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  (ISO/DIS1101 : 1996)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって,JIS B 0021 : 1984 は改正され,この規格に置き換えられる。この規格

は,規格名称を“製品の幾何特性仕様 (GPS)−幾何公差表示方式−形状,姿勢,位置及び振れの公差表示

方式”として,目次に示す各項から成る。

今回の改正では,国際規格 ISO/DIS 1101 : 1996 [Geometrical product specifications (GPS)−Geometrical

tolerancing

−Tolerancing of form, orientation, location and run-out]  との完全整合を図って国際一致規格にした。

JIS B 0021

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)  旧図示方法

附属書 B(参考)  定義

附属書 C(規定)  幾何偏差の評価

附属書 D(参考)  GPS マトリックスモデル


  (ISO/DIS1101 : 1996)

(1) 

目次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

2

2.

  引用規格

2

3.

  定義

3

4.

  基本概念

3

5.

  記号

4

6.

  公差記入枠

4

7.

  公差付き形体

5

8.

  公差域

6

9.

  データム

8

10.

  補足事項の指示方法

10

11.

  理論的に正確な寸法

10

12.

  限定した指示

11

13.

  突出公差域

11

14.

  最大実体公差方式

12

15.

  最小実体公差方式

12

16.

  自由状態

12

17.

  幾何公差の相互関係

13

18.

  幾何公差の定義

13

18.1

  真直度公差

13

18.2

  平面度公差

13

18.3

  真円度公差

13

18.4

  円筒度公差

13

18.5

  データムに関連しない線の輪郭度公差 15

18.6

  データムに関連した線の輪郭度公差

15

18.7

  データムに関連しない面の輪郭度公差

16

18.8

  データムに関連した面の輪郭度公差

16

18.9

  平行度公差

17

18.10

  直角度公差

20

18.11

  傾斜度公差

24

18.12

  位置度公差

27

18.13

  同心度公差及び同軸度公差

31

18.14

  対称度公差

32

18.15

  円周振れ公差

33

18.16

  全振れ公差

36


  (ISO/DIS1101 : 1996)

目次

(2) 

附属書 A(参考)  旧図示方法

37

附属書 B(参考)  定義

39

附属書 C(規定)  幾何偏差の評価

40

附属書 D(参考)  GPS マトリックスモデル

43


日本工業規格

JIS

 B

0021

 : 1998

 (ISO/DIS1101

 : 1996

)

製品の幾何特性仕様 (GPS) −

幾何公差表示方式−

形状,姿勢,位置及び

振れの公差表示方式

Geometrical product specifications (GPS)

Geometrical tolerancing

Tolerancing of form, orientation, location and run-out

序文  この規格は,1996 年第 2 版として発行された ISO/DIS 1101 [Geometrical product specifications (GPS)

−Geometrical tolerancing−Tolerancing of form, orientation, location and run-out]  を翻訳し,技術的内容及び規

格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある“

参考”は,原国際規格にはない事項である。

この規格は,幾何特性仕様 (GPS) 規格であり,一般的な GPS 規格〔ISO/TR 14638 [Geometrical product

specifications (GPS)

−Masterplan]  参照〕に関するものである。形状,姿勢,位置及び振れについては

ISO/TR14638

の規格チェーンのチェーンリンク 1 及び 2 に,データムについては規格チェーンのチェーン

リンク 1 に関係する。

この規格と GPS マトリックスモデルに関する詳細な内容については,

附属書 を参照のこと。

この規格は,加工物の幾何学的な定義に必要なすべての事項を含み,幾何公差表示方式に対する基礎事項

と必要な基本的事項について規定する。更に詳細な内容については,2.の個別引用規格及び

表 並びに表 2

に引用した規格を参照するのがよい。

この規格では,すべての図中の数字及び

備考は,直立体文字で表してある。これらの指示が斜体(イタリ

ック)文字で書かれても,その指示の意味は変わらない。

文字の表示(形状及び寸法)については,JIS Z 8313-1(製図−文字−第 1 部:ローマ字,数字及び記号)

を参照のこと。

備考  ISO 3098-1, Technical drawings−Lettering−Part 1 : Currently used characters が,この規格と一致し

ている。

統一のために,この規格の中のすべての図は,第三角法で描いてあり,ミリメートル単位の寸法及び公差

で表してある。第一角法及び測定のその他の単位は,関係する原則を損なうことなく,同じように使用で

きる。

この規格の中の図は,単に規格の説明をし,実際的な適用を反映することを意図するものではない。した

がって,図は関係する一般的な原則だけを示し,すべての寸法及び公差を示していない。


2

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

幾何公差表示方式に関する記号の明確な表し方(形状及び寸法)については,ISO 7083 を参照。

参考  ISO 7083, Technical drawings−Symbols for geometrical tolerancing−Proportions and dimensions に

整合する JIS はないので,この規格の解説を参照のこと。

この規格の

附属書 A(旧規格の図示方法)は,参考である。この規格から削除し,今後使用してはならな

い旧規格の図示方法を示す。

1.

適用範囲

1.1

この規格は,加工物の幾何学的な定義に必要なすべての事項を含み,幾何公差表示方式に対する基

礎事項と必要な基本的事項について規定する。幾何公差表示方式に関する更に詳細な内容については,2.

の個別規格及び

表 に引用した規格を参照するのがよい。

1.2

幾何公差は,機能的要求によって指示する。製造及び検査の要求事項も,幾何公差表示方式に影響

を与える。

1.3

図面に指示する幾何公差は,特定の製造方法,測定方法又はゲージ手法の使用を必ずしも暗示する

ものではない。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効(行)年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規

定を構成するものであって,その後の改正版には適用しない。発行年を付記していない引用規格は,その

最新版を適用する。

ISO 1660 : 1987

  Technical drawings−Dimensioning and tolerancing of profiles

JIS B 0022

  幾何公差のためのデータム

参考  ISO 5459 : 1981, Technical drawings−Geometrical tolerancing−Datums and datum-systems for

geometrical tolerances

が,この規格と同等である。

JIS B 0023 : 1995

  図−幾何公差表示方式−最大実体公差方式及び最小実体公差方式

備考  ISO 2692 : 1988, Technical drawings−Geometrical tolerancing−Maximum material principles

1)

