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A 8508-6:2010  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 アスファルトフィニッシャ特有の重大な危険源のリスト ·························································· 2 

5 安全要求事項・安全方策 ···································································································· 2 

5.1 運転席及び整備箇所へのアクセス装置 ················································································ 2 

5.2 運転席 ························································································································· 2 

5.3 操縦装置及び計器類 ······································································································· 2 

5.4 走行及び停止 ················································································································ 2 

5.5 防護 ···························································································································· 2 

5.6 コンベヤ ······················································································································ 3 

5.7 騒音及び振動 ················································································································ 3 

5.8 火災予防 ······················································································································ 3 

6 使用上の情報 ··················································································································· 3 

6.1 取扱説明書 ··················································································································· 3 

附属書A(参考)アスファルトフィニッシャの代表的な図例 ························································· 4 

附属書B(規定)アスファルトフィニッシャ特有の重大な危険源のリスト ······································· 6 

A 8508-6:2010  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大

臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,

このような特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確

認について,責任はもたない。 

JIS A 8508(道路工事機械−安全)の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS A 8508-1 第1部:一般要求事項 

JIS A 8508-2 第2部:路面切削機の要求事項 

JIS A 8508-3 第3部:ロードスタビライザの要求事項 

JIS A 8508-4 第4部:締固め機械の要求事項 

JIS A 8508-5 第5部:コンクリートカッタの要求事項 

JIS A 8508-6 第6部:アスファルトフィニッシャの要求事項 

JIS A 8508-7 第7部:アスファルトディストリビュータ及びアスファルトスプレーヤの要求事項 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

A 8508-6:2010 

道路工事機械−安全− 

第6部:アスファルトフィニッシャの要求事項 

Mobile road construction machinery−Safety− 

Part 6: Requirements for asphalt pavers 

序文 

この規格は,JIS B 9700-1,機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第1部:基本用語,方

法論のまえがきに示すタイプC規格(個別機械安全規格)である。 

適用範囲 

この規格は,車輪(ホイール)式及び履帯(クローラ)式のアスファルトフィニッシャの安全要求事項

について規定する。 

なお,この規格は,JIS A 8508-1の一般要求事項も併せて適用するが,要求事項が異なる場合には,こ

の規格を優先する。 

この規格を適用する代表的な機種を,附属書Aに参考として示す。 

この規格は,製造業者が意図し,かつ,予見した条件の下で使用したときに,アスファルトフィニッシ

ャに直接かかわる重大な危険源のすべて(附属書B及びJIS A 8508-1の附属書1参照)を考慮しており,

それらから起こるリスクを除去し,又は低減するための方策を具体的に示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 8508-1 道路工事機械−安全−第1部:一般要求事項 

