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B 0683-2

2017  

1

目  次

ページ

序文

 ··································································································································· 

1

1

  適用範囲

 ························································································································· 

1

2

  引用規格

 ························································································································· 

1

3

  用語及び定義

 ··················································································································· 

2

4

  完全な仕様オペレータ

 ······································································································· 

2

4.1

  一般事項

 ······················································································································ 

2

4.2

  フィルタ

 ······················································································································ 

2

4.3

  プロービングシステム

 ···································································································· 

4

5

  適合性

 ···························································································································· 

4

附属書

A

(参考)調和解析

 ····································································································· 

5

附属書

B

(参考)

GPS

マトリックス

 ························································································· 

7

参考文献

 ····························································································································· 

9

附属書

JA

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

 ······································································ 

10

B 0683-2

2017  

2

まえがき

この規格は,工業標準化法第

12

条第

1

項の規定に基づき,一般財団法人日本規格協会(

JSA

)から,工

業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済

産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS B 0683

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS B 0683-1

  第

1

部:用語及びパラメータ

JIS B 0683-2

  第

2

部:仕様オペレータ

日本工業規格     

             

JIS

 B 

0683-2

2017

製品の幾何特性仕様(

GPS

)-真直度-

2

部:仕様オペレータ

Geometrical product specifications (GPS)-Straightness- 

Part 2: Specification operators 

序文

この規格は,

2011

年に第

1

版として発行された

ISO 12780-2

を基とし,関連する他の日本工業規格との

整合を図るために,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書

JA

に示す。

この規格は,製品の幾何特性仕様(

GPS

)規格の一つであり,

GPS

基本規格に属し,データムに無関係

な線の形状の規格チェーンのリンク番号

3

に関係する。

この規格と他の規格及び

GPS

マトリックスとの詳細な関係を,

附属書

B

に示す。

適用範囲

この規格は,真直度に関する仕様オペレータについて規定する。

注記

この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 12780-2

:2011

Geometrical product specifications (GPS)

Straightness

Part 2: Specification 

operators

MOD

なお,対応の程度を表す記号“

MOD

”は,

ISO/IEC Guide 21-1

に基づき,“修正している”

ことを示す。

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0634

  製品の幾何特性仕様(

GPS

)-フィルタ処理-線形の輪郭曲線フィルタ:ガウシアンフィ

ルタ

注記

対応国際規格:

ISO 16610-21

:2011

Geometrical product specifications (GPS)

Filtration

Part 21: 

Linear profile filters: Gaussian filters

IDT

JIS B 0641-1

  製品の幾何特性仕様(

GPS

)-製品及び測定装置の測定による検査-第

1

部:仕様に対

する合否判定基準

注記

1

対応国際規格:

ISO 14253-1

:1998

Geometrical Product Specifications (GPS)

Inspection by 

measurement of workpieces and measuring equipment

Part 1: Decision rules for proving 

conformance or non-conformance with specifications

IDT

B 0683-2

2017  

注記

2

ISO 14253-1

:1998

は廃止され,

ISO 14253-1

:2013

Geometrical product specifications (GPS)

Inspection by measurement of workpieces and measuring equipment

Part 1: Decision rules for 

proving conformity or nonconformity with specifications

に置き換えられている。

JIS B 0683-1

  製品の幾何特性仕様(

GPS

)-真直度-第

1

部:用語及びパラメータ

注記

対応国際規格:

ISO 12780-1

:2011

Geometrical product specifications (GPS)

Straightness

Part 1: 

Vocabulary and parameters of straightness

MOD

ISO 17450-2

Geometrical product specifications (GPS)

