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A 8612:2006  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第11条に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経

済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本

工業標準調査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願

公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS A 8612には,次に示す附属書がある。 

附属書1(規定)重大な危険源のリスト 

附属書2(規定)遠隔操縦に対する要求事項 

附属書3(参考)図解 

A 8612:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 2 

4. 重大な危険源のリスト ······································································································ 4 

5. 安全要求事項及び/又は安全方策 ······················································································· 4 

5.1 共通要求事項 ················································································································ 4 

5.2 自走式,被けん引式及び定置式コンクリート圧送ポンプ並びに吹付機に対する要求事項 ·············· 6 

5.3 モルタル圧送及び吹付機に対する要求事項 ·········································································· 7 

5.4 自走式及び定置式ブーム装置に対する要求事項 ···································································· 8 

5.5 輸送管システムに対する要求事項······················································································ 8 

5.6 トンネル内など非爆発環境下の地下作業に用いるコンクリート及びモルタル圧送ポンプ,吹付機並び

にブーム装置に対する要求事項 ······························································································· 9 

5.7 安全措置及び警報又は防止装置 ························································································ 9 

6. 安全要求事項及び/又は安全方策の検証 ·············································································· 9 

6.1 予備検査 ······················································································································ 9 

6.2 図面適合性検査 ············································································································ 10 

6.3 最終検査 ····················································································································· 10 

7. 使用上の情報 ················································································································· 10 

7.1 警告表示 ····················································································································· 10 

7.2 取扱説明書 ·················································································································· 10 

7.3 機械への表示 ··············································································································· 11 

8. 使用者による検査 ··········································································································· 13 

附属書1(規定)重大な危険源のリスト ··················································································· 14 

附属書2(規定)遠隔操縦に対する要求事項 ············································································· 16 

附属書3(参考)図解 ··········································································································· 20 

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日本工業規格          JIS 

A 8612:2006 

コンクリート及びモルタル圧送ポンプ,吹付機 

並びにブーム装置−安全要求事項 

Conveying, spraying and placing machines for concrete and mortar- 

Safety requirements 

序文 この規格は,JIS B 9700-1, 機械の安全性−基本概念,一般原則−第1部:基本用語,方法論のまえ

がきに示すタイプC規格(個別機械安全規格)である。 

1. 適用範囲 この規格は,定置式及び/又は移動式のコンクリート及びモルタルの圧送ポンプ,吹付機,

打設のためのブーム装置,並びにそれらの構成要素に対する安全要求事項について規定する。 

この規格では,圧送,吹付け又は打設中に移動する機械に関する要求事項は,扱わない。 

この規格は,トラックシャシ,及び圧送・吹付け・打設作業中に機械を駆動しないエンジンには関与し

ない。また,トラックミキサにポンプを搭載した機械にも適用しない(3.3参照)。 

この規格では,特別な規則を要する用途(例えば,爆発の可能性のある環境,電圧・周波数及び裕度が

公共のものと異なる電力網から供給される電源,公道上での使用など)に関する追加の要求事項は,定め

ていない。 

この規格は,圧送,吹付け,及びブーム装置が製造業者の意図し,かつ,予見した条件の下で使用され

るときに,直接かかわる重大な危険源のすべてを考慮しており(附属書1参照),これらから起こるおそれ

のある危険を除去し,又は低減するための方策を具体的に示している。 

備考1. 公道を走行するコンクリート及びモルタル圧送ポンプ,吹付機並びにブーム装置は,国及び

地方自治体の定める道路交通関連法規に適合しなければならない。 

2. コンクリートポンプ車は,この規格に規定するほかに労働安全衛生法第42条の規定に基づく

車両系建設機械構造規格にも適合しなければならない。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構

成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年を付記していない引用規格は,その

最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 8310 土工機械−操縦装置等の識別記号 

JIS A 8312 土工機械−安全標識及び危険表示図記号−通則 

JIS A 8316 土工機械−電磁両立性(EMC) 

JIS A 8334 土工機械−取扱説明書−内容及び様式 

JIS A 8340-1 土工機械−安全−第1部:一般要求事項 

JIS B 8370 空気圧システム通則 

A 8612:2006  

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JIS B 9703 機械類の安全性−非常停止−設計原則 

JIS B 9705-1 機械類の安全性−制御システムの安全関連部−第1部:設計のための一般原則 

JIS B 9707 機械類の安全性−危険区域に上肢が到達することを防止するための安全距離 

JIS B 9716 機械類の安全性−ガード−固定式及び可動式ガードの設計及び製作のための一般要求事

項 

JIS B 9960-1 機械類の安全性−機械の電気装置−第1部:一般要求事項 

JIS C 0920 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード) 

JIS C 8201-5-1 低圧開閉装置及び制御装置−第5部:制御回路機器及び開閉素子−第1節:電気機械

制御回路機器 

JIS C 60068-2-27 環境試験方法−電気・電子−衝撃試験方法 

ISO 9355-1:1999 Ergonomic requirements for the design of displays and control actuators−Part 1: Human 

interactions with displays and control actuators 

ISO 9355-2:1999 Ergonomic requirements for the design of displays and control actuators−Part 2: Displays 

ISO/DIS 9355-3:2004  Ergonomic requirements for the design of displays and control actuators−Part 3: 

Control actuators 

JIS B 9700-1 機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第1部:基本用語,方法論 

JIS B 9700-2 機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第2部:技術原則 

ISO/DIS 15998:2003 Earth-moving machinery−Machine control systems (MCS) using electronic 

components−Performance criteria and tests 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

この規格の中で引用した日本工業規格(以下,JISという。)及びISO規格に用いられている用語及び定

義も,同様にこの規格で有効である。 

3.1 コンクリート及びモルタル セメント,ふるい分けされた骨材及び水に,必要に応じて混和材及び/

又は混和剤を加えた構成要素からなる均質な混合物。 

3.2 混和材及び混和剤  

3.2.1 混和材 コンクリート又はモルタルの混合物の特性を変更するために加える材料(フライアッシュ

など)。 

3.2.2 混和剤 コンクリート又はモルタルの混合物の特性を変更するために加える化学薬剤(AE剤など)。 

3.3 コンクリート圧送ポンプ及び吹付機  

3.3.1 コンクリート圧送ポンプ 自走式,被けん引式又は定置式の機械であって,かくはん装置付きホッ

パを備え,コンクリートを輸送管を通して機械的に圧送する機械[附属書3図1a)参照]。コンクリート圧

送ポンプには,ピストン式と回転式とがあり,いずれも機体を定置して用いる。 

備考1. コンクリート圧送ポンプは,ブーム装置又は吹付機と組み合わせて用いるものもある[附属

書3図1b),附属書3図1c)及び附属書3図5参照]。 

2. コンクリート圧送ポンプには,トラックミキサなど外部の機械からコンクリートが供給され

る。 

3.3.2 コンクリート吹付機 自走式,被けん引式又は定置式の機械であって,通常,かくはん機付きホッ

パを備え,コンクリートを機械的又は空気圧によって輸送管を通じて吹き付ける機械(附属書3図5参照)。

いずれも機体を定置して用いる。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考 空気圧でコンクリート吹付けを行う場合は,空気圧縮機をレシーバ付き又はレシーバなしで用

