B 0155 : 1997
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによって JIS B 0155-1986 は改正され,この規格に置き換えられる。
日本工業規格
JIS
B
0155
: 1997
工業プロセス計測制御用語及び定義
Industrial-process measurement and control
−Terms and definitions
序文 この規格は,1987 年に第 1 版として発行された IEC 902,Industrial-process measurement and control
−Terms and definitions を元に,対応する用語については対応国際規格を翻訳し,意味内容を変更すること
なく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない用語を日本工業規格として追加
している。
なお,この規格の 3.のうち,対応国際規格の番号を付けてない用語は,対応国際規格にない用語である。
1.
適用範囲 この規格は,鉱工業における工業プロセス計測制御に関する用語について規定する。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
IEC 902 : 1987, Industrial-process measurement and control
−Terms and definitions
2.
分類 用語の分類は,次による。
a)
一般用語
1)
基本的な一般用語
2)
データ及び信号用語
3)
静的及び動的な挙動用語
3.1)
静的及び動的な挙動一般用語
3.2)
ステップ及びランプの応答用語
3.3)
周波数応答用語
b)
機能特性用語
1)
機能特性一般用語
2)
信号及び通信の用語
3)
計測用語
3.1)
計測一般用語
3.2)
測定レンジ用語
3.3)
応答及び校正の用語
4)
制御用語
4.1)
制御一般用語
4.2)
制御系及びシステムの用語
4.3)
制御信号及び変量用語
4.4)
制御動作特性用語
4.5)
制御系の特性及び安定性に関する用語
2
B 0155 : 1997
c)
機器用語
1)
機器一般用語
2)
測定用機器用語
2.1)
温度測定機器用語
2.2)
圧力測定機器用語
2.3)
流量測定機器用語
2.4)
液位測定機器用語
2.5)
位置及び移動を測定する機器用語
2.6)
成分測定(分析)機器用語
2.7)
各種の測定機器用語
3)
制御及び演算用機器用語
3.1)
制御機器用語
3.2)
演算機器用語
4)
操作部用語
5)
監視用機器用語
6)
補助機器用語
7)
収納用機器用語
d)
ディジタル技術用語
1)
ディジタル制御システム用語
2)
ディジタル通信用語
3)
保証に関する用語
e)
試験及び手法に関する一般用語
f)
動作条件用語
1)
動作条件一般用語
2)
温度・湿度・気圧動作条件に関する用語
3)
エネルギー供給に関する動作条件用語
4)
機械的影響に関する動作条件用語
5)
腐食及び侵食に関する動作条件用語
6)
電磁気の影響に関する動作条件用語
3.
用語及び定義 用語及び定義は,次による。
なお,対応国際規格の番号及び対応英語を参考として示す。
備考 一つの用語欄に,二つ以上の用語がコンマで区切って併記してある場合には,記載の順位に従
って優先使用する。
a)
一般用語
1)
基本的な一般用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
11001
システム,
系
所定の目的を達成するために,要素を結合した全体。
備考
システム は, 装置 と同一の意味で用いられる
ことがある。
system P1.0.0.01
3
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
11002
計測
変量の値を確定することを目的に行う一連の操作。
備考 公的に取り決めた標準を基礎とする計測を
計量”
ということがある。
measurement P1.0.0.02
11003
制御
システムにおいて,所定の目的に合致するように行う意図的な
操作。
備考1. 制御には,制御動作それ自体のほかに,監視及び
保安も含む場合がある。
2.
工業プロセスでは, 調節 を制御の意味で用いる
ことがある。
control P1.0.0.03
11004
制御系
制御のために,制御対象に制御装置を結合して構成された系。
control system
P1.0.0.04
11005
線形系
入力状態,又は出力の関係が線形方程式で記述可能な系。
linear system
P1.0.0.05
11006
工業プロセス
単一又は一連の物理的変化,若しくは化学的変化を基本に実行
する工業的操作の集合。
備考 物質やエネルギーの輸送,一時貯蔵,情報伝送など
も工業プロセスとみなすことができる。
industrial process
P1.0.0.06
11007
オンライン
機器とプロセスとが,プロセスが進行している実時間中に互い
に作用し合ったり,又はその一方が他方に作用を及ぼすような
状態。
on-line P1.0.0.07
11008
オフライン
機器とプロセスとが,プロセスが進行している実時間中に互い
に関連しているが作用し合うことがなく,又はその一方が他方
に作用を及ぼすようなことがない状態。
off-line P1.0.0.08
11009
プロセス計測
プロセス変量値を確定するための情報の取得。
process
measurement
P1.0.0.09
11010
プロセス制御
プロセスの操業状態に影響する諸変量を,所定の目標に合致す
るように意図的に行う操作。
process control
P1.0.0.10
11011
技術仕様
製品及びサービスに関する品質水準,性能,安全,寸法などの
諸特性を記述した文書。
備考 技術仕様には,用語,定義,記号,試験及び試験手
順,こん包,表記・表示などに関する必要事項を含
むことがある。また,法規によることもある。
technical
specification
P1.0.0.11
11012
標準仕様
共同体の最適利益を目的に地域的,国家的及び国際的に承認さ
れた団体が支持する,公表されている技術仕様又は技術仕様外
の文書。
備考1. 標準仕様は,影響のある関係者の協調・同意,又
は総合的な支持を得て,科学的,技術的及び経験
的な成果に基づいて作成する。
2.
用語
標準
は,上記の定義をすべて満足するも
のではなく,例えば, 会社標準 といった場合に
もしばしば用いることがある。
standard
specification
P1.0.0.12
11013
計測標準
他の計測機器を比較・校正する目的で,ある量の一つ以上の既
知の値の単位量の定義を実現,保存又は再生を意図した有形の
基準器,計測機器又はシステム。
例1. 1キログラム質量標準
2.
標準ゲージブロック
3. 100
オーム標準抵抗
4.
ウエストン式飽和標準電池
5.
標準電流計
6.
セシウム原子周波数標準
measurement
standard
P1.0.0.13
11014
アルゴリズム
入力変数から出力変数が算出可能となる,正確に決定された有
限の順序をもつ命令群。
algorithm P1.0.0.14
4
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
11015
パラメタ
ある系内での変量,又は変数を記述する量。
備考 パラメタは,一定の場合と,時間又は系の変量の大
きさに依存する場合とがある。
parameter P1.0.0.15
11016
構成
a)
ハードウェア モジュールの選定,これらの配置,相互接
続の決定などシステム設計の一工程。
b)
ソフトウェア 論理モジュールをあらかじめ装着したシス
テムにあって,必要とするモジュールの選定,これらの適
切な論理配置への割付け(
例 制御ループ,表示場所など)
及びこれらの接続。
備考 この用語は,ハードウェアとソフトウェアとの両方
で用いる。
configuration P1.0.0.16
11017
シミュレーショ
ン
物理的又は抽象的なシステムの,特定の動作の特性に関する別
のシステムによる表現。
例 1. データ処理システムによる,演算を手段とした,物
理現象の表現。
例 2. データ処理システムの演算に関する,別のデータ処
理システムによる表現。
simulation
11018
プログラム
ある成果を得るために計画した,一連の処理工程。
program P1.0.0.17
11019
決定表
問題の定義で起こり得るすべての偶発条件と,それに対して実
行すべき動作とを組み合わせた表。
備考 プログラムの表現文書として,流れ図の代わりに用
いる場合がある。
decision table
P1.0.0.18
11020
流れ図
問題の定義,分析又は解法の図表による表現。
備考 操作の手順,データの流れ・機器などを記号を用い
て表す。
flow chart
P1.0.0.19
11021
フローダイヤグ
ラム
工業プロセスの図表による表現。
flow diagram
P1.0.0.20
11022
ブラックボック
ス
入出力信号が分かっているだけで,何らかの機能を実行する装
置を示すために用いる一般的な用語。
black box
P1.0.0.21
11023
機能ブロック
長方形の中に入力変量と出力変量の関数関係を記号で表した入
出力変量をもつ系又は要素。
備考 機能関係は,算術命令,伝達機能,微分式・差分式,
特性曲線,特性曲線群,又は切換え機能で与えられ
る。
functional block
P1.0.0.22
11024
ブロック線図
システム(又はその一部)の基本的な機能を機能ブロック群で
表し,機能ブロック間の相互関係を信号の流れの方向を示す線
で接続表示している図。
備考 必ずしも,すべての機能ブロック間の接続を示す必
要はない。
block diagram
P1.0.0.23
11025
初期化
基本条件又は開始状態にすること。
initialization P1.0.0.24
11026
モジュラリティ 部品及びユニットの結合容易性,ユニット間の組合せ,システ
ムに組み込むなどの機能属性。
modularity P1.0.0.25
11027
デバイス
所定の機能を実行できる機器の要素。
device P1.0.0.26
11028
構成要素
システムを構成する最小機能単位の要素。
component
11029
オペレータ
工業プロセス又はその制御装置の操作・監視を行う者。
operator P1.0.0.27
11030
補償
指定された動作条件の中で,諸要因に起因する誤差要因を相殺
すること。
例 特殊構造,補助機器,回路,特殊材料などの使用。
compensation P1.0.0.28
11031
互換性
指定したインタフェースの仕様に合致できる単位機能の能力。
compatibility P1.0.0.29
5
B 0155 : 1997
2)
データ及び信号用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
12001
データ
情報を表現する文字,若しくは連続的に可変な量又は形式。
data P1.1.0.01
12002
アナログデータ 連続的に可変な量で表現されたデータ。
analogue data
P1.1.0.02
12003
ディジタルデー
タ
数値又は文字で表現されたデータ。
digital data
P1.1.0.03
12004
変量
計測可能な値の変化量又は状態。
variable P1.1.0.04
12005
信号
変量の情報を伝えるパラメタをもつ物理的な量。
備考 パラメタを情報パラメタという。
signal P1.1.0.05
12006
アナログ信号
連続的な量の情報パラメタで表した信号。
analogue signal
P1.1.0.06
12007
統一信号
レンジが標準化された信号。
例 4〜20mA dc 電流信号
20
〜100kPa 空気圧信号
standardized signal P1.1.0.07
12008
ディジタル信号 数字に対応した離散的な情報パラメタで表した信号。
digital signal
P1.1.0.08
12009
入力信号
機器に入る信号。
input signal
P1.1.0.09
12010
出力信号
機器から出る信号。
output signal
P1.1.0.10
12011
量子化
連続的な量を幾つかの区間に区分し,各区間を同一の値とみな
すこと。
備考 各区間の同一値を量子化値という。
quantization P1.1.0.11
12012
量子化信号
量子化された値で表現した信号。
quantized signal
P1.1.0.12
12013
2
値信号
2
個の異なる値で表現する量子化信号。
binary signal
P1.1.0.13
12014
レンジ
対象となる変量の上下限値によって表される範囲(
付図 1 参
照)
。
備考
レンジ
という用語は,通常,測定変量,動作条
件などの修飾語と一緒に用いられる。
range P1.1.0.14
12015
スパン
あるレンジの上限値と下限値との差。
例1. レンジ
0
℃〜150℃,スパン 150℃
2.
レンジ
−20℃〜200℃,スパン 220℃
3.
レンジ 20℃〜150℃,スパン 130℃
4.
レンジ 4mA〜 20mA,スパン 16mA
5.
レンジ
−100℃〜 −20℃,スパン 80℃
span P1.1.0.15
3)
静的及び動的な挙動用語
3.1)
静的及び動的な挙動一般用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
13101
時間応答
指定された使用条件において,要素・系の入力変化に対する出
力の時間的変化。
time response
P1.2.0.01
13102
ステップ応答
要素・系の入力がある一定値から他の一定値に瞬時変化した場
合に生じる時間応答(
付図 2 参照)。
step response
P1.2.0.02
13103
ランプ応答
入力が無変化の状態から一定速度で変化する状態に移行したと
きの時間応答。
ramp response
P1.2.0.03
13104
インパルス応答 インパルス入力を加えた場合に生じる時間応答。
備考 線形系における単位インパルス応答(重み関数)と
は,単位ステップ応答の時間微分である。
impulse response
P1.2.0.04
13105
定常状態
要素・系のすべての過渡的影響が収まり,すべての入力が一定
である状態。
steady state
P1.2.0.05
13106
過渡状態
二つの定常状態間を推移する間の変量の変化状態。
transient P1.2.0.06
13107
ラプラス変換
関数 f (t) を次の式によって表す複素変数 s の関数 F (s) への変
換。
ò
∞
−
=
0
)
(
)
(
dt
e
t
f
s
F
st
Laplace transform
P1.2.0.07
6
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
13108
フーリエ変換
関数 f (t) を次の式によって表す実変数
ω
の関数 F (j
ω
)
への変
換。
ò
∞
∞
−
−
=
dt
e
t
f
j
F
t
j
ω
ω
)
(
)
(
Fourier transform
P1.2.0.08
13109
伝達関数
時不変線形系において,すべての初期条件をゼロとした場合の,
ラプラス変換された入力と出力との比。
transfer function
P1.2.0.09
13110
周波数応答
正弦波が入力されている定常状態の線形系において,角周波数
ω
の関数で表された入力と出力との回転ベクトルの比。
備考 周波数応答は,複素平面の座標上の伝達関数と一致
する。
frequency response P1.2.0.10
13111
記述関数
定常状態における非線形要素に正弦波入力を加えた場合,出力
の基本波成分だけをとることによって得られる周波数応答。
備考 記述関数は,入力信号の周波数と振幅とに依存する
場合,又は入力信号の振幅にだけ依存する場合があ
る。
describing function P1.2.0.11
13112
安定性
外乱によって定常状態を外れた系が定常状態へ戻ろうとする性
質。
備考 線形系では外乱がなくなると,元の定常状態に戻ろ
うとする。
stability P1.2.0.12
13113
ゲイン
正弦波が入力されている定常状態の線形系において,入力とそ
れに対応する出力との振幅の比。
備考1. ゲインは,ある周波数での周波数応答の係数(絶
対値)である。
2.
現実的な使い方として,周波数がゼロの
静的ゲ
イン
と対比して,ゼロ以外の周波数のゲインは
通常
動的ゲイン
と呼ばれる。
gain P1.2.0.13
13114
対数ゲイン
ゲインの対数。
備考 対数ゲインは,通常デシベルで表す。ゲイン G に対
し対数ゲインは,20log
10
・G (dB) (
付図 3 参照)。
logarithmic gain
P1.2.0.14
13115
減衰
回路の抵抗又は伝送距離による,信号の大きさの減少。
備考 減衰を表すには,無次元の比,スカラー比,又はそ
の比の対数の 20 倍(デシベル)を用いる。
attenuation P1.2.0.15
13116
位相角
正弦波入力のある定常状態の線形系において,入力とそれに対
応する出力との間の位相差(
付図 3 参照)。
備考 位相角は,周波数応答の複素偏角である。
phase angle
P1.2.0.16
13117
伝達遅れ
物質の輸送時間又は信号伝ぱの有限な速度に起因する遅れ。
transport delay
P1.2.0.17
13118
むだ時間
入力変量の変化が発生した瞬間と,それによって出力変量の変
化が始まった瞬間との時間間隔(
付図 2 参照)。
dead time
P1.2.0.18
13119
ステップ応答時
間
入力がステップ状に変化した瞬間から,出力がその全変化分の
指定されたパーセントに達するまでに要する時間(
付図 2 参
照)
。
step response time
13120
時定数
1
次線形系において,入力がステップ状に変化したとき,出力
変化が全変化分の 63.2%に達するのに要する時間。
備考1. 時間応答が A (1−e
−t/T
)
又は Ae
−t/T
(それぞれステ
ップ入力の場合)と記述されるとき T が時定数と
なる。
2.
