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日本工業規格

JIS

 B

0403

-1995

鋳造品−寸法公差方式及び

削り代方式

Castings

−System of dimensional tolerances and machining allowances

日本工業規格としてのまえがき 

この規格は,1994 年第 2 版として発行された ISO 8062 (Castings−System of dimensional tolerances and

machining allowances)

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した部分と,従来

から鋳造材料別に規定して運用してきた幾つかの鋳造品の普通公差に関する日本工業規格の規定内容の一

部を我が国の実情に即して変更した

附属書 1の部分とからなる日本工業規格である。

なお,この規格の中で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格の規定内容を変更した事項又は原国際

規格にはない事項である。

序文  この規格は,金属及びそれらの合金の鋳造品に対する寸法公差方式及び削り代方式に関するもので

ある。

鋳造品に対して指定する寸法公差は,鋳造方法によって決定することができる。したがって,鋳造品の設

計又は注文の最終決定をする前に,受渡当事者間で次の事項について協議することが望ましい。

a)

計画している鋳造品の設計と要求する寸法精度

b)

削り加工についての要求事項

c)

鋳造方法

d)

鋳造する鋳造品の数量

e)

必要とする鋳造設備

f)

特別な要求事項,例えば,データムターゲット方式,個々に指示する寸法公差,幾何公差,すみ肉半

径の公差及び個々の削り代。

参考  データム及びデータムターゲット方式については,JIS B 0022(幾何公差のためのデータム)

参照。

g)

他の規格が鋳造品に対してより適している場合。

なお,鋳造品の寸法精度は,種々の製造要因に関係しているので,種々の鋳造方法及び金属に対して達成

できる公差等級を次の二つの場合について

附属書 に示す。

a)

長期間又は大量に製造する場合。この場合には,鋳造設備の開発,調整及び保守・点検によって,小

さい寸法公差にすることができる。

b)

短期間又は 1 回限りの製造をする場合。

要求する削り代の等級については,

附属書 に示す。


2

B 0403-1995

1.

適用範囲  この規格は,鋳造品の寸法に対する公差方式及び要求する削り代方式について規定し、金

属及びそれらの合金を種々の方法で鋳造した鋳造品の寸法に適用する[

序文 g)及び 5.についても参照]。

この規格は,図面に一括して指示する鋳造品の普通寸法公差(以下,普通公差という。

)の等級及び要求

する削り代,並びに特定の寸法の後に続けて直接指示する個々の公差等級及び要求する削り代の両方に適

用する(12.参照)

この規格は,鋳造工場が模型 (pattern equipment) 又は金型を準備する場合,又はその準備に対して責任

を負う場合に適用する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されたことにより,この規格の規定を構成する。出版

の時点では,表示された版が有効である。すべての規格は,改正されるものであり,この規格に基づくこ

とに合意した関係者は,次に列挙する規格の最新版を適用する可能性を調べることに努めるのがよい。IEC

及び ISO の会員は,現行の国際規格の登録簿を維持管理している。

ISO 286-1 : 1988

  ISO system of limits and fits−Part 1 : Bases of tolerances, deviations and fits

ISO 1302 : 1992

  Technical drawings−Method of indicating surface texture

参考  ISO 286-1 の規定内容は,JIS B 0401-1986(寸法公差及びはめあい)と同等である。

また,ISO 1302 の規定内容は,JIS B 0031-1994(製図−面の肌の図示方法)と同等である。

3.

用語の定義  この規格の目的のために,以下に用語の定義を示す。

3.1

基準寸法  削り加工前の鋳放し鋳造品 (raw casting) の寸法であり(図 参照),必要な最小削り代

(machining allowance)

を含む寸法である(

図 参照)。

3.2

寸法公差(ISO 286-1 参照)

参考  ISO 286-1 及び JIS B 0401 では,寸法公差を“最大許容寸法と最小許容寸法との差,すなわち,

上の寸法許容差と下の寸法許容差との差”と規定している。

3.3

要求する削り代,RMA  鋳放し鋳造品について,その後の削り加工によって表面上の鋳造の影響の

除去を許容するため,及び要求した面の肌と必要な寸法精度を得るための材料の余裕代である。

円筒形体又は両端を削り加工するものについては,RMA は 2 倍として計算する(

図 及び図 参照)。

図 1  図面指示(3.参照)

図 2  寸法許容限界 

3.4

型ずれ  鋳型の組合せの構成部分の不正確さに起因する鋳造品表面の相対的な変位(図 参照)。


3

B 0403-1995

3.5

抜けこう配  鋳型又は金型から鋳造品を抜くとき,又は鋳型から模型を抜くとき,金型から部品を

抜くことを容易にするために必要な形状部分(例えば,包絡形状表面)の肉増しの傾斜。

なお,必要がある場合には,外抜けこう配と内抜けこう配に区別する(

図 参照)。

図 3  外抜けこう配と内抜けこう配 

4.

