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B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

(1)

目  次

ページ

序文

1

1  適用範囲

1

2  引用規格

2

3  用語及び定義

4

4  記号及び意味

5

5  強度区分の表し方

6

6  材料

7

7  機械的及び物理的性質

8

8  試験方法の適用

12

8.1  一般

12

8.2  おねじ部品の負荷能力

13

8.3  製造業者による検査

13

8.4  供給者による検査

13

8.5  購入者による検査

13

8.6  おねじ部品のグループ及び機械加工試験片のグループにおいて適用可能な試験

14

9  試験方法

20

9.1  ボルト及び小ねじのくさび引張試験

20

9.2  おねじ部品の引張強さ R

m

を求めるための引張試験

24

9.3  フルサイズのおねじ部品の破断伸び A

f

及び 0.004 8耐力 R

pf

を求めるための引張試験

26

9.4  頭部の形状的要因によって遊びねじ部で破断が予期されないボルト及び小ねじの引張試験

28

9.5  伸び軸をもつおねじ部品の引張試験

29

9.6  おねじ部品の保証荷重試験

30

9.7  機械加工試験片の引張試験

32

9.8  頭部打撃試験

34

9.9  硬さ試験

35

9.10  脱炭試験

37

9.11  浸炭試験

39

9.12  再焼戻し試験

40

9.13  ねじり試験

41

9.14  機械加工試験片の衝撃試験

41

9.15  表面欠陥検査

42

10  表示

42

10.1  一般

42

10.2  製造業者の識別記号

42

10.3  完全な負荷能力をもつおねじ部品の表示及び識別

43


B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)  目次

(2)

ページ

10.4  形状的要因によって負荷能力が低いおねじ部品の表示及び表示記号

46

10.5  包装の表示

46

附属書 A(参考)引張強さと破断伸びとの関係

47

附属書 B(参考)高温におけるおねじ部品の機械的性質

48

附属書 C(参考)フルサイズおねじ部品の破断伸び A

f

49


B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本ねじ研究協会

(JFRI)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS B 1051:2000 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 B

1051

:2014

(ISO 898-1

:2013

)

炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質−

強度区分を規定したボルト,小ねじ及び

植込みボルト−並目ねじ及び細目ねじ

Mechanical properties of fasteners made of carbon steel and alloy steel-

Bolts, screws and studs with specified property classes-

Coarse thread and fine pitch thread

序文

この規格は,2013 年に第 5 版として発行された ISO 898-1 を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

1

適用範囲

この規格は,10  ℃∼35  ℃の環境温度範囲で試験を行ったときの炭素鋼及び合金鋼製のボルト,小ねじ

及び植込みボルト(以下,これらを総称する場合は,おねじ部品という。

)の機械的及び物理的性質につい

て規定する。この規格の要求事項に適合するおねじ部品は,環境温度範囲で評価するので,高温(

附属書

参照)及び/又は低温では,規定の機械的及び物理的性質を満足しないことがある。

注記 1  この規格で規定するおねじ部品は,−50  ℃∼+150  ℃の温度範囲で使用する。−50  ℃より

低い温度及び+150  ℃を超えて+300  ℃までの温度範囲については,個々の適用状況に対し

て適切な選択を行うために,締結用部品の材料の専門家からの助言を受けることを推奨する。

注記 2  低温及び高温における鋼材の選択及び適用に関する情報は,例えば EN 10269ASTM F2281

及び ASTM A320/A320M から得ることができる。

ボルト及び小ねじの頭部の形状によっては,頭部のせん断面積がねじの有効断面積に比較して小さくな

ることがあるので,この規格の引張り又はねじりの要求事項を満足しないことがある。これらには,低頭

及び皿頭のボルト並びに小ねじが含まれる(8.2 参照)

この規格は,次の条件のおねじ部品に適用する。

−  炭素鋼製及び合金鋼製のもの

−  JIS B 0205-1 による一般用メートルねじのもの

− M1.6∼M39 の並目ねじ及び M8×1∼M39×3 の細目ねじのもの

−  JIS B 0205-2 及び JIS B 0205-3 による呼び径とピッチとの組合せのもの

−  JIS B 0209-1JIS B 0209-2 及び JIS B 0209-4 による公差のもの

引張力を受けない止めねじ及び類似のおねじ部品には適用しない(JIS B 1053 参照)

また,次に示すような特性に対する要求については規定しない。


2

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

−  溶接性

−  耐食性

−  耐せん断性

−  トルク又は締付け力の性能(試験方法については,JIS B 1084 参照)

−  耐疲労性

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 898-1:2013,Mechanical properties of fasteners made of carbon steel and alloy steel−Part 1: Bolts,

screws and studs with specified property classes−Coarse thread and fine pitch thread(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0143  締結用部品−ねじ部品の寸法の記号及び意味

注記  対応国際規格:ISO 225:2010,Fasteners−Bolts, screws, studs and nuts−Symbols and descriptions

of dimensions(IDT)

JIS B 0205-1  一般用メートルねじ−第 1 部:基準山形

注記  対応国際規格:ISO 68-1:1998,ISO general purpose screw threads−Basic profile−Part 1: Metric

screw threads(IDT)

JIS B 0205-2  一般用メートルねじ−第 2 部:全体系

注記  対応国際規格:ISO 261:1998,ISO general purpose metric screw threads−General plan(IDT)

JIS B 0205-3  一般用メートルねじ−第 3 部:ねじ部品用に選択したサイズ

注記  対応国際規格:ISO 262:1998,ISO general purpose metric screw threads−Selected sizes for screws,

bolts and nuts(IDT)

JIS B 0205-4  一般用メートルねじ−第 4 部:基準寸法

注記  対応国際規格:ISO 724:1993,ISO general-purpose metric screw threads−Basic dimensions(IDT)

JIS B 0209-1  一般用メートルねじ−公差−第 1 部:原則及び基礎データ

注記  対応国際規格:ISO 965-1:1998,ISO general-purpose metric screw threads−Tolerances−Part 1:

Principles and basic data(IDT)

JIS B 0209-2  一般用メートルねじ−公差−第 2 部:一般用おねじ及びめねじの許容限界寸法−中(は

めあい区分)

注記  対応国際規格:ISO 965-2:1998,ISO general purpose metric screw threads−Tolerances−Part 2:

Limits of sizes for general purpose external and internal screw threads−Medium quality(IDT)

JIS B 0209-4  一般用メートルねじ−公差−第 4 部:めっき後に公差位置 H 又は G にねじ立てをした

めねじと組み合わせる溶融亜鉛めっき付きおねじの許容限界寸法

注記  対応国際規格:ISO 965-4:1998,ISO general purpose metric screw threads−Tolerances−Part 4:

Limits of sizes for hot-dip galvanized external screw threads to mate with internal screw threads

tapped with tolerance position H or G after galvanizing(IDT)

JIS B 1001  ボルト穴径及びざぐり径


3

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

注記  対応国際規格:ISO 273:1979,Fasteners−Clearance holes for bolts and screws(MOD)

JIS B 1041  締結用部品−表面欠陥  第 1 部  一般要求のボルト,ねじ及び植込みボルト

注記  対応国際規格:ISO 6157-1:1988,Fasteners−Surface discontinuities−Part 1: Bolts, screws and

studs for general requirements(IDT)

JIS B 1043  締結用部品−表面欠陥  第 3 部  特殊要求のボルト,ねじ及び植込みボルト

注記  対応国際規格:ISO 6157-3:1988,Fasteners−Surface discontinuities−Part 3: Bolts, screws and

studs for special requirements(IDT)

JIS B 1044  締結用部品−電気めっき

注記  対応国際規格:ISO 4042:1999,Fasteners−Electroplated coatings(IDT)

JIS B 1046  締結用部品−非電解処理による亜鉛フレーク皮膜

注記  対応国際規格:ISO 10683:2000,Fasteners−Non-electrolytically applied zinc flake coatings(IDT)

JIS B 1048  締結用部品−溶融亜鉛めっき

注記  対応国際規格:ISO 10684:2004,Fasteners−Hot dip galvanized coatings(IDT)

JIS B 1052-2  炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質−第 2 部:強度区分を規定したナット−並

目ねじ及び細目ねじ

注記  対応国際規格:ISO 898-2:2012,Mechanical properties of fasteners made of carbon steel and alloy

steel−Part 2: Nuts with specified property classes−Coarse thread and fine pitch thread(IDT)

JIS B 1053  炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質−硬さ区分を規定した止めねじ及び類似の

おねじ部品−並目ねじ及び細目ねじ

注記  対応国際規格:ISO 898-5:2012,Mechanical properties of fasteners made of carbon steel and alloy

steel−Part 5: Set screws and similar threaded fasteners with specified hardness classes−Coarse 
thread and fine pitch thread(IDT)

JIS B 1058  締結用部品の機械的性質  第 7 部  呼び径 1∼10 mm のボルト及びねじのねじり強さ試験

及び最小破壊トルク

注記  対応国際規格:ISO 898-7:1992,Mechanical properties of fasteners−Part 7: Torsional test and

minimum torques for bolts and screws with nominal diameters 1 mm to 10 mm(IDT)

JIS B 1084  締結用部品−締付け試験方法

注記  対応国際規格:ISO 16047:2005,Fasteners−Torque/clamp force testing(IDT)

JIS B 1092  締結用部品−品質保証システム

注記  対応国際規格:ISO 16426:2002,Fasteners−Quality assurance system(IDT)

JIS B 7721  引張試験機・圧縮試験機−力計測系の校正方法及び検証方法

注記  対応国際規格:ISO 7500-1:2004,Metallic materials−Verification of static uniaxial testing

machines−Part 1 : Tension/compression testing machines−Verification and calibration of the 
force-measuring system(MOD)

JIS Z 2241  金属材料引張試験方法

注記  対応国際規格:ISO 6892-1:2009,Metallic materials−Tensile testing−Part 1: Method of test at

room temperature(MOD)

JIS Z 2242  金属材料のシャルピー衝撃試験方法

注記  対応国際規格:ISO 148-1:2003,Metallic materials−Charpy pendulum impact test−Part 1: Test

method(MOD)


4

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

JIS Z 2243  ブリネル硬さ試験−試験方法

注記  対応国際規格:ISO 6506-1:2005,Metallic materials−Brinell hardness test−Part 1: Test method

(MOD)

JIS Z 2244  ビッカース硬さ試験−試験方法

注記  対応国際規格:ISO 6507-1:2005,Metallic materials−Vickers hardness test−Part 1: Test method

(MOD)

JIS Z 2245  ロックウェル硬さ試験−試験方法

注記  対応国際規格:ISO 6508-1:2005,Metallic materials−Rockwelll hardness test−Part 1: Test method

(scales A, B, C, D, E, F, G, H, K, N, T)(MOD)

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1

おねじ部品(finished fastener)

全製造工程が完了した,表面皮膜があるもの又はないもので,かつ完全な負荷能力があるもの又は形状

的要因によって負荷能力が低いもので,試験のための加工を施していないおねじをもったねじ部品。

3.2

機械加工試験片(machined test piece)

材料の特性を評価するために,おねじ部品から機械加工された試験片。

3.3

フルサイズおねじ部品(full-size fastener)

d

s

若しくは d

s

の円筒部をもつおねじ部品,又は円筒部をもたないおねじをもったねじ部品。

注記  記号 d

s

及び の意味は,箇条 による。

3.4

有効径おねじ部品(fastener with reduced shank)

d

s

d

2

の円筒部をもつおねじ部品。

注記  記号 d

s

及び d

2

の意味は,箇条 による。

3.5

伸び軸をもつおねじ部品(fastener with waisted shank)

d

s

d

2

の円筒部をもつおねじ部品。

注記  記号 d

s

及び d

2

の意味は,箇条 による。

3.6

生地金属の硬さ(base metal hardness)

浸炭又は脱炭を示す硬さの上昇又は下降(軸の中心部から外周方向に走査したとき)が見られる表面近

傍の直前の硬さ。

3.7

浸炭(carburization)

生地金属の炭素量に対して表面の炭素量が増加する状態。

3.8

脱炭(decarburization)


5

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

おねじ部品の表面における炭素が減少する状態。

3.9

部分脱炭(partial decarburization)

焼戻しマルテンサイトが僅かに見え,隣接した生地金属より明らかに低い硬さを示す程度まで,炭素の

一部が減少した脱炭で,金属組織にフェライト粒が見えない状態。

3.10

フェライト脱炭(ferritic decarburization)

焼戻しマルテンサイトが僅かに見え,隣接した生地金属より明らかに低い硬さを示す程度まで,炭素の

一部が減少した脱炭で,フェライト粒又は境界の組織が金属組織で確認できる状態。

3.11

完全脱炭(complete decarburization)

ほとんどの炭素が減少した状態で,明らかに判別できるフェライト粒が金属組織で確認できる状態。

4

記号及び意味

この規格で,用いる主な記号及び意味は,JIS B 0143 及び JIS B 0209-1 によるほか,次による。

A

機械加工試験片の破断伸び,%

A

f

フルサイズおねじ部品の破断伸び

A

s,nom

  ねじの有効断面積,mm

2

A

ds

伸び軸の断面積,mm

2

b

ねじ部長さ,mm

b

m

植込みボルトのねじ部(植込み側)の長さ,mm

d

ねじの呼び径,mm

d

0

機械加工試験片の径,mm

d

1

おねじの谷の径の基準寸法,mm

d

2

おねじの有効径の基準寸法,mm

d

3

おねじの谷の径,mm

d

a

丸み移行円の径(座面の内側の径)

,mm

d

h

くさび及びブロックのボルト穴径,mm

d

s

円筒部径,mm

E

ねじ山の非脱炭部の高さ,mm

F

m

極限引張力,N

F

m,min

  最小極限引張力,N

F

P

保証荷重試験力,N

F

pf

フルサイズおねじ部品において,0.004 8の比例しない伸びが生じたときの力,N

G

ねじ山の完全脱炭層の深さ,mm

H

とがり山の高さ,mm

H

1

最大実体状態におけるねじ山の高さ,mm

k

頭部の高さ,mm

k

v

衝撃強さ,J

l

呼び長さ,mm


6

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

l

0

負荷前のおねじ部品の全長,mm

l

1

最初の負荷を除荷した後の全長,mm

l

2

2 度目の負荷を除荷した後の全長,mm

l

s

円筒部長さ,mm

l

t

植込みボルトの全長,mm

l

th

遊びねじ部長さ,mm

L

c

機械加工試験片の平行部の長さ,mm

L

o

機械加工試験片の標点距離,mm

L

t

機械加工試験片の全長,mm

L

u

機械加工試験片の破断後の最終標点距離,mm

ΔL

p

塑性伸び,mm

M

B

破壊トルク,N・m

P

ねじのピッチ,mm

r

肩部の丸み半径,mm

R

eL

機械加工試験片の下降伏応力,MPa

R

m

引張強さ,MPa

R

p0.2

  機械加工試験片において 0.2 %の比例しない伸びが生じたときの応力(0.2 %耐力),MPa

R

pf

フルサイズおねじ部品において 0.004 8の比例しない伸びが生じたときの応力(0.004 8耐力)