高次系の場合,プロセスの各 1 次遅れ要素に対し
て時定数がある。ボード線図では,コーナ角周波
数が
ω
=1/T で現れる。
time constant
P1.2.0.19
7
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
13121
制動(振動の) エネルギーを失って,振動の振幅が時間とともに減少する状態。
damping (of an
oscillation)
P1.2.0.20
2
次線形系の自由振動において,振幅の減少する割合。
damping ratio
13122
制動比
図 1 2 次遅れ系を含むシステムの制御応答
P1.2.0.21
13123
自然固有周波数 次の微分方程式で表せる,2 次線形系における角周波数
ω
0
。
0
2
2
0
0
2
2
=
+
+
x
dt
dx
D
dt
x
d
ω
ω
natural inherent
frequency
P1.2.0.22
13124
制動係数
次の微分方程式で表せる,2 次線形系の係数 D の値。
0
2
2
0
0
2
2
=
+
x
dt
dx
D
dt
x
d
ω
ω
damping factor
P1.2.0.23
13125
固有周波数
制動係数 D を含む 2 次線形系のステップ応答,
ú
ú
û
ù
ê
ê
ë
é
−
−
+
−
−
=
−
)
1
sin(
1
)
1
cos(
1
)
(
2
0
2
2
0
0
t
D
D
D
t
D
e
t
h
t
D
ω
ω
ω
において,自然固有周波数
ω
0
と
2
0
1 D
e
−
=
ω
ω
とによって関
係づけられる見掛けの周波数。
備考 上のステップ応答は,v (t) のステップ状の変化に対
する次の微分方程式によって与えられる。
)
(
)
(
)
(
2
)
(
1
0
2
2
2
0
t
v
t
x
dt
t
dx
D
dt
t
x
d
=
+
⋅
+
⋅
ω
ω
eigen frequency
P1.2.0.24
13126
共振周波数
系に固有で,特別に大きな出力を生じる正弦波入力信号の周波
数
ω
r
。
備考 次の微分方程式で表せる要素を含む伝達関数をもつ
線形系の場合は,対応する周波数応答ゲインは,自
然固有周波数
ω
0
と
2
0
2
1
D
r
−
=
ω
ω
とによって関
係づけられる
ω
r
で最大値をとる。
)
(
)
(
)
(
2
)
(
1
0
2
2
2
0
t
v
t
x
dt
t
dx
D
dt
t
x
d
=
+
⋅
+
⋅
ω
ω
resonance
frequency
P1.2.0.25
3.2)
ステップ及びランプ応答用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
13201
過渡行過ぎ量,
オーバーシュー
ト
ステップ応答において,出力が最終定常値を超えた後,最初に
とる極大値の最終定常値からの隔たりを最終変化量の百分率で
表したもの(
付図 2 参照)。
transient overshoot P1.2.1.01
8
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
13202
立上り時間
ステップ応答において,出力がその最終変化量のあるパーセン
トから別のパーセント(例えば,10%〜90%,5%〜95%など)
に変化するのに要する時間(
付図 2 参照)。
rise time
P1.2.1.02
13203
整定時間
ステップ応答において,出力が最終定常値の指定された許容範
囲以内(例えば,±5%)に納まるまでに要する時間。
settling time
P1.2.1.03
13204
ランプ応答時間 ランプ応答において,入力に静的ゲインを乗じた値から出力の
1
次定常偏差を引いた値が,指定された許容範囲以内(例えば,
±5%)に納まるまでの時間。
ramp response time P1.2.1.04
3.3)
周波数応答用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
13301
ボード線図
周波数応答 G (j
ω) を,角周波数の対数 log
ω
を横軸にゲインの
対数(dB 単位で書くことが多い)及び位相差を縦軸にとって描
いた 2 本一組の線図(
付図 3 参照)。
備考 ゲインを描いたものをゲイン線図,位相差を描いた
ものを位相線図と呼ぶ。
Bode diagram
P1.2.2.0l
13302
周波数応答軌
跡,
極座標プロット
パラメタとして角周波数 (
ω
)
が,ゼロから無限大まで変化した
ときの複素平面での周波数応答の図形表示。ここに,動径は周
波数応答の絶対値であり,そのときの偏角は周波数応答の位相
角である。
frequency response
locus,
polar plot
P1.2.2.02
[
]
2
)
(
2
1
/
1
)
(
Ω
+
Ω
+
=
Ω
j
Dj
j
G
ここに,D=0.4,
Ω
=
ωT
Ω=ωT=正規化された周波数
図 2 周波数応答軌跡
13303
ゲイン交点周波
数
ボード線図又は極座標プロットにおいて,ゲインが 1 になる周
波数(
図 2 参照)。
gain-crossover
frequency
P1.2.2.04
13304
コーナ周波数
ボード線図において対数ゲイン曲線に漸近する二つの直線の交
点にあたる周波数。
corner frequency
P1.2.2.05
13305
位相交点周波数 ボード線図又は極座標プロットにおいて,位相角が±180°にな
る周波数。
phase crossover
frequency
P1.2.2.06
9
B 0155 : 1997
b)
機能特性用語
1)
機能特性一般用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
21001
性能特性
静的又は動的な条件下において,又は特定の試験の結果として,
機器の機能及び能力を表す適切なパラメタとその数値との表
記。
performance
characteristics
P2.0.0.01
21002
基準性能特性
基準動作条件下で得られる性能特性。
reference
performance
characteristics
P2.0.0.02
21003
製品仕様
特定の製品について記述する性能,その他の特性の表記。
product
specification
P2.0.0.03
21004
レンジアビリテ
ィ,
ターンダウンレ
シオ
機器の仕様に示された精度定格で校正可能な,最大スパンと最
小スパンとの比。
例 機器のスパンの校正可能範囲が 10〜90 であれば,レン
ジアビリティは
10
90
=9 である。
range ability,
turn-down ratio
P2.0.0.04
21005
1
点当たり時間 多点記録計の連続した打点の時間間隔。
time per point
P2.0.0.05
21006
走査速度
1
秒当たりのチャネル数で表される,一連のアナログ入力チャ
ネルの問合わせ速度。
scan rate
P2.0.0.06
21007
サンプリング周
期,
サンプリング間
隔
連続時間信号のサンプリングを行うときの時間間隔。
sampling period,
sampling interval
P2.0.0.07
21008
再訪率
指定の精度定格でディジタル値に変換するために,1 アナログ
入力チャネルに割り当てられる秒当たりに換算した問合わせ回
数。
revisit rate
P2.0.0.08
21009
ウォームアップ
時間
機器を起動してから,その機器のすべての性能が定格値に達す
るまでに必要な時間。
warm-up period
P2.0.0.09
2)
信号及び通信の用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
22001
信号ひずみ
所定の信号パターンにおける,望ましくない変化。
distortion P2.1.1.01
22002
雑音
信号に重ねられ,その情報内容を不鮮明にするような,好まし
くない外乱。
noise P2.1.1.02
22003
フィードオーバ
ー,
クロストーク
他の回路からの望ましくないエネルギーの影響によって,回路
中に生じる妨害。
feedover,
crosstalk
P2.1.1.03
22004
シグナルコモン 多くの信号回路に共通の電気的接続部。
備考 シグナルコモンは,多くの場合接地される。
signal common
P2.1.1.04
22005
信号絶縁
信号回路とすべての他の回路及び接地との間に干渉がないこ
と。
備考 干渉には信号の物理的性質によって,電気的,電磁
的,静電的,熱的などがある。
signal isolation
P2.1.1.05
22006
信号対雑音比,
SN
比,
S/N
信号振幅と雑音振幅との比,普通はデシベル (dB) で表す。
備考 正弦波信号に対しては,振幅はピーク値又は実効値,
非正弦波信号に対しては,ピーク値をとる。
signal to noise ratio P2.1.1.06
22007
コモンモード信
号
共通基準点に対して差動入力の両端に現れる,同一の振幅及び
位相をもった望ましくない信号。
例 コモンモード電圧など。
common mode
signal
P2.1.1.07
22008
コモンモード除
去
出力にコモンモード信号によって現れる影響の抑制。
common mode
rejection
P21.1.08
10
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
22009
コモンモード除
去率,
CMRR
機器の入力端子におけるコモンモード電圧と,同じ出力信号を
得るような同一特性の差動入力信号との比。増幅器においては,
コモンモード干渉の影響を入力に換算。
備考 コモンモード除去率は,比率又はデシベル,すなわ
ち,20・log
10
(比率)で表し,周波数と振幅とに依存
する。
common mode
rejection ratio
P2.1.1.09
22010
シリーズモード
信号,
ノーマルモード
信号
機器又は装置の入力端子間にかかる望ましくない差動信号。
series mode signal,
normal mode
signal
P2.1.1.10
22011
シリーズモード
除去,
ノーマルモード
除去
出力にシリーズモード信号との影響が現れるのを抑制するこ
と。
series mode
rejection,
normal mode
rejection
P2.1.1.11
22012
シリーズモード
除去率,
ノーマルモード
除去率
出力情報にある変化を引き起こすようなシリーズモード信号
と,同一の変化を生じるために必要な信号との増加分の比。
備考 シリーズモード除去率は,デシベルすなわち 20・
log
10
(比率)で表す。
series mode
rejection ratio,
normal mode
rejection ratio
P2.1.1.12
22013
絶縁形アナログ
入力
入力端子が,他のすべての端子から電気的に絶縁されているア
ナログ入力チャネル。
isolated analogue
input
P2.1.1.13
22014
非絶縁形アナロ
グ入力
入力端子が,他の端子と電気的に接続されているアナログ入力
チャネル。
non-isolated
analogue input
P2.1.1.14
22015
負荷
機器の出力側に接続されて出力のエネルギーを,消費又は吸収
する部分。
load
3)
計測用語
3.1)
計測一般用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
23101
測定変量,
測定量
測定される量,性質又は状態。
備考 一般的な測定変量としては,温度,圧力,流量,速
度などがある。
measured variable
P2.2.0.01
23102
測定値
ある瞬時において,測定装置から得られる情報の値。
measured value
P2.2.0.02
23103
真の値
a)
測定量の正しい値。
備考 特別な場合を除き,観念的な値で,実際には求めら
れないので,真の値とみなし得る値を用いることが
ある。
b)
標準器について,それが現実にもつ値。
true value
P2.2.0.03
23104
誤差
測定値と真の値との間の代数差。
備考1. 測定値が真の値より大きいとき,誤差は正となる。
誤差=測定値−真の値
2.
機器の試験成績表に誤差を記す場合は,その機器
の校正の方式を明記する必要がある。
error P2.2.0.04
23105
系統誤差
測定結果に偏りを与える原因によって生じる誤差。
systematic error
P.2.2.0.05
23106
補正
真に近い値を得るために,測定結果に代数的に加算すること,
又は加算される値。
備考 補正値は,系統誤差の既知の部分を差し引いたもの
である。
correction P.2.2.0.06
23107
補正基準
補正を行う際に用いる基準又は基準値。
correction
reference
23108
基準接点補償, 熱電対入力の場合に,基準側端子の周囲温度の変化による測定
reference junction
11
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
冷接点補償
誤差を少なくするための補償。
compensation
23109
温度圧力補正
温度及び圧力が,その基準値から変動したために生じた測定値
への影響の補正。
temperature/
pressure
correction
23110
識別スレッシュ
ホールド
出力側で感知できる,入力の最小変化値。
discrimination
threshold
P2.2.0.07
23111
分解能
相互に識別可能な隣接した二つの値の最小間隔。
備考 ディジタル出力計器においては,分解能という用語
は,しばしば,出力(表示)の最小変化として用い
る。
resolution P2.2.0.08
23112
感度
計測器の入力変化に対する応答変化の比。
備考 感度は,入力の値によって変わる場合がある。
sensitivity P2.2.0.09
23113
測定周期
ある測定点において,一定時間間隔で行われる測定の,ある測
定から次の測定までの時間間隔。
measuring period
23114
トレンド記録
主としてプロセスの運転傾向を知るために,入力点から希望の
点を選択して時系列変化を記録し,トレンドグラフとして表示
する方法。
備考1. 類似語として,リアルタイムトレンド(信号の値
が現在どのように変化しているかを表示するトレ
ンド機能)及びヒストリカルトレンド(長時間の
トレンド記録)がある。
2.
トレンドには,1 点固定のトレンド記録及び多点
トレンド記録がある。
trend recording
23115
バーンアウト
無入力状態のとき,出力を最大方向又は最小方向に振り切らせ
ること。
burnout
3.2)
測定レンジ用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
23201
測定レンジ,
測定範囲
測定器によって測定できる量の範囲。
備考 目盛が示す測定量の最大値をフルスケール (full
scale)
といい,スパン (span) とは異なる。
measuring range
P2.2.1.01
23202
測定レンジの実
下限値
測定するために調整された,機器の測定量の最低値。
measuring range
lower limit
P2.2.1.02
23203
測定レンジの実
上限値
測定するために調整された,機器の測定量の最高値。
measuring range
higher limit
P2.2.1.03
23204
測定レンジの調
整可能下限
規定の誤差限界内で測定するために調整可能な,機器の測定量
の最低値。
lower actual
measuring range
value
P2.2.1.04
23205
測定レンジの調
整可能上限
規定の誤差限界内で測定するために調整可能な,機器の測定量
の最高値。
higher actual
measuring range
value
P2.2.1.05
23206
オーバーレンジ 機器において,入力信号値が調整された測定範囲を超えている
状態。
over range
P2.2.1.06
23207
オーバーレンジ
の限界
性能に損傷又は永久変化を生じさせることなく,機器に印加で
きる最大入力。
over range limit
P2.2.1.07
23208
ゼロ負遷移レン
ジ
測定量のゼロが測定レンジの実下限値以下であるようなレン
ジ。
備考 ゼロは,目盛上に現れない(付図 1 参照)。
例 20〜100kPa
suppressed-zero
range
P2.2.1.08
12
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
23209
ゼロサプレッシ
ョン
ゼロ負遷移レンジで,測定量のゼロが測定レンジの実下限値以
下である量。
備考 測定量の単位で表せば,そのゼロサプレッションは
測定レンジ実下限値に等しく,また,スパンの百分
率でも表せる(サプレション比)
。
zero suppression
P2.2.1.09
23210
ゼロ正遷移レン
ジ
測定量のゼロが測定レンジの実下限値より大きいようなレンジ
(
付図 1 参照)。
備考 ゼロは,レンジの実上下限値の間,レンジ実上限値,
又はレンジ実上限値より上にある。
例
−10V〜0V〜+10V
−100℃〜0℃
−100℃〜−20℃
elevated-zero range P2.2.1.10
23211
ゼロエレベーシ
ョン
ゼロ正遷移レンジで,測定量のゼロが測定レンジの実下限値以
上である量(
付図 1 参照)。
備考 ゼロエレベーションは,測定量の単位か又はスパン
の百分率かのどちらかで表される。
zero elevation
P2.2.1.11
23212
対数目盛
対数表示の目盛。
例
図 3
logarithmic scale
23213
二乗目盛
対数表示の目盛。
例
図 4
square-law scale
23214
開平目盛
開平表示の目盛。
例
図 5
square-root scale
13
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
23215
多重目盛
目盛範囲が異なった目盛が複数表示してある目盛。
例
図 6 多重目盛の例
備考 目盛範囲が異なった目盛が二つの場合には,二重目
盛 (double scale) という。
例
図 7 二重目盛の例
multiple scale
23216
スケーリング
a)
ディジタル機器又は装置において,レンジの書込み。
b)
ディジタル機器又は装置において,入力データ(物理量デ
ータ)の工業単位データヘの変換。
scaling
3.3)
応答及び校正の用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
23301
特性曲線
機器において,それ以外の入力量を一定値にして,定常状態に
おける出力量を,一つの入力量の関数として表した線。
備考 他の入力量をパラメタとして扱うと,一群の特性曲
線が得られる。
characteristic curve P2.2.2.01
23302
規定特性曲線
定められた条件の下で,定常状態における機器の出力量を,対
応ずる入力量の関数として規定した線(
付図 4 参照)。
specified
characteristic
curve
P2.2.2.02
23303
正確さ
測定した値と測定される量の(実用上の)
,真の値との合致性概
念の度合。
accuracy P2.2.2.03
23304
組合せ精度,
総合精度
多数個の機器を組み合わせて動作させたとき,その結果として
得られた最大誤差の限界。
system accuracy
23305
最大誤差
定められた条件の下で,定められた手順に従って装置の試験を
行ったときに観測される,規定特性曲線に対する正又は負の最
大偏差(
付図 4 参照)。
備考1. 一般には,測定量,スパンの百分率,レンジ上限
値の百分率,目盛長の百分率,又は出力の読取り
値の百分率で表現される。特定の表示方法による
場合は,それを明記しなければならない。
2.
最 大 誤 差 と い う 用 語 は , し ば し ば , 測 定 確 度
(measured accracy)
とも呼ばれるが,これは好まし
くない。
inaccuracy P2.2.2.04
14
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
23306
精度定格
機器の形式仕様によって許容される,最大誤差の限界(
付図 4
参照)
。
備考 精度定格には,一致度,ヒステリシス,不感帯,繰
返し性誤差,及びその機器の仕様に定められる関連
細目による複合的影響が含まれる。
accracy rating
P2.2.2.05
23307
校正
指定の条件の下で,測定機器の出力値と測定される量との間の
関係を定めること。
備考 実際の校正では,次の作業がある。
a)
目盛に目盛線を入れる場所の決定。
b)
機器の出力の読取り値と標準との比較による誤差の
決定。
calibration P2.2.2.06
23308
校正曲線
定められた条件の下で,実際に測定機器で得た値と測定する量
の値との関係を表した曲線(
付図 4 参照)。
calibration curve
P2.2.2.07
23309
校正サイクル
機器の校正範囲内において,測定値の上昇及び下降にそれぞれ
対応して得られた 2 本の校正曲線の組合せ(
付図 4 参照)。
calibration cycle
P2.2.2.08
23310
校正表
数表の形式にした校正曲線(
付図 5 参照)。
calibration table
P2.2.2.09
23311
校正のトレーサ
ビリティ
機器の校正に用いる既知の値を,公的に認証された標準値に関
係づける能力。
備考 トレーサビリティは,通常,国立の標準試験研究機
関で校正し,保証された 1 個又は 1 群の計器を用い,
逐次比較法によって実行される。
calibration
traceability
P2.2.2.10
23312
調整
機器の出力を,望まれる仕様特性曲線とできる限り一致するよ
うにする作業。
adjustment P2.2.2.11
23313
一致性
直線,対数曲線,放物線などの規定特性と,近似する校正曲線
との近接の度合。
備考 一致性には修飾語を加える必要があり,単に一致性
といえば独立一致性を指す。
conformity P2.2.2.12
23314
独立一致性
規定特性曲線と,それを近似する校正曲線との最大プラス差及
び最大マイナス差が最も小さくなるようにした場合の,近接の
度合。
図 8
independent
conformity
P2.2.2.13
15
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
23315
両端基準一致性
校正曲線と,それを近似する規定特性曲線がレンジの上限値及
び下限値でそれぞれ一致するようにした場合の,近接の度合。
図 9
terminal-based
conformity
P2.2.2.14
23316
ゼロ基準一致性
規定特性曲線とそれを近似する校正曲線とを,レンジの下限値
で一致させ,最大プラス差及び最大マイナス差が等しくなるよ
うにした場合の,近接の度合。
図 10
zero-based
conformity
P2.2.2.15
23317
一致性誤差
校正曲線と規定特性曲線との間の最大偏差の絶対値。
備考1. 一致性誤差は,通常,スパンの百分率で表される。
2.