寸法表示  肉厚の寸法表示を除いて(二つの寸法のつながりがある場合),直列寸法記入法を避ける。

5.

公差等級  CT 1∼CT 16 で表示する 16 等級とする(表 参照)。普通公差がふさわしくない寸法に対

しては,個々の公差を割り当てる。

表 1  鋳造品の寸法公差

単位 mm

鋳 放 し 鋳 造 品

の基準寸法

全鋳造公差(

1

)

鋳造公差等級 CT(

2

)(

3

)

を超え

以下

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10

11

12

13(

3

) 14(

4

) 15(

4

) 16(

4

)(

5

)

10  0.09 0.13

0.18 0.26 0.36

0.52

0.74

1

1.5

2

2.8

4.2

10

16 0.1 0.14

0.2 0.28

0.38

0.54

0.78

1.1

1.6

2.2

3 4.4

16 25

0.11

0.15

0.22

0.3

0.42

0.58

0.82

1.2

1.7

2.4

3.2

4.6

6 8 10  12

25

40  0.12 0.17

0.24 0.32 0.46

0.64

0.9

1.3

1.8

2.6

3.6

5

7

9

11

14

40

63  0.13 0.18

0.26 0.36 0.5  0.7

1  1.4

2 2.8

4 5.6

8 10 12  16

63

100  0.14 0.2  0.28 0.4  0.56

0.78

1.1

1.6

2.2

3.2

4.4

6 9

11 14  18

100

160  0.15 0.22

0.3  0.44 0.62

0.88

1.2

1.8

2.5

3.6

5

7

10  12

16

20

160 250

 0.24

0.34

0.5

0.7

1 1.4

2 2.8

4 5.6

8 11 14 18  22

250 400

   0.4

0.56

0.78

1.1

1.6

2.2

3.2

4.4

6.2

9 12

16 20  25

400 630

 

0.64

0.9

1.2

1.8

2.6

3.6

5

7

10

14

18

22 28

630

1

000

       1 1.4

2  2.8

4 6 8 11 16 20 25  32

1

000

1

600

   

1.6

2.2

3.2

4.6

7

9

13

18

23

29 37

1

600

2

500

   

2.6

3.8

5.4

8

10

15

21

26

33 42

2

500

4

000

       4.4

6.2

9

12

17

24

30

38 49

4

000

6

300

   

7

10

14

20

28

35

44 56

6

300

10

000

   

11

16

23

32

40

50 64

(

1

)  10.

参照。

(

2

)

公差等級 CT 1∼CT 15 における肉厚に対して,1 等級大きい公差等級を適用する(7.参照)

(

3

)  5.

参照。

(

4

) 16mm

までの寸法に対して CT 13∼CT 16 までの普通公差は適用しないので,これらの寸法には,個々の公差

を指示する。

(

5

)

等級 CT 16 は,一般に CT 15 を指示した鋳造品の肉厚に対してだけ適用する。


4

B 0403-1995

6.

型ずれ  特に指定がある場合を除いて,型ずれは,表 に示す公差内になければならない(図 参照)。

型ずれの最大値を更に制限する場合には,図面上にその最大値を指示する(12.1 参照)

図 4  最大型ずれ

7.

肉厚  特に指定がある場合を除いて,公差等級 CT 1∼CT 15 における肉厚の寸法公差は,他の部分に

適用する公差等級よりも 1 等級大きい公差とする。例えば,図面上の寸法公差が CT 10 であるならば,肉

厚の公差は CT 11 とする。

8.

こう配部の形体  設計が傾斜した形体(例えば,抜けこう配をもつ形体)を要求する場合,その公差

は表面に沿って対称におく(

図 参照)。

図面には,一般的にこう配部が材料の増すように,又は両側に振り分けになるように公差を指示する。

例えば,

(こう配  +)

図 5a

(こう配  −)

図 5b

(こう配  ±)

図 5c

図面のこう配部の一般的な設定と異なる設定をした特別な表面に対するこう配部は,表面に個々に指示

すること。

例えば,+

仕上げ加工される寸法に対しては,その寸法を守るために,こう配部に対して図面の一般的な寸法指示

に関係なく,

“こう配  +”を適用する。


5

B 0403-1995

図 5  こう配部の公差域

9.

