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A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

2

3

  用語及び定義 

2

4

  記号及び略語 

6

5

  試験方法及び設備

11

5.1

  一般事項 

11

5.2

  計測装置 

11

5.3

  試験設備 

11

5.4

  ROPS と旋回フレームとの組立品及びベッドプレートへの取付け 

11

6

  試験負荷手順 

12

6.1

  一般事項 

12

6.2

  ROPS の側方負荷試験

13

6.3

  ROPS の前後方向負荷試験 

14

6.4

  ROPS の垂直負荷試験

16

7

  材料の温度基準 

16

8

  許容基準

17

9

  ROPS のラベル表示 

20

9.1

  一般

20

9.2

  ラベルの仕様 

21

9.3

  表示の内容 

21

10

  試験結果報告 

21

11

  取扱説明書

21

附属書 A(規定)JIS A 8921-2 に適合する ROPS の試験報告書

22

附属書 B(参考)設計変更,実物試験及び改造 

24

附属書 C(参考)理論的根拠−ROPS 性能要求事項

25


A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本建設機械化協会(JCMA)及び

財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS A 8921

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS A 8921

  ミニショベル横転時保護構造(TOPS)−試験方法及び性能要求項目

JIS A 8921-2

  ショベル系掘削機保護構造の台上試験及び性能要求事項−第 2 部:6 トンを超える油圧

ショベルの転倒時保護構造(ROPS)


日本工業規格

JIS

 A

8921-2

:2011

(ISO 12117-2

:2008

)

土工機械−ショベル系掘削機保護構造の台上試験

及び性能要求事項−第 2 部:6 トンを超える

油圧ショベルの転倒時保護構造(ROPS)

Earth-moving machinery-Laboratory tests and performance requirements

for protective structures of excavators-Part 2: Roll-over protective

structures (ROPS) for hydraulic excavators of over 6 t

序文 

この規格は,2008 年に第 1 版として発行された ISO 12117-2 を基に,技術的内容を変更することなく作

成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

適用範囲 

この規格は,油圧ショベルの転倒時保護構造(以下,ROPS という。

)の静的負荷による耐負荷特性を評

価する一連の再現性のある試験方法,及び代表的な供試品に対する性能要求事項について規定する。

この規格は,

運転質量が 6 t を超え 50 t 未満の JIS A 8403-1 に規定する油圧ショベルの ROPS に適用する。

ROPS は,機械が傾斜角 30°以下の堅い粘土地盤の斜面上を地面との接触を失うことなく,旋回フレーム

の前後方向中心軸を中心に 360°回転するという条件の下で,シートベルトを着用した運転員が押しつぶ

されないよう最小限の保護空間を確保する。ROPS は転倒のリスクが存在する場合に適用しなければなら

ない。

この規格は,荷取扱い若しくは解体用,又は電磁石,クラムシェル,グラブなどのアタッチメント付き

で使用する油圧ショベル用若しくはその派生機械用の ROPS にも適用する。

この規格は,昇降式のキャブライザを備えた油圧ショベルには適用しない。

注記 1  この規格は,許容基準を導き出すために用いた実験及び統計データの制約によって,運転質

量 50 t 未満の油圧ショベルへの適用を意図している。このことは,この規格に記載する手順

を,より大重量又は軽量の油圧ショベルに適用する可能性を排除するものではないが,鉱山

用に特別に設計された油圧ショベルの場合には,要求値が非現実的な設計をもたらすことが

あり得るので除外する。

注記 2  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 12117-2:2008

,Earth-moving machinery−Laboratory tests and performance requirements for

protective structures of excavators − Part 2: Roll-over protective structures (ROPS) for

excavators of over 6 t(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”


2

A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS A 8315

  土工機械−運転員の身体寸法及び運転員周囲の最小空間

JIS A 8318

  土工機械−座席基準点(SIP)

注記  対応国際規格:ISO 5353,Earth-moving machinery, and tractors and machinery for agriculture and

forestry−Seat index point(IDT)

JIS A 8322

  土工機械−寸法,性能及び容量の単位並びに測定の正確さ

注記  対応国際規格:ISO 9248,Earth-moving machinery−Units for dimensions, performance and

capacities, and their measurement accuracies(IDT)

JIS A 8403-1

  土工機械−油圧ショベル−第 1 部:用語及び仕様項目

JIS A 8910

  土工機械−転倒時保護構造−試験及び性能要求事項

注記  対応国際規格:ISO 3164,Earth-moving machinery−Laboratory evaluations of protective structures

−Specifications for deflection-limiting volume(MOD)

JIS B 1051

  炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質−第 1 部:ボルト,ねじ及び植込みボルト

JIS B 1052-2

  締結用部品の機械的性質−第 2 部:保証荷重値規定ナット−並目ねじ

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1

アタッチメント(attachment)

規定した用途のために,本体又はエクイップメントに取り付ける構成部品の組立品(JIS A 8320 参照)

3.2

ベッドプレート(bed plate)

試験目的のために,機械のフレームを取り付ける試験設備の十分に堅固な部分。

3.3 

境界面,BP(boundary plane)

たわみ限界領域(DLV)の背面,側面,及びひざ部の垂直投影として定義する面。

注記  境界面は,負荷領域を決定するために使用する。

3.4

境界仮想地面,BSGP(boundary simulated ground plane)

機械が転倒したときの地面による衝撃に対して運転員へ更なる保護を与える可能性のある機械の剛性の

高い箇所を用いて決定する平面。

注記  剛性の高い箇所の確認方法については,6.1.5 参照。

3.5

キャブライザ(cab riser)

(機械の)標準仕様に対して,JIS A 8318 に規定する座席基準点(SIP)の高さを 250 mm を超えて高め

る固定式のスペーサ。


3

A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

3.6

たわみ限界領域,DLV(deflection-limiting volume) 

通常の服装でヘルメットを装着した着座姿勢の JIS A 8315 に定義する大柄運転員の近似的箱形形状

JIS 

A 8910

附属書 参照)。

3.7

ROPS

のたわみ量(deflection of ROPS, deflection)

着力点において計測した,ROPS,取付装置及びフレーム部の動きで,試験設備の動きによる影響を除い

た量。

3.8

エクイップメント(equipment)

アタッチメントがその本来の設計動作ができるように,本体に取り付けた構成部品のセット。

3.9 

基準地表面,GRP(ground reference plane)

機械が止まる堅固な平面を仮想した面。

3.10

側方境界仮想地面,LBSGP(lateral boundary simulated ground plane)

機械の左側の剛性の高い箇所 3 点(例えば,ブーム左側面の最高位置,キャブを支持するフレームの左

側前端及びカウンタウェイト左側面など)で決まる平面で,基準地表面(GRP)上で作業装置(エクイッ

プメント及びアタッチメント)を製造業者の規定する最大掘削半径位置(床面最大掘削半径位置)にした

機械が,

(転倒後)左側面を下にしてその上に静止すると仮定した平面(

図 参照)。

注記 LBSGP は,例えばカウンタウェイト左側端,作業装置を床面最大掘削半径位置としたときのブ

ーム最高位置の左側及びキャブを支持するフレームの左側前端面の剛性の高い箇所 3 点を含む。

a)

  LBSGP 

b)