一致性誤差には修飾語を加える必要があり,単に
一致性誤差といえば独立一致性誤差を指す。
conformity error
P2.2.2.16
23318
直線性
校正曲線が直線で近似される近接の度合。
備考 直線性には修飾語を加える必要があり,単に直線性
といえば独立直線性を指す。
linearity P2.2.2.17
16
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
23319
独立直線性
校正曲線と近似直線とを,最大プラス差及び最大マイナス差が
最も小さくなるようにした場合の,近接の度合。
図 11
independent
linearity
P2.2.2.18
23320
両端基準直線性
校正曲線と近似直線とを,レンジの上限値及び下限値でそれぞ
れ一致するようにした場合の,近接の度合。
図 12
terminal-based
linearity
P2.2.2.19
17
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
23321
ゼロ基準直線性
校正曲線と近似直線とを,レンジの下限値で一致させ,相互の
最大プラス差及び最大マイナス差が等しくなるようにした場合
の,近接の度合。
図 13
zero-based
linearity
P2.2.2.20
23322
直線性誤差
校正曲線と,選ばれた近似直線との間の最大プラス差及び最大
マイナス差。
備考 直線性誤差には修飾語を加える必要があり,単に直
線性誤差といえば独立直線性誤差を指す。
linearity error
P2.2.2.21
18
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
23323
ヒステリシス
印加された入力値の方向性によって,出力値が異なる機器の特
性。
hysteresis P2.2.2.22
a)
ヒステリシス
b)
不感帯
c)
ヒステリシス
及び不感帯
図 14 ヒステリシス及び不感帯
23324
ヒステリシス差
全レンジにわたって測定量を上昇,下降させることによって得
られる二つの校正曲線の間の,不感帯分を除く最大偏差。
hysteresis error
P2.2.2.23
23325
不感帯
出力値の変化として感知できる変化を,全く生じることのない
入力変化の有限範囲(
図 14 参照)。
備考1. この特性を意図的に使う場合, 中立帯 と呼ぶこ
とがある。
2.
出力がディジタル値で表される機器の場合,不感
帯とは,ディジタル出力が必ず変化を生じるアナ
ログ入力信号の最小変化をいう。
dead band
P2.2.2.24
23326
不感帯誤差
測定レンジにおける不感帯の最大値。
dead band error
P2.2.2.25
23327
分解能係数
最大不感帯と測定スパンとの百分率比。
resolution factor
P2.2.2.26
23328
ドリフト
機器の外部要因によらずに,ある期間にわたって装置の入力・
出力の関係に起こる望ましくない緩慢な変化。
drift P2.2.2.27
23329
点ドリフト
規定の基準動作条件での,一定の入力に対する,規定期間にお
ける出力の変化。
備考 点ドリフトは,しばしば一つ以上の入力値(例えば,
レンジの 0%,50%,100%)で測定される。それに
よってゼロドリフト及びスパンドリフトが求められ
る。
例 周囲温度 20±1℃,試験期間 48 時間に対する中間目盛
点ドリフトは,出力スパンの 0.1%以内。
point drift
P2.2.2.28
23330
繰返し性誤差
全動作範囲にわたって,同一動作条件の下で,同一方向から接
近する同一入力値に対する出力を短時間反復測定したときの上
下限測定値の代数差(
付図 5 参照)。
備考 繰返し性誤差は,通常,スパンの百分率で表され,
ヒステリシス及びドリフトを含まない。
repeatability error
P2.2.2.29
19
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
23331
再現性誤差
規定時間以上にわたり,同一動作条件の下で同一入力値に対し
て,両方向から接近させて出力を反復測定したときの上下限測
定値の代数差。
備考 再現性は,通常,スパン百分率で表され,ヒステリ
シス,繰返し性及び不感帯を含む。規定時間が十分
長いならば,ドリフトまでも含む。
reproducibility
error
P2.2.2.30
23332
環境誤差
環境条件のそれ以外のパラメタが基準値に保たれているとき,
ある一つのパラメタ(温度,電源など)が変化することによっ
て受ける誤差の最大量。
備考 例えば,次のパラメタなど。
温度誤差 %/℃
電源電圧誤差 %/V
電源周波数誤差 %/Hz
environmental
error
P2.2.2.31
23333
スパン誤差
実際の出力スパンと指定の出力スパンとの差。
備考 スパン誤差は,通常,指定の出力スパンの百分率で
表す。
span error
P2.2.2.32
23334
スパンシフト
何らかの影響に基づく,出力スパンの変化。
備考 スパンシフトは,通常,指定のスパンの百分率で表
される。
span shift
P2.2.2.33
図 15 スパンシフト及びゼロシフト
23335
ゼロ点誤差
指定の使用条件の下で,入力がレンジの下限値のとき,実際の
出力値と出力範囲の指定の最小値との差。
備考 ゼロ点誤差は,通常,指定の出力スパンの百分率で
表す。
zero error
P2.2.2.34
23336
ゼロシフト
入力がレンジの下限値のとき,何らかの影響による出力値の変
化(
図 15 参照)。
備考 ゼロシフトは,通常,指定の出力スパンの百分率で
表す。
zero shift
P2.2.2.35
20
B 0155 : 1997
4)
制御用語
4.1)
制御一般用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
24101
自動制御
制御系を構成して,自動的に行われる制御。
automatic control
P2.3.0.01
24102
手動制御
操作部を,直接又は間接に人が操作して行う制御。
備考 プロセス工業においては,一般に,手動制御は統一
信号で行われる。
manual control
P2.3.0.02
24103
監視
正しい動作を確認したり,正しくない動作を検出したりするた
めに行うシステム(全部又は一部)の運転の観測。実際の監視
は,システムの一つ以上の変量を測定し,その測定値と定めら
れた値とを比較することによって行われる。
monitoring P2.3.0.03
24104
統括管理,
スーパービジョ
ン
システムの制御及び監視操作。信頼性及び安全性を保証する操
作を含むこともある。
supervision P2.3.0.04
24105
銘柄管理
生産する製品ごとの原料種類と,その原料比率,生産条件,そ
のシーケンスなどをデータベースとして管理する方式。
recipe management
24106
制御の階層
制御システムの複雑さの増加に対応して順序づけられた,個々
の制御レベル間の関係を図式的に表現したもの。
control hierarchy
P2.3.0.05
24107
制御アルゴリズ
ム
制御系で実行する制御動作を,数学的に表現したもの。
control algorithm
P2.3.0.06
24108
制御周期
制御装置が対象とするシステム又はサブシステムに対して,制
御装置の制御演算処理を行う周期。
control period
24109
評価指標
定められた条件下で,制御の性質を示す数学的な表現。
performance index P2.3.0.07
24110
開ループ制御
フィードバックループがなく,制御量を考慮せずに操作量を決
定する制御。
備考 アナログ開ループ制御のほかに,2 値論理制御及び
シーケンス制御のような別の形式がある。
open-loop control
P2.3.0.08
24111
閉ループ制御,
フィードバック
制御
フィードバックによって制御量を目標値と比較し,それらを一
致させるように操作量を生成する制御。
closed-loop
control,
feedback control
P2.3.0.09
図 16
24112
定値制御
目標値が一定のフィードバック制御。
control with fixed
set-point
P2.3.0.10
24113
追従制御,
追値制御
変化する目標値に従って制御量を変えるようにしたフィードバ
ック制御。
follow-up control
P2.3.0.11
21
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
24114
フィードフォワ
ード制御
目標値,外乱などの情報に基づいて,操作量を決定する制御。
備考1. この制御動作は,目標値と制御量との偏差を最少
にするように行われ,開ループ制御又は閉ループ
制御に適用できる。
2.
フィードフォワード制御は,安定特性を決定する
フィードバックループの外にあるから,システム
の安定性には無関係である。
feedforward
control
P2.3.0.12
図 17 フィードバックのないフィードフォワード制御
図 18 フィードバックを含むフィードフォワード制御
24115
カスケード制御 ある調節器の出力信号が,他方の調節器の目標値を決定する制
御。
cascade control
P2.3.0.13
24116
多変数制御
複数の制御入力と複数の制御量との間に相互干渉がある系にお
いて,制御入力をまとめて操作することによって,複数の制御
量を同時に制御する制御方式。
multivariable
control
24117
非干渉制御
複数の制御入力と複数の制御量との間に相互干渉がある系にお
いて,一つの制御入力の影響が一つの制御量だけに及ぶように
する制御方式。
備考 これは,プロセス内の干渉を遮断することではない。
non-interacting
control
P2.3.0.14
24118
位置制御動作
出力が,有限個の位置(ステップ)だけをとるような制御の動
作。
step control action P2.3.0.15
22
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
24119
スプリットレン
ジ,
信号振幅シーケ
ンス制御
一つの入力信号が,二つ以上の異なった関数に応じた出力信号
を発生するような制御動作。
備考 スプリットレンジの特別な形式として,いわゆる信
号の振幅シーケンス制御があり,出力信号は重なり
の有無にかかわらず,入力信号の大きさに連続に応
答する。
split-range,
signal amplitude
sequencing
control
P2.3.0.16
図 19 信号振幅シーケンス制御
24120
2
位置制御
偏差信号を入力信号として,2 位置動作を行う制御(24433 参
照)
。
備考 通常,動作すきまがある。
two-step control
P2.3.0.17
24121
3
位置制御
偏差信号を入力信号として,3 位置動作を行う制御。
備考 通常,中立帯には,偏差信号の正負両端に動作すき
まがある。
three-step control
P2.3.0.18
24122
制限制御
制御すべきプロセス量が,あらかじめ定められた限界を外れた
ときにだけ,動作が効力を生じる制御。
limiting control
P2.3.0.19
24123
上限制限制御
プロセス量が,設定された上限を超えたときにだけ,その動作
が効力を生じる制御。
high-limiting
control
P2.3.0.20
24124
下限制限制御
プロセス量が,設定された下限より下がったときにだけ,その
動作が効力を生じる制御。
low-limiting
control
P.2.3.0.21
24125
変化率制限制御 制御量の変化率が,設定された上限を超えないような制御。
rate of change
limiting control
P2.3.0.22
24126
連続制御
目標値及び制御量が,時間的に連続に扱われ,連続動作によっ
て操作量を生じる制御。
continuous control P2.3.0.23
24127
バッチ制御
連続一貫生産(操業)と異なって,銘柄ごと,数量ごとなどの
断続的な生産(操業)を行うプロセスの制御。
batch control
24128
サンプリング制
御
目標値と制御量が,時間的に不連続に扱われ(サンプルされ)
,
操作量が保持される制御。
sampling control
P2.3.0.24
24129
時分割制御
一調節器の出力保持機能によって,複数の制御ループに対して
逐次に操作量を生じるサンプリング制御。
time-shared control P2.3.0.25
24130
適応制御
制御システムの性能を改善するための方法として,制御パラメ
タの種類若しくは大きさ,又はその両方を自動的に変えるよう
な制御。
adaptive control
P2.3.0.26
24131
最適制御
定められた限界のもとで,評価指標が最大か最小に達するよう
な制御。
optimal control
P2.3.0.27
24132
モデル予測制御 制御対象をモデル化し,その特性を予測して行う制御。
model based
predictive
control
23
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
24133
スーパーバイザ
リー制御,
設定値制御
(SPC)
制御ループ群が,間欠的な修正動作に従って独立に作動するよ
うな制御。
備考 例えば,修正動作として,操作員か他の外部装置に
よる設定値変更がある。
supervisory
control,
set point control
(SPC)
P2.3.0.28
P2.3.0.29
24134
直接ディジタル
制御,
DDC
調節器の機能が,ディジタル装置で行われる制御。
備考 調節器の入出力信号は,アナログ信号でもよい。
direct digital
control
P2.3.0.30
24135
2
進制御
2
進信号で,伝送,処理及び記憶される制御。
binary control
P2.3.0.31
24136
論理制御
2
進出力信号が,ブール演算によって,2 進入力信号から発生さ
れる制御。
logic contro1
P2.3.0.32
24137
プログラム制御 あらかじめ定めたプログラムに従って,目標値が変化する制御。
program control
24138
シーケンス制御 シーケンスプログラムを実行する制御。
備考 プログラムは,あらかじめ定められた順序,前段の
動作の実行,ある条件の充足などによってシステム
の動作を定める。
sequential contro1 P2.3.0.33
24139
時間基準シーケ
ンス制御
シーケンスプログラムの動作の多くが,時間によって始められ
るシーケンス制御。
time-oriented
sequential
control
P2.3.0.34
24140
プロセス基準シ
ーケンス制御
シーケンスプログラムの動作の多くが,プロセスからの信号に
よって始められるシーケンス制御。
process-oriented
sequential
control
P2.3.0.35
24141
オーバーライド
制御
自動制御系において,一つの操作量に対して測定量の異なる二
つの調節器の出力を切り換えてプロセスを運転する方式。
備考 切換え条件は,プロセスの運転方法(目的)によっ
て決まる。
override control
24142
オートセレクト
制御
一つの調節器に対して,複数の制御量の中から必要なものを自
動的に選択して制御する制御方式。
auto-select control
24143
ファジィ制御
ファジィ推論演算を行って,操作量を決定する制御。
備考 ルールベース制御に比べて滑らかな制御が可能であ
り,広い意味での非線形制御に入る。
fuzzy control
24
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
24144
PID
制御
比例動作,積分動作及び微分動作の 3 動作を組み合わせた制御。
備考 基本の動作は,制御偏差に比例・積分・微分の各演
算を行って制御出力する。
演算方法によって,従来の PID 制御のほかに次の
制御方式などがある。
2
自由度 PID 制御 外乱抑制と目標値追従との両方
の特性を最良にするために,2 自由度パラメタを設
定して行う PID 制御方式。
測定値微分先行形 PID 制御 入力信号に対して微分
演算を行った出力を加算して制御出力とする PID 制
御方式。
ギャップ付き PID 制御 制御偏差があらかじめ設定
された偏差幅(ギャップ)より小さいときには制御
出力が変化しないようにした PID 制御方式。
可変ゲイン PID 制御 操作量,設定値,測定値,制
御偏差などの値に基づいて補償ゲイン (P, I, D) を
演算し,この補償された制御パラメタで PID 演算を
行い制御出力とする。
I
−PD 制御 設定値の変化に対しては I 動作だけが,
制御偏差に対しては (P+D) 動作が作用するように
した PID 制御。
サンプル値 PI 制御 無駄時間の大きな制御対象に
対して制御性を改善するための一つの制御方法であ
り,積分動作を一定間隔で一定時間作用させること
によって,行き過ぎ量を抑制する制御方式。
スミスの無駄時間補償制御 無駄時間の大きさ制御
対象に対して速い応答特性をもたせるため,又は外
乱を補償するための一制御方法で,主調節器にプロ
セスモデルの補償器を組み合わせて出力をフィード
バックすることによって,制御性を改善する方式。
PID control
24145
ゲインスケジュ
ーリング
調節器において,制御演算部で用いるゲインを,設定値,制御
量,外乱,負荷などの信号によって変えること。
備考1. ゲインとは,信号が増幅される度合いをいう。
2.
これを用いて行う制御を,ゲインスケジュール制
御という。
変数の全動作範囲では,非線形制御となる。
gain scheduling
4.2)
制御系及びシステムの用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
24201
自動制御系
人手によらずに自動的に動作する制御系。
備考 自動制御系は,制御装置と制御対象との二つから成
り立っている。
automatic control
system
P2.3.1.01
24202
制御対象
制御の対象となる系。
controlled system
P2.3.1.02
24203
直接制御対象
操作部によって直接制御する,制御系内のプロセス又は系の要
素。
directly controlled
system
P2.3.1.03
24204
間接制御対象
直接制御量の変化に応じて,間接制御量が変わるような制御対
象の部分。
indirectly
controlled
system
P2.3.1.04
24205
制御装置
制御対象を制御する要素を包括した装置。
備考 フィードバック制御では,フィードバック経路にあ
る要素を含む。
controlling system P2.3.1.05
25
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
24206
前向き制御要素 制御系の前向き経路にある制御装置の要素。
forward controlling
element
P2.3.1.06
24207
操作部
操作量を直接変える前向き経路にある要素。
final controlling
element
P2.3.1.07
24208
フィードバック
要素
制御系のフィードバック経路にある要素。
feedback elements P2.3.1.08
24209
比較要素
出力値が 2 入力値の差になるような,2 入力信号と 1 出力とを
もった伝達要素。
comparing element P2.3.1.09
24210
開ループ
フィードバック経路のない信号経路。
open loop
P2.3.1.10
24211
制御ループ
閉ループ制御での閉じた系に組み込まれた要素の集合体。
control loop
P2.3.1.11
24212
前向き経路
比較要素の出力から制御対象の出力に至る経路。
forward path
P2.3.1.12
24213
フィードバック
経路
制御対象の出力からその系の比較要素の一方の入力に至る経
路。
feedback path
P2.3.1.13
24214
加算点
信号を,代数的に加算する結合点。
備考1. 機能線図の中の加算点は,主に円記号表示とする。
2.