び IS0 2692Amd.1 : 1992, Technical drawings−Geometrical tolerancing−Maximum material

principles

−Amend-ment 1 : Least material requirement が,この規格と一致している。

JIS B 0024

  製図−公差表示方式の基本原則

備考  ISO 8015 : 1985, Technical drawings−Fundamental tolerancing principle

2)

が,この規格と一致して

いる。

JIS B 0025

  製図−幾何公差表示方式−位置度公差方式

備考  ISO 5458 : 1987, Technicaldrawings−Geometrical tolerancing−Positional tolerancing

3)

が,この規

格と一致している。

JIS B 0614

  円すい公差方式

参考  ISO 3040 : 1990, Technical drawings−Dimensioning and tolerancing−Cones が,この規格の規定

部分に一致している。

JIS B 0026

  製図−寸法及び公差の表示方式−非剛性部品

備考  ISO 10579 : 1993, Technical drawings−Dimensioning and tolerancing−Non-rigid parts が,この規

格と一致している。

ISO 7083 : 1983

  Technical drawings−Symbols for geometrical tolerancing−Proportions and dimensions


3

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

ISO 10578 : 1992

  Technical drawings−Tolerancing of orientation and location−Projected tolerance zone

JIS/TR B 0003

  製図−幾何公差表示方式−形状,姿勢,位置及び振れの公差方式−検証の原理と方法

の指針

備考  ISO/TR 5460 : 1985, Technical drawings − Geometrical tolerancing − Tolerancing of form,

orientation, location and run-out

−Verification principles and methods−Guidelines が,この規

格と一致している。

1)

現在 ISO/CD の段階

2)

現在改正中

3)

現在 ISO/DIS の段階

3.

定義  形体に関する定義は,原案作成段階にあり,ISO 14660 [Geometrical product specifications (GPS)

−Geometric features]  として発行される。この作業は,この規格の中で用いるものと異なっており,新規作

業項目となっている。この新規作業項目は,

附属書 で明確にし,現在の用語に追加した用語を括弧で囲

んで示し,この規格の本体の中で用いる。

この規格は,次の定義も適用する。

3.1

公差域 (tolerance zone)   一つ以上の幾何学的に完全な直線又は表面によって規制される領域であ

り,公差(長さの単位)が指示される領域をいう。

4.

基本概念

4.1

形体に指示した幾何公差は,その中に形体が含まれる公差域を定義する。

4.2

形体とは,表面,穴,溝,ねじ山,面取り部分又は輪郭のような加工物の特定の特性の部分であり,

これらの形体は,現実に存在しているもの(例えば,円筒の外側表面)又は派生したもの(例えば,軸線

又は中心平面)である。

4.3

公差が指示された公差特性と寸法の指示方法によって,公差域は次の一つになる。

−  円の内部の領域

−  二つの同心の円の間の領域

−  二つの等間隔の線又は平行二直線の間の領域

−  円筒内部の領域

−  同軸の二つの円筒の間の領域

−  二つの等間隔の表面又は平行二平面の間の領域

−  球の内部の領域

4.4

更に限定した公差が要求される場合,例えば,注記(

図 参照)を除いて,公差付き形体はこの公

差域内で任意の形状又は姿勢でもよい。

4.5

11.

及び 12.のように特に指示した場合を除いて,公差は対象とする形体の全域に適用する。

4.6

データムに関連した形体に指示した幾何公差は,データム形体自身の形状偏差を規制しない。デー

タム形体に対して,形状公差を指示してもよい。


4

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

5.

記号

表 1  幾何特性に用いる記号

公差の種類

特性

記号

データム指示

参照

真直度

18.1

平面度

18.2

真円度

18.3

円筒度

18.4

線の輪郭度

18.5

形状公差

面の輪郭度

18.7

平行度

18.9

直角度

18.10

傾斜度

18.11

線の輪郭度

18.6

姿勢公差

面の輪郭度

18.8

位置度

要・否

18.12

同心度(中心点に対して)

18.13

同軸度(軸線に対して)

18.13

対称度

18.14

線の輪郭度

18.6

位置公差

面の輪郭度

18.8

円周振れ

18.15

振れ公差

全振れ

18.16

表 2  付加記号

説明

記号

参照

公差付き形体指示

7.

データム指示

9.

及び JIS B 0022

データムターゲット

JIS B 0022

理論的に正確な寸法

12.

突出公差域

13.

及び ISO 10578

最大実体公差方式

14.

及び JIS B 0023

最小実体公差方式

15.

及び JIS B 0023

自由状態(非剛性部品)

16.

及び JIS B 0026

全周(輪郭度)

10.1

包絡の条件

JIS B 0024

共通公差域

8.5

参考  P,M,L,F,E 及び CZ 以外の文字記号は,一例を示す。

6.

公差記入枠

6.1

要求事項は,二つ又はそれ以上に分割した長方形の枠の中に記入する。これらの区画には,左から

右へ次の順序で記入する(

図 1,図 2,図 及び図 4)。

−  幾何特性に用いる記号


5

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

−  (長さの単位)寸法に使用した単位での公差値。この値は,公差域が円筒形又は円であるならば記

φ

を,公差域が球であるならば記号 S

φ

をその公差値の前に付ける。

−  必要ならば,データム又はデータム系を示す文字記号(

図 2,図 及び図 4)。

図 1

図 2

図 3

図 4

6.2

公差を二つ以上の形体に適用する場合には,記号“×”を用いて形体の数を公差記入枠の上側に指示

する(

図 及び図 6)。

図 5

図 6

6.3

公差域内にある形体の形状の品質の指示をする必要がある場合には,公差記入枠の付近に書く(

図 7)。

図 7

6.4

一つの形体に対して二つ以上の公差を指定する必要がある場合には,公差指示は便宜上一つの公差

記入枠の下側に公差記入枠を付けて示してもよい(

図 8)。

参考  複数の公差指示に矛盾があってはならない。

図 8

7.