General concepts

Part 2: Basic tenets, 

specifications, operators, uncertainties and ambiguities 

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,

JIS B 0683-1

及び

ISO 17450-2

によるほか,次による。

3.1 

仕様オペレータ

specification operator

不確かさの概念を導入するために,形体を求めるのに必要な測定原理,測定方法,測定条件,データ処

理など一連のものを順序に従って並べたもの(

ISO 17450-2

3.2.3

参照)。

3.2 

完全な仕様オペレータ

complete specification operator

一義的な仕様オペレータの完備された一式を明確に定義された順序で並べたもの(

ISO 17450-2

3.2.4

参照)。

完全な仕様オペレータ

4.1 

一般事項

完全な仕様オペレータは,測得真直度曲線に適用するフィルタの通過帯域及び適切な測定子先端形状を

定義する。

4.2 

フィルタ

4.2.1 

ローパスフィルタ

ローパスフィルタは,カットオフ値よりも短い波長成分を遮断する振幅伝達特性をもつ

JIS B 0634

で規

定する位相補償フィルタとする(

1

参照)。

background image

B 0683-2

2017  

注記

この図に示されたカットオフ値以外も,目的に応じて用いてもよい。

1

カットオフ値

λ

c

のローパスフィルタの振幅伝達特性

λ

c

0.08 mm

0.25 mm

0.8 mm

2.5 mm

及び

8 mm

の例)

4.2.2 

カットオフ値

真直度評価において,フィルタは,測得真直度曲線に含まれる正弦波成分の波長範囲を制限する。カッ

トオフ値の区分は

1

による。

1

は,測得真直度曲線を得るためのサンプリング間隔の最大値及び測定

子先端形状に起因する測得真直度曲線のゆがみを避けるための測定子先端半径の最大値を示す。

1

カットオフ波長

単位 

mm

ローパスフィルタ

カットオフ値

   

λ

c

最大サンプリング間隔

最大測定子先端半径

a)

r

8 1.14 

2.5 0.357 

1.5 

0.8 0.114 

0.5 

0.25 0.035 

0.15 

0.08 0.01 4 

0.05 

注記

1

最大サンプリング間隔は,カットオフ波長当たり

7

個のデータ数になる。これは,評価に必

要なデータ数の最小値である。

注記

2

この表に示す以外のカットオフ値を使う場合の最大サンプリング間隔及び最大測定子先端半
径は,この表における比率から計算する。最大測定子先端半径が

1

の値よりも大きい場合

は,通過帯域内での信号(短波長成分)は,測定子先端の影響を受けてゆがむ。

a)

最大測定子先端半径が

1

の値よりも大きい場合は,通過帯域内での信号(短波長成分)は,

測定子先端の影響を受けてゆがむ。これは,

JIS B 0651

に規定する触針式表面粗さ測定機の触

針先端半径の要求事項と一致している。

振幅伝達率

%

波長(

mm

B 0683-2

2017  

4.3 

プロービングシステム

4.3.1 

プロービング

プロービングは,プローブを移動させてデータをサンプリングすることをいう。

4.3.2 

プローブ

データを取得する測定子。オペレータの一部を構成し,その先端形状は

4.3.3

による。

4.3.3 

測定子先端形状

理想的なオペレータにおける測定子先端形状は,理論上の球とする。

4.3.4 

測定力

理想的なオペレータにおける測定力は,

0 N

とする。

適合性

測定に利用したオペレータが仕様に適合しているかどうかの判断基準は,

JIS B 0641-1

による。

background image

B 0683-2

2017  

附属書

(参考)

調和解析

A.1 

調和成分

有限長の信号は,フーリエ級数によって調和成分(正弦波成分ともいう。)に分解できる。フーリエ級数

は,波長が基本波長の整数分の

1

の調和成分からなる。基本波長は,対象とする信号の長さに等しい波長

であり,第

1

次調和成分という。波長が基本波長の

1/2

の調和成分は,第

2

次調和成分,波長が基本波長

1/3

の調和成分は,第

3

次調和成分という(

A.1

参照)。

n

番目の調和成分は,基本波長を

n

等分した

波長をもつ調和成分である。

フーリエ級数の基本波長は,真直度曲線の長さであり,山数は

1

である。山数は,調和成分の次数に対

応する(例えば,第

2

次調和成分は山数

2

,第

3

次調和成分は山数

3

)。

a)

  第

1

次調和成分

b)

  第

2

次調和成分

c)