  最小ブーム高さ 

h

最小ブーム高さ

r

床面最大掘削半径

GRP  基準地表面

図 1−側方境界仮想地面(LBSGP 


4

A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

3.11

側方仮想地面,LSGP(lateral simulated ground plane)

機械が(回転して)その面で止まると設定した面(

図 参照)。

注記 1  この平面は,機械の前後方向中心線に平行な垂直面を回転させて,ROPS の横負荷を受ける

頂部構造部材の最外端点と機械の 2 番目に低い点とを通る新規の平面として創成される。

注記 2  図 に b 及び e として示す堅固な 2 点は,機械質量の半分を支えることができる。

注記 3 LSGP は,負荷前の ROPS に対して設定し,負荷によって当初の垂直面に対する傾斜を維持

しつつ ROPS 部材とともに動く。

注記 4 LSGP は,機械が(転倒状態で)2 か所の堅固な点で止まる条件で適用する。第 3 の堅固な点

(の存在)が考えられる場合は,LBSGP を適用することができる。

1

横負荷が負荷される ROPS の頂部部材

a

部材を端から見たときの最外端点

b

部材を端から見たときの最外端点を通る垂線

c

上記の垂線 b を含み,機械の前後方向中心線に平行な垂直面

d

側方仮想地面

e LSGP 設定の際に参照される機械の剛性の高い部分

図 2−側方仮想地面(LSGP 

3.12

着力点,LAP(load application point)

ROPS に対し試験荷重 を負荷する点。


5

A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

3.13

負荷分散器具,LDD(load distribution device)

着力点における ROPS 部材の局部的な貫入を防止するために用いる器具。

3.14

1

柱式又は 柱式 ROPS(one or two post ROPS)

片持ちはり式の耐負荷構造部材をもつように成形又は構成した 1 柱式又は 2 柱式 ROPS。

3.15

運転質量,OM(operating mass) 

運転員(75 kg)

,燃料タンク,潤滑系統,油圧系統及び冷却系統の油,水などを規定量とし,散水タン

クがある場合はそれを半量とした本体に,製造業者の指定する最も標準的な仕様の空荷の作業装置を取り

付けたときの質量。

注記 1  非搭乗式の機械では,運転員の質量は含まない。

注記 2  出荷時のバラスト質量は,製造業者の規定によっては含めることができる(JIS A 8320 参照)。

注記 3  使用中の機械に付着した土,岩石,枝,破片などは,機械の質量から除外する。掘削,運搬

又は持ち上げた物質は,試験条件を決定する際には機械の質量には含めない。

3.16

運転員保護ガード,OPG(operator protective guards)

(落下物に対する保護のため)油圧ショベルの運転席に取り付けるトップガード及びフロントガードを

組み合わせた装置(JIS A 8922 参照)

3.17

代表的供試品(representative specimen)

材質及び製造品質が製造業者の量産仕様の範囲内にある,試験の目的で使用する ROPS 及びその取付金

具並びに機械フレーム(完成品又は部品)

注記  この規格に基づく仕様で製造した全ての ROPS が所要の性能水準を満足するか上回ることを意

図している。

3.18

ロールバーROPS(rollbar ROPS)

FOPS 又は載荷用の片持ちはり式耐負荷構造部材をもたない,1 柱式又は 2 柱式の ROPS(JIS A 8910 

照)

3.19

転倒時保護構造,ROPS(roll-over protective structure)

機械が,転倒したときに,シートベルトシステムで支えた運転員に適切な保護を与えることを主要な目

的とした主として金属製の構造部材。

注記  この構造部材には,これを旋回フレームに取り付けるためのサブフレーム,ブラケット,マウ

ンティング,ソケット,ボルト,ピン,サスペンション又は可とう(撓)性のショックアブソ

ーバなどを含むが,旋回フレームと一体構造の取付座は含まない。

3.20

ROPS

構造部材(ROPS structural member)

ROPS の負荷に耐え,又は負荷エネルギーを吸収するように設計した構造部材。

例  サブフレーム,ブラケット,マウント,ソケット,ボルト,ピン,サスペンション,可とう(撓)


6

A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

性のショックアブソーバ

3.21

シートベルトシステム(seat belt system)

シートベルト及びシートベルト取付部(JIS A 8911 参照)

3.22

ソケット,S(socket)

負荷分散器具(LDD)の局部的な負荷を軽減するための部材。

3.23

剛性の高い箇所(stiff point)

固定された構造部材上の部位で,転倒時に予測される変形をもたらす負荷を支える適切な強度をもつ箇

所。

注記  剛性の高い箇所は,次の方法で設定する。

a)

各箇所に対して標準の機械質量と同等の荷重を BSGP に垂直に負荷する。

b)

各剛性の高い箇所でのたわみを測定し,その状態で BSGP を再設定する(各箇所で測定さ

れたたわみは,部材の地面への侵入と部材そのものの変形を加えたものとして計算でき

る。

c)

上記の方法で設定した BSGP を使用して実際の試験を行う。

3.24

旋回フレーム(revolving frame)

機械の主要構造部材で,

通常の運転状態では,

その上に ROPS を直接取り付けることができるフレーム。

注記  この規格では,通常取り外し可能な構成部品は機械フレームから除いてもよい。このフレーム

は,旋回ベアリングの上部に取り付けることができる機械フレームを再現した構成だけが必要

である。

3.25

天頂境界仮想地面,VBSGP(vertical boundary simulated ground plane)

上下逆さまに転倒した姿勢で静止した機械の ROPS 上部構造部材によって設定した平面。

注記 1  この平面は,機械上部の剛性の高い箇所によっても設定できる。例えば,作業装置が機械の

製造業者が規定する床面最大掘削半径の状態で転倒し,上下逆さまの姿勢で静止したとき,

ブームの頂部及びカウンタウェイト頂部によって設定できる。

注記 2 VBSGP は,例えば作業装置が床面最大掘削半径の状態のブームの頂部及びカウンタウェイト

頂部のりょう(稜)線のような,剛性の高い 3 か所を含む。

3.26

DLV

の垂直投影(vertical projection of the DLV)

DLV の脚部を除く 4 隅の垂直投影で形成する範囲。

記号及び略語 

この規格で用いる記号及び略語は,次による。

U  保護構造物によって吸収されるエネルギーで,機械の質量に関係し,J で表示する。

F ROPS にかけられる力で,N で表示する。

M  製造業者が指定する最大運転質量で,作業に必要なアタッチメント,規定量の燃料,潤滑油,作動油


7

A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

など,携行工具及び ROPS を含み,kg で表示する。

L

次のように定義される ROPS の長さで,mm で表示する。

a)  1

柱式又は 2 柱式 ROPS にあっては,は ROPS の頂部において,ROPS 支柱の端面から片持ちはり

式耐負荷構造部材の他端までの距離とする(

図 参照)。

E ROPS 上部構造部材の上下方向中央 
F

負荷荷重

H ROPS 上部構造部材の高さ 
L ROPS の長さ 
W ROPS の幅 
LDD  負荷分散器具 
LAP  着力点 
BP DLV の境界面 
S

ソケット

負荷分散器具(LDD)は,寸法 の範囲を超えて延長してもよい。

図 3柱式 ROPS の側方着力点 

b)

多柱式長方形の ROPS については,長さ は(ROPS の頂部において)前後の支柱の外端面間の前

後方向の最大距離とする(

図 参照)。

注記 ROPS の主要構造部材が DLV の垂直投影を完全に覆うことは,必ずしも必要としない。

c)