抜けこう配

9.1

鋳鉄品及び鋳鋼品の抜けこう配  鋳鉄品及び鋳鋼品の抜けこう配の普通許容値は,表 による。

なお,銅合金の抜けこう配の普通許容値については,

表 によることができる。


6

B 0403-1995

表 2  鋳鉄品及び鋳鋼品の抜けこう配の普通許容値

単位 mm

寸法区分  l

を超え

以下

寸法  A(最大)

 16

1

16 40 1.5

40 100

2

100 160 2.5

160 250 3.5

250 400 4.5

400 630

6

630 1

000

9

備考  は,図 の l

1

l

2

を意味する。

A

は,

図 の A

1

A

2

を意味する。

図 6  鋳鉄品及び鋳鋼品の抜けこう配

9.2

アルミニウム合金鋳物の抜けこう配  アルミニウム合金鋳物の抜けこう配の普通許容値は,表 

よる。

表 3  アルミニウム合金鋳物の抜けこう配の普通許容値

単位  度

抜けこう配の区分

砂型・金型鋳物

2

3

備考  この表の数値は,こう配部の長さ 400mm

以下に適用する。

9.3

ダイカストの抜けこう配  ダイカストの抜けこう配の角度の普通許容値は,表 による。


7

B 0403-1995

表 4  ダイカストの抜けこう配の角度の普通許容値

寸法区分  l (mm)

角度(度)

を超え

以下

アルミニウム合金

亜鉛合金

3 10

6

3 10

5

3

10 40

3

2

40 160

2 1.5

160 630 1.5

1

備考  抜けこう配の角度は,図 による。

図 7  ダイカストの抜けこう配

10.

公差域の位置  公差域は,特に指定がある場合を除いて,鋳造品の基準寸法に対して対称的におかな

ければならない。すなわち,公差値の

2

1

を正  (+)  に,残りの

2

1

を負  (−)  におく(

図 参照)。しかし,特

別な理由で受渡当事者間によって同意されたときには,公差域は非対称的であってもよい。すなわち,正

又は負の側のどちらにあってもよい。

11.

要求する削り代  (RMA)

11.1

一般事項  特に指定した場合を除いて,削り代は,鋳放し鋳造品の最大寸法に対して変化する。す

なわち,最終削り加工後の仕上がった鋳造品の最大寸法による適切な寸法区分から選んだ一つの削り代だ

けが削り加工されるすべての表面に適用される(

図 12 参照)。

形体の最大寸法は,

仕上がった寸法に要求する削り代と全鋳造公差とを加えた値を超えてはならない

2

及び

図 8∼図 11 参照)。

抜けこう配を付けるときには,

図 に示すように,仕上がり寸法にこう配+を適用する。

11.2

要求する削り代の等級  要求する削り代は,A から K で表示される 10 等級とする(表 参照)。

備考  特定の金属及び製造方法に対する推奨する等級は,附属書 の表 B.1 に示す。

11.3

鋳造工場で荒削りする表面  鋳造工場で荒削りする表面及び最終削り加工のために必要な削り代は,

ISO 1302

によって図面上に注文者が指定する。

参考  ISO 1302 の規定内容は,JIS B 0031 と同等である。

荒削り加工した状態を得るために必要な削り代は,鋳造工場の責任であり,

表 は適用しなくてよい。


8

B 0403-1995

表 5  要求する削り代  (RMA)

単位 mm

最大寸法(

6

)

要求する削り代

削り代の等級

を超え

以下

A(

7

)

B(

7

)

C D E F G H J K

40 0.1 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.5 0.7 1  1.4

40

63 0.1 0.2 0.3 0.3 0.4 0.5 0.7 1  1.4 2

63  100 0.2 0.3 0.4 0.5 0.7 1  1.4 2  2.8 4

100  160 0.3 0.4 0.5 0.8 1.1 1.5 2.2 3  4  6

160  250 0.3 0.5 0.7 1  1.4 2  2.8 4  5.5 8

250  400 0.4 0.7 0.9 1.3 1.8 2.5 3.5 5  7  10

400  630 0.5 0.8 1.1 1.5 2.2 3  4  6  9  12

630 1

000 0.6 0.9 1.2 1.8 2.5 3.5 5  7  10  14

1 000

1 600

0.7

1

1.4

2

2.8

4

5.5

8

11

16

1

600 2

500 0.8 1.1 1.6 2.2 3.2 4.5 6  9  13  18

2

500 4

000 0.9 1.3 1.8 2.5 3.5 5  7  10  14  20

4 000

6 300

1

1.4

2

2.8

4

5.5

8

11

16

22

6

300

10

000 1.1 1.5 2.2 3  4.5 6  9  12  17  24

(

6

)