  第

3

次調和成分

A.1

調和成分

A.2 

エイリアシング及びサンプリングの定理

デジタル化されたデータが原信号を適切に表すためには,サンプリング間隔に配慮する必要がある。帯

域制限された信号に含まれる調和成分には,最短又は最高次の調和成分が存在する。サンプリングの定理

は,次のように最短波長と最大サンプリング間隔との関係を表している。

与えられた波長より短い波長が無限に長い信号に含まれていない場合には,与えられた波長の半分以

下の等間隔にとったデータによって原信号が再現できる。

厳密には,サンプリングの定理は無限長の信号に適用するが,有限長であっても存在し得る最短波

長の半分よりも短いサンプリング間隔というサンプリングの定理は,有効である。

background image

B 0683-2

2017  

注記

1

一般にサンプリング間隔は,対象とする最短波長の

1/4

以下にすることが多い。

サンプリング間隔がサンプリングの定理で定まる値より大きい場合には,デジタル化した信号はエイ

リアシングによる影響を受ける。エイリアシングとは,サンプリング間隔が大きいために,短い波長

の調和成分が長い波長の調和成分として現れる(以下,エイリアス信号という。

)現象である(

A.2

参照)。このような場合には,高次の調和成分は,低次の調和成分となって現れるので,その後の解析

に影響する。

原信号

エイリアス信号

サンプリング間隔

注記

この図は,サンプリング間隔がサンプリングの定理による値より大きすぎる場合である。

A.2

エイリアシング

実際には,多くの測定機において,エイリアシングを抑制するために,測定子先端形状によるフィル

タリング効果,アナログフィルタ,デジタルフィルタ及びこれらの組合せが利用される。位相補償ロ

ーパスフィルタを適用した信号では,サンプリングの定理によって次のように最大サンプリング間隔

を定める。

位相補償ローパスフィルタの振幅伝達率が

0.02 %

となる波長よりも短い調和成分を無視してよい場合

には,サンプリングの定理によると,サンプリング間隔は,カットオフ波長の

1/7

以下となる。

注記

2

位相補償ローパスフィルタとは,ガウシアンローパスフィルタをいう。

B 0683-2

2017  

附属書

(参考)

GPS

マトリックス

B.1 

一般

GPS

マトリックスの詳細は,

ISO/TR 14638

による。

ISO/TR 14638

に示される

ISO/GPS

マスタープランは,この規格が

ISO/GPS

システムのどの一部になっ

ているかの概要を示す。

ISO 8015

に示す

ISO/GPS

の基本的な規則は,この規格に適用し,また,

JIS B 0641-1

に示す標準的な決定規則は,指示がない限り,この規格に従って作成した仕様に適用する。

注記

ISO/TR 14638

は廃止され,

ISO 14638

として制定されている。

B.2 

規格及びその利用についての情報

この規格は,

ISO 17450-2

の規定に従って,外殻形体の真直度に関する用語及び概念について規定する。

B.3 GPS

マトリックスにおける位置付け

この規格は,一般的な

GPS

規格であり,

B.1

に示すように,

GPS

マトリックスの中の角度に関する規

格チェーンのリンク番号

3

に影響する。

background image

B 0683-2

2017  

GPS 

原理

規格

 GPS

共通規格

 GPS

基本規格

リンク番号

1 2 3 4 5 6 

サイズ

距離

半径

角度

データムに無関係な線の形状

×

データムに関係する線の形状

データムに無関係な面の形状

データムに関係する面の形状

姿勢

位置

円周振れ

全振れ

データム

粗さ曲線

うねり曲線

断面曲線

表面欠陥

エッジ

1

  記号及び指示法

2

  形体に対する要求事項

3

  形体の性質

4

  測定

5

  測定機器

6

  校正

B.1

GPS

マトリックスにおける位置付け

B.4 

関連規格

関連する国際規格又は日本工業規格は,

B.1

に示す規格のチェーンに含まれる規格である。

B 0683-2

2017  

参考文献

[1] 

JIS B 0651

:2001

  製品の幾何特性仕様(

GPS

)-表面性状:輪郭曲線方式-触針式表面粗さ測定機の

特性

注記

対応国際規格:

ISO 3274

:1996

Geometrical Product Specifications (GPS)

Surface texture: Profile 

method

Nominal characteristics of contact (stylus) instruments 

[2] 

JIS B 0601

:2013

  製品の幾何特性仕様(

GPS

)-表面性状:輪郭曲線方式-用語,定義及び表面性状

パラメータ

注記

対応国際規格:

