B 0090-10:2007 (ISO 10110-10:2004)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲 ························································································································· 1
2 引用規格 ························································································································· 1
3 書式······························································································································· 2
3.1 通則 ···························································································································· 2
3.2 図面領域 ······················································································································ 2
3.3 表領域 ························································································································· 2
3.4 表題領域 ······················································································································ 3
4 公差表示のないデータ ······································································································· 3
5 例·································································································································· 3
B 0090-10:2007 (ISO 10110-10:2004)
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本光学工業協会
(JOIA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出が
あり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS B 0090-10:2001は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
JIS B 0090の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS B 0090-1 第1部:通則
JIS B 0090-2 第2部:材料欠陥−応力複屈折
JIS B 0090-3 第3部:材料欠陥−泡及び異物
JIS B 0090-4 第4部:材料欠陥−不均一性及び脈理
JIS B 0090-5 第5部:表面形状公差
JIS B 0090-6 第6部:偏心公差
JIS B 0090-7 第7部:表面欠陥許容値
JIS B 0090-8 第8部:面の肌
JIS B 0090-9 第9部:表面処理及びコーティング
JIS B 0090-10 第10部:光学素子及び接合部品のデータ表示表
JIS B 0090-11 第11部:公差表示のないデータ
JIS B 0090-12 第12部:非球面
JIS B 0090-17 第17部:レーザ放射による損傷しきい値
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
B 0090-10:2007
(ISO 10110-10:2004)
光学素子及びシステム用の製図手法−
第10部:光学素子及び接合部品のデータ表示表
Preparation of drawings for optical elements and systems-Part 10 : Table
representing data of optical elements and cemented assemblies
序文
この規格は,2004年に第2版として発行されたISO 10110-10を基に,技術的内容及び対応国際規格の構
成を変更することなく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある事項は,対応国際規格にはない事項である。
1
適用範囲
JIS B 0090の規格群は,製造及び検査に用いる製図における光学素子及びシステムに対する,設計上及
び機能上の要求事項の表記方法について規定する。
この規格は,光学素子及び接合部品の寸法,許容できる偏差及び材料欠陥についての,表形式による表
示の書式について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 10110-10:2004,Optics and photonics−Preparation of drawings for optical elements and systems−
Part 10 : Table representing data of optical elements and cemented assemblies (IDT)
なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,一致していることを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0090-2 光学素子及びシステム用の製図手法−第2部:材料欠陥−応力複屈折
注記 対応国際規格:ISO 10110-2,Optics and optical instruments−Preparation of drawings for optical
elements and systems−Part 2 : Material imperfections−Stress birefringence (IDT)
JIS B 0090-3 光学素子及びシステム用の製図手法−第3部:材料欠陥−泡及び異物
注記 対応国際規格:ISO 10110-3,Optics and optical instruments−Preparation of drawings for optical
