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B 0090-14

:2010 (ISO 10110-14:2007)

(1) 

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

2

4

  波面形状公差の指示

2

4.1

  一般

2

4.2

  単位

2

4.3

  波長

2

4.4

  目標収差 

2

4.5

  接合(又はオプティカルコンタクト)素子

2

5

  図面指示

3

5.1

  一般

3

5.2

  コード番号 

4

5.3

  指示方法 

4

5.4

  位置

4

5.5

  物点の位置の指示

6

5.6

  像点の位置の指示

6

5.7

  目標収差の指示

6

6

  公差指示の例 

7


B 0090-14

:2010 (ISO 10110-14:2007)

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本光学工業協会(JOIA)及び財団法人日

本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。

JIS B 0090

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

B

0090-1

第 1 部:通則

JIS

B

0090-2

第 2 部:材料欠陥−応力複屈折

JIS

B

0090-3

第 3 部:材料欠陥−泡及び異物

JIS

B

0090-4

第 4 部:材料欠陥−不均一性及び脈理

JIS

B

0090-5

第 5 部:表面形状公差

JIS

B

0090-6

第 6 部:偏心公差

JIS

B

0090-7

第 7 部:表面欠陥許容値

JIS

B

0090-8

第 8 部:面の肌

JIS

B

0090-9

第 9 部:表面処理及びコーティング

JIS

B

0090-10

第 10 部:光学素子及び接合部品のデータ表示表

JIS

B

0090-11

第 11 部:公差表示のないデータ

JIS

B

0090-12

第 12 部:非球面

JIS

B

0090-14

第 14 部:波面形状公差 

JIS

B

0090-17

第 17 部:レーザ放射による損傷しきい値


   

日本工業規格

JIS

 B

0090-14

:2010

(ISO 10110-14

:2007

)

光学素子及び光学システム用の製図手法−

第 14 部:波面形状公差

Preparation of drawings for optical elements and systems-

Part 14: Wavefront deformation tolerance

序文 

この規格は,2007 年に第 2 版として発行された ISO 10110-14 を基に,技術的内容及び構成を変更するこ

となく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

適用範囲 

この規格は,製造及び検査に用いる製図における光学素子及び光学システムに対する,設計上及び機能

上の要求事項のうち,透過波面形状の公差,又は反射光学系における光学素子若しくは光学システムから

の反射波面形状の公差の指示方法について規定する。

波面形状は,要求される形状からの変位で表す。参照面に対する波面の傾きは,この規格では規定しな

い。

波面形状公差は,必要に応じて指示する。波面形状公差を指示する場合においても,JIS B 0090-5 に規

定する表面形状公差に優先するものではない。表面形状公差及び波面形状公差の両者が指示されている場

合は,どちらにも満足しなければならない。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 10110-14:2007

,Optics and photonics−Preparation of drawings for optical elements and systems

−Part 14: Wavefront deformation tolerance(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0090-1

  光学素子及びシステム用の製図手法−第 1 部:通則

注記  対応国際規格:ISO 10110-1:2006,Optics and photonics−Preparation of drawings for optical

elements and systems

−Part 1 : General(IDT)

JIS B 0090-5

  光学素子及び光学システム用の製図手法−第 5 部:表面形状公差

注記  対応国際規格:ISO 10110-5,Optics and photonics−Preparation of drawings for optical elements

and systems

−Part 5: Surface form tolerances(IDT)


2

B 0090-14

:2010 (ISO 10110-14:2007)

   

JIS B 0091

  光学素子及び光学システムの干渉測定−表面形状及び波面形状公差の用語及び定義

注記  対応国際規格:ISO 14999-4,Optics and photonics−Interferometric measurement of optical

elements and optical systems

−Part 4 : Interpretation and evaluation of tolerances specified in ISO

10110

(IDT)

ISO/TR 14999-2

  Optics and photonics−Interferometric measurement of optical elements and optical systems

−Part 2 : Measurement and evaluation techniques

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS B 0091 による。

波面形状公差の指示 

4.1 

一般 

波面形状公差は

,サジッタ偏差,イレギュラリティ及び/又は回転対称なイレギュラリティの最大許容

値によって指示する。これに加えて,波面形状の三つの二乗平均平方根(全 rms,rms イレギュラリティ及

び rms 回転非対称なイレギュラリティ)