 MPa

s

二面幅,mm

S

0

機械加工試験片の引張試験前の断面積,mm

2

S

p

保証荷重応力,MPa

S

u

機械加工試験片の破断後の最小断面積,mm

2

Z

機械加工試験片の絞り,%

α

くさび引張試験におけるくさびの角度

β

頭部打撃試験におけるブロックの角度

nom  呼びの値であることを表す下付き添字 
max  最大値であることを表す下付き添字 
min

最小値であることを表す下付き添字

5

強度区分の表し方

おねじ部品の強度区分を表す記号は,次に示すように,点で区切られた二つの数字で構成する(

表 1

表 参照)。

a)  点の左側の数字は,1 桁又は 2 桁の数字からなり,それらは,呼び引張強さ R

m,nom

を MPa で表した数

値(

表 の番号 1)の 1/100 の値を示す。

b)  点の右側の数字は,表 に示すように,呼び降伏応力と呼び引張強さ R

m,nom

との比(降伏応力比とい

う)の 10 倍の値を示す。

表 3(番号 2∼4)による呼び降伏応力を次に示す。

−  呼び下降伏応力 R

eL,nom

−  呼び 0.2 %耐力 R

p0.2,nom

−  呼び 0.004 8耐力 R

pf,nom


7

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

表 1−降伏応力比

強度区分記号の点の右側の数字 .6  .8  .9

nom

m,

nom

pf,

nom

m,

nom

p0.2,

nom

m,

nom

eL,

R

R

R

R

R

R

0.6 0.8 0.9

c)  強度区分表示の左側にゼロが付いたものは,負荷能力が低いおねじ部品を示す(8.2 及び 10.4 参照)。

例 1  呼び引張強さ R

m,nom

が 800 MPa で,降伏応力比が 0.8 のおねじ部品の強度区分の表示記号は,

8.8 となる。

例 2  強度区分 8.8 の材料特性であるが,負荷能力が低いおねじ部品の強度区分の表示記号は,08.8

となる。

呼び引張強さに降伏応力比を乗じると,呼び降伏応力(単位は,MPa)となる。

強度区分の製品への表示及び包装への表示は,10.3 及び 10.5 による。負荷能力が低いおねじ部品に対す

る表示記号は,10.4 による。

この規格の適用範囲を外れた寸法(例えば,d>39 mm)であっても,

表 及び表 の要求事項を満たし

ていれば,この規格の表示体系を適用してもよい。

各々の強度区分における呼び引張強さと破断伸びとの関係を,

附属書 に示す。

6

材料

おねじ部品の各強度区分に対する,鋼材の化学成分の限界及び最低焼戻し温度は,

表 による。化学成

分は,関係する日本工業規格に従って評価する。

注記  特定の化学元素の制限又は禁止に関する国家規格についても,それぞれの国又は地域で考慮す

る必要がある。

溶融亜鉛めっきを施すおねじ部品については,JIS B 1048 の材料に関する追加要求を適用する。

表 2−鋼材

強度

区分

材料及び熱処理

化学成分(溶鋼分析値,%)

a)

焼戻し温度

C P

S

B

b)

最小

最大

最大

最大

最大

最低

4.6

c), d)

炭素鋼又は添加物入り炭素鋼

− 0.55

0.050

0.060 −

4.8

 d)

5.6

 c)

 0.13

0.55

0.050

0.060

5.8

 d)

− 0.55

0.050

0.060

6.8

 d)

 0.15

0.55

0.050

0.060

8.8

f)

添加物(例えば,B,Mn,Cr)入り炭素鋼,
焼入焼戻し

0.15

e)

0.40 0.025

0.025 0.003

425

炭素鋼,焼入焼戻し 0.25

0.55

0.025

0.025

合金鋼

g)

,焼入焼戻し 0.20

0.55

0.025

0.025

9.8

f)

添加物(例えば,B,Mn,Cr)入り炭素鋼,

焼入焼戻し

0.15

e)

0.40 0.025

0.025 0.003

425

炭素鋼,焼入焼戻し 0.25

0.55

0.025

0.025

合金鋼

g)

,焼入焼戻し 0.20

0.55

0.025

0.025


8

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

表 2−鋼材(続き)

強度 
区分

材料及び熱処理

化学成分(溶鋼分析値,%)

a)

焼戻し温度

C P

S

B

b)

最小

最大

最大

最大

最大

最低

10.9

f)

添加物(例えば,B,Mn,Cr)入り炭素鋼,

焼入焼戻し

0.15

e)

0.40 0.025

0.025 0.003

425

炭素鋼,焼入焼戻し 0.25

0.55

0.025

0.025

合金鋼

g)

,焼入焼戻し 0.20

0.55

0.025

0.025

12.9

f), h), i)

合金鋼

g)

,焼入焼戻し 0.30

0.50

0.025

0.025

0.003

425

12.9

f), h), i)

添加物(例えば,B,Mn,Cr,Mo)入り炭
素鋼,焼入焼戻し

0.28 0.50 0.025

0.025

0.003  380

a)

  疑義が生じた場合には,製品分析値を適用する。

b)

  ボロン(B)の含有量は,非有効ボロン(B)がチタン(Ti)及び/又はアルミニウム(Al)の添加によって

制御される条件で,0.005 %まで許容する。

c)

  冷間圧造によって製造する強度区分 4.6 及び 5.6 の製品は,要求される延性を確保するために,線材の状態又

は冷間圧造の後に熱処理を行わなければならない場合がある。

d)

  これらの強度区分の材料には,快削鋼を用いてもよい。ただし,硫黄(S),りん(P)及び鉛(Pb)の最大含

有量は次による。

S:0.34 %,P:0.11 %,Pb:0.35 %

e)

  炭素(C)が 0.25 %(溶鋼分析値)以下のボロン鋼の場合には,マンガン(Mn)の含有量を,強度区分 8.8

のものに対しては 0.6 %以上,9.8 及び 10.9 のものに対しては 0.7 %以上にしなければならない。

f)

  これらの強度区分の材料は,焼戻し前の焼入れ状態で,ねじ部横断面の中心部分が約 90 %のマルテンサイト

組織となるような十分な焼入性がなければならない。

g)

  この合金鋼には,次の合金元素を 1 種類以上含まなければならない。各元素の最小の含有量は,次による。

クロム(Cr)0.30 %,ニッケル(Ni)0.3 %,モリブデン(Mo)0.20 %,バナジウム(V)0.10 %

なお,上記の合金元素を 2∼4 種類組合せて含有させる場合で,個々の元素の含有量が上記の最小量より小

さくなる場合には,鋼種区分の判別に用いる限界値は,組み合わせて用いる各元素に対する上記限界値の合

計の 70 %とする。

h)

  りん酸塩皮膜処理を行った素材からボルトを製作する場合は,熱処理前に脱りん処理を行わなければならな

い。また,白色のりん濃化層がないことを適切な観察方法で確認しなければならない。

i)

  強度区分 12.9/12.9 の製品を使用する場合には,注意が必要である。製造業者の技量,使用環境及び締付け方

法を考慮しなければならない。環境によっては,めっきをしないおねじ部品でも,めっきをしたものと同様
な遅れ破壊を生じるおそれがある。

7

機械的及び物理的性質

強度区分が規定されたおねじ部品は,

製造工程中の試験及び最終検査の試験のいずれとも,

10  ℃∼35  ℃

の環境温度範囲

1)

  において,表 3∼表 の機械的及び物理的性質を満足しなければならない。

さまざまな種類及び寸法のおねじ部品が,

表 及び表 4∼表 の性質を満足しているかどうかを検証す

るための試験方法の適用については,箇条 に示す。

注記 1  おねじ部品の材料特性が,表 及び表 で規定する全ての要求を満足していても,形状的要

因によって負荷能力が低いおねじ部品(8.29.4 及び 9.5 参照)の種類がある。

注記 2  この規格では,多くの強度区分が規定されているが,この全ての強度区分が,全てのおねじ

部品に適用されることを意味するものではない。強度区分の適用基準については,この規格

を引用する製品規格で決まる。規格化されていないおねじ部品に対しては,できる限り類似

のおねじ部品の規格値を適用するのがよい。

1)

  衝撃強さは,−20  ℃で試験を行う(9.14 参照)。


9

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

表 3−おねじ部品の機械的及び物理的性質

番号

機械的又は物理的性質

強度区分

4.6 4.8 5.6 5.8 6.8 8.8 9.8

10.9

12.9/

12.9

d≦16

mm

a)

d>16

mm

b)

d≦16

mm

1

引張強さ,R

m

,MPa

呼び

c)

 400

500 600

800 900

1

000 1

200

最小

400

420

500

520

600

800

830

900

1 040 1 220

2

下降伏応力,R

eL

d)

,MPa

呼び

c)

 240

− 300

最小 240

− 300

3 0.2

%耐力,R

p0.2

,MPa

呼び

c)

−  640

640 720 900

1

080

最小

−  640

660 720 940

1

100

4

フルサイズおねじ部品の 
0.004 8耐力,R

pf

,MPa

呼び

c)

− 320

− 400

480

最小

− 340

e)

− 420

e)

480

e)

5

保証荷重応力,S

p

f)

,MPa

呼び  225

310

280

380

440

580

600 650 830

970

保証荷重応力比  S

p,nom

/R

eL,min

                S

p,nom

/R

p0.2,min

                S

p,nom

/R

pf,min

0.94

0.91

0.93

0.90

0.92

0.91

0.91 0.90 0.88

0.88

6

機械加工試験片の破断伸

び,A,%

最小 22 − 20 −

− 12 12 10  9  8

7

機械加工試験片の絞り,
Z,%

最小

52

48 48 44

8

フルサイズおねじ部品の
破断伸び,A

f

附属書 

照)

最小

− 0.24

− 0.22

0.20

9

頭部打撃強さ

破壊してはならない

10

ビッカース硬さ,HV 
F≧98 N

最小  120

130

155

160

190

250

255 290 320

385

最大 220

g)

250

320

335 360 380

435

11

ブリネル硬さ,HBW 
F=30D

2

/0.102

最小  114

124

147

152

181

245

250 286 316

380

最大 209

g)

238

316

331 355 375

429

12

ロックウェル硬さ,HRB

最小  67 71 79 82 89

最大 95.0 

g)

99.5

ロックウェル硬さ,HRC

最小

22 23 28 32 39

最大

32 34 37 39 44

13

表面硬さ HV0.3

最大

− 390

435

14

非浸炭部 HV0.3

最大

h) 

h) 

h) 

15

ねじ山の非脱炭部の高さ, 
E,mm

最小

− 1/2

H

1

 2/3

H

1

3/4

H

1

ねじ山の完全脱炭層の深
さ,G,mm

最大

− 0.015

16

再焼戻し後の硬さの低下,
HV

最大

− 20

17

破壊トルク,M

B

,N・m

最小

JIS B 1058 による。

18

衝撃強さ,K

V

i), j)

,J

最小

− 27 −

27 27 27 27

k) 

19

表面状態

JIS B 1041

l)

による。

JIS B 

1043 

よる。


10

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

表 3−おねじ部品の機械的及び物理的性質(続き)

a)

  鋼構造用ボルトには,適用しない。

b)

  鋼構造用ボルトは,d≧M12 とする。

c)

  呼びの値は,強度区分の表し方の目的だけに用いる(箇条 参照)。

d)

  下降伏応力 R

eL

が求められない場合には,0.2 %耐力 R

p0.2

による。

e)

  強度区分 4.8,5.8 及び 6.8 の R

pf,min

の値は,調査中である。提示してある値は,保証荷重応力比を計算するため

だけに表示している。これらの値は,試験値ではない。

f)

  保証荷重試験力は,表 及び表 に規定する。

g)

  おねじ部品のねじの先端で求められた硬さは,250HV,238HB 又は 99.5HRB 以下とする。

h)

  表面硬さ及び生地金属硬さの両方の決定を HV0.3 で求められているとき,表面硬さは,測定したねじの生地金

属硬さよりもビッカース硬さで 30 ポイントを超えて大きくてはならない(9.11 参照)

i)

  値は,試験温度−20  ℃で求める(9.14 参照)。

j)

  d≧16 mm に適用する。

k)

  K

V

の値は,調査中である。

l)

  受渡当事者間の協定によって JIS B 1041 の代わりに JIS B 1043 を適用してもよい。

表 4−最小極限引張力−並目ねじ

ねじの

呼び

a)

d

有効断面積,

A

s,nom

b)

mm

2

強度区分

4.6 4.8 5.6 5.8 6.8 8.8 9.8 10.9

12.9/12.9

最小極限引張力,F

m,min

(A

s,nom

×R

m,min

) N

M3

5.03  2 010 2 110

2 510 2 620

3 020

4 020 4 530

5 230 6 140

M3.5

6.78  2 710 2 850

3 390 3 530

4 070

5 420 6 100

7 050 8 270

M4

8.78  3 510 3 690

4 390 4 570

5 270

7 020 7 900

9 130 10 700

M5

14.2  5 680 5 960

7 100 7 380

8 520

11 350 12 800

14 800 17 300

M6

20.1

8 040  8 440

10 000 10 400

12 100

16 100 18 100

20 900 24 500

M7

28.9  11 600 12 100

14 400 15 000

17 300

23 100 26 000

30 100 35 300

M8 36.6

14 600

c)

 15 400  18 300

c)

19 000

22 000

29 200

c)

32 900 38 100

c)

 44 600

M10 58  23 200

c)

 24 400  29 000

c)

30 200

34 800

46 400

c)

52 200 60 300

c)

 70 800

M12

84.3  33 700 35 400

42 200 43 800

50 600

67 400

d)

75 900 87 700  103 000

M14  115

46 000 48 300

57 500 59 800

69 000

92 000

d)

104 000 120 000  140 000

M16  157

62 800 65 900

78 500 81 600

94 000

125 000

d)

141 000 163 000  192 000

M18  192

76 800 80 600

96 000 99 800

115 000

159 000  − 200 000 234 000

M20

245

98 000 103 000

122 000 127 000

147 000

203 000  − 255 000 299 000

M22

303

121 000 127 000

152 000 158 000

182 000

252 000  − 315 000 370 000

M24

353

141 000 148 000

176 000 184 000

212 000

293 000  − 367 000 431 000

M27

459

184 000 193 000

230 000 239 000

275 000

381 000  − 477 000 560 000

M30

561

224 000 236 000

280 000 292 000

337 000

466 000  − 583 000 684 000

M33

694

278 000 292 000

347 000 361 000

416 000

576 000  − 722 000 847 000

M36

817

327 000 343 000

408 000 425 000

490 000

678 000  − 850 000 997 000

M39

976

390 000 410 000

488 000 508 000

586 000

810 000  − 1 020 000 1 200 000

a)

