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B 0721

:2004

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準

原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大

臣が制定した日本工業規格である。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 B

0721

:2004

機械加工部品のエッジ品質及びその等級

Edge quality and its grades for material removal parts

1. 

適用範囲  この規格は,機械加工などによって,表層部を除去した機械加工部品のエッジ品質及びそ

の等級について規定する。

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0021

製品の幾何特性仕様(GPS)−幾何公差表示方式−形状,姿勢,位置及び振れの公差表示方

JIS B 0024

製図−公差表示方式の基本原則

JIS B 0031

製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状の図示方式

JIS B 0051

製図−部品のエッジ−用語及び指示方法

JIS B 0601

製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメータ

3. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS B 0051 によるほか,次による。

a)

エッジ  二つの面の交わり部。

なお、交わり部は、りょう線及びその近傍をいい、エッジには、かどのエッジ及び隅のエッジの2種類

がある(

図 及び図 参照)。

a)

面取りの例                          b)    かどの丸みの例

  1  かどのエッジ

  2  隅のエッジ

備考  りょう線は、側面視りょう線及び正面視りょう線がある(図 参照)。


2

B 0721

:2004

a)

対象部品の例

b)

側面視りょう線の例

c)

正面視りょう線の例

  3  りょう線

b)

欠け  除去加工の際,エッジ部に発生する材料の欠損。

c)

逃げ  隅のエッジにおいて,相手との干渉を避けるためのくぼみ。

4. 

エッジ品質

4.1 

エッジ品質の要素  エッジ品質を規定する要素は,次による。

なお,JIS B 0024 によって,個々に指示した技術的要求事項,例えば,寸法公差,幾何公差,表面粗さ

などは,それらの間に特別な関係が指定されない限り独立に適用する。

a)

エッジの寸法及び幾何公差

備考  設計要求として,隅のエッジに幾何公差を適用する場合には,JIS B 0021 によって個々に示す。

b)

エッジの表面性状(surface texture)  外部的影響因子によって,エッジの表面に現れる状態をいい,表

面粗さ,表面うねり,ツールマーク,きず,欠け,表面付着物などの状態を含む。

備考  この規格で規定する以外の表面粗さを適用する場合には,JIS B 0601 に規定する表面粗さパラ

メータの定義に基づき,JIS B 0031 によって個々に指示する。

c)

エッジの表面層の性状  加工力,加工熱,異物侵入などの外部的因子によって生成する表面層の性状

(surface integrity)をいう。

備考  残留応力,加工硬化,加工焼け,き裂,ボイド,切りくずの付着など,機能に悪影響を及ぼさ

ない状態が望ましい。

4.2 

エッジ品質の等級区分  対象とするエッジは,その部品が必要とする機能に応じて,次のように 3

等級に区分する。

a)  A

(精級)  部品機能上,厳しい品質のエッジ。

b)  B

(中級)  部品機能上,中程度の品質のエッジ。

c)

C

(粗級)  部品機能上,緩い品質のエッジ。

4.3 

エッジの品質基準  エッジの品質基準は,次による。

a)

機能するかどのエッジの寸法及びその公差に対する品質基準は,

表 による。


3

B 0721

:2004

  1  かどのエッジの寸法及びその公差

単位  mm

エッジの寸法区分

エッジ形状の寸法許容差

以上

未満

A

B

C

エッジの呼び

(参考)

呼び記号

0.0003 0.002

+0.0015

 0

+0.03

 0

+0.06

 0

0.0003 E-0

(

極超鋭利)

0.002 0.02

+0.006

 0

+0.08

 0

+0.2

 0

0.002 E-1

(

超鋭利)

0.02 0.2

+0.03

 0

+0.2

 0

+0.4

 0

0.02 E-2

(

鋭利)

0.2 2

+0.06

 0

+0.4

 0

+0.8

 0

0.2 E-3

(

並)

2 6

+0.2

 0

+1.0

 0

+2.0

 0

2 E-4

(

粗)

備考  エッジ(ばり、アンダーカット、パッシング)の寸法区分は,JIS B 0051 に規定する a 寸法による。

呼び記号及び等級を用いる場合には,その欄の寸法区分及び等級を適用する。

b)

