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B 0001

:2010

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

2

4

  一般事項

3

5

  図面の大きさ及び様式

5

5.1

  図面の大きさ

5

5.2

  図面の様式

6

6

  線

6

6.1

  線の太さ

6

6.2

  線の種類及び用途

7

6.3

  線の優先順位

13

7

  文字及び文章

13

7.1

  文字の種類及び高さ

13

7.2

  文章表現

16

8

  投影法

16

8.1

  一般事項

16

8.2

  投影図の名称

16

8.3

  第三角法

16

8.4

  第一角法

17

8.5

  矢示法

17

8.6

  その他の投影法

19

9

  尺度

19

10

  図形の表し方

20

10.1

  投影図の表し方

20

10.2

  断面図

25

10.3

  図形の省略

34

10.4

  特殊な図示方法

40

11

  寸法記入方法

47

11.1

  一般事項

47

11.2

  寸法補助線

49

11.3

  寸法線

50

11.4

  寸法数値

54

11.5

  寸法の配置

57

11.6

  寸法補助記号

60

11.7

  穴の寸法の表し方

69


B 0001

:2010  目次

(2)

ページ

11.8

  キー溝の表し方

73

11.9

  鋼構造物などの寸法表示

78

11.10

  薄肉部の表し方

80

11.11

  加工・処理範囲の表示

81

11.12

  非剛性部品の寸法

81

11.13

  非比例寸法

81

11.14

  同一形状の寸法

82

12

  外形図の寸法の表し方

82

13

  照合番号

83

14

  図面の訂正・変更

84

参考文献

85


B 0001

:2010

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本機械

学会(JSME)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS B 0001:2000 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


B 0001

:2010  目次

(4)

白      紙


  

日本工業規格

JIS

 B

0001

:2010

機械製図

Technical drawings for mechanical engineering

1

適用範囲

この規格は,JIS Z 8310 に基づき,機械工業の分野で使用する,主として部品図及び組立図の製図につ

いて規定する。

なお,この規格に規定していない事項は,JIS Z 8310 及びそれぞれ別に規定する製図に関する日本工業

規格(例えば,CAD 機械製図については,JIS B 3402)による。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0021

  製品の幾何特性仕様(GPS)−幾何公差表示方式−形状,姿勢,位置及び振れの公差表示

方式

JIS B 0026

  製図−寸法及び公差の表示方式−非剛性部品

JIS B 0028

  製図−寸法及び公差の表示方式−円すい

JIS B 0031

  製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状の図示方法

JIS B 0419

  普通公差−第 2 部:個々に公差の指示がない形体に対する幾何公差

JIS B 0601

  製品の幾何特性仕様(GPS)−表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメ

ータ

JIS B 3401

  CAD 用語

JIS B 3402

  CAD 機械製図

JIS Z 3021

  溶接記号

JIS Z 8114

  製図−製図用語

JIS Z 8310

  製図総則

JIS Z 8311

  製図−製図用紙のサイズ及び図面の様式

JIS Z 8312

  製図−表示の一般原則−線の基本原則

JIS Z 8314

  製図−尺度

JIS Z 8315-3

  製図−投影法−第 3 部:軸測投影

JIS Z 8315-4

  製図−投影法−第 4 部:透視投影

JIS Z 8318

  製図−長さ寸法及び角度寸法の許容限界記入方法

JIS Z 8321

  製図−表示の一般原則−CAD に用いる線


2

B 0001

:2010

  

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8114 及び JIS B 3401 によるほか,次による。

3.1

最小二乗寸法

形体表面を測定して得た多くの測定点(データセットという。

)を最小二乗法で演算処理して得る寸法。

注記  最小二乗法については,JIS B 0672-1 を参照。

3.2

粗材寸法

鋳放し寸法,熱間圧延鋼板の板厚,磨き丸棒の直径など,対象物の最初の幾何形状を示す寸法。

3.3

工具サイズ

ドリル径,リーマ径,フライスカッタ径,カッタ幅など,部品を加工するときの工具のサイズを示す寸

法(

図 参照)。

図 1−工具サイズの指示例

3.4

角度サイズ

形体の実体の,二つの平面又は直線のなす角度寸法。

注記  斜めに交差するような穴の軸線同士の角度は含まない。

3.5

コントロール半径,CR

直線部と半径曲線部との接続部が滑らかにつながり,最大許容半径と最小許容半径との間(二つの曲面

に接する公差域)に半径が存在するように規制する半径(

図 参照)。

注記 CR は,control radius の略号である。


3

B 0001

:2010

図 2−コントロール半径

4

一般事項

機械製図に関する一般事項は,次による。

a)

図形の大きさと対象物の大きさとの間には,正しい比例関係を保つように描く。ただし,読み誤るお

それがないと考えられる図面には,図の一部又は全部について,この比例関係は保たなくてもよい。

注記  11.13 を参照。

b)

線の太さ方向の中心は,線の理論上描くべき位置の上になければならない(

図 参照)。

図 3−線の太さ方向の中心位置

c)

互いに接近して描く線間の最小すき(隙)間は,平行線の場合には,最も太い線の太さの 2 倍以上と

し,線と線とのすき間は 0.7 mm 以上とすることが望ましい。また,交差する線が密集する場合には,

その線間の最小すき間を最も太い線の太さの 3 倍以上とする[

図 4 a)  参照]。

d)

多数の線が一点に集中する場合には,紛らわしくない限り,線間の最小すき間が最も太い線の太さの

約 2 倍になる位置で線を止め,点の周囲をあけるのがよい[

図 4 b)  参照]。

a)

b) 

図 4−線間の最小すき間


4

B 0001

:2010

  

e)

透明な材料で作られる対象物又は部分は,すべて不透明なものと仮定して投影図を描く。

f)

大きさを表す寸法は,特に指示

1)

  がない限り,その対象物の測定を二点測定によって行うものとして

指示する。この場合,寸法公差は特に指示がない限り,その形状を規制しない。

なお,寸法が最小二乗寸法

2)

  である場合には,JIS B 0672-1 を適用することを表題欄又はその付近

に示す。

1)

  包絡の条件(JIS B 0024 参照)の適用を指示した場合など。

2)

  円形形体の場合,最小二乗寸法は図 に示す最小二乗円の直径である。

図 5−最小二乗円

g)

寸法には,特別なもの(参考寸法,理論的に正確な寸法など。

)を除いて,直接又は一括して寸法の許

容限界を指示する。

h)

機能上の要求,互換性,製作技術水準などに基づいて,不可欠の場合にだけ JIS B 0021 又は JIS B 0419

によって幾何公差を指示する。

i)

表面性状に関する指示を必要とする場合には,JIS B 0601 の定義に基づいて,JIS B 0031 による。

j)

溶接に関する要求事項を,溶接記号を用いて指示する場合には,JIS Z 3021 による。

k)

ねじ,ばねなど特殊な部分の図示方法は,別に定める日本工業規格による。

l)

製図に用いる記号として日本工業規格に規定した記号をその規定に従って用いる場合には,一般的に

は,特別な注記を必要としない。また,特に製図に用いるものとして規定しないで,日本工業規格に

規定した記号又は公知の規格に規定する記号を用いる場合には,その規格番号を図面の適切な箇所に

注記する。

なお,これらによらない記号を用いる場合には,その記号の意味を図面の適切な箇所に注記する。


5

B 0001

:2010

5

図面の大きさ及び様式

5.1

図面の大きさ

図面の大きさは,次による。

a)

図面に用いる用紙のサイズは,

表 1,表 及び表 に示すシリーズから,この順に選ぶ。

b)

原図には,対象物の必要とする明りょうさ及び適切な大きさを保つことができる最小の用紙を用いる。

表 1列サイズ(第 優先)

単位  mm

呼び方

寸法  a×b

A0

841× 1  189

A1

594× 841

A2

420× 594

A3

297× 420

A4

210× 297

表 2−特別延長サイズ(第 優先)

単位  mm

呼び方

寸法  a×b

A3×3

420× 891

A3×4

420× 1  189

A4×3

297× 630

A4×4

297× 841

A4×5

297× 1  051

表 3−特別延長サイズ(第 優先)

単位  mm

呼び方

寸法  a×b

A0×2

a)

   1

189×1 682

A0×3   1

189×2 523

b)

A1×3   841×1 783 
A1×4   841×2 378

b)

A2×3   594×1 261 
A2×4   594×1 682 
A2×5   594×2 102 
A3×5   420×1 486 
A3×6   420×1 783 
A3×7   420×2 080 
A4×6   297×1 261 
A4×7   297×1 471 
A4×8   297×1 682 
A4×9   297×1 892

a)

  このサイズは,A 列 2A0 に等しい。

b)

  このサイズは,取扱上の理由で使用を

推奨できない。


6

B 0001

:2010

  

5.2

図面の様式

図面の様式は,次による。

a)

図面は,長辺を横方向に用いるが,A4 については縦方向になるように用いてもよい。

b)

図面には,

表 の寸法によって,線の太さが最小 0.5 mm の輪郭線を設ける。

表 4−(図面の)輪郭の幅

A0

A4

A4 

単位  mm

d

a)

(最小)

用紙サイズ

c

(最小)

とじない場合

とじる場合

A0 
A1

20 20

A2 
A3 
A4

10 10

20

a)

  の部分は,図面をとじるために折りたたんだとき,表題欄の

左側になるように設ける。

なお,A4 サイズの図面用紙を横置きに使用する場合には,d

の部分は上側になる。

c)

図面には,その右下隅に表題欄を設け,図面番号,図名,企業(団体)名,責任者の署名,図面作成

年月日,尺度,投影法などを記入する。

d)

図面に設ける中心マーク,比較目盛,格子参照方式及び裁断マークは,JIS Z 8311 による。

e)