公差付き形体  公差付き形体は,公差記入枠の右側又は左側から引き出した指示線によって,次の方

法で公差付き形体に結び付けて示す。

−  線又は表面自身に公差を指示する場合には,形体の外形線上又は外形線の延長線上(寸法線の位置

と明確に離す)

図 及び図 10)。指示線の矢は,実際の表面に点を付けて引き出した引出線上に当

ててもよい(

図 11)。

図 9

図 10

図 11

−  寸法を指示した形体の軸線又は中心平面若しくは一点に公差を指示する場合には,寸法線の延長線

上が指示線になるように指示する(

図 12,図 13 及び図 14)。


6

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

図 12

図 13

図 14

8.

公差域

8.1

公差域の幅は,指定した幾何形状に垂直に適用する(

図 15,図 16 及び図 17)が,特に指定した場

合を除く(

図 18 及び図 19)。

真円度公差の場合には,公差域の幅は正接線に直角な直線が図示軸線に交差する方向に適用する。

8.2

一方向に公差を指示した軸線又は点の場合には,位置を決める公差域の幅の姿勢は,特に指示した

場合を除いて,理論的に正確な寸法で決められた位置にあり,指示線の矢の方向で指示されたように 0°

又は 90°である(

図 15)。

−  公差域の幅の姿勢は,特に指示した場合を除いて,指示線の矢の方向で指示されたように,データ

ムに関して 0°又は 90°である(

図 18 及び図 19)。

図 15

−  二つの公差を指示した場合には,特に指示した場合を除いて,それらは公差域が互いに直角になる

ように適用する(

図 16 及び図 17)。

図 16


7

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

図 17

図 18

図 19

図 20

図 21

備考  図 20 に示す角度

α

は,90°の場合でも指示する。 

8.3

記号“

φ

”が公差値の前に付記してある場合には,公差域は円筒(

図 22 及び図 23)である。記号“S

φ

が公差値の前に付記してある場合には,公差域は球である。


8

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

図 22

図 23

8.4

幾つかの離れた形体に対して,同じ公差値を適用する場合には,個々の公差域は

図 24 のように指示

することができる。

図 24

8.5

幾つかの離れた形体に対して一つの公差域を適用する場合には,公差記入枠の中に文字記号“CZ”

を記入する(

図 25)。

図 25

9.

データム  データムは,次の各項に示すように指示する。詳細な内容については,JIS B 0022 を参照。

9.1

公差付き形体に関連付けられるデータムは,データム文字記号を用いて示す。正方形の枠で囲んだ

大文字を,塗りつぶしたデータム三角記号又は塗りつぶさないデータム三角記号とを結んで示す(

図 26

及び

図 27)。データムとして定義した同じデータム文字記号を公差記入枠にも記入する。塗りつぶしたデ

ータム三角記号と塗りつぶさないデータム三角記号との間に意味の違いはない。


9

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

図 26

図 27

9.2

データム文字記号をもつデータム三角記号は,次のように記入する。

−  データムが線又は表面である場合には,形体の外形線上又は外形線の延長線上(寸法線の位置と明

確に離す。

図 28)。データム三角記号は,表面を示した引出線上に指示してもよい(図 29)。

図 28

図 29

−  寸法指示された形体で定義されたデータムが軸線又は中心平面若しくは点である場合には,寸法線

の延長上にデータム三角記号を指示する(

図 30∼図 32)。二つの端末記号を記入する余地がない場

合には,それらの一方はデータム三角記号に置き換えてもよい(

図 31 及び図 32)。

図 30

図 31

図 32

9.3

データムをデータム形体の限定した部分だけに適用する場合には,この限定部分を太い一点鎖線と

寸法指示によって示す(

図 33)。

図 33

9.4

単独形体によって設定されるデータムは,一つの大文字を用いる(

図 34)。

二つの形体によって設定されるデータムは,ハイフンで結んだ二つの大文字を用いる(

図 35)。

データム系が二つ又は三つの形体,すなわち,複数のデータムによって設定される場合には,データム

に用いる大文字は形体の優先順位に左から右へ,別々の区画に指示する(

図 36)。

図 34

図 35

図 36


10

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

10.

補足事項の指示方法

10.1

輪郭度特性を断面外形のすべてに適用する場合,又は境界の表面すべてに適用する場合には,記号

“全周”を用いて表す(

図 37 及び図 38)。全周記号は,加工物のすべての表面に適用するのではなく,輪

郭度公差を指示した表面にだけ適用する。

図 37

図 38

10.2

ねじ山に対して指示する幾何公差及びデータム参照 (datum references) は,例えば,ねじの外径を表

す“MD”

図 39 及び図 40)のような特別な指示がない限り,ピッチ円筒から導き出される軸線に適用す

る。歯車及びスプラインに対して指示する幾何公差及びデータム参照は,例えば,ピッチ円直径を表す“PD”

外径を表す“MD”

,又は谷底径を表す“LD”のような特別な指示がされた,特定の形体に適用する。

図 39

図 40

11.

理論的に正確な寸法  位置度,輪郭度又は傾斜度の公差を一つの形体又はグループ形体に指定する場

合,それぞれ理論的に正確な位置,姿勢又は輪郭を決める寸法(距離を含む)を“理論的に正確な寸法”

という。理論的に正確な寸法は,データム系の相対的な姿勢の決定に指示する寸法にも用いる。

理論的に正確な寸法は,公差を付けず,長方形の枠で囲んで示す(

図 41 及び図 42)。


11

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

図 41

図 42

12.

限定した指示

12.1

形体の全長さのどこにも存在するような限定した長さに同じ特性の公差を適用する場合には,この

限定した長さの数値は,公差値の後に斜線を引いて記入する。この指示は,形体の全体に対する公差記入

枠の下側の区画に直接記入する(

図 43)。

図 43

12.2

公差を形体の限定した部分だけに適用する場合には,この限定した部分を太い一点鎖線で示し,そ

れに寸法を指示する(

図 44 及び図 45)。

図 44

図 45

12.3

データムの限定した部分(9.3 参照)

12.4

公差域内での形体の形状の規制について,6.3 に示す。

13.

突出公差域  突出公差域は,記号⃝

P

を用いて指示する(

図 46)。詳しい内容については,ISO 10578

を参照。


12

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

図 46

14.

最大実体公差方式  最大実体公差方式は,記号⃝

M

を用いて指示する。この記号は,公差値,データム

文字記号,又はその両方の後に置く(

図 47,図 48 及び図 49)。詳しい内容については,JIS B 0023 を参照。

備考  ISO 2692 : 1988, Technical drawings−Geometrical tolerancing−Maximum material principle が,この

規格の規定部分に一致している。

図 47

図 48

図 49

15.