による公差を指示してよい。

これら三つの用語の定義は,

JIS B 0091

の 3.3 を参照。

波面形状のすべての形式に対する公差は,必ずしも指示する必要はない。

注記 1  サジッタ偏差は,像位置を指示した場合にだけ意味をもつ。像位置の指示がない場合は,サ

ジッタ偏差はゼロとみなす。 

注記 2  任意の波面のサジッタ偏差,イレギュラリティ及び回転対称なイレギュラリティの量を求め

る方法は,JIS B 0091 による。

4.2 

単位 

サジッタ偏差,イレギュラリティ,回転対称なイレギュラリティ,及び妥当な目標収差の最大許容値は

ナノメートルの単位で指示するのが望ましい。波長単位で指示する場合は,その使用波長を記述しなけれ

ばならない。

波面形状に一つ以上の rms 形式で指示する場合は,ナノメートルの単位又は波長単位で指示しなければ

ならない(シングルパス検査による。

注記 参照)。

注記 1  これらの値は,シングルパス検査による被検査素子を 1 度透過した波面を解析して求める。

注記 2  波面形状の指示値が“1 波長”の場合は,波長(ナノメートルの単位)の 1 倍である。

注記 3 rms 偏差形式によって公差を指示する場合は,その光学システムはデジタル干渉計で解析す

る必要がある。

4.3 

波長 

波長単位を使う場合は,混乱を避けるため,その使用波長を図面に記載しなければならない。波長の記

載がない場合は,波長 λ=546.07 nm とみなす。

4.4 

目標収差 

通常

,理論上の波面は,球面又は平面である。場合によっては,光学システムの設計上で残存する微小

な収差を許容するため

,ゼロではない目標値を多項式形式で指示してよい。

4.5 

接合(又はオプティカルコンタクト)素子 

二つ以上の光学素子が接合(又はオプティカルコンタクト)された場合は

,個々の素子だけでなく,例

えば

,特記のない限り,接合後(又はオプティカルコンタクト後)の素子についても波面形状の公差を適


3

B 0090-14

:2010 (ISO 10110-14:2007)

用する(JIS B 0090-1 の 4.8.3 参照)

図面指示 

5.1 

一般 

波面形状公差を指示するすべての場合において,素子の光軸は,JIS B 0090-1 の 4.2 に基づいて指示しな

ければならない。

絞り又はひとみの位置は,JIS B 0090-1 の 5.3 に基づいて指示しなければならない(

図 を参照)。

波面形状公差は,コード番号(5.2 参照)

,サジッタ偏差,イレギュラリティ,回転対称なイレギュラリ

ティ及び/又は rms 偏差形式に対する公差として指示しなければならない(5.3 参照)

すべての量には,その単位を指示しなければならない。単位を指示しない場合は,波長単位であるとみ

なす。

この規格は,全波面形状[サジッタ偏差及びイレギュラリティの両方を含む(JIS B 0091 の 3.2.3 参照)

の最大高低差(PV)を公差として指示する方法は規定しない。このような指示が必要な場合は,その情報

は,例えば,

“全波面形状は,0.25 波長以下である。

,又は“全波面形状は,150 nm 以下である。

”のよう

に図面に注記として指示する。

注記  このような指示は,干渉計で使われる光学素子に対し有効である。

公差指示の例については

,箇条 を参照。

図 1−(平行光による)波面形状公差の指示例 


4

B 0090-14

:2010 (ISO 10110-14:2007)

   

5.2 

コード番号 

波面形状公差のコード番号は,

“13/”とする。

5.3 

指示方法 

指示は,次の三つのうち一つを使用する。

− 13/A

(B/C)

λ=E

−  13/A (B/C) RMSx<D;λ=E

は,JIS B 0091 の 3.3 に規定する t,i 又は a のいずれか)

− 13/―RMSx<D;λ=E

は,JIS B 0091 の 3.3 に規定する t,i 又は a のいずれか)

λ=546.07 nm の場合,“λ=E”(3 種類の形式の最後に指示する項目)は省略することができる。

量 A は,次のいずれかである。

a)

(シングルパス相当の)サジッタ偏差の最大許容値

b)

サジッタ偏差の公差を指示していないことを示す横線“―”