複写した図面を折りたたむ場合には,その大きさを,210 mm×297 mm(A4 サイズ)とするのがよい。

注記 1  原図を巻いて保管する場合には,その内径は 40 mm 以上にするのがよい。

注記 2  図面を折りたたむ場合の折り方は,JIS Z 8311 の附属書(参考)によるのがよい。

6

6.1

線の太さ

線の太さの基準は,0.13 mm,0.18 mm,0.25 mm,0.35 mm,0.5 mm,0.7 mm,1 mm,1.4 mm 及び 2 mm

とする。


7

B 0001

:2010

6.2

線の種類及び用途

線は,線の用途によって,

表 のように用いる。ただし,細線,太線及び極太線の線の太さの比率は,1:

2:4 とする。その他の線の種類は,JIS Z 8312 又は JIS Z 8321 によるのがよい。

なお,

表 によらない線を用いた場合には,その線の用途を図面中に注記する。

表 5−線の種類及び用途

用途による

名称

線の種類

c)

線の用途

図 

照合番号

外形線

太い実線

対象物の見える部分の形状を表すのに用いる。 1.1

寸法線

寸法記入に用いる。 2.1

寸法補助線

寸法を記入するために図形から引き出すのに用
いる。

2.2

引出線(参照
線を含む)

記述・記号などを示すために引き出すのに用い
る。

2.3

回転断面線

図形内にその部分の切り口を 90°回転して表す
のに用いる。

2.4

中心線

図形に中心線(4.1)を簡略化して表すのに用いる。

 2.5

水準面線

a)

細い実線

水面,液面などの位置を表すのに用いる。 2.6

かくれ線

細 い 破 線 又 は
太い破線

対象物の見えない部分の形状を表すのに用いる。 3.1

ミシン目線

跳び破線

布,皮,シート材の縫い目を表すのに用いる。 3.2

連結線

点線

制御機器の内部リンク,開閉機器の連動動作など
を表すのに用いる。

3.3

中心線

a)

図形の中心を表すのに用いる。

b)

中心が移動する中心軌跡を表すのに用いる。

4.1 
4.2

基準線

特に位置決定のよりどころであることを明示す
るのに用いる。

4.3

ピッチ線

細い一点鎖線

繰返し図形のピッチをとる基準を表すのに用い

る。

4.4

特殊指定線

太い一点鎖線

特殊な加工を施す部分など特別な要求事項を適

用すべき範囲を表すのに用いる。

5.1

a)

隣接部分を参考に表すのに用いる。 6.1

b)

工具,ジグなどの位置を参考に示すのに用い
る。

6.2

c)

可動部分を,移動中の特定の位置又は移動の

限界の位置で表すのに用いる。

6.3

d)

加工前又は加工後の形状を表すのに用いる。 6.4

e)

繰返しを示すのに用いる。 6.5

想像線

b)

f)

図示された断面の手前にある部分を表すの
に用いる。

6.6

重心線

断面の重心を連ねた線を表すのに用いる。 6.7

光軸線

細い二点鎖線

レンズを通過する光軸を示す線を表すのに用い
る。

6.8


8

B 0001

:2010

  

表 5−線の種類及び用途(続き)

用途による

名称

線の種類

c)

線の用途

図 

照合番号

一点短鎖線

二点短鎖線

三点短鎖線

水,油,蒸気,上・下水道などの配管経路を表す
のに用いる。

6.9

一点長鎖線

二点長鎖線

三点長鎖線

一点二短鎖線

水,油,蒸気,電源部,増幅部などを区別するの
に,線で囲い込んで,ある機能を示すのに用いる。

6.10

二点二短鎖線

パ イ プ ラ イ
ン,配線, 
囲い込み線

三点二短鎖線

水,油,蒸気などの配管経路を表すのに用いる。 6.11

破断線

不 規 則 な 波 形
の 細 い 実 線 又

はジグザグ線

対象物の一部を破った境界,又は一部を取り去っ
た境界を表すのに用いる。

7.1

切断線

細 い 一 点 鎖 線

で,端部及び方
向 の 変 わ る 部
分 を 太 く し た

d)

断面図を描く場合,その断面位置を対応する図に

表すのに用いる。

8.1

ハッチング

細い実線で,規

則 的 に 並 べ た
もの

図形の限定された特定の部分を他の部分と区別

するのに用いる。例えば,断面図の切り口を示す。

9.1

細い実線

a)

外形線及びかくれ線の延長を表すのに用い
る。

b)

平面であることを X 字状の 2 本の線で示すの

に用いる。

c)

位置を明示又は説明するのに用いる。

10.1

10.2

10.3

特殊な用途の

極太の実線

圧延鋼板,ガラスなど薄肉部の単線図示をするの
に用いる。

11.1

a)

  JIS Z 8316 には,規定されていない。

b)

  想像線は,投影法上では図形に現れないが,便宜上必要な形状を示すのに用いる。また,機能上・加工上の

理解を助けるために,図形を補助的に示すためにも用いる(例えば,継電器による断続関係付け。

c)

  その他の線の種類は,JIS Z 8312 又は JIS Z 8321 によるのがよい。

d)

  他の用途と混用のおそれがない場合には,端部及び方向の変わる部分を太い線にする必要はない。


9

B 0001

:2010

図例 1

図例 2

図例 3

図例 4

図 6−線の用法の図例


10

B 0001

:2010

  

図例 5

図例 6

図例 7

図例 8

図 6−線の用法の図例(続き)


11

B 0001

:2010

図例 9

図例 10

図例 11

図例 12

図 6−線の用法の図例(続き)


12

B 0001

:2010

  

図例 13

図例 14

図例 15

a)

b) 

図例 16

図 6−線の用法の図例(続き)


13

B 0001

:2010

6.3

線の優先順位

図面で 2 種類以上の線が同じ場所に重なる場合には,次に示す順位に従って,優先する種類の線で描く

図 参照)。

a)

外形線

b)

かくれ線

c)

切断線

d)

中心線

e)

重心線(

図 の図例 参照)

f)

寸法補助線(

図 93 参照)

図 7−線の優先順位

7

文字及び文章

7.1

文字の種類及び高さ

7.1.1

文字の種類

文字の種類は,次による。

a)

用いる漢字は,常用漢字表(昭和 56 年 10 月 1 日内閣告示第 1 号)によるのがよい。ただし,16 画以

上の漢字はできる限り仮名書きとする。

b)

仮名は,平仮名又は片仮名のいずれかを用い,一連の図面においては混用しない。ただし,外来語,

動物・植物の学術名及び注意を促す表記に片仮名を用いることは混用とはみなさない。

例  外来語表記:ボタン,ポンプ

注意を促す表記:塗装のダレ,コトコト音

c)

ラテン文字,数字及び記号の書体は,A 形書体又は B 形書体のいずれかの直立体又は斜体を用い,混

用はしない(JIS Z 8313-0 参照)

。ただし,量記号は斜体,単位記号は直立体とする。

7.1.2

文字高さ

文字高さは,次による。

a)

文字高さは,一般に文字の外側輪郭が収まる基準枠の高さ の呼びによって表す。

注記  漢字,平仮名及び片仮名の文字高さは,JIS Z 8313-10 に規定する基準枠の高さ で表す。

また,ラテン文字,数字及び記号の文字高さは,JIS Z 8313-1 に規定する基準枠の高さ 


14

B 0001

:2010

  

表す。

b)

漢字の文字高さは,呼び 3.5

3)

 mm,5 mm,7 mm 及び 10 mm の 4 種類とする。また,仮名の文字高さ

は,呼び 2.5

3)

 mm,3.5 mm,5 mm,7 mm 及び 10 mm の 5 種類とする。ただし,特に必要がある場合

には,この限りでない。

なお,既に文字高さが決まっている活字を用いる場合には,これに近い文字高さで選ぶことが望ま

しい。

3)

  ある種の複写方式では,この大きさは適さない。特に,鉛筆書きの場合には注意する。

c)

他の漢字及び仮名に小さく添える“ゃ”

“ゅ”及び“ょ”

[よう(拗)音]

,つまる音を表す“っ”

(促

音)など小書きにする仮名の文字高さは,この比率において 0.7 とする。

d)

ラテン文字,数字及び記号の文字高さは,呼び 2.5

3)

 mm,3.5 mm,5 mm,7 mm 及び 10 mm の 5 種類

とする。ただし,特に必要がある場合には,この限りではない。

e)

文字間のすき間(a)は,文字の線の太さ(d)の 2 倍以上とする。

ベースラインの最小ピッチ は,用いる文字の最大の呼びの 14/10 とする(

図 参照)。

f)

漢字の例を

図 に,仮名の例を図 10 に,ラテン文字及び数字の例を図 11 に示す。

注記  この図は,書体及び字形を表す例ではない。

図 8−文字間のすき間及びベースラインの最小ピッチ

注記  この図は,書体及び字形を表す例ではない。

図 9−漢字の例


15

B 0001

:2010

注記  この図は,書体及び字形を表す例ではない。

図 10−仮名の例

注記  この図は,書体及び字形を表す例ではない。

図 11−数字及びラテン文字の例


16

B 0001

:2010

  

7.2

文章表現

文章表現は,次による。

a)

文章は,口語体で左横書きとする。

なお,必要に応じて,分かち書きとする。

b)

図面注記は,簡潔明りょうに書く。

例  図面注記  1  測定の標準温度は,JIS B 0680 による。

2

  A 面は,す(摺)り合せとする。

8

投影法

8.1

一般事項

投影図は,第三角法による。ただし,紙面の都合などで,投影図を第三角法による正しい配置に描けな

い場合,又は図の一部を第三角法による位置に描くと,かえって図形が理解しにくくなる場合には,第一

角法又は相互の関係を 8.5 に示す矢示法(

“やしほう”と読む。

)を用いてもよい(JIS Z 8316 参照)