カーブした形状の構造部材をもつ ROPS では,はカーブ部分の中点での柱とはりとの接線の交差


8

A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

部で設定する。

d)

ロールバー式の ROPS では,は適用しない。

e)

折れ曲がり形状の構造部材の ROPS では,

図 5 c)に示すように定める。すなわち,上部構造部

材の高さの 3 倍を とし,その上部構造部材の頂点を通る平面を だけ下げた平面を定義し,その

平面と前及び後ろの部材との交差部間(端部間)の距離を とする。

BP DLV の境界面 
E ROPS 上部構造部材の上下方向中央 
F

負荷荷重

L[W] ROPS の長さ又は幅 
LDD  負荷分散器具 
S

ソケット

注記 LAP 及び LDD の詳細については,図 の例を参照。この図 では,所要の負荷を同時にかける

ために,2 か所以上のソケットを使用する例として,2 か所のソケットを図示している。ROPS

が負荷時に回転するのを制限しないよう,両者に同レベルの負荷をかけなければならない。

図 4柱式 ROPS の側方着力点 

a)

  カーブ形状の構造部材(カーブ形状の柱)の場合の 又は 及び 寸法の例 

図 5−カーブ形状又は折れ曲がり形状の構造部材の例 


9

A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

b)

  カーブ形状の構造部材(カーブ形状の柱)の場合の着力点の例 

c)

  折れ曲がり形状の構造部材の場合の 及び 又は W,並びに寸法取りの例 

d)

  折れ曲がり形状の構造部材の場合の着力点の例 

A

二つの接線 B 及び C がなす角の二等分線

B D に平行でカーブした ROPS 構造部材の外側の面を通る接線 
C ROPS 上部構造部材の頂部の投影 
D

カーブ形状の ROPS 構造部材の隣接する部材との端部を結ぶ交線

F

負荷荷重

I

カーブ形状の部材と平面との交差部

H

負荷領域の高さ(深さ)

LDD  負荷分散器具 
L[W] LAP を決定するための ROPS の長さ又は幅 
S

ソケット

LAP  着力点 
Y LAP から下ろした垂線と柱の内側の面との交差部 
注記 1  A と B とのなす角は,A と C とのなす角と等しい。 
注記 2 LAP 及び LDD の詳細については,図 の例を参照。

図 5−カーブ形状又は折れ曲がり形状の構造部材の例(続き) 


10

A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

A  二つの接線 B 及び C がなす角の二等分線 
B ROPS 上部構造部材の(左側及び右側)側面の投影 
C ROPS 側面(左側を図示)の弧の部分の中点を通る接線 
L  負荷位置決定のための ROPS の長さ

図 6−カーブ形状の構造部材の別の例(平面図) 

W  次に示す ROPS の幅で,mm で表す。

a)

ロールバー式 ROPS では,構造部材の外端面部の最大幅とする。

b)

片持ちはり式の 1 柱式又は 2 柱式 ROPS にあっては,幅 は DLV の幅の垂直投影を覆っている耐

負荷構造部材(

図 1,図 及び図 参照)の部分をいい,ROPS の頂部において片持ちはり耐負荷構

造部材の最外側から他の最外側までの距離とする。

c)

他の全ての ROPS については,幅 は ROPS の頂部において左右の ROPS 支柱の外端面部の最大幅

とする(

図 参照)。

d)

折れ曲がった構造部材の ROPS では,幅 は での構造部材の最外側の垂直投影とする[

図 5 c)

参照)

e)

カーブ形状の構造部材の ROPS では,ROPS のカーブした部材が隣接部材と交差する点を結んだ面

を平面 D とし,その D に平行でカーブした部材の外側面に接する面を平面 B とし,ROPS の頂部構

造部材の上表面の投影を平面 C とし,平面 B と平面 C を二等分する平面 A と,柱の外側面の交差

点を X としたときに,は,その二点間の距離として定義する[

図 5 a)参照]。

Δ ROPS のたわみで,mm で表す。

H  次に示す負荷領域の高さで,mm で表示する。

a)

直線部材では,

図 に示す部材の頂部から底部までの距離。

b)

カーブ形状の部材では,は,

図 5 a)に示すように部材の頂部から長さ の端から下ろした垂直面

がカーブ形状の部材の内面と交差する部位までの高さ。

c)

折れ曲がった形状の部材では,は,

図 5 c)に示すように頂部部材の桁の高さの 3 倍。

d)

構造上分離した部材で構成される ROPS では,は,長さ 又は の範囲内で,下側の構造物の頂

部部材の最下部から,上側の構造物の最高位置までの高さである(

図 参照)。各構造部材は箇条 7

の材料要求を満足しなければならない。


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A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