elements and systems−Part 3 : Material imperfections−Bubbles and inclusions (IDT)
JIS B 0090-4 光学素子及びシステム用の製図手法−第4部:材料欠陥−不均一性及び脈理
注記 対応国際規格:ISO 10110-4,Optics and optical instruments−Preparation of drawings for optical
elements and systems−Part 4 : Material imperfections−Inhomogeneity and striae (IDT)
JIS B 0090-5 光学素子及びシステム用の製図手法−第5部:表面形状公差
注記 対応国際規格:ISO 10110-5,Optics and optical instruments−Preparation of drawings for optical
2
B 0090-10:2007 (ISO 10110-10:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
elements and systems−Part 5 : Surface form tolerances (IDT)
JIS B 0090-6 光学素子及びシステム用の製図手法−第6部:偏心公差
注記 対応国際規格:ISO 10110-6,Optics and optical instruments−Preparation of drawings for optical
elements and systems−Part 6 : Centring tolerances (IDT)
JIS B 0090-7 光学素子及びシステム用の製図手法−第7部:表面欠陥許容値
注記 対応国際規格:ISO 10110-7,Optics and optical instruments−Preparation of drawings for optical
elements and systems−Part 7 : Surface imperfection tolerances (IDT)
JIS B 0090-9 光学素子及びシステム用の製図手法−第9部:表面処理及びコーティング
注記 対応国際規格:ISO 10110-9,Optics and optical instruments−Preparation of drawings for optical
elements and systems−Part 9 : Surface treatment and coating (IDT)
JIS B 0090-11 光学素子及びシステム用の製図手法−第11部:公差表示のないデータ
注記 対応国際規格:ISO 10110-11,Optics and optical instruments−Preparation of drawings for optical
elements and systems−Part 11 : Non-toleranced data (IDT)
JIS B 0090-17 光学素子及びシステム用の製図手法−第17部:レーザ放射による損傷しきい値
注記 対応国際規格:ISO 10110-17,Optics and photonics−Preparation of drawings for optical elements
and systems−Part 17 : Laser irradiation damage threshold (IDT)
JIS B 7090 光学及び光学機器−基準波長
注記1 対応国際規格:ISO 7944,Optics and optical instruments−Reference wavelengths (MOD)
注記2 対応国際規格では,引用規格であるISO 7944が脱落しているため,追加した。
3
書式
3.1
通則
図面は,次の三つの領域に区分する(図1及び図2参照)。
− 3.2による図面領域
− 3.3による表領域
− 3.4による表題領域
3.2
図面領域
この領域には,光学素子又は接合部品の図面を,表領域に記載されないすべての情報と一緒に描く。図
面は,実寸法で描く必要はない。尺度が表示されている場合には,図面はその尺度で描く。
偏心に対するデータム軸及び面の肌の規定(JIS B 0090-6及びJIS B 0090-8参照)は,この図面上に記
載する。
3.3
表領域
この領域には,光学素子又は接合部品の寸法,公差及び材料欠陥許容値を記載する。ここは,幾つかの
小領域に細区分される。
小領域の数及び内容は,単一素子か又は接合部品かによる。
a) 単一素子の場合
左側小領域は,光学素子の左側面(第1面)に当てる。
中央小領域は,材料の仕様に当てる。
右側小領域は,光学素子の右側面(第2面)に当てる。
(図3及び図4参照)
3
B 0090-10:2007 (ISO 10110-10:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
b) 接合部品の場合
小領域の数は,面の数に等しい。
接合又は密着された面は,1面として数える。
(図5〜7参照)
表1は,表示する諸特性の詳細を示す。
3.4
表題領域
表題領域は,JIS B 0090に準拠する旨の表記及び次の事項を必要に応じて標記するために使用する。
a) 光学素子又は接合部品の名称のような一般表示
b) 光学素子又は接合部品のタイプ及び/又は参照番号のような一般表示
c) 図面の部分番号のような一般表示
d) (もし存在すれば)尺度のような一般表示
4
公差表示のないデータ
図面領域及び表領域に規定されていないすべての諸特性は,JIS B 0090-11の規定による。
5
例
図3〜7は,光学素子及び接合部品のデータを表形式で示した例である。
4
B 0090-10:2007 (ISO 10110-10:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表1−表に記載する諸特性
事項
記事
材料
材料のタイプ,名称及び識別番号
n
v
必要な場合,JIS B 7090の規定による屈折率及びアッベ数(及びそれらの公差)
R
曲率半径。必要があれば,公差付きの曲率半径a)
湾曲の方向は,次のように示す。
凸面:CX,凹面:CC
φe
光学的有効径
保護面取り
保護面取りの最小許容幅及び最大許容幅
λ
JIS B 0090-9の規定による表面処理及びコーティング
0/
JIS B 0090-2の規定による応力複屈折の許容値
1/
JIS B 0090-3の規定による許容し得る泡及び他の異物の表示
2/
JIS B 0090-4の規定による不均一性及び脈理の等級
3/
JIS B 0090-5の規定による表面形状公差
4/
JIS B 0090-6の規定による偏心公差
5/
JIS B 0090-7の規定による表面欠陥許容値
6/
(必要な場合)JIS B 0090-17の規定によるレーザ照射による損傷しきい値の表示
必要に応じて,“接合する”又は“密着する”の語を加える。
注a) 曲率半径を表すために別のJIS記号がある。特に,JIS Z 8317ではこの記号として“SR” を使用す
るが,ここでは適用しない。
5
B 0090-10:2007 (ISO 10110-10:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図面領域
