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A 8307

:2006 (ISO 3457:2003)

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本建設

機械化協会(JCMA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS A 8307:1991 は改正され,この規格に置き換えられる。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 3457:2003,Earth-moving machinery

−Guards−Definitions and requirements を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。


A 8307

:2006 (ISO 3457:2003)

(2)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

4.

  通則

2

5.

  障壁

3

6.

  フェンダ

3

7.

  ファンガード 

3

8.

  サーマルガード 

3

9.

  ホースガード 

4

10.

  安全距離による保護

4

10.1

  基本的仮定 

4

10.2

  要求事項 

4

10.3

  上方への到達距離

4

10.4

  乗越え障壁 

4

10.5

  障壁周囲への到達

5

10.6

  開口を通しての到達 

6

10.7

  挟まれ

8

 


日本工業規格

JIS

 A

8307

:2006

(ISO 3457

:2003

)

土工機械−ガード−定義及び要求事項

Earth-moving machinery

Guards

Definitions and requirements

序文  この規格は,2003 年に第 4 版として発行された ISO 3457,Earth-moving machinery−Guards−

Definitions and requirements

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業

規格である。

1. 

適用範囲  この規格は,JIS A 8308 に規定する土工機械の運転及び点検整備に関連して,機械的危険

源,流体危険源及び熱的危険源から人を保護するために土工機械に取り付けるガードその他の保護方策の

主要な用語を定義し,その要求事項及び特性について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 3457:2003

,Earth-moving machinery−Guards−Definitions and requirements (IDT)

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS A 8302

  土工機械−運転員・整備員の乗降,移動用設備

備考 ISO 

2867:1994

,Earth-moving machinery−Access systems が,この規格と一致している。

JIS A 8308

  土工機械−基本機種−用語

備考 ISO 

6165:2001

,Earth-moving machinery−Basic types−Vocabulary が,この規格と一致してい

る。

JIS A 8312

  土工機械−安全標識及び危険表示図記号−通則

備考 ISO 

9244:1995

,Earth-moving machinery−Safety signs and hazard pictorials−General requirements

が,この規格と一致している。

JIS A 8315

  土工機械−運転員の身体寸法及び運転員周囲の最小空間

備考 ISO 

3411:1995

,Earth-moving machinery−Human physical dimensions of operators and minimum

operator space envelope

が,この規格と一致している。

JIS A 8323

  土工機械−運転席及び整備領域−端部の丸み

備考 ISO 

12508:1994

,Earth-moving machinery−Operator station and maintenance areas−Bluntness of

edges

が,この規格と一致している。

JIS A 8407

  土工機械−操縦装置の操作範囲及び位置

備考 ISO 

6682:1986

,Earth-moving machinery−Zones of comfort and reach for controls からの引用事

項は,この規格の該当事項と同等である。


2

A 8307

:2006 (ISO 3457:2003)

3. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1

ガード(guard)  単独の,又は,機械の他の部分と組み合わせた保護装置で,危険源となる可能性の

ある機械部品と接触するがい(蓋)然性を最小とするために設計,装着されたもの。

3.1.1 

保護構造物 (barrier guard)  人体又はその一部の動作を制限する保護装置で,機械部品との接触又

はその他の類似の危険にさらされるのを避けるためのもの。

例えば,手すり水平部材,支柱,カバー又は囲い。

3.1.2 

フェンダ (fender)  機械の車輪及び履帯を半ば覆って,それらが色々な物をはね飛ばすのを制限す

るもの。フェンダは,可動物との接触を制限するために用いられることもある。

3.1.3 

ファンガード (fan guard)  エンジン冷却ファンを覆う構造で,回転しているファンに接触しない

ように保護するもの。

3.1.4 

サーマルガード (thermal guard)  機械の高温部分に人が接触するのを防止するためのガード。こ

れは高温部分と燃えやすい物質とを隔離するために用いてもよい。

3.1.5 

ホースガード (hose guard)  ホースの破損のときに,危険な流体の飛散から保護するためのガード。

3.2 

安全距離による保護 (distance guarding)  ガードの考え方で,ガードの形状(開口含む。)及び危険

のあるところとガードとの距離関係との双方を組み合わせることによって,

危険に接してしまう可能性を,

最小限にすること。  また,体のどこかがつぶされないための(所要の)間隔寸法も含まれる。

3.3

日常点検 (routine maintenance)  機械の適正な性能を保つために,製造業者が推奨する,日常的に

行う行動。

例えば,給油,燃料補給,調整,予防保全,清掃及び点検。

4. 

