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B 0090-4 : 2001 (ISO 10110-4 : 1996) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,日本光学工業協会 (JOIA)/財団法人日本規

格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査

会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

今回の制定は,日本工業規格を国際規格に整合させるため,ISO 10110-4 : 1997, Optics and optical 

instruments−Preparation of drawings for optical elements and systems−Part 4 : Material imperfections−

Inhomogeneity and striaeを基礎として用いた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。 

JIS B 0090の規格群には,次に示す部編成がある。 

第1部:通則 

第2部:材料欠陥−応力複屈折 

第3部:材料欠陥−泡及び異物 

第4部:材料欠陥−不均一性及び脈理 

第5部:表面形状公差 

第6部:偏心公差 

第7部:表面欠陥許容値 

第8部:面の肌 

第9部:表面処理及びコーティング 

第10部:単一レンズ素子のデータ表示表 

第11部:公差表示のないデータ 

第12部:非球面 

第17部:レーザ放射による損傷しきい値(予定) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

B 0090-4 : 2001 

(ISO 10110-4 : 1996) 

光学素子及びシステム用の製図手法− 

第4部:材料欠陥−不均一性及び脈理 

Preparation of drawings for optical elements and systems− 

Part 4 : Material imperfections−Inhomogeneity and striae 

序文 この規格は,1997年に第1版として発行されたISO 10110-4 (Optics and optical instruments−

Preparation of drawings for optical elements and systems−Part 4 : Material imperfections−Inhomogeneity and 

striae) を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。 

1. 適用範囲 JIS B 0090の規格群は,製造及び検査に用いられる製図における光学素子に対する設計上

並びに機能上の要求事項の表記について規定する。 

この規格は,光学素子の不均一性及び脈理の許容量の設定方法を表示する約束を規定する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 10110-4 : 1997 Optics and optical instruments−Preparation of drawings for optical elements and 

systems−Part 4 : Material imperfections−Inhomogeneity and striae (IDT)  

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけが規格の規定を構成す

るものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その最新

版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0090-1 光学素子及びシステム用の製図手法−第1部:通則 

備考 ISO 10110-1 : 1996, Optics and optical instruments−Preparation of drawings for optical elements 

and systems−Part 1 : Generalが,この規格と一致している。 

JIS B 0090-2 光学素子及びシステム用の製図手法−第2部:材料欠陥−応力複屈折 

備考 ISO 10110-2 : 1996, Optics and optical instruments−Preparation of drawings for optical elements 

and systems−Part 2 : Material imperfections−Stress birefringenceが,この規格と一致してい

る。 

JIS B 0090-3 光学素子及びシステム用の製図手法−第3部:材料欠陥−泡及び異物 

備考 ISO 10110-3 : 1996, Optics and optical instruments−Preparation of drawings for optical elements 

and systems−Part 3 : Material imperfections−Bubbles and inclusionsが,この規格と一致し

ている。 

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B 0090-4 : 2001 (ISO 10110-4 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS B 0090-10 光学素子及びシステム用の製図手法−第10部:単一レンズ素子のデータ表示表 

備考 ISO 10110-10 : 1996, Optics and optical instruments−Preparation of drawings for optical elements 