最小実体公差方式  最小実体公差方式は,記号⃝

L

を用いて指示する。この記号は,公差値,データム

文字記号,又はその両方の後に置く(

図 50,図 51 及び図 52)。詳しい内容については,JIS B 0023 を参照。

備考  ISO 2692 Amd 1 : 1992, Technical drawings−Geometrical tolerancing−Least material requirement が,

この規格の規定部分に一致している。

図 50

図 51

図 52

16.

自由状態  非剛性部品に対する自由状態は,指示した公差値の後に記号⃝

F

を用いて指示する(

図 53

及び

図 54)。詳しい内容については,JIS B 0026 を参照。

備考  ISO 10579, Technical drawings−Dimensioning and tolerancing−Non-rigid parts が,この規格と一致

している。

図 53

図 54

備考  補足的な要求事項⃝

P

,⃝

M

,⃝

L

及び⃝

F

は,同じ公差記入枠の中で同時に用いることができる(

55


13

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

図 55

17.

幾何公差の相互関係  機能的な要求がある部分には,形体の幾何偏差を定めるために一つ又はそれ以

上の特性に公差を指示する。形体の幾何偏差がある種の公差によって定められる場合には,ときとしてこ

の形体の別の偏差がこの公差によって規制される。

形体の位置公差は,この形体の位置偏差,姿勢偏差及び形状偏差を規制するが,姿勢公差及び形状公差

によって位置偏差を規制することはできない。

形体の姿勢公差は,この形体の姿勢及び形状偏差を規制するが,形状公差によって姿勢偏差を規制する

ことはできない。

形体の形状公差は,この形体の形状偏差だけを規制する。

18.

幾何公差の定義  種々の幾何公差の詳細な定義及びそれらの公差域をこの項に示す。定義のすべての

図は,指示した定義に関係する偏差だけを示す。

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.1

真直度公差 

対象とする平面内で,公差域は だけ離れ,指定した
方向に,平行二直線によって規制される。

上側表面上で,指示された方向における投影面に平
行な任意の実際の(再現した)線は,0.1 だけ離れた
平行二直線の間になければならない。

図 56

図 57

公差域は,だけ離れた平行二平面によって規制され
る。

備考  この意味は,旧 JIS B 0021 とは異なる。

円筒表面上の任意の実際の(再現した)母線は,0.1
だけ離れた平行二平面の間になければならない。

備考  母線についての定義は,標準化されていな

い。

図 58

図 59


14

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.1

真直度公差(続き)

公差値の前に記号

φ

を付記すると,公差域は直径 

円筒によって規制される。

公差を適用する円筒の実際の(再現した)軸線は,
直径 0.08 の円筒公差域の中になければならない。

図 60

図 61

18.2

平面度公差 

公差域は,距離 だけ離れた平行二平面によって規制

される。

実際の(再現した)表面は,0.08 だけ離れた平行二

平面の間になければならない。

図 62

図 63

18.3

真円度公差 

対象とする横断面において,公差域は同軸の二つの円
によって規制される。

円筒及び円すい表面の任意の横断面において,実際
の(再現した)半径方向の線は半径距離で 0.03 だけ
離れた共通平面上の同軸の二つ円の間になければな

らない。

図 64

図 65

円すい表面の任意の横断面内において,実際の(再
現した)半径方向の線は半径距離で 0.1 だけ離れた共

通平面上の同軸の二つの円の間になければならな
い。

備考  半径方向の線に対する定義は,標準化され

ていない。

図 66


15

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.4

円筒度公差 

公差域は,距離 だけ離れた同軸の二つの円筒によっ
て規制される。

実際の(再現した)円筒表面は,半径距離で 0.1 だけ
離れた同軸の二つの円筒の間になければならない。

図 67

図 68

18.5

データムに関連しない線の輪郭度公差  (ISO 1660) 

公差域は,直径 の各円の二つの包絡線によって規制
され,それらの円の中心は理論的に正確な幾何学形状
をもつ線上に位置する。

指示された方向における投影面に平行な各断面にお
いて,実際の(再現した)輪郭線は直径 0.04 の,そ
してそれらの円の中心は理想的な幾何学形状をもつ

線上に位置する円の二つの包絡線の間になければな
らない。

図 69

図 70

18.6

データムに関連した線の輪郭度公差  (ISO 1660) 

公差域は,直径 の各円の二つの包絡線によって規制
され,それらの円の中心はデータム平面 A 及びデー
タム平面 B に関して理論的に正確な幾何学形状をも

つ線上に位置する。

指示された方向における投影面に平行な各断面にお
いて,実際の(再現した)輪郭線は直径 0.2 の,そし
てそれらの円の中心はデータム平面 A 及びデータム

平面 B に関して理論的な幾何学輪郭をもつ線上に位
置する円の二つの包絡線の間になければならない。

図 71

図 72


16

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.7

データムに関連しない面の輪郭度公差  (ISO 1660) 

公差域は,直径 の各球の二つの包絡線によって規制
され,それらの球の中心は理論的に正確な幾何学形状
をもつ線上に位置する。

実際の(再現した)表面は,直径 0.02 の,それらの
球の中心が理論的に正確な幾何学形状をもつ表面上
に位置する各球の二つの包絡面の間になければなら

ない。

図 73

図 74

18.8

データムに関連した面の輪郭度公差  (ISO 1660) 

公差域は,直径 の各球の二つの包絡面によって規制
され,それらの球の中心はデータム平面 A に関して
理論的に正確な幾何学形状をもつ表面上に位置する。

実際の(再現した)表面は,直径 0.1 の,それらの球
の二つの等間隔の包絡面の間にあり,その球の中心
はデータム平面 A に関して理論的な幾何学形状をも

つ表面上に位置する。

図 75

図 76


17

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.9

平行度公差 

18.9.1

データム直線に関連した線の平行度公差 

公差域は,距離 だけ離れた平行二平面によって規制
される。それらの平面は,データムに平行で,指示さ

れた方向にある。

実際の(再現した)軸線は,0.1 だけ離れ,データム
軸直線 A に平行で,指示された方向にある平行二平

面の間になければならない。

図 77

図 78

実際の(再現した)軸線は,0.1 だけ離れ,データム
軸直線 A(データム軸線)に平行で,指示された方
向にある平行二平面の間になければならない。

図 79

図 80


18

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.9.1

データム直線に関連した線の平行度公差(続き) 