  ねじの呼びにピッチが示されていないものは,並目ねじである。

b)

  A

s,nom

の計算は,9.1.6.1 を参照する。

c)

  JIS B 0209-4 によるねじの公差域クラス 6az の溶融亜鉛めっきされたおねじ部品に関しては,JIS B 1048 の附

属書 に規定されている値を適用する。

d)

  鋼構造用ボルトの場合には,これらの値は次による。

67 400 N→70 000 N(M12),92 000 N→95 500 N(M14),125 000 N→130 000 N(M16)


11

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

表 5−保証荷重試験力−並目ねじ

ねじの

呼び

a)

d

有効断面積,

A

s,nom

b)

mm

2

強度区分

4.6 4.8 5.6 5.8 6.8 8.8 9.8 10.9

12.9/12.9

保証荷重試験力,F

p

(A

s,nom

×S

p,nom

) N

M3

5.03  1 130 1 560

1 410 1 910

2 210

2 920 3 270

4 180 4 880

M3.5

6.78  1 530 2 100

1 900 2 580

2 980

3 940 4 410

5 630 6 580

M4

8.78  1 980 2 720

2 460 3 340

3 860

5 100 5 710

7 290 8 520

M5

14.2  3 200 4 400

3 980 5 400

6 250

8 230 9 230

11 800 13 800

M6

20.1  4 520 6 230

5 630 7 640

8 840

11 600 13 100

16 700 19 500

M7

28.9

6 500  8 960 8 090 11 000

12 700

16 800 18 800

24 000 28 000

M8 36.6

8 240

c)

 11 400 10 200

c)

13 900

16 100

21 200

c)

23 800 30 400

c)

 35 500

M10 58  13 000

c)

 18 000  16 200

c)

22 000

25 500

33 700

c)

37 700 48 100

c)

 56 300

M12

84.3  19 000 26 100

23 600 32 000

37 100

48 900

d)

54 800 70 000  81 800

M14  115

25 900 35 600

32 200 43 700

50 600

66 700

d)

74 800 95 500  112 000

M16  157

35 300 48 700

44 000 59 700

69 100

91 000

d)

102 000 130 000  152 000

M18  192

43 200 59 500

53 800 73 000

84 500

115 000  − 159 000 186 000

M20  245

55 100 76 000

68 600 93 100

108 000

147 000  − 203 000 238 000

M22 303  68 200

93 900

84 800

115 000

133 000

182 000 − 252 000 294 000

M24

353

79 400 109 000 98 800 134 000

155 000

212 000  − 293 000 342 000

M27

459

103 000 142 000

128 000 174 000

202 000

275 000  − 381 000 445 000

M30

561

126 000 174 000

157 000 213 000

247 000

337 000  − 466 000 544 000

M33

694

156 000 215 000

194 000 264 000

305 000

416 000  − 576 000 673 000

M36

817

184 000 253 000

229 000 310 000

359 000

490 000  − 678 000 792 000

M39

976

220 000 303 000

273 000 371 000

429 000

586 000  − 810 000 947 000

a)

  ねじの呼びにピッチが示されていないものは,並目ねじである。

b)

  A

s,nom

の計算は,9.1.6.1 を参照する。

c)

  JIS B 0209-4 によるねじの公差域クラス 6az の溶融亜鉛めっきされたおねじ部品に関しては,JIS B 1048 の附

属書 に規定されている値を適用する。

d)

  鋼構造用ボルトの場合には,これらの値は次による。

48 900 N→50 700 N(M12),66 700 N→68 800 N(M14),91 000 N→94 500 N(M16)


12

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

表 6−最小極限引張力−細目ねじ

ねじの

呼び

d×P

有効断面積,

A

s,nom

a)

mm

2

強度区分

4.6 4.8 5.6 5.8 6.8 8.8 9.8 10.9

12.9/12.9

最小極限引張力,F

m,min

(A

s,nom

×R

m,min

) N

M8×1

39.2

15 700

16 500

19 600

20 400

23 500

31 360

35 300

40 800

47 800

M10×1.25

61.2

24 500

25 700

30 600

31 800

36 700

49 000

55 100

63 600

74 700

M10×1

64.5

25 800

27 100

32 300

33 500

38 700

51 600

58 100

67 100

78 700

M12×1.5

88.1

35 200

37 000

44 100

45 800

52 900

70 500

79 300

91 600  107 000

M12×1.25

92.1

36 800

38 700

46 100

47 900

55 300

73 700

82 900

95 800  112 000

M14×1.5

125

50 000

52 500

62 500

65 000

75 000

100 000

112 000  130 000  152 000

M16×1.5

167

66 800

70 100

83 500

86 800

100 000

134 000

150 000  174 000  204 000

M18×1.5

216

86 400

90 700

108 000

112 000

130 000

179 000

225 000  264 000

M20×1.5

272

109 000  114 000

136 000

141 000

163 000

226 000

283 000  332 000

M22×1.5

333

133 000  140 000

166 000

173 000

200 000

276 000

346 000  406 000

M24×2

384

154 000  161 000

192 000

200 000

230 000

319 000

399 000  469 000

M27×2

496

198 000  208 000

248 000

258 000

298 000

412 000

516 000  605 000

M30×2

621

248 000  261 000

310 000

323 000

373 000

515 000

646 000  758 000

M33×2

761

304 000  320 000

380 000

396 000

457 000

632 000

791 000  928 000

M36×3

865

346 000  363 000

432 000

450 000

519 000

718 000

900 000  1 055 000

M39×3

1 030

412 000  433 000

515 000

536 000

618 000

855 000

1 070 000  1 260 000

a)

  A

s,nom

の計算は,9.1.6.1 を参照する。

表 7−保証荷重試験力−細目ねじ

ねじの

呼び

d×P

有効断面積,

A

s,nom

a)

mm

2

強度区分

4.6 4.8 5.6 5.8 6.8 8.8 9.8 10.9

12.9/12.9

保証荷重試験力,F

p

(A

s,nom

×S

p,nom

) N

M8×1 39.2

8 820

12 200

11 000

14 900

17 200

22 700

25 500

32 500

38 000

M10×1.25 61.2

13 800

19 000

17 100

23 300

26 900

35 500

39 800

50 800

59 400

M10×1 64.5

14 500

20 000

18 100

24 500

28 400

37 400

41 900

53 500

62 700

M12×1.5 88.1

19 800

27 300

24 700

33 500

38 800

51 100

57 300

73 100

85 500

M12×1.25 92.1

20 700

28 600

25 800

35 000

40 500

53 400

59 900

76 400

89 300

M14×1.5 125 28 100

38 800

35 000

47 500

55 000

72 500

81 200

104 000

121 000

M16×1.5 167 37 600

51 800

46 800

63 500

73 500

96 900

109 000

139 000

162 000

M18×1.5 216 48 600

67 000

60 500

82 100

95 000

130 000

− 179 000

210 000

M20×1.5 272 61 200

84 300

76 200

103 000

120 000

163 000

− 226 000

264 000

M22×1.5 333 74 900

103 000

93 200

126 000

146 000

200 000

− 276 000

323 000

M24×2 384

86 400

119 000

108 000

146 000

169 000

230 000

− 319 000

372 000

M27×2 496

112 000

154 000

139 000

188 000

218 000

298 000

− 412 000

481 000

M30×2 621

140 000

192 000

174 000

236 000

273 000

373 000

− 515 000

602 000

M33×2 761

171 000

236 000

213 000

289 000

335 000

457 000

− 632 000

738 000

M36×3 865

195 000

268 000

242 000

329 000

381 000

519 000

− 718 000

839 000

M39×3 1 030

232 000

319 000

288 000

391 000

453 000

618 000

− 855 000

999 000

a)

  A

s,nom

の計算は,9.1.6.1 を参照する。

8

試験方法の適用

8.1

一般

表 に規定するおねじ部品の機械的及び物理的性質に対する試験は,FF 及び MP の二つの試験グループ

に分類する。FF グループは,おねじ部品の試験に適用し,MP グループは,おねじ部品の材料特性の試験


13

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

に適用する。おねじ部品の種類によって,FF グループは FF1,FF2,FF3 及び FF4 の試験シリーズに,MP

グループは MP1 及び MP2 の試験シリーズに分けることができる。しかし,寸法及び/又は負荷能力の理

由によって,

表 に規定する全ての機械的及び物理的性質が全ての種類の全ての寸法のおねじ部品につい

て試験できるわけではない。

8.2

おねじ部品の負荷能力

8.2.1

完全な負荷能力をもつおねじ部品

完全な負荷能力をもつおねじ部品は,試験シリーズ FF1,FF2 又は MP2 による引張試験を行ったとき,

次に示す状態になる。

a)  破断

−  d

s

d

2

のおねじ部品では,遊びねじ部で破断する。

−  d

s

d

2

のおねじ部品では,遊びねじ部又は円筒部で破断する。

b)  表 又は表 で規定する最小極限引張力 F

m,min

を満足する。

8.2.2

形状的要因によって負荷能力が低いおねじ部品

負荷能力が低いおねじ部品は,この規格で規定した強度区分の材料特性をもっているが,製品の形状的

要因のために試験シリーズ FF1,FF2 又は MP2 による引張試験において,負荷能力に関する要求を満足し

ない。

負荷能力が低いおねじ部品は,試験シリーズ FF3 又は FF4 による引張試験において,通常,遊びねじ部

で破断しない。

おねじ部品の負荷能力がねじ部の極限引張力より低い形状のねじ部品は,次の 2 種類である。

a)  ボルト及び小ねじの頭部形状

−  外側駆動形体をもつ又はもたない低頭

−  内側駆動形体をもつ低い丸頭又は円筒形状の頭

−  内側駆動形体をもつ皿頭

b)  この規格の負荷能力の値を適用せずに,特別の用途のために設計された軸形状をもつおねじ部品。例

えば,伸び軸をもつボルト。

試験シリーズ FF3(

表 10 参照)は,上記の a)のおねじ部品に対して適用し,試験シリーズ FF4(表 11

参照)は,b)のおねじ部品に対して適用する。

8.3

製造業者による検査

この規格によるおねじ部品は,

表 8∼表 11 に規定する実施可能な試験を行い,表 3∼表 の要求を満足

しなければならない。

この規格は,製造業者がそれぞれの製造ロットに対して,どの試験を行うのがよいか指示していない。

製造ロットが全ての要求を満足していることを保証するために,適切な工程内検査を選択して実施するこ

とは,製造業者の責任である。

疑義が生じた場合には,箇条 による試験方法を適用する。

8.4

供給者による検査

供給者は,供給するおねじ部品が

表 3∼表 に規定する機械的及び物理的性質を満足するならば,供給

者の選択する方法でおねじ部品を検査してもよい。

疑義が生じた場合には,箇条 による試験方法を適用する。

8.5

購入者による検査

購入者は,8.6 の適切な試験シリーズから選択した試験を用いて,供給されたおねじ部品を検査してもよ


14

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

い。

疑義が生じた場合には,箇条 による試験方法を適用する。

8.6

おねじ部品のグループ及び機械加工試験片のグループにおいて適用可能な試験

8.6.1

一般

箇条 による試験方法が適用される試験シリーズ FF1∼FF4,MP1 及び MP2 は,それぞれ

表 8∼表 13 

よる。

表 8∼表 11 の試験シリーズ FF1∼FF4 は,おねじ部品を対象とした試験であり,次のように区別される。

− FF1:完全な頭部強さをもち,d

s

d

2

又は d

s

d

2

である完全な負荷能力をもつボルト及び小ねじの諸性

質を求めるための試験(

表 参照)。

− FF2:d

s

d

2

又は d

s

d

2

である完全又は伸び軸(完全な負荷能力をもつ)の植込みボルトの諸性質を求

めるための試験(

表 参照)。

− FF3:d

s

d

2

又は d

s

d

2

であるが,次の形状的要因によって負荷能力が低下したボルト及び小ねじの諸

性質を求めるための試験(

表 10 参照)。

1)  外側駆動形体をもつ又はもたない低頭のボルト又は小ねじ

2)  内側駆動形体をもつ低い丸頭又は円筒形状の頭のボルト又は小ねじ 
3)  内側駆動形体をもつ皿頭のボルト又は小ねじ

− FF4:この規格で規定する完全な負荷能力が要求されない,又は期待できない適用のために特別に設

計されたおねじ部品の諸性質を求めるための試験で,例えば,d

s

d

2

である伸び軸(負荷能力が低下

している)をもつおねじ部品の試験(

表 11 参照)。

表 12 及び表 13 の試験シリーズ MP1 及び MP2 は,それぞれ,おねじ部品の材料の性質及び/又はプロ

セス開発のための試験である。試験シリーズ FF1∼FF4 も,この目的に用いることができる。

− MP1:おねじ部品の材料の性質を求めるための試験及び/又はプロセス開発のための試験で,機械加

工試験片を用いる(

表 12 参照)。

− MP2:d

s

d

2

若しくは d

s

d

2

である完全な負荷能力をもつおねじ部品の材料の性質を求めるための試

験及び/又はプロセス開発のための試験である(

表 13 参照)。

8.6.2

適用

おねじ部品のグループによる試験方法の適用は,それぞれ

表 8∼表 13 による。

8.6.3

試験結果の受渡し

購入者から,規定の試験結果を含む報告書を要求された場合には,箇条 に規定する試験方法によって

表 8∼表 13 から選択した試験を行わなければならない。購入者が要求する特定の試験は,受渡当事者間で

注文時に協定しなければならない。


15

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

表 8−試験シリーズ FF1−完全な負荷能力をもつボルト及び小ねじ

性質

試験方法

強度区分

4.6,4.8,5.6,5.8,

6.8

8.8,9.8,10.9,

12.9/12.9

番号

表 3

参照)

箇条
番号

d<3 mm

又は

l<2.5d

又は

b<2.0d

d≧3 mm,

l≧2.5d

及び

b≧2.0d

d<3 mm

又は

l<2.5d

又は

b<2.0d

d≧3 mm,

l≧2.5d

及び

b≧2.0d

1

最小引張強さ,R

m,min

くさび引張試験

9.1 NF 

a) 

NF 

a) 

引張試験

9.2 NF 

a) 

NF 

a) 