8.2

投影図の名称

図 12 に示す対象物の投影図の名称は,次による。

 a

方向の投影=正面図

 b

方向の投影=平面図

 c

方向の投影=左側面図

 d

方向の投影=右側面図

 e

方向の投影=下面図

 f

方向の投影=背面図

図 12−投影図の名称

正面図(主投影図)が選ばれる(10.1.1 参照)と,関連する他の投影図は,正面図及びそれらのなす角

度が 90°又は 90°の倍数になる(

図 12 参照)。

8.3

第三角法

第三角法は,正面図(a)を基準とし,他の投影図は次のように配置する(

図 13 参照)。その場合には,

図 14 に示す投影法の記号を表題欄の中又はその付近に示す。

平面図(b)は,上側に置く。

下面図(e)は,下側に置く。

左側面図(c)は,左側に置く。

右側面図(d)は,右側に置く。

背面図(f)は,都合によって左側又は右側に置くことができる。


17

B 0001

:2010

図 13−第三角法投影図 

図 14−第三角法の記号 

8.4

第一角法

第一角法は,正面図(a)を基準とし,他の投影図は次のように配置する(

図 15 参照)。その場合には,

図 16 に示す投影法の記号を表題欄又はその近くに示す。

平面図(b)は,下側に置く。

下面図(e)は,上側に置く。

左側面図(c)は,右側に置く。

右側面図(d)は,左側に置く。

背面図(f)は,都合によって左側又は右側に置くことができる。

図 15−第一角法投影図 

図 16−第一角法の記号 

8.5

矢示法

第一角法及び第三角法の厳密な形式に従わない投影図によって示す場合には,矢印を用いて様々な方向

から見た投影図を任意の位置に配置することができる。

主投影図以外の各投影図は,

その投影方向を示す矢印及び識別のために大文字のラテン文字で指示する。


18

B 0001

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その文字は,投影の向きに関係なくすべて上向きに明りょうに書く。

指示された投影図は,主投影図に対応しない位置に配置してもよい。投影図を識別するラテン文字の大

文字は,関連する投影図の真下か真上のどちらかに置く。一枚の図面の中では,参照は同じ方法で配置す

る。その他の指示は必要ない(

図 17 及び図 18 参照)。

図 17−矢示法投影図の例


19

B 0001

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注記  図 18 a)  は,投影法を示すための図であり,製図では部分的に省略されることもある(10.3 参照)。

図 18−矢示法の例

8.6

その他の投影法

対象物の形状を理解しやすくする目的などから,立体図を描く必要がある場合には,等角投影,斜投影,

透視投影などを用いて描く。等角投影,斜投影による製図は JIS Z 8315-3,透視投影による製図は JIS Z 

8315-4

による。

9

尺度

尺度は,JIS Z 8314 に基づいて,次による。

a)

尺度は,A:B で表す。

ここに,

A:描いた図形での対応する長さ

B:対象物の実際の長さ

なお,現尺の場合には A:B をともに 1,倍尺の場合には B を 1,縮尺の場合には A を 1 として示

す。

例 1  現尺の場合 1:1

例 2  倍尺の場合 5:1


20

B 0001

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例 3  縮尺の場合 1:2

b)

尺度の値は,

表 による。

c) 1

枚の図面に幾つかの尺度を用いる場合には,主となる尺度だけを表題欄に示す。その他のすべての

尺度は,関係する部品の照合番号(例えば,①)又は詳細を示した図(又は断面図)の照合文字(例

えば,A 部)の付近に示す。

図形が寸法に比例しない場合には,その旨を適切な箇所に明記する。

なお,これらの尺度の表示は,見誤るおそれがない場合には,記入しなくてもよい。

d)

小さい対象物を大きい尺度で描いた場合には,参考として,現尺の図を書き加えるのがよい。この場

合には,現尺の図は簡略化して対象物の輪郭だけを示したものでよい。

表 6−推奨する尺度

種別

推奨する尺度

現尺

1:1

倍尺 50:1 20:1 10:1

5:1 2:1

縮尺

1:2 1:5 1:10 
1:20 1:50 1:100 
1:200 1:500 1:1000 
1:2000 1:5000 1:10000

10

図形の表し方

10.1

投影図の表し方

10.1.1

一般事項

一般事項は,次による。

a)

対象物の情報を最も明りょうに示す投影図を,主投影図又は正面図とする。

b)

他の投影図(断面図を含む。

)が必要な場合には,あいまいさがないように,完全に対象物を規定する

のに必要,かつ,十分な投影図及び断面図の数とする。

c)

可能な限り隠れた外形線及びエッジを表現する必要のない投影図を選ぶ。

d)

不必要な細部の繰返しを避ける。

10.1.2

主投影図

主投影図は,次による。

a)

主投影図には,対象物の形状・機能を最も明りょうに表す面を描く。

なお,対象物を図示する状態は,図面の目的に応じて,次のいずれかによる。

1)

組立図など,主として機能を表す図面では,対象物を使用する状態。

2)

部品図など,加工のための図面では,加工に当たって図面を最も多く利用する工程で,対象物を置

く状態(

図 19 及び図 20 参照)。


21

B 0001

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図 19−旋削加工の場合の例

図 20−フライス加工の場合の例

3)

特別の理由がない場合には,対象物を横長に置いた状態。

b)

主投影図を補足する他の投影図は,できるだけ少なくし,主投影図だけで表せるものに対しては,他

の投影図は描かない(

図 21 参照)。

図 21−少ない投影図の例

c)

互いに関連する図の配置は,なるべくかくれ線を用いなくてもよいように示す(

図 22 参照)。ただし,

比較対照することが不便になる場合には,この限りではない(

図 23 参照)。

図 22−かくれ線を用いない工夫の例

図 23−比較対照する穴の例

10.1.3

部分投影図

図の一部を示せば足りる場合には,その必要な部分だけを部分投影図として表す。この場合には,省い

た部分との境界を破断線で示す(

図 24 参照)。ただし,明確な場合には破断線を省略してもよい。


22

B 0001

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図 24−部分投影図の例

10.1.4

局部投影図

対象物の穴,溝など一局部だけの形を図示すれば足りる場合には,その必要部分を局部投影図として表

す。投影関係を示すためには,主となる図に中心線,基準線,寸法補助線などで結ぶ(

図 25 及び図 26 

照)

図 25−局部投影図の例 1

図 26−局部投影図の例 2


23

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10.1.5

部分拡大図

特定部分の図形が小さいために,その部分の詳細な図示,寸法などの記入ができないときは,該当部分

を別の箇所に拡大して描き,表示の部分を細い実線で囲み,かつ,ラテン文字の大文字で表示するととも

に,その文字及び尺度を付記する(

図 27 参照)。ただし,拡大した図の尺度を示す必要がない場合には,

尺度の代わりに“拡大図”と付記してもよい。

図 27−部分拡大図の例

10.1.6

回転投影

投影面に,ある角度をもっているために,その実形が表れないときには,その部分を回転して,その実

形を図示することができる[

図 28 a)  及び b)  参照]。

なお,見誤るおそれがある場合には,作図に用いた線を残す[

図 28 c)  参照]。

a)

  アームの回転図示の例 

b)

  作図に使用した線を残さない例

c)

  作図に使用した線を残した例 

図 28−回転投影図の例


24

B 0001

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10.1.7

補助投影図

斜面部がある対象物で,その斜面の実形を表す必要がある場合には,次によって補助投影図で表す。

a)

対象物の斜面の実形を図示する必要がある場合には,その斜面に対向する位置に補助投影図として表

す(

図 29 参照)。この場合,必要な部分だけを部分投影図(10.1.3 参照)又は局部投影図(10.1.4 参照)

で描いてもよい。

図 29−補助投影図の例

b)

紙面の関係などで,補助投影図を斜面に対向する位置(

図 29 参照)に配置できない場合には,矢示法

を用いて示し,その旨を矢印及びラテン文字の大文字で示す[

図 30 a)  参照]。ただし,図 30 b)  に示

すように,折り曲げた中心線で結び,投影関係を示してもよい。

図 30−補助投影法を用いた例

補助投影図(必要部分の投影図も含む。

)の配置関係が分かりにくい場合には,表示の文字のそれぞれに

相手位置の図面の区域の区分記号を付記する(

図 31 参照)。


25

B 0001

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注記  格子参照方式(JIS Z 8311 参照)によって,参照文字を組み合わせた区分記号(例 E−7)は,補助投影の描か

れている図面の区域を示し,区分記号(

例 B−2)は,矢印の描かれている図面の区域を示す。

図 31−区分記号を付記する例

10.2

断面図

10.2.1

一般事項

一般事項は,次による。

a)

隠れた部分を分かりやすく示すために,断面図として図示することができる。断面図の図形は,切断

面を用いて対象物を仮に切断し,切断面の手前の部分を取り除き,10.1 に従って描く。

b)

切断したために理解を妨げるもの(

例 参照)又は切断しても意味がないもの(例 参照)は,長手

方向に切断しない(

図 32 参照)。

例 1  リブ(例えば,歯車の),アーム,歯車の歯

例 2  軸,ピン,ボルト,ナット,座金,小ねじ,リベット,キー,鋼球,円筒ころ

図 32−切断しない例


26

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c)

切断面の位置を指示する必要がある場合には,両端及び切断方向の変わる部分を太くした細い一点鎖

線を用いて指示する。投影方向を示す必要がある場合には,細い一点鎖線の両端に投影方向を示す矢

印を描く。また,切断面を識別する必要がある場合には,矢印によって投影方向を示し,ラテン文字

の大文字などの記号によって指示し,参照する断面の識別記号は矢印の端に記入する(

図 33 参照)。

断面の識別記号(例えば,A−A)は,断面図の直上又は直下に示す(

図 33 参照)。

d)

断面の切り口を示すために,ハッチングを施す場合には,切り口は次による。

1)

ハッチングは,細い実線で,主たる中心線に対して 45°に施すのがよい。

2)