公差域は,距離 t

1

及び t

2

だけ離れ,互いに直角な平行

二平面によって規制され,それらの平面はデータム軸
直線に平行で,指示された方向にある。

実際の(再現した)軸線は,それぞれ指示された方
向に互いに直角な平行二平面が 0.2 及び 0.1 だけ離れ
た間になければならない。平行二平面は,データム

軸直線 A に平行でなければならない。

図 82

図 81

図 83


19

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.9.1

データム直線に関連した線の平行度公差(続き) 

もし,公差値の前に記号

φ

が付記されると,公差域は

データムに平行な直径 の円筒によって規制される。

実際の(再現した)軸線は,データム軸直線 A に平
行な直径 0.03 の円筒公差域の中になければならな
い。

図 84

図 85

18.9.2

データム平面に関連した線の平行度公差 

公差域は,距離 だけ離れ,データム平面 B に平行な
平行二平面によって規制される。

実際の(再現した)軸線は,0.01 だけ離れ,データ
ム平面 B に平行な平行二平面の間になければならな
い。

図 86

図 87

18.9.3

データム直線に関連した表面の平行度公差 

公差域は,距離 だけ離れ,データム軸直線に平行な
平行二平面によって規制される。

実際の(再現した)表面は,0.1 だけ離れ,データム
軸直線 C に平行な平行二平面の間になければならな
い。

図 88

図 89


20

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.9.4

データム平面に関連した表面の平行度公差 

公差域は,距離 だけ離れ,データム平面に平行な平
行二平面によって規制される。

実際の(再現した)表面は,0.01 だけ離れ,データ
ム平面 D に平行な平行二平面の間になければならな
い。

図 90

図 91

18.9.5

データム平面に関連した線要素の平行度公差 

公差域は,距離 だけ離れ,データム平面 A に平行で,
データム平面 B に直角な平行二直線によって制限さ

れる。

実際の(再現した)表面は,0.02 だけ離れ,データ
ム平面 A に平行で,データム平面 B に直角な平行二

直線の間になければならない。

図 92

図 93

18.10

直角度公差 

18.10.1

データム軸直線に関連した線の直角度公差 

公差域は,距離 だけ離れ,データムに直角な平行二
平面によって規制される。

実際の(再現した)軸線は,0.06 だけ離れ,データ
ム軸直線 A に直角な平行二平面の間になければなら
ない。

図 94

図 95


21

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.10.2

データム平面に関連した線の直角度公差 

公差域は,距離 だけ離れ,平行二平面によって規制
される。この平面は,データムに直角である。

円筒の実際の(再現した)軸線は,0.1 だけ離れ,デ
ータム平面 A に直角な平行二平面の間になければな
らない。

図 96

図 97


22

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.10.2

データム平面に関連した線の直角度公差(続き) 

公差域は,距離 t

1

及び t

2

だけ離れ,互いに直角な二対

の平行二平面によって規制される。その平面は,デー
タムに直角で,指示された方向にある。

円筒の実際の(再現した)軸線は,0.1 及び 0.2 だけ
離れ,指示された方向で,互いに直角な二対の平行
二平面の間になければならない。二対の平行二平面

は,データム平面 A に直角でなければならない。

図 100

図 98

図 99

18.10.2

データム平面に関連した線の直角度公差(続き) 

公差値の前に記号

φ

が付記されると,公差域はデータ

ムに直角な直径 の円筒によって規制される。

円筒の実際の(再現した)軸線は,データム平面 A
に直角な直径 0.1 の円筒公差域の中になければなら
ない。

図 101

図 102


23

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.10.3

データム直線に関連した表面の直角度公差 

公差域は,距離 だけ離れ,データムに直角な平行二
平面によって制限される。

実際の(再現した)表面は,0.08 だけ離れ,データ
ム軸直線 A に直角な平行二平面の間になければなら
ない。

図 103

図 104

18.10.4

データム平面に関連した表面の直角度公差 

公差域は,距離 だけ離れ,データムに直角な平行二
平面によって規制される。

実際の(再現した)表面は,0.08 だけ離れ,データ
ム平面 A に直角な平行二平面の間になければならな

い。

図 105

図 106


24

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.11

傾斜度公差 

18.11.1

データム直線に関連した直線の傾斜度公差 

a)

同一平面内における線及びデータム直線

公差域は,距離 だけ離れ,データム直線に対

して指定された角度で傾斜した平行二平面によ
って制限される。

実際の(再現した)軸線は,データム軸直線 A−B
に対して理論的に正確に 60°傾き,0.08 だけ離れた

平行二平面の間になければならなない。

図 107

図 108

b)