5

保証荷重応力,S

p,nom

保証荷重試験

9.6 NF 

NF 

8

最小破断伸び,A

f,min

フルサイズおねじ部品の引

張試験

9.3 NF 

b), d)

c), d)

NF 

b), d)

9

頭部打撃強さ

頭部打撃試験
d≦10 mm

1.5dl<3d

9.8 

l≧3d

10 
11 
12

硬さ

硬さ試験

9.9 

13

最大表面硬さ

浸炭試験

9.11

NF NF  

14

非浸炭部

NF NF  

15

非脱炭部の高さ 
完全脱炭層の深さ

脱炭試験

9.10

NF NF  

16

再焼戻し後の硬さ低下

再焼戻し試験

9.12

NF NF 

e) 

e) 

17

最小破壊トルク,M

B,min

  ねじり試験

1.6 mm≦d≦10 mm, 
b≧1d+2P

f)

9.13

g) 

g), h)

h) 

19

表面状態

表面欠陥検査

9.15

a)

  d≧3 mm,l≧2及び b<2のおねじ部品は,9.1.5 及び 9.2.5 を参照する。

b)

  強度区分 4.6,5.6,8.8 及び 10.9 の値は,附属書 による。

c)

  強度区分 4.8,5.8 及び 6.8 に適用する。

d)

  l≧2.7及び b≦2.2に適用する。

e)

  この試験は,疑義が生じた場合に判定の試験として行う。

f)

  ねじり試験を行う際には,これらの特定の寸法の制限は,この表の強度区分欄に記されている制限の代わり

に適用する。

g)

  強度区分 4.6∼6.8 に対する値は,JIS B 1058 に規定されていない。

h)

  引張試験の代わりに用いてもよい。ただし,疑義が生じた場合には,引張試験による。

適用可:試験は箇条 に従って実施可能であり,疑義が生じた場合,試験は箇条 に従って行う。 

適用可であるが,特に要求があった場合に実施:代替試験(例えば,引張試験の代替としてねじり試
験)

,製品規格で要求された試験又は購入者の要求による試験(例えば,衝撃試験)で,箇条 に従っ

て実施可能である。

適用不可:おねじ部品の形状及び/又は寸法の要因(例えば,試験に際して短すぎる,頭がない)で
試験ができないか,又は特定の種類のおねじ部品だけに適用する試験(例えば,焼入焼戻しを施した
おねじ部品に対する試験)であるので,試験を行わない。

NF 


16

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

表 9−試験シリーズ FF2−完全な負荷能力をもつ植込みボルト

性質

試験方法

強度区分

4.6,4.8,5.6,5.8,

6.8

8.8,9.8,10.9,

12.9/12.9

番号

表 3

参照)

箇条
番号

d<3 mm

又は

l<2.5d

又は

b<2.0d

d≧3 mm,

l≧2.5d

及び

b≧2.0d

d<3 mm

又は

l<2.5d

又は

b<2.0d

d≧3 mm,

l≧2.5d

及び

b≧2.0d

1

最小引張強さ,R

m,min

引張試験

9.2 NF 

a) 

NF 

a) 

5

保証荷重応力,S

p,nom

保証荷重試験

9.6 NF 

NF 

8

最小破断伸び,A

f,min

フルサイズおねじ部品の引

張試験

9.3 NF 

b), c)

b), d)

NF 

b), c)

10 
11 
12

硬さ

硬さ試験

9.9 

13

最大表面硬さ

浸炭試験

9.11

NF NF  

14

非浸炭部

NF NF  

15

非脱炭部の高さ 
完全脱炭層の深さ

脱炭試験

9.10

NF NF  

16

再焼戻し後の硬さ低下

再焼戻し試験

9.12

NF NF 

e) 

e) 

19

表面状態

表面欠陥検査

9.15

a)

  植込み側のねじ部 b

m

で破断する場合には,R

m,min

の代わりに最小硬さを適用する。その代わりに,9.7 による

機械加工試験片を用いた引張試験で引張強さ R

m

を求めてもよい。

b)

  l

t

≧3.2db≧2.2の場合に適用する。

c)

  強度区分 4.6,5.6,8.8 及び 10.9 の値は,附属書 を参照する。

d)

  強度区分 4.8,5.8 及び 6.8 に適用する。

e)

  この試験は,疑義が生じた場合に判定の試験として行う。

適用可:試験は箇条 に従って実施可能であり,疑義が生じた場合,試験は箇条 に従って行う。 

適用可であるが,特に要求があった場合に実施:代替試験(例えば,引張試験の代替としてねじり試
験)

,製品規格で要求された試験又は購入者の要求による試験(例えば,衝撃試験)で,箇条 に従

って実施可能である。

適用不可:おねじ部品の形状及び/又は寸法の要因(例えば,試験に際して短すぎる,頭がない)で
試験ができないか,又は特定の種類のおねじ部品だけに適用する試験(例えば,焼入焼戻しを施した
おねじ部品に対する試験)であるので,試験を行わない。

NF 


17

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

表 10−試験シリーズ FF3−頭部の形状的要因によって負荷能力が低いボルト及び小ねじ

性質

試験方法

強度区分

4.6,4.8,5.6,5.8,

6.8

8.8,9.8,10.9,

12.9/12.9

番号

表 3

参照)

箇条
番号

d<3 mm

又は

l<2.5d

又は

b<2.0d

d≧3 mm,

l≧2.5d

及び

b≧2.0d

d<3 mm

又は

l<2.5d

又は

b<2.0d

d≧3 mm,

l≧2.5d

及び

b≧2.0d

a) 

最小極限引張力

頭部の形状によって,遊びね
じ部で破断しないボルト及

び小ねじの引張試験

9.4 NF 

a) 

NF 

a) 

10 
11 
12

硬さ

硬さ試験

9.9 

13

最大表面硬さ

浸炭試験

9.11

NF NF  

14

非浸炭部

NF NF  

15

非脱炭部の高さ 
完全脱炭層の深さ

脱炭試験

9.10

NF NF  

16

再焼戻し後の硬さ低下

再焼戻し試験

9.12

NF NF 

b) 

b) 

19

表面状態

表面欠陥検査

9.15

a)

  最小極限引張力は,関連する製品規格を参照する。

b)

  この試験は,疑義が生じた場合に判定の試験として行う。

適用可:試験は箇条 に従って実施可能であり,疑義が生じた場合,試験は箇条 に従って行う。 

適用可であるが,特に要求があった場合に実施:代替試験(例えば,引張試験の代替としてねじり試
験)

,製品規格で要求された試験又は購入者の要求による試験(例えば,衝撃試験)で,箇条 に従

って実施可能である。

適用不可:おねじ部品の形状及び/又は寸法の要因(例えば,試験に際して短すぎる,頭がない)で
試験ができないか,又は特定の種類のおねじ部品だけに適用する試験(例えば,焼入焼戻しを施した

おねじ部品に対する試験)であるので,試験を行わない。

NF 


18

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

表 11−試験シリーズ FF4−負荷能力が低いおねじ部品(例えば,伸び軸をもつボルト)

性質

試験方法

強度区分

4.6,5.6 8.8,9.8,10.9,

12.9/12.9

番号

表 3

参照)

箇条
番号

d<3 mm

又は

伸び軸長さ

<3ds 又は

bd

d≧3 mm,

伸び軸長さ

≧3ds 及び

bd

d<3 mm

又は

伸び軸長さ

<3ds 又は

bd

d≧3 mm,

伸び軸長さ

≧3ds 及び

bd

1

最小引張強さ,R

m,min

伸び軸をもつおね
じ部品の引張試験

9.5 NF 

a) 

NF 

a) 

10 
11 
12

硬さ

硬さ試験

9.9 

13

最大表面硬さ

浸炭試験

9.11

NF NF  

14

非浸炭部

NF NF  

15

非脱炭部の高さ

完全脱炭層の深さ

脱炭試験

9.10

NF NF  

16

再焼戻し後の硬さ低下

再焼戻し試験

9.12

NF NF 

b) 

b) 

19

表面状態

表面欠陥検査

9.15

a)

  R

m

は,伸び軸の断面積 A

ds

(=πd

S

2

/4)を用いて算出される。

b)

  この試験は,疑義が生じた場合に判定の試験として行う。

適用可:試験は箇条 に従って実施可能であり,疑義が生じた場合,試験は箇条 に従って行う。 

適用可であるが,特に要求があった場合に実施:代替試験(例えば,引張試験の代替としてねじり試
験)

,製品規格で要求された試験又は購入者の要求による試験(例えば,衝撃試験)で,箇条 に従

って実施可能である。

適用不可:おねじ部品の形状及び/又は寸法の要因(例えば,試験に際して短すぎる,頭がない)で
試験ができないか,又は特定の種類のおねじ部品だけに適用する試験(例えば,焼入焼戻しを施した
おねじ部品に対する試験)であるので,試験を行わない。

NF 


19

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

表 12−試験シリーズ MP1−機械加工試験片によって求められる材料の性質

性質

試験方法

強度区分

4.6,5.6 8.8,9.8,10.9,12.9/12.9

番号

表 3

参照)

箇条

番号

3≦d

4.5 mm,

d

0

d

3,min

b及び

l≧6.5d

a) 

d

4.5 mm,

d

0

≧3 mm,

b及び

ld

26 mm

a) 

3≦d

4.5 mm,

d

0

d

3,min

b及び

l≧6.5d

a), b), c)

4.5≦d

16 mm,

d

0

d

3,min

b及び

ld

26 mm

a), d), e)

d

16 mm,

d

0

≧0.75d

s

b及び

l≧5.5d

8 mm

a), f), g)

1

最小引張強さ,R

m,min

機 械 加 工 試 験
片の引張試験

9.7 

2

最小下降伏点,R

eL,min

h) 

h) 

NF NF NF 

3

最小 0.2 %耐力,R

p0.2

NF

h)

NF

h)

NF 

6

最小破断伸び,A

min

7

最小絞り,Z

min

NF NF  

10 
11 
12

硬さ

硬さ試験

9.9 

13

最大表面硬さ

浸炭試験

9.11

NF NF  

14

非浸炭部

NF NF  

15

非脱炭部の高さ 
完全脱炭層の深さ

脱炭試験

9.10

NF NF  

18

最小衝撃強さ, 
K

v,min

衝撃試験 
d≧16 mm 及び
l

i)

又は l

t

≧55

mm

j)

9.14

NF 

k) 

NF 

19

表面状態

l)

表面欠陥検査

9.15

a)

  植込みボルトの全長の最小値を求める際には,長さの式に 1を加算する。

b)

  l≧5のボルト及び小ねじは,Z

min

を求める。

c)

  l

t

≧6の植込みボルトは,Z

min

を求める。

d)

  ld+20 mm のボルト及び小ねじは,Z

min

を求める。

e)

  l

t

≧2d+20 mm の植込みボルトは,Z

min

を求める。

f)

  l≧4d+8 mm のボルト及び小ねじは,Z

min

を求める。

g)

  l

t

≧5d+8 mm の植込みボルトは,Z

min

を求める。

h)

  下降伏応力 R

eL

が求められない場合には,0.2 %耐力 R

p0.2

による。

i)

  頭の高さも含めてよい。

j)

  衝撃試験を行う際には,これらの特定の寸法の制限は,この表の強度区分欄に記されている制限の代わりに

適用する。

k)

  強度区分 5.6 だけに適用する。

l)

  機械加工前に評価する。

適用可:試験は箇条 に従って実施可能であり,疑義が生じた場合,試験は箇条 に従って行う。 

適用可であるが,特に要求があった場合に実施:代替試験(例えば,引張試験の代替としてねじり試
験)

,製品規格で要求された試験又は購入者の要求による試験(例えば,衝撃試験)で,箇条 に従

って実施可能である。

適用不可:おねじ部品の形状及び/又は寸法の要因(例えば,試験に際して短すぎる,頭がない)で
試験ができないか,又は特定の種類のおねじ部品だけに適用する試験(例えば,焼入焼戻しを施した

おねじ部品に対する試験)であるので,試験を行わない。

NF 


20

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

表 13−試験シリーズ MP2−完全な負荷能力をもつおねじ部品によって求められる材料の性質

性質

試験方法

強度区分

番号

表 3

参照)

箇条

番号

4.6,5.6

4.8,5.8,

6.8

8.8,9.8,10.9,

12.9/12.9

d≧3 mm,l≧2.7d

a)

及び b≧2.2d

1

最小引張強さ,R

m,min

完成したおねじ部品の引張試験

9.2 

d) 

d) 

d) 

4

最小 0.004 8耐力,R

pf,min

  フルサイズおねじ部品の引張試験

9.3 

b) 

c) 

5

保証荷重応力,S

p,nom

完成したおねじ部品の保証荷重試

9.6 

d) 

d) 

d) 

8

最小破断伸び,A

f,min

フルサイズおねじ部品の引張試験

9.3 

e) 

e) 

10 
11 
12

硬さ

硬さ試験

9.9 

13

最大表面硬さ

浸炭試験

9.11

NF NF 

14

非浸炭部

NF NF 

15

非脱炭部の高さ

完全脱炭層の深さ

脱炭試験

9.10

NF NF 

16

再焼戻し後の硬さ低下

再焼戻し試験

9.12

NF NF 

f) 

19

表面状態

表面欠陥検査

9.15

a)

  植込み側のねじ部の強さがナット側より大きい植込みボルト,又は l

t

≧3.2の全ねじの植込みボルトに適用す

る。

b)

  強度区分 4.6 及び 5.6 の 0.004 8耐力 R

pf,min

は,

表 に規定していない。

c)

  値は,未定である。

d)

  l≧2.5及び b≧2.0に適用する。

e)

  A

f

の値は,

附属書 C(参考)による。

f)

  この試験は,疑義が生じた場合に判定の試験として行う。

適用可:試験は箇条 に従って実施可能であり,疑義が生じた場合,試験は箇条 に従って行う。 

適用可であるが,特に要求があった場合に実施:代替試験(例えば,引張試験の代替としてねじり試
験)

,製品規格で要求された試験又は購入者の要求による試験(例えば,衝撃試験)で,箇条 に従

って実施可能である。

適用不可:おねじ部品の形状及び/又は寸法の要因(例えば,試験に際して短すぎる,頭がない)で
試験ができないか,又は特定の種類のおねじ部品だけに適用する試験(例えば,焼入焼戻しを施した
おねじ部品に対する試験)であるので,試験を行わない。