代数記号の記述位置は,加算点への入力線の右側
とする。
summing point
P2.3.1.14
4.3)
制御信号及び変量用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
24301
実際値
ある時点における量の値。
actual value
P2.3.2.01
24302
目標値
指定条件下における,その時々に希望する量の値。
desired value
P2.3.2.02
24303
基準信号
基準変量から導かれる信号。
備考 基準信号は,比較要素でフィードバック信号と比較
するための信号である。
reference signal
P2.3.2.03
24304
基準量
制御量の目標値を設定する制御装置の比較要素への入力変量。
reference variable
P2.3.2.04
24305
設定
制御装置に目標値又は制御動作のパラメタを与えること。
setting
24306
設定値,
SP
基準量を示す信号。
備考 SP は,set point の略語。
set point
P2.3.2.05
24307
プロセス変量,
PV
計測対象の計測値。
備考 PV は,process variable の略語。
process variable
24308
外乱
基準量以外で,望ましくない,通常予測不可能な入力量の変化。
disturbance P2.3.2.06
24309
制御量
制御対象に属する量の内で,それを制御することが目的となっ
ている量。
controlled variable P2.3.2.07
24310
直接制御量
検知した値をフィードバック信号とする制御量。
directly controlled
variable
P2.3.2.08
24311
間接制御量
直接制御量に起因する制御量を,フィードバック信号としない
間接的な制御量。
indirectly
controlled
variable
P2.3.2.09
24312
操作量
制御装置の出力量。制御対象からは入力量。
manipulated
variable
P2.3.2.10
24313
フィードバック
信号
制御量で決まる信号であり,比較要素に戻す信号。
feedback signal
P2.3.2.11
24314
外部フィードバ
ック
調節器の負帰還演算回路に,外部から信号を与えること。
external feedback
24315
制御信号,
調節信号
操作量を支配するための信号。
control signal
24316
モード信号
制御機器において,その機器の制御のモードを他の制御機器に
伝達し,識別させるための信号。
mode signal
26
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
24317
状態信号,
ステータス信号
制御要素の状態を伝送し,識別させるための信号。
status signal
24318
偏差信号
閉ループ制御系における比較要素の出力信号。
error signal
P2.3.2.12
24319
制御範囲
指定した動作条件下で,制御量が変化し得る,二つの限界値で
規定する範囲。
control range
P2.3.2.13
24320
修正範囲
操作量が変わり得る二つの限界値で規定される範囲。
correcting range
P2.3.2.14
24321
プログラムパタ
ーン
プログラム制御における目標値の変化の形態。
program pattern
24322
プログラム周期 プログラム制御におけるプログラムの一巡時間。
program period
4.4)
制御動作特性用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
24401
要素又はシステ
ムの動作形式
入力変量が,出力変量に影響を及ぼす仕方。
備考 動作には,連続的動作と間欠的動作とがある。
type of action of an
element or
system
P2.3.3.01
24402
制御動作
調節器又は制御装置の動作。
control action
P2.3.3.02
24403
正動作
出力が,入力の増加とともに増加するような制御動作。
direct action
P2.3.3.03
24404
逆動作
出力が,入力の増加とともに減少するような制御動作。
reverse action
P2.3.3.04
24405
比例動作,
P
動作
入力量に比例する大きさの出力量を出力する制御動作。
備考
比例動作は,積分動作と微分動作とを組み合わせる
ことがある。
proportional
action,
P-action
P2.3.3.05
24406
比例ゲイン,
比例動作係数
比例動作における入力変化分に対する出力変化分の比。
備考 P 動作の伝達関数を示す。
P
K
s
X
s
Y
=
)
(
)
(
ここに,K
p
:比例ゲイン
s
:複素変数
Y (s)
:出力関数
X (s)
:入力関数
proportional gain,
proportional action
coefficient
P2.3.3.06
24407
比例帯
比例動作において,出力が有効変化幅の 0〜100%変化するのに
要する入力の変化幅 (%) 。
備考 比例帯は,比例ゲインの逆数 (%) に相当する。
proportional band
(of a controller)
P2.3.3.07
24408
フローティング
動作
出力量の変化率が,入力量(調節器の場合,システムの偏差)
のあらかじめ定められた関数である制御動作。
floating action
P2.3.3.08
24409
単一速度フロー
ティング動作
出力量の変化率が,単一の絶対値に応じたフローティング動作。
single-speed
floating action
P2.3.3.09
24410
多段速度フロー
ティング動作
出力量の変化率が,複数の絶対値に応じたフローティング動作。
muitiple-speed
floating action
P2.3.3.10
24411
連続速度フロー
ティング動作
出力量の変化率が,定められた範囲内の任意の値に応じたフロ
ーティング動作。
continuous floating
action
P2.3.3.11
24412
積分動作,
I
動作,
リセット動作
入力量(調節器の場合,システムの偏差)の時間積分値に比例
する大きさの出力を出す制御動作。
備考 積分動作は,フローティング動作の一つである。
integral action,
I-action,
reset action
P2.3.3.12
27
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
24413
積分動作係数
積分動作における入力量に対する出力量の変化率(時間微分)
の比。
備考 積分動作の伝達関数を示す。
s
K
s
X
s
Y
I
=
)
(
)
(
ここに,K
I
:積分動作係数
s
:複素変数
Y (s)
:出力関数
X (s)
:入力関数
integral action
coefficient
P2.3.3.13
24414
積分動作時間
積分動作における積分係数の逆数。ただし,入力変量と出力変
量との次元数は同じにする。
備考1. 積分動作時間を次の式に示す。
I
I
K
T
1
=
ここに,T
I
:積分動作時間
K
I
:積分動作係数
2.
入力変量のステップ変化と出力変量とが等しくな
るまでの時間で表すことができる。
integral action time P2.3.3.14
24415
積分時間 PI 動作において,ステップ入力を加えたとき,比例動作だけに
よる出力が積分動作だけによる出力に等しくなるまでの時間
(
図 21 参照)。
備考1. 積分時間を,次の式に示す。
I
P
I
P
i
T
K
K
K
T
=
=
ここに,K
p
:比例ゲイン
K
I
:積分動作係数
T
I
:積分動作時間
T
I
:積分時間
2.
積分時間の逆数を,リセット率という。
reset time
P2.3.3.15
24416
微分動作,
D
動作,
レート動作
入力量(調節器の場合,システムの偏差)の時間微分値に比例
する大きさの出力を出す制御動作。
derivative action,
D-action,
rate action
P2.3.3.16
24417
微分動作係数
微分動作における入力量の変化率(時間微分)に対する出力量
の比。
備考 微分動作の伝達関数を示す。
s
K
s
X
s
Y
P
=
)
(
)
(
ここに,K
D
:微分動作係数
s
:複素変数
Y (s)
:出力関数
X (s)
:入力関数
derivative action
coefficient
P2.3.3.17
24418
微分動作時間
微分動作において,入力量と出力量との次元数を同じにしたと
きの微分動作係数。
備考1. 入力量のランプ状変化値が出力量と等しくなる時
間で表すことができる。
2.
微分動作時間を,次の式に示す。
D
D
K
T
=
ここに,T
D
:微分動作時間
K
D
:微分動作係数
derivative action
time
P2.3.3.18
28
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
24419
微分時間 PD 動作においてランプ入力を加えたとき,比例動作だけによ
る出力が微分動作だけによる出力に等しくなるまでの時間。
図 20
備考 微分時間を次の式に示す。
P
D
P
D
d
K
T
K
K
T
=
=
ここに,K
D
:微分動作係数
K
P
:比例ゲイン
T
D
:微分動作時間
T
d
:微分時間
rate time
P2.3.3.19
24420
微分ゲイン,
レートゲイン
PD
動作において,ステップ入力を加えたとき,比例動作だけ
による出力に対する微分動作だけの出力のピーク値の比。
備考 微分ゲインは, 24422 比例微分動作 の備考に示す
伝達関数で記される。理想的な PD 動作の微分ゲイ
ンは,
α=∞となる。
derivative action
gain,
rate gain
P2.3.3.20
29
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
24421
比例積分動作,
PI
動作
比例動作と積分動作とを組み合わせた制御動作。
備考 PI 動作の伝達関数を示す。
÷÷ø
ö
ççè
æ
+
=
s
T
K
s
X
s
Y
i
P
1
1
)
(
)
(
ここに,Kp:比例ゲイン
T
I
:積分時間
s
:複素変数
Y (s)
:出力関数
X (s)
:入力関数
図 21
proportional plus
integral action,
PI-action
P2.3.3.21
30
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
24422
比例微分動作,
PD
動作
比例動作と微分動作とを組み合わせた制御動作。
備考 PD 動作の伝達関数を示す。
)
1
(
)
(
)
(
s
T
K
s
X
s
Y
d
P
+
=
また,不完全微分を用いたときは,次の式となる。
)
/
1
/(
)
1
(
)
(
)
(
α
s
T
s
T
K
s
X
s
Y
d
d
P
+
+
=
ここに,K
p
:比例ゲイン
T
d
:微分時間
α:微分ゲイン:1<α<∞
s
:複素変数
Y (s)
:出力関数
X (s)
:入力変数
図 22 比例微分動作(不完全微分を用いたとき)
proportional plus
derivative
action,
PD-action
P2.3.3.22
24423
比例積分微分動
作,
PID
動作
比例動作,積分動作及び微分動作を組み合わせた制御動作。
備考 PID 動作の伝達関数を示す。
)
1
1
(
)
(
)
(
s
T
s
T
K
s
X
s
Y
d
i
P
+
+
=
また,不完全微分を用いたときは,次の式となる。
÷
ø
ö
ç
è
æ
+
+
÷÷ø
ö
ççè
æ
+
=
α
s
T
s
T
s
T
K
s
X
s
Y
d
d
i
P
1
)
1
(
1
1
)
(
)
(
ここに,K
p
:比例ゲイン
T
I
:積分時間
T
d
:微分時間
α:微分:1<α<∞
s
:複素変数
Y (s)
:出力関数
X (s)
:入力関数
proportional plus
integral plus
derivative
action,
PID-action
P2.3.3.23
24424
連続動作
出力変量が,ある範囲内を連続的に変化する動作。
備考 実際上,ステップが無視できるような小さい数多く
の階段状の変化は,連続とみなすことができる。
continuous action
P2.3.3.24
24425
サンプリング動
作
連続時間信号の瞬時値を間欠的に(例えば,一定時間間隔で)
取り込み,出力する動作。
sampling action
P2.3.3.25
24426
保持動作
サンプリング動作において間欠的に送られてくる信号の値を,
次の値がくるまで保持する動作。
備考 一定値で保持する 0 次ホールド,過去の値の関数で
変化する高次ホールドなどがある。
holding action
P2.3.3.26
31
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
24427
リセットワイン
ドアツプ,
積分飽和現象
閉制御ループにおいて,積分動作による制御偏差の極性の反転
に対する制御量の遅れ応答。
備考 遅れ応答は,制御量の過度のオーバーシューティン
グによって生じる。
reset windup,
integral windup
24428
トラッキング
ある信号が他の信号に追従する動作。
tracking
24429
プリセットマニ
ュアル
手動操作に切り換えた際,出力があらかじめ定められた値にな
るような方式。
preset manual
24430
マニュアルリセ
ット,
手動リセット
比例調節器において,オフセットを手動によってゼロにする方
式。
manual reset
24431
2
位置動作
出力が二つの位置のいずれかになる位置動作。
図 23
two-step action
P2.3.3.29
24432
切換値
位置動作において,出力量の値を変える入力量の値。
備考 入力変量の変化の方向に応じて,出力変量の値は二
つの異なった切換値(高切換値,低切換値)によっ
て,2 位置間を変化することもある(
図 23 参照)。
switching value
P2.3.3.27
24433
動作すきま
高切換値と低切換値とのすきま(
図 23 参照)。
備考 動作すきまを 中立帯 と混同しないこと。
differential gap
P2.3.3.28
24434
オンオフ動作
位置の一つをゼロとする 2 位置動作。
on-off action
P2.3.3.30
24435
高低動作
出力が二つの同符号の位置をもつ 2 位置動作。
high-low action
P2.3.3.31
24436
正負動作
出力が二つの異符号の位置をもつ 2 位置動作。
positive-negative
action
P2.3.3.32
24437
多位置動作
出力が三つ以上の位置をもつ位置動作。
multi-step action
P2.3.3.33
32
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
24438
正負 3 位置動作 出力が一つのゼロ位置と,二つの異符号の位置をもつ 3 位置動
作。
図 24
positive negative
three-step action
P2.3.3.34
24439
位置比例式制御
動作
フローティング動作の一種で操作量の増減に対応して,PI・PID
などのオン・オフ調節を行う制御動作。
備考 通常は,(PI・PD 調節器)+[操作端の位置(フィー
ドバック信号)との比較要素]の形をとる。
position
proportional
control action
24440
時間比例式制御
動作
出力が周期的なパルス信号で,その大きさが 1 サイクルのオン
時間の割合で表される制御動作。
time proportional
control action
24441
中立帯
正負 3 位置動作における二つの切換値の間の領域(
図 24 参照)。
neutral zone
P2.3.3.35
24442
歩進条件
シーケンス制御において,次のステップに切り換えるための論
理操作で得られる条件。
step enabling
condition
P2.3.3.36
4.5)
制御系の特性及び安定性に関する用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
24501
制御特性
自動制御系について,定常状態における制御量と入力(設定量,
外乱)との関係。数式,図面などで表す。
control
characteristic
P2.3.4.01
24502
偏差
ある時点における,変量の目標値と実際値との差。
備考 この定義は,目標値が一定の場合にも,時間で変化
する場合にも適用する。
deviation P2.3.4.02
24503
制御偏差
制御系において,ある時点における目標値と制御量との差。
system deviation
P2.3.4.03
24504
定常偏差,
オフセット
系が定常状態に達したとき,一定値に落ち着いた制御偏差の値。
steady state
deviation offset
P2.3.4.04
24505
n
次の定常偏差 一つの入力変量の n 次微分値と,その他の入力変量とを一定に
保った場合の定常偏差。
steady state
deviation of the
n
-th order
P2.3.4.05
24506
過渡偏差
変量の瞬間値と最終定常値との差。
transient deviation P2.3.4.06
24507
定常偏差係数
ある与えられた点における制御特性に対する正接 (tangent)
の絶対値。
備考 入力変量と制御変量との両方について,同一の単位
が用いられるときは,定常偏差係数と定常偏差とは
同じ数によって表される。
offset coefficient
P2.3.4.07
24508
閉ループゲイン 指定された周波数において,目標値(入力)の変化分に対する
直接制御量(出力)の変化分の比で表す閉ループ系のゲイン。
closed-loop gain
P2.3.4.08
24509
開ループ伝達関
数
偏差入力と帰還出力との間の伝達関数。
open-loop transfer
function
P2.3.4.09
33
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
24510
開ループゲイン 指定された周波数における,偏差入力の変化分に対する帰還出
力の変化分の絶対値の比。
open-loop gain
P2.3.4.10
24511
開ループゲイン
特性
周波数の関数で表す開ループゲインの特性曲線。
open-loop gain
characteristics
P2.3.4.11
24512
開ループ周波数
特性
前向き経路(フォワードパス)要素と帰還経路(フィードバッ
クパス)要素との周波数応答の積。
open-loop
frequency
response
P2.3.4.12
24513
ナイキスト線図 周波数応答 G (j
ω
)
を,その実部を横軸に,虚部を縦軸にとり,
角周波数
ω
を 0 から∞まで変化させて書いた線図。
備考 一巡伝達関数のベクトル線図で安定判別を行うと
き,ナイキスト線図という。
Nyquist plot
P1.2.2.03
24514
線形系の絶対安
定性
線形の単一ループ制御系において,静的な開ループゲインの限
界値が存在し,系がそのゲインより低いすべての値に対して安
定であり,より高いすべての値に対して不安定であるような性
質。
absolute stability
of a linear
system
P2.3.4.14
24515
線形系の条件安
定性
線形の単一ループ制御系において,系が静的な開ループゲイン
のある範囲で安定であり,その範囲外では不安定であるような
性質。