異なった平面内における線及びデータム直線

公差域は,だけ離れ,データムに対して指示

した角度で傾斜した平行二平面によって規制さ

れる。もし,対象とした線及びデータムが同じ平
面内にない場合には,公差域はデータムを含み,
対象とした線に平行な平面上に対象とした線を

投影して適用する。

データム軸直線を含む一平面上に投影した実際の
(再現した)軸線は,共通データム軸直線 A−B に
対して理論的に正確に 60°傾斜し,0.08 だけ離れた

平行二平面の中になければならない。

図 109

図 110


25

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.11.2

データム平面に関連した直線の傾斜度公差 

公差域は,距離 だけ離れ,データムに対して指定さ
れた角度で傾いた平行二平面によって規制される。

実際の(再現した)軸線は,互いに直角なデータム

A

及びデータム B に直角で,データム平面 A に対し

て理論的に正確に 60°傾き,0.08 だけ離れた平行二

平面の間になければならない。

図 111

図 112

公差値に記号

φ

が付いた場合には,公差域は直径 

円筒によって規制される。円筒公差域は,一つのデー

タムに平行で,データム A に対して指定された角度
で傾いている。

実際の(再現した)軸線は,データム B に対して平
行で,データム平面 A に対して理論的に正確に 60°

傾いた直径 0.1 の円筒公差域の中になければならな
い。

図 113

図 114


26

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.11.3

データム直線に関連した平面の傾斜度公差 

公差域は,距離 だけ離れ,データムに対して指定し
た角度で傾斜した平行二平面によって規制される。

実際の(再現した)表面は,0.1 だけ離れ,データム
軸直線 A に対して理論的に正確に 75°傾いた平行二
平面の間になければならない。

図 115

図 116

18.11.4

データム平面に関連した平面の傾斜度公差 

公差域は,距離 だけ離れ,データムに対して指定し
た角度で傾いた平行二平面によって規制される。

実際の(再現した)表面は,0.08 だけ離れ,データ
ム平面 A に対して理論的に正確に 40°傾斜した平行

二平面の間になければならない。

図 117

図 118


27

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.12

位置度公差 

18.12.1

点の位置度公差 

公差値に記号 S

φ

が付いた場合には,その公差域は直

径 の球によって規制される。球形公差域の中心は,

データム A,B 及び C に関して理論的に正確な寸法に
よって位置付けられる。

球の実際の(再現した)中心は,直径 0.3 の球形公差
域の中になければならない。その球の中心は,デー

タム平面 A,B 及び C に関して球の理論的に正確な
位置に一致しなければならない。

図 119

図 120

18.12.2

線の位置度公差 

公差域は,距離 だけ離れ,中心線に対称な平行二直

線によって規制される。その中心線は,データム A
に関して理論的に正確な寸法によって位置付けられ
る。公差は,一方向にだけ指示する。

それぞれの実際の(再現した)けがき線は,0.1 だけ

離れ,データム平面 A 及び B に関して対象とした線
の理論的に正確な位置について対称に置かれた平行
二直線の間になければならない。

図 121

図 122


28

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.12.2

線の位置度公差(続き) 

公差域は,それぞれ距離 t

1

及び t

2

だけ離れ,その軸線

に関して対称な 2 対の平行二平面によって規制され
る。その軸線は,それぞれデータム A,B 及び C に関

して理論的に正確な寸法によって位置付けられる。公
差は,データムに関して互いに直角な二方向で指示さ
れる。

個々の穴の実際の(再現した)軸線は,水平方向に

0.05

,垂直方向に 0.2 だけ離れ,すなわち,指示した

方向で,それぞれ直角な個々の 2 対の平行二平面の

間になければならない。平行二平面の各対は,デー
タム系に関して正しい位置に置かれ,データム平面

C

A

及び B に関して対象とする穴の理論的に正確な

位置に対して対称に置かれる。

図 123

図 125

図 124


29

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.12.2

線の位置度公差(続き) 

公差値に記号

φ

が付けられた場合には,公差域は直径

t

の円筒によって規制される。その軸線は,データム

C

,  A 及び B に関して理論的に正確な寸法によって

位置付けられる。

実際の(再現した)軸線は,その穴の軸線がデータ
ム平面 C,A 及び B に関して理論的に正確な位置に
ある直径 0.08 の円筒公差域の中になければならな

い。

図 127

図 126

個々の穴の実際の(再現した)軸線は,データム平

面 A,B 及び C に関して理論的に正確な位置にある

0.1

の円筒公差域の中になければならない。

図 128


30

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.12.3

平たん(坦)な表面又は中心平面の位置度公差 

公差域は,だけ離れ,データム A 及びデータム B に
関して理論的に正確な寸法によって位置付けられた
理論的に正確な位置に対称に置かれた平行二平面に

よって規制される。

実際の(再現した)表面は,0.05 だけ離れ,データ
ム軸直線 B 及びデータム平面 A に関して表面の理論
的に正確な位置に対して対称に置かれた平行二平面

の間になければならない。

図 130

実際の(再現した)中心平面は,0.05 だけ離れ,デ
ータム軸直線 A に対して中心平面の理論的に正確な

位置に対して対称に置かれた平行二平面の間になけ
ればならない。

図 129

図 131


31

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.13

同心度公差及び同軸度公差 

18.13.1

点の同心度公差 

公差値に記号

φ

が付けられた場合には,公差域は,直

径 の円によって規制される。円形公差域の中心は,

データム点 A に一致する。

外側の円の実際の(再現した)中心は,データム円

A

に同心の直径 0.1 の円の中になければならない。

図 132

図 133

18.13.2

軸線の同軸度公差 

公差値に記号

φ

が付けられた場合には,公差域は直径

t

の円筒によって規制される。円筒公差域の軸線は,

データムに一致する。

内側の円筒の実際の(再現した)軸線は,共通デー

タム軸直線 A−B に同軸の直径 0.08 の円筒公差域の
中になければならない。

図 134

図 135


32

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.14

対称度公差 

18.14.1

中心平面の対称度公差 

公差域は,だけ離れ,データムに関して中心平面に
対称な平行二平面によって規制される。

実際の(再現した)中心平面は,データム中心平面

A

に対称な 0.08 だけ離れた平行二平面の間になけれ

ばならない。

図 136

図 137

実際の(再現した)中心平面は,共通データム中心

平面 A−B に対称で,0.08 だけ離れた平行二平面の
間になければならない。

図 138


33

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.15

円周振れ公差 

18.15.1

円周振れ公差−半径方向 

公差域は,半径が だけ離れ,データム軸直線に一致
する同軸の二つの円の軸線に直角な任意の横断面内

に規制される。

回転方向の実際の(再現した)円周振れは,データ
ム軸直線 A のまわりを,そしてデータム平面 B に同

時に接触させて回転する間に,任意の横断面におい
て 0.1 以下でなければならない。

図 140  

図 141

図 139

実際の(再現した)円周振れは,共通データム軸直

線 A−B のまわりに 1 回転させる間に,任意の横断
面において 0.1 以下でなければならない。 

通常,振れは軸のまわりに完全回転に適用されるが,

1

回転の一部分に適用するために規制することができ

る。

図 142


34

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.15.1

円周振れ公差−半径方向(続き) 