9

試験方法

9.1

ボルト及び小ねじのくさび引張試験

9.1.1

一般

この引張試験の目的は,次の機械的性質を同時に求めることである。

−  ボルト及び小ねじの引張強さ R

m

−  頭部と円筒部又は頭部とねじ部との間の移行域の健全性

9.1.2

適用

この試験は,次の条件のフランジ付き又はなしのボルト及び小ねじに適用する。

−  平らな座面又は刻みを付けた座面

−  ねじ部より頭部が強い

−  円筒部より頭部が強い

NF 


21

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

−  円筒部の径 d

s

が,d

s

d

2

又は d

s

d

2

−  呼び長さ が,l≧2.5d

−  ねじ部長さ が,b≧2.0d

−  b<2の鋼構造用ボルト

−  ねじの呼び径 が,3 mm≦d≦39 mm

−  全強度区分

9.1.3

装置

引張試験機は,JIS B 7721 による。

図 及び表 16 に規定されているくさび角度 α の効果を変えるような

供試体取付け具は,使用してはならない。

9.1.4

試験器具

供試体取付け具,くさび及びアダプタは,次の事項を満足しなければならない。

−  硬さが 45HRC 以上

−  めねじアダプタのねじの公差域クラスは,

表 14 による。

−  ボルト穴径 d

h

は,

表 15 による。

−  くさびは,

図 1,表 15 及び表 16 による。

表 14−めねじアダプタのねじの公差域クラス

おねじ部品の仕上げ

ねじの公差域クラス

表面処理前のおねじ部品のねじ

めねじアダプタのねじ

製造された状態 6h,6g 6H 
JIS B 1044 による電気めっき 6g,6e,6f 6H 
JIS B 1046 による亜鉛フレーク皮膜 6g,6e,6f 6H 
ねじ立て後,次の公差域クラスとなるナット

と組み合う JIS B 1048 による溶融亜鉛めっき

− 6H

− 6AZ

− 6AX

 

6az

6g,6h 
6g,6h

 

6H

6AZ

6AX

頭部と円筒部又はねじ部との間の移行域に曲げが確実に発生するように,試験器具は十分な剛性がなけ

ればならない。


22

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

a)

  丸み又は 45°面取り(表 15 参照)

図 1−ボルトのくさび引張試験

表 15−くさびのボルト穴径及び丸み

単位  mm

呼び径

d

h

a), b)

r

1

c)

呼び径

d

h

a), b)

r

1

c)

最小

最大

最小

最大

3 3.4

3.58

0.7

16

17.5

17.77

1.3

3.5 3.9 4.08

0.7  18 20 20.33 1.3

4 4.5

4.68

0.7

20

22

22.33

1.6

5 5.5

5.68

0.7

22

24

24.33

1.6

6 6.6

6.82

0.7

24

26

26.33

1.6

7 7.6

7.82

0.8

27

30

30.33

1.6

8 9 9.22

0.8

30

33

33.39

1.6

10  11 11.27

0.8 33 36 36.39 1.6

12 13.5

13.77

0.8 36 39 39.39

1.6

14 15.5

15.77

1.3 39 42 42.39

1.6

a)

  JIS B 1001 の 2 級による。

b)

  角根頭ボルトの場合は,穴は角根に合わせる。

c)

  部品等級 C の場合は,丸み r

1

を次のようにする。

r

1

r

max

+0.2

ここに,

2

min

s,

max

a,

max

d

d

r

=

表 16−くさび引張試験用くさびの角度 α

呼び径

d

mm

円筒部長さ l

s

が 2以上のもの

全ねじ及び円筒部長さ l

s

が 2未満のもの

適用する強度区分

適用する強度区分

4.6,4.8,5.6,5.8,

6.8,8.8,9.8,10.9

12.9/12.9

4.6,4.8,5.6,5.8,

6.8,8.8,9.8,10.9

12.9/12.9

α±30′

3≦d≦20 10°

20<d≦39 6°

頭部座面の径が 1.7を超えるボルト及び小ねじで,くさび引張試験に合格しなかった場合は,頭部座面


23

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

径が 1.7になるまで機械加工し,

表 16 に規定されたくさび角度で再試験をしてもよい。また,頭部座面

の径が 1.9を超えるボルト及び小ねじでは,10°のくさびの代わりに 6°のくさびを用いてもよい。

9.1.5

試験手順

おねじ部品は,受け取った状態で試験する。

9.1.4 に規定するくさびは,図 に示すようにボルト又は小ねじの頭部座面の下にセットする。力が作用

する遊びねじ部長さ l

th

は,1以上とする。

ねじ部長さの短い鋼構造用ボルトの場合のくさび引張試験では,遊びねじ部長さ l

th

を 1未満としても

よい。

くさび引張試験は,

JIS Z 2241 に基づいて行う。無負荷状態におけるクロスヘッド試験速度は,25 mm/min

を超えてはならない。

くさび引張試験は,ボルト又は小ねじが破断するまで続けなければならない。

極限引張力 F

m

を測定する。

9.1.6

試験結果

9.1.6.1  引張強さ R

m

の求め方

9.1.6.1.1  方法

引張強さ R

m

の計算は,ねじの有効断面積 A

s,nom

及び試験によって測定した極限引張力 F

m

から次の式に

よる。

nom

s,

m

m

A

F

R

=

ここに,

2

3

2

nom

s,

2

4

π

+

=

d

d

A

ここに,

d

2

JIS B 0205-4 によるおねじ有効径の基準寸法

d

3

おねじの谷の径

6

1

3

H

d

d

=

ここに,

d

1

JIS B 0205-4 によるおねじの有効径の基準寸法

H

JIS B 0205-1 によるとがり山の高さ

ねじの有効断面積

A

s,nom

の値は,

表 及び表 に示す。

9.1.6.1.2

要求事項

d

s

d

2

のボルト及び小ねじ,全ねじのボルト及び小ねじは,破断が遊びねじ部で発生しなければならな

い。

d

s

d

2

のボルト及び小ねじは,破断が遊びねじ部又は円筒部で発生しなければならない。

R

m

は,

表 の規定を満足しなければならない。

F

m

は,

表 及び表 に規定する最小極限引張力

F

m,min

を満足しなければならない。

注記

呼び径が小さなものでは,ねじの有効断面積と実際の応力面積との差が大きくなる。硬さを工

程管理に使用する場合,最小極限引張力を満足させるために,小径のものの硬さを

表 に規定

する最小硬さの値より大きくしなければならないことがある。

9.1.6.2

頭部と円筒部,又は頭部とねじ部との間の移行域の健全性の求め方(要求事項)

破断は,頭部で発生してはならない。

ねじのない円筒部をもつボルト及び小ねじは,破断が頭部と軸部との移行域で生じてはならない。


24

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

全ねじのものでは,破断を引き起こす亀裂が遊びねじ部で発生し,破断する前に,その亀裂が頭部とね

じ部との移行域又は頭部へ延び広がる場合がある。

9.2

おねじ部品の引張強さ R

m

を求めるための引張試験

9.2.1

一般

この引張試験の目的は,おねじ部品の引張強さ

R

m

を求めることである。

この試験は,9.3 で規定する試験を兼ねることができる。

9.2.2

適用

この試験は,次の条件のおねじ部品に適用する。

ねじ部より頭部が強いボルト及び小ねじ

円筒部より頭部が強いボルト及び小ねじ

円筒部径

d

s

が,

d

s

d

2

又は

d

s

d

2

呼び長さ

l

が,

l

2.5d

のボルト及び小ねじ

ねじ部長さ

b

が,

b

2d

ねじ部長さ

b

が,

b

2d

の鋼構造用ボルト

全長

l

t

が,

l

t

3d

の植込みボルト

ねじの呼び径

d

が,

3 mm

d

39 mm

全強度区分

9.2.3

装置

引張試験機は,JIS B 7721 による。供試体に軸方向以外の力が加わらないように,例えば,自動調心形

の供試体取付具を使用する。

9.2.4

試験器具

供試体取付具及びアダプタは,次の事項を満足しなければならない。

硬さが

45HRC

以上

ボルト穴径

d

h

は,

表 15 による。

めねじアダプタのめねじの公差域クラスは,

表 14 による。


25

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

a)  呼び径六角ボルト 

b)  全ねじボルト 

c)  植込みボルト 

d)  全ねじ植込みボルト 

1

植込み側

2

ナット側

d

h

  ボルト穴径

l

th

  遊びねじ部長さ

図 2−フルサイズおねじ部品に対する引張試験のセット状態の例

9.2.5

試験手順

おねじ部品は,受け取った状態で試験する。

ボルト及び小ねじを,

図 の a

)

及び b

)

に示すようにアダプタに取り付ける。植込みボルトは,

図 の c

)

及び d

)

に示すように二つのめねじアダプタに取り付ける。ねじのはめあい長さは,

1d

以上とする。

力が作用する遊びねじ部長さ

l

th

は,

1d

以上とする。

ただし,この試験を 9.3 の試験と兼ねて行う場合には,力が作用する遊びねじ部長さ

l

th

は,

1.2d

とする。

ねじ部長さの短い鋼構造用ボルトの場合には,遊びねじ部長さ

l

th

1d

未満として試験をしてもよい。

引張試験は,JIS Z 2241 に基づいて行う。無負荷状態のクロスヘッドで求める試験速度は,

25 mm/min

を超えてはならない。

引張試験は,おねじ部品が破断するまで続けなければならない。

極限引張力

F

m

を測定する。

9.2.6

試験結果

9.2.6.1

方法

計算方法は,9.1.6.1 による。

9.2.6.2

要求事項

d

s

d

2

のおねじ部品は,破断が遊びねじ部で発生しなければならない。


26

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

d

s

d

2

のおねじ部品は,破断が遊びねじ部又は円筒部で発生しなければならない。

全ねじのものでは,破断を引き起こす亀裂が遊びねじ部で発生し,破断する前に,その亀裂が頭とねじ

部との移行域又は頭部へ延び広がる場合がある。

R

m

は,

表 の規定を満足しなければならない。

F

m

は,

表 及び表 に規定する最小極限引張力

F

m,min

を満足しなければならない。

注記

呼び径が小さなものでは,ねじの有効断面積と実際の応力面積との差が大きくなる。硬さを工

程管理に使用する場合,最小極限引張力を満足させるために,小径のものの硬さを

表 に規定

する最小硬さの値より大きくしなければならないことがある。

9.3

フルサイズのおねじ部品の破断伸び A

f

及び 0.004 8耐力 R

pf

を求めるための引張試験

9.3.1

一般

この引張試験の目的は,次の機械的性質を同時に求めることである。

フルサイズおねじ部品の破断伸び

A

f

フルサイズおねじ部品の

0.004 8d

耐力

R

pf

この試験は,9.2 で規定する試験を兼ねることができる。

9.3.2

適用

この試験は,次の条件のおねじ部品に適用する。

ねじ部より頭部が強いボルト及び小ねじ

円筒部より頭部が強いボルト及び小ねじ

円筒部径

d

s

が,

d

s

d

又は

d

s

d

呼び長さ

l

が,

l

2.7d

のボルト及び小ねじ

ねじ部長さ

b

が,

b

2.2d

全長

l

t

が,

l

t

3.2d

の植込みボルト

ナット側より植込み側が強い植込みボルト

ねじの呼び径

d

が,

3 mm

d

39 mm

全強度区分

9.3.3

装置

引張試験機は,JIS B 7721 による。供試体に軸方向以外の力が加わらないように,例えば,自動調心形

の供試体取付け具を使用する。

9.3.4

試験器具

供試体取付け具及びアダプタは,次の事項を満足しなければならない。

硬さが

45HRC

以上

ボルト穴径

d

h

は,

表 15 による。

めねじアダプタのめねじの公差域クラスは,

表 14 による。

試験装置は,

0.004 8d

の比例しない伸びを生じさせる力

F

pf

又は破断伸び

A

f

を求める際に影響するよう

な変形を避けるために,十分な剛性をもったものとする。

9.3.5

試験手順

おねじ部品は,受け取った状態で試験する。

ボルト及び小ねじを,

図 の a

)

及び b

)

に示すようにアダプタに取り付ける。植込みボルトは,

図 の c

)

及び d

)

に示すように二つのめねじアダプタに取り付ける。ねじのはめあい長さは,

1d

以上とする。

力が作用する遊びねじ部長さ

l

th

は,

1.2d

とする。


27

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

注記

  l

th

1.2d

にセットするための方法として,次の方法が提案されている。

最初に,めねじアダプタへおねじ部品の不完全ねじ部までねじ込む。次に,

l

th

1.2d

に相当するピッチ

分だけおねじ部品を回してめねじアダプタから抜き出す。

引張試験は,JIS Z 2241 に基づいて行う。無負荷状態のクロスヘッドで求める試験速度は,

0.004 8d

伸びを生じる力

F

pf

に達するまでは

10 mm/min

を超えてはならず,それ以降は

25 mm/min

を超えてはなら

ない。

おねじ部品の伸びに対する試験力

F

を,適切な電子機器(例えば,マイクロプロセッサ)によるか又は

直接,おねじ部品が破断するまで連続的に測定し,試験力−伸び曲線を求める(JIS Z 2241 参照)

容認される正確な図示による測定のために,曲線のスケールは,弾性域における直線の勾配(曲線の直

線部)が試験力軸に対して

30

°と

45

°との間になるようにセットするのがよい。

9.3.6

試験結果

9.3.6.1

破断伸び A

f

の求め方

9.3.6.1.1

方法

塑性伸び

ΔL

p

は,

自動的又は図示的方法によって描いた試験力−伸び曲線から直接読み取る

図 参照)。

弾性域に対応する部分(曲線の直線部)の勾配を求める。弾性域における勾配の直線と平行な直線とが

破断点を通るように描き,その直線が伸び軸と交差する点を求める(

図 参照)。塑性伸び

ΔL

p

は,

図 3

に示すように,伸びの軸上で求める。

a)

  破断点

図 3−破断伸び A

f

を求めるための試験力−伸び曲線

弾性域の曲線において,直線部分が明瞭でない場合には,弾性域の勾配は,

0.4F

p

及び

0.7F

p

に対応する

2

点の値を結ぶ直線の勾配として求める。ここで,

F

p

は,

表 及び表 に規定する保証荷重試験力である。

フルサイズおねじ部品の破断伸び

A

f

の計算は,次式による。

d

L

A

2

.