量 B は,次のいずれかである。

a)

(シングルパス相当の)イレギュラリティの最大許容値

b)

イレギュラリティ公差を指示していないことを示す横線“―”

量 C は,

(シングルパス相当の)回転対称なイレギュラリティの許容値である。この公差を指示しない

場合は,斜線“/”を,閉じる括弧“)”で置き換える。すなわち,13/A (B)とする。

公差を三つの波面形状の形式(A,B,C)のどの形式でも指示しない場合は,A,B,C,斜線“/”及び

括弧“)”は,一つの横線“─”で置き換える。すなわち,13/─とする。

量 D は,で指示する形式の rms 量の最大許容値である。ここに,は,t(全 rms)

,i(rms イレギュラ

リティ)又は a(rms 回転非対称なイレギュラリティ)のいずれかの文字である。これらの三つの偏差の定

義は JIS B 0091 の 3.3.53.3.6 及び 3.3.8 による。一つ以上の形式の rms 偏差を指示してもよい。これらの

指示は,箇条 

例 に示すように“;”(セミコロン)で分離する。

量 E は,波面形状を指示するための波長である。

波面形状公差は,光学的有効範囲内に適用する。ただし,光学的有効範囲よりも小さな,任意の被検領

域を,光学的有効範囲内のいずれの位置についても適用する場合には,公差表示に被検領域の直径を次の

ように追記する。

− 13/A(B/C)

RMSx

<D (allφ…);λ=E

箇条 

例 参照。

5.4 

位置 

位置は,該当する光学素子への引出し線によって指示する。

図 に示すように,光軸からの引出し線とともに指示してもよい。

光軸と光学素子の面法線とが一致しない場合は,光軸に垂直な断面における被検領域の波面形状を指示

する必要がある。

この場合は,波面形状の指示と被検領域とを関連付けなければならない(

図 参照)。

複数の測定経路に沿った透過波面形状の指示を必要とする光学素子群に対しては,

図 に示すように,

各測定経路を参照文字で指示しなければならない。波面形状の指示は,

図 に示すように,入射と出射と

の測定経路の文字と関連付ける。


5

B 0090-14

:2010 (ISO 10110-14:2007)

単位  mm

a) 

b) 

図 2−測定領域に波面形状公差を関係付けている指示例

図 3−複数の測定経路をもつ素子の波面形状公差の指示例 


6

B 0090-14

:2010 (ISO 10110-14:2007)

   

5.5 

物点の位置の指示 

発散光又は収束光では,物点の位置を,図面に指示する(

図 参照)。

図 1,図 及び図 に示すように,物点の位置の指示がない場合は,平行光(平面波面)を意味する。

単位  mm

図 4−物点の位置の指示例

5.6 

像点の位置の指示 

像点の位置の指示は,寸法公差とともに指示してもよい。像の位置を指示する場合は,指示した位置に

関連付けた文字“im”によって,物体の位置と区別しなければならない(

図 参照)。

注記  この公差を満たす限度の大きさであるサジッタ偏差は,像の位置を指示しない限り意味のある

ものではない。検査する光学システムの像の位置の指定に制限がない場合には,参照球面は近

似球面の波面と一致しており,サジッタ偏差は,ゼロであるとみなす。

単位  mm

図 5−物点及び像点の位置の指示例 

5.7 

目標収差の指示 

ISO/TR 14999-2

附属書 に定義された多項式の収差の一つ以上についての目標値を,用語“目標収差”

(“Target”)に続けて指示することができる。目標収差の指示の形式は,次による。

=

i

C


7

B 0090-14

:2010 (ISO 10110-14:2007)

ここに,

i: 求める多項式の項を特定する指数

値:

目標の数値

(箇条 

例 を参照。)