削り加工後の鋳造品の最大寸法。

(

7

)

表 の等級 A 及び B は,特別な場合にだけ適用する。例えば,固定表面及びデータム面又はデー
タムターゲットに関して,大量生産方式で模型,鋳造方法及び削り加工方法を含め,受渡当事者
間の協議による場合。

図 8  ボスの外側の削り加工 


9

B 0403-1995

図 9  内側の削り加工 

図 10  段差寸法の削り加工

図 11  形体の一方の側の削り加工


10

B 0403-1995

図 12  最終削り加工した鋳造品の最大寸法

12.

図面上の指示方法

12.1

鋳造公差の指示  この規格による公差は,次のいずれかによって図面上に指示する。

a)

公差に関する一般的な情報として,

例  普通公差  JIS B 0403-CT 12

参考  ISO 8062 では,JIS B 0403-CT 12 を ISO 8062-CT 12 と表示している。

b)

型ずれの値を更に制限することが要求される場合(4.参照)には,

例  普通公差  JIS B 0403-CT 12  型ずれ  1.5

参考  ISO 8062 では,JIS B 0403-CT 12 型ずれ 1.5 を ISO 8062-CT 12 型ずれ 1.5 と表示している。

c)

若しくは,個々の公差を基準寸法に続けて表示する。

例 95±3 又は 200

5
3


12.2

要求する削り代の指示  削り加工する表面,要求する削り代の値,及び要求する削り代の等級を括

弧で囲んで,図面上に表示する。これらは,模型又は金型を造るときに考慮する。要求する削り代は,次

の方法によって図面上に指示する。

a)

公差及び削り代に関する一般的な情報として,

例  JIS B 0403-CT 12-RMA 6 (H)

400mm

を超え 630mm までの最大寸法の区分の鋳造品に対して,等級 H における 6mm の削り代(鋳

造品に対する普通公差で JIS B 0403-CT 12)を指示している。

参考  ISO 8062 では,JIS B 0403-CT 12 を ISO 8062-CT 12 と表示している。

b)

個々の要求する削り代が要求される場合,例えば,鋳物上面に必要ならば,図面上の特定な箇所に指

示する(11.3 参照)

例  図 13 参照

図 13  個々の表面上の削り代の指示


11

B 0403-1995

附属書 A(参考)  鋳造品公差 

A.1

種々の鋳造方法で普通に要求する寸法公差を

表 A.1 及び表 A.2 に示す。本体序文で示したように,鋳

造工程における精度は,次のものを含む多くの要因に左右される。

a)

設計の複雑さ

b)

模型又はダイの形式・種類

c)

鋳造する金属又は合金の種類

d)

模型又はダイの状態

e)

鋳造作業方法

A.2

長期間の繰返し鋳造作業では,入念な調整及び中子の位置の入念な管理を行うことによって,

表 A.1

に示す公差よりも小さい公差とすることができる。

表 A.1  長期間製造する鋳放し鋳造品に対する公差等級

公差等級  CT

鋳造方法

鋳鋼

ねずみ鋳鉄  可鍛鋳鉄 球 状 黒 鉛

鋳鉄

銅合金

亜鉛合金

軽金属  ニ ッ ケ ル

基合金

コ バ ル ト
基合金

砂型鋳造手込め 11∼14

11

∼14 11∼14

11

∼14

10

∼13

10

∼13

9

∼12 11∼14 11∼14

砂型鋳造機械込め及び

シェルモールド

8

∼12

8

∼12 8∼12

8

∼12

8

∼10

8

∼10

7

∼9 8∼12 8∼12

金型鋳造

(重力法及び低圧法)

圧力ダイカスト

インベストメント鋳造

適切な表を確定する調査研究を行っている。

当分の間,受渡当事者間で協議するのがよい。

備考1.  この表に示す公差は,長期間に製造する鋳造品で,鋳造品の寸法精度に影響を与える生産要因を十分に解決し

ている場合に適用する。

2.

