1.0 

≦0.040 

≦0.030 

≦1.0 

16.0〜18.0 

0.90〜1.30 

− 

− 

F1 

683-13 

F1 

≦0.025 ac) 

≦1.0 

≦1.0 

≦0.040 

≦0.030 

≦0.60 

17.0〜19.0 

1.75〜2.50 

− 

N: ≦

0.025 ac) ad) 

(F1) ae) 

3

0

B

 1

0

5

4

-1

2

0

1

3

 (I

S

O

 3

5

0

6

-1

2

0

0

9

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

background image

表JA.1−ステンレス鋼の鋼種及び化学成分(JISとISO規格との対比表)(続き) 

注a) JISのステンレス鋼の鋼種は,JIS G 4315に規定されているものだけを記載する。 

b) ISOのステンレス鋼の鋼種は,ISO 3506-1及びISO 4954による。 

c) 値は,一部の誤植を訂正したものを除いて,上記のJIS及びISO規格に規定された数値をそのまま記載している。 

d) ISO 3506-1のTable 1に規定された鋼種との対応関係を示し,ISO 3506-1のTable 1における化学成分に対する全ての要件を満たしている場合にだけ,対応関係が

あるとしている。 

e) 硫黄(S)は,セレン(Se)に置き換えてもよい。 

f) ニッケル(Ni)の含有量が8 %以下の場合には,マンガン(Mn)の含有量を5 %以上にしなければならない。 

g) ニッケル(Ni)の含有量が8 %以上の場合には,銅(Cu)の含有量に下限はない。 

h) モリブデン(Mo)の添加は,製造業者の任意である。モリブデンの含有量を制限する必要がある場合には,購入者が注文時に指定しなければならない。 

i) クロム(Cr)の含有量が17 %以下の場合には,ニッケル(Ni)の最小含有量を12 %とすることが望ましい。 

j) 炭素(C)の含有量が0.03 %以下のオーステナイト系ステンレス鋼に対しては,窒素(N)の最大含有量は,0.22 %まで可能である。 

k) 安定化のために,チタン(Ti)の含有量は,炭素(C)の含有量の5倍以上で,最大0.8 %までとするか,ニオブ(Nb)及び/又はタンタル(Ta)の含有量を炭素

の含有量の10倍以上で,最大1.0 %までとする。 

l) 直径の大きいもので,規定の機械的性質を満足するために炭素(C)の含有量を多くすることは,製造業者の任意であるが,オーステナイト系ステンレス鋼に対

しては,0.12 %を超えてはならない。 

m) 炭素(C)の含有量が0.10 %以下であれば,A2に相当する。 

n) SUH660はオーステナイト系耐熱鋼(JIS G 4311参照)であるが,JIS G 4315に含まれるため,そのまま記載する。 

o) 粒界腐食に対して優れた抵抗性をもつ。 

p) 安定化鋼。 

q) タンタル(Ta)は,ニオブ(Nb)で確定する。 

r) 含有率0.70 %未満のモリブデン(Mo)の添加は,製造業者の任意である。 

s) ニッケル(Ni)は,0.60 %を超えてはならない。 

t) 炭素(C)の含有量が0.09 %以上であれば,C1に相当する。 

u) ISO 3506-1のAnnex DのTable D.1では0.90 %となっているが,0.09 %の誤植である。 

v) 炭素(C)の含有量が0.17 %以上で,クロム(Cr)の含有量が16%以上であれば,C3に相当する。 

w) 照会及び注文時の合意によって,モリブデン(Mo)の含有率を0.20〜0.60 %としてもよい。 

x) 炭素(C)の含有率が0.17 %以上であれば,C3に相当する。 

y) モリブデン(Mo)の添加は,製造業者の任意である。 

z) チタン(Ti)の含有量は,炭素(C)の含有量の5倍以上で最大0.8 %まで含んでもよい。 

aa) ニオブ(Nb)及び/又はタンタル(Ta)の含有量は,炭素(C)の含有量の10倍以上で最大1.0 %まで含んでよい。 

ab) チタン(Ti)の含有量が0.8 %以下であれば,F1に相当する。 

ac) (C+N)の最大含有率は,0.040 %。 

ad) 8×(C+N)の含有率は,(Nb+Ti)の含有率以上で0.80 %以下。 

ae) クロム(Cr)の含有率が18 %以下であれば,F1に相当する。 

3

1

B

 1

0

5

4

-1

2

0

1

3

 (I

S

O

 3

5

0

6

-1

2

0

0

9

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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B 1054-1:2013 (ISO 3506-1:2009) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考文献 [1] JIS B 0205-4 一般用メートルねじ−第4部:基準寸法 

[2] JIS G 4311 耐熱鋼棒及び線材 

[3] JIS G 4315 冷間圧造用ステンレス鋼線 

[4] ISO 683-13: 19863),Heat-treatable steels, alloy steels and free-cutting steels−Part 13:Wrought 

stainless steels 

[5] ISO 4954: 1993,Steels for cold heading and cold extruding 

[6] ISO 8044,Corrosion of metals and alloys−Basic terms and definitions 

[7] EN 10088-1: 2005,Stainless steels−Part 1: List of stainless steels 

注3) この規格は,廃止された。