注記  は ROPS の頂部構造部材の全高で,負荷分散器具 LDD の高さを決めるときに参照する。

図 7−構造部材が分離した ROPS の負荷分布領域の高さ 

試験方法及び設備 

5.1 

一般事項 

(ROPS は,

)側方荷重及び垂直荷重に耐え,かつ,側方エネルギー及び前後方向エネルギーも吸収する

ことが要求される。側方,前後方向及び垂直方向の負荷のもとで ROPS のたわみ量には制限が設けられて

いる。荷重要求及びエネルギー要求に加えて,これらの負荷の下でのたわみ制限は,ROPS が転倒時の衝

撃によって著しく変形しないことを保証することを意図している。

この評価手順は,必ずしも実際の転倒による構造物の変形を再現するものではない。しかし,特定の要

求事項は作業装置及び機械フレームを加味した ROPS の適合性に基づく解析的な考察だけでなく,多様な

実際の転倒事故において意図した機能を発揮した ROPS に関する検討から導き出されたものである。した

がって,少なくとも作業装置が製造業者の規定した 5.4.4 に規定する状態にある機械が最大傾斜 30°の堅

い粘土表面上を,地面との接触を失うことなく,旋回フレームの前後方向軸の回りに 360°回転する条件

の下で,シートベルトを付けた運転員が押しつぶされるのを防ぐことが期待される。

5.2 

計測装置 

質量,力及びたわみ量の計測システムは,JIS A 8322 に規定する正確さをもつものとする。ただし,力

及びたわみ量の測定精度は,最大値の±5 %とする。

5.3 

試験設備 

試験設備は,ROPS と旋回フレームとを結合した供試品及び作業装置を床面最大掘削半径の状態として

ベッドプレートに固定し,

表 又は表 に示す数式によって決まる又は推奨する側方負荷,前後方向負荷

及び垂直負荷をかけるのに適したものとする。

5.4 ROPS

と旋回フレームとの組立品及びベッドプレートへの取付け 

5.4.1 ROPS

は,実機と同様に旋回フレームに取り付けなければならない(

図 参照)。この評価には旋

回フレームの完成品は必要としない。しかし,旋回フレームとこれに取り付けられた ROPS の供試品は,

実機の構造様式を代表するものでなければならない。窓,パネル,扉,その他の通常取り外しできる全て

の非構造部品は,ROPS の評価結果に影響を与えないよう取り除いておく。ROPS 以外の要素(例えば,懸

架装置,ベアリング)で ROPS 構造の性能に構造上貢献するようなものは,それらを装着するか,又は模

擬してもよい。


12

A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

5.4.2 ROPS

と旋回フレームとを結合した供試品は,試験中におけるベッドプレートにつなぐ部材の変形

が経験的に最小に止まるように,ベッドプレートに固定しなければならない。また,ROPS と旋回フレー

ムとを結合した供試品は,最初の取付けによる以外は,ベッドプレートからいかなる支持もしてはならな

い。

5.4.3

機械と地上間の全ての緩衝装置は,供試品の荷重−たわみ特性に影響しないよう,外部から確実に

固定して試験を行わなくてはならない。ただし,ROPS を旋回フレームに取り付け,かつ負荷の伝達路と

して働く緩衝部品はそのままとし,試験開始時には機能しているようにする。

5.4.4

作業装置は,シリンダのようなアクチュエータを含め,機械の製造業者が指定する床面最大掘削半

径の位置でブームが最も低い状態とする。

作業装置又は他の機器(例えば,ブーム及びアームシリンダ)が,負荷時にたわんだ ROPS と干渉し得

る場合は,それらが ROPS 構造の変形に及ぼす影響を判定するため取り付けておくか模擬する。

作業装置は現物でもよく,又は現物と寸法,剛性及び姿勢が同等のものでもよい。

1 ROPS 
2

旋回フレーム

3

ブーム

4

ブームシリンダ

5

ベッドプレート

図 8−旋回フレームの取付け 

試験負荷手順 

6.1 

一般事項 

6.1.1

試験の負荷順序は,最初に側方,次に前後方向,三番目に垂直方向とする。全ての試験は同一の代

表的供試品を使用して実施する(エネルギー及び荷重の要求値の決定に使用する数式は,

表 及び表 

参照)

。何らかの理由で負荷を一旦停止し,再度負荷する場合は,除荷すると最初の負荷時の最大たわみか

ら少し戻ることがあるが,そこから再度負荷して最初の負荷時の最大たわみに達するときまでのエネルギ

ーは無視し,その後に負荷されたエネルギーの追加分だけを最初の負荷時のエネルギーに加えた和で評価

する。

6.1.2

負荷試験に先立って,全ての着力点及び面,並びに前後方向中心線を確認し,構造物上にマークす

る。

6.1.3

負荷試験の途中又は負荷試験と負荷試験との間に,部材の曲がりを直したり,修理してはならない。


13

A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

6.1.4

局部的陥没(又は変形)を防ぐため負荷分散器具を使用してもよいが,ROPS の垂直軸回りの回転

を拘束してはならない。

6.1.5

6.2

及び/又は 6.4 に規定する負荷は,

表 及び表 に規定するエネルギー又は力のレベルが達成

される前に,LBSGP 又は VBSGP に到達した場合は,打ち切ってもよい。試験の際にこの条件を使用する

ときは,

機械の剛性の高い箇所をあらかじめ設定しておかなければならない。

剛性の高い箇所のたわみは,

次によって確認する。

a)

各箇所において LBSGP 及び/又は VBSGP に機械の標準的な質量と同等な荷重を垂直に負荷する

(ROPS のはり及び柱の地面へのめりこみだけでなく,剛性の高い箇所のたわみも考慮する。

b)

各剛性の高い箇所でのたわみを測定し,たわんだときの LBSGP 及び/又は VBSGP を設定する。

c)

上記の方法で設定した LBSGP 及び/又は VBSGP を使って全ての実地の試験を行う。

注記  6.2 及び/又は 6.4 で LBSGP 及び/又は VBSGP を適用するか否かは製造業者の選択であり,

適用しない場合は上記 a)c)に規定する確認は不必要である。

6.1.6

試験の対象であり,負荷に耐え,及び/又はエネルギーを吸収する部材として設計された全ての構

造部材は,箇条 の材料規定に適合しなければならない。

6.2 ROPS

の側方負荷試験 

6.2.1

側方負荷は,ROPS の頂部構造部材にかける。

負荷分散器具が構造部材に接する高さは,を超えてはならない。

負荷分散器具は,ROPS の構造部材の輪郭に接するよう整形した形状としてもよい。

6.2.2

着力点は,長さ と DLV の前後の面の垂直投影線によって決定する。すなわち,着力点は 1 柱式

又は 2 柱式 ROPS の支柱から L/3 以内にあってはならない。L/3 の点が DLV の垂直投影線と 1 柱式又は 2

柱式 ROPS の支柱との間にあるときは,それが DLV の垂直投影内に入るまで,着力点を ROPS 支柱から離

れる方向に動かさなければならない(

図 参照)。

負荷は,DLV の中心線が機械の中心線から最大の距離にある側の ROPS の側面から負荷しなければなら

ない。

6.2.3

3 柱式以上の ROPS の場合は,着力点は DLV の前後の境界面の垂直投影線の間に置かなければな

らない(

図 参照)。

6.2.4

運転席が旋回フレームの前後方向の中心線上より外れている場合,負荷は運転席に近い側の最外端

から加えなければならない。

6.2.5

側方負荷は運転席に近い側の最外端で,作業装置から最も離れた位置から加えなければならない。

6.2.6

側方負荷の最初の方向は,水平で,かつ,旋回フレームの前後方向中心線を通る垂直面に対して垂

直でなければならない。負荷の継続とともに ROPS 又は旋回フレームに変形が生じ,負荷の方向が変化す

ることがあるが,これは許容される。

6.2.7

たわみの速度は,負荷が静的であると考えられる程度とする。着力点(LAP)におけるたわみ速度

が 5 mm/s 以下の場合は,静的負荷とみなされる。15 mm 以下の変位量ごとに,着力点で測定した荷重と

たわみ量を記録しなければならない。この負荷は ROPS が荷重及びエネルギーの両要求レベルを達成する

か,又は ROPS の着力点(LAP)が機械側面の剛性の高い箇所によって規定された LBSGP に達するまで続

けなければならない。エネルギーの計算方法については,

図 を参照。ただし,エネルギーの計算に

用いるたわみ量は,負荷の作用方向に沿った ROPS のたわみ量とする。負荷装置を支えるいかなる部材の

たわみも,全たわみ量に含めてはならない。


14

A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

エネルギーU

(

)

(

)

2

...

2

2

N

1

N

1

N

N

2

1

1

2

1

1

F

F

F

F

F

U

+

Δ

Δ

+

+

+

Δ

Δ

+

Δ

=

F  荷重 
Δ  たわみ

図 9−負荷試験時の荷重−たわみ曲線 

6.3 ROPS

の前後方向負荷試験 

6.3.1

側方負荷を除去した後,前後方向負荷を機械の後方から ROPS の頂部部材に ROPS の前後方向中心

線に沿って負荷する。ROPS が変形していても負荷を継続できるように,負荷分散器具は 全幅に負荷を

分散するのがよい(

図 及び図 10 参照)。

6.3.2

前後方向負荷は,側方負荷に先立って設定された

図 10 の位置に負荷しなければならない。

負荷分散器具は,全幅にかからなければならない(

図 10 参照)。

6.3.3

前後方向負荷は,負荷に先立って設定された

図 の位置に負荷しなければならない。座屈を起こさ

ずに負荷を伝達できる後(前)のクロスメンバがない場合には,負荷分散器具は全幅にわたるものとする。

その他の全ての場合,負荷分散器具の長さは,ROPS の幅 の 80 %を超えて負荷を分散させてはならない

図 10 参照)。

6.3.4

どの機械の場合でも,前後方向負荷の向き(前又は後)は,ROPS と旋回フレームの組立品にとっ

て最も厳しい条件となる向きを選ばなくてはならない。最初の負荷方向は,水平で,かつ,機械の前後方

向中心線に平行でなければならない。前後方向負荷の向きを決めるに当たって,更に次の事項を考慮しな

ければならない。

a) DLV

に対する ROPS の位置及び ROPS の前後方向のたわみが,運転員を押しつぶさないよう保護する

効果。

b)