いる。 

3.4 モルタル圧送ポンプ及び吹付機  

3.4.1 モルタル圧送ポンプ 自走式,被けん引式又は定置式の機械であって,かくはん装置付きホッパを

備え,モルタルを輸送管を通して機械的に圧送する機械[附属書3図2a),附属書3図2b),附属書3図3

及び附属書3図4参照]。モルタル圧送ポンプには,ピストン式と回転式とがあり,いずれも機体を定置し

て用いる。 

3.4.2 モルタル吹付機 自走式,被けん引式又は定置式の機械であって,通常,かくはん機付きホッパを

備え,モルタルを機械的又は空気圧によって輸送管を通じて吹き付ける機械[附属書3図2a),附属書3

図2b),附属書3図3及び附属書3図4参照]。いずれも機体を定置して用いる。 

備考 空気圧送の場合は,ホッパが空気室となり[附属書3図2b)参照],機械的圧送の場合は,ピス

トン式,回転式又はねじ式ポンプによって駆動される(附属書3図2.1参照)。かくはん装置も

装着可能である。 

3.5 洗浄室 コンクリートシリンダと主油圧シリンダとの中間に設け,ピストンの洗浄,給油脂,交換な

どを行うための空間をもった箱状の部材。 

3.6 ブーム装置 自走式,被けん引式又は定置式の機械で,動力によって駆動された1段又はそれ以上の

伸縮,又は折りたたみ式ブームからなる旋回可能な作業機器で,輸送管を装備するもの[附属書3図1b),

附属書3図1c)及び附属書3図6参照]。いずれも機体を定置して用いる。 

備考 ブーム装置は,トラック,トレーラ,又は専用車両(例えば,不整地用,トンネル用又はレー

ル走行用)に装着できる。 

3.7 輸送管システム コンクリート,モルタル,又はこれらの構成成分(骨材,セメント,水,添加剤な

ど)を輸送するための配管,継手,仕切弁,ドッキングホース,テーパ管及び先端ホースからなる機器類。 

3.8 ドッキングホース 一端にブームの輸送管を,他端にテーパ管又は先端ホースを接続するための口金

具を備えたホース。主に,ホースガイド式ブーム付きコンクリートポンプ車で用いられる[附属書3図7a)

参照]。 

3.9 テーパ管 輸送管(ドッキングホースなど)に,他の口径が異なる輸送管(先端ホースなど)を接続

するために,両端にそれぞれの口径に合った口金具を備えたテーパ状の管[附属書3図7a)参照]。 

3.10  先端ホース 一端に輸送管(先端エルボ式の場合),ドッキングホース又はテーパ管(ホースガイド

式の場合)を接続できる口金具を備え,他端には接続用金具をもたないホース[附属書3図7a)及び附属

書3図7b)参照]。 

3.11  運転席・操作盤 機械を運転するための操縦装置が直接設置される場所。機械上の運転席及び/又

は携帯式操作盤の二つに区別される。 

備考 遠隔操縦の機械では,携帯式操作盤が主たる操縦装置で,機械上の運転席は,非常用運転席で

ある。 

3.12  運転員 機械の操縦装置を責任もって操作する者。 

備考 一般に,運転員は,有資格者である。 

3.13  カテゴリ 不具合(障害)に対する抵抗性(フォールト・レジスタンス),及び不具合(障害)条件

下の挙動に関する制御システムの安全関連部の分類である。 

備考1. 抵抗性(フォールト・レジスタンス)とは,  たとえ不具合(障害)が生じても安全機能に

限っては維持する能力。 

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2. 安全関連部の構造的配置及び/又は安全関連部の信頼性によって達成される。 

4. 重大な危険源のリスト 附属書1による。 

5. 安全要求事項及び/又は安全方策 コンクリート及びモルタル圧送ポンプ,吹付機及びブーム装置は,

この規格の安全要求事項及び/又は安全方策に適合しなければならない。さらに,リスクアセスメントの

結果,この機械に附属書1に掲げた重大な危険源のリストにない新たな危険源が存在する場合は,JIS B 

9700-1及びJIS B 9700-2に従って設計する。 

5.1 

共通要求事項  

5.1.1 

強度 機械は,最新技術を駆使して十分な強度をもつよう設計しなければならない。 

5.1.2 

油圧又は空気圧システム 油圧システムは,特に,次の事項を考慮して設計しなければならない。 

− 稼働中の管路の破損に対する安全装置 

− 保全作業時のチェック弁/逃し弁,機械的固定装置などの交換 

ブーム用シリンダのチェック弁は,2本シリンダ駆動の場合を除き,シリンダのボトム側に直接取り付

けなければならない。 

2本シリンダ駆動の場合は,それぞれに一つのチェック弁を用い,両シリンダと両チェック弁との間を

連結する配管は,125 %の安全率をもち,かつ,機械的な損傷に対して保護されていなければならない。 

5.1.3 

操縦装置及び計器類  

5.1.3.1 

一般 操縦装置及び計器類は,ISO 9355-1,ISO 9355-2及びISO/DIS 9355-3の一般要求に適合す

るよう選択し,設計,製造及び配置しなければならない。 

5.1.3.2 

同時操作の防止 運転席の操作盤も含めて二個所以上で操作ができる場合,個々の機能(例えば,

始動,停止,開放)は,一つの運転席又は操作盤からだけ操縦可能でなければならない。そうでない場合

は,一つの運転席又は操作盤から他のそれへ,手動又は自動的に優先権を切換えできなければならない。 

一つの操縦装置が故障した場合には,他の運転席又は操作盤に手動又は自動的に切替えできなければな

らない。 

5.1.3.3 

操作機器の自動中立復帰 すべての操作機器は,運転員が手を離したとき自動的に中立に戻らな

ければならない。ただし,コンクリート及びモルタル圧送,吹付けの運転操作及びかくはん装置の起動操

作を除く。 

5.1.3.4 

遠隔操縦 遠隔操縦の機械は,附属書2に規定する要求事項を満たさなければならない。 

5.1.3.5 

非常停止装置  

a) 設置箇所 機械は,運転席に非常停止装置を備えなければならない。運転席を二つ以上備えている場

合は,主たる運転席ごとに非常停止装置を備える。 

遠隔操縦の場合の非常停止装置は,附属書2の4.8に適合しなければならない。 

b) 要件 非常停止装置は,次の要件を満たさなければならない。 

− 最短時間にすべての機能を停止(エンジン又は電動モータの停止を含む。)させる。 

− 機械が自動的に再起動するのを防止する。再起動は運転員によって行われる必要がある。 

− JIS B 9703に適合する。 

c) カテゴリ 有線式遠隔操縦では,(外部原因による損傷リスクに対し)非常停止機能のためアースを含

む専用の電線2本を装備するか,又はケーブルの短絡を検出し遮断するものでなければならない。す

なわち,電気システムは,JIS B 9705-1に規定するカテゴリ1を満たさなければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