conditional
stability of a
linear system
P2.3.4.15
24516
ゲイン余裕
位相角が−
πラジアンとなる,最低周波数での開ループゲイン
の逆数(
付図 3 参照)。
gain margin
P2.3.4.16
24517
位相余裕
開ループゲインが 1 となる,周波数での位相角と−
πラジアン
との差(
付図 3 参照)。
phase margin
P2.3.4.17
24518
ハンティング
フィードバック制御系において現れる,振幅の減衰しない振動
現象。
備考 線形システムでは,ハンティングは,安定限界の,
又はそれに近い動作の証拠である。非線形は,振幅
と周波数との定まったハンティングを起こすことが
ある。
hunting P2.3.4.18
c)
機器用語
1)
機器一般用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
31001
機器,
ハードウェア
特定の目的や機能を実行するために使用する,機械,器具,部
品など。
hardware P3.0.0.01
31002
装置
特定の目的を遂行するように,機器類を組織化したもの。
例 計測装置,制御装置,監視装置,中央処理装置,電源
装置など
apparatus,
equipment
31003
計器
特定の機能を果たすために,一定の形に構成されたもの。
例 変換器,伝送器,指示計,記録計,調節計,演算器,
積算器など
instrument
31004
計測機器
プロセスからの情報を収集するための要素又は装置。
備考 センサ,トランスデューサ,伝送器,変換器,メー
タ,指示計及び記録計のように,機能によって分類
できる種々の計測機器がある。これらは,温度,圧
力,変量,レベル,変位,成分分析などの測定変量
によって更に細分できる。幾つかの機器については,
個別に定義する。
measurement
hardware
P3.0.0.02
31005
計算機,
コンピュータ
算術演算及び論理演算を含む大量の計算を,自動的に遂行する
ことのできる機能単位。
computer P3.0.0.03
34
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
31006
監視機器
系の運転状態を観察するための装置。
備考 システムは,機能の正常さを確かめるため,又は異
常を検知するために連続して監視される。
monitoring
hardware
P3.0.0.04
31007
補助機器,
補助装置
二次的,付加的及び従属的な機能をもった機器。
例 A/M ステーション(自動/手動操作機),比率設定器,
リレー,スイッチ,記録紙など。
accessory
hardware,
auxiliary devices
P3.0.0.05
31008
収納用機器
計測,制御及び監視装置を取り付けるための構造物及びその集
合体。
例 ラック,パネル,キャビネット,シェルフなど。
constructional
hardware
P3.0.0.06
31009
安全用機器
爆発性の危険雰囲気などにおいて,人間及び環境に対して,高
圧装置又は電気装置の安全を確保するために要する容器及び機
器。
例 安全弁,耐圧防爆容器,本質安全バリア,回路遮断機,
残留電流機器(漏電遮断機)など。
safety hardware
P3.0.0.07
31010
センサ,
検出素子
物理,化学現象に接して,その現象に対応する信号を発生する
要素。
例 熱電対,測温抵抗体,オリフィス,pH 電極など。
sensor P3.0.0.08
31011
トランスデュー
サ,
変換器
入力を,定められた関係式によって出力に変換する機器。
例 変流器,ひずみ計など。
transducer
(measuring)
P3.0.0.09
31012
伝送器,
発信器
出力が,統一信号である計測用トランスデューサ。
備考 次の修飾語で始まる伝送器は,自明のものとして定
義を省略する。
浮力ディスプレーサ液位
酸化度
濃度 pH
導電率
位置
密度
圧力
差圧
還元度
起電力
抵抗
イオン濃度
速度・タコメータ
レベル
温度
transmitter P3.0.0.10
31013
補償器,
補償要素
指定された動作条件の変化に起因する誤差原因を,相殺するよ
うに設計された要素。
compensator,
compensating
element
P3.0.0.11
31014
表示装置
データを,目に見える形で表す出力装置。
display device
31015
メータ
測定量を計測して,その値を指示するのに用いられる計器。
meter P3.0.0.12
31016
指示計
計測値を,視覚的に表示する計器。
indicator P3.0.0.13
31017
記録計
計測値などを記録する計器。
備考 記録手段としては,ペン及びインク,熱線,磁気記
録などがある。
recorder P3.0.0.14
31018
多点記録計
各入力値を識別して記録する計器。
備考 識別の方法として色,記号などがある。
multi-point
recorder
P3.0.0.15
31019
トレンド記録計 多入力の中から,プログラム又は操作員の選択によって特定入
力を記録する計器。
trend recorder
P3.0.0.16
31020
積算器
入力信号について積分を行い,出力する要素。信号には,アナ
ログ信号,接点信号,及びパルス信号がある。
備考 表示機能が付加されているものを 積算計 という。
integrator
31021
差動増幅器
二つの同種の入力回路をもち,それらが二つの電圧又は電流の
差に応じて動作するように結合された増幅器。
differential
amplifier
P3.0.0.17
35
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
31022
演算増幅器
高ゲイン,高入力インピーダンス,及び低出力インピーダンス
をもつ増幅器。
備考 演算増幅器に外部の要素を加えることによって,加
算回路,積分回路及び更に一般的な線形伝達関数又
は非線形の変換則を実現できる。
operational
amplifier
P3.0.0.18
31023
絶縁増幅器
入力回路と出力回路との間,及び両入出力回路と大地との間に
電気的結合のない増幅器。
isolated amplifier
P3.0.0.19
2)
測定用機器用語
2.1)
温度測定機器用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No
32101
バイメタル
接合した 2 種類の金属の温度膨張の差を利用した温度検出器。
bimetallic element P3.1.1.01
32102
封入式温度計
測温部,毛細管及び圧力検出器からなり,温度に感応する流体
が封入されている金属製温度計。
filled thermal
system
P3.1.1.02
32103
熱電対
2
本の異種の金属の一端を接合した点(熱接点)と接続されて
いない他の端(基準接点又は冷接点)との温度差によって,起
電力を生じる温度センサ。
thermocouple P3.1.1.03
32104
シース熱電対
熱電対素線を細管の中に入れ,
これと一体化した形状の熱電対。
sheath type
thermocouple
32105
基準接点,
冷接点
熱電対における基準側端子。
reference junction,
cold junction
32106
補償導線
熱電対と受信計器との間を接続するための,対象熱電対とほぼ
等しい熱起電力特性をもつ合金の線。
compensating lead
wire
32107
抵抗式温度セン
サ
電気抵抗が温度によって変化する抵抗素子を用いた温度セン
サ。
resistance
temperature
sensor
P3.1.1.04
32108
測温抵抗体
電気抵抗が温度によって変化する金属材料の抵抗素子を用いた
温度センサ。
resistance bulb
32109
サーミスタ
半導体材料を用いた抵抗式温度センサ。
thermistor P3.1.1.05
32110
保護管
検出端を測定対象の影響から保護するための管。
well
32111
放射温度計
測定対象から発する熱放射によって,対象の温度を測定する温
度計。
例 全放射温度計,光温度計,比率温度計,二色温度計な
ど。
pyrometer,
radiation
thermometer
P3.1.1.06
32112
ボロメータ
熱効果を用いて,広い波長帯域での熱放射の強度を測定する測
定器。
Bolometer P3.1.1.07
32113
測温コーン
所定の温度で変形する材料で作られた,円すい(錐)状の温度
測定器。
備考 材料は粘土,塩,その他の物質の混合物から成り,
所定の温度で軟化するようにその混合比を定めてあ
る。
例 パイロメトリックコーン,ゼーゲルコーンなど。
thermal cones
P3.1.1.08
2.2)
圧力測定機器用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC
No.
32201
ダイアフラムゲ
ージ
ダイアフラムと呼ばれる板状の圧力−変位変換要素の片面だけ
に圧力を加え,その動きによって圧力を測定する計器。
備考 ダイアフラムは,ダイヤフラムともいう。
diaphragm gauge
P3.1.2.01
32202
ダイアフラム圧
力センサ
圧力−変位変換要素として,ダイアフラムを用いた圧力センサ。
diaphragm pressure
sensor
36
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC
No.
32203
ブルドン管圧力
センサ
圧力−変位変換要素として,一端を封じた特殊形状の管であっ
て,管の内外に圧力差が生じたときに変形するブルドン管を用
いた圧力センサ。
備考 ブルドン管の最も普通の形状は,C 形,スパイラル
形及びヘリカル形である。
Bourdon pressure
sensor
P3.1.2.02
32204
ベローズ圧力セ
ンサ
圧力−変位変換要素として,一端を封じた蛇腹状の側壁をもつ
管であって,管の内外に圧力差が生じたときに伸縮するベロー
ズを用いた圧力センサ。
bellows pressure
sensor
32205
ストレンゲージ
圧力センサ
受圧素子に接合した半導体や金属の,電気抵抗変化を利用した
圧力センサ。
straingauge
pressure sensor
32206
静電容量式圧力
センサ
受圧ダイヤフラムと固定電極との間の距離の変化による静電容
量の変化を利用した圧力センサ。
electrical
capacitance
pressure sensor
32207
マノメータ
圧力測定に用いられる計器。最も単純な形は,水,油又は水銀
を入れた U 字管で,一端は測定対象に接続され,他端は大気開
放か,封止か,又は他の圧力状態にある圧力容器に接続されて
いる。
manometer P3.1.2.03
32208
リング平衡形マ
ノメータ
内部を仕切ったリング状の管で,円中央部で支持された回転可
能なマノメータ。可動接続部から差圧が与えられるとその圧力
差によって回転する角度で差圧を指示する。
ring balance
manometer
P3.1.2.04
32209
分銅式圧力基準
器
校正されたピストンに分銅によって荷重を加えて,既知の油圧
を発生させる基準器。圧力計の校正に用いられる。
dead weight tester
P3.1.2.05
32210
マクラウド真空
計
一端を封じた既知の容積をもつ細管と,測定用接続口をもつ管
部と,水銀の供給口とを組み合わせた構造の真空計。
備考 測定圧力の真空で水銀を引くことによって,既知の
細管部分のガスは圧縮されて,細管と管部との間に
水銀の高低差ができる。この差によって,測定圧の
真空度を測定する。
図 25
McLeod vacuum
gauge
P3.1.2.06
32211
ピラニ真空計
気体の密度(したがって,圧力)に依存する冷却効果による抵
抗変化から,その気体の圧力を測定する熱伝導度計を利用した
真空計。
Pirani vacuum
gauge
P3.1.2.07
37
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC
No.
32212
圧力リピータ
入出力に隔離機能をもち,入力圧力信号に等しい出力圧力信号
を発生する機器。
備考 圧力リピータは,腐食性流体の圧力から空気圧信号
を得るためや,又は空気圧式計装における長距離伝
送のときの圧力保持のために使用する。
pressure repeater
P3.1.2.08
32213
圧電式圧力トラ
ンスデューサ
圧力変化を受けて電荷を発生する圧電材料を利用して圧力を測
定し,出力信号を発生する圧力計。
piezoelectric
pressure
transducer
P3.1.2.09
32214
ロードセル
加えられた力に対し,ある定義された関係で信号を発生する機
器。
備考 液体圧,空気圧,圧電,弾性,電磁誘導など,さま
ざまな物理現象を利用した種々のロードセルがあ
る。
load cell
P3.1.2.10
2.3)
流量測定機器用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
32301
流量測定装置
開水路又は管路内を通過する流体の,単位時間当たりの質量又
は体積を測定する装置。
flow measurement
device
P3.1.3.01
32302
流量計
瞬時流量と積算流量のいずれか,又は両方を指示する流量測定
装置。
flowmeter P3.1.3.02
32303
絞り流量計
流量の二乗に比例した差圧を発生させる絞り機構によって流量
を検出する方式の流量計。
restriction
flowmeter
32304
オリフィス板
管路内に挿入され,上流側と下流側に差圧を生じさせる指定の
穴がある形状の流量センサ。
orifice plate
P3.1.3.03
32305
フローノズル
管路内に挿入され,上流側と下流側に差圧を生じさせる指定の
ノズル形状の流量センサ。
図 26
flow nozzle
P3.1.3.04
32306
臨界ノズル
ノズルの下流側の流体条件に関係なく,質量流量が一定に保た
れるような幾何学的形状をした流量センサ。
図 27
critical flow nozzle P3.1.3.05
32307
ベンチュリ管
断面積が連続的に変化する絞り管を用いて,流体の速度を変化
させることによって差圧を得る流量センサ。
venturi tube
P3.1.3.06
38
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
32308
フローエルボ,
曲がり管
流体の流れの向きを変える管路の曲がり部を用いて,そこで生
じる遠心力から差圧を得る流量センサ。
flow elbow
P3.1.3.07
32309
ピトー管
同軸で一体化した 2 本の直管で構成され,一つの管は流体の流
れ方向に開口部があって流体動圧を測定し,他の管は側面に開
口部があって流体静圧を測定して差圧を得るセンサ。
pitot tube
P3.1.3.08
32310
超音波流量計
超音波と流体の動きとの干渉によって,流速を検出する方式の
流量計。
ultrasonic
flowmeter
P3.1.3.09
32311
渦流量計
管路内に挿入された渦発生体から生じる渦の頻度によって,流
速を検出する流量計。
vortex shedding
flowmeter
P3.1.3.10
32312
タービン流量計 管路内に設けられた翼車の回転数を計数して,流速を測定する
方式の流量計。
turbine flowmeter
P3.1.3.11
32313
電磁流量計
管路内に加えられた磁界を横切って流れる導電性液体に誘起さ
れる起電力によって,流速を検出する流量計。
magnetic
flowmeter
P3.1.3.12
32314
ターゲット式流
量計
管路内の中央に設置された円板にかかる流体圧力を検出して,
流速を検出する方法の流量計。円板にかかる力は,流速の二乗
に比例する。
target flowmeter
P3.1.3.13
32315
面積式流量計
上に向かって広がる円すい形の垂直管を流れる流体内の浮子の
位置によって,流速を検出する方式の流量計。
variable area
flowmeter
P.3.1.3.14
32316
容積式流量計
計量室内部の運動子が流体の圧力によって運動を起こし,計量
室と運動子によって周期的に一定の ます を構成し,この ま
す
の充満と,排出との繰返しを計数して,流体の通過体積を
測定する方式の流量計。
positive
displacement
flowmeter
P.3.1.3.15
32317
基準流量測定装
置
既定の条件下で,測定された時間内に校正される流量計を通過
する流体の体積又は質量を測定することによって,校正される
流量計を通過する流量を求める装置。
flow measurement
calibration
device
P3.1.3.16
32318
ボールプルーバ
式流量測定装
置,
ピストンブルー
バ式流量測定装
置
既知の容積の管路に沿った 2 か所の位置検出器間を,機械的な
シーリング素子を動かすことによって,液体の体積流量を測定
する装置。
備考 既知の容積の管を基準管といい,適切なバルブシス
テムによって基準管に流れる流体方向が変えられ,
シーリング素子が 2 か所の位置検出器間を往復運動
を行い,その繰返しの数を計数して流量を測定する。
ball prover,
piston prover
P3.1.3.17
32319
オーバル歯車式
流量計
容積式流量計の一つであって,計量室及びその中に設置された
オーバル歯車によって
ます
を構成し,オーバル歯車の回転
数を計数して流体の通過体積を測定する流量計。
oval wheel
flowmeter
P.3.1.3.18
32320
斜盤式流量計
容積式流量計の一つであって,計量室及びその中に斜めに設置
された円盤によって
ます
を構成し,円盤の回転数を計数し
て流体の通過体積を測定する流量計。
nutating disc
flowmeter
P.3.1.3.19
32321
せき流量計
開水路中に設けられた指定の形状の切欠け部をもつ
せき
の
上流側の液面の高さを測定することによって, せき を乗り越
えて流れる流量を測定する流量計。
備考
せき の下流側の液面は, せき の切欠け部の最
下部より下にくるようにする。
weir flowmeter
P3.1.3.20
32322
パーシャルフリ
ューム流量計
開水路中に設けられた指定の形状のかけひ(筧)の絞り部の,
液面の高さを測定する方式の流量計。
partial flume
flowmeter
32323
熱線式流量計
電気的に加熱された細線を気体の流れの中に置き,気体の流れ
の冷却効果によって細線の抵抗値が変化することを利用した気
体流量計。
hot wire flowmeter P3.1.3.21
39
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
32324
質量流量計
本質的に質量基準で流量を測定するか,又は流量計内部で温度
及び圧力の補正を行って質量流量を測定する流量計。
例 コリオリ流量計など。
mass flowmeter
2.4)
液位測定機器用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No
32401
浮力式レベル計 液位測定範囲で一定の断面をもつ垂直型のディスプレイサ素子
に作用する浮力を検出することによって,液位を測定する機器。
備考 ディスプレーサレベル計ともいう。
buoyancy level
measuring
device
P3.1.4.01
32402
フロートレベル
計
浮子の位置を検出することによって,液位を測定する機器。
備考 浮子の位置は,機械的,磁気的,光学的に,又は超
音波,放射線の利用その他で検出する。
float level
measuring
device
P3.1.4.02
32403
