>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

A 9104

:2012

(1) 

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  原理

1

4

  用語及び定義 

1

5

  要求事項

2

6

  材料

2

6.1

  樹種

2

6.2

  木材保存剤 

3

7

  処理方法

3

8

  試験方法

3

8.1

  浸潤長及び浸潤度

3

8.2

  吸収量

4

8.3

  注入量

4

9

  検査

4

10

  表示

4


A 9104

:2012

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本木材防腐工業

組合(JWPIA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ

きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS A 9104:1995 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 A

9104

:2012

加圧式保存処理木まくらぎ−保存処理の仕様

Wood crosstises treated with preservatives by pressure processes-

Specification

序文 

この規格は,1960 年に制定され,その後 4 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 1995 年に

行われたが,最近の生産及び使用実態の変化を踏まえ,クレオソート油以外の油溶性木材保存剤,乳化性

木材保存剤及び水溶性木材保存剤を追加し,実態に対応するために改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

適用範囲 

この規格は,木まくらぎに耐久性を付与するため,加圧によって木材保存剤を浸透させる保存処理の仕

様について規定する。

注記  この規格では,木まくらぎに求められる機能などについては規定していない。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS A 9002

  木質材料の加圧式保存処理方法

JIS K 1570

  木材保存剤

製材の日本農林規格(JAS 

原理 

木まくらぎが入れられた密閉容器内に充満された木材保存剤に圧力を加えることによって,木材保存剤

を木まくらぎ中に浸透させ,木まくらぎに防腐性能及び防ぎ(蟻)性能を付与させる。

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 9002 及び  JIS K 1570 によるほか,次による。

4.1  

木おもて 

板目又は追いまさの材面のうち,丸太外周方向に向いた面。

4.2  

表示くぎ 

木まくらぎに打ち込み,処理業者又はその略号・木材保存剤の種類の略号・処理年又はその略号などを


2

A 9104

:2012

   

明確に表示する軟鉄製のくぎ。字体の太さ及び刻みを 1 mm 以上とし,電気亜鉛めっきを施して耐久性を

もたせる。

要求事項 

要求事項は,次による。

a)

浸潤度  木まくらぎの辺材部分の浸潤度は,8.1 c)によって求め 80 %以上とする。

b)

吸収量及び注入量  木まくらぎの木材保存剤の吸収量及び注入量の等級は,表 及び表 に規定する

等級 S,等級 A 又は等級 B のいずれかに適合しなければならない。

表 1−木材保存剤の吸収量 

単位  kg/m

3

種類の記号

吸収量

区分

種類

記号

略号

等級 A

b)

等級 B

c)

第四級アンモニウム化合物系

a)

1

AAC-1

D 9.0

以上

(DDAC として)

4.5

以上

(DDAC として)

水溶性木材保存剤

銅・アゾール化合物系 CUAZ

U

2.0

以上 1.0

以上

乳化性木材保存剤

脂肪酸金属塩系

3

VZN-E

V 5.0

以上 2.5

以上

油溶性木材保存剤

ナフテン酸金属塩系

1

NCU-O

C 1.2

以上

(Cu として)

0.6

以上

(Cu として)

油性木材保存剤

クレオソート油

d)

 A

A

表 

e)

による

a)

水溶性木材保存剤  第四級アンモニウム化合物系の木まくらぎは,橋まくらぎの用途に限定する。

b)

等級 A とは,長期にわたり耐久性能を保持できると推測される吸収量をいう。

c)

等級 B とは,木まくらぎに木材保存剤で耐久性を付与させるための最低の吸収量をいう。

d)

木まくらぎの保存処理に使用するクレオソート油は,JIS K 1570 に規定するクレオソート油に限る。

e) 

クレオソート油は原液を用いることから,吸収量は注入量で規定する(

表 参照)。

表 2−クレオソート油処理の代表的な樹種による薬剤の注入量 

単位  kg/m

3

薬剤の注入量

樹種

等級 S

a)

等級 A

b)

ベイヒバ 30

以上

カプール 50

以上

ダフリカカラマツ(グイマツを含む) 50

以上

ヒバ 100

以上 50

以上

ヒノキ 120

以上 60

以上

上記以外 160

以上 80

以上

a) 

等級 S とは,クレオソート油が溶け出しても環境に影響がない使用条件で,長期にわたり耐久性能を保持で

きると推測される注入量をいう。

b)

等級 A とは,長期にわたり耐久性能を保持できると推測される注入量をいう。

材料 

6.1 

樹種 

木まくらぎの種類及び代表的な樹種は,

表 による。


3

A 9104

:2012

表 3−木まくらぎの種類及び代表的な樹種 

木まくらぎの種類

樹種(国産材)

樹種(外材)

並まくらぎ及び分岐まくらぎ

カラマツ,クリ,ケヤキ,ナラ,

ヒノキ,ヒバ

カプール,クルイン(アピトンを含む。

ケンパス,ダフリカカラマツ(グイマツ
を含む。

,ベイヒバ,ベイマツ

並まくらぎ(継目用)