無線遠隔操縦では,操作機器が中立位置のときは,仮に操作装置に異常が発生しても,例えば,誤

ったアナログ値が出されても,作動してはならない。すなわち,電気システムはカテゴリ1を満たさ

なければならない。 

5.1.3.6 

意図しない動き エンジン始動時,不意に,かつ,意図しない危険な動きが生じてはならない。 

5.1.3.7 

自動的再起動の防止 動力の供給がいったん停止して復帰した後,及び非常停止装置が作動しリ

セットされた後で,コンクリート圧送ポンプ,ブーム装置,旋回機構,吹付機などが,自動的に再起動し

てはならない。 

5.1.3.8 

無許可運転の防止 操作機器は,その現場で当該機械の運転を許可されていない者の操作及び操

作方向のミスを防ぐように配置し,設計・表示しなければならない。 

操作機器は,不注意な操作に対して,ロックを外さないと操作できないようになっていなければならな

い。 

5.1.4 

運転員の視界 運転員は,操作位置から危険領域をはっきりと見渡せなければならない。 

5.1.5 

電気及び電子装置 電気及び電子装置は,JIS B 9960-1に適合しなければならない。 

5.1.6 

電磁両立性(EMC) 電気及び電子装置は,JIS A 8316に適合しなければならない。 

5.1.7 

床面 運転席,アクセス歩道及び通路は,滑り防止形,例えば,チェッカープレート,格子などに

しなければならない。 

5.1.8 

防護  

a) 危険部位への接近防止 機械上で作業中に,工具を使用しなくても開閉できるカバーを開けることに

よって危険な動きとなり得る場合,危険部位への接近を確実に防止できるようにする(例えば,自動

遮断機能付カバー。)。これが駆動の自動停止によってなされる場合,不慮の再始動に対する安全機能

を設ける。 

ヒンジ式カバーは,開口状態のときに不用意に閉じないように配置し,設置する。 

b) 対熱防護及び排気ガス 接触可能な高温となる機械部品は,ガード(JIS B 9716参照)又は断熱材で

確実に防護する。 

排気ガスは,運転席から離れる方向に放出する。 

c) 固定式ガード 例えば,スクリューコンベヤなどの回転軸,Vベルトと駆動装置(例えば,プーリ)

との間などへの巻き込まれ及び/又は捕そく(捉)されるリスクを防止するため,JIS B 9707に従っ

た安全距離をもつねじ止め式固定カバーを備える。ねじ止め式カバーは,工具によってだけ開けられ

るものとする。 

5.1.9 

圧力容器 単純圧力容器は,JIS B 8370の6.3に従って設計し,試験しなければならない。 

5.1.10 作業台 整備,組立及び分解作業,並びに地上からできない検査には,作業スタンド又は作業台を

利用できるようにする。これらは安全に接近でき,作業者に危険が及ぶことなく作業できるものでなけれ

ばならない。 

5.1.11 アウトリガ  

a) 同時操作の防止 ブームとアウトリガとが,同時に作動できてはならない。 

b) 作動速度 アウトリガの作動速度は,安全を確保するため次による。 

− アウトリガの張り出し又は旋回機構は,0.75 m/s以下とする。 

− アウトリガの垂直動作は,0.2 m/s以下とする。 

c) 操作機器の設置位置 アウトリガの操作機器は,危険領域外へ設置するか,又は別の手段で危険領域

への接近を防がなければならない。 

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d) 制御回路 アウトリガの制御回路は,互いに独立させる。また,走行又は輸送状態では,アウトリガ

は格納されていなければならない。 

e) カテゴリ アウトリガを操作する電気的及び/又は油圧システムは,JIS B 9705-1に規定するカテゴ

リ1を満たさなければならない。 

5.1.12 安定性 地盤の不十分な支持力からくる不安定を防止するために,最大反力をアウトリガ上に明記

する。 

備考 使用者が地盤状況を見て地盤の支持力の程度を判断し,アウトリガ上に表示された数値と比較

して,機械の安定が保てるかどうかを判断する。 

5.1.13 輸送管閉そく(塞)(詰まり)の除去 機械は,輸送管内の閉そく(塞)をいかなる危険もなく除

去できるよう作られていなければならない。これは,例えば,ポンプの逆転運転と,必要に応じて輸送管

に適切に配した逆止弁とで実施できる。また,輸送管の閉そく(塞)を取り除き中,逆流してきた材料の

噴出によって,人が危険にさらされないよう機械を設計する。 

5.1.14 騒音 機械は,できるだけ低騒音に設計・製造する。 

作業環境によって要求される低騒音形のコンクリートポンプ車の外部放射音響パワーレベルの測定値は,

国土交通大臣が定める測定方法により,建設省告示第1536号による表1の判定基準値以下でなければなら

ない。 

表 1 コンクリートポンプ(車)の判定基準値 

エンジン出力(kW) 

音響パワーレベル(dB) 

               P <55 

55≦ P <103 

         103≦ P 

100 
103 
107 

5.1.15 つり上げ点 建設現場における組立又は輸送などで,つり上げ装置を使ってつり上げる機械全体又

はその個々の構成部品には,安定のよい強固なつり上げ点を設ける。 

5.1.16 取扱説明書の保管 取扱説明書は,運転員がいつでも見られるよう常に機械に備え付けておける構

造にしなければならない。 

5.2 

自走式,被けん引式及び定置式コンクリート圧送ポンプ並びに吹付機に対する要求事項  

5.2.1 

ホッパ及びスクリーン  

a) 構造 ホッパ開口部は,表2に示す寸法のバー形又は格子形のスクリーンで防護しなければならない。 

表 2 バー及び格子のすき間 

単位 mm 

扱う物 

バー形の場合 

a寸法 

格子形の場合 

骨材 

b寸法 

c寸法 

  コンクリート 
 

70 

40以下 
25以下 

90以下 
90以下 

170以下 
100以下 

  モルタル 

35 

− 

50以下 

50 以下 

 a: 最大許容すき間(mm)  b: 格子の最大許容幅(mm)  c: 格子の最大許容長さ(mm) 

備考 バー又は格子のすき間は,安全で,かつ,コンクリートの通過を妨げない最適な寸法とする。 

  