浮子ケーブル式
レベル計
浮子の位置によって,対象液体又は固体のレベルを測定する機
器。
備考 浮子の位置は,ケーブルとプーリー,歯車機構,カ
ムなどによって指示計又は伝送器に機械的に伝送す
る。
float and cable
level measuring
device
P3.1.4.03
32404
差圧レベル計
液面の上下 2 点間の差圧を検出することによって,液位を測定
する機器。
備考 液面上の圧力が大気圧である場合は,液体のヘッド
によって生じる圧力だけがしばしば用いられる。
pressure level
measuring
device
P3.1.4.04
32405
超音波レベル計 超音エネルギーのビームを発射し,表面又は界面からの反射波
が帰ってくるまでの時間を測定して,対象(液体又は固体)の
レベルを求める機器。
ultrasonic level
measuring
device
P3.1.4.05
32406
ガンマ線レベル
計
放射線源と検出器との間に介在する対象(液体又は固体)のレ
ベルを,ガンマ線吸収量によって測定する機器。
gamma ray level
measuring
device
P3.1.4.06
32407
静電容量レベル
計
二つの電極間に介在する対象(液体又は固体)のレベルを,電
極間の静電容量を検知することによって測定する機器。
備考 電極の一方は,容器の壁面でもよい。
electrical
capacitance level
measuring
device
P3.1.4.07
32408
導電率レベル計 二つの電極間に介在する導電性液体の液位を,電極間の電気抵
抗を検出することによって測定する機器。
electrical
conductance
level measuring
device
P3.1.4.08
32409
レーザレベル計 レーザビームの表面又は界面からの反射を検出する方式のレベ
ル計。
laser level meter
2.5)
位置及び移動を測定する機器用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
32501
位置エンコーダ 直線位置又は回転位置をディジタル信号に変換するトランスデ
ューサ(それぞれ,リニアエンコーダ及びシャフトエンコーダ
という。
)
。
備考 エンコーダには,コンミテータを用いた接触形及び
光学式,又は電磁誘導式の非接触形がある。また,
アブソリュートエンコーダとインクレメンタルエン
コーダがある。
position encoder
P3.1.5.01
32502
差動トランス
可動部分の鉄しんをもつ変圧器の,鉄しんの可動部分の変位に
比例する交流信号を発信する機器。
differential
transformer
transducer
P3.1.5.02
40
B 0155 : 1997
32503
ポテンショメー
タ
しゅう動子の位置を,
電圧信号又は抵抗値信号に変換する機器。
potentiometer P3.1.5.03
32504
回転速度計
回転軸の角速度を測定する機器。
備考 慣用語として回転計と呼ぶことがある。
tachometer P3.1.5.04
2.6)
成分測定(分析)機器用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
32601
成分偏差伝送器 成分の物理的又は化学的な特性変化の情報を伝送する機器。
composition
deviation
transmitter
P3.1.6.01
32602
ガス分析計
2
種類以上の成分をもった混合ガスの組成を分析する機器。
gas analyzer
P3.1.6.02
32603
連続ガス分析計 連続方式でガス成分を測定する機器。出力信号は,1 成分の濃
度か又は数種の濃度の関数(
例 CO+CO
2
)のどちらかを表す。
continuous gas
analyzer
P3.1.6.03
32604
熱伝導度ガス分
析計
ガス中の加熱された金属細線の抵抗変化を用いて,1 種類以上
の成分の濃度を測定する機器。
thermal
conductivity gas
analyzer
P3.1.6.04
32605
触媒分析計
接触燃焼式可燃性ガスセンサによって,ガス成分を測定する機
器。
catalytic analyzer
P3.1.6.05
32606
磁気酸素分析計 酸素の磁気特性を用いて,その濃度を測定する機器。
備考 酸素は常磁性で,磁場によって吸引される。
paramagnetic
oxygen analyzer
P3.1.6.06
32607
非分散赤外線ガ
ス分析計
(NDIR)
広帯域赤外線をガス体に放射し,波長選択センサを用いて特定
の帯域幅を選択して,特定波長の赤外線の吸収量を測定するこ
とによって,測定ガスの濃度を測定する機器。
備考 慣用語として NDIR と呼ぶこともある。
non dispersive
infra-red gas
analyzer
P3.1.6.07
32608
分散赤外線ガス
分析計
発射源からの赤外線をプリズム,格子状又はフィルタを通して
分散させ,広帯域センサを用いてこの放射量を検知することに
よって,測定ガスの特定波長の赤外線吸収量を測定する機器。
dispersive infra-red
gas analyzer
P3.1.6.08
32609
固体電解質酸素
分析計
固体(例えば,高温下のジルコニア)の電気化学的な挙動を用
いて,流体中の酸素含有量を測定する機器。
solid electrolyte
oxygen analyzer
P3.1.6.09
32610
ガスクロマトグ
ラフ
サンプルの成分が分析用の吸収カラムで分離され,逐次成分別
に検知されるガス分析計。
gas chromatograph P3.1.6.10
32611
オンラインプロ
セスガスクロマ
トグラフ
定期的にプロセスの混合物をサンプリングし,ある化学的混合
物の 1 種類以上の成分濃度を繰り返し測ることができ,この濃
度値を伝送するガスクロマトグラフ。
on-line process gas
chromatograph
P3.1.6.11
32612
イオン選択形電
極
溶液中の特定イオンの活性の関数である電気信号を発生するセ
ンサの要素。
ion-selective
electrode
P3.1.6.12
32613
レドックス電極
アセンブリ
一般に計測用電極と基準電極とから成り,溶液中に存在するイ
オンの酸化状態及び還元状態の活性,すなわち,濃度の比の関
数である電気信号を発生するセンサ。
redox electrode
assembly
P3.1.6.13
32614
pH
計
電気化学的方法で,水溶液中の pH 値を測定する溶液分析計。
pH-meter
32615
pH
電極アセン
ブリ
一般に,計測用電極と基準電極とからなり,溶液中の水素イオ
ン (H
+
)
の活性の関数である電気信号を発生するセンサ。
pH electrode
assembly
P3.1.6.14
32616
バッファ溶液
一般に,弱酸又は弱塩基とその塩との混合物の溶液であって,
酸又はアルカリを加えたときの水素イオン濃度の変化を止めよ
うとするもの。
buffter solution
P3.1.6.15
32617
溶存酸素計
電気化学的方法で,水中の溶存酸素の濃度を測定する分析計。
備考 単位は,ppm,mg/l などがある。
dissolved oxygen
analyzer
32618
残留塩素計
電気化学的方法で,水中の残留塩素の濃度を測定する分析計。
備考 単位は,ppm,mg/l などがある。
residual chlorine
analyzer
41
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
32619
導電率計
導電率を測定して,水溶液の濃度又は純度を間接測定する分析
計。
備考 単位は,
µS/m 又は mS/m。
conductivity meter
32620
濁度計
光の透過散乱などを用いて,光学的に濁度を測定する分析計。
備考 単位は,ppm,mg/l などがある。
turbidity meter
32621
密度計
密度(単位容積当たりの物質の質量)を測定する機器。
例 差圧法,ディスプレスメント法,振動法,放射線法な
ど。
density meter
32622
粘度計
粘度を測定する機器。
例 細管法,回転法,振動法など。
viscosity meter
32623
湿度計
湿度(絶対湿度,相対湿度,露点)を測定する機器。
例 乾湿球法,塩化リチウム法,静電容量法,電気抵抗法
など。
備考 露点の測定を対象とした機器を露点計という。
hygrometer
32624
水分計
物質が含有する水分を測定する機器。
例 赤外線吸収法,誘電率法,放射線法など。
moisture meter
2.7)
各種の測定機器用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
32701
キャリパプロフ
ァイラ
シート状の被測定物の厚さを,電磁的に測定する装置。
備考 製紙工程又はフィルム製造工程で使用する。
caliper profiler
P3.1.7.01
32702
流量補正器
ある動作条件における容積流量を表す信号を,決められた標準
状態における容積流量の信号に変換する機器。
flow corrector
P3.1.7.02
32703
質量流量演算器 差圧と静圧と温度の測定又は差圧と密度との測定から,ガスの
質量流量を求める演算器。
mass flow
computer
P3.1.7.03
32704
パルプ濃度伝送
器
紙パルプの特性に関する物理的性質の組合せ情報を伝送する特
定の機器。
consistency
transmitter
P3.1.7.04
32705
ストレンゲージ 加えられた張力及び圧縮力によって,電気抵抗が変化する要素。
備考 ストレンゲージ圧力トランスデューサなどの検出要
素に用いられる。
strain gauge
P3.1.7.05
32706
信号変換器,
シグナルコンバ
ータ
ある統一信号を,別の統一信号に変換する伝送器。
例 P/I,I/P,V/I,I/V,V/P,P/V,I/I
P
:圧力 I:電流 V:電圧など。
備考 統一信号には,4〜20mA,20〜100 kPa,1〜5V など
がある。
signal converter
P3.1.7.06
32707
アナログ/ディ
ジタル変換器
アナログ入力信号を,ディジタル出力信号に変える機器。
analogue-digital
(A/D) converter
P3.1.7.07
32708
ディジタル/ア
ナログ変換器
ディジタル入力信号を,アナログ出力信号に変える機器。
digital-analogue
(D/A) converter
P3.1.7.08
3)
制御及び演算用機器用語
3.1)
制御機器用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
33101
フィードバック
調節器
制御量の値と目標値とを比較することによって,それらの間の
偏差をなくすために,対象となっているものに,自動的に所要
の操作を加える機器。
備考1. 実際のプロセスで使用する調節器は,流量調節器,
温度調節器,圧力調節器,レベル調節器,pH 調節
器など多くの用語がある。
2.
単に調節器と呼ぶこともある。
feedback controller P3.2.1.01
42
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
33102
シングルループ
調節器,
ワンループ調節
器
内蔵するマイクロプロセッサが,一つの制御量を制御する機能
をもつ調節計。
備考 カスケード制御,フィードフォワード制御などの機
能をもつものも含まれる。
single loop
controller,
one loop controller
33103
マルチループ調
節器
内蔵するマイクロプロセッサが,二つ以上の制御量を制御する
機能をもつ調節計。
multi-loop
controller
33104
比例調節器
比例動作だけを行う調節器。
proportional
controller
P3.2.1.02
33105
積分調節器
積分動作だけを行う調節器。
integral controller
P3.2.1.03
33106
フローティング
調節器
出力の変化率が,誤差信号の連続(又は少なくとも区分的に連
続な)関数になっている調節器。
備考 調節器の出力は,その誤差信号がゼロ及び一定のと
き,動作範囲の任意の値をとる。これを,出力がフ
ロートしているという。
floating controller
P3.2.1.04
33107
単一速度フロー
ティング鯛節器
誤差信号の符号に応じて,出力が一定の変化率で増減するフロ
ーティング調節器(33106 参照)
。
備考 制御動作を行わない誤差信号の中立帯が用いられる
場合がある。
single-speed
floating
controller
P3.2.1.05
33108
多段速度フロー
ティング調節器
出力の変化率が,誤差信号の定められた範囲に応じた二つ以上
の値をとることのできるフローティング調節器。
multiple-speed
floating
controller
P3.2.1.06
33109
比例積分調節器 比例積分制御動作を行う調節器。
proportional plus
integral
controller
P3.2.1.07
33110
比例微分調節器 比例微分制御動作を行う調節器。
proportional plus
derivative
controller
P3.2.1.08
33111
比例積分微分調
節器
比例積分微分制御動作を行う調節器。
proportional plus
integral plus
derivative
controller
P3.2.1.09
33112
タイムスケジュ
ール調節器
設定値又は基準入力信号を,あらかじめ決められたタイムスケ
ジュールに自動的に追従させる調節器。
time schedule
controller
P3.2.1.10
33113
プログラマブル
調節器
制御則を,プログラムの設定又はソフトウェアの組合せによっ
て変えることができる調節器。
programmable
controller
P3.2.1.11
33114
比率調節器
二つの変量間に,あらかじめ決められた比率を保つように動作
する調節器。
ratio controller
P3.2.1.12
33115
サンプリング調
節器
設定信号,偏差信号,又は制御変量の信号として,サンプリン
グによって得られた値を使用する調節器。
sampling controller P3.2.1.13
33116
自力調節器
操作部を駆動するエネルギーを,すべて検出部を通して制御対
象から得る調節器。
self-operated
controller
P3.2.1.14
33117
オンオフ調節器 二つの異なる出力値の一つが,ゼロである 2 位置調節器。
on-off controller
P3.2.1.15
33118
多位置調節器
二つ以上の異なる出力値をもつ調節器。
multi-step
controller
P3.2.1.16
33119
2
位置調節器
二つの異なる出力値をもつ多位置調節器。
two-step controller P3.2.1.17
33120
3
位置調節器
三つの異なる出力値をもつ多位置調節器。
備考 通常,多数の回路(出力)を選択して作動させ,操
作部の三つの異なった位置を確定することによって
達成される。
three-step
controller
P3.2.1.18
43
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
33121
遠隔設定器
設定値を,何らかの方法で遠隔的に設定・変更する機器。
remote set point
adjuster
P3.2.1.19
33122
設定値発生器
時間その他の変量の関数として,調節器への設定値を発生する
機器。
set point generator P3.2.1.20
33123
積分動作制限器 積分動作が,あらかじめ決められた限界(ワインドアップ,飽
和)を超えることを防止する機器。
integral action
limiter
P3.2.1.21
3.2)
演算機器用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
33201
アナログコンピ
ュータ
アナログ信号を内部で連続的に取り扱い,プログラム可能な数
学的関数演算を行って,アナログ出力信号を発生させる演算器。
例 プロセスシミュレータ
analogue computer P3.2.2.01
33202
アナログ演算ユ
ニット
アナログ信号を内部で連続的に取り扱い,あらかじめ定められ
た数学的な関数演算を行って,アナログ出力信号を発生させる
アナログ機能単位。
例 加算器,乗算器など。
analogue
computing unit
P3.2.2.02
33203
加算器
二つ以上の量を入力とし,それらの代数和を出力とする機器。
adder,
summer
P3.2.2.03
33204
重み付き加算ユ
ニット
二つ以上の量を入力とし,それらの重み付き和を出力とする機
能単位。
weighted summing
unit
P3.2.2.04
33205
微分ユニット
出力が,入力変量の時間に関する変化率に比例する機能単位。
derivative unit
P3.2.2.05
33206
積分器
入力アナログ変数を,時間に関して積分した出力アナログ変数
を得る演算器。
integrator P3.2.2.06
33207
遅れ要素
制御系において,信号に一次容量遅れを与え,信号周波数の関
数として信号の減衰と最大−90℃の位相シフトとを起こさせる
機能単位又はアルゴリズム。
備考 遅れ要素の伝達関数は,次の式による。
sT
X
Y
+
=
1
1
ここに,s:複素変数
T
:時定数
X
:入力のラプラス変換
Y
:出力のラプラス変換
lag module
P3.2.2.07
33208
進み要素
制御系において,信号に一次容量進みを与え,信号周波数の関
数としての振幅の変化と最大 90℃の位相シフトとを起こさせ
る機能単位又はアルゴリズム。
備考 進み要素の伝達関数は次の式による。
sT
sT
X
Y
+
=
1
ここに,s:複素変数
T
:時定数
X
:入力のラプラス変換
Y
:出力のラプラス変換
lead module
P3.2.2.08
44
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
33209
進み遅れ要素
制御系において,信号に一次容量の進み及び遅れの両方を与え,
信号周波数の関数として,振幅と位相の両方を変化させる機能
単位又はアルゴリズム。進み遅れ要素の出力振幅と入力振幅と
の大小関係及び位相シフトの正負は,信号周波数及び進み遅れ
要素の時定数によって定まる。
備考1. 進み関数は,遅れ関数と逆数の関係にあるので,
増幅と位相進みを生じる。
2.
進み遅れ要素の伝達関数は,次の式による。
2
1
1
1
sT
sT
X
Y
+
+
=
ここに,s:複素変数
T
1
:進み時定数
T
2
:遅れ時定数
X
:入力のラプラス変換
Y
:出力のラプラス変換
lead/lag module
P3.2.2.09
33210
信号リミッタ
入力信号が変化しても,出力信号があらかじめ設定された値を
超えて大きく,又は小さくならないように制限をもたせた機器
又は機能。
図 28
備考 制限のかけ方によって,上限リミッタ,下限リミッ
タ又は上下限リミッタという。
signal limiter
33211
シグナルセレク
タ
2
個以上の入力信号から,希望する信号を選択する機器。
signal selector
P3.2.2.10
33212
ハイ・ローシグ
ナルセレクタ
2
個以上の入力信号から,最高又は最低の入力信号を自動的に
選択する機器。
high-low signal
selector
P3.2.2.11
33213
関数変換器
入力信号を,あらかじめ設定した関数に従って出力する機器。
備考1. シグナルキャラクタライザともいう。
2.