3.2による表示
表領域
3.3による表示
第1面
材料の仕様
第2面
R
φe
保護面取り
λ
3/
4/
5/
6/ a)
接合する/密着する a)
n
v
0/
1/
2/
R
φe
保護面取り
λ
3/
4/
5/
6/ a)
接合する/密着する a)
JIS B 0090による表示
表題領域
3.4による表示
注a) 必要な場合に記載する。必要でない場合は記載しない。
図1−単一素子のデータの表表示
6
B 0090-10:2007 (ISO 10110-10:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
図面領域
3.2による表示
表領域
3.3による表示
第1面
第2面
第3面
第4面
φe
λ
4/
6/
φe
λ
4/
6/
接合剤 :
φe
λ
4/
6/
接合剤 :
φe
λ
4/
6/
JIS B 0090による表示
表題領域
3.4による表示
図2−接合部品のデータの表表示
7
B 0090-10:2007 (ISO 10110-10:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
第1面
材料の仕様
第2面
R 37.449 CX
φe 30.5
保護面取り 0.4−0.6
λ AR 209.1060
3/ 5(1)
4/ 1.4'
5/ 5×0.1 ; C 5×0.16 ;
L 3×0.004 ; E 0.4
6/ −
LaC9 又は
N-LaK9
n (1 060 nm) 1.675 9±0.001
v −
0/ 20
1/ 5×0.1
2/ 1 ; 2
R ∞
φe 29
保護面取り 0.4−0.6
λ AR 209.1060
3/ 5(1)
4/ −
5/ 5×0.1 ; C 5×0.16 ;
L 3×0.004 ; E 0.4
6/ −
JIS B 0090による表示
レンズ114.379
図3−光学素子のデータの表表示の例
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B 0090-10:2007 (ISO 10110-10:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注a) 被検体積 1/3×0.1
b) 被検領域 5/3×0.1 ; L 1×0.004
第1面
材料の仕様
第2面
R 60.43 CC
φe 35
保護面取り 0.2−0.4
λ AR 207b
3/ 2(0.5)
4/ −
5/ 5×0.16 ; L 2×0.04 ;
E 0.5
N-BK7
ne 1.518 72±0.001
ve 63.69±0.8%
0/ 10
1/ 5×0.16
2/ 1 ; 2
R 50.17 CX
φe 34
保護面取り 0.2−0.4
λ −
3/ 3(1)
4/ 2'
5/ 5×0.16 ; L 2×0.04 ;
E 0.5
接合する
JIS B 0090による表示
レンズ124.736
図4−光学素子のデータの表表示の例(レンズ)
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B 0090-10:2007 (ISO 10110-10:2004)
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注a) 部品番号
b) 塗装,仕様12345
第1面
第2面
第3面
φe 16.5
λ (AR 209.1060)
4/ −
6/ −
φe 19.8
λ −
4/ ∆1'
6/ −
接合剤:NOA61
φe 20.8
λ (AR 209.1060)
4/ 0.6'
6/ −
JIS B 0090による表示
接合光学部品987.654
図5−接合部品のデータの表表示の例(2枚接合レンズ)
a)
b)
a)
10
B 0090-10:2007 (ISO 10110-10:2004)
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注a) 部品番号
第1面
第2面
第3面
第4面
φe 14
λ (AR 209.1070)
4/ 0.5' AC
6/ −
φe 13.3
λ −
4/ ∆0.8'
6/ −
接合剤:NOA61
φe 13.2
λ −
4/ ∆1.2'
6/ −
接合剤:NOA61
φe 13.32
λ (AR 209.1080)
4/ 0.8' AB
6/ −
JIS B 0090による表示
接合光学部品
図6−接合部品のデータの表表示の例(3枚接合レンズ)
a)
a)
a)
11
B 0090-10:2007 (ISO 10110-10:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注a) 部品番号
第1面
第2面
第3面
φe 5.0
λ 仕様No.4321
4/ −
φe 5.0
λ −
4/ ∆1'
接合剤:#1234
φe 4.8
λ −
4/ −
6/ −
JIS B 0090による表示
部分組立光学部品456.654
図7−接合部品のデータの表表示の例
a)
a)
12
B 0090-10:2007 (ISO 10110-10:2004)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考文献 JIS B 0090-1 光学素子及びシステム用の製図手法−第1部:通則
注記 対応国際規格:ISO/FDIS 10110-1,Optics and photonics−Preparation of drawings for
optical elements and systems−Part 1: General (IDT)
JIS B 0090-8 光学素子及びシステム用の製図手法−第8部:面の肌
注記 対応国際規格:ISO 10110-8,Optics and optical instruments−Preparation of drawings for
optical elements and systems−Part 8 : Surface texture (IDT)
JIS B 0090-12 光学素子及びシステム用の製図手法−第12部:非球面
注記 対応国際規格:ISO 10110-12,Optics and optical instruments−Preparation of drawings for
optical elements and systems−Part 12: Aspheric surfaces (IDT)
JIS Z 8317 製図−寸法記入方法−一般原則,定義,記入方法及び特殊な指示方法
注記 対応国際規格:ISO 129,Technical drawings−Dimensioning−General principles,
definitions, methods of execution and special indications (MOD)
ISO 10110-14,Optics and optical instruments−Preparation of drawings for optical elements and
systems−Part 14: Wavefront deformation tolerance