この規格は,受渡当事者間の同意によって,

表 A.1 に示されてない鋳造方法及び金属に対しても使用できる。

A.3

短期間又は 1 回限り製造する砂型鋳造品の場合には,公差を小さくするために金型を使用すること並

びに鋳造設備及び鋳造方法を開発することは,一般に実用的でもなく経済的でもない。この種の製造に対

する大きい公差を

表 A.2 に示す。


12

B 0403-1995

表 A.2  短期間又は 回限り製造する鋳放し鋳造品に対する公差等級

公差等級 CT

鋳造方法

鋳型材料

鋳鋼

ねずみ鋳鉄

可鍛鋳鉄 球 状 黒 鉛

鋳鉄

銅合金

軽金属

ニ ッ ケ ル

基合金

コ バ ル ト

基合金

生型 13∼15 13∼15 13∼15 13∼15 13∼15 11∼13 13∼15 13∼15

砂 型 鋳 造
手込め

自硬性鋳型 12∼14 11∼13 11∼13 11∼13 10∼12 10∼12 12∼14 12∼14

備考1.  この表に示す公差は,短期間又は1回限り製造する砂型鋳造品で,鋳造品の寸法精度を与える生産要因を十

分に解決している場合に,普通に適用する。

2.

この表の数値は,一般的に 25mm を超える基準寸法に適用する。これより小さい基準寸法に対しては,通常,
次のような小さい公差にする

a)

基準寸法 10mm まで:3 等級小さい公差

b)

基準寸法 10mm を超え 16mm まで:2 等級小さい公差

c)

基準寸法 16mm を超え 25mm まで:1 等級小さい公差

3.

この附属書は,受渡当事者間の同意によって,

表 A.2 に示されてない鋳造方法及び金属に対しても使用でき

る。

A.4

本体

表 の公差は,多くの国々の鋳造工場からのデータに基づくものである。これらのデータを用い

て,次に示す公比で同一基準寸法に対する公差が増加する滑らかな曲線群を求めることができる。

公差等級 CT 1∼CT 13 に対して: 2

公差等級 CT 13∼CT 16 に対して:

3

2

鋳造品の多くの寸法は,型合せ面や中子があることによる影響を受けて,寸法公差を大きくすることが

必要になる。設計者は使用される型及び中子の配置について,必ずしも分かっているとは限らないので,

本体

表 の公差の値にはこれらの増加分を含ませてある。


13

B 0403-1995

参考  金型鋳造品,ダイカスト品及び 

アルミニウム合金鋳物に対して 

推奨する鋳造品公差

1.

金型鋳造品,ダイカスト及びアルミニウム合金鋳物(砂型のシェル型鋳物を含む。)に対して推奨す

る鋳造品公差  金型鋳造品,ダイカスト及びアルミニウム合金鋳物(砂型のシェル型鋳物を含む。)につ

いて,普通に要求する寸法公差を

参考表 に示す。

2.

長期間製造する鋳放し鋳造品に対する公差等級  長期の繰返し鋳造作業では,入念な調整及び中子の

位置の入念な管理を行うことによって,

参考表 に示す公差よりも小さい公差とすることができる。

参考表 1  長期間製造する鋳放し鋳造品に対する公差等級

公差等級  CT

鋳造方法

ねずみ鋳鉄  球 状 黒 鉛

鋳鉄

可鍛鋳鉄

銅合金

亜鉛合金

軽金属  ニ ッ ケ ル

基合金

コ バ ル ト

基合金

金型鋳造 
(低圧鋳造を含む)

7

∼9

7

∼9

7

∼9

7

∼9

7

∼9

6

∼8

ダイカスト

6

∼8

4

∼6

5

∼7

インベストメント鋳造  4∼6

4

∼6

4

∼6

4

∼6

4

∼6

4

∼6

4

∼6

備考1.  この表に示す公差は,長期に製造する鋳造品で,鋳造品の寸法精度に影響を与える生産要因を十分に解決して

いる場合に,普通に適用する。

2.