例えば,他の機械の構造部材が ROPS の前後方向たわみに抵抗し,ROPS に対する負荷の前後方向成

分の方向を制限することなどの機械の特性。

c)

前後方向の転倒の可能性,又は実際の転倒の間,前後方向軸のまわりに回転するときに機械が斜めに

なるような傾向をもつ特殊な機種であることを示す経験。


15

A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

a)

  座屈を起こさずに負荷を伝達できる後(前)のクロスメンバがない場合の前後方向負荷分散器具 

b)

  その他の場合の前後方向負荷分散器具 

BP

境界面

LAP  着力点 
LDD  負荷分散器具 
S

ソケット

LDW  負荷分散器具の幅(後部のクロスメンバがない場合は ROPS の全幅で,クロスメンバがある場合は 0.8 以内。)
W ROPS の幅 
a

機械前後方向中心線に平行な線

図 10−前後方向負荷分散器具 

6.3.5

後方からの負荷は,ROPS の前後方向中心線に沿って ROPS の上部構造部材に負荷する。これは機

械の上部旋回体が下部走行体に対して時計回りに 0°∼90°旋回した位置にあるときに転倒したとき(の

負荷)を対象としており,前後方向エネルギー要求事項を適用する(指針として 6.2.7 を参照し,許容基

準としては箇条 を参照)

6.3.6

たわみの速度は,負荷が静的であるとみなせる程度とする(6.2.7 参照)


16

A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

この負荷は,ROPS が前後方向エネルギー要求を満足するか,又は ROPS の変形が機械上部の剛性の高

い箇所で設定される LBSGP 又は VBSGP に到達するまで続けなければならない。

6.4 ROPS

の垂直負荷試験 

6.4.1

側方負荷試験及び前後方向負荷試験の完了後,ROPS 頂部に垂直荷重を負荷する。

6.4.2

全ての ROPS に対し,垂直荷重の中心は,6.2 の側方負荷のように変形前の ROPS 構造上で定めた

のと同一垂直面内で,ROPS 構造の前後方向中心線に直角に負荷する。

6.4.3 ROPS

上にかける垂直荷重は,変形した ROPS の(6.1.2 でマークした)前後方向中心線に対称に,

分散方法の制限なく負荷する。

図 11 に垂直荷重の適用例を示す。

1 ROPS 
2

旋回フレーム

3

ブーム

4

ブームシリンダ

5

ベッドプレート

6

垂直負荷器具

7

垂直荷重

図 11−垂直負荷 

6.4.4

たわみの速度は,負荷が静的であると考えられる程度とする(6.2.7 参照)

この負荷は,荷重のレベルが

表 の規定に達するまで,又は ROPS の変形が機械上部の剛性の高い箇所

で設定した VBSGP に到達するまで続ける。

保護構造は,5 分間又は変形が終了するまでのうち,いずれか短い方の時間だけこの荷重を支えなけれ

ばならない。

材料の温度基準 

7.1

負荷要求事項のほかに,ROPS がぜい(脆)性破壊に対して十分な耐性をもたせるために,材料−温

度要求事項を規定する。この要求事項は,引き続いて製造する ROPS の材料が,試験に使用した供試品と

同等以上の強度特性をもつ場合には,

全ての構造部材を−18  ℃以下の温度の中で静的負荷試験を行うこと

によって達成される。代替法として,この要求事項は,全ての ROPS 構成部材が 7.27.4 に示す機械的要

求事項を満たす場合には,より高い温度下での負荷試験によっても達成される。


17

A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

7.2

構造結合に使用するボルト及びナットは,JIS B 1051 に規定する強度区分 8.8,9.8 又は 10.9 のボル

ト,及び JIS B 1052-2 に規定する強度区分 8 又は 10 のナットとするのがよい。

注記 1  (対応国際規格ではフートポンド法を用いる国に対する注意事項を記載しているが,JIS 

は削除した。

注記 2  強度区分 10.9 を超えるボルト及び強度区分 10 を超えるナットは,ぜい(脆)性破壊及び遅

れ破壊を避けるためにより厳密な品質管理を必要とすることがある。

7.3 ROPS

構成部材及びこれを旋回フレームに取り付けるのに使用する材料は,−30  ℃において,

表 1

に示すシャルピーV ノッチ(CVN)衝撃強度の一つを満足するか,若しくはそれ以上の鋼材であるか,又

は 7.4 に示す基準に適合しなければならない(シャルピーV ノッチ衝撃試験による評価は,元来,品質管

理上のチェックのためのものであって,表示した温度は必ずしも直接に使用条件に関係するものではな

い。

表 1−シャルピーノッチ試験の最小衝撃強度 

試験片寸法

mm

エネルギー基準

−30 ºC

a)

にて

J

エネルギー基準

−20 ºC

a)

にて

J

試験片寸法

mm

エネルギー基準

−30 ºC

a)

にて

J

エネルギー基準

−20 ºC

a)

にて

J

10×10

b)

10×9 
10×8 
10×7.5

b)

10×7 
10×6.7

11

10

9.5 
9.5 

8.5

27.5 
25 
24 
24 
22.5 
21

10×6 
10×5

b)

10×4 
10×3.3 
10×3 
10×2.5

b)


7.5 



5.5

20 
19 
17.5 
15 
15 
14

a)

  −20 ºC におけるエネルギー要求値は,−30 ºC における規定値の 2.5 倍である。ただし,衝撃エネルギー

強度には,その他の,例えば,ロール方向,降伏点,粒塊形成及び溶接といった要因も影響する。鋼材の

選定及び使用に当たっては,これらのことも考慮しなくてはならない。

b)

  推奨寸法を示す。試験片の寸法は,各推奨寸法のうち可能な範囲で最大の寸法を下回ってはならない。

試験片はロールの圧延方向にとり,ROPS として成形又は溶接する前の板材,管材,形鋼などから取ら

なければならない。管材又は形鋼の試験片は,最長寸法の中央部からとり,溶接部を含んではならない(JIS 

Z 2242

参照)

7.4

次のものは,シャルピーV ノッチ衝撃試験の要求事項に適合したものとみなす。

a)

厚さが 2.5 mm 未満で,最大炭素含有量が 0.20 %の鋼。

b)