断面図に材料などを表示するため,特殊なハッチングを施してもよい。その場合には,その意味を

図面中にはっきりと指示するか,該当規格を引用して示す。

3)

同じ切断面上に現れる同一部品の切り口には,同一のハッチングを施す(

図 35 及び図 37 参照)。た

だし,階段状の切断面の各段に現れる部分を区別する必要がある場合には,ハッチングをずらすこ

とができる(

図 33 参照)。

図 33−断面の指示及びハッチングをずらした例

4)

隣接する切り口のハッチングは,線の向き若しくは角度を変えるか,又はその間隔を変えて区別す

る(

図 34 及び図 35 参照)。

5)

ハッチングを施すべき部分に文字,記号などを記入する必要がある場合には,ハッチングを中断す

る(

図 34 参照)。

6)

切り口の面積が広い場合には,その外形線に沿って,適切な範囲にハッチングを施す(

図 35 参照)。


27

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図 34−線の向き及び中断したハッチングの例 

図 35−外形線に沿った線の向き及び間隔を変えた

ハッチングの例 

10.2.2

全断面図

全断面図の表し方は,次による。

a)

通常,対象物の基本的な形状を最もよく表すように切断面を決めて描く(

図 36 及び図 37 参照)。この

場合には,切断線は記入しない。

図 36−全断面図の例 1

図 37−全断面図の例 2

b)

必要がある場合には,特定部分の形をよく表すように切断面を決めて描く。この場合,切断線によっ

て切断位置を示す(

図 38 参照)。

図 38−切断位置を示す例


28

B 0001

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10.2.3

片側断面図

対称形の対象物は,外形図の半分と全断面図の半分とを組み合わせて表すことができる(

図 39 参照)。

図 39−片側断面図の例

10.2.4

部分断面図

外形図において,必要とする要所の一部だけを部分断面図として表すことができる。この場合,破断線

によってその境界を示す(

図 40 参照)。

図 40−部分断面図の例

10.2.5

回転図示断面図

ハンドル,車輪などのアーム及びリム,リブ,フック,軸,構造物の部材などの切り口は,次のように

90°回転して表してもよい。

a)

断面箇所の前後を破断して,その間に描く(

図 41 参照)。

b)

切断線の延長線上に描く(

図 42,図 52 及び図 54 参照)。


29

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図 41−破断して断面を回転図示する例

図 42−切断線の延長線上に描く断面の例

c)

図形内の切断箇所に重ねて,細い実線を用いて描く(

図 43 及び図 44 参照)。

図 43−切断箇所に断面を描く例 1

図 44−切断箇所に断面を描く例 2

10.2.6

組合せによる断面図

二つ以上の切断面による断面図を組み合わせて行う断面図示は,次による。

なお,この場合,必要に応じて断面を見る方向を示す矢印及びラテン文字の大文字の文字記号を付ける

図 45 参照)。

a)

対称形又はこれに近い形の対称物の場合には,対称の中心線を境にして,その片側を投影面に平行に

切断し,他の側を投影面とある角度をもって切断することができる。この場合,後者の切断面は,そ

の角度だけ投影面のほうに回転移動して図示する(

図 45 及び図 46 参照)。


30

B 0001

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図 45−組合せによる断面図の例

図 46−回転移動した断面図示例

b)

断面図は,平行な二つ以上の平面で切断した断面図の必要部分だけを合成して示すことができる。こ

の場合,切断線によって切断して位置を示し,組合せによる断面図であることを示すために,二つの

切断線を任意の位置でつなぐ(

図 47 参照)。

図 47−組合せによる断面図の例

c)

曲管などの断面を表す場合には,その曲管の中心線に沿って切断し,そのまま投影することができる

図 48 参照)。


31

B 0001

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図 48−曲管の断面図の例

d)

断面図は,必要に応じて,a)∼c)  の方法を組み合わせて表してもよい(

図 49 及び図 50 参照)。

図 49−断面を組み合わせて表した例 1


32

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図 50−断面を組み合わせて表した例 2

10.2.7

多数の断面図による図示

多数の断面図による図示は,次による。

a)

複雑な形状の対象物を表す場合には,必要に応じて多数の断面図を描いてもよい(

図 51 及び図 52 

照)

図 51−多数の断面による例

b)

一連の断面図は,寸法の記入及び断面の理解に便利なように,投影の向きを合わせて描くのがよい。

この場合には,切断線の延長線上(

図 52 参照)又は主中心線上(図 53 参照)に配置するのがよい。


33

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図 52−切断線の延長線上に断面図を置く例

図 53−主中心線上に断面図を置く例

c)

対象物の形状が徐々に変化する場合,多数の断面によって表すことができる(

図 54 参照)。

図 54−徐々に変化する多数の断面の例


34

B 0001

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10.2.8

薄肉部の断面図

ガスケット,薄板,形鋼などで,切り口が薄い場合には,次によって表すことができる。

a)

断面の切り口を黒く塗りつぶす[

図 55 a)  及び図 55 b)  参照]。

b)

実際の寸法にかかわらず,1 本の極太の実線で表す[

図 55 c)  及び図 55 d)  参照]。

なお,いずれの場合にも,これらの切り口が隣接している場合には,それを表す図形の間(他の部

分を表す図形との間も含む。

)に,わずかなすき間をあける。ただし,このすき間は,0.7 mm 以上と

する。

図 55−薄肉部の断面図の例

10.3

図形の省略

10.3.1

一般事項

図示を必要とする部分を分かりやすくするために,次のように示すのがよい。

a)

かくれ線は,理解を妨げない場合には,これを省略する(

図 56 の B 参照)。

図 56−かくれ線の省略例


35

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b)

補足の投影図に見える部分を全部描く[

図 57 a)  参照]と,図がかえって分かりにくくなる場合には,

部分投影図[

図 57 b)  及び図 58 参照]又は補助投影図(図 59 参照)として表す。

図 57−部分投影図の例 1

図 58−部分投影図の例 2

図 59−補助投影図の例

c)

切断面の先方に見える線[

図 60 a)  参照]は,理解を妨げない場合には,これを省略するのがよい[図

60 b)

参照]

図 60−切断面の先方に見える線の省略例


36

B 0001

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d)

一部に特定の形をもつものは,なるべくその部分が図の上側に現れるように描くのがよい。例えば,

キー溝をもつボス穴,壁に穴若しくは溝をもつ管又はシリンダ,切割りをもつリングなどを図示する

場合には,

図 61 の例によるのがよい。

図 61−特定の形を上側に現れるように描く例

e)

ピッチ円

4)

  上に配置する穴などは,側面の投影図(断面図も含む。)においては,ピッチ円が作る円

筒を表す細い一点鎖線と,その片側だけに 1 個の穴を図示(投影関係にかかわりなく)し,他の穴の

図示を省略することができる(

図 58 及び図 62 参照)。この場合には,穴の配置はこれを表す図に示す

などの方法で明らかになっていなければならない。

4)

  フランジ関係の日本工業規格では,ピッチ円を“ボルト穴中心円”と表現している。

図 62−側面図に現れる穴の簡略化の例

10.3.2

対称図形の省略

図形が対称形式の場合には,次のいずれかの方法によって対称中心線の片側を省略してもよい。

a)

対称中心線の片側の図形だけを描き,その対称中心線の両端部に短い 2 本の平行細線(対称図示記号

という。

)を付ける(

図 63,図 64 及び図 65 参照)。


37

B 0001

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  図 63−対称図示記号の指示例 1

図 64−対称図示記号の指示例 2

図 65−対称図示記号の指示例 3

b)

対称中心軸の片側の図形を,対称中心線を少し越えた部分まで描く。この場合には,対称図示記号を

省略する(

図 66 及び図 67 参照)。

図 66−対称図示記号を用いない例 1

図 67−対称図示記号を用いない例 2

10.3.3

繰返し図形の省略

同種同形のものが多数並ぶ場合には,次によって図形を省略することができる。

a)

実形の代わりに図記号をピッチ線と中心線との交点に記入する(

図 68 参照)。ただし,図記号を用い

て省略する場合には,その意味を分かりやすい位置に記述するか(

図 68 参照),引出線を用いて記述

する[

図 69 b)  参照]。


38

B 0001

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図 68−図記号を用いた図形の省略例


39

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b)

読み誤るおそれがない場合には,両端部(一端は 1 ピッチ分)若しくは要点だけを実形又は図記号に

よって示し,他はピッチ線と中心線との交点で示す(

図 69 参照)。ただし,寸法記入によって交点の

位置が明らかな場合には,ピッチ線に交わる中心線を省略してもよい(

図 70 参照)。

なお,この場合には,繰返し部分の数を寸法とともに,又は注記によって指示しなければならない。

図 69−中心線を用いた繰返し図形の省略例

図 70−寸法記入によって交点の位置が明らかな繰返し図形の省略例

10.3.4

中間部分の省略

同一断面形の部分(

例 参照),同じ形が規則正しく並んでいる部分(例 参照),又は長いテーパなど

の部分(

例 参照)は,紙面を有効に使用するために中間部分を切り取って,その肝要な部分だけを近づ

けて図示することができる。

例 1  軸,棒,管,形鋼

例 2  ラック,工作機械の送りねじ,橋の欄干,はしご

例 3  テーパ軸

この場合,切り取った端部は破断線で示す(

図 71,図 72 及び図 73 参照)。

なお,要点だけを図示する場合,紛らわしくなければ,破断線を省略してもよい(

図 72 の右側部分を参

照)

。また,長いテーパ部分又はこう配部分を切り取った図示では,傾斜が緩いものは,実際の角度で示さ

なくてもよい[

図 73 b)  参照]。


40

B 0001

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図 71−中間部分の省略例 1

図 72−中間部分の省略例 2

図 73−テーパ軸の中間部分の省略例

10.4

特殊な図示方法

10.4.1

二つの面の交わり部

二つの面が交わる部分(相貫部分)を表す線は,次による。

a)