この規格は,受渡当事者間の同意によって,

参考表 に示されていない鋳造方法及び金属に対しても使用する

ことができる。


14

B 0403-1995

附属書 B(参考)  要求する削り代の等級  (RMA)

表 B.1  鋳放し鋳造品に必要な削り代の等級

要求する削り代の等級

鋳造方法

鋳鋼

ねずみ鋳鉄  可鍛鋳鉄 球 状 黒 鉛

鋳鉄

銅合金

亜鉛合金

軽金属  ニ ッ ケ ル

基合金

コ バ ル ト

基合金

砂型鋳造手込め

G

∼K

F

∼H F∼H F∼H F∼H F∼H F∼H G∼K G∼K

砂型鋳造機械込め及び
シェルモールド

F

∼H

E

∼G E∼G E∼G E∼G E∼G E∼G F∼H F∼H

金型鋳造 
(重力法及び低圧法)

D

∼F D∼F D∼F D∼F D∼F D∼F

圧力ダイカスト

B

∼D B∼D B∼D

インベストメント鋳造

E E  E  E  E E E

備考  この附属書は,受渡当事者間の同意によって,この表 B.1 に示されてない鋳造方法及び金属に対しても使用でき

る。

100mm

以下の鉄系(鋳鋼,ねずみ鋳鉄,可鍛鋳鉄,球状黒鉛鋳鉄)及び軽金属の砂型鋳造品及び金型鋳

造品に対して,この表の削り代等級が小さい場合には,2∼3 等級大きい削り代等級を指定するのがよい。


15

B 0403-1995

附属書 C  参考規格

1〕  ISO 1101 : 1983,製図−幾何公差表示方式−形状,姿勢,位置及び振れ公差表示方式−一般事項,

定義,記号,図示方法

2〕  ISO 5459 : 1981,製図−幾何公差表示方式−幾何公差のためのデータム及びデータムシステム

3〕  ISO 10135 :  −

1)

,製図−鋳型,鋳造品及び鍛造品の簡略表示方法

                                                       

1)

発行予定のもの


16

B 0403-1995

附属書 1  鋳鉄品の普通寸法公差 

1.

適用範囲  この附属書 は,砂型(精密鋳型及びこれに準じるものを除く。)によるねずみ鋳鉄品及び

球状黒鉛鋳鉄品の長さ及び肉厚の鋳放し寸法の普通公差について規定する。

なお,この

附属書 は,5 年を経過した時点で廃止を予定しているので,この附属書 の適用を受けた

図面は,できるだけ早い時期に本体の普通公差を適用するのがよい。

2.

長さの等級及び許容差  長さの公差の等級は精級及び並級とし,その許容差は附属書 表 による。

附属書 表 1  長さの許容差

単位 mm

ねずみ鋳鉄品

球状黒鉛鋳鉄品

寸法の区分

精級

並級

精級

並級

120

以下

±1

±1.5

±1.5

±2

120

を超え 250 以下

±1.5

±2

±2

±2.5

250

を超え 400 以下

±2

±3

±2.5

±3.5

400

を超え 800 以下

±3

±4

±4

±5

800

を超え  1 600 以下

±4

±6

±5

±7

1 600

を超え  3 150 以下

±10

±10

3.

肉厚の等級及び許容差  肉厚の等級は精級及び並級とし,その許容差は附属書 表 による。

附属書 表 2  肉厚の許容差

単位 mm

ねずみ鋳鉄品

球状黒鉛鋳鉄品

寸法の区分

精級

並級

精級

並級

10

以下

±1

±1.5

±1.2

±2

10

を超え  18 以下

±1.5

±2

±1.5

±2.5

18

を超え  30 以下

±2

±3

±2

±3

30

を超え  50 以下

±2

±3.5

±2.5

±4

4.

抜けこう配  抜けこう配は,本体表 による。

5.

図面上の指示  この附属書 による公差を図面に適用する場合には,次によって表題欄の中又はその

付近に指示する。

(1)

規格番号及び等級

例  JIS B 0403  附属書 1  並級

(2)

各寸法の区分に対する数値の表

(3)

個々の公差

例  鋳造品公差  ±3


17

B 0403-1995

附属書 2  鋳鋼品の普通寸法公差 

1.

適用範囲  この附属書 は,砂型による鋳鋼品の長さ及び肉厚の鋳放し寸法の普通公差について規定

する。

なお,この

附属書 は,5 年を経過した時点で廃止を予定しているので,この附属書 の適用を受けた

図面は,できるだけ早い時期に

本体の公差を適用するのがよい。

2.