ISO 4287

:1997

Geometrical Product Specifications (GPS)

Surface texture: Profile 

method

Terms, definitions and surface texture parameters 

[3] 

JIS B 0633

:2001

製品の幾何特性仕様(

GPS

)-表面性状:輪郭曲線方式-表面性状評価の方式及び手

注記

対応国際規格:

ISO 4288

:1996

Geometrical Product Specifications (GPS)

Surface texture: Profile 

method

Rules and procedures for the assessment of surface texture 

[4] 

ISO 8015

:1985

Technical drawings

Fundamental tolerancing principle 

注記

ISO 8015

:1985

は 廃 止 さ れ ,

ISO 8015

:2011

Geometrical product specifications (GPS)

Fundamentals

Concepts, principles and rules

に置き換えられた。

[5] 

JIS B 7440-1

:2003

  製品の幾何特性仕様(

GPS

)-座標測定機(

CMM

)の受入検査及び定期検査-第

1

部:用語

注記

対応国際規格:

ISO 10360-1

:2000

Geometrical Product Specifications (GPS)

Acceptance and 

reverification tests for coordinate measuring machines (CMM)

Part 1: Vocabulary 

[6] 

ISO 12180-1

:2011

Geometrical product specifications (GPS)

Cylindricity

Part 1: Vocabulary and 

parameters of cylindrical form 

[7] 

ISO 12180-2

:2011

Geometrical product specifications (GPS)

Cylindricity

Part 2: Specification operators 

[8] 

ISO/TR 14638

:1995

Geometrical product specification (GPS)

Masterplan 

注記

ISO/TR 14638

:1995

は廃止され,

ISO 14638

:2015

Geometrical product specifications (GPS)

Matrix model

に置き換えられた。

[9] 

ISO 14660-1

:1999

Geometrical Product Specifications (GPS)

Geometrical features

Part 1: General terms 

and definitions 

background image

10 

B 0683-2

2017  

附属書

JA 

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS B 0683-2

:2017

  製品の幾何特性仕様(

GPS

)-真直度-第

2

部:仕様オペレ

ータ

ISO 12780-2

:2011

Geometrical product specifications (GPS)

Straightness

Part 2: 

Specification operators 

(

I

)

JIS

の規定 

(

II

)国際

規格番号 

(

III

)国際規格の規定 

(

IV

)

JIS

と国際規格との技術的差異の箇条ごと

の評価及びその内容 

(

V

)

JIS

と国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策 

箇条番号

及び題名

内容

箇条
番号

内容

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容

用語及び

定義

3.1 

仕様オペレータ

追加

仕様オペレータの項目及び説明を
追加した。

仕様オペレータの説明がないと使
用者は理解できない。国際会議で
追加を提案する。

 3.2 

完全な仕様オペ

レータ

追加

完全な仕様オペレータの項目及び
説明を追加した。

完全な仕様オペレータの説明がな
いと使用者は理解できない。国際
会議で追加を提案する。

完全な仕

様オペレー

測 定 及 び デ ー タ 処
理について規定

 4 

JIS

とほぼ同じ

変更

 3.1

及び

3.2

ですでに説明した内容

を削除して整理した。

上記

2

点の変更に伴う変更であ

る。国際会議で変更を提案する。

 4.2.1 

ローパスフィ

ルタ

フ ィ ル タ 特 性 に つ
いて規定

 4.2.1

フィルタ理論式が添付
されている

削除

理論式を削除した。

引用するフィルタ規格に示されて
おり不要なため。

 4.3.1 

プロービング

プ ロ ー ビ ン グ の 定

追加

プロービングの定義を追加した。

プロービングシステムとプロービ
ングとの間の概念をつなぐために
必要である。国際会議で追加を提
案する。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:

ISO 12780-2

:2011

MOD

10
 

B 06

83
-2

201

7  

background image

11 

B 0683-2

2017  

注記

1

箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

削除

 ················ 

国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

追加

 ················ 

国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

変更

 ················ 

国際規格の規定内容を変更している。

注記

2

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

 MOD 

··············· 

国際規格を修正している。

11

B 06

83
-2

201