交わり部に丸みがある場合に,対応する図にこの丸みの部分を表す必要がある場合には,

図 74 のよう

に交わり部に丸みがない場合の交線の位置に太い実線で表す。


41

B 0001

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図 74−交わり部の例

b)

曲面相互又は曲面と平面とが交わる部分の線(相貫線)は,直線で表すか[

図 75 の a),b),c),d),

e)

及び f)  参照]

,正しい投影に近似させた円弧で表す[

図 75 の g),h)  及び i)  参照]。


42

B 0001

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図 75−交わり部の簡略図示例

c)

リブなどを表す線の端末は,直線のまま止める[

図 76 a)  参照]。

なお,関連する丸みの半径が著しく異なる場合には,端末を内側又は外側に曲げて止めてもよい[

76 b)

及び

図 76 c)  参照]。

図 76−リブの交わり部の簡略図示例


43

B 0001

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図 76−リブの交わり部の簡略図示例(続き)

10.4.2

平面部分

図形内の特定の部分が平面であることを示す必要がある場合には,細い実線で対角線を記入する(

図 77

参照)

図 77−平面部分の表し方の例

10.4.3

展開図示

板を曲げて作る対象物又は面で構成される対象物の展開した形状を示す必要がある場合には,展開図で

示す。この場合,展開図の上側又は下側のいずれかに統一して,

“展開図”と記入するのがよい(

図 78 

照)

図 78−展開図の図示例


44

B 0001

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10.4.4

加工・処理範囲の限定

対象物の面の一部分に特殊な加工を施す場合には,その範囲を,外形線に平行にわずかに離して引いた

太い一点鎖線によって示すことができる[

図 79 a)  及び図 188 参照]。また,図形中の特定の範囲又は領域

を指示する必要がある場合には,その範囲を太い一点鎖線で囲む[

図 79 b)  参照]。

なお,これらの場合,特殊な加工に関する必要事項を指示する。

図 79−限定範囲の指示例

10.4.5

加工部の表示

加工部の表示は,次による。

a)

溶接部品の溶接部分を参考に表す必要がある場合には,次の例による。

1)

溶接部材の重なりの関係を示す場合には,

図 80 の例による。

2)

溶接構成部材の重なりの関係並びに溶接の種類及び大きさを表す場合には,

図 81 a)  の溶接記号を

用いた指示に対して,組立図のように溶接寸法を必要としない場合には,

図 81 b)  の例のように溶

接部位を塗りつぶして指示することができる。

図 80−溶接の指示例


45

B 0001

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図 81−溶接の指示例

b)

薄板の強度を増加させる溶接構造の指示例を

図 82 に示す。

図 82−溶接構造の指示例

c)

ローレット加工した部分,金網,しま鋼板などの特徴を外形の一部分にその模様を描いて表示しても

よい。この場合には,次の例によるのがよい(

図 83,図 84 及び図 85 参照)。

図 83−ローレット加工の図示例


46

B 0001

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図 84−金網の図示例

図 85−しま鋼板の図示例

非金属材科を特に示す必要がある場合には,

図 86 の表示方法によるか,又は該当規格の表示方法による。

この場合でも,部品図には材質を別に文字で記入する。外観を示す場合にも,切り口の場合にも,これに

よるのがよい。

材料

表示

ガラス

保温吸音材

木材

コンクリート

液体

図 86−非金属材料の図示例

d)

図に表す対象物の加工前又は加工後の形を図示する必要がある場合には,次による。

1)

加工前の形又は粗材寸法を表す場合には,細い二点鎖線で図示する[

図 の図例 9 a)  参照]。

2)

加工後の形,例えば,組立後の形を表す場合には,細い二点鎖線で図示する[

図 の図例 9 b)  参照]。

e)

加工に用いる工具・ジグなどの形,工具サイズなどを参考として図示する必要がある場合には,細い

二点鎖線で図示する(

図 の図例 参照)。

10.4.6

その他の特殊な図示方法

その他の特殊な図示方法は,次による。

a)

切断面の手前側にある部分を図示する必要がある場合には,それを細い二点鎖線で図示する(

図 

図例 11 参照)。

b)

隣接部分の図示対象物に隣接する部分を参考として図示する必要がある場合には,細い二点鎖線で図

示する。

対象物の図形は,隣接部分に隠されてもかくれ線としてはならない(

図 の図例 参照)。断面図に

おける隣接部分には,ハッチングを施さない。


47

B 0001

:2010

11

寸法記入方法

11.1

一般事項

一般事項は,次による。

a)

対象物の機能,製作,組立などを考えて,図面に必要不可欠な寸法を明りょうに指示する。

b)

対象物の大きさ,姿勢及び位置を最も明確に表すのに必要で十分な寸法を記入する。

c)

寸法は,寸法線,寸法補助線,寸法補助記号などを用いて,寸法数値によって示す。

d)

寸法は,なるべく主投影図に集中して指示する。

e)

図面には,特に明示しない限り,その図面に図示した対象物の仕上がり寸法を示す。

注記  鋳造部品図では,最終機械加工図,鋳放し図,前加工図などがあり,それぞれ最終仕上がり

寸法,鋳放し寸法及び前加工寸法が指示される場合がある。

f)

寸法は,なるべく計算して求める必要がないように記入する。

g)

加工又は組立の際に,基準とする形体がある場合には,その形体を基にして寸法を記入する(

図 87

参照)

図 87−基準からの寸法記入例

h)

寸法は,なるべく工程ごとに配列を分けて記入する(

図 88 参照)。

図 88−工程ごとに寸法を配列する例


48

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i)

関連する寸法は,なるべく 1 か所にまとめて記入する(

図 89 参照)。

図 89−関連する寸法の指示例

j)

寸法は,重複記入を避ける。ただし,一品多葉図で,重複寸法を記入したほうが図の理解を容易にす

る場合には,寸法の重複記入をしてもよい[例えば,重複する幾つかの寸法数値の前に黒丸を付け(

90

参照)

,重複寸法を意味する記号について図面に注記する。

      注記

は重複寸法。

図 90−重複寸法記入の例

k)

円弧の部分の寸法は,円弧が 180°までは半径で表し[

図 91 a)  参照],それを超える場合には直径で

表す[

図 91 b)  参照]。ただし,円弧が 180°以内であっても,機能上又は加工上,特に直径の寸法を

必要とするものに対しては,直径の寸法を記入する(

図 92 参照)。


49

B 0001

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図 91−半径及び直径の例

図 92−直径の例

l)

機能上(互換性を含む。

)必要な寸法には,JIS Z 8318 によって寸法の許容限界を指示する。ただし,

理論的に正しい寸法及び参考寸法を除く。

なお,寸法の許容限界の指示がない場合には,個々に規定する普通寸法公差を適用する。その場合,

適用する規格番号及び等級記号又は数値を表題欄の中又はその付近に一括指示する。

m)

寸法のうち,理論的に正しい寸法については寸法数値を長方形の枠で囲み,参考寸法については寸法

数値に括弧を付ける。

なお,参考寸法は,検証の対象としない。

11.2

寸法補助線

寸法補助線は,次による。

a)

寸法は,通常,寸法補助線を用いて寸法線を記入し(

図 93 参照),この上側に寸法数値を指示する。

ただし,寸法補助線を引き出すと図が紛らわしくなるときは,これによらなくてもよい(

図 94 参照)。

図 93−寸法補助線及び寸法線の例

図 94−寸法補助線を使用しない例

b)

寸法補助線は,指示する寸法の端に当たる図形上の点又は線の中心を通り寸法線に対して直角に引き,

寸法線をわずかに越えるまで延長する(

図 93 参照)。ただし,寸法補助線と図形との間をわずかに離

してもよいが,一葉図又は多葉図で統一する(

図 95 参照)。

図 95−ギャップを設けた寸法補助線の例


50

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c)

寸法を指示する点又は線の位置を明確にするため,特に必要な場合には,寸法線に対して適切な角度

をもつ互いに平行な寸法補助線を引くことができる。この角度は,なるべく 60°がよい(

図 96 参照)。

図 96−寸法の位置を明確にする線の例

d)

互いに傾斜する二つの面の間に丸み又は面取りが施されているとき,二つの面の交わる位置を示すに

は,丸み又は面取りを施す以前の形状を細い実線で表し,その交点から寸法補助線を引き出す[

図 97 

a)

参照]

なお,この場合,交点を明確に示す必要があるときには,それぞれの線を互いに交差させるか,又

は交点に黒丸を付ける[

図 97 の b)  及び c)  参照]。

図 97−丸み又は面取部からの寸法補助線の例

11.3

寸法線

寸法線は,次による。

a)

寸法線は,指示する長さ又は角度を測定する方向に平行に引き(

図 98 参照),線の両端には端末記号

を付ける(

図 99 参照)。

なお,一枚の図面の中では,11.3 g) 3)  の規定による場合を除き,

図 99 の a),b)  及び c)  を混用し

てはならない。

図 98−辺,弦,弧の長さ及び角度寸法の例


51

B 0001

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図 99−端末記号の例

b)

角度寸法を記入する寸法線は,角度を構成する二辺又はその延長線(寸法補助線)の交点を中心とし

て,両辺又はその延長線の間に描いた円弧で表す(

図 100 参照)。

図 100−角度寸法を記入する例

c)

角度サイズを記入する寸法線は,形体の二平面のなす角又は相対向する円すい表面の母線のなす角の

間に描いた円弧で表す(

図 101 参照)。

図 101−角度サイズの寸法線の例

d)

寸法線が隣接して連続する場合には,寸法線は一直線上にそろえて記入するのがよい[

図 102 a)  参

照]

。また,関連する部分の寸法は,一直線上に記入するのがよい[

図 102 b)  参照]。

図 102−寸法線を一直線上にそろえて記入する例


52

B 0001

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e)