長さの等級及び許容差  長さの公差の等級は精級,中級及び並級とし,その許容差は附属書 表 

よる。

附属書 表 1  長さの許容差

単位 mm

等級

寸法の区分

精級

中級

並級

 120

以下

±1.8

±2.8

±4.5

120

を超え 315 以下

±2.5

±4

±6

315

を超え 630 以下

±3.5

±5.5

±9

630

を超え 1

250

以下

±5

±8

±12

1 250

を超え 2

500

以下

±9

±14

±22

2 500

を超え 5

000

以下

±20

±35

5 000

を超え 10 000 以下

±63

3.

肉厚の等級及び許容差  肉厚の公差の等級は精級,中級及び並級とし,その許容差は附属書 表 

よる。

附属書 表 2  肉厚の許容差

単位 mm

等級

寸法の区分

精級

中級

並級

 18

以下

±1.4

±2.2

±3.5

18

を超え 50 以下

±2

±3

±5

50

を超え 120 以下

±4.5

±7

120

を超え 250 以下

±5.5

±9

250

を超え 400 以下

±7

±11

400

を超え 630 以下

±9

±14

630

を超え 1 000 以下

±18

備考  精級は,小物で特精度を必要とするものに限り適

用する。

4.

抜けこう配  抜けこう配は,本体表 による。

5.

図面上の指示  この附属書 による公差を図面に適用する場合には,次によって表題欄の中又はその

付近に指示する。

(1)

規格番号及び等級

例  JIS B 0403  附属書 2  中級


18

B 0403-1995

(2)

各寸法の区分に対する数値の表

(3)

個々の公差

例  鋳造品公差  ±3


19

B 0403-1995

附属書 3  アルミニウム合金鋳物の普通寸法公差

1.

適用範囲  この附属書 は,砂型(シェル型鋳物を含む。)及び金型(低圧鋳造を含む。)によるアル

ミニウム合金鋳物の長さ及び肉厚の寸法の普通公差について規定する。ただし,ロストワックス法などの

精密鋳型による鋳物には適用しない。

なお,この

附属書 は,5 年を経過した時点で廃止を予定しているので,この附属書 の適用を受けた

図面は,できるだけ早い時期に規格本体の公差を適用するのがよい。

2.

長さの等級及び許容差  長さの公差の等級は精級及び並級とし,その許容差は附属書 表 による。

附属書 表 1  長さの許容差

単位 mm

50

以下

 50

を超え

120

以下

120

を超え

250

以下

250

を超え

400

以下

400

を超え

800

以下

800

を超え

1 600

以下

1 600

を超え

3 150

以下

(参考)相

当公差等級

種類

呼び寸法の

区分

精級

並級

精級

並級

精級

並級

精級

並級

精級

並級

精級

並級

精級

並級

精級

並級

型 分 割 面 を

含 ま な い 部

±0.5  ±1.1  ±0.7  ±1.2  ±0.9 ±1.4 ±1.1 ±1.8 ±1.6 ±2.5

±4

±7 15

16

砂型鋳物

型 分 割 面 を

含む部分

±0.8  ±1.5  ±1.1  ±1.8  ±1.4 ±2.2 ±1.8 ±2.8 ±2.5 ±4.0

±6

− 16

17

型 分 割 面 を

含 ま な い 部

±0.3  ±0.5

±0.45

±0.7

±0.55

±0.9 ±0.7 ±1.1 ±1.0 ±1.6

− 14

15

金型鋳物

型 分 割 面 を

含む部分

±0.5  ±0.6  ±0.7  ±0.8  ±0.9 ±1.0 ±1.1 ±1.2 ±1.6 ±1.8

− 15

15

3.

肉厚の等級及び許容差  肉厚の公差の等級は精級及び並級とし,その許容差は附属書 表 による。

附属書 表 2  肉厚の許容差

単位 mm

呼び寸法の区分

6

以下

6

を超え

10

以下

10

を超え

18

以下

18

を超え

30

以下

30

を超え

50

以下

種類

鋳物の最大長さ

精級

並級

精級

並級

精級

並級

精級

並級

精級

並級

120

以下

±0.6

±1.2

±0.7

±1.4

±0.8

±1.6

±0.9  ±1.8

120

を超え  250 以下

±0.7

±1.3

±0.8

±1.5

±0.9

±1.7

±1.0  ±1.9  ±1.2

±2.3

250

を超え  400 以下

±0.8

±1.4

±0.9

±1.6

±1.0

±1.8

±1.1  ±2.0  ±1.3

±2.4

砂型鋳物

400

を超え  800 以下

±1.0

±1.6

±1.1

±1.8

±1.2

±2.0

±1.3  ±2.2  ±1.5

±2.6

120

以下

±0.3

±0.7

±0.4

±0.9

±0.5

±1.1

±0.6  ±1.3

120

を超え  250 以下

±0.4

±0.8

±0.5

±1.0

±0.6

±1.2

±0.7  ±1.4  ±0.9

±1.8

金型鋳物

250

を超え  400 以下

±0.5

±0.9

±0.6

±1.1

±0.7

±1.3

±0.8  ±1.5  ±1.0

±1.9

4.