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図 1 スクリーンの格子幅 

図 2 バー又は板間のすき間 

1日1回以上開閉するホッパ開口部のスクリーンは,それを開くと同時に作動中のバルブ及び/又

はかくはん機が自動的に止まるようインターロックされていなければならない。 

1日1回未満しか開閉しないホッパ開口部のスクリーンは,工具を使って開けられる構造でもよい。 

ヒンジ式スクリーン又はヒンジ式ホッパは,その全開状態で固定できなければならない。動力操作

式スクリーン又はホッパ装置は,中立時に操作レバーを固定できなければならない。 

操作装置は,可動部分に接触し挟まれることのないように,十分な距離を保った位置に設置する。 

b) カテゴリ スクリーンを開いたときにバルブ及び/又はかくはん機を自動停止させる電気的及び/又

は油圧システム,又は機械的システムは,JIS B 9705-1に規定するカテゴリ1を満たさなければなら

ない。 

5.2.2 

ポンプブロックの洗浄室カバー 主油圧シリンダのロッドに中間ロッドを備えるもの又は洗浄室

内にリミットスイッチを備えるものは,ねじ止め式固定カバーを備えなければならない。その他の機械で

は可動式カバーを設け,内部にピストンストッパを備えなければならない。 

なお,ねじ止め式固定カバーは,工具でだけ開けられなければならない。 

5.2.3 

駆動部のヒンジ式カバー カバーは,開いた位置で固定できなければならない。 

5.3 

モルタル圧送及び吹付機に対する要求事項  

5.3.1 

ホッパ及びスクリーン  

a) スクリーン スクリーンの格子幅は,表2による。 

スクリーンをボルト止めしていない場合,又は1日1回以上開閉する場合,スクリーンを開いたと

き,かくはん機を強制的に停止させ,再始動しない機構としなければならず,かつ,その機構は容易

な方法で割り込みできないものでなければならない。 

ヒンジ式スクリーンは,開いた状態から不注意によって閉じないよう固定できなければならない。 

モルタルの吸入口は,表2に示す最大寸法以下のスクリーンを装着することによって,手脚が吸い

込まれないよう安全性を確保する。 

b) 供給ホッパ 供給ホッパは,スクリーン開口時にかくはん機が不慮の作動をしないよう設計しなけれ

ばならない。 

洗浄目的でスクリーンを開口する場合,かくはん機が回転しないよう安全性を確保する。 

c) 可動式ホッパ 可動式ホッパは,不慮の動きを防ぐため,その定められた位置で固定できなければな

らない。 

動力駆動ホッパの閉じ動作を行うため,自動中立復帰機能付き操作機器を用いた制御装置を装備す

A 8612:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

る。操作装置は,ホッパの可動部分に接触し挟まれることのないように,十分な距離を保った位置に

設置する。 

5.3.2 

空気圧送式容器のふたの固定装置が開いているときの材料の噴出 空気圧送式の容器のふたの固

定装置が開いているときに材料の噴出を防止するため,圧送容器ふたの固定装置は,システムが減圧され

たときにだけ開けられるように設計しなければならない。 

5.3.3 

スクリーンなどの強度 スクリーンを含めカバー類は,それぞれの目的及び用途に耐えられるよう

設計する。 

5.4 

自走式及び定置式ブーム装置に対する要求事項  

5.4.1 

ブーム装置  

a) ブーム装置先端の移動速度 稼働時のブーム装置先端の上昇,下降及び旋回の移動速度は,次による。 

− ブーム装置の一つだけが作動しているとき,ブーム装置先端の最大速度は,1.0 m/sを超えてはなら

ない。 

− ブーム装置のすべてが同時に作動しているとき,ブーム装置先端の最大速度は,3 m/s以下とする。 

− 最大水平距離の姿勢において,ブーム装置先端の旋回速度は,1.5 m/sを超えてはならない。 

b) カテゴリ ブーム装置(旋回機構を含む。)の操作装置の次のシステムは,JIS B 9705-1に規定する次

のカテゴリを満さなければならない。 

− 電気システム:カテゴリ1で特別の欠陥検出手段のないもの。 

− 油圧システム:カテゴリ1で特別の欠陥検出手段のないもの。 

− 又は次の追加手段がとられている場合の電気及び油圧システム:カテゴリ1 

・すべてのブーム装置の機能に対する自動リセット付きインチングモード。 

・非常停止装置が手の届く範囲にある。 

・異常が発生し電気及び油圧制御が停止した後で非常停止装置をリセットしたとき,不意に起

動してはならない。 

5.4.2 

ブーム装置先端のホース ブーム装置先端のホースは,次による(附属書3図7参照)。 

− ブーム装置先端のホースは,ドッキングホース,テーパ管及び先端ホースからなり,製造業者が指定

する長さ以外のホース又は他の中間ホースなどを接続してはならない(7.2.4参照)。ただし,ブーム

装置の作動範囲を超える広いスラブなどを打設する場合に限り,適切な安全措置(5.7及び7.2.4参照)

を講じてドッキングホースから水平方向の配管又はホースに接続してもよい。 

− 先端ホースには,ブーム装置の予期せぬ動きによる外れ及び摩耗による落下に対する安全装置(例え

ば,安全ワイヤなど。)を備える。 

− ブーム先端がホースガイド式の場合,先端ホースの長さは,口径125Aの場合5 mを,口径100Aの場

合7 mを,口径90Aの場合8 mを,それぞれ超えてはならない。 

− ブーム先端がエルボ式の場合,先端ホースの長さは4 mを超えてはならない。 

5.5 

輸送管システムに対する要求事項  

5.5.1 

輸送管の強度 配管,ホース及びこれらの接続金具は,新品の状態で輸送管システムの許容運転圧

力に耐え,更に,次の安全率を乗じた運転破壊圧力に耐えるよう設計しなければならない。 

− 配管及び接続金具並びに附属物(例えば,切替え弁など): 2.00 

− モルタル圧送及び吹付機用ホース並びに接続部: 2.50 

なお,先端ホースの許容圧力は,0.7 MPa以上とする。 

5.5.2 

輸送管システムの構造 輸送管接続金具は,不用意に開口しないよう設計しなければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

輸送管を洗浄する場合は,先端ホース,テーパ管などを必ず取り外さなければならない。さらに,空気

圧で洗浄する場合は,受けバスケット又は同様の装置を輸送管の先端に取り付ける。 

備考 輸送管システムは,労働安全衛生規則第171条の2にも適合しなければならない。 

5.6 

トンネル内など非爆発環境下の地下作業に用いるコンクリート及びモルタル圧送ポンプ,吹付機並

びにブーム装置に対する要求事項 地下鉱山,トンネル内工事などの爆発の危険のない環境下の地下作業

に用いるコンクリート及びモルタル圧送ポンプ,吹付機並びにブーム装置は,5.で規定した安全要求事項

及び/又は安全方策のほかに,次の要求事項にも適合しなければならない。 

5.6.1 

防護天井 活線の下で使用される機械は,例えば,絶縁天井などの手段によって,導体との接触に

よって生じる危険源から,運転員を保護しなければならない。 

5.6.2 

燃料装置 燃料タンクとディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプとの間の燃料系統が故障した場合,