段差がある形体間の寸法記入は,次のいずれかによる。

1)

形体間に対して直列寸法を指示する(

図 103 参照)。

図 103−直列寸法の指示例

2)

累進寸法記入方法によって,一方の形体側に起点記号を,他方の形体側に矢印を指示する(

図 104

参照)

図 104−累進寸法の指示例

f)

穴加工のドリル径,リーマ径,平面加工のフライスカッタ径(

図 参照),溝加工のブローチサイズな

どを指示すれば設計要求を満たす場合には,その工具径を指示する。

g)

狭い所での寸法の記入は,部分拡大図を描いて記入するか,又は次のいずれかによる。

1)

引出線を,寸法線から斜め方向に引き出し,寸法数値を記入する。この場合には,引出線の引き出

す側の端には何も付けない(

図 105 参照)。

図 105−引出線を用いた寸法数値の記入例

2)

寸法線を延長して,その上側に記入してもよい(

図 105 及び図 106 参照)。

3)

寸法補助線の間隔が狭くて矢印を記入する余地がない場合には,矢印の代わりに黒丸(

図 106 参照)

又は斜線(

図 105 参照)を用いてもよい。


53

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図 106−寸法線を延長した場合の例

h)

対称の図形で対称中心線の片側だけを表した図では,寸法線はその中心線を越えて適切な長さに延長

する。この場合,延長した寸法線の端には,端末記号を付けない(

図 107 参照)。ただし,誤解のおそ

れがない場合には,寸法線は中心線を越えなくてもよい(

図 108 参照)。

図 107−対称図形の片矢の寸法線の例

図 108−中心線を越えない寸法線の例

i)

対称の図形で多数の径の寸法を記入する場合には,寸法線の長さを更に短くして,

図 109 の例のよう

に数段に分けて記入してもよい。


54

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図 109−短い寸法線の例

11.4

寸法数値

寸法数値は,次によって指示する。

a)

長さの寸法数値は,通常はミリメートルの単位で記入し,単位記号は付けない。

b)

角度寸法の数値は,一般に度の単位で記入し,必要がある場合には,分及び秒を併用してもよい。度,

分,秒を表すには,数字の右肩にそれぞれ単位記号°,′,″を記入する。

例 1 90°,22.5°,6°21′5″(又は 6°21′05″),8°0′12″(又は 8°00′12″),3′21″

角度寸法の数値をラジアンの単位で記入する場合には,その単位記号 rad を記入する。

例 2 0.52

rad,π/3 rad

c)

寸法数値の小数点は,下の点とし,数字の間を適切にあけて,その中間に大きめに書く。また,寸法

数値のけた数が多い場合でもコンマは付けない。

例 123.25  12.00  22320

d)

寸法記入は,特に定める累進寸法記入法(11.5.3 参照)の場合を除き,次による。

1)

寸法数値は,水平方向の寸法線に対しては図面の下辺から,垂直方向の寸法線に対しては図面の右

辺から読めるように指示する。斜め方向の寸法線に対しても,これに準じて書く(

図 110,図 111

及び

図 112 参照)。

2)

寸法数値は,寸法線を中断しないで,これに沿ってその上側にわずかに離して記入する。この場合,

寸法線のほぼ中央に指示するのがよい(

図 110 参照)。


55

B 0001

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図 110−水平方向及び垂直方向の寸法数値の指示例

図 111−長さ寸法の場合の例

図 112−角度寸法の場合の例

3)

寸法数値は,垂直線に対し左上から右下に向かい約 30°以下の角度をなす方向には,寸法線の記入

を避ける[

図 113 a)  参照]。ただし,図形の関係で記入しなければならない場合には,その場所に

応じて,紛らわしくないように記入する[

図 113 b)  及び図 113 c)  参照]。

図 113−約 30°以下の角度をなす方向において寸法線の記入を避ける例

e)

寸法数値を表す一連の数字は,図面に描いた線で分割されない位置に指示するのがよい[

図 114 a)  参

照]


56

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f)

寸法数値は,線に重ねて記入してはならない。ただし,やむを得ない場合には,引出線を用いて記入

する[

図 114 b)  参照]。

図 114−寸法数値を線に重ねて記入しない例

g)

寸法数値は,寸法線の交わらない箇所に記入する(

図 115 参照)。

図 115−寸法数値を寸法線の交わらない箇所に記入する例

h)

寸法補助線を引いて記入する直径の寸法が対称中心線の方向に幾つも並ぶ場合には,各寸法線はなる

べく同じ間隔に引き,小さい寸法を内側に,大きい寸法を外側にして寸法数値をそろえて記入する[

116 a)

参照]。ただし,紙面の都合で寸法線の間隔が狭い場合には,寸法数値を対称中心線の両側に

交互に書いてもよい[

図 116 b)  参照]。

図 116−直径の指示が多い場合の例

i)

寸法線が長くて,その中央に寸法数値を記入すると分かりにくくなる場合には,いずれか一方の端末

記号の近くに片寄せて記入することができる(

図 117 参照)。


57

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図 117−寸法線が長い場合の例

j)

寸法数値の代わりに,文字記号を用いてもよい。この場合には,その数値を別に表示する(

図 118 

図 119 参照)。

図 118−表形式の寸法記入例

図 119−文字記号を用いる例

11.5

寸法の配置

11.5.1

直列寸法記入法

直列寸法記入法は,直列に連なる個々の寸法に与えられる寸法公差が,逐次累積してもよいような場合

に適用する(

図 120 参照)。

図 120−直列寸法記入法の例


58

B 0001

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11.5.2

並列寸法記入法

並列寸法記入法は,並列に寸法を記入するので,個々の寸法公差が他の寸法の公差に影響を与えること

はない(

図 121 及び図 122 参照)。この場合,共通側の寸法補助線の位置は,機能・加工などの条件を考慮

して適切に選ぶ。

図 121−並列寸法記入法の例 1

図 122−並列寸法記入法の例 2

11.5.3

累進寸法記入法

累進寸法記入法は,寸法公差に関して,並列寸法記入法と全く同等の意味をもちながら,一つの形体か

ら次の形体へ寸法線をつないで,1 本の連続した寸法線を用いて簡便に表示できる。この場合,寸法の起

点の位置は,起点記号(○)で示し,寸法線の他端は矢印で示す。寸法数値は,寸法補助線に並べて記入

するか(

図 123,図 125,図 126 及び図 127 参照),矢印の近くに寸法線の上側にこれに沿って指示する(図

124

参照)

なお,累進寸法記入法とはいえ,二つの形体間だけの寸法線にも準用することができる(

図 126 参照)。

図 123−累進寸法記入法の例 1

図 124−累進寸法記入法の例 2

図 125−累進寸法記入法の例 3

図 126−累進寸法記入法の例 4


59

B 0001

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図 127−累進寸法記入法の例 5

11.5.4

座標寸法記入法

11.5.4.1

正座標寸法記入法

穴の位置,大きさなどの寸法は,正座標寸法記入法を用いて表にしてもよい(

図 128 参照)。この場合,

表に示す X 及び Y の数値は,起点からの寸法である。

起点は,例えば,基準穴,対象物の一隅など機能又は加工の条件を考慮して適切に選ぶ。

図 128−正座標寸法記入法の例

11.5.4.2

極座標寸法記入法

カムプロファイルなどの寸法は,極座標寸法記入法を用いて指示してもよい(

図 129 参照)。


60

B 0001

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図 129−極座標寸法記入法の例

11.6

寸法補助記号

11.6.1

寸法補助記号の種類

寸法補助記号の種類及びその呼び方は,

表 による。

表 7−寸法補助記号の種類及びその呼び方

記号

意味

呼び方

180°を超える円弧の直径又は円の直径

“まる”又は“ふぁい”

180°を超える球の円弧の直径又は球の直径

“えすまる”又は“えすふぁい”

正方形の辺

“かく”

R

半径

“あーる”

CR

コントロール半径

“しーあーる”

SR

球半径

“えすあーる”

円弧の長さ

“えんこ”

C

45°の面取り

“しー”

t

厚さ

“てぃー”

ざぐり

深ざぐり

“ざぐり”

“ふかざぐり” 
注記  ざぐりは,黒皮を少し削り取るも

のも含む。

皿ざぐり

“さらざぐり”

穴深さ

“あなふかさ”

11.6.2

半径の表し方

半径の表し方は,次による。

a)

半径の寸法は,半径の記号 R を寸法数値の前に寸法数値と同じ大きさで指示する[

図 130 a)  参照]。

ただし,半径を示す寸法線を円弧の中心まで引く場合には,この記号を省略してもよい[

図 130 b)  参

照]


61

B 0001

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図 130−半径の指示例

b)

円弧の半径を示す寸法線には,円弧の側にだけ矢印を付け,中心の側には付けない(

図 131 参照)。

なお,矢印及び寸法数値を記入する余地がないときには,

図 131 c)  及び図 131 d)  の例による。

図 131−種々の半径の指示例

c)

半径の寸法を指示するために円弧の中心の位置を示す必要がある場合には,十字又は黒丸でその位置

を示す[

図 132 及び図 154 a)  参照]。

d)

円弧の半径が大きくて,その中心の位置を示す必要がある場合に,紙面などの制約があるときには,

その半径の寸法線を折り曲げてもよい。この場合,寸法線の矢印の付いた部分は,正しい中心の位置

に向いていなければならない(

図 132 参照)。

図 132−半径が大きい場合の指示例

e)

同一中心をもつ半径は,長さ寸法と同様に,累進寸法記入法を用いて指示してもよい(

図 133 参照)。


62

B 0001

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図 133−累進寸法記入法を用いて半径を指示する例

f)

実形を示していない投影図形に実際の半径を指示する場合には,寸法数値の前に“実 R (

図 134 参照)

