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日本工業規格

JIS

 A

8915

-1995

土工機械の重心位置測定方法

Earth-moving machinery

−Method for locating the centre of gravity

1.

適用範囲  この規格は,土工機械(

1

)

(以下,機械という。

)の重心位置測定方法について規定する。

(

1

)

ここでいう土工機械とは,トラクタ,ローダ,スクレーパ,油圧ショベル,モータグレーダ,

ダンプトラック,タイヤローラ,振動ローラ,ロードローラなどをいう。

備考1.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 7510

  精密水準器

JIS B 7512

  鋼製巻尺

JIS B 7526

  直角定規

JIS B 7534

  金属製角度直尺

JIS Z 8401

  数値の丸め方

2.

この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO 5005

  Earth-moving machinery−Method for locating the centre of gravity

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。

(1)

垂直基準面 1  重心位置表示の基準となる平面で,一般には,起動輪又は後輪(3 軸以上の場合は最後

輪)の軸心を含む垂直平面。ただし,ローダの場合は,遊動輪(

2

)

又は前輪の軸心を含む垂直平面。

(

2

)

遊動輪の位置は,仕様書に定める接地長さに対応する位置とする。

(2)

垂直基準面 2  重心位置表示の基準となる平面で,クローラ中心距離,輪距又は締固め幅の中心線を

通り,垂直基準面 1 と交わる垂直平面。

(3)

水平基準面  重心位置表示の基準となる平面で,機械の置かれる水平面。ただし,クローラ式機械で

は,シューの突起が沈まない面とする。

(4)

水平前後座標  重心から垂直基準面 1 までの距離。

(5)

水平横座標  重心から垂直基準面 2 までの距離。前進方向を向いて重心が垂直基準面 2 より右にある

場合を+,左にある場合を−とする。

(6)

垂直座標  重心から水平基準面までの距離。

3.

測定条件  機械は,次の条件で測定を行う。

なお,当事者間で同意した他の条件で行うこともできる。

(1)

機械は,土砂などの付着,部分的変形などがなく,正常に稼働できる状態とする。

(2)

燃料は,タンク容量の 95%以上,冷却水,潤滑油,作動油などはそれぞれ規定された量とし,乗員を

含まない。

(3)

工具類,スペアタイヤなどは,正規の保管位置に装備する。


2

A 8915-1995

(4)

タイヤ空気圧力は,製造業者の取扱説明書などに指定する圧力とし,圧力が範囲で指定されている場

合には,原則としてその最高圧力とする。液体封入タイヤを装着した機械では,製造業者の指定に従

って液体を満たす。

(5)

機械は,通常走行姿勢又は運行姿勢とし,無負荷状態で測定を行う。ただし,その他の姿勢(

3

)

又は負

荷状態の重心を求める必要のある場合は,それぞれの状態で測定を行うことができる。

(

3

)

これらの姿勢の詳細は,各機械ごとの規格に定めるものとする。

4.

測定機器  重心位置を測定するための測定機器は,クレーン,デッキ,ナイフエッジ,下げ振り,又

はこれらと同等の機能をもつもののほかに,次のものを用いる。

(1)

水準器  JIS B 7510 に規定するもの。

(2)

直角定規  JIS B 7526 又は JIS B 7534 に規定するもの。

(3)

巻尺  JIS B 7512 に規定する 1 級。

(4)

計量台  測定対象物を計量するのに十分な容量の計量台を用い,精度は,0.5%FS(フルスケール)の

ものを使用する。

(5)

記録板  記録板は,表面が滑らかな堅固な板で,その寸法は,高さ 600mm 以上,幅 450mm 以上の大

きさのものとし,機械の側面の適当な場所に,垂直基準面 1 及び水平基準面に対して直角に,垂直基

準面 2 に対して平行に取り付ける。

5.

測定手順

5.1

水平前後座標

5.1.1

クローラ式機械  クローラ式機械の水平前後座標の測定手順は,次のとおりとする(図 参照)。

(1)

機械質量 を測定する。ただし,1 回に測定できない大形機械,長尺機械は分割計測することもでき

る。

(2)

ナイフエッジ B の質量とナイフエッジ B に配分されるデッキの質量の和 を測定する。

(3)  (2)

の状態でナイフエッジ A,B に支えられているデッキに,垂直基準面 1 がナイフエッジ A の近くに

くるように機械を載せ,ナイフエッジ B に配分される機械とデッキの質量とナイフエッジ B の質量の

和 R

1

'

を測定する。

(4)

ナイフエッジ A,B 間の距離 及びナイフエッジ A から垂直基準面 1 までの水平距離 を測定する。

(5)

ナイフエッジ B に配分される機械の質量 R

1

を算出し,次の式によって,水平前後座標 を算出する。

a

M

P

R

x

+

=

1

ここに,

x

水平前後座標 (mm)

R

1

ナイフエッジ B に配分される機械の質量 (kg)

R

1

R

1

'

r

ここに,

R

1

'

ナイフエッジB に配分される機械とデッキ
の質量とナイフエッジ B の質量の和 (kg)

r

ナイフエッジB の質量とナイフエッジB に
配分されるデッキの質量の和 (kg)

P

ナイフエッジ A,B 間の距離 (mm)

M

機械質量 (kg)

a

ナイフエッジ A から垂直基準面 1 までの水平距離 (mm)