1

Δ

p

f

=

9.3.6.1.2  要求事項

強度区分 4.8,5.8 及び 6.8 のおねじ部品の A

f

は,

表 の規定を満足しなければならない。


28

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

9.3.6.2  0.004 8耐力 R

pf

の求め方

9.3.6.2.1  方法

0.004 8耐力 R

pf

は,試験力−伸び曲線から直接求める(

図 参照)。

図 40.004 8耐力 R

pf

を求めるための試験力−伸び曲線

弾性域における直線(曲線の直線部)の勾配と平行な直線を,伸び軸の上において 0.004 8の点を通る

ように描く。この直線と試験力−伸び曲線との交点の試験力を F

pf

として決定する。

注記 0.004

8は,1.2の 0.4 %である。

弾性域の曲線において,直線部分が明瞭でない場合には,弾性域の勾配は,0.4F

p

及び 0.7F

p

に対応する

2 点の値を結ぶ直線の勾配として求める。ここで,F

p

は,

表 及び表 に規定する保証荷重試験力である。

フルサイズおねじ部品の 0.004 8d 耐力 R

pf

の計算は,次式による。

nom

s,

pf

pf

A

F

R

=

                    ここに,A

s,nom

は,9.1.6.1 による。

9.3.6.2.2  要求事項

要求事項は,規定していない。

注記 1  R

pf

の規定値は,調査中である。情報については,

表 3[番号 4 の注

e)

]を参照する。

注記 2  フルサイズおねじ部品の試験によって得られる降伏応力の値は,機械加工試験片による場合

と異なり,製造方法,試験方法及びサイズの影響によって変化する。

9.4

頭部の形状的要因によって遊びねじ部で破断が予期されないボルト及び小ねじの引張試験

9.4.1

一般

この引張試験の目的は,負荷能力が低下した,すなわち頭部の形状的要因によって遊びねじ部で破断が

予期されないボルト及び小ねじの極限引張力 F

m

を求めることである(8.2 参照)

9.4.2

適用

この試験は,次の条件のボルト及び小ねじに適用する。

−  頭部の形状的要因によって遊びねじ部で破断が予期されないもの

−  円筒部径 d

s

が,d

s

d

2

又は d

s

d

2

−  呼び長さ が,l≧2.5d


29

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

−  ねじ部長さ が,b≧2d

−  ねじの呼び径 が,3 mm≦d≦39 mm

−  全強度区分

9.4.3

装置

引張試験機は,JIS B 7721 による。供試体に軸方向以外の力が加わらないように,例えば,自動調心形

の供試体取付け具を使用する。

9.4.4

試験器具

供試体取付け具及びアダプタは,次の事項を満足しなければならない。

−  硬さが 45HRC 以上

−  ボルト穴径 d

h

は,

表 15 による。

−  めねじアダプタのめねじの公差域クラスは,

表 14 による。

9.4.5

試験手順

ボルト及び小ねじは,受け取った状態で試験する。

ボルト及び小ねじを,

図 の a)及び b)に示すようにアダプタに取り付ける。

力が作用する遊びねじ部長さ l

th

は,1とする。

引張試験は,JIS Z 2241 に基づいて行う。無負荷状態のクロスヘッドで求める試験速度は,25 mm/min

を超えてはならない。

引張試験は,ボルト及び小ねじが破断するまで続けなければならない。

極限引張力 F

m

を測定する。

9.4.6

試験結果−要求事項

極限引張力 F

m

は,関連する製品規格又は他の仕様で規定する最小極限引張力を満足しなければならな

い。

9.5

伸び軸をもつおねじ部品の引張試験

9.5.1

一般

この引張試験の目的は,伸び軸をもつおねじ部品の引張強さ R

m

を求めることである(8.2 参照)

9.5.2

適用

この試験は,次の条件のおねじ部品に適用する。

−  円筒部径 d

s

が,d

s

d

2

−  伸び軸部の長さが,3d

s

以上(

図 の L

c

参照)

−  ねじ部長さ が,b≧1d

−  ねじの呼び径 が,3 mm≦d≦39 mm

−  強度区分が,4.6,5.6,8.8,9.8,10.9 及び 12.9/12.9

9.5.3

装置

引張試験機は,JIS B 7721 による。供試体に軸方向以外の力が加わらないように,例えば,自動調心形

の供試体取付け具を使用する。

9.5.4

試験器具

供試体取付け具及びアダプタは,次の事項を満足しなければならない。

−  硬さが 45HRC 以上

−  ボルト穴径 d

h

は,

表 15 による。

−  めねじアダプタのめねじの公差域クラスは,

表 14 による。


30

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

9.5.5

試験手順

おねじ部品は,受け取った状態で試験する。

ボルト及び小ねじを,

図 の a)に示すようにアダプタに取り付ける。植込みボルトは,図 の c)に示す

ように二つのめねじアダプタに取り付ける。ねじのはめあい長さは,1以上とする。

引張試験は,JIS Z 2241 に基づいて行う。無負荷状態のクロスヘッドで求める試験速度は,25 mm/min

を超えてはならない。

引張試験は,おねじ部品が破断するまで続けなければならない。

極限引張力 F

m

を測定する。

9.5.6

試験結果

9.5.6.1  方法

引張強さ R

m

の計算は,

伸び軸の断面積 A

ds

と試験によって測定した極限引張力 F

m

とから次の式による。

ds

m

m

A

F

R

=

ここに,

2

s

ds

4

π

d

A

=

9.5.6.2  要求事項

破断は,おねじ部品の伸び軸部で発生しなければならない。

R

m

は,

表 の規定を満足しなければならない。

9.6

おねじ部品の保証荷重試験

9.6.1

一般

保証荷重試験は,次の二つの作業から構成される。

−  製品に規定の引張りの保証荷重試験力を負荷する(

図 参照)。

−  負荷した保証荷重試験力によって永久伸びが生じたかどうかを測定する。

9.6.2

適用

この試験は,次の条件のおねじ部品に適用する。

−  ねじ部より頭部が強いボルト及び小ねじ

−  円筒部より頭部が強いボルト及び小ねじ

−  円筒部径

d

s

が,

d

s

d

2

又は

d

s

d

2

−  呼び長さ

l

が,

l

≧2.5

d

のボルト及び小ねじ

−  ねじ部長さ

b

が,

b

≧2

d

−  全長

l

t

が,

l

t

≧3

d

の植込みボルト

−  ねじの呼び径

d

が,3 mm≦

d

≦39 mm

−  全強度区分

9.6.3

装置

引張試験機は,JIS B 7721 による。供試体に軸方向以外の力が加わらないように,例えば,自動調心形

の供試体取付け具を使用する。

9.6.4

試験器具

供試体取付け具及びアダプタは,次の事項を満足しなければならない。

−  硬さが 45HRC 以上

−  ボルト穴径

d

h

は,

表 15 による。


31

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

−  めねじアダプタのめねじの公差域クラスは,

表 14 による。

a)  ボルトの試験装置の例 

b)  全ねじボルトの試験装置の例 

c)  植込みボルトの試験装置の例 

d)  全ねじ植込みボルトの試験装置の例 

1

植込み側

2

ナット側

d

h

  ボルト穴径

l

th

  遊びねじ部長さ

A−A は,測定子の先端とおねじ部品の端面にドリル加工した円すい形状の穴との接触が“円すい面に対して球”と

した例である。他の適切な方法を用いてもよい。

図 5−保証荷重試験のセット状態の例

9.6.5

試験手順

おねじ部品は,受け取った状態で試験する。

おねじ部品の端面には,例えば,

図 の A−A に示すような適切な加工をする。長さの測定は,球面の

アンビルをもった測定器によるか又は他の適切な方法によって行わなければならない。温度の影響による

測定誤差を最小限にとどめるために手袋又は挟み道具を用いる。保証荷重試験力を負荷する前におねじ部

品の全長

l

0

を測定する。

試験されるおねじ部品を,

図 の a)  又は b)  に示すようにアダプタに取り付ける。植込みボルトの場合

には,

図 の c)  又は d)に示すように二つのめねじアダプタを用いる。ねじのはめあい長さは,1

d

以上と

する。

力が作用する遊びねじ部長さ

l

th

は,1

d

とする。

注記

l

th

=1

d

にセットするための方法として,次の方法が提案されている。


32

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

最初に,めねじアダプタへおねじ部品の不完全ねじ部までねじ込む。次に,

l

th

=1

d

に相当するピッチ分

だけおねじ部品を回してめねじアダプタから抜き出す。

表 又は表 に規定する保証荷重試験力を,おねじ部品の軸方向に負荷する。

無負荷状態のクロスヘッドで求める試験速度は,3 mm/min を超えてはならない。保証荷重試験力を,15

秒間保持する。

負荷した保証荷重試験力を除去した後のおねじ部品の全長

l

1

を測定する。

9.6.6

試験結果−要求事項

測定誤差の許容値が±12.5 µm の範囲内で,負荷した保証荷重試験力を除去した後のおねじ部品の全長

l

1

は,保証荷重試験力を負荷する前のおねじ部品の全長

l

0

と同一でなければならない。

保証荷重試験力を最初に負荷する際に,真直度,ねじのがたつき,測定の不確かさなどによる変量が,

おねじ部品の見かけ上の伸びとして表れることがある。その場合には,

表 又は表 に規定する保証荷重

試験力より 3 %大きい保証荷重試験力を用いて,9.6.5 に従って再度試験を行う。

測定誤差の許容値が±12.5 µm の範囲内で,2 回目の保証荷重試験力を除去した後のおねじ部品の全長

l

2

は,2 回目の保証荷重試験力を負荷する前のおねじ部品の全長

l

1

と同一でなければならない。

9.7

機械加工試験片の引張試験

9.7.1

一般

この引張試験の目的は,次の機械的性質を求めることである。

−  引張強さ

R

m

−  下降伏応力

R

eL

又は 0.2 %耐力

R

p0.2

−  破断伸び

A

−  絞り

Z

9.7.2

適用

この試験は,次の条件のおねじ部品に適用する。

a)  機械加工試験片とするボルト及び小ねじ

−  ねじの呼び径

d

が,3 mm≦

d

≦39 mm

−  ねじ部長さ

b

が,

b

≧1

d

A

を求める場合には,呼び長さ

l

≧6

d

0

+2

r

+2

d

図 参照)

Z

を求める場合には,呼び長さ

l

≧4

d

0

+2

r

+2

d

図 参照)

b)  機械加工試験片とする植込みボルト

−  ねじの呼び径

d

が,3 mm≦

d

≦39 mm

−  ねじ部長さ

b

が,

b

≧1

d

A

を求める場合には,全長

l

t

≧6

d

0

+2

r

+2

d

図 参照)

Z

を求める場合には,全長

l

t

≧4

d

0

+2

r

+2

d

図 参照)

c)  強度区分が 4.6,5.6,8.8,9.8,10.9 及び 12.9/12.9

注記  機械加工試験片は,頭部の形状的要因によって負荷能力が低いボルト及び小ねじから,頭部が

断面積

S

0

の円筒部より強くなるように作成する。円筒部径

d

s

が,

d

2

未満のおねじ部品について

も同じである(8.2 参照)

強度区分 4.8,5.8 及び 6.8 のおねじ部品(加工硬化したおねじ部品)は,フルサイズ状態で引張試験を

行う(9.3 参照)


33

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

9.7.3

装置

引張試験機は,JIS B 7721 による。供試体に軸方向以外の力が加わらないように,例えば,自動調心形

の供試体取付け具を使用する。

9.7.4

試験器具

供試体取付け具及びアダプタは,次の事項を満足しなければならない。

−  硬さが 45HRC 以上

−  ボルト穴径

d

h

は,

表 15 による。

−  めねじアダプタのめねじの公差域クラスは,

表 14 による。

9.7.5

機械加工試験片

試験片は,受け取った状態のおねじ部品から機械加工する。

図 に示すように機械加工した試験片を引

張試験に用いる。

機械加工試験片の径

d

0

は,

d

3,min

以下とする。ただし,

d

0

は,可能な限り 3 mm 以上とする。

ねじの呼び径

d

が 16 mm を超える焼入焼戻しされたおねじ部品から試験片を削り出す場合には,試験片

の径

d

0

は,元の直径から 25 %(元の断面積の約 44 %)以上細くしてはならない。植込みボルトから試験

片を削り出す場合には,両端に 1

d

以上のねじ部長さを確保する。

9.7.6

試験手順

引張試験は,JIS Z 2241 に基づいて行う。無負荷状態のクロスヘッドで求める試験速度は,下降伏応力

R

eL

又は 0.2 %耐力

R

p0.2

に対応する試験力に達するまでは 10 mm/min を超えてはならず,それ以降は,25

mm/min を超えてはならない。

引張試験は,機械加工試験片が破断するまで続けなければならない。

極限引張力

F

m

を測定する。

d

ねじの呼び径

d

0

  機械加工試験片の径(d

0

d

3,min

ただし,可能な限り

d

0

≧3 mm)

b

ねじ部長さ(bd

L

0

  機械加工試験片の標点距離

−  破断伸びを求める場合:L

0

=5d

0

(又は,

0

65

.

5

−  絞りを求める場合:L

0

≧3d

0

L

c

  機械加工試験片の平行部長さ(L

0

d

0

L

t

  機械加工試験片の全長(L

c

+2rb

S

0

  機械加工試験片の試験前の断面積

r

肩部の丸み半径(r≧4 mm)

図 6−引張試験用の機械加工試験片


34

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

9.7.7

試験結果

9.7.7.1  方法

次の機械的性質は,JIS Z 2241 の方法によって求める。

a)  引張強さ

R

m

0

m

m

S

F

R

=

b)  下降伏応力

R

eL

又は 0.2 %耐力

R

p0.2

c)

L

0

が 5

d

0

以上である機械加工試験片の破断伸び

A

100

0

0

u

×

=

L

L

L

A

ここに,

L

u

は,機械加工試験片の破断後の最終標点距離である(JIS Z 2241 参照)

d

)

L

0

3

d

0

以上である機械加工試験片の絞り

Z

100

0

u

0

×

=

S

S

S

Z

ここに,

S

u

は,機械加工試験片の破断後の最小断面積である。

9.7.7.2

要求事項

次の事項は,

表 の規定を満足しなければならない。

引張強さ

R

m

下降伏応力

R

eL

又は

0.2 %

耐力

R

p0.2

破断伸び

A

絞り

Z

9.8

頭部打撃試験

9.8.1

一般

頭部打撃試験は,与えられた角度をもったブロックに挿入されたボルト及び小ねじの頭部を打撃するこ

とによって,頭部と円筒部又は頭部とねじ部との間の移行域の健全性を確認することを目的とする。

注記

この試験は,ボルト及び小ねじの呼び長さが短くて,くさび引張試験ができない場合に行う。

9.8.2

適用

この試験は,次の条件のボルト及び小ねじに適用する。

頭部がねじ部より強い

呼び長さ

l

が,

l

1.5d

ねじの呼び径

d

が,

d

10 mm

全ての強度区分

9.8.3

試験器具

図 に示すブロックは,次の事項を満足しなければならない。

硬さが

45HRC

以上

ボルト穴径

d

h

及び丸み

r

1

は,

表 15 による。

厚さが,

2d

以上

角度

β

は,

表 17 による。


35

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

a)

  l≧1.5d

b)