の文字記号を,展開した状態の半径を指示する場合には,

“展開 R”

図 135 参照)の文字記号を数値

の前へ記入する。

図 134−実 の指示例

図 135−展開 の指示例

g)

半径の寸法が他の寸法から導かれる場合には,半径を示す寸法線及び数値なしの記号(R)によって

指示する(

図 136 参照)。

図 136−半径であることの指示例

h)

かどの丸み,隅の丸みなどにコントロール半径を要求する場合には,半径数値の前に記号“CR”を指

示する(

図 137 参照)。


63

B 0001

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図 137−コントロール半径の指示例

11.6.3

直径の表し方

直径の表し方は,次による。

a) 180

°を超える円弧又は円形の図形に直径の寸法を記入する場合で,寸法線の両端に端末記号が付く場

合には,寸法数値の前に直径の記号φは記入しない(

図 138 参照)。ただし,引出線を用いて寸法を記

入する場合には,直径の記号φを記入する[

図 139 a)  及び図 139 b)  参照]。

注記  ISO 129-1 には,3D CAD で図形を回転させて表示した場合,円形図形がだ円になることを考

慮して,180°を超える円弧又は円形の図形においても直径の寸法を,φをその前に付けて記

入するように規定している。

b)

円形の一部を欠いた図形で寸法線の端末記号が片側の場合は,半径の寸法と誤解しないように,直径

の寸法数値の前にφを記入する(

図 138 参照)。

図 138180°を超える円弧及び全円の直径の記入例

図 139−種々の直径の指示例

c)

対象とする部分の断面が円形であるとき,その形を図に表さないで,円形であることを示す場合には,

直径記号φを寸法数値の前に,寸法数値と同じ文字高さで記入する[

図 139 a)  及び図 140 参照]。


64

B 0001

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図 140−円形であることを示す場合の直径の指示例

d)

円形の図及び側面図で円形が現れない図のいずれの場合でも,直径の寸法数値の後に明らかに円形又

は円筒形になる加工方法が併記されている場合には,寸法数値の前に直径の記号φは記入しない[

139 c)

図 139 d),図 156,図 157 及び図 158 参照]。

e)

直径の異なる円筒が連続していて,その寸法数値を記入する余地がない場合には,

図 141 及び図 142

のように,片側に書くべき寸法線の延長線及び矢印を描き,直径の記号φ及び寸法数値を記入する。

図 141−外側からの片側に矢印を

図 142−寸法線を直角に折り曲げる例

指示する寸法記入の例

11.6.4

球の直径又は半径の表し方

a)

球の直径又は半径の寸法は,その寸法数値の前に寸法数値と同じ文字高さで,球の記号 Sφ又は SR

を記入して表す(

図 143 参照)。


65

B 0001

:2010

図 143−球の直径又は半径の指示例

b)

球の半径の寸法が他の寸法から導かれる場合には,半径を示す寸法線及び数値なしの記号(SR)とを

指示する(

図 144 参照)。

図 144−数値なしの記号(SR)の指示例

11.6.5

正方形の辺の表し方

正方形の辺の表し方は,次による。

a)

対象とする部分の断面が正方形であるとき,その形を図に表さないで,正方形であることを表す場合

には,その辺の長さを表す寸法数値の前に,寸法数値と同じ大きさで,正方形の一辺であることを示

す記号    を記入する(

図 145 参照)。

b)

正方形を正面から見た場合のように,正方形が図に現れる場合には,正方形であることを示す記号

を付けずに,両辺の寸法を記入しなければならない(

図 146 参照)。

図 145−角柱の一辺の指示例

図 146−角柱の辺の指示例


66

B 0001

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11.6.6

板厚の表し方

板の主投影図に,その厚さの寸法を表す場合には,その図の付近又は図の中の見やすい位置に,厚さを

表す寸法数値の前に,寸法数値と同じ文字高さで,厚さを示す記号 t を記入する(

図 147 参照)。

注記  冷間圧延鋼板,プラスチック板など,製品公差が規定されている板材の厚さ指示には特に有用

である。

図 147−板厚の指示例

11.6.7

弦及び円弧の長さの表し方

弦及び円弧の長さの表し方は,次による。

a)

弦の長さの表し方  弦の長さは,弦に直角に寸法補助線を引き,弦に平行な寸法線を用いて表す(図

148

参照)

b)

円弧の長さの表し方  円弧の長さの表し方は,次による。

1)

弦の場合と同様な寸法補助線を引き,その円弧と同心の円弧を寸法線として引き,寸法数値の前に

円弧の長さの記号を付ける(

図 149 参照)。

図 148−弦の長さの指示例

図 149−円弧の長さの指示例

2)

円弧を構成する角度が大きいとき[

図 150 a)  参照],連続して円弧の寸法を記入するとき[図 150 b)

参照]は,円弧の中心から放射状に引いた寸法補助線に寸法線を当ててもよい。

この場合,二つ以上の同心の円弧のうち,一つの円弧の長さを明示する必要があるときには,次

のいずれかによる。

2.1)

円弧の寸法数値に対し,引出線を引き,引き出された円弧の側に矢印を付ける[

図 150 a)  及び図

150 b)

参照]

2.2)

円弧の長さを表す寸法数値の後に,円弧の半径を括弧に入れて示す[

図 150 c)  参照]。この場合に

は,円弧の長さに記号を付けてはならない。


67

B 0001

:2010

図 150−種々の円弧の長さの指示例

11.6.8

面取りの表し方

一般の面取りは,通常の寸法記入方法によって表す(

図 151 参照)。45°の面取りの場合には,面取りの

寸法数値×45°

図 152 参照)又は記号 C を寸法数値の前に寸法数値と同じ文字高さで記入して表す(図

153

参照)


68

B 0001

:2010

  

図 151−面取り寸法の指示例 1

図 152−面取り寸法の指示例 2

図 153−記号 の指示例

11.6.9

曲線の表し方

a)

円弧で構成する曲線の寸法は,一般にはこれらの円弧の半径とその中心又は円弧の接線の位置とで表

す(

図 154 参照)。


69

B 0001

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図 154−曲線の表し方の例

b)

円弧で構成されない曲線の寸法は,曲線上の任意の点の座標寸法で表す[

図 155 a)  参照]。この寸法

は,円弧で構成する曲線の場合にも,必要があれば用いてもよい[

図 155 b)  参照]。

図 155−円弧で構成されない曲線の寸法記入例

11.7

穴の寸法の表し方

穴の寸法の表し方は,次による。

a)

きり穴,打抜き穴,鋳抜き穴など,穴の加工方法による区別を示す必要がある場合には,工具の呼び

寸法又は基準寸法を示し,それに続けて加工方法の区別を,加工方法の用語を規定している日本工業

規格によって指示する(

図 156 及び図 157 参照)。ただし,表 に示すものについては,この表の簡略

表示によることができる。

注記  この場合,指示した加工寸法に対する寸法の普通公差を適用する。


70

B 0001

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図 156−穴の加工方法の指示例

図 157−穴の加工方法を簡略指示する例

表 8−穴の加工方法の簡略表示

加工方法

簡略表示

鋳放し 
プレス抜き

きりもみ 
リーマ仕上げ

イヌキ 
打ヌキ

キリ 
リーマ

b)

一つのピッチ線,ピッチ円上に配置される一群の同一寸法のボルト穴,小ねじ穴,ピン穴,リベット

穴などの寸法は,穴から引出線を引き出して,参照線の上側にその総数を示す数字の次に×を挟んで

穴の寸法を指示する(

図 158 参照)。この場合,穴の総数は,同一箇所の一群の穴の総数(例えば,両

側にフランジをもつ管継手ならば,片側のフランジについての総数。

)を記入する。

図 158−一群の同一寸法の指示例

 a) 

b) 

c) 


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c)

穴の深さを指示するときは,穴の直径を示す寸法の次に,穴の深さを示す記号“    ”に続けて深さの

数値を記入するのがよい(

図 159 参照)。ただし,貫通穴のときは,穴の深さを記入しない(図 160

参照)

なお,穴の深さとは,ドリルの先端で創成される円すい部分,リーマの先端の面取部で創成される

部分などを含まない円筒部の深さ(

図 161 の 参照)をいう。また,傾斜した穴の深さは,穴の中心

軸線上の長さ寸法で表す(

図 162 参照)。

図 159−穴の深さの指示例

図 160−貫通穴の指示例

図 161−穴の深さの指示例

図 162−傾斜した穴の深さの指示例

d)

ざぐり又は深ざぐりの表し方は,ざぐりを付ける穴の直径を示す寸法の前に,ざぐりを示す記号“    ”

に続けてざぐりの数値を記入する(

図 163 及び図 164 参照)。

なお,一般に平面を確保するために鋳造品,鍛造品などの表面を削り取る程度の場合でも,その深

さを指示する。また,深ざぐりの底の位置を反対側の面からの寸法を規制する必要がある場合には,

その寸法線を指示する[

図 164 c)  参照]。

図 163−ざぐりの指示例


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B 0001

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図 164−ざぐり穴及び深ざぐり穴の指示例

e)

皿ざぐり穴の表し方は,皿穴の直径を示す寸法の次に,皿ざぐり穴を示す記号“    ”に続けて,皿ざ

ぐり穴の入り口の直径の数値を記入する(

図 165 参照)。皿ざぐり穴の深さの数値を規制する要求があ

る場合には,皿ざぐり穴の開き角及び皿ざぐり穴の深さの数値を記入する(

図 166 参照)。

皿ざぐり穴が円形形状で描かれている図形に皿ざぐり穴を指示する場合には,内側の円形形状から

引出線を引き出し,参照線の上側に皿ざぐり穴を示す記号“    ”に続けて,皿穴の入り口の直径の数

値を記入する(

図 167 参照)。

図 165−皿ざぐりの指示例

図 166−皿ざぐりの開き角及び皿穴の深さの指示例

図 167−円形形状に指示する皿穴の指示例


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皿ざぐりの簡略指示方法は,皿ざぐり穴が表れている図形に対して,皿ざぐり穴の入り口の直径及