抜けこう配  抜けこう配は,本体表 による。

5.

図面上の指示  この附属書 による公差を図面に適用する場合には,次によって表題欄の中又はその

付近に指示する。


20

B 0403-1995

(1)

規格番号及び等級

例  JIS B 0403  附属書 3  中級

(2)

各寸法の区分に対する数値の表

(3)

個々の公差

例  鋳造品公差  ±1


21

B 0403-1995

附属書 4  ダイカストの普通寸法公差 

1.

適用範囲  この附属書 は,亜鉛合金ダイカスト,アルミニウム合金ダイカストなどの鋳放し寸法の

普通公差について規定する。

なお,この

附属書 は,5 年を経過した時点で廃止を予定しているので,この附属書 の適用を受けた

図面は,できるだけ早い時期に本体の普通公差を適用するのがよい。

2.

等級及び許容差  等級及び許容差は 1 等級とし,その許容差は,附属書 表 による。

附属書 表 1  寸法の許容差

単位 mm

固定型及び可動型によって造る部分

型分割面に直角方向(

1

)

l

2

可動中子によって造る部分

l

3

型分割面に直角方向の鋳物

の投影面積(

2

)

cm

2

可動中子の移動方向に直角

な鋳物の部分の投影面積

cm

2

寸法の区分

型分割面に

平行方向

l

1

600

以下 600 を超え

2 400

以下

150

以下 150 を超え

600

以下

 30

以下

±0.25

±0.5

±0.6

±0.5

±0.6

30

を超え 50 以下

±0.3

±0.5

±0.6

±0.5

±0.6

50

を超え 80 以下

±0.35

±0.6

±0.6

±0.6

±0.6

80

を超え 120 以下

±0.45

±0.7

±0.7

±0.7

±0.7

120

を超え 180 以下

±0.5

±0.8

±0.8

±0.8

±0.8

180

を超え 250 以下

±0.55

±0.9

±0.9

±0.9

±0.9

250

を超 315 以下

±0.6

±1

±1

±1

±1

315

を超え 400 以下

±0.7

400

を超え 500 以下

±0.8

500

を超え 630 以下

±0.9

630

を超え 800 以下

±1

800

を超え 1 000 以下

±1.1

(

1

)

型分割面が長さに影響を与えない寸法部分には,l

1

の寸法公差を適用する。この場合の l

1

など

の記号は,

附属書41による。

(

2

)

鋳物の投影面積とは,鋳放し鋳造品の外周内投影面積を示す。


22

B 0403-1995

附属書 図 1  寸法を示す記号

3.

抜けこう配  抜けこう配は,本体表 による。

4.

図面上の指示  この附属書 による公差を図面に適用する場合には,次によって表題欄の中又はその

付近に指示する。

(1)

規格番号及び等級

例  JIS B 0403  附属書 4  中級

(2)

各寸法の区分に対する数値の表

(3)

個々の公差

例  鋳造品公差  ±0.2

原案作成委員会の構成表

委員長

梅  田  高  照

東京大学工学部

幹事

桑  田  浩  志

社団法人自動車技術会(トヨタ自動車株式会社)

竹田原  昇  司

通商産業省工業技術院標準部

中  野  俊  雄

社団法人日本強靱鋳鉄協会(株式会社池貝川口工場)

小  郷  一  郎

財団法人日本船舶振興協会標準部

渡  辺  紀  夫

社団法人日本鋳鍛鋼協会(福島製鋼株式会社)

天  野  健  郎

社団法人日本バルブ工業会(株式会社キッツ)

金  子  昌  雄

社団法人日本ダイカスト協会

市  原      弘

社団法人日本工作機械工業会(株式会社新潟鉄工所)

藤  田  雅  人

社団法人軽金属協会(株式会社東京軽合金製作所)

加  山  英  男

財団法人日本規格協会技術部

事務局

八  巻  眞己子

財団法人日本規格協会技術部

◎印:小委員会主査,○印:小委員会委員を兼ねる。