アナログシミュレーションの用語では,通常,フ
ァンクションジェネレータと呼ばれているが,ジ
ェネレータという語は避けるべきである。
signal characterizer P3.2.2.12
33214
速度制限器
入力信号の変化率(速度)が設定限界内では,出力信号は,入
力信号を出力し,入力信号の変化率(速度)が設定限界を超え
ると,設定した制限速度で出力信号が入力信号の値に近づいて
ゆく機器。
velocity limiter
P3.2.2.13
45
B 0155 : 1997
4)
操作部用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
34001
駆動部
受信した信号を,機械的な動きに変換する機構。
備考 機械的動作をさせる力又は信号の媒体として,空気,
電気,油圧又はそれらの組合せが使われる。駆動は,
ダイアフラム,レバー,ピストン,回転機又はソレ
ノイドなどによって行われる。代表的な駆動部とし
ては,バルブ軸を駆動するものがある。
actuator P3.3.1.01
34002
調節弁
プロセス制御システムの操作端の一つとして作動するバルブ。
プロセス流体の流量を変更するための内部機構とバルブ本体か
ら構成される。バルブ本体は,調節器から送られた信号によっ
て応答する 1 台以上の駆動部に連結される。
control valve
P3.3.1.02
34003
電動弁
電動機を用いてバルブ軸を駆動するバルブ。
electric operated
valve
34004
電磁弁
電磁力を用いてバルブ軸を駆動するバルブ。
solenoid valve
34005
電力制御器
入力信号に従って,供給源からの電力エネルギーを制御する機
器。
electric power
regulator
34006
電空変換器
電気信号を,空気圧信号に変換する機器。
electric-pneumatic
converter
34007
空気式リミッタ 一つ又は二つの空気信号を受信し,これをあらかじめ校正され
た設定値と比較して,設定値を超えたときに状態変化のための
接点出力又は信号を発生する機器。
pneumatic limit
operator,
pneumatic limiter
P3.3.1.03
34008
ポジショナ
標準信号に従って,駆動部の軸の位置を決定する機器。
備考 ポジショナは,入力信号と駆動軸の機械的位置とを
比較し,その差に対応して駆動軸を動かす。
positioner P3.3.1.04
34009
トルク(速度)
可変装置
駆動軸及び駆動される軸の角速度の比(又はそれらの軸の有効
トルクの比)を変更できる連結装置。
torque (speed)
variator
P3.3.1.05
34010
パワー増幅器
入力信号と物理的に同じ性質の,より高いエネルギーの出力信
号を外部動力源によって得る装置。
例 電子式,磁気式,空気圧式,液圧式,機械式などのパ
ワー増幅器がある。
power amplifier
P3.3.1.06
34011
ブースタ
信号ゲインが 1 であるようなパワー増幅器。
booster P3.3.1.07
5)
監視用機器用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
35001
警報器
プラント又は制御システム内の,異常状態又は限界条件の超過
を知らせる信号を出力する機器。
alarm unit
P3.4.1.01
35002
限界警報センサ プロセス量が,上限又は下限の設定条件を超えたことを検知す
る機器。
limit alarm sensor
P3.4.1.02
35003
偏差警報センサ プロセス量が,その目標値に対する許容範囲から外れたことを
検知する機器。
deviation alarm
sensor
P3.4.1.03
35004
アナンシェータ 関連する系統の機器の状態を,可視信号又は可聴信号で報知す
る機器。
annunciator P3.4.1.04
6)
補助機器用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
36001
自動手動操作器 プロセス操作員が,自動制御と手動制御とを切り換え,手動制
御のときに操作部の手動制御を行う機器。
A/M station
(automatic/
manual station)
P3.5.1.01
36002
計算機自動−手
動ステーション
計算機と操作部との間の DDC(直接ディジタル制御)ループに
おいて,DDC,自動バックアップ制御又は手動制御の切換え機
能をもち,その切換えは自動的又は手動的に実行できる機器。
computer
auto-manual
station
P3.5.1.02
46
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
36003
プログラム設定
器
設定値を,時間的計画に従って出力する機器。
program set station P3.5.1.03
36004
比率設定器
操作によって加減できる係数を,入力信号に乗ずる機器。
ratio station
P3.5.1.04
36005
警報設定器
警報信号を出力するための条件を設定する機器。
備考 警報器を含むものもある。
alarm set station
36006
校正器
設備の校正用として必要な,精密な信号発生又は信号読取りの
できる機器。
calibrator P3.5.1.05
36007
プラニメータ
機械的に連結された指針で,平面図形の周囲をたどることによ
って,その図形の面積を測定する機器。
planimeter P3.5.1.06
36008
レギュレータ,
調整器
気体,液体又は電気の流れを,定められた目標値に合致させる
ように作動する機器。
例 空気圧力調整器,パイロット作動形調整器,差圧調整
器,供給量調整器,流量調整器,真空度調整器,液位
調整器,電圧調整器など。
regulator P3.5.1.07
36009
圧力調整器
自己制御機構によって,自己の上流又は下流の圧力を設定した
値に保つように動作するバルブ。
pressure regulator
P3.5.1.08
36010
供給圧調整器
一群の空気式計器に供給するための空気源の圧力調整器。
備考 主調整器ともいう。
service regulator
P3.5.1.09
36011
分配器,
ディストリビュ
ータ
計装ループの電源を供給したり,統一電流信号を統一電圧信号
に変換し,各計器へ分配したりする機器。変換器又は演算器に
内蔵されることもある。
distributor
36012
リレー
入力信号の変化によって動作し,出力信号を変化させる機器。
例 空気信号リレー,継電器,演算リレー,時間遅れリレ
ーなど。
relay P3.5.1.10
36013
スイッチ
物理量を,ある状態から他の状態に断続,転送,又は転換する
機器。
例 空気スイッチ,電気スイッチ,圧力スイッチ,レベル
スイッチなど。
switch P3.5.1.11
36014
リミットスイッ
チ
プロセス量が,設定した限界位置に近づくか又は通過した場合
に,接点の状態が変化するスイッチ。
備考 リミットスイッチとしては,防じん,防水又は防爆
容器の精密形スナップ(トグル)スイッチが主に使
用される。
limit switch
P3.5.1.12
36015
圧力スイッチ
加えられた圧力が,設定値に達したときに動作するスイッチ。
pressure switch
P3.5.1.13
36016
受信要素
入力信号情報を受けて,機器内で意図する目的に適するように
変換する機能部分。
receiver element
P3.5.1.14
36017
圧力シール
圧力,差圧及び液位の測定に影響を与えることなく,プロセス
流体から伝送器本体を隔離する器具。
pressure seal
P3.5.1.15
36018
シールチャンバ 圧力測定に影響を与えることなく,プロセス流体から伝送器本
体を隔離するための封入液が入った容器。
seal chamber
P3.5.1.16
36019
気泡管
圧力によって液位又は密度を測定するために,空気を放出する
目的で測定液中に挿入される管。
bubble-tube P3.5.1.17
36020
圧力補正器
圧力変動によって生じる測定誤差を自動修正する機器。
pressure
compensator
P3.5.1.18
36021
温度計用ウェル 容器に取り付けるためのおねじ,その他の気密取付部をもつ耐
圧構造の温度検出端挿入器具。
thermometer well
P3.5.1.19
36022
コネクタ
導線を,電気的に接続するための器具。
connector P3.5.1.20
36023
前置増幅器
低レベル信号源に接続し,SN 比を劣化することなく信号が取
り扱えるように,適切な入出力インピーダンス及びゲインをも
たせた増幅器。
preamplifier P3.5.1.21
47
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
36024
記録紙
適切な目盛線のついた記録用の用紙。
備考 円筒形,円板形,巻取り形,又は折りたたみ形があ
る。
chart P3.5.1.22
36025
ペン
記録紙に線を描く器具。
pen P3.5.1.23
36026
スタイラス
書く,印をつける又は彫り込む場合に用いる鋭い先端の道具。
stylus P3.5.1.24
36027
バイパスマニフ
ォールド
配管接続を行うための接続口を多数もつ接続ブロック。
備考 通常,閉止又はバイパス用のバルブを取り付けて使
用する。
bypass manifold
P3.5.1.25
7)
収納用機器用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
37001
パネル
計器,調節計及び表示装置の装着を目的にした,平たんな固定
面又は構造物。
例 計器パネル,遠隔制御パネル,リレーパネルなど。
panel P3.6.1.01
37002
制御盤
立っている操作者に適するように,計器パネル・制御パネルを
取り付けた構造物。
control board
P3.6.1.02
37003
コンソール
座っている人に適するように,傾斜角をつけたパネルをもった
構造物。
console P3.6.1.03
37004
操作員用コンソ
ール
プロセスの運転用機器が設置されているコンソール。
operator's console
P3.6.1.04
37005
プロセス技術者
用コンソール
プロセス技術者が,制御機器のパラメタを調整するための機能
を備えたコンソール。
process engineer's
console
P3.6.1.05
37006
プログラマズコ
ンソール
プログラマが,プロセスの状況に応じてソフトウェアを調整す
る機能を備えたコンソール。
programmer's
console
P3.6.1.06
37007
キャビネット
前面又は内部に機器を取り付けできる,扉付きの自立密閉形の
構造物。
cabinet P3.6.1.07
37008
ラック
標準化されたモジュールタイプの機器を収納するための構造
物。
rack P3.6.1.08
37009
グラフィックパ
ネル
簡略化した工程図の中に,指示,調節,警報機器などを配した
パネル。
graphic panel
P3.6.1.09
37010
セミグラフィッ
クパネル
制御盤の上部に設置する,簡略化した工程図の中に工程状態警
報機器などを配したパネル。
semi-graphic panel P3.6.1.10
37011
カットアウト
パネル,コンソール,ラックなどに,計器を装着するための開
口部。
cut-out P3.6.1.11
37012
計器前面部
開口部(カットアウト)を通り抜けることのない,パネルより
前に突出した計器の前面部分。凸縁(フランジ)は計器前面部
に含める。
instrument front
P3.6.1.12
37013
シェルフ
特定機器の収納を目的とした,表面が開口した構造物。
備考 シェルフは,通常,作動中の計器をサービス位置ま
で引き出せる構造となっている。また,通常,コネ
クタなどの使用によって,計器を容易に取り外せる
構造となっている。
shelf P3.6.1.13
37014
シェルフ取付計
器
シェルフに装着され,かつ,迅速に取り外せる構造の計器。
shelf-mounted
instrument
P3.6.1.14
37015
エアーパージ
外部から清浄な空気を機器内部に供給すること。次のような目
的に使用される。
a)
腐食性ガスの機器内への侵入防止。
b)
じんあいの機器内部への侵入防止。
c)
機器内部での温度上昇防止。
d)
内圧防爆構造の機器などの爆発性ガスの侵入防止。
air purge
48
B 0155 : 1997
d)
ディジタル技術用語
1)
ディジタル制御システム用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
41001
プロセス計算機 プロセスの計測,制御又は管理に用いるコンピュータ。
備考 主な機能を,次に示す。
a)
データ収集
b)
データ処理
c)
プロセス計画作成(シーケンス制御プログラム,最
適計算など)
d)
プロセスのモニタリング,警報システム
e)
プロセスの直接制御
process computer
P4.5.2.01
41002
集中形プロセス
制御計算機
入出力データと周辺装置を含む,プロセスの全要素を 1 台の大
形計算機で直接制御するプロセス計算機システム。
centralized process
control computer
P4.5.2.02
41003
分散形制御シス
テム
工業プロセス又はプラントの制御を目的とした制御用計算機を
含む,インテリジェントステーションを分散配置し,それらを
ネットワークで結びつけ統合化したシステム。
distributed
computer control
system
P4.5.2.03
41104
プロセス I/O
プロセスに直接的に関連した入出力機器又は入出力操作。
process I/O
P4.5.2.04
41005
ステーション
データ端末装置,データ回路終端装置,及びそれらの共通イン
ターフェースから成る一群の機能ユニット。
station P4.5.2.05
41006
マスタステーョ
ン
データ伝送において,一つ以上のスレーブステーションにデー
タ転送を行うための指示をするステーション。
備考 主局,発信局,主端末などということもある。
master station
P4.5.2.06
41007
スレーブステー
ション
データ受信のためにマスタステーションによって選択されたス
テーション。
slave station
P4.5.2.07
41008
インテリジェン
トステーション
データハイウェイを通して諸情報を発信し,制御することが可
能なアプリケーションユニットを含むステーション。
intelligent station
P4.5.2.08
41009
コントロールス
テーション,
制御ステーショ
ン
分散形制御システムで制御演算を行うインテリジェントステー
ション。
control station
41010
操作ステーショ
ン
分散形制御システムの操作用コンソールとして用いられるイン
テリジェントステーション。
operator's station
P4.5.2.09
41011
エンジニアリン
グワークステー
ション
分散制御システムでの技術者向け作業端末。
engineering
workstation
(EWS)
41012
データロガー
プロセスの各種の変数値又は状態,すなわち,データを自動的
に収集し,印字・作表などをする機器。
data logger
41013
プログラマブル
ロジックコント
ローラ
シーケンス制御専用のコンピュータをもったプログラマブル調
節器。
備考1. シーケンス制御論理は,通常,プログラミングパ
ネル又はホストコンピュータを介したブール代数
形式又はリレー回路形式などのプログラム言語に
よって変更可能である。
2.
単に,PLC と呼ぶことがある。
programmable
logic controller
(PLC)
P4.5.2.10
41014
冗長形計算機シ
ステム
動作中の 1 台の計算機が故障した場合,待機中の他の計算機に
引き継げられるように接続した数台の計算機システム。
redundancy
computer system
P4.5.1.03
41015
デュプレックス
形計算機システ
ム
特殊な構成で使用される 2 台の計算機システムで,1 台はオン
ライン,他はオンライン計算機に機能不全が生じたときに使用
できるように待機しているシステム。
duplexed computer
system
P4.5.1.04
49
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
41016
デュアル形計算
機システム
特殊な構成で使用される 2 台の計算機システムで,それぞれが
同一入力を受け,同じルーチンを実行し,その並列処理の結果
を比較するようにしたシステム。
dual computer
system
P4.5.1.05
2)
ディジタル通信用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
42001
データハイウェ
イ
データステーション相互間を,少なくとも 1 本のデータ伝送路
で結ぶ情報伝送手段。
data highway
P4.4.0.04
42002
フィールドバス 情報伝達手段をもつフィールド機器と制御システム機器との間
の,従来のアナログ伝送に代わる,ディジタル双方向通信路。
fieldbus
42003
ポート
データがデータ通信網に出入り可能な,節点の機能単位。
port P4.4.0.16
42004
論理アドレス
名称,ラベル,又は番号で表されたステーションの識別方法。
logical address
P4.4.0.17
42005
リスナ
データハイウェイに乗せたメッーセージを受け取ることのでき
るステーション。
listener P4.4.0.21
42006
レスポンダ
データハイウェイによって受け取ったメッセージに対して,特
定の応答を伝送することのできるステーション。
responder P4.4.0.22
42007
イニシェータ
データハイウェイを介してレスポンダを指名し,それへのデー
タ伝送を確保することのできるステーション。
initiator P4.4.0.23
42008
目的ステーショ
ン
メッセージのデータのあて先であるステーション。
destination P4.4.0.24
42009
マルチドロップ 一つの通信回路に,複数の機器を並列的に分岐接続する方式。
備考 送受信は,同時には二つのホストワークステーショ
ン間に制限する必要があり,通常は一つの親局が複
数の子局との通信を制御する形をとる。
multidrop
3)
保証に関する用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
43001
パリティチェッ
ク
1
文字又は 1 語に含まれる 2 進数の加算を行い,その和を,1
けたの前もって計算されたパリティビットと比較して検査する
こと。
すなわち,1 語に含まれる 1 の数が,奇数か偶数かを検査する
試験。奇偶検査とも呼ばれる。
parity check
P.4.3.0.01
43002
巡回冗長検査,
CRC
CRC
多項式によって,ビット列の多項式を除算し,被除算多項
式を 0 に初期設定し,また,データ列の 1 及び 0 の個数を被除
算多項式の係数とし,更に除算のけたあふれのない 2 を法とす
る減算を用いて,その剰余をエラーの検査用に伝送し,受信側
では伝送された剰余を計算結果の剰余と比較して,等号の成立
するときエラーのないことを指示する方式の検査。
cyclic redundancy
check
P.4.3.0.02
43003
誤り検出符号,
自己検査符号
個々の符号化表現が特定の生成規則に従い,それに違反するこ
とが誤りの存在を示すような符号。
error detecting
code,
self checking code
P.4.3.0.03
43004
ウオッチドッグ
タイマ
プログラムエラー又は装置の故障によって,システムが無限に
ルーピングしたり又はアイドル状態になることを防ぐために,
プログラムによって設定されるタイマ。
watchdog timer
P.4.3.0.04
43005
符号解析
構成要素レベルで,ディジタル論理の誤りを分離する方法。
備考 この手法は,信号を追跡して長いビット列を 4 けた
16
進の符号・数値数へ変換することが基本になる。
保守員が,各データノードにおける正しい符号数を
与える論理図と,トラブルシューティングツリーを
用いて入力符号数が正しく,出力符号数が誤りにな
る回路部分を見いだすまで追跡を行う。
signature analysis
P.4.3.0.05
50
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
43006
パワーフェイル
回路
主電源に電源異常が生じたときに,動作中のプログラムを保護
する論理回路。
備考 代表的なものとしては,パワーフェイル回路がコン
ピュータに電源異常を伝えると,すべての揮発性デ
ータを保護するルーチを働かせ,電源復旧後,その
データを回復するルーチンを起動して,コンピュー
タが動作を再開する形式がある。
power-fail circuit
P4.3.0.06
43007
メモリ保護
多重プログラミング方式のコンピュータにおいて,ハードウェ
アを用いて,プログラム及びデータを同時に動作しているおそ
れのある他のプログラムによって破壊されないように保護する
機能。
memory protection P4.3.0.07
43008
ディジタルフィ
ルタ
信号中の望ましくない周波数成分を減少させるアルゴリズム。
digital filter
P4.3.0.08
e)
試験及び手法に関する一般用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
50001
形式試験
ある設計に基づいて製作した複数の機器について,その設計が
ある仕様に合致しているか否かを評価するために行う試験。
備考 形式試験は,通常一つの形の代表サンプルについて
だけ適用し,続けて製作する製品個々については,
通常,繰返し実施することはない。
type test
P5.1.0.01
50002
定常試験
判断基準に適合していることを確認するために,機器個々につ
いて製造中又は製造後に行う試験。
routine test
P5.1.0.02
50003
抜取試験
製造する機器群から無作為に採られた幾つかの機器に対して行
われる試験。
sampling test
P5.1.0.03
50004
受入試験
仕様書に示されている仕様条件に合致していることを,顧客が
確認するために行う試験。
accptance test
P5.1.0.04
50005
試運転試験
機器の設置及び動作が正常であることを証明するために,現場
で行う試験。
commissioning test P5.1.0.05
50006
保全試験
機器の性能が仕様を満足していることを確認するために実施す
る試験。
備考 何らかの調整が試験中に必要な場合がある。
maintenance test
P5.1.0.06
50007
適合試験
個別規格に合致していることを確認するために行う試験。
備考 適合試験は,形式試験,定常試験及び個別試験に区
分できる。
conformance test
P5.1.0.07
50008
システム性能試
験
温度,流量,レベル,圧力などプロセスの重要なパラメタをプ
ロセスの正常動作状態又は模擬状態にして,システムに対して
行う試験。
system
performance test
P5.1.0.08
50009
診断機能
機器内部の異常の有無を診断し,障害を出力する機能。
備考 診断機能は,オンライン又はオフラインの試験モー
ドで機器が動作する場合に用いる。
diagnostic function P5.1.0.09
50010
データ検証
人手による誤り,又はデータ伝送における誤りを最小にするた
め,通常,機械を用いてデータの印字結果及び記録を別のもの
と照合すること。
verify P5.2.0.01
50011
ディザ
摩擦,ヒステリシス,記録ペンのひっかかりなどの影響に打ち
勝つために与える小振幅振動。
dither P5.2.0.02
f)
動作条件用語
1)
動作条件一般用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
51
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
61001
動作条件,
使用条件
動作中の機器が置かれる条件。これには,測定対象変量は含ま
れない(
付図 6 参照)。
備考 動作条件の例としては,周囲圧力,周囲温度,電磁
界,質量,傾斜,電源変動(電圧,周波数,調波)
,
放射線,衝撃及び振動がある。これらの条件の静的
及び動的な変動を考慮しなければならない。
operating
condition,
working condition
P6.0.0.01
61002
基準動作条件
動作条件のうちで,外部影響が性能に与える影響変動を無視で
きる動作条件の範囲(
付図 6 参照)。
備考1. この条件の範囲において基準性能を定める。
2.