  ブロックの最小厚さは 2とする。

図 7−頭部打撃試験のための試験器具

表 17−頭部打撃試験のためのブロックの角度 β

強度区分

4.6 5.6 4.8 5.8 6.8 8.8 9.8 10.9

12.9/12.9

β 

60° 80°

9.8.4

試験手順

ボルト及び小ねじは,受け取った状態で試験する。

頭部打撃試験は,

図 に示す試験器具を使用する。

ブロックは,しっかりと固定する。ブロックに差し込んだボルト又は小ねじの頭部をハンマで何回か打

撃して(

90

°−

β

)だけ曲げる。角度

β

は,

表 17 による。

曲げた後のボルト及び小ねじの観察は,

8

10

倍に拡大して行う。

9.8.5

試験結果−要求事項

頭部と円筒部との間の移行域に亀裂があってはならない。

全ねじのボルト及び小ねじの場合は,打撃によって頭部側の第

1

ねじ山に割れ目が生じても,頭部が切

り離されなければ合格とする。

9.9

硬さ試験

9.9.1

一般

硬さ試験の目的は,次の二つである。

引張試験が実施できない全てのおねじ部品に対して,おねじ部品の硬さを求めること。

引張試験(9.19.29.5 及び 9.7 を参照)が実施できるおねじ部品に対して,規定の最大硬さを超え

ていないことを調べるためにおねじ部品の硬さを求めること。

注記

硬さと引張強さとの間には,直接的な関係はないかもしれない。最大硬さの値は,理論的な最

大強さという考え以外の理由によって決められている[例えば,ぜい(脆)化を避けるため]

硬さは,おねじ部品のねじ部の軸直角断面(9.9.4.2 参照)又は適切な表面(9.9.4.3 参照)のいずれかで

求めることができる。


36

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

9.9.2

適用

この試験は,次の条件のおねじ部品に適用する。

全ての呼び径

全ての強度区分

9.9.3

試験方法

硬さは,ビッカース,ブリネル又はロックウェルの硬さ試験によって求めることができる。

a

)

ビッカース硬さ試験  ビッカース硬さ試験は,JIS Z 2244 による。

b

)

ブリネル硬さ試験  ブリネル硬さ試験は,JIS Z 2243 による。

c

)

ロックウェル硬さ試験  ロックウェル硬さ試験は,JIS Z 2245 による。

9.9.4

試験手順

9.9.4.1

一般

硬さ試験のためのおねじ部品は,受け取った状態とする。

9.9.4.2

ねじ部の軸直角断面で求められる硬さ

注記

用語“内部の硬さ”は,一般にこの試験方法で求めた硬さを指す。

軸直角断面は,ねじ部の先端から

1d

の位置とし,測定する表面は適切な前処理を行う。

硬さは,ねじの軸心を中心とする半径が

0.25d

の円の領域で測定する(

図 参照)。

1

ねじの軸心

2

半径が 0.25の円の領域

図 8−硬さを求めるための半径が 0.25の円の領域

9.9.4.3

表面で求められる硬さ

表面における硬さは,めっき及びその他の表面皮膜を取り除いた頭部の平らな表面,おねじ部品の端面

又は円筒部で求める。

この方法は,日常の検査に用いてもよい。

9.9.4.4

硬さを求める際の試験力

ビッカース硬さ試験の最小試験力は,

98 N

とする。

ブリネル硬さ試験の試験力は,

30D

2

/0.102 N

とする。

9.9.5

要求事項

引張試験ができないおねじ部品の硬さ及び引張試験の際に遊びねじ部長さ

l

th

1d

に満たない鋼構造用

ボルトの硬さは,

表 に規定する硬さの値の範囲内でなければならない。

遊びねじ部長さ

l

th

1d

以上で引張試験ができるおねじ部品及び機械加工試験片で引張試験ができる伸

びボルトの硬さは,

表 に規定する硬さの最大値を超えてはならない。

強度区分

4.6

4.8

5.6

5.8

及び

6.8

のおねじ部品では,9.9.4.3 によってねじの先端で求めた硬さが,

に規定する硬さの最大値を超えてはならない。

焼入焼戻しを施したおねじ部品では,半径が

0.25d

の円の領域内(

図 参照)で求めた硬さの値にビッ


37

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

カース硬さで

30

ポイントを超える差があった場合には,マルテンサイトの含有

90 %

の要求[

表 の注

f)

参照]が達成されているかどうか調べる。

強度区分

4.8

5.8

及び

6.8

の加工硬化したおねじ部品では,9.9.4.2 によって求めた硬さが,

表 に規定

する硬さの値の範囲内になければならない。

疑義が生じた場合には,ビッカース硬さ試験によって,9.9.4.2 で規定するねじ部の軸直角断面における

硬さを求める方法を,判定の試験に用いる。

9.10

脱炭試験

9.10.1

一般

脱炭試験の目的は,焼入焼戻しを施したおねじ部品の表面が脱炭しているか否かを検出すること及び完

全脱炭層の深さを求めることである。

注記

炭素量の消失(脱炭)は,

表 の規定限度を超えると,ねじ山の強度が低下して,破損の原因

となることがある。

脱炭に関する性質は,次の二つの方法を使用して求める。

顕微鏡による方法(9.10.2 参照)

硬さによる方法(9.10.3 参照)

顕微鏡による方法は,完全脱炭層の深さ

G

,フェライト脱炭の有無,及び生地金属の高さ

E

を求めるた

めに使用する(

図 参照)。

硬さによる方法は,微小硬さによって,生地金属の最小高さ

E

の要求事項が満たされているかどうかを

求めること及び脱炭の検出のために使用する(

図 10 参照)。

1

完全脱炭

2

部分脱炭又はフェライト脱炭

3

ピッチ線

4

生地金属

E  ねじ山の非脱炭部の高さ 
G  ねじ山の完全脱炭層の深さ 
H

1

  最大実体状態におけるねじ山の高さ

図 9−脱炭層

9.10.2

顕微鏡による方法

9.10.2.1

適用

この方法は,次の条件のおねじ部品に適用する。

全ての呼び径

強度区分が,

8.8

9.8

10.9

及び

12.9/12.9

9.10.2.2

試験片の準備

試験片は,全ての熱処理作業が終わったおねじ部品から採取する。表面処理を施したものは,皮膜を除


38

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

去する。

ねじ部の先端から約

1d

の位置におけるねじ部の軸心を含む長手方向の軸断面を削り出し,

それを試験片

とする。試験片をプラスチックに埋め込むか又は他の方法によって固定する。固定後,適切な金属学的処

理方法に従って,表面を研削及び研磨する。

注記

脱炭によって生じる微細組織の変化を調べるには,

3 %

ナイタル(濃硝酸のエチルアルコール

溶液)によってエッチングするのがよい。

9.10.2.3

試験手順

試験片を顕微鏡にセットする。特別な協定がない場合には,倍率

100

倍の顕微鏡を用いる。

顕微鏡が,すりガラスのスクリーン付き種類である場合には,脱炭部の程度をスケールによって直接測

定する。接眼鏡で測定する場合には,十字線又は尺度目盛をもつ種類のものを用いる。

9.10.2.4

要求事項

完全脱炭がある場合には,その深さ

G

の最大値が

表 の規定を満足しなければならない。非脱炭部の高

E

は,

表 18 の規定を満足しなければならない。さらに,脱炭部が図 の生地金属(

4

の層)の中にあっ

てはならない。

図 

2

の層においてフェライト脱炭は,ないことが望ましいが,9.10.3.4 に規定された硬さの要求事項

を満足している場合,そのことで受入拒否の理由にしてはならない。

表 18−最大実体におけるおねじ山の高さ H

1

及びねじ山の非脱炭部の最小高さ E

min

単位  mm

ねじのピッチ

P

a)

0.5

0.6 0.7 0.8

1 1.25

1.5

1.75

2 2.5 3 3.5

4

H

1

0.307 0.368 0.429 0.491 0.613 0.767 0.920 1.074 1.227 1.534 1.840 2.147 2.454

強度

区分

8.8,9.8  E

min

b)

 0.154 0.184 0.215 0.245 0.307 0.384 0.460 0.537 0.614 0.767 0.920 1.074 1.227

10.9

0.205 0.245 0.286 0.327 0.409 0.511 0.613 0.716 0.818 1.023 1.227 1.431 1.636

12.9/12.9

0.230 0.276 0.322 0.368 0.460 0.575 0.690 0.806 0.920 1.151 1.380 1.610 1.841

a)

  ピッチ が 1.25 mm 未満のものは,顕微鏡による方法だけとする。

b)

  表 の番号 14 の仕様を基に計算した値である。

9.10.3

硬さによる方法

9.10.3.1

適用

この方法は,次の条件のおねじ部品に適用する。

ピッチ

P

が,

P

1.25 mm

強度区分が,

8.8

9.8

10.9

及び

12.9/12.9

9.10.3.2

試験片の準備

試験片は,9.10.2.2 に従って準備する。ただし,エッチング及び皮膜の除去は必要ない。

9.10.3.3

試験手順

図 10 に示す点

1

及び点

2

でビッカース硬さを求める。試験力は,

2.942 N

(ビッカース硬さ

HV0.3

)と

する。


39

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

単位  mm

脱炭なし:HV(2)≧HV(1)−30

浸炭なし:HV(3)≦HV(1)+30

E

ねじ山の非脱炭部の高さ,mm

H

1

最大実体におけるおねじねじ山の高さ,mm

1,2,3  測定点(1 は,基準となる点) 
4

ピッチ線

a)

 0.14

mm は,ピッチ線上の距離として換算した値である。

図 10−脱炭試験及び浸炭試験における硬さの求め方

9.10.3.4

要求事項

表 18 で規定する

E

min

の点(

図 10 の点

2

)で測定したビッカース硬さ

HV(2)

は,

図 10 で示す点

1

で測定

したビッカース硬さ

HV(1)

より

30

ポイント小さい値以上でなければならない。非脱炭部の高さ

E

は,

18 に規定されている要求事項を満足しなければならない。

注記

硬さによる方法では,

表 で規定する完全脱炭層の深さ

G

の最大値を超えるかどうかを判定す

ることはできない。

9.11

浸炭試験

9.11.1

一般

浸炭試験の目的は,焼入焼戻しを施したおねじ部品の表面が,熱処理の間に浸炭していないことを判定

することである。

生地金属部の硬さの値と表面硬さの値との差は,

表面層の浸炭状態の評価に有効である。

さらに,表面硬さの最大値は,強度区分

10.9

及び

12.9/12.9

の硬さを超えてはならない。

注記

浸炭によって表面の硬さが増大すると,有害なぜい(脆)化又は耐疲労特性の低下を生じる。

浸炭によって生ずる表面の硬さの増大と,熱処理による硬さの増大又は熱処理後のねじ転造などの冷間

加工による硬さの増大とは,注意深く区別する必要がある。

浸炭は,次のいずれかの方法によって決定する。

軸断面における硬さ試験

表面における硬さ試験

ねじのピッチ

P

1.25 mm

以上のおねじ部品において,疑義が生じた場合には,9.11.2 による軸断面に

おける硬さ試験を判定の試験の方法とする。

9.11.2

軸断面における硬さ試験による方法

9.11.2.1

適用

この方法は,次の条件のおねじ部品に適用する。

ピッチ

P

が,

P

1.25 mm


40

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

強度区分が,

8.8

9.8

10.9

及び

12.9/12.9

9.11.2.2

試験片の準備

試験片は,9.10.2.2 に従って準備する。ただし,エッチング及び皮膜の除去は必要ない。

9.11.2.3

試験手順

図 10 に示す点

1

及び点

3

でビッカース硬さを求める。試験力は,

2.942 N

(ビッカース硬さ

HV0.3

)と

する。

試験片が 9.10.3.3 による試験で使用したものと同じである場合には,点

3

の硬さは,点

1

及び点

2

で硬

さを求めたねじ山と隣接するねじ山のピッチ線上で求める。

9.11.2.4

要求事項

3

で測定したビッカース硬さ

HV(3)

の値は,点

1

で測定したビッカース硬さ

HV(1)