厚さが 2.5 mm 以上 4.0 mm 以下で,最大炭素含有量が 0.20 %の細粒化キルド鋼。

許容基準 

8.1

一つの代表的な供試品の試験において,一定の側方荷重及びエネルギー,前後方向エネルギー及び

垂直耐負荷能力をそれぞれ満足するか又はこれらを超えなければならない。

キャブライザのない機械に対する要求値を決定するには,

表 に示す算定式を使用しなければならない。

キャブライザを装着した機械に対する要求値を決定するには,

表 に示す算定式を使用することができ

る。

側方負荷試験での荷重とエネルギーの要求値は,同時に達成される必要はない。いずれか一方が他が達

成される前に要求値を超えることがあり得る。エネルギー要求値に達する前に,荷重が要求値に到達し,

この後(負荷継続中)に,一旦要求値以下に下がることがあるが,この場合には,側方エネルギーの要求


18

A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

値を満足又は超過した時点で,荷重が再び要求レベルに達していなければならない。

ROPS 又はキャブ構造への負荷は,表 及び表 に示すエネルギー又は荷重のレベルを満たす前に,

LBSGP 又は VBSGP に到達した時点で打ち切ってもよい。

表 2−エネルギー及び荷重を算定する計算式−キャブライザなしの機械 

側方エネルギーU

s

(J) 13

000×(M/10 000)

1.25

側方荷重 F

s

 (N)

35 000×(M/10 000)

1.2

前後方向エネルギーU

f

 (J)

4 300×(M/10 000)

1.25

垂直負荷 F

V

(N) 12.75×M

表 3−固定式キャブライザ付き機械のエネルギー及び荷重を算定する計算式(参考) 

高さ 500 mm 以下の

キャブライザ装着

高さ 500 mm を超え,

1 300 mm

以下のキャブライザ装着

高さ 1 300 mm を超える

キャブライザ装着(TOPS)

側方エネルギーU

s

 (J)

13 000×(M/10 000)

1.25

 13

000×(M/10 000)

1.25

 13

000×(M/10 000)

1.25

側方荷重 F

s

 (N)

35 000×(M/10 000)

1.2

 50

000×(M/10 000)

1.2

 50

000×(M/10 000)

1.2

前後方向エネルギーU

f

 (J)

4 300×(M/10 000)

1.25

 4

300×(M/10 000)

1.25

 4

300×(M/10 000)

1.25

垂直荷重 F

V

 (N)

12.75×M 19.61×M

M

注記 1  キャブライザ付きのショベルの転倒時の挙動については,更なる検討が必要である。製造業者は,妥当な

実績及び経験に基づいてキャブライザの高さに応じたリスクを考慮して必要な保護を決定するのがよい。

注記 2  この表の計算式は,参考としてだけ用いる。

8.2 ROPS

のたわみに関する制限は絶対的である。側方負荷試験中いかなるときも,ROPS のいかなる部

分も DLV の LA(JIS A 8910 

附属書 参照)より上の部分に入り込んではならない。ただし,6.1.5 に従

って検証した LBSGP にたわみが到達することによって負荷が制約される場合を除く。8.5 に規定するよう

に,DLV は傾斜してもよい。

8.3

前後方向負荷試験中いかなるときも,ROPS のいかなる部分も DLV に入り込んではならない。8.6

に規定するように,DLV は傾斜してもよい。

8.4

垂直負荷試験中いかなるときも,ROPS のいかなる部分も DLV に入り込んではならない。ただし,

6.1.5

に従って検証された VBSGP[

図 13 b)参照]に変位が到達することによって負荷が制約される場合を

除く。8.5 及び 8.6 に規定するように,DLV は傾斜してもよい。

8.5

側方負荷時,DLV の SIP(JIS A 8318 参照)より上の部分を側方に 15°まで傾けてもよい。より小

さい角度において,機械構成部品の一部又は操縦装置が邪魔になるような場合には,DLV の側方への回転

は,15°未満にしなければならない(

図 12 参照)。DLV を取り付けた床の変形によって DLV の上部が更

に回転してもよい。


19

A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

a)

  試験負荷用のブーム及びブームシリンダを含めた旋回フレームを取り付けた ROPS 

b)

  ROPS 及び LBSGP 

1 ROPS 
2 DLV 
3 LSGP 
4

ブーム

5 LA 
6

ブームシリンダ

7 SIP 
8 LBSGP 
注記  側方負荷の除去後,前後方向負荷及び垂直負荷に起因して上図以外に ROPS の変

形が増すことがあり得るが,ROPS はそのような変形も含め前後方向,次いで垂
直の許容基準によって確認しなければならない。

図 12DLV 上部の傾斜 

8.6

前後方向負荷の間中,ROPS 部材の貫入を防ぐため,DLV の上部を JIS A 8910 

附属書 に規定す


20

A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

る基準軸 LA の周りに前方 15°まで傾けてもよい。より小さい角度において,機械構成部品の一部又は操

縦装置が邪魔になるような場合,DLV の前方への回転は,15°未満にしなければならない。

a)

  試験負荷用の作業装置を含めた機械の上部構造体を取り付けた ROPS 

b)

  ROPS 及び VBSGP 

1 ROPS 
2 DLV 
3

ブーム

4

カウンタウェイト

5 LA,SIP 
6 VBSGP

図 13−垂直負荷時の DLV の前方への傾斜 

8.7 ROPS

,その取付部又は旋回フレームの破損によって,ROPS が旋回フレームから脱落するようなこ

とがあってはならない。部分的な破損があったとしても,ROPS は,要求される荷重及びエネルギーレベ

ルでは機械から完全には脱落しないことを示さなければならない。

9 ROPS

のラベル表示 

9.1 

一般 

この規格の要求事項に適合した ROPS には,9.2 及び 9.3 に従ってラベル表示しなければならない。

このラベルには,OPG(JIS A 8922 参照)又は FOPS(落下物保護構造)に関する情報を含めても差し支

えない。


21

A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

9.2 

ラベルの仕様 

9.2.1

ラベルは,耐久性のあるものとし,ROPS 構造に永久的に取り付けなければならない。

9.2.2

ラベルは,容易に読み取れ,かつ,天候による劣化を防ぐことのできる ROPS 構造上の位置に取り

付けなければならない。

9.3 

表示の内容 

表示の内容は,ROPS 製造業者の名称及び所在のほか,次のとおりとする。

a) ROPS

の型式及び識別番号

b) ROPS

が装着可能な機械の型式名称又は製造番号

c) ROPS

が,その全ての性能基準に合格する日本工業規格番号(国際規格・地域規格・規制を含めても

よい。

d)

製造業者が必要と考えるその他の事項(例えば,取付け,修理又は取替えに関する情報)

10 

試験結果報告 

試験結果は,

附属書 に示す試験報告書様式を用いて報告する。

11 

取扱説明書 

機械の製造業者は,この規格に適合する ROPS がどの機種まで適用可能か,その ROPS が保護構造とし

て証明された機械本体,作業装置(適用可能な場合には,それらの派生機種も含む。

)の仕様を取扱説明書

に明確に記述しなければならない。


22

A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

附属書 A

(規定)

JIS A 8921-2

に適合する ROPS の試験報告書

A.1 

確認事項 

A.1.1 ROPS

装着機械 

形式..................................................................................................................................................................

製造業者..........................................................................................................................................................

型式..................................................................................................................................................................

製造番号..........................................................................................................................................................

旋回フレーム部品番号 ..................................................................................................................................

A.1.2 ROPS 

製造業者..........................................................................................................................................................

形式及び型式 ..................................................................................................................................................

製造番号..........................................................................................................................................................

ROPS 部品番号 ...............................................................................................................................................