公差指示の例 

この規格による図面への公差指示の例及びその説明は,次による。

例 1 13/−(1);λ=632.8 nm

イレギュラリティは,シングルパス波面形状で 1 波長以下である。サジッタ偏差の公差は,

指示しない。すべての波面形状を規定する波長は,λ=632.8 nm である。

例 2 13/5(−) RMSi<0.05;λ=632.8 nm

(像点の指示を指示した寸法公差に対応する量に加えた)サジッタ偏差の公差は,シングル

パス波面形状で 5 波長である。イレギュラリティ又は回転対称なイレギュラリティの具体的な

公差は,指示しないが,rms イレギュラリティはシングルパス波面形状で 0.05 波長未満でなけ

ればならない。すべての波面形状を規定する波長は,λ=632.8 nm である。

例 3  13/600 nm (300 nm/150 nm);λ=632.8 nm

サジッタ偏差の公差は,シングルパス波面形状で 600 nm である。全イレギュラリティは

300 nm

以下である。回転対称なイレギュラリティは,シングルパス波面形状で 150 nm 以下で

ある。すべての波面形状を規定する波長は,λ=632.8 nm である。

例 4-a  13/3 (1/0.5) (allφ30)

波面形状公差は,直径 30 mm の被検領域が光学的有効範囲内のいずれの位置にあっても適用

する。サジッタ偏差の公差は,シングルパス波面形状で 3 波長である。全イレギュラリティは,

シングルパス波面形状で 1 波長以下である。回転対称なイレギュラリティは,シングルパス波

面形状で 0.5 波長以下である。

例 4-b 13/0.5―RMSi<0.05 (allφ12)

直径 12 mm の被検領域が光学的有効範囲内のいずれの位置にあっても,

(シングルパス)サ

ジッタ偏差は 0.5 波長以下である。また,rms イレギュラリティは,シングルパス波面形状で

0.05

波長未満でなければならない。

例 5 13/3(1);λ=632.8 nm

サジッタ偏差の公差は,シングルパス波面形状で 3 波長である。全イレギュラリティは,シ

ングルパス波面形状で 1 波長以下である。すべての波面形状を規定する波長は,λ=632.8 nm で

ある。

例 6 13/―RMSt<0.07;λ=546.07 nm

サジッタ偏差,イレギュラリティ又は回転対称なイレギュラリティの具体的な公差は指示し

ない。しかし,実際の波面と理論的波面の間の全 rms は,シングルパス波面形状で 0.07 波長未

満でなければならない。

例 7-a 13/―RMSi<0.07;RMSa<0.03;λ=632.8 nm

サジッタ偏差,イレギュラリティ又は回転対称なイレギュラリティの具体的な公差は指示し

ない。しかし,rms イレギュラリティは,シングルパス波面形状で 0.07 波長未満でなければな

らない。また rms 回転非対称なイレギュラリティは,シングルパス波面形状で 0.03 波長未満で

なければならない。すべての波面形状を規定する波長は,λ=632.8 nm である。


8

B 0090-14

:2010 (ISO 10110-14:2007)

   

例 7-b 13/―RMSt<0.07;RMSi<0.04

サジッタ偏差,イレギュラリティ又は回転対称なイレギュラリティの具体的な公差は指示し

ない。しかし,実際の波面と理論的波面の間の全 rms は,シングルパス波面形状で 0.07 波長未

満でなければならない。また,rms 回転非対称なイレギュラリティは,シングルパス波面形状

で 0.04 波長未満でなければならない。

例 8 13/―(0.1);λ=632.8 nm

目標収差

;

24

.

1

8

=

C

44

.

0

15

=

C

サジッタ偏差又は回転対称なイレギュラリティの具体的な公差は指示しない。公称の理論的

波面は,参照球面に次の多項式を加えたものからなっている。

15

8

44

.

0

24

.

1

Z

Z

=

多項式

(この非球面の波面と比較した)イレギュラリティの公差は,シングルパス波面形状の 0.1

波長である。すべての波面形状を規定する(目標収差を含む。

)波長は,λ=632.8 nm である。

例 9 CE:13/3 (1)

CF

:13/1(0.2)

DE

:13/3 (1)

DF

:13/1(0.2)

図 に示すシングルパスの光線の経路 CE 及び DE の公差は,サジッタ偏差が 3 波長であり,

イレギュラリティが 1 波長である。シングルパスの光線の経路 CF 及び DF の公差は,サジッタ

偏差が 1 波長であり,イレギュラリティが 0.2 波長である。すべての波面形状を規定する波長

は,λ=546.07 nm である。

参考文献 ISO/TR 

14999-1

:2005

  Optics and photonics−Interferometric measurement of optical elements and

optical systems

−Part 1: Terms, definitions and fundamental relationships