and systems−Part 10: Table representing data of a lens elementが,この規格と一致している。 

3. 定義 この規格に用いる主な用語の定義は,次による。 

3.1 

不均一性 (inhomogeneity)  光学素子中の屈折率の最大値と最小値の差によって定義される素子中

の屈折率のゆるやかな変化。 

備考 不均一性は塊状材料中の化学的組成の変化や他の影響によって起こる。 

3.2 

脈理 (striae)  小さな空間的広がりをもつ不均一性。 

備考 脈理は特にガラスが粘土るつぼ溶融方法で作られる場合,はっきり限定されたひも状領域の形

で現れる。 

光学ガラスの製造には,最近はタンク溶融方法がより一般的で,この場合は帯状構造の脈理

が生じる。 

4. 規定 

4.1 

不均一性の等級 光学素子中の不均一性の測定は,非破壊的方法では困難なことが多い。したがっ

て,光学素子の不均一性等級の規定は主に素材の選択に有用である。 

不均一性の特性記述のため六つの等級を定義する。それらは,光学素子中の屈折率の許容変化量に対応

する。表1にその値を定める。 

表1 不均一性の等級 

等級 

部品内の最大許容屈折率変化量 

10−6 

±50 

±20 

±5 

±2 

±1 

±0.5 

4.2 

脈理の等級 不均一性と異なって,仕上げ部品内の脈理は容易に観察できる。したがって,光学素

子の脈理の等級規定は素材の選択に役立つばかりでなく,規定によって仕上げ部品の適否の程度を判定す

るのにも役立つ。 

この規格の目的として,脈理は五つの品質等級に分類する。等級1から4では,少なくとも30nmの光

路差∆sを起こす場合だけ脈理と考える。この規定の下で脈理は調べられ,素子を通る光路に垂直な投影面

積で分類される。また,等級5は30nm未満の光路差を生じる脈理に対する公差の規定を与える。 

等級1から4は脈理の密度に関係し,脈理の実効投影面積と被験領域の面積の比で定義する。表2にそ

の値を定める。 

等級5は最も高品質を必要とする光学素子に適用する。この等級には30nmの光路差以上の脈理の制限

は適用しない。非常に弱い脈理に対しては最大密度規定は有効ではないことに注意する。 

通常光学ガラスやフィルタガラスには,150nmを超える光路差∆sを生じる脈理は予想されない。 

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B 0090-4 : 2001 (ISO 10110-4 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2 脈理の等級 

等級 

少なくとも30nmの光路差を生じる脈理の密度 % 

≦10 

≦ 5 

≦ 2 

≦ 1 

極めて脈理が少ない。 

30nm以上の脈理の制限は適用されない。 

詳しい情報は注意書きとして与える。 

5. 図面内の表示 上記材料欠陥は図面内にコード番号,斜線/,不均一性及び脈理の等級番号の順に表示

する。 

5.1 

コード番号 不均一性及び脈理のコード番号は,2である。 

5.2 

表示の構成 表示は,次のとおりである。 

2/A ; B 

ここで,Aは表1による不均一性の等級であり,Bは表2による脈理の等級である。 

不均一性の規定が不要なら,Aは横線−で置き換える。 

脈理の規定が不要なら,Bは横線−で置き換える。 

5.3 

位置 表示は,それが適用される光学素子の近くに記入する。必要の場合,表示は引出し線で素子

と結んでもよい。できれば,他の材料欠陥(応力複屈折及び泡,JIS B 0090-2及びJIS B 0090-3参照)の

表示と組み合わせる。 

このような表示の例が,5.4とJIS B 0090-1の附属書Aに与えられている。 

代わりにレンズ素子の場合,表示はJIS B 0090-10に従って表中に与えてもよい。 

5.4 

表示例 一例として,図1は不均一性の等級3,脈理の等級2の光学素子を示す。 

図1 不均一性と脈理の許容値表示例 

B 0090-4 : 2001 (ISO 10110-4 : 1996) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

光学素子及びシステムの製図手法原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

田 中 俊 一 

東京理科大学理学部 

(幹事) 

山 本 公 明 

オリンパス光学工業株式会社基礎技術研究所 

池 森 敬 二 

キヤノン株式会社レンズ開発センター 

大 園 成 夫 

東京大学大学院工学系研究科 

加 藤 欣 也 

株式会社ニコンインストルメンツカンパニーMS事業部 

桐 木 俊 彦 

コニカ株式会社オプトテクノロジーカンパニー光学開発センター 

小 泉   昇 

富士写真光機株式会社光学設計部 

中 村   均 

株式会社トプコン産業機器技術部 

橋 本   進 

財団法人日本規格協会技術部 

福 島   省 

ミノルタ株式会社光システム技術部 

松 田   淳 

旭光学工業株式会社カメラ事業部 

山 口 孝 夫 

株式会社リコー画像技術開発本部 

吉 本   勇 

元東京工業大学精密工学研究所 

(オブザーバ) 

八 田   勲 

通商産業省工業技術院標準部 

(事務局) 

岩 崎 郁 也 

日本光学工業協会