A.2 

機械製造業者からの情報 

A.2.1 ROPS 

この ROPS を適用できる機械群の最大運転質量 ................................................................................  kg

試験に用いた機械の運転質量 ................................................................................................................  kg

幾何データ ......................................................................................................................................................

DLV の位置 .....................................................................................................................................................

A.2.2 

負荷条件 

側方境界仮想地面(LBSGP)の三次元データ..........................................................................................

天頂境界仮想地面(VBSGP)の三次元データ .........................................................................................

A.3 

性能基準 

側方負荷荷重 .............................................................................................................................................  N

側方負荷エネルギー ..................................................................................................................................  J

前後方向負荷エネルギー ..........................................................................................................................  J

垂直負荷荷重 .............................................................................................................................................  N

A.4 

試験結果 

A.4.1 

側方境界仮想地面(LBSGP)及び天頂境界仮想地面(VBSGP)の位置 

側方境界仮想地面(LBSGP)の幾何データ..............................................................................................

天頂境界仮想地面(VBSGP)の幾何データ .............................................................................................

A.4.2 

側方負荷試験 

ROPS 構造部材が DLV へ侵入することなしに,次の荷重及び/又はエネルギーレベルに達し,又はこれ


23

A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

を超過することができた。

エネルギー要求値に到達又はそれを超えた後に達成した最大荷重..................................................  N

到達した吸収エネルギー値 ......................................................................................................................  J

又は

負荷が 8.1 に記述した状態に到達した。

到達負荷荷重 .............................................................................................................................................  N

到達負荷エネルギー ..................................................................................................................................  J

機械の側面の剛性の高い箇所に負荷した側方荷重 .............................................................................  N

DLV と ROPS との隙間 ......................................................................................................................... mm

A.4.3 

前後方向負荷試験 

ROPS 構造部材が DLV に侵入することなしに,次のエネルギー値に到達し,又はこれを超過した。

到達最大エネルギー値 ..............................................................................................................................   J

DLV と ROPS との隙間 ......................................................................................................................... mm

A.4.4 

垂直負荷試験 

ROPS 構造部材が DLV に侵入することなしに,次の垂直負荷荷重値に到達し,又はこれを超過した。

最大負荷荷重 .............................................................................................................................................  N

又は

到達負荷荷重 .............................................................................................................................................  N

機械頂部の剛性の高い箇所に負荷した垂直荷重 .................................................................................  N

DLV と ROPS との隙間 ......................................................................................................................... mm

A.4.5 

温度及び材料 

A.4.5.1 

負荷試験は,ROPS と旋回フレーム部材を用いて気温      ℃で行った。

A.4.5.2 

A.4.5.1 が−18  ℃より低い温度の場合だけ記入)

ROPS を構成する鋼材のシャルピーV ノッチ衝撃試験結果は,次のとおりである。

試験片の寸法

         mm×         mm

エネルギー値 ..............................................................................................................................................  J

ナットの強度区分 ..........................................................................................................................................

ボルトの強度区分 ..........................................................................................................................................

A.5 

証明書 

機械の最大質量         kg に対する本試験において,JIS A 8921-2 に規定する最小性能要求事項を満足

した。

ROPS 型式.......................................................................................................................................................

試験 ROPS を装着した油圧ショベルの型式 ..............................................................................................

試験年月日 ......................................................................................................................................................

試験機関の名称及び所在地 ..........................................................................................................................

試験担当者 ......................................................................................................................................................

試験報告書の日付 ..........................................................................................................................................


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A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

附属書 B

(参考)

設計変更,実物試験及び改造

B.1 

設計変更 

ROPS 又は機械フレームに設計変更を行った場合,次のいずれかの場合を除き実物試験が必要である。

a)

実物試験を実施した既存の設計に対する小変更であると判断できるとき。

b)

その変更が ROPS 及び機械フレームの性能に不都合な影響を及ぼさないとき。

B.2 

改造又は補修 

変形したと認められる ROPS 構造は,再使用されない。

製造業者の承認がない限り,保護構造に改造又は補修を加えることは許されていない。正当な承認なし

に改造又は補修した ROPS 保護構造は,この規格に適合しない。

B.3 

実物試験の代用 

主要部が新規設計の ROPS の理論的な性能解析は,実物試験の代用としては認められていない。


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A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

附属書 C 
(参考)

理論的根拠−ROPS 性能要求事項

C.1 

一般 

この附属書では,要求基準をどのように作成したかについて説明している。

論点は,油圧ショベルの次の特性によって,油圧ショベル用の ROPS の基準を,他の土工機械用の ROPS

の基準に対して異なったものとして規定する必要性があるかどうかである。

−  横転又は転倒時にブーム及び他の剛性の高い箇所による保護の可能性

−  比較的大型の作業装置(ブーム,アーム及びバケット)及びその結果としての機械の広い作業範囲

−  上部旋回体の 360°旋回

この規格の主たる技術的な基礎は,次による。

−  世界中の事故の解析

−  実際の転倒実験

−  米国及び日本で実施した ADAMS 又は PAM/CRASH ソフトウェアを使用したシミュレーション解析

−  日本の専門家が実施した更なるシミュレーション解析

−  ミニショベルの横転実験

C.2 

境界仮想地面(BSGP 

油圧ショベルが転倒又は横転したときに,油圧ショベルのブームが運転員をかなりの程度まで保護する

ことがあることが,一般に知られている。例えば,日本での 1996 年から 1999 年における公共工事での横

転・転倒・落下事故 38 件の報告では,そのうち 31 件で,キャブの変形は限定され,DLV が基本的に確保

されていたことが示されている。このような保護を考慮して,境界仮想地面(BSGP)の考え方を導入して

いる。

油圧ショベルが転倒したときに(できごとの 1)

,機械が地面と接する 3 点(ブームの最高部分,キャブ

を支持するフレームの前左端,カウンタウェイトの上部左端)を通る平面を想定し,運転員の空間(DLV

で代表する)が ROPS の構造部材又は地面と接触しないと想定すると,キャブ内の運転員が有効に保護さ

れていると考えられる。機械が上下逆さまになったとき(できごとの 2)

,ブーム頂部とカウンタウェイト

後端頂部とが地面と接触し,DLV は ROPS の構造部材又は地面と接触しないと想定すれば,キャブ内の運

転員は,この場合も保護されていると考えられる。

この規格では,JIS A 8910 で定義し使用している側方仮想地面(LSGP)及び天頂仮想地面(VSGP)と

の混同を避けるため,境界仮想地面(BSGP)

(LBSGP 及び VBSGP)との用語を使用しており,

“できごと

の 1”では LBSGP として定義し,

“できごとの 2”では VBSGP として定義している。

C.2.1 BSGP

の剛性の高い箇所 

LBSGP は,カウンタウェイト左側面,ブーム左側面の最高位置及びキャブを支持するフレームの左側前

端の剛性の高い箇所 3 点を含む平面である。

VBSGP は,ブームの頂部及びカウンタウェイト後部のりょう(稜)線の,剛性の高い 3 か所を含む。

C.2.2 

剛性の高い箇所の検証 

それらの箇所が十分に剛性が高いか否かを検証するため,機械の質量に重力加速度を乗じた荷重(重量


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A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