手が届く範囲にタンクからの燃料漏れを防止するための機器を,燃料系統に備えなければならない。 

5.7 

安全措置及び警報又は防止装置 機械には,5.1のほかに次の警報装置,抑制装置又は防止装置を装

備するのがよい。 

− ブーム先端の過振動警報装置又は振動抑制装置。 

− ブーム先端にかかる過負荷に対する警報装置又は防止装置。 

使用者は,コンクリート打設時に,次の安全措置を講じなければならない(7.2.4参照)。 

− コンクリート打設時におけるブーム先端の振動をできるだけ抑える措置(運転方法を含む。)。 

− 例えば,ブーム先端からドッキングホースを介して水平方向に配管又はホースに接続する場合,ブー

ム先端の振動による負荷を緩衝する措置などの安全措置。 

6. 安全要求事項及び/又は安全方策の検証 コンクリート及びモルタル圧送ポンプ,吹付機並びにブー

ム装置は,それぞれの製品開発時(新規開発及びモデルチェンジを含む。)において,モデルごと,型式ご

とに次の検査を行い,その結果が5.で規定した安全要求事項及び/又は安全方策に適合していることが実

証されない限り,製造業者及び/又は輸入業者から出荷してはならない。また,最終検査で専門家(熟練

技能者)によって発見されたすべての欠陥は,運転に入る前に改修しなければならない。 

備考 専門家(熟練技能者)とは,コンクリートポンプ車及びブーム装置の分野において,技術訓練

及び経験によって適正なノウハウをもち,それらの安全な運転状態を評価するための,最新の

関連国家法規,災害予防規則及び通則に精通している人をいう。 

製造業者及び/又は輸入業者による最終検査結果を検査記録として文書化し,機械に附属して納入する。 

定置式ブーム装置は,現地組み立て後,かつ,最初の稼働の前に,製造業者の専門家(熟練技能者)に

よって適正に組み立てられ,欠陥がないことを検査し,検査記録を機械に保管しなければならない。 

なお,継続生産品における個別機械の検査は,製造業者及び/又は輸入業者の判断において継続生産品

の信頼性を証明できる場合は,検査内容を簡略化できる。 

6.1 

予備検査 予備検査は,次による。 

− 十分な強度があり,安定性の解析がなされていることの検査:解析は明確に記載され容易に検証でき

る内容であって,すべての構成物の荷重点に対して,必要十分な応力及び安全性の検証がされていな

ければならない。 

− 設計図面に従っていること,技術的な規則及び基準並びに法的規則を遵守していることの検査。 

− 使用材料,製造及び指定された溶接方法が,図面指示されたものと一致するかどうかの検査。 

− 取扱説明書の有無及び内容。 

10 

A 8612:2006  

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6.2 

図面適合性検査 図面適合性検査は,次による。 

− 機械の各部及び構成部品について設計どおりであることの検査。 

− 必要な溶接の証明及び作業者の溶接免許があることの検査。 

6.3 

最終検査 最終検査は,次による。 

− 基準及び指針に準拠していることの検査,特に安全装置及び安全方策の完成度,適切さ及び効率性に

関する検査。 

− 安定性の検証:安定性は,計算及び試験を通して検証されなければならない。試験は,先端荷重とし

て設計上の最大許容負荷に対し1.25倍の荷重に,その他の荷重(配管内のコンクリートの質量に働く

重力)を加えた試験負荷をかけて実施する。 

− 検査書類が完成しているかどうかの検査。 

7. 使用上の情報  

7.1 

警告表示 機械,作業装置及び/又はアタッチメントが運転員又は第三者にとって潜在的に危険源

を生じ得るとき,JIS A 8340-1の附属書5に従った警告及び/又は安全標識を機械にはり付けなければな

らない。 

標識に用いる補足説明は,取扱説明書と同様に使用される地域の公用語で表す。 

7.2 

取扱説明書 取扱説明書は,使用される地域の公用語で記載し,機械と一緒に提供しなければなら

ない。様式及び内容は,JIS A 8334及びJIS B 9700-2の6.5に従って作成する。 

取扱説明書は,別冊になっていてもよい。 

用語,定義,単位及び記号は,関連するJISによる。 

取扱説明書には,次の情報を記載しなければならない。 

7.2.1 

全体 運転及び整備の要領について明記し,製造業者が供給できるアタッチメント及び附属品も含

めて,通常の条件下における機械の意図した用途及び運転方法を規定する。アタッチメント及び附属品の

正しい組立及び使用方法の記述も必要である。それには,保護具の使用も含める。 

− 環境保護にかかわる事項の記述。 

− 運転員に要求される資格など(労働安全衛生法に定める特別教育を終了した者でなければならない。

できれば有資格者であることが望ましい。)。 

備考 有資格者とは,コンクリート圧送施工技能者1級,2級を指す。 

− 圧送,吹付け及びブーム装置の伸張に関する説明。 

− 使用者による検査に関する記述(法規上の点検及び定期検査,ブーム装置の検査など。)。 

− 電源に接続する場合の注意,特に家庭用ソケットへの接続を回避すべきことの記述。 

− 機械の危険領域の点検及び遵守事項に関する記述。 

− 洗浄手順 

− 配管の最小残存肉厚の検査方法(定期的な検査,検査方法,など。)。 

− 確実な設置方法 

− 油圧システムの保守のためのデータ(例えば,検査間隔,作動油レベル計の位置,給油及びドレン位

置,作動油の検査及びサンプリング箇所,使用済み作動油の処理方法,圧力リリーフ機構,油圧アキ

ュムレータのサービス・運転・検査についてのデータ,油圧ホースの耐用期間及びそれらの安全運転

のための年間検査。)。 

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7.2.2 

自走式,被けん引式及び定置式コンクリート圧送ポンプ並びに吹付機 自走式,被けん引式及び定

置式コンクリート圧送ポンプ並びに吹付機の取扱説明書は,次による。 

− 閉そくの可能性を最少にするための調整に関する記述。 

7.2.3 

モルタル圧送及び吹付機 使用者及び/又は運転員は,機械の危険源領域における安全に対し責任

をもち,次の事項を確認すべきことの記述。 

− 囲い(エンクロージャ)を開ける前に電源を切断し,囲い(エンクロージャ)を完全に閉じない限り

運転しない。 

− 保護具を使用する。 

− 転落する可能性のある危険領域に,機械を設置しない。 

− 物が落下してくるような危険領域に,機械を設置しない。 

7.2.4 

自走式及び定置式ブーム装置 自走式及び定置式ブーム装置の取扱説明書は,次による。 

− ブーム装置を延長及び/又は改造してはならない旨の警告。 

− ブーム装置をクレーンとして使用してはならない旨の警告。 

− ブーム先端には,製造業者が指定する長さのドッキングホース,テーパ管及び先端ホース以外を接続

してはならない旨の警告。 

− コンクリート打設範囲がブーム装置の作動範囲を超えるため,やむを得ず水平方向の延長配管又はホ

ースに接続して打設を行う場合は,過負荷(製造業者が規定するホース長さに相当する荷重以上の荷

重)がかからないように適切な措置を講じなければならない旨,及び次の行為を禁じる旨の警告。 

・ブーム装置に振動による動きで配管又はホースを引っ張ったり,押し付けたりすることによる負

荷が,ブームにかからないようにするための適切な措置。 

・打設中のコンクリートの脈動によって,水平配管又は水平ホースがスラブ上を移動することによ

る負荷が,ブームにかからないようにするための適切な措置。 

・配管又はホースに接続したままで水平方向にブーム装置を持ち上げることの禁止。 

・ブームに過負荷がかかるような,配管又はホースの移動を伴う機械操作の禁止。 

− ブーム装置の共振点を避け,できるだけブーム先端の振動を少なくする運転を心がける旨の記述。 