回転方向の実際の(再現した)円周振れは,データ
ム軸直線 A のまわりに回転させる間公差を指示した
部分を測定するときに,任意の横断面において 0.2

以下でなければならない。

図 143

図 144

18.15.2

円周振れ公差−軸方向 

公差域は,その軸線がデータムに一致する円筒断面内

にある だけ離れた二つの円によって任意の半径方向
の位置で規制される。

データム軸直線 D に一致する円筒軸において,軸方

向の実際の(再現した)線は 0.1 離れた,二つの円の
間になければならない。

図 145

図 146


35

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.15.3

任意の方向における円周振れ公差 

公差域は,だけ離れ,その軸線がデータムに一致す
る任意の円すいの断面の二つの円の中に規制される。
特に指示した場合を除いて,測定方向は表面の形状に

垂直である。

実際の(再現した)振れは,データム軸直線 C のま
わりに 1 回転する間に,任意の円すいの断面内で 0.1
以下でなければならない。

図 147

図 148

曲面の実際の(再現した)振れは,データム軸直線 C

のまわりに 1 回転する間に,円すいの任意の断面内
で 0.1 以下でなければならない。

図 149

18.15.4

指定した方向における円周振れ公差 

公差域は,だけ離れ,その軸線がデータムに一致す

る二つの円によって,指定した角度の任意の測定円す
い内で規制される。

指定した方向における実際の(再現した)円周振れ

は,データム軸直線 C のまわりに 1 回転する間に,
円すいの任意の断面内で 0.1 以下でなければならな
い。

図 150

図 151


36

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

単位 mm

記号

公差域の定義

指示方法及び説明

18.16

全振れ公差 

18.16.1

円周方向の全振れ公差 

公差域は,だけ離れ,その軸線はデータムに一致し
た二つの同軸円筒によって規制される。

実際の(再現した)表面は,0.1 の半径の差で,その
軸線が共通データム軸直線 A−B に一致する同軸の

二つの円筒の間になければならない。

図 152

図 153

18.16.2

軸方向の全振れ公差 

公差域は,だけ離れ,データムに直角な平行二平面
によって規制される。

実際の(再現した)表面は,0.1 だけ離れ,データム
軸直線 D に直角な平行二平面の間になければならな
い。

図 154

図 155


37

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

附属書 A(参考)  旧図示方法

この

附属書 は,改正によって削除されたものであり,今後は使用してはならない旧図示方法について

示す。そのため,規格の規定部分ではないが,参考情報のためにだけ用いるのがよい。

次の図示方法は,JIS B 0021 に規定されていたものである。図面指示にこれらを使用することは,不明

りょう(瞭)さがある。そのため,これらの図面指示は,今後使用してはならない。

A.1

旧図示方法では,公差を軸線(

附属書 図 1)又は共通軸線若しくは共通中心平面(附属書 図 

附属書 図 3)の形体に適用したときに,このような形体に直接矢を当てて,これと指示線を公差記入

枠に結んでいた。この図示方法は,本体の

図 12,図 13 及び図 14 に示す指示に代わって用いられた。

附属書 図 1

附属書 図 2

附属書 図 3

A.2

旧図示方法では,データムを軸直線,中心平面,共通軸線又は共通中心平面(

附属書 図 4)の形体

に適用したときに,このような形体にデータム三角形を直接当てていた。

この図示方法は,本体の

図 32 に示す指示に代わって用いられた。

附属書 図 4

A.3

旧図示方法では,データムの優先順位を与えずに,それにデータム文字記号を指示した(

附属書 

5

。それゆえ,第一優先データムと第二優先データムとの間の明確な区別が不可能であった。この図示方

法は,個々にデータムの優先順位を指示する方法に代わって用いられた。

附属書 図 5

A.4

旧図示方法では,データム形体と公差記入枠とを直接指示線で結んでいた(

附属書 図 及び附属書

A

図 7)。この図示方法は,9.2 に示すようにデータム三角記号とデータム文字記号とを結んで指示する方

法に代わって用いられた。


38

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

附属書 図 6

附属書 図 7

A.5

附属書 図 に示すように,幾つかの離れた形体に適用する同じ数値の公差域を個々に指示すること

が旧指示方法であった。単一の公差域を個々の形体に適用する場合には,公差記入枠の付近に表示“共通

公差域”を指示していた(

附属書 図 及び附属書 図 10)。

附属書 図 8

附属書 図 9

附属書 図 10


39

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

附属書 B(参考)  定義

製品の幾何特性仕様 (GPS) の一般的な用語及び定義の詳細については,ISO/DIS 14660-1 [Geometrical

product specifications (GPS)

−Geometric features−Part 1 : General terms and definitions]  を参照のこと。

形体 (feature):点線又は表面。

外殻形体 (integral feature):表面上の表面又は線。

派生形体 (derived feature):一つ以上の外殻形体から派生した中心点,中心直線又は中心平面。

サイズ形体  (feature of size):サイズ寸法によって定義される幾何学的な形。

図示外殻形体 (nominal integral feature):製図又はその他の方法によって定義された理論的に正確な外殻を

もつ形体。

図示派生形体  (nominal derived feature):一つ以上の図示外殻形体から派生した中心点,中心直線又は中心

平面。

加工物の実表面  (real surface of a workpiece):周囲を取り巻く媒体から,加工物全体が現実に存在し,離れ

た形体のセット。

実(外殻)形体 [real (integral) feature]:加工物の実際の部品表面の外殻形体であり,隣接した実(外殻)

形体によって規制される。

実測外殻形体  (extracted integral feature):実(外殻)形体から有限の数の点を実測することによって得られ

た実(外殻)形体の近似した表現。この実測は,指定した規定に従って実行される。

実測派生形体  (extracted derived feature):一つ以上の図示外殻形体から派生した中心点,中心線又は中心面。

再現外殻形体 (associated integral feature):指定した方法に従って,実測派生形体に関連した完全形状の外

殻形体。

再現派生形体 (associated derived feature):一つ以上の再現外殻形体から派生した中心点,中心直線又は中

心平面。


40

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

附属書 C(規定)  幾何偏差の評価

この附属書は,JIS B 0021 : 1984 の対応する項の内容を再表示する。幾何偏差の評価方法に関する規格

は,現在標準化作業中である(ISO/WD 12180ISO/WD 12780 及び ISO/WD 12781

この附属書は,これらの規格が発行された時点で削除される。

C.1

幾何学的理想形体に基づく公差域に対する定義の選択は,考慮すべき事項を示す。実際の形体の形状

偏差をどのように評価するか,そして公差域にそれらをどのように比較するかについて,これらの例を示

す。

C.1.1

公差が指示された単独形体の真直度は,理想的な幾何学的形状の線から各点までの距離が指示した

公差の値に等しいか,それ以下であるとき,正しいと考える。直線の姿勢は,対象とする形体の実際の表

面との間の最大距離ができるだけ小さな値になるように選ぶ。

特定の横断面についての例:

附属書 図 1

直線の可能な姿勢:

A

1

−B

1

A

2

−B

2

A

3

−B

3

対応する間隔:

h

1

h

2

h

3

附属書 図 の場合:

h

1

 < h

2

<

h

3

それゆえ,直線の正しい姿勢は,A

1

−B

1

である。距離 h

1

は,指示した公差に等しいか,それ以下でなけ

ればならない。

C.2

公差が付けられた単独形体の平面度は,理想的な幾何学的形状の上に重ねて置いた表面から各点まで

の距離が指示した公差の値に等しいか,それ以下であるとき,正しいと考える。平面の姿勢は,対象とす

る形体の実際の表面との間の最大距離ができるだけ小さな値になるように選ぶ。


41

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

 

附属書 図 2

直線の可能な姿勢:

A

1

−B

1

−C

1

−D

1

A

2

−B

2

−C

2

−D

2

対応する間隔:

h

1

h

2

附属書 図 の場合:

h

1

h

2

それゆえ,理想表面の正しい姿勢は,A

1

−B

1

−C

1

である。距離 h

1

は,指定した公差と等しいか又はそれ

よりも小さくなければならない。

C.3

公差が付いた単独形体の真円度は,形体が同軸の二つの円の間にあり,そして半径の距離が指示した

公差の値に等しいか,それ以下であるとき,正しいと考える。これらの円の中心の位置と半径は,同軸の

二つの円の半径の距離ができるだけ小さな値になるように選ぶ。

附属書 図 3

同軸の二つの円の中心の可能な位置とそれらの最小の半径方向の距離

A

1

の中心 (C

1

)

は,同軸の二つの円に置く。

A

2

の中心 (C

2

)

は,最小の半径方向の距離をもつ同軸の二つの円に置く。

対応する半径方向の距離:

∆γ

1

及び

∆γ

2

附属書 図 の場合:

∆γ

2

∆γ

1

 

それゆえ,同軸の二つの円の中心の位置は,A

2

で表示したものである。そのとき,半径方向の距離

∆γ

2

は,指示した公差と等しいか,それよりも小さい。


42

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

C.4

公差が付いた単独形体の円筒度は,形体が同軸の二つの円筒の間にあり,そして半径の距離が指示し

た公差の値に等しいか,それ以下であるとき,正しいと考える。これらの円筒の軸線の位置と半径は,同

軸の二つの円の半径の距離ができるだけ小さな値になるように選ぶ。

附属書 図 4

同軸の二つの円筒の軸線の可能な位置とそれらの最小の半径方向の距離。

A

1

の中心 (Z

1

)

は,同軸の二つの円筒に置く。

A

2

の中心 (Z

2

)

は,最小の半径方向の距離をもつ同軸の二つの円筒に置く。

対応する半径方向の距離:

∆γ

1

及び

∆γ

2

附属書 図 の場合:

∆γ

2

∆γ

1

 

それゆえ,同軸の二つの円筒の中心の正しい位置は,A

2

で表示したものである。そのとき,半径方向の

距離

∆γ

2

は,指示した公差と等しいか,それよりも小さい。


43

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

附属書 D(参考)  GPS マトリックスモデル

GPS

マトリックスモデルの詳細については,ISO/TR 14638 [Geometrical product specifications (GPS)−

Masterplan]

を参照。

D.1

規格の周辺の参考事項とその使い方  JIS B 0021 は,加工物の幾何公差表示方式に対する基本的事項

を規定している。幾何公差表示方式に対する最初の基礎及び基本的事項を規定している。

D.2  GPS

マトリックスモデルの中における位置  この規格は,一般的な GPS 規格であり,附属書 図 1

に示すように,一般的な GPS マトリックスの中の形状,姿勢,位置及び振れに関する規格チェーンのチェ

ーンリンク 1 及び 2 に,データムに関する規格チェーンのチェーンリンク 1 に影響する。

全体的な GPS 規格

一般的な GPS マトリックス

チェーンリンクの番号

1

2

3

4

5

6

サイズ

距離

半径

角度

データムに無関係な線の形状

データムに関係する線の形状

データムに無関係な表面の形状

データムに関係する表面の形状

姿勢

位置

円周振れ

全振れ

データム

表面粗さ輪郭

表面うねり輪郭

優先輪郭

表面欠陥

基本的な

GPS

規格

エッジ

附属書 図 1

D.3

関連規格  関連規格は,附属書 図 に示す規格のチェーンのすべてである。


44

B 0021 : 1998 (ISO/DIS1101 : 1996)

幾何学的公差国際整合化分科会検証方法等 JIS 原案作成 WG 委員会  構成表  (JIS B 0021)

氏名

所属

(主査)

大  園  成  夫

東京大学工学系研究科

(幹事)

高  増      潔

東京大学工学系研究科

(委員)

塚  田  忠  夫

東京工業大学大学院情報理工学研究科

中  込  常  雄

中込技術士事務所

福  永  太  郎

東京都立工科短期大学名誉教授

桑  田  浩  志

トヨタ自動車株式会社設計管理部

吉  本      勇

東京工業大学名誉教授

野  上  昭  三

株式会社アマダ

徳  岡  直  静

慶應義塾大学理工学部

吉  岡  武  雄

通商産業省工業技術院機械技術研究所

沢  辺  雅  二

株式会社ミツトヨ

江  守  忠  哉

江守設計研究所

福  島      彰

財団法人日本船舶標準協会

中  村  智  男

日本ねじ研究協会

田  中  誠之助

株式会社佐賀鉄工所

西  山  信  夫

株式会社名古屋螺子製作所

中  島      誠

通商産業省機械情報産業局

本  間      清

通商産業省工業技術院標準部

藤  田  富  男

通商産業省工業技術院標準部

(事務局)

杉  田  光  弘

財団法人日本規格協会

○印は WG 主査,△印は WG 幹事,※印は WG 委員会兼務を示す。

文責  桑田浩志