より

30

ポイント大

きい値以下でなければならない。ビッカース硬さで

30

ポイントを超える増大は,浸炭とみなす。この要求

に加えて,表面硬さは

表 に規定されたように強度区分

10.9

に対しては

390HV0.3

,及び

12.9/12.9

に対し

ては

435HV0.3

を超えてはならない。

9.11.3

表面硬さ試験による方法

9.11.3.1

適用

この方法は,次の条件のおねじ部品に適用する。

全ての呼び径

強度区分が,

8.8

9.8

10.9

及び

12.9/12.9

9.11.3.2

試験片の準備

おねじ部品の頭部又は先端の適切な表面を,測定値の再現性を確保すると同時に,元の表面層の特性を

維持する程度に,最小の研削及び研磨によって仕上げる。

軸直角断面は,ねじ部の先端から

1d

の位置とし,測定する表面は,適切な前処理を行う。

9.11.3.3

試験手順

表面硬さは,9.9.4.3 の規定に従って準備した表面で求める。

生地金属の硬さは,軸直角断面(軸直角断面の場所及び準備については 9.9.4.2 による。

)で求める。

いずれの方法でも,硬さを求める際の試験力は,

2.942 N

(ビッカース硬さ

HV0.3

)とする。

9.11.3.4

要求事項

求められた表面硬さの値は,

生地金属の硬さよりビッカース硬さで

30

ポイントを超えて大きくてはなら

ない。ビッカース硬さで

30

ポイントを超える増大は,浸炭とみなす。この要求に加えて,表面硬さは

表 3

に規定されたように強度区分

10.9

に対しては

390HV0.3

,及び

12.9/12.9

に対しては

435HV0.3

を超えては

ならない。

9.12

再焼戻し試験

9.12.1

一般

再焼戻し試験は,熱処理工程において焼戻しが,規定の最低焼戻し温度以上で行われたかどうかを確認

することを目的とする。

この試験は,疑義が生じた場合の判定の試験である。

9.12.2

適用

この試験は,次の条件のおねじ部品に適用する。

全ての呼び径

強度区分が,

8.8

9.8

10.9

及び

12.9/12.9


41

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

9.12.3

試験手順

9.9.4.2 の規定に従って

1

個のおねじ部品に対して,

3

点の測定を行いビッカース硬さを求める。

このおねじ部品を,

表 で規定された最低焼戻し温度より

10

℃低い温度で

30

分間保持する再焼戻しを

行う。再焼戻し後に,再焼戻し前に硬さを求めたのと同じ面で,新たに

3

点の測定を行いビッカース硬さ

を求める。

9.12.4

要求事項

再焼戻し前後のおねじ部品で決定した,それぞれ

3

点のビッカース硬さの平均値を比較する。再焼戻し

後のおねじ部品の硬さが,

再焼戻し前のおねじ部品の硬さよりビッカース硬さで

20

ポイント以上小さくな

ってはならない。

9.13

ねじり試験

9.13.1

一般

ねじり試験の目的は,ボルト及び小ねじの破壊トルク

M

B

を求めることである。

9.13.2

適用

この試験は,次の条件のボルト及び小ねじに適用する。

ねじ部より頭部が強いボルト及び小ねじ

円筒部径

d

s

が,

d

s

d

2

又は

d

s

d

2

ねじ部長さ

b

が,

b

d

2P

ねじの呼び径

d

が,

1.6 mm

d

10 mm

全強度区分

注記

JIS B 1058 には,強度区分

4.6

4.8

5.6

5.8

及び

6.8

についての規定はない。

9.13.3

装置及び試験器具

装置及び試験器具は JIS B 1058 による。

9.13.4

試験手順

ボルト及び小ねじは,受け取った状態で試験する。

少なくとも

1d

のねじ部が JIS B 1058 に規定する試験器具の固定具にかみ合うようにボルト又は小ねじ

を固定する。固定具と頭部又は円筒部との間の遊びねじ部長さ

l

th

は,

2P

以上とする。トルクは,連続的

に増加させる方法で加える。

注記

関連する基礎的研究の結果,JIS B 1058

:1995

で規定されている遊びねじ部長さの値とかみ合い

長さの値とが入れ替わっていることが分かった。

9.13.5

試験結果

9.13.5.1

方法

破壊トルクの決定の方法は,JIS B 1058 による。

9.13.5.2

要求事項

破壊トルクに対する要求事項は,JIS B 1058 による。

疑義が生じた場合には,次による。

引張試験ができないボルト及び小ねじの場合は,9.9 に規定する硬さ試験が判定のための試験となる

引張試験ができるボルト及び小ねじの場合は,引張試験が判定のための試験となる

9.14

機械加工試験片の衝撃試験

9.14.1

一般

衝撃試験は,規定された低温域で衝撃力を加え,おねじ部品の材料のじん(靭)性を検査することを目


42

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

的とする。この試験は,製品規格で要求されている場合又は受渡当事者間で協定された場合だけに適用す

る。

9.14.2

適用

この試験は,次の条件のおねじ部品に適用する。

呼び径

d

が,

16 mm

以上

ボルトの全長(頭部を含む)が,

55 mm

以上

植込みボルトの全長

l

t

が,

55 mm

以上

強度区分が,

5.6

8.8

9.8

10.9

及び

12.9/12.9

9.14.3

装置及び試験器具

装置及び試験器具は JIS Z 2242 による。

9.14.4

機械加工試験片

試験片は,受け取った状態のおねじ部品から機械加工する。

機械加工試験片は,JIS Z 2242 に規定するシャルピー

V

ノッチ試験片とする。試験片は,おねじ部品の

表面にできるだけ近くまた,できるだけねじ部から採取し,軸心に平行に削り出す。試験片の切欠きのな

い側面は,おねじ部品の表面に近い側にする。

9.14.5

試験手順

機械加工試験片を−

20

℃で一定に保持する。衝撃試験は,JIS Z 2242 に基づいて行う。

9.14.6

要求事項

20

℃の温度で試験したとき,衝撃強さは,

表 の規定を満足しなければならない。

注記

この規格の規定と異なる試験温度及び衝撃強さの値が,製品規格又は製造業者と購入者間との

協定によって規定できる。

9.15

表面欠陥検査

表面欠陥は,受け取った状態のおねじ部品で検査する。

強度区分

4.6

10.9

のおねじ部品に対する表面欠陥の検査は,JIS B 1041 の規定による。製造業者と購入

者間との協定によって JIS B 1043 を適用してもよい。

強度区分

12.9/12.9

のおねじ部品に対する表面欠陥の検査は,JIS B 1043 の規定による。

試験シリーズ

MP1

(箇条 参照)の場合の表面欠陥の検査は,機械加工前のおねじ部品で行う。

10

表示

10.1

一般

この規格によって製造されたおねじ部品は,

箇条 の強度区分の表し方を適用し,

10.2 及び 10.3 又は 10.4

の規定によって表示を行わなければならない。しかし,箇条 の強度区分の表し方及び 10.3 又は 10.4 

よる表示は,この規格の全ての要求事項を満たす場合だけに適用する。

製品規格で特別の規定がない場合には,製品の頭部頂面に施した凸形の表示の高さは,製品の頭部高さ

の寸法に含めない。

10.2

製造業者の識別記号

製造業者の識別記号の表示は,強度区分を表示する全てのおねじ部品に対して,製造工程中に施さなけ

ればならない。強度区分の表示を施さないおねじ部品でも,製造業者の識別記号の表示を施すことを推奨

する。

販売業者の独自の識別表示があるおねじ部品に対し,販売業者を製造業者とみなす。


43

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

10.3

完全な負荷能力をもつおねじ部品の表示及び識別

10.3.1

一般

この規格によって製造された完全な負荷能力をもつおねじ部品には,10.3.210.3.3 及び 10.3.4 によって

表示を施す。

表示記号は,10.3.210.3.3 及び 10.3.4 で定めた範囲で製造業者の選択による。

10.3.2

強度区分の表示記号

強度区分の表示記号は,

表 19 による。

表 19−完全な負荷能力をもつおねじ部品に対する表示記号

強度区分 4.6 4.8 5.6 5.8 6.8 8.8 9.8 10.9

12.9 12.9

表示記号

a)

4.6 4.8 5.6 5.8 6.8 8.8 9.8 10.9 12.9 12.9

a)

  表示記号中の点“.”は,省略してもよい。

呼び径が小さいため又は頭部の形状の関係から,

表 19 の数字記号の表示ができないものは,表 20 に示

す時計方式による記号を用いてもよい。

表 20−完全な負荷能力をもつボルト及び小ねじに対する時計方式の表示記号

強度区分 4.6

4.8

5.6

5.8

時計方式記号

強度区分 6.8

8.8

9.8

10.9

12.9

時計方式記号

a)

 12 時の位置(基準マーク)は,製造業者識別記号又は丸点で表示する。

b)

  強度区分 4.6∼10.9 は,1 本又は 2 本のダッシュで表示し,強度区分 12.9 の場合は丸点で表示する。

10.3.3

製品ごとの表示

10.3.3.1

六角頭及びヘクサロビュラ頭のボルト

六角頭及びヘクサロビュラ頭のボルト(フランジ付きも含む)には,製造業者識別記号及び

表 19 に示す

強度区分の表示記号を施す。

この表示は,ねじの呼び径

d

5 mm

以上の全ての強度区分の製品に対して施さなければならない。

表示は,できれば頭部の頂面に凹形又は凸形で,又は側面に凹形で施す(

図 11 参照)。フランジ付きボ

ルトの場合で,製造工程中に頭部の頂面に表示できないときはフランジ部に表示する。


44

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

a)

  製造業者識別記号

b)

  強度区分

図 11−六角頭及びヘクサロビュラ頭のボルトに対する表示の例

10.3.3.2

六角穴付きボルト及びヘクサロビュラ穴付きボルト

六角穴付きボルト及びヘクサロビュラ穴付きボルトには,

製造業者識別記号及び

表 19 に示す強度区分の

表示記号を施す。

この表示は,ねじの呼び径

d

5 mm

以上の全ての強度区分の製品に対して施さなければならない。

表示は,できれば頭部の頂面に凹形又は凸形で,又は側面に凹形で施す(

図 12 参照)。

図 12−六角穴付きボルトに対する表示の例

10.3.3.3

角根丸頭ボルト

角根丸頭ボルトには,製造業者識別記号及び

表 19 に示す強度区分の表示記号を施す。

この表示は,ねじの呼び径

d

5 mm

以上の全ての強度区分の製品に対して施さなければならない。

表示は,ボルトの頭部の上面に凹形又は凸形で施す(

図 13 参照)。

図 13−角根丸頭ボルトに対する表示の例

10.3.3.4

植込みボルト

植込みボルトには,製造業者識別記号と,

表 19 に示す強度区分の表示記号又は表 21 に示す代用表示記

号を施す。

この表示は,ねじの呼び径

d

5 mm

以上で,強度区分が

5.6

8.8

9.8

10.9

及び

12.9/12.9

の製品に対

して施さなければならない。

表示は,植込みボルトのねじのない円筒部に施す。円筒部に表示ができない場合には,ナット側の端面

に強度区分の表示記号を表示し,製造業者識別記号の表示は省略してもよい(

図 14 参照)。


45

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

しまりばめの植込みボルトに対しては,強度区分の表示記号をナット側の端面に表示し,製造業者識別

記号の表示は省略してもよい。

図 14−植込みボルトに対する表示の例

表 21−植込みボルトの代用表示記号

強度区分 5.6

8.8

9.8

10.9  12.9

代用記号

a)

a)

a)

a)

  記号の輪郭だけ又は記号の全体をくぼませる。

10.3.3.5

その他の種類のおねじ部品

購入者からの要求がある場合には,10.3 と同様な表示方式を,他の種類のおねじ部品に適用する。

すりわり,十字穴などの内側駆動形体をもつ皿頭,丸皿頭,チーズ頭,なべ頭又は類似の頭部形状の小

ねじの製品に対しては,通常,表示は施さない。

10.3.4

左ねじのおねじ部品の表示

呼び径

d

5 mm

以上の左ねじのおねじ部品には,

図 15 に示すように,頭部の上面又はねじ部の端面に

識別記号を施す。

図 15−矢印記号による左ねじの表示

六角ボルトに対しては,左ねじの表示として,矢印記号の代わりに,

図 16 のような切欠きを施してもよ

い。


46

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

s:二面幅 
k:頭部の高さ

図 16−切欠きによる左ねじの表示

10.4

形状的要因によって負荷能力が低いおねじ部品の表示及び表示記号

10.4.1

一般

この規格によって製造された負荷能力が低いおねじ部品(8.2.2)には,10.3.2 及び 10.3.3 によって表示

を施す。ただし,強度区分の表示記号は,

表 22 に示すように,表 19 で示す強度区分の表示記号の前に数

字“

0

”を付け加える。

負荷能力が低いおねじ部品に対しては,

表 19,表 20 及び表 21 に示す表示記号を使用しない。

負荷能力が低いおねじ部品を含む製品規格において,一部の呼び径のおねじ部品が完全な負荷能力の要

求事項を満たしていても,その製品規格で規定する全ての呼び径のおねじ部品に対して,

表 22 の強度区

分の表示記号が適用される。

10.4.2

負荷能力が低いおねじ部品の表示記号

負荷能力が低いおねじ部品の表示記号は,

表 22 による。

表 22−負荷能力が低いおねじ部品に対する表示記号

強度区分  4.6 4.8 5.6 5.8 6.8 8.8 9.8 10.9

12.9 12.9

表示記号

a)

  04.6 04.8 05.6 05.8 06.8 08.8 09.8 010.9 012.9 012.9

a)

  表示記号中の点“.”は,省略してもよい。

10.5

包装の表示

全ての種類の全ての呼び径のおねじ部品に対して,個々の包装には,表示を施す(例えば,ラベルによ

って)

。包装の表示には,JIS B 1092 の規定による製造ロット番号,製造業者及び/又は販売業者の識別,

並びに

表 19 又は表 22 による強度区分の表示記号を含めなければならない。


47

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

附属書 A

参考)

引張強さと破断伸びとの関係

参考として

表 A.1 に,引張強さと破断伸びとの関係を示す。

表 A.1−引張強さと破断伸びとの関係

呼び引張強さ

R

m,nom

,MPa

400

500  600

700

800

900

1 000  1 100  1 200  1 300

破断伸び

a)

A

f,min

又は A

min

A

f,min

A

min

0.37

22 

.

0.33

20 

     5.6

0.24 

.

0.22 

5 8

0.20 

b)

 12

c)

   6.8

8.8

 

10 

9.8

 

0.13

       

10.9

         

12.9/

12.9

a)

  太字で示す A

f,min

及び A

min

の数値は,

表 の規定値である。

b)

  強度区分 6.8 だけに適用する。

c)

  強度区分 8.8 だけに適用する。


48

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

附属書 B

参考)

高温におけるおねじ部品の機械的性質

おねじ部品の機械的性質及び機能特性は,高温になると温度とともに変化する。

150

℃までの使用温度では,おねじ部品の機械的性質の変化による有害な影響は,知られていない。

150

℃を超え,最大

300

℃の温度範囲では,おねじ部品の機能特性を,綿密な試験によって確認しなけれ

ばならない。

高温になると,次のような現象が生じることがある。

下降伏応力又は

0.2 %

耐力,完成したおねじ部品の

0.004 8d

耐力の低下

引張強さの低下

ねじ部品の高温での連続使用は,リラクセーションを発生することがあり,その危険性は高温になるほ

ど大きい。リラクセーションによって締付け力の低下が生じる。

加工硬化したおねじ部品(強度区分

4.8

5.8

及び

6.8

)は,焼入焼戻しを施したおねじ部品又は応力除去

処理を施したおねじ部品と比較して,リラクセーションに関する感受性は大きい。

鉛を含む鋼材のおねじ部品を高温状態で使用する場合には,注意しなければならない。鉛を含む鋼材の

おねじ部品を,鉛の溶融点の温度範囲で使用すると液体金属ぜい化(

LME

)を生じる危険があることを考

慮するのが望ましい。

高温状態で使用する鋼材の選択及び適用に関しての情報は,例えば,EN 10269 又は ASTM F2281 から

得ることができる。


49

B 1051

:2014 (ISO 898-1:2013)

附属書 C 

参考)

フルサイズおねじ部品の破断伸び A

f

強度区分

4.8

5.8

及び

6.8

のフルサイズおねじ部品の破断伸びの最小値

A

f,min

は,

表 で規定している。

他の強度区分のおねじ部品に対しての

A

f,min

の値を,参考として

表 C.1 に示す。表 C.1 のこれらの値は,調

査中である。

表 C.1−フルサイズおねじ部品の破断伸びの最小値 A

f,min

強度区分

4.6 5.6 8.8 9.8 10.9

12.9/12.9

A

f,min

 0.37  0.33  0.20  − 0.13 −

参考文献

[1]

EN 10269

Steels and nickel alloys for fasteners with specified elevated and/or low temperature properties

[2]

JIS B 0101  ねじ用語

注記

対応国際規格:ISO 1891

:2009

Fasteners

Terminology

MOD

[3]

ASTM F2281

Standard Specification for Stainless Steel and Nickel Alloy Bolts, Hex Cap Screws, and Studs,

for Heat Resistance and High Temperature Applications

[4]

ASTM A320/A320M

Standard Specification for Alloy/Steel Bolting Materials for Low-Temperat