− 強風(最高風速が示されている)のときは,機械を直ちに収納位置に格納し,作業を中止する。 

− 圧送が開始されたとき及び圧送中断後の再開時,すべての作業者は,先端ホースの危険領域から離れ

る旨の注意。 

− 機械に遠隔操作盤が装備されていない場合は,ほかの作業者の補助を必要とする旨の記述。 

− 機械の設置作業中,各アウトリガの最大反力の表示が見え,反力は確実に基礎地盤に伝達できる旨の

記述。 

− 定置式ブーム装置の取替えは,最初の稼働に先んじた検査を行うことによって,重要な改造とはみな

さない旨の記述。 

7.2.5 

輸送管システム 輸送管システムの取扱説明書は,次による。 

− 安全な取付け方法 

− 最大圧送圧力に対する輸送管の最小肉厚。 

− 閉そく(塞)を除去するときも含めて,輸送管システムを開放する前に,システムは,例えば,逆転

運転することによって,減圧すべきことの注意。 

− 輸送管の洗浄方法 

7.3 

機械への表示 個々の機械には,次の情報を示す明りょうで恒久的な銘板を取り付ける。 

12 

A 8612:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

7.3.1 

コンクリート圧送ポンプ  

a) 製造業者名及び住所 

b) 製造年 

c) 型式 

d) 製造番号 

e) 最高吐出し圧力(MPa) 

7.3.2 

モルタル圧送及び吹付機  

a) 製造業者名及び住所 

b) 製造年 

c) 型式 

d) 製造番号 

e) 最高吐出し圧力(MPa) 

f) 

電気装置の定格動力[電圧(V),周波数(Hz),出力(kW)など] 

7.3.3 

空気圧縮機  

a) 体積流量 

b) 各行程の最高圧縮圧力(ゲージ圧力)(kPa) 

c) 最高運転速度(min-1) 

d) モータの出力(kW) 

e) 電気装置の定格動力[電圧(V),周波数(Hz),出力(kW)など] 

7.3.4 

空気室  

a) 圧力容器の許容運転圧力(kPa) 

b) 圧力容器の容量(L) 

c) 型式試験を受けた圧力容器の型式識別表示 

7.3.5 

ブーム装置  

a) 製造業者名及び住所 

b) 製造年 

c) 型式 

d) 製造番号 

e) 最大輸送管径(mm) 

f) 

最大許容先端ホース長さ(m) 

g) アウトリガ上に発生する最大反力 

h) 電気装置の定格動力[電圧(V),周波数(Hz),出力(kW)など] 

7.3.6 

油圧アキュムレータ  

a) 製造番号 

b) 型式 

c) 最高使用圧力(MPa) 

d) ガス封入圧力(MPa) 

e) 容量(L) 

f) 

許容温度範囲(℃) 

13 

A 8612:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

8. 使用者による検査 使用者(リースレンタル業者を含む。)は,法令(1)の定めるところによって,定期

自主検査及び特定自主検査を確実に実施し,必要に応じて補修などの適切な措置を講じなければならない。

また,機械の使用に当たっては,使用開始前に必ず始業前点検を行わなければならない。さらに,機械の

稼働状況に応じて,定期的なカラーチェック及び/又は超音波探傷を行い,早期に隠れたかし(瑕疵)の

発見に努めることが望ましい。 

注(1) 労働安全衛生規則第167条,168条,169条の2,170条及び171条参照。 

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14 

A 8612:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書1(規定)重大な危険源のリスト 

No 

危険源 

JIS B 9700-1 

:2004 

JIS B 9700-2 

:2004 

JIS A 8612 

:2006 

機械的危険源は,次の事項から起こる。 
− 機械部品又は加工対象物の例えば形状,相

対位置,質量及び安定性(重力の影響を受
けて働く構成要素の位置エネルギー),質
量及び速度(制御又は無制御運転時の構成
要素),不適切な機械強度。 

− 機械内部の蓄積エネルギー 

例えば,弾力性構成要素(ばね),加圧

下の液体及び気体,真空の影響。 

 
4.2.2 
 
 
 
 
 
4.2.2 

 
4.2 
 
 
 
 
 
4.2.2,  4.10, 
5.5.4 

 
5.1.1,  5.1.11, 
5.1.12,  5.1.15, 
5.3.3,  5.4.1, 
5.5.1  8. 
 
 
5.1.2,  5.1.9 

1.1 

押しつぶしの危険源 

4.2.1 

4.2.1 

5.1.8a), 
5.1.11c)〜d) 
5.2.1,  5.2.2, 
5.3.1,  5.4.1 

1.2 

せん断の危険源 

4.2.1 

4.2.1 

5.3.1b) 

1.3 

巻き込みの危険源 

4.2.1 

5.1.3.6,  5.1.8c) 

1.4 

引き込み又は捕そく(捉)の危険源 

4.2.1 

5.1.3.6,  5.1.8c) 

1.5 

衝撃の危険源 

4.2.1 

5.4.2, 
附属書3の図7 

1.6 

高圧流体の注入又は噴出の危険源 

4.2.1 

4.10 

5.1.13, 5.5.2 

電気的危険源 

4.3 

4.9,  5.2 

5.1.5,  5.1.6 

熱的危険源 

4.4 

5.1.8b) 

騒音から起こる危険源 

4.5 

4.2.2,  5.4.2, 
4.3c),  4.4c), 
4.8.4 

5.1.14 

使用している材料及び消耗品からくる危険源 

4.8 

4.2.2,  4.3b), 
5.4.4 

5.1 

火災及び爆発の危険源 

4.8 

5.6.2 

機械の設計時に人間工学原則の無視から起こ
る危険源 

6.1 

保護具使用の無視 

4.8.7 

7.2 

6.2 

ヒューマンエラー,人間挙動 

4.9 

4.5.2, 4.8 
4.11.9, 
4.11.10,6.1 

5.1.16 

6.3 

手動制御器の不適切な設計,配置及び識別 

4.8.1,  4.8.7, 
4.11.8 

5.5,  5.6, 
5.7 

5.1.3.1〜5.1.3.8 

6.4 

視覚表示装置の不適切な設計,配置 

4.8.1,  4.8.8, 
6.2 

5.5.8 

5.1.3.1,  5.1.3.4, 
5.1.3.5, 
附属書2の4.13 

6.5 

不適切なガード及び防護装置 

3.25,  3.26 

5.2,  5.3 

5.1.8,   5.2.2, 
5.2.3,  5.6.1 

制御システムの故障/混乱 

4.11.1, 
4.12,  5.5.4 

5.5 

5.1.2, 
5.1.3.2〜5.1.3.8, 
5.1.11a)〜d), 
附属書2 

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15 

A 8612:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

No 

危険源 

JIS B 9700-1 

:2004 

JIS B 9700-2 

:2004 

JIS A 8612 

:2006 

落下又は噴出する物体若しくは流体 

4.2.1,  4.2.2 

4.3,  4.10 

5.1.13,  5.3.2, 
5.5.1,  5.5.2 

機械の安定性の欠如/転倒 

4.2.2 

4.6,  5.2.6 

5.1.12,  5.1.15 

10 

人の滑り,つまずき及び落下(機械に関係する
もの) 