に相当する荷重)を各箇所に負荷して,そのときに生じた変位を考慮して LBSGP 及び/又は VBSGP を設

定するのが適切と考えられる。ROPS の評価のために,LBSGP 及び/又は VBSGP の基準を適用すること

を決定した場合は,6.1.5 に規定した検証方法が必要となる。

注記  6.1.5 の剛性の高い箇所の検証手順は,任意である。表 及び表 の負荷要求値に適合するよう

ROPS を設計するか,又は,側方負荷に対しては LBSGP によって,垂直負荷に対しては VBSGP

によって,ROPS が DLV に侵入することのないよう機械の剛性の高い箇所を適切に設計するか

は,製造業者の選択である。後者の場合には,検証手順が必要となる。

C.2.3 LBSGP

及び/又は VBSGP を適用する場合の実物試験の必要性 

LBSGP の基準及び/又は VBSGP の基準を適用することは,ROPS の側方,前後方向及び垂直負荷試験

の省略を意味しない。LBSGP 基準は,側方負荷試験において適用し,

表 及び表 のエネルギー及び荷重

要求を置き換えるものである。同様に VBSGP 基準は,垂直負荷試験において適用し,

表 及び表 の垂

直荷重要求値を置き換えるものである。

C.3 

前後方向エネルギー 

(油圧ショベルの)転倒実験は,上部旋回体と下部走行体とを平行の状態として実施した。この場合,

ROPS に対する前後方向のエネルギー負荷がないか,あっても無視できるほど僅かであると想定していた。

しかし,米国で実施したシミュレーション解析では,上部旋回体が下部走行体に対してある程度の角度を

なした状態で機械が転倒したときには,前後方向に顕著なエネルギー負荷が発生する場合があることが明

らかとなった。

上部旋回体が下部走行体に対して反時計回りの角度の位置で転倒したときは,エネルギーの一部はキャ

ブの左側前部に前後方向に負荷される。しかしながら,このような姿勢で機械が転倒するのはまれである

と考えられ,また,そうなったとしても,キャブの損傷は側方境界仮想地面(LBSGP)によって制約され

て転倒するのは僅かであろうし,その結果,運転員は確実に保護されるであろう。

注記  日本が実施した追加シミュレーション解析では,上部旋回体が下部走行体に対して反時計回り

の角度で,作業装置が床面最大掘削半径の状態からは,機械は転倒しにくいことが示された。

床面最大掘削半径の位置からブームを持ち上げれば,機械の転倒が発生する可能性がでてくる

が,ブームを持ち上げると LBSGP によってキャブの変形がより制約されることになろう。

上部旋回体が下部走行体に対して時計回りの角度の位置で転倒した場合,

(キャブの)後方からある程度

の負荷がかかると考えられる。日本で実施した追加シミュレーション解析では,上部旋回体が下部走行体

に対して平行の場合の前後方向荷重は 1.47 M(0.15 Wf,機械重量の 0.15 倍)であり,時計回りの角度の位

置では,1.37 M(0.14 Wf,機械重量の 0.14 倍)であった。この値は,比較的小さいので,前後方向負荷に

関しては,側方負荷エネルギー要求の 1/3 のエネルギー負荷を本文で規定している。この 1/3 のエネルギ

ー負荷条件は,ミニショベル用 TOPS(JIS A 8921 参照)に対する前後方向負荷の推奨値によっている。

C.4 

垂直負荷荷重 

機械が上下逆さまの位置になったときに,

他の土工機械では主としてキャブが機械を支えるのに対して,

油圧ショベルでは主としてブームが機械を支えるであろうと考えられる。このため,

(油圧ショベルにおい

ては)他の土工機械用 ROPS の垂直負荷荷重の要求値 2 W(19.61 M)より軽減してもよいと考えられる。

20 t クラスの油圧ショベルを使用した実機転倒実験の結果では,垂直負荷荷重はおおよそ 1 W(9.8 M)

(残

留ひずみを無視)から 0.7 W(7 M)

(残留ひずみを考慮)であることを示している。PAM/CRASH ソフト


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A 8921-2

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ウェアを使用したシミュレーション解析の結果では,垂直負荷荷重は,おおよそ 0.9 W(9 M)から 1.2 W

(12 M)の間である。

これらの結果に基づいて,平均値に偏差を加えて 1.3 W の値を導いた。

注記  日本で実施した追加シミュレーション解析では,ROPS に対する垂直負荷荷重は,上部旋回体

が下部走行体に対して平行の状態では 11.6 M(1.18 W)であり,時計回りの状態では 11.3 M(1.16

W)であった。

C.5 

台上試験における最悪条件での負荷 

この規格に適合する ROPS の確認試験では,最悪条件での負荷を考慮して実施するのが望ましい。例え

ば,ROPS に側方負荷する場合には,ROPS の最弱部であろう溶接部にブーム又はシリンダが接触し,ROPS

の性能に影響することがある。

C.6 

側方負荷荷重 

側方負荷荷重の基準を決定する目的で,油圧ショベルの ROPS 及びブルドーザの ROPS の転倒時の側方

負荷荷重を計算する解析を実施した。ROPS の最大変位の状態での側方負荷荷重を比較すると,機械の質

量に対する負荷荷重の比では,油圧ショベルの ROPS はブルドーザの ROPS の値の半分であった。これに

よって,油圧ショベルの ROPS の側方負荷荷重の基準をブルドーザの ROPS の側方負荷荷重の基準の半分

として導入した。

C.7 DLV

の傾斜 

油圧ショベルのキャブが比較的狭いことを考慮して,DLV 上部が SIP(LA)回りに 15°まで傾斜しても

よいこととした。このことは,ミニショベル用 TOPS(横転時保護構造,JIS A 8921 参照)の許容基準から

導いた。


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A 8921-2

:2011 (ISO 12117-2:2008)

参考文献 

[1]  JIS A 8320  土工機械−機械全体,作業装置及び構成部品の質量測定方法

注記  対応国際規格:ISO 6016,Earth-moving machinery−Methods of measuring the masses of whole

machines, their equipment and components(IDT)

[2]  JIS A 8911  土工機械−シートベルト及びその取付部−性能要求事項及び試験方法

注記  対応国際規格:ISO 6683,Earth-moving machinery−Seat belts and seat belt anchorages−

Performance requirements and tests(IDT)

[3]  JIS A 8920  土工機械−落下物保護構造−台上試験及び性能要求事項

注記  対 応 国 際 規 格 : ISO 3449 , Earth-moving machinery − Falling-object protective structures −

Laboratory tests and performance requirements(IDT)

[4]  JIS A 8921  土工機械−ミニショベル横転時保護構造(TOPS)−試験方法及び性能要求項目

注記  対応国際規格:ISO 12117,Earth-moving machinery−Tip-over protection structure (TOPS) for

compact excavators−Laboratory tests and performance requirements(IDT)

[5]  JIS A 8922  土工機械−油圧ショベル−運転員保護ガードの試験及び性能要求事項

注記  対応国際規格:ISO 10262,Earth-moving machinery−Hydraulic excavators−Laboratory tests and

performance requirements for operator protective guards(IDT)

[6]  JIS Z 2242  金属材料のシャルピー衝撃試験方法

注記  対応国際規格:ISO 148-1,Metallic materials−Charpy pendulum impact test−Part 1: Test method

(MOD)

[7]  EN 13510,Earth-moving machinery−Roll-over protective structures−Laboratory tests and performance

requirements