ケヤキ,ナラ

カプール,クルイン(アピトンを含む。

ケンパス,ベイヒバ,ベイマツ

橋まくらぎ

ヒバ,ヒノキ,ナラ

カプール,クルイン(アピトンを含む。

ケンパス,ベイヒバ,ベイマツ,ダフリ
カカラマツ(グイマツを含む。

上記以外の,木まくらぎ用の樹種については,長年の使用実績に基づいて適材とされている国産広葉樹などがある
ので,それを踏まえて発注者側の仕様による。

6.2 

木材保存剤 

木材保存剤は,JIS K 1570 によるものとし,種類は

表 に示す。

処理方法 

加圧注入処理方法は,JIS A 9002 による。

試験方法 

8.1 

浸潤長及び浸潤度 

浸潤長及び浸潤度は,次の方法によって求める。

a)

試験片の採取  木まくらぎの木おもての長さ・幅の中央部分付近でインサイジング,割れなどの欠点

の影響が最も少ない部分から材の表面に向かって直角に,生長すい(錐)

(内径 7.0 mm)を用いて辺

材部分の試験片を採取する。採取に当たっては,次に留意し試験片を採取した後,直ちに採取部に使

用した木材保存剤で注入処理した木栓を埋め込んでおく。

1)

辺材と心材とを目視で判定できない場合の識別は,試験片をキシレンで煮沸して,キシレンの浸潤

した部分を辺材とする。

2)

試験片は,その採取する位置に,割れ・あて・節・樹脂溝その他の欠点がある場合又は辺材のない

場合には,それに近い木おもてのりょう(稜)線上辺材部を樹心に向かって採取する。

b)

呈色  薬液の浸潤を確認するため,次の呈色剤を用いて薬液を反応させ処理木材の浸潤を確認する。

呈色する浸潤部の長さを浸潤長とする。

1)

第四級アンモニウム化合物系    酢酸 18 g に水を加えて 100 mL としたものを塗布又は噴霧して約 3

分間放置した後,ブロモフェノールブルー0.2 g をアセトンに溶解して 100 mL としたものを塗布又

は噴霧する。約 5 分間後に,浸潤部は青色に呈色する。

2)

銅・アゾール化合物系,ナフテン酸金属塩系  クロムアズロール S 0.5 g と酢酸ナトリウム 5 g とを

水 500 mL に溶解したものを塗布又は噴霧する。浸潤部は濃緑色に呈色する。

3)

脂肪酸金属塩系  ジチゾン(1,5-ジフェニルチオカルバゾン)0.1 g をアセトン 100 mL に溶解したも

のを塗布又は噴霧する。浸潤部は赤色に呈色する。

4)

クレオソート油  クレオソート油による着色を確認する。浸潤部は淡褐色を呈している。

c)

計算  辺材部分の浸潤度は,次の式によって求める。ただし,試験片の辺材部分の長さが材面からの

厚さの 1/2 以上あるときは,辺材部分の長さを厚さの 1/2 とする。 


4

A 9104

:2012

   

100

×

S

L

D

ここに,

D

辺材部分の浸潤度(%)

S

試験片の辺材部分の長さ(mm)

L

試験片の辺材部分の浸潤長(mm)

なお,次に示す場合は浸潤されたものとみなす。

1)

斑点状の浸潤及び層状の浸潤,又は辺材・心材の境界に接する辺材部分で未浸潤 2 mm 以下の部分。

2)

環孔材の場合には,浸潤された隣接した大きい環孔の並んでいる領域で挟まれた未浸潤部分。

8.2 

吸収量 

辺材部分の木材保存剤の平均吸収量は,製材の日本農林規格(JAS)の

別記  3(試験の方法),(3)(吸

収量試験)によって求める。試験片の採取方法は 8.1 a)による。

なお,クレオソート油においては,注入量及び浸潤度で確認するため吸収量試験は行わない。

8.3 

注入量 

注入量の計算は,JIS A 9002 による。

検査 

薬液の浸潤度,吸収量及び注入量の検査は,合理的な抜取検査によるものとし,箇条 によって試験し,

箇条 の要求事項に適合しなければならない。

10 

表示 

木まくらぎには,次の事項を表示した表示くぎを,木まくらぎの長さ方向の中央部分に打ち込む。ただ

し,d)についてはくぎの形状を変えて区別することもできる。

処理業者名の略号,及び吸収量又は注入量の等級についての表記は,発注者との仕様による。

図 に表示例を示す。

a)

処理業者名又はその略号

b)

表 に示す木材保存剤の種類の略号

c)

処理年又はその略号

d)

吸収量又は注入量の等級(刻印をしない場合は,表示くぎによる等級の違いを発注者と協議の上定め

る。

a) 

丸形 b) 

角形 

図 1−表示くぎの頭部の例 

処理業者名又はその略号

木材保存剤の種類の略号

処理年又はその略号

吸収量又は注入量の等級

処理業者名又はその略号 
木材保存剤の種類の略号

処理年又はその略号

吸収量又は注入量の等級