4.10 

5.5.6 

5.1.7,  5.1.10 

11 

運転/作業位置からの不十分な視界 

5.1.4 

12 

第三者から起こる/第三者に及ぼす危険源 

12.1 

無許可の始動/使用 

5.1.3.8 

12.2 

視覚又は聴覚警告手段の欠如又は不適切 

7.1 

13 

運転員/オペレータに対する指示の不十分(取
扱説明書,標識,警告及び表示) 

6.5 

5.4.2,  5.7,  7.1, 
7.2,   7.3, 8 
附属書2の4.13〜4.15, 
附属書2の5. 

16 

A 8612:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書2(規定)遠隔操縦に対する要求事項 

1. 適用範囲 この附属書は,コンクリート及びモルタル圧送ポンプ,吹付機並びにブーム装置に受信器

を組み込んで使用する有線及び無線式遠隔操縦に関する安全要求事項について規定する。 

この附属書は,ごく単純な命令(例えば,始動,停止及び設定変更)だけを必要とし,運転員の補助な

しに機械自身が周囲状況を観測して作業を行えるような自律式制御には適用しないが,自律式制御の機械

が遠隔操縦状態で使用される場合には適用する。この附属書は,遠隔操縦式ではない機械に装着した遠隔

操縦式のアタッチメントには適用しない。 

備考 この附属書は,遠隔操縦装置の性能判定基準を規定するものではない。各箇条の標題として“無

線操縦”又は“有線操縦”が示されている場合,その要求事項は,対応する操縦装置にだけ適

用する。受信器を必要としない有線式遠隔操縦にも,附属書2の4.及び5.の要求事項を適用す

ることを推奨する。 

2. 引用規格 この附属書で用いる引用規格は,本体の2.による。 

3. 定義 この附属書で用いる主な用語の定義は,次による。 

3.1 

遠隔操縦 機械外部の遠隔操作器から機械に組み込まれた受信器への,有線又は無線による信号の

伝達による機械の操縦。操作器が機械本体から離れていても,操作器と機械本体との位置関係が固定的で

ある場合は,この規格には含まない。 

3.2 

遠隔操縦装置 遠隔操縦式の機械に運転及び操作機能の指令を伝達する装置。これは遠隔操作器及

び受信器からなる。 

3.3 

遠隔操作 有線又は無線方式によって機械から離れた場所の運転員が行う操作。 

3.4 

遠隔操作器 機械から離れた場所から遠隔操縦するために,所要の運転機能を動作させる操縦機能

を備えた装置。そのための信号は,遠隔操作器と受信器との間で送受信される。 

3.5 

受信器 機械から離れた場所から遠隔操縦するために,所要の運転機能を動作させる操縦機能を備

えた装置。そのための信号は,遠隔操作器と受信器との間で送受信される。 

3.6 

操縦ケーブル 有線式において遠隔操作器と受信器との間の信号を伝達する電線。 

3.7 

危険範囲 機械の動作によって傷害の可能性がある領域。作業範囲によって決定される。 

4. 遠隔操縦に関する要求事項  

4.1 

一般要求事項 遠隔操縦式の機械は,遠隔操作器と機械本体に組み込まれた受信器との間の通話が,

障害(電子妨害など),機械本体の動力停止又は遠隔操作器からの信号の停止によって中断したとき,操縦

装置を始動させていないとき,及び遠隔操縦装置の電源が中断したときは,機械の動作は,停止しそのま

まの状態を保持するよう設計しなければならない。ただし,エンジン回転保持機能は除く。 

4.2 

無線操縦 無線遠隔操縦式の機械が遠隔操縦による通信範囲外にあるときは,機械の動作は停止し,

そのまま止まっていなくてはならない。 

無線遠隔操縦装置を備えた機械が数台近接して作業する場合,個々の遠隔操縦装置は,運転員が遠隔操

縦する対象の機械を,運転の開始前に何らかの方法で識別できるようになっていなくてはならない。 

備考 この目的のため,運転員が機械から離れているときは,特別なランプ又は主スイッチの使用を

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

推奨する。 

4.3 

信号の信頼性 信号を伝達する装置は,過度な電磁放射,一時的な信号の中断,遠隔操作器の故障

などによる誤信号によって機械が動作するのを防止する誤信号探知及び/又は補正システムを備えていな

ければならない。情報の交信のためのプロトコルは,その通信回路及び伝達される情報の保全を保証する。

保全性を検証できない場合は,機械は直ちに操作停止にならなくてはならない。 

遠隔操縦装置は,JIS A 8316に規定する電磁両立性の要求事項に適合しなければならない。 

4.4 

遠隔操作器 (1台の)機械を同時に複数の遠隔操作器から操作可能であってはならない。 

遠隔操作器は,遠隔操縦を起動及び/又は停止させるためのキースイッチ又はアクセスコードのような

装置又は方法を備えていなければならない。 

遠隔操作器は,運転員の自由な動きをできる限り妨げない設計とする。 

4.5 

操縦装置  

4.5.1 

中立位置 遠隔操作器上のすべての操縦装置は,運転員がそれらを放したときには,中立位置に戻

らなくてはならない。ただし,アタッチメント(作業具)操作に機能上固定位置がある場合及び機械本体

の対応する操作装置に固定位置がある場合を除く。遠隔操作器の操縦装置が中立位置にあるとき,その結

果起こる機械の動作は,対応する機械本体の操作装置を中立位置にしたときの動作と同じでなければなら

ない。 

4.5.2 

表示 遠隔操作器上の操縦装置には,機械本体及び作業装置の動作方向を示す操作表示が,機械本

体上の操作表示(もし,あれば)と同じもので明確に表示されていなければならない(JIS A 8310参照)。 

4.5.3 

意図しない起動に対する防護 遠隔操作器上の操縦装置は,意図しないのに起動しないよう配置,

動作ロック又は防護されていなければならない。遠隔操作器を運転員が手から落したり,運転員が転倒し

たときに,意図しない動作が起きないよう防護する手段を設けなければならない。 

遠隔操作器上の操作装置は,無認可の者が起動するのを防止するため,操作装置が不作動状態となって

操作できないようにする手段を設けなければならない。 

4.5.4 

運転席の操作装置の優先 運転席に直接の操作装置がある場合,遠隔操作装置よりも優先する。 

4.6 

有線操縦 有線操縦は,附属書2の4.1,4.3及び4.4に適合しなければならず,かつ,運転員が危険

範囲の外側から機械を操縦できなくてはならない。 

4.7 

操縦ケーブル 操縦ケーブルは,十分な長さをもち柔軟で運転員が安全な操縦位置にいることがで

きるようになっていなければならない。引張力に関しては,使用する電気ケーブル及び接続部はJIS B 

9960-1の14.4.2(外部ダクト)及び14.4.3(機械可動部への接続)に適合しなければならない。 

操作装置は,操縦ケーブルが過度に引っ張られたりよじれたりしたときに,意図しない動作が起こらな

いよう安全に保持されなければならない。 

4.8 

非常停止操作  