3

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ただし,の値は,ナイフエッジ A が垂直基準面 1 とナイ
フエッジ B の間にある場合を+,外にある場合を−とす
る。

(6)

この計算値 を用い,重心を通る垂直線 V

1

を機械に取り付けた記録板に描く。

図 1  水平前後座標 の決定

5.1.2

ホイール式機械  ホイール式機械の場合は,デッキ及びナイフエッジを用いる必要はない。ブレー

キを緩めた状態で,前軸又は後軸に配分される質量を測定し,軸間距離から を計算する。

この計算値 を用い,重心を通る垂直線 V

1

を機械に取り付けた記録板に描く。

5.2

垂直座標  垂直座標の測定手順は,次のとおりとする(図 参照)。

ホイール式機械の場合は,ブレーキを緩めた状態で行う。

クローラ式機械の場合は,接触するシューの突起が左右とも BB'上にくるまで機械を動かすか,又は BB'

上に設置されたナイフエッジなどにシューを載せた状態で行う。

つり上げケーブルは,水平反力が零になるように垂直とする。

(1)

試験する機械の一方を計量台に載せ,他方を水平から 15∼25°つり上げる。

なお,この角度は大きいことが望ましい。

(2)

機械の接地点又はナイフエッジと,つり上げケーブルの間の水平距離 を測定する。

(3)

機械の接地点又はナイフエッジに配分される機械だけの質量 R

2

を求め,次の式によって,重心位置と

つり上げケーブルとの間の水平距離 を算出する。

M

d

R

c

2

=

ここに,

c

:  重心位置とつり上げケーブルとの間の水平距離 (mm)

R

2

:  機械の接地点又はナイフエッジに配分される機械だけの質量

(kg)

d

:  機械の接地点又はナイフエッジと,つり上げケーブルとの間の

水平距離 (mm)

M

:  機械質量 (kg)

(4)

この計算値 を用い,機械に取り付けた記録板に,重心を通る水平基準面への垂直線 V

2

を描く。

(5)

機械のもう一方をつり上げて上記の手順を繰り返し,記録板に重心を通る水平基準面への垂直線 V

3

を描く。 


4

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(6)

記録板上の垂直 V

1

V

2

V

3

の交点が垂直座標 の位置である。ただし,一般にはこれらは 1 点で交わ

らず,小さな三角形になるので,三角形の中線の交点を垂直座標 の位置とする。

図 2  垂直座標 の決定

5.3

水平横座標  水平横座標の測定手順は,次のとおりとする(図 参照)。

(1)

左側のタイヤ又はクローラに配分される機械の質量 R

3

,右側に配分される質量 R

4

を測定する。

(2)

輪距又はクローラ中心距離 を測定する。

(3)

次の式によって,水平横座標

y

を算出する。

b

B

y

=

2

ここに,

y

:  水平横座標 (mm)

B

:  輪距又はクローラ中心距離 (mm)

b

:  右側のタイヤ又はクローラの中心線から重心位置までの水平距

離 (mm)

1

3

M

B

R

b

=


5

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ここに,

R

3

左側のタイヤ又はクローラに配分される機
械の質量 (kg)

 

M

1

左右のタイヤ又はクローラに配分される機
械の質量の合計 (kg)

M

1

R

3

R

4

ここに,

R

4

右側のタイヤ又はクロ
ーラに配分される機械
の質量 (kg)

図 3  水平横座標

y

の決定

6.

測定結果の記録  測定結果の記録は,表 に示す重心位置測定結果記録表によって行う。

なお,重心位置の測定結果は,JIS Z 8401 によって 10mm を最小単位に丸めて記録する。


6

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表 1  重心位置測定結果記録表


7

A 8915-1995

JIS

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

藤  本  義  二

株式会社エミック

安  達  俊  雄

通商産業省機械情報産業局

高  木  譲  一

工業技術院標準部

高  島  信  也

労働省労働基準局安全衛生部

今  岡  亮  司

建設省建設経済局

吉  田      正

建設省土木研究所材料施工部

石  原  晴  美

建設省建設大学校建設部

永  盛  峰  雄

千葉工業大学

杉  山  庸  夫

社団法人日本建設機械化協会

倉  田  恒  三

マルマ重車輌株式会社

鈴  木  猛  夫

株式会社小松製作所技術本部業務部

会  田  紀  雄

三菱重工業株式会社相模原製作所

高  木  靖  夫

新キャタピラー三菱株式会社技術部

服  部  士  朗

小松メック株式会社

前  田  英  一

株式会社神戸製鋼所建設機械事業部

渡  辺      正

日立建機株式会社マーケティング本部

北  崎      誠

東洋運搬機株式会社竜ケ崎工場

岡  崎  治  義

水資源開発公団第一工務部

小  室  一  夫

西松建設株式会社平塚製作所

立  川      昭

株式会社熊谷組工事総合本部機材部

水  口      弘

株式会社大林組東京本社機械部

山  岸  宏  充

大成建設株式会社安全・機材本部機械部

木  村  隆  一

鹿島建設株式会社機械部

高  野      漠

日本鋪道株式会社

野  村  昌  弘

国土開発工業株式会社

(事務局)

大  橋  秀  夫

社団法人日本建設機械化協会