外部影響による影響変動の値を決定するための基
本となるものである。
reference operating
condition
P6.0.0.02
61003
正常動作条件
機器が,規定の誤差限界内で動作するように設計された動作条
件の範囲(
付図 6 参照)。
normal operating
conditions
P6.0.0.03
61004
環境条件,
周囲条件
機器が,正常に動作するための周囲の条件。
例 温度,湿度,振動衝撃,爆発性,危険場所,じんあい
など。
備考1. 通常,呼称値と許容範囲とで規定される。
2.
物によって,複数の環境条件がある。
例 輸送,保管及び動作の各環境条件機能単位の保護又は
正常な動作のために必要な周囲のパラメタの値の仕
様。
environmental
condition,
ambient condition
P6.0.0.04
61005
動作限界
機器が,動作特性に永久的損傷を受けることなく,使用できる
動作条件の限界。
備考1. 動作条件は,輸送保管条件の限界とは異なる。
2.
通常,動作限界と正常動作限界との間では,性能
特性は示されない。
3.
正常動作条件内に戻った場合,正常な特性に回復
させるための調整を必要とすることがある。
operating limits
P6.0.0.05
61006
輸送・保管条件 輸送中,倉庫における保管中,使用中止期間中などの動作して
いない機器又は装置が置かれている規定の条件(
付図 6 参照)。
備考1. 修復困難な損傷又は性能劣化を被らないよう,規
定の限界条件を満たす形で適切に保護され,こん
包される。
2.
性能を正常に回復させるために調整を必要とする
ことがあり得る。
storage and
transportation
condition
P6.0.0.07
61007
定格動作条件
仕様書に明示されている動作条件。
正常動作条件と一致する場合もある。
rated operating
condition
61008
定格使用範囲
定格動作条件のもとで,機器が動作できる範囲。
rated range of use
61009
基準状態,
基準動作状態
基準動作条件を満たす状態。
reference condition
61010
連続使用
機器を長時間連続して使用する状態。
continuous service
61011
間欠使用
機器を時間間隔をおいて使用する状態。
intermittent service
61012
連続定格
連続使用に対応する場合の定格。
continuous rating
61013
短時間定格
指定された短時間の間だけ,一定条件で使用する場合の定格。
short time rating
61014
影響変動
基準動作条件から,ある一つの規定された動作条件に変化する
ことによって起こる性能特性の変動。この場合,他の動作条件
の影響量は基準動作状態の限界内に止めておく。
operating influence
61015
外部影響量
機器の性能に影響変動を与える量。
influence quantity
52
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
61016
周囲条件の影響 規定の周囲条件のうちの一つが基準値から変化し,その他の条
件は一定に保たれている場合,その変化だけに基づいて引き起
こされる機器出力の変化。
environmental
influence
P6.0.0.06
61017
姿勢の影響,
傾斜の影響
機器又は装置の正規の動作姿勢からの傾きによる影響。
influence of
physical
orientation
61018
設置場所
機器を設置する場所。
例 地域別(熱帯地,寒帯地,温帯地,高地,雰囲気など),
室内・屋外の別,空調の有無,振動の有無,輸送機用,
船舶用,危険場所及び安全場所など。
installation
location
61019
空調場所,
空調区域
温度と湿度とが定められた限界内の状態に調整されている場
所。
air-conditioned
location
P6.0.0.08
61020
温調場所,
温調区域
温度だけが定められた限界内に調整されている場所。
heated and/or
cooled enclosed
location
P6.0.0.09
61021
遮へい場所,
遮へい区域
温度及び湿度とも調整されていない場所。ただし,機器は,直
射日光,雨,落下物及び大きな風圧に対して直接さらされるこ
とがないよう保護されている。
sheltered location
P6.0.0.10
61022
屋外場所,
屋外区域
温度及び湿度とも調整されていない場所。
備考 機器は,直射日光,雨,みぞれ,雪,風,結氷,吹
き付ける砂などに直接さらされている。
outdoor location
P6.0.0.11
61023
危険場所,
危険区域
爆発性ガスと空気との混合物が存在し,又は存在する可能性が
ある場所。
hazardous location
2)
温度・湿度・気圧動作条件に関する用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
62001
周囲温度
機器が通常の動作を行うか,又は保管若しくは輸送される環境
(近接して発熱体がある場合も含む。
)において,その代表点で
測定された温度。
ambient
temperature
P6.1.0.01
62002
使用温度範囲,
動作温度範囲
機器を使用する周囲温度の下限値から上限値までの範囲。
備考 一般に,正常動作条件の温度範囲。
operating
temperature
range
62003
温度上昇
機器の自己発熱による温度上昇。
temperature rise
62004
熱応力
物体内の温度の不均一分布又は熱膨張差によって生じる,自由
熱膨張を拘束するために生じる応力。
thermal stress
P6.1.0.02
62005
熱衝撃
機器又は装置に,熱的ひずみを与えるような急激な温度変化。
thermal shock
P6.1.0.03
62006
湿度(絶対湿度) 単位量の空気に含まれている水蒸気の量。
備考 湿度は,幾つかの表現形態がある。どの表現形態で
表したかを,規定する。
humidity (absolute
humidity)
P6.1.0.04
62007
相対湿度
特定量の空気中の水蒸気の質量又は容積を,同一の温度及び圧
力でその特定量の空気が水蒸気によって飽和したときの水蒸気
の質量又は容積でそれぞれを除した値。
備考 通常,百分率で表す。
relative humidity
P6.1.0.05
62008
周囲湿度
機器が,通常の動作,保管又は輸送される環境において,その
代表点で測定された湿度。
ambient humidity
62009
使用湿度範囲,
動作湿度範囲
機器を使用する周囲湿度の下限値から上限値までの範囲。
備考 一般に,正常動作条件の湿度範囲。
operating humidity
range
62010
露点
与えられた圧力において,水蒸気が結露し始める温度。
備考 露点は,実際の水蒸気分圧が,その温度における飽
和水蒸気圧と等しくなる温度である。
dew point
P6.1.0.06
53
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
62011
周囲圧力
機器を取り巻く媒体の絶対圧力。
ambient pressure
P6.1.0.07
3)
エネルギー供給に関する動作条件用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
63001
主電源
システムのエネルギーが得られる一次供給源。通常は,交流電
源。
power source
P6.2.0.01
63002
電源装置
計測制御システム又はシステムの要素に適切なエネルギーを供
給するために,主電源からのエネルギーの変換,整流,調整,
その他エネルギーの形態を変更することができる独立のユニッ
ト。
power supply
device
P6.2.0.02
63003
電源電圧
システム又はシステム要素に供給される電源の電圧。
power supply
voltage
P6.2.0.03
63004
電源周波数
システム又はシステム要素に供給される電源の周波数。
power supply
frequency
P6.2.0.04
63005
電源変動
電源電圧及び周波数の定格値からの変動。
備考 これらの周波数としては,直流から,例えば,磁気
増幅器などに用いられるような高い周波数までがあ
る。
power supply
variation
63006
電源安定度
電源電圧及び周波数が時間経過又は影響量の変化に対して,定
格値からどれほど変わらないかを示す数値。
power supply
stability
63007
電源の定常状態 一定時間以上持続する電源の状態。
steady state power
conditions
P6.2.0.05
63008
電源の過渡的外
乱
一定時間持続する電源の外乱。
transient power
disturbances
P6.2.0.06
63009
最大電源電圧
定常状態の最小負荷条件において生じる電源電圧の値。
maximum power
supply voltage
P6.2.0.07
63010
最小電源電圧
定常状態の全負荷条件において生じる電源電圧の値。
minimum power
supply voltage
P6.2.0.08
63011
交流電源の高調
波成分,
電源ひずみ率
高調波成分は,電源基本周波数電圧(実効値)に対する高調波
電圧の二乗和平方根の百分率で表す。公称周波数の 10 倍未満の
高調波だけを考慮する。
harmonic content
of an ac power
supply
P6.2.0.09
63012
直流電源電圧の
リプル
リプル電圧は,定格負荷で測定した平均電源電圧に対する電源
電圧の全交流成分の p-p 値の百分率で表す。
dc power voltage
ripple
P6.2.0.10
63013
復帰時間
停電終了後,機器のすべての性能が示された規格値に入るまで
の時間。
recovery time
63014
電源瞬断特性
機器の電源が瞬断したとき,機器が示す動作又は特性。この特
性を表すときは,瞬断時間を明記する。
power supply
interruptions
characteristics
63015
消費電力
機器が,動作範囲内で通常の運転状態において消費する電力。
electric power
consumption
63016
最大消費電力
機器の消費電力の最大値。
maximum electric
power
consumption
63017
空気源
機器に圧縮空気を供給する源。
air supply
63018
供給空気圧,
給気圧
空気式機器及び系に供給される空気の圧力。
supply air pressure
63019
空気供給容量
空気式機器において,負荷の増加によって出力圧が低下する場
合,出力圧の規定範囲内の変化に応じて負荷に供給し得る空気
流量。
pneumatic delivery
capability
54
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
63020
空気消費量
空気式機器において,信号が動作範囲内で定常状態にある場合
の空気の最大消費量。
備考 通常,温度及び圧力の標準状態に換算した立方メー
トル毎時 (m
3
/h)
で表す。
air consumption
63021
空気排気容量
空気式機器において,負荷の減少によって出力圧が上昇する場
合,出力圧の規定範囲内の変化に応じて負荷から排気し得る空
気流量。
pneumatic exhaust
capability
4)
機械的影響に関する動作条件用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
64001
振動
通常,明確な基本的振動数をもった往復,回転又はその両方の
周期的運動。
備考 回転機械の振動が代表的である。
vibration P6.3.0.01
64002
振動の厳しさ
機器に,影響又は損害を与える振動環境の度合い。
備考1. この度合いは,質量 m の物体が与える又は受ける,
運動エネルギーmv
2
/2
で表される。ここに,v は,
振動の往復運動による質量 m の速度である。
図29
において,一定速度ラインは,一定運動エネルギ
ーラインを示す。したがって,一定の振動の厳し
さのラインを示す。
2.
振動には,他の分類方法がある。例えば,
図 29
に示すように,周波数から特定の周波数までは,
一定変位ライン,その周波数以上は一定加速度ラ
インとする方法がある。その折り返しの周波数に
は,低周波域が 8Hz,高周波域が 60Hz が選ばれ
ている。
vibrational severity P6.3.0.02
図 29
64003
耐振性
外部から機器に加えられる振動に対する強さ。
備考 振動の周波数及び振幅によって強さの程度が異なる
ので,耐振性の表示には,周波数と振幅又は耐振加
速度の許容限界値を併記する。
vibrational proof
55
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
64004
衝撃
強打,激突,衝突,激動,激しい振動などによって生ずる,突
然の非周期的運動。
備考 衝撃を定量化測定するために使用される方法が二つ
ある。
a)
加速度又は減速度の値をその持続期間とともに示す
方法。
b)
所定の平らな表面上への自由落下の高さを示す方
法。
shock P6.3.0.03
64005
繰返し衝撃
規則的時間間隔で繰り返される衝撃。
例 くい打ち機又は打抜き機などによる衝撃。
repetitive shock
P6.3.0.04
64006
耐衝撃性
外部から機器に加えられる衝撃に対する強さ。
shock resistance
64007
地震の影響
人為的要因(例えば,爆発)又は自然的要因(例えば,地質の
断層生成,火山活動又は海岸における波の衝撃)による地殻を
伝わった予測できない振動及び衝撃の組合せ。
備考 通常,地震とその局地的影響は,マグニチュードと
震度とで表される。
seismic effects
P6.3.0.05
5)
腐食及び侵食に関する動作条件用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
65001
腐食
生物,有機物又は無機物の固体,液体若しくは気体がそれ自体
によって,又はこれらが触媒となって,各種の物質に対し化学
反応を引き起こす現象。
備考 これらの化学反応は,一般的に酸化反応であって望
ましくない。
corrosion P6.4.0.01
65002
侵食,
浸食
生物,有機物又は無機物の固体,液体若しくは気体が,その物
理的性質及びその置かれている条件によって,各種の物体の形
状に対し,機械的損傷又は劣化を及ぼす現象。
備考 侵食には多くの種類があり,例えば,砂あらしの砂
による摩耗損傷,流体の空洞現象による調節弁の点
食,ごきぶりやねずみによる絶縁物の食害なども含
む。
erosion P6.4.0.02
65003
エーロゾル
固体又は液体の微細粒子が,気体中に霧状に分散している状態。
例 空気中の油分,海の塩霧など。
aerosol P6.4.0.03
65004
汚染
人為的又は自然な原因によって,望ましくない影響を及ぼす環
境純度の破壊や減損。
例 自動車の排ガス,火山灰など。
contamination P6.4.0.04
65005
汚染の平均値
毎日 1 回,汚染を無作為に 1 時間測定した平均値を,1 年間に
わたって平均した値。
average value
contamination
P6.4.0.05
6)
電磁気の影響に関する動作条件用語
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
66001
電磁放射
電磁エネルギーが,その源から出る現象。
electromagnetic
emission
66002
ESD
,
静電気放量
機器に,静電気電位の異なる物体が接近又は接触することによ
って,両者間に生じる放電。
electrostatic
discharge
66003
伝導性雑音
電源線又は制御線を通して伝わる雑音。
conductive noise
66004
イミュニティ,
妨害排除能力
電磁気外乱が存在する電磁環境において,機能障害を起こさな
いで動作する機器の能力。
immunity
66005
EMC
,
電磁環境両立性
機器又はシステムが,許容レベル以上の電磁妨害波を発生させ
ることなく,その電磁環境において満足に機能する能力。
electromagnetic
compatibility
56
B 0155 : 1997
番号
用語
定義
対応英語
IEC No.
66006
外部磁界
外部設置環境の磁界の強さ(機器が自らつくる磁界と異なる。
)
。
external magnetic
field
66007
外部磁界の干渉 外部磁界が,機器の動作に影響を与える現象。
external magnetic
field interference
66008
EMI
,
電磁気干渉
電磁気外乱が,機器の動作に影響を与える現象。
electromagnetic
interference
66009
静電界干渉
外部の静電界が,機器の動作に影響を与える現象。
electrostatic field
interference
66010
接地
電気機器の動作の安定を図る目的で,機器を大地と同電位に保
つために導線で結ぶこと。
備考 高電圧電源などの接地は,人体保護が主な目的とな
る。
ground,
earth
57
B 0155 : 1997
JIS B 0155
-1986
レンジの例
呼称
レンジ
レンジの
下限値
レンジの
上限値
スパン
備考
−
0
〜100 0
+100 100
−
ゼロ負遷移レンジ 20〜100 20
+100 80
サプレッション比
=0.25
ゼロ正遷移レンジ −25〜+100
−25
+100 125
−
ゼロ正遷移レンジ
−100〜0
−100 0
100
−
ゼロ正遷移レンジ −100〜−20
−100
−20 80
−
付図 1 レンジ及びスパンの関係用語の説明図
付図 2 入力のステップ状の変化に対する代表的な時間応答
58
B 0155 : 1997
付図 3 周波数応答特性ボード線図
付図 4 規定特性曲線
59
B 0155 : 1997
備考1. 基準測定方法の誤差限界は,平均の誤差の決定においては考慮されていない。
2.
校正表を完全にするためには,実測値を記す必要がある。
付図 5 校正表の説明図
付図 6 動作条件の区分
60
B 0155 : 1997
JIS B 0155
(工業プロセス計測制御用語及び定義)改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員会委員長)
森 下 巌
法政大学スシテム工学部
(小委員会委員長)
○
津 川 定 之
工業技術院機械技術研究所
馬 場 秀 俊
通商産業省機械情報産業局
○
本 間 清
工業技術院標準部機械規格課
兼 谷 明 男
工業技術院標準部電気規格課
○
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
高 井 祥一郎
財団法人日本品質保証機構
松 村 正 勝
社団法人日本計量機器工業連合会
○
山 本 昭 男
財団法人工業所有権協力センター
根 本 糧 佐
社団法人計装工業会(三興株式会社)
相 良 直 哉
社団法人日本鉄鋼連盟
加 藤 敬
日本精密測定機器工業会
岡 村 哲 雄
石油化学工業会(三井石油化学工業株式会社)
中 川 英 夫
プロセス計装制御技術協会(三菱重工業株式会社)
赤 嶺 淳 一
社団法人日本電機工業会
三 橋 健 八
社団法人日本ゴム協会(横浜ゴム株式会社)
◎
今 井 清 隆
大倉電気株式会社計測制御事業部
◎
公 江 春 樹
株式会社島津製作所環境計測事業部
◎
蔵 川 靖 彦
株式会社東芝電機計装機器事業部
◎
小 島 洋
富士電機株式会社計測システム事業部
◎
荒 川 正 夫
山武ハネウエル株式会社工業システム事業部
◎
(福 島 豊 治
山武ハネウエル株式会社工業システム事業部)
◎
蓮 見 学
横河電機株式会社システム事業部
(事務局)
渡 部 庄 吾
社団法人日本電気計測器工業会
冨 山 正
社団法人日本電気計測器工業会
○印は,小委員会委員を兼ねる。
◎印は,小委員会委員及びワーキンググループメンバーを兼ねる。
( )は,途中交代の前任者を示す。