4.8.1 

一般事項 有線式遠隔操作器上には,手動操作用の非常停止装置を,無線式遠隔操作装置の場合は,

機械上の運転席に非常停止装置を設けなければならない。 

非常停止装置を起動すると,直ちにすべての作業の駆動装置が安定性を損なわない安全な方法で,停止

しなければならない。 

4.8.2 

特性 非常停止操作を意図的に復元させない限り,回路を再復帰できないようになっていなければ

ならない。 

非常停止装置を複数備えている場合,操作又は起動した非常停止装置のすべてが復帰操作されない限り,

回路を再復帰できないようになっていなければならない。 

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4.8.3 

非常停止操作のボタン 非常停止操作は,ボタン式(押しボタン又は類似の容易に操作可能なもの)

で,赤色とする(JIS C 8201-5-1参照)。 

非常停止操作ボタンの背景色がある場合は,対比の強い色とする。 

非常停止操作ボタンを作動させたときは,回路が切断されなければならない。 

非常停止操作ボタンは,やしの実形又はきのこ形がよい。 

4.9 

選択スイッチ 機械が直接操縦モードも備えている場合は,運転席にモード選択スイッチを備え,

直接操縦又は遠隔操縦のいずれかを選択できるようになっていなければならない。遠隔操縦モードとする

ことによって,直接操縦のほかに運転員が必要に応じて機械を遠隔操縦できるようになる。 

無線式の場合は,モード選択は,キースイッチの使用又はアクセスコードの使用によってだけ可能とす

るか,又は施錠可能なキャブの中にスイッチを設ける。 

4.10 衝撃及び振動 遠隔操作器及び受信器は,衝撃及び振動によって機械の意図しない動きを引き起こ

すような影響を受けてはならない。 

遠隔操作器は,次の試験に耐えなければならない。 

− JIS C 60068-2-27による自由落下試験 

− ISO/DIS 15998による衝撃試験(11ミリ秒で衝撃負荷15 g) 

受信器は,ISO/DIS 15998による振動試験に耐えなければならない。 

4.11 周囲環境からの防護  

4.11.1 遠隔操作器 遠隔操作器の周囲環境からの防護等級は,IP 65(JIS C 0920)による。 

4.11.2 受信器 受信器の対環境防護等級は,その取付位置による。受信器がキャブ内又は同様の位置にあ

る場合はIP 54に,他の場合はIP 65にそれぞれ適合しなければならない。 

4.12 動力源  

4.12.1 一般 遠隔操作器又は受信器への電力供給が切れた場合,機械の意図しない動きが生じてはならな

い。すべての操縦装置及び運転機能は,中立位置に戻らなくてはならない。すなわち,機械のすべての動

作機能が安全に停止しなければならない。 

電力供給が復帰したときに意図しない機械の動きが生じてはならない。遠隔操縦運転は,復帰操作を行

った後にだけ可能とする。 

4.12.2 遠隔操作器 電源が切れた場合,光学的な警報が出るのがよい。 

4.13 表示装置 遠隔操縦式の機械には,緑色及び赤色の表示灯を備えなければならない。 

機械の主スイッチが入っているときは,遠隔操縦モード又は直接操縦モードのいずれの操縦モードであ

っても,機械に取り付けられた緑色又は赤色のいずれかの表示灯が点灯しなければならない。 

遠隔操縦が起動しており,ポンプ圧送の信号を受信している場合は,緑色の表示灯が点灯し,周囲の人

及び運転員にポンプが圧送運転していることを知らせなければならない。 

遠隔操縦が起動しており,ポンプ圧送停止又は逆転運転信号を受信している場合は,緑色の表示灯は消

え,赤色の表示灯が点灯するようになっていなければならない。 

機械が遠隔操縦されているときは,遠隔操作器から機械の警笛(例えば,ホーン)を操作できなければ

ならない。 

4.14 形式情報 次の情報を遠隔操縦装置に恒久的な方法で取り付けなければならない。 

− 製造業者名 

− 型式 

− 製造年 

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− 製造番号 

形式情報は,遠隔操作器と受信器との関係を明確に示し,遠隔操作器及び機械の運転席に近い位置の読

みやすい表面に明示しなければならない。 

4.15 警告表示の図記号 遠隔操縦運転中の危険源を表す警告表示の図記号は,JIS A 8312に適合するの

がよい。その図記号は,機械の周りに人が近づかないよう指示するものがよい。 

附属書2図 1 図記号と補助文字とを用いた安全標識の例 

5. 取扱説明書 遠隔操縦式機械の取扱説明書には,無線操縦の際に遠隔操作器から機械を運転できる最

大安全距離に関する情報を含まなければならない。また,取扱説明書には,機械に表示した安全標識と同

じ図柄を記載し,その表示位置と警告内容とを記載しなければならない。 

 附属書2図1の例 警告 この機械は遠隔操縦可能である。機械が不意に動くことがあるので近づい 

てはならない。 

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附属書3(参考)図解 

この附属書は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

1:ホッパ 

2:コンクリート打設ブーム 

3:アウトリガ 

a) 被けん引式コンクリート圧送ポンプの例 

b) ブーム装置付きコンクリートポンプ車(トラックシャーシ形)の例 

c) ブーム装置付きコンクリートポンプ車(トラクタヘッド形)の例 

附属書3図 1 自走式及び被けん引式コンクリート圧送ポンプの例 

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1:ホッパ 

2:スクリュ 

3:空気室 

a) ねじ式モルタル圧送及び吹付機の例 

b) 圧力容器式モルタル圧送及び吹付機の例 

附属書3図 2 被けん引式モルタル圧送及び吹付機 

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1:ホッパ 

2:かくはん及び圧送部 

3:コンクリート打設ブーム 

4:吹付ノズルのガイドブーム 

附属書3図 3 被けん引式モルタル圧送及び吹付機 

附属書3図 4 被けん引式モルタル圧送及び吹付機 

附属書3図 5 ブーム装置付き吹付機の例 

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1:コンクリート打設ブーム 

2:支柱 

3:先端ホース 

附属書3図 6 定置式ブーム装置 

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a) ホースガイド式 

b) 先端エルボ式 

附属書3図 7 先端ホースの長さ制限 

・125 Aの場合 3 m以内 
・100 Aの場合 4 m以内 

1.2 m以内 

・125 Aの場合 5 m以内 
・100 Aの場合 7 m以内 
・90 Aの場合  8 m以内