JIS B 9700-1 機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第1部:基本用語,方法論 

JIS B 9700-2 機械類の安全性−設計のための基本概念,一般原則−第2部:技術原則 

JIS B 9716 機械類の安全性−ガード−固定式及び可動式ガードの設計及び製作のための一般要求事

項 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 8508-1によるほか,次による。 

3.1 

アスファルトフィニッシャ 

車輪(ホイール)式又は履帯(クローラ)式の自走式機械であって,ホッパで受けたアスファルト混合

物,セメントコンクリート,砕石などを敷きならすもの(図A.1〜図A.4参照)。 

A 8508-6:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.2 

スクリード装置 

アスファルト混合物,セメントコンクリート,砕石などを締め固め,均一にならす装置(図A.1〜図A.4

参照)。 

アスファルトフィニッシャ特有の重大な危険源のリスト 

アスファルトフィニッシャ特有の重大な危険源のリストは,附属書Bによる。 

安全要求事項・安全方策 

5.1 

運転席及び整備箇所へのアクセス装置 

アスファルトフィニッシャの運転席及び整備箇所へのアクセス装置は,JIS A 8508-1の5.2(運転席及び

整備箇所へのアクセス装置)によるほか,次による。 

− 運転席へのアクセス装置におけるステップは,輸送車両への積込み時などに機体が前後方向に傾いた

とき,ステップ下端が地面などに接するのを防止するため,ステップ下端が地上600 mmを超えて引

き上げられる構造としてもよい。 

− ホッパ内で整備する場合のアクセス装置には,JIS A 8508-1の5.2(運転席及び整備箇所へのアクセス

装置)の防滑に関する規定は適用しない。 

− スクリード装置には,施工幅に合わせた,安全に乗り降りできるステップを設けなければならない。 

5.2 

運転席 

アスファルトフィニッシャの運転席は,JIS A 8508-1の5.3(運転席)による。ただし,使用者の要求が

あった場合は,キャブを装着できるよう設計しなければならない。 

5.3 

操縦装置及び計器類 

アスファルトフィニッシャの操縦装置及び計器類は,JIS A 8508-1の5.5(操縦装置及び計器類)による

ほか,次による。 

− スクリードの伸縮操作は,スイッチから手を放したとき,自動的に中立に戻らなければならない。 

− 立ち姿勢で運転する機械には,JIS A 8508-1の5.5(操縦装置及び計器類)の運転席を立ち姿勢位置に

置き換えて適用する。 

− 運転席以外にも操縦装置を備える機械においては,切換え装置などの設置によって,同時操作による

誤作動を防止しなければならない。 

5.4 

走行及び停止 

アスファルトフィニッシャのブレーキ装置は,JIS A 8508-1の5.8.2(ブレーキ装置)による。ただし,

変速操作において,中立位置では自動的にブレーキがかからなければならない。 

5.5 

防護 

アスファルトフィニッシャの防護は,JIS A 8508-1の5.11(防護)によるほか,次による。 

a) スクリュ装置 機械の本体幅以内のスクリュ部分には,JIS B 9716の3.2(固定式ガード)による固定

式ガードを取り付けなければならない。また,機械の本体幅を超えてスクリュを拡張するときは,格

子状のカバー,ガードレールなどで保護しなければならない。 

b) スクリード固定装置 スクリード装置には,保全作業などの目的で持ち上げた高さを確実に維持でき

るスクリード固定装置を装備し,その固定装置は少なくとも2種類装備しなければならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.6 

コンベヤ 

アスファルトフィニッシャのコンベヤには,JIS A 8508-1の5.16(コンベヤ)は適用しない。 

5.7 

騒音及び振動 

アスファルトフィニッシャの騒音及び振動は,JIS A 8508-1の5.17(騒音及び振動)によるほか,次に

よる。 

− 空中に放射される音響パワーレベルは,国土交通省の定める“低騒音型・低振動型建設機械の指定に

関する規程”(平成9年建設省告示第1536号)に定める方法,すなわち“建設機械の騒音及び振動の

測定値の測定方法”(平成9年建設省告示第1537号)に従って測定し,その結果を取扱説明書に明記

する。 

周辺環境によって要求される低騒音型のアスファルトフィニッシャは,その騒音の測定値が表1に

規定する基準値以下でなければならない。 

表1−低騒音型アスファルトフィニッシャの騒音基準値 

機関出力 (P) 

kW 

騒音基準値 

dB 

P<55 

101 

55≦P<103 

105 

103≦P 

107 

超低騒音型アスファルトフィニッシャの騒音基準(音響パワーレベル)は,低騒音型アスファルト

フィニッシャの騒音基準値から6を減じて得た値を下回らなければならない。 

− JIS A 8508-1の5.17.4(手−腕への振動に関する情報)は,適用しない。 

− スクリード装置とステップとの間には,防振ゴムを設けるなど,運転員に伝わる振動をできる限り軽

減しなければならない。 

5.8 

火災予防 

アスファルトフィニッシャの火災予防は,JIS A 8508-1の5.18(火災予防)によるほか,次による。 

− 燃焼装置を用いるアスファルトフィニッシャには,火炎に適応した可搬式消火器を,運転員又は火災

が発生しそうな位置の近くに,保持器から工具なしに取り外せるように設置しなければならない。 

− 可搬式消火器は,消防法第21条の2第2項の規定に基づく消火器の技術上の規格を定める省令(平成

12年9月14日自治省令第44号)の要求事項に適合しなければならない。 

使用上の情報 

6.1 

取扱説明書 

アスファルトフィニッシャの取扱説明書は,JIS A 8508-1の7.2(取扱説明書)によるほか,次による。 

− ホッパ,コンベヤ及びスクリュの清掃時に,手足などを巻き込まれないよう安全に配慮する旨の記述 

− スクリード装置は,100 ℃以上の高温になるので,火傷に注意する旨の記述 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 

アスファルトフィニッシャの代表的な図例 

A.1 車輪(ホイール)式アスファルトフィニッシャ 

図A.1−車輪(ホイール)式アスファルトフィニッシャ 

図A.2−車輪(ホイール)式アスファルトフィニッシャ 

1 車輪(ホイール) 
2 本体 
3 スクリード装置 
4 ホッパ 
5 ステップ 

1 車輪(ホイール) 
2 本体 
3 スクリード装置 
4 ホッパ 
5 ステップ 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

A.2 履帯(クローラ)式アスファルトフィニッシャ 

図A.3−履帯(クローラ)式アスファルトフィニッシャ 

図A.4−履帯(クローラ)式アスファルトフィニッシャ 

1 履帯(クローラ) 
2 本体 
3 スクリード装置 
4 ホッパ 
5 スクリュ 
6 コンベヤ 

1 履帯(クローラ) 
2 本体 
3 スクリード装置 
4 ホッパ 
5 ステップ 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(規定) 