び皿ざぐり穴の開き角を寸法線の上側又はその延長線上に×を挟んで記入する(

図 168 参照)。

図 168−皿ざぐりの簡略指示方法の例

f)

長円の穴は,穴の機能又は加工方法によって寸法の記入方法を次のいずれかによって指示する。

1)

長円の穴の長さ及び幅[

図 169 a)  参照]。この場合,両側の形体は,円弧であることを示すために

(R)と指示する。

2)

平行二平面の形体の長さ及び幅[

図 169 b)  参照]。この場合,両側の形体は,円弧であることを示

すために(R)と指示する。

3)

工具の回転軸線の移動距離及び工具径[

図 169 c)  参照]。この場合,工具径の指示は 1 か所とする。

図 169−長円の穴の指示例

11.8

キー溝の表し方

11.8.1

円筒軸のキー溝の表し方

円筒軸のキー溝の表し方は,次による。

a)

軸のキー溝は,キー溝の幅,深さ,長さ,位置及び端部を表す寸法による[

図 170 a)  及び図 170 b)  参

照]

b)

キー溝の端部をフライスによって切り上げる場合には,基準の位置から工具の中心までの距離と工具

の直径とを指示する[

図 170 c)  参照]。


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図 170−キー溝の寸法の指示例

c)

キー溝の深さは,キー溝と反対側の軸径面から,キー溝の底までの寸法で表す(

図 170 参照)。ただし,

特に必要な場合には,キー溝の中心面における軸径面から,キー溝の底までの寸法(切込み深さ)で

表してもよい(

図 171 参照)。

図 171−切込み深さの指示例


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d)

キー溝が断面に現れている場合のボスの内径寸法は,片矢の端末記号を指示する(

図 172 参照)。

図 172−内径に凹又は凸がある場合の例

11.8.2

テーパ軸のキー溝の表し方

テーパ軸のキー溝は,個々の形体の寸法を指示する(

図 173 参照)。

図 173−テーパ軸のキー溝の指示例

11.8.3

穴のキー溝の表し方

穴のキー溝の表し方は,次による。

a)

穴のキー溝は,キー溝の幅及び深さを表す寸法を指示する(

図 174 参照)。

b)

キー溝の深さは,キー溝と反対側の穴径面からキー溝の底までの寸法で表す(

図 174 参照)。ただし,

特に必要な場合には,キー溝の中心面における穴径面からキー溝の底までの寸法(切込み深さ)で表

してもよい(

図 175 参照)。

c)

こう配キー用のボスのキー溝の深さは,キー溝の深い側で表す(

図 176 参照)。

図 174−穴のキー溝の寸法指示例

図 175−キー溝の深さの指示例

図 176−こう配キー寸法の指示例

 a) 

b) 


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11.8.4

円すい穴のキー溝の表し方

円すい穴のキー溝は,キー溝に直角な断面における寸法を指示する(

図 177 参照)。

図 177−円すい穴のキー溝の指示例

11.8.5

円筒軸の複数のキー溝の表し方

円筒軸の複数の同一寸法のキー溝は,一つのキー溝の寸法を指示し,別のキー溝にその個数を指示する

図 178 参照)。

図 178−複数の同一寸法のキー溝の寸法指示例

11.8.6

円筒軸の止め輪溝の表し方

円筒軸に設ける止め輪溝は,溝幅及び溝底の直径を指示する(

図 179 参照)。

図 179−止め輪溝の寸法指示例

11.8.7

円筒穴の止め輪溝の表し方

円筒穴に設ける止め輪溝は,溝幅及び溝底の直径を指示する(

図 180 参照)。


77

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図 180−穴に対する止め輪溝の寸法指示例

11.8.8

こう配の表し方

こう配は,こう配をもつ形体の近くに,JIS B 0028 に基づいて,参照線を用いて指示する。参照線は水

平に引き,引出線を用いて形体の外形と結び,こう配の向きを示す図記号を,こう配の方向と一致させて

描く(

図 181 参照)。

図 181−こう配の指示例

11.8.9

テーパの表し方

テーパは,テーパをもつ形体の近くに,JIS B 0028 に基づいて,参照線を用いて指示する。参照線はテ

ーパをもつ形体の中心線に平行に引き,引出線を用いて形体の外形と結ぶ。ただし,テーパ比と向きを特

に明らかに示す必要がある場合には,テーパの向きを示す図記号を,テーパの方向と一致させて描く(

182

参照)

図 182−テーパの指示例


78

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11.9

鋼構造物などの寸法表示

鋼構造物などの寸法表示は,次による。

a)

鋼構造物などの鋼構線図で格点間の寸法を表す必要がある場合には,その寸法は部材を示す線に沿っ

て直接記入する(

図 183 参照)。

b)

鋼構線図には,部材を示す線は重心線であることを明記するのがよい

なお,格点とは,鋼構線図において,部材の重心線の交点をいう。

図 183−鋼構線図の寸法指示例

c)

形鋼,鋼管,角鋼などの寸法は,

表 の表示方法によって,それぞれの図形に沿って記入することが

できる(

図 184 参照)。

なお,不等辺山形鋼などを指示する場合には,その辺がどのように置かれているかをはっきりさせ

るために,図に表れている辺の寸法を記入する。

図 184−形鋼への寸法指示例


79

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表 9−形鋼の表示方法


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11.10

  薄肉部の表し方

薄肉部の表し方は,次による。

a)

薄肉部の断面を極太線で示した図形に寸法を記入する場合には,断面を表した極太線に沿って,板の

内側寸法又は板の外側寸法になるように短い細い実線を描き,これに寸法線の端末記号を当てる(

185

参照)

図 185−薄肉部への寸法指示例

b)

内側を示す寸法には,寸法数値の前に“int”を付記してもよい(

図 186 参照)。

図 186−“int”の指示例

c)

製缶品の形体が徐々に増加又は減少させて(

“徐変する寸法”という。

,ある寸法になるように指示す

る要求がある場合には,対象とする形体から引出線を引き出し,参照線の上側に“徐変する寸法”と

指示する(

図 187 参照)。

図 187−徐変する寸法の例


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11.11

  加工・処理範囲の表示

加工,表面処理などの範囲を限定する場合には,10.4.4 によるとともに太い一点鎖線を用いて位置及び

範囲の寸法を記入し,加工,表面処理などの要求事項を指定する(

図 188 参照)。

図 188−加工・処理範囲の指示例

11.12

  非剛性部品の寸法

非剛性部品の寸法は,JIS B 0026 によって指示する。

注記  非剛性部品とは,自由状態で図面に指示した寸法公差・幾何公差を超えて変形する部品である。

11.13

  非比例寸法

一部の図形がその寸法数値に比例しない場合には,寸法数値に太い実線の下線を引く(

図 189 参照)。た

だし,

一部を切断省略したときなど,

特に寸法と図形とが比例しないことを表示する必要がない場合には,

この線を省略する。

図 189−非比例寸法の例


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11.14

  同一形状の寸法

T 形管継手,コックなどのフランジのように,1 個の品物に全く同一寸法の部分が二つ以上ある場合に

は,寸法はそのうちの一つにだけ記入するのがよい。この場合,寸法を記入しない部分に,同一寸法であ

ることの注意書きをする(

図 190 及び図 191 参照)。

図 190−同一形状の指示例 1

図 191−同一形状の指示例 2

12

外形図の寸法の表し方

外形図は,横方向,奥行き方向及び高さ方向の寸法並びに据付け・取付けに必要な寸法を指示する(

192

参照)


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図 192−外形図の寸法の指示例

13

照合番号

照合番号は,次による。

a)

照合番号は,通常,数字を用いる。

組立図の中の部品に対して,別に製作図がある場合には,照合番号の代わりにその図面番号を記入

してもよい。

b)

照合番号は,次のいずれかによるのがよい。

1)

組立の順序に従う。

2)

構成部品の重要度に従う。

例  部分組立品,主要部品,小物部品,その他の順

3)

その他,根拠のある順序に従う。

c)

照合番号を図面に記入する方法は,次による。

1)

照合番号は,明確に区別できる文字を用いるか,文字を円で囲んで示す。

2)

照合番号は,対象とする図形に引出線で結んで記入するのがよい(

図 193 参照)。

3)

画面を見やすくするために,照合番号を縦又は横に並べて記入することが望ましい。

図 193−照合番号の記入例


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14

図面の訂正・変更

正式出図後に図面の内容を訂正・変更する場合には,訂正又は変更箇所に適切な記号を付記し,訂正又

は変更前の図形(

図 194 参照),寸法などは判読できるように適切に保存する(図 195 参照)。この場合,

訂正又は変更事由,氏名,年月日などを明記して図面管理部署へ届け出る。

注記  変更には,追加も含む。

図 194−形状の追加変更例

図 195−寸法の変更例


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参考文献

[1]  JIS B 0024  製図−公差表示方式の基本原則

[2]  JIS B 0405  普通公差−第 1 部:個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差

[3]  JIS B 0672-1  製品の幾何特性仕様(GPS)−形体−第 1 部:一般用語及び定義

[4]  JIS B 0680  製品の幾何特性仕様(GPS)−製品の幾何特性仕様及び検証に用いる標準温度

[5]  JIS Z 8313-0  製図−文字−第 0 部:通則

[6]  JIS Z 8313-1  製図−文字−第 1 部:ローマ字,数字及び記号

[7]  JIS Z 8313-10  製図−文字−第 10 部:平仮名,片仮名及び漢字

[8]  JIS Z 8316  製図−図形の表し方の原則

[9]  ISO 129-1,Technical drawings−Indication of dimensions and tolerances−Part 1: General principles