機能する隅のエッジの寸法及びその公差に対する品質基準は,

表 による。

なお,アンダーカットを指示する必要がある場合,特に応力集中などの指示がある場合には,JIS B 

0051

によって個々に指示する。

  2  隅のエッジの寸法及びその公差

単位  mm

エッジの寸法区分

エッジ形状の寸法許容差

以上

未満

A

B

C

エッジの呼び

(

参考)

呼び記号

0.01 0.05

+0.001

      0

±0.004

±0.01

    0.01

L-0

(

超鋭利)

0.05 0.2

+0.005

      0

±0.01

±0.04

    0.05

L-1

(

鋭利)

0.2 0.5

+0.03

      0

±0.05

±0.2

    0.2

L-2

(

並)

0.5 1

+0.1

      0

±0.2

±0.5

    0.5

(L-3)

備考  エッジの寸法区分は,JIS B 0051 に規定する a 寸法による。呼び記号及び等級を用いる場合に

は,その欄の寸法区分及び等級を適用する。

c)

機能するかどのエッジの幾何公差に対する品質基準は,

表 による。


4

B 0721

:2004

  3  かどのエッジの幾何公差

単位  mm

形体の寸法区分

代表値としての真直度公差及び真円度公差

を超え

以下

A

B

C

    3

  0.002

  0.01

  0.05

        3

      10

    0.005

    0.05

    0.1

      10

      30

    0.01

    0.1

    0.2

      30

    100

    0.02

    0.2

    0.5

  100

  300

  0.05

  0.4

  0.8

参考  真直度公差及び真円度公差は,最小領域法で定義されるが,最小二乗法を

適用してもよい(JIS B 0021 参照)。

d)

機能するエッジの表面性状に対する品質基準は,

表 による。

なお,表面粗さを個々に指示する必要がある場合には,JIS B 0031 によって個々に指示する。

  4  エッジの表面性状

表面性状の等級

表面性状

A

B

C

表面粗さ Rz

Rz

≦0.8 0.8<Rz≦3.2 3.2<Rz≦12.5

表面うねり,ツールマ
ーク又は筋目方向

拡大視  ×40 で表面うねり,
ツールマークは認めない。

エッジりょう線と交差する
筋目方向は認めない。

表面欠損

拡大視  ×40 でばり,きず,

欠損は認めない。

拡大視  ×20 でばり,きず,

欠損は認めない。

拡大視  ×10 でばり,きず,

欠損は認められない。

識別記号

T-1

(

超平滑表面)

T-2

(

平滑表面)

T-3

(

粗表面)

e)

機能するエッジ表面層の性状に対する品質基準は,

表 による。

  5  エッジ表面層の性状

表面層の性状の等級

表面層の性状

A

B

C

微 視 的 き 裂 及 び ブ

ローホール

表面層の断面を拡大視×40

で微視的き裂,ブローホール
などが認めない。

表面層の断面を拡大視×20

で微視的き裂は認める。

表面層の断面を拡大視×10

で微視的き裂は認める。

表面層

加工硬化が認められるが,表
面ひずみは認めない。

表面ひずみは認めない。

表面ひずみは認める。

識別記号 S-1

(

精級表面層) S-2(中級表面層) S-3(粗級表面層)

5. 

エッジ品質の指示方法  エッジ品質の技術文書への指示方法は,次の事項のいずれかを表題欄の中,

その付近又は図中に指示する。

a) 

この規格の規格番号及び等級。

例  JIS B 0721

b) 

この規格の規格番号,呼び記号及び等級。

例  JIS B 0721−E3−A

c) 

エッジ品質の特定要素の等級だけを変更して指示する場合。

例  JIS B 0721B,表面性状は A 級


5

B 0721

:2004

d)  JIS B 0051

に規定する図示記号を用いて,特定の形体にエッジ品質等級を指示する場合(

図 4)。

JIS B 0721

B,表面性状の指示は図中による。

  4  JIS B 0051 の図示記号を用いて特定の呼び記号を指示する例

e)

設計要求として隅のエッジに特定の幾何公差を追加する場合には,JIS B 0021 によって,公差記入枠

を用いて指示する(

図 5)。

JIS B 0721

B,面の輪郭度公差は図中指示

  5  特定の幾何公差の指示例