アスファルトフィニッシャ特有の重大な危険源のリスト 

アスファルトフィニッシャに直接かかわる重大な危険源のリストは,JIS A 8508-1の附属書1及び次に

よる。 

番号a) 

危険源 

JIS B 9700-1 

JIS B 9700-2 

JIS A 8508-6 

危険源,危険状態及び危険事象 

次の事項から起こる機械的危険源 

1.1 

押しつぶしの危険源 

4.2.1 

4.2.1 

5.5b) 

1.4 

引き込み又は捕そく(捉)の危険源 

4.2.1 

5.5a), 5.6, 6.1 

次の結果を招く熱的危険源 

3.1 

極度の高温又は低温の物体,材料に人が接触し
得ることによる火災又は爆発,並びに熱源から
の放射によるやけど,熱傷及びその他の傷害 

4.4 

6.1 

次の結果を招く騒音から起こる危険源 

4.1 

聴力喪失(聞こえない),その他の生理的不調
(平衡感覚の喪失,意識の喪失など) 

4.5 

4.2.2, 
4.3c), 
4.4c), 
4.8.4, 
5.4.2 

5.7 

4.2 
 

口頭伝達,音響,信号及びその他の障害 
 

4.5 
 

4.2.2, 
4.3c), 
4.4c), 
4.8.4, 
5.4.2 

5.7 
 

振動から起こる危険源 

4.6 

4.2.2,4.8.4,
5.4.3 

5.7 

機械類によって処理又は使用される材料及び物質から起こる危険源 

7.1 

有害な液体,気体,ミスト,煙霧及び粉じんと
の接触又はそれらの吸入による危険源 

4.8 

4.2.2, 
4.3c), 
5.4.4 

5.2 

例えば,次の項目から起こる危険源のように,機械類の設計時に人間工学原則の無視から起こる危険
源 

8.6 

ヒューマンエラー及び人間挙動 

4.9 

4.8, 
4.11.9, 
4.11.10, 
5.5.2, 6.1 

5.1, 5.3 

8.7 

手動制御器の不適切な設計,配置又は識別 

4.8.1, 4.8.7, 
4.11.8 

5.3 

8.9 

安全の組込み原則の無視 

5.2, 5.3, 5.4 

8.10 

不適切なガード及び防護装置 

3.25, 3.26 

5.2, 5.3 

5.5a), 5.5b) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号a) 

危険源 

JIS B 9700-1 

JIS B 9700-2 

JIS A 8508-6 

8.12 

調整,補修及び保守整備場所並びにそれらへの
接近の不適切な設計 

3.3, 3.19 

4.7, 
4.11.12, 
4.15, 5.5.6 

5.1 

危険源の組合せ 

4.11 

5.2 

10 

次の事項から起こる予測しない始動,予期しない超過走行又は超過速度(若しくは何らかの類似不調) 

10.1 
 

制御システムの故障又は混乱 

4.11.1, 
4.12, 
5.5.4 

5.3 

10.4 

オペレータによるエラー(人間の特性及び能力
と機械類の不調和による。この表の番号8.6参
照) 

4.9 

4.8,4.11.9, 
4.11.10, 
5.5.2,6.1 

5.3 

11 

機械を考えられる最良状態に停止させること
が不可能 

4.11.3, 
4.11.5, 
5.5.2 

5.4 

16 

人の滑り,つまずき及び落下(機械に関係する
もの) 

4.10 

5.5.6 
 

5.1 
 

17 

走行機能に関連したもの 

17.6 

減速,停止及び固定するための機械能力が不十
分 

5.4 

18 

機械上の作業位置(運転席含む)に関連したもの 

18.1 

運転及び作業位置に入出時の人の落下 

5.5.6 

5.1 

18.3 

火事(運転室の可燃性及び消火手段の欠如) 

5.8 

18.8 

作業位置における騒音 

5.7 

19 

制御システムによるもの 

19.3 

手動制御機器及びその運転モードの不適切な
設計 

4.11.1 

5.3 

23 

運転員/オペレータに対する指示が不十分 
(取扱説明書,標識,警告及び表示) 

6.1 

注a) JIS A 8508-1の附属書1参照。 

参考文献  

(1) 低騒音型・低振動型建設機械の指定に関する規程(平成9年建設省告示第1536号) 

(2) 建設機械の騒音及び振動の測定値の測定方法(平成9年建設省告示第1537号) 

(3) 消防法第21条の2第2項の規定に基づく消火器の技術上の規格を定める省令(平成12年9月14

日自治省令第44号)