通則

4.1 

可動部品,高温又は流体を内蔵する部品による顕著な傷害のリスクがあるときは,適切な設計,防

護手段,安全距離を保った配置,又は警告によって,そのような危険源に対処しなければならない。意図

した使用で必然的にそのような機械部品にさらされるときは,正しい作業又は使用とされる範囲で保護手

段を設けなければならない。機械の製造業者が規定する作業状態で発生する危険源を,ガードだけでは除

去できないときは,JIS A 8312 による適切な安全警告を適用しなければならない。

4.2 

ガードは,普通のファスナ,その他の適切な方法で機械に取り付ける。

日常又は毎日の整備,検査及び清掃のために開ける必要のあるアクセスドア及びガードは,次による。

−  容易に開閉できる。

−  ヒンジ,つなぎなわ,その他の適切な方法を用いて取り外し不要になっている。

−  閉めた状態,要すれば開放した状態を保持するための手段を備えている。

−  取り外さなくてはならないようになっている場合で 20 kg を超えるときは,適切な取っ手又はつ(吊)

り上げ箇所がなくてはならない。

4.3 

整備のために開けることのあるガードには,けがをするおそれのあるシャープエッジ及び突起があ

ってはならない(JIS A 8323 参照)

。そして意図した使用の下で,  予期すべき気象条件及び作業条件に耐

え得る強度を保たなければならない。

4.4 

ホースガードを除いて,どのガードも十分な剛性をもっていて危険のある方へ変形していくのを防

ぐこと,この場合直径 125 mm の円盤を介して  次の負荷を与えても目に見えるような変形を起こしてはな

らない。

a)

人がガードに接触する箇所:接触する箇所に 250 N を負荷する。


3

A 8307

:2006 (ISO 3457:2003)

b)

人がガードに向かって倒れかかったりもたれかかるような場合:  接触する箇所に 500 N を負荷する。

c) 

ガードがアクセスシステムのステップ又はプラットフォームとしても用いられる場合:

(人が)踏む可

能性のある表面に,2 000 N を負荷する(JIS A 8302 参照)

4.5 

回転するシャフトは,  バリアで保護するか,又は(人を)危険から遠避けるような手段をとる。

5. 

障壁

5.1 

危険源と障壁との間隔は,  その危険源に人が最も近づくことができる場所から測る。詳細は 10.

照。

5.2 

スキッドステアローダの運転員の側面のガードのように,障壁では作業中の運転員の視界が制限さ

れる場合の開口寸法は 40 mm

× 80 mm 又は同等寸法を超えてはならない。

6. 

フェンダ

6.1

キャブのない機械で,車輪又は履帯の動きに,意図しないで接触し運転員がけがをするリスクがあ

るとき,フェンダを装着しなければならない。最小リスクと判断して寸法を選定したことを,製造業者は

実証できなければならない。

6.2 

車輪又は履帯から飛ばされてくる物体によって運転員がけがをする又は必す(須)の情報を提供す

るディスプレーを損傷するなどのリスクがあるときは,

フェンダを装着しなければならない。

保護領域は,

JIS A 8315

に規定する運転員最小空間を含まなければならない。

6.3 

フェンダを装着したときは,6.1 及び 6.2 による遮へい長さ及び幅の決定には運転員が必要とする車

輪又は履帯の視認性,運転員空間の車輪又は履帯に対する長手方向及び横断方向の位置関係,車輪又は履

帯の周速度及び保護すべき領域といった要因を考慮しなくてはならない。

6.4 

フェンダは,運転員・整備員の乗降,移動用設備の一部となる場合は,JIS A 8302 に適合しなければ

ならない。

7. 

ファンガード

7.1 

製造業者が推奨する日常点検を原動機停止で実施する場合は,原動機室の囲いはファンガードの要

求事項を満たさなければならない。警告表示(JIS A 8312 参照)を行い,かつ,取扱説明書にも含めなけ

ればならない。

7.2 

エンジン冷却ファンは,地上又は足場に乗った人が届く位置にある場合,ガードを備えて,意図せ

ずにファンに接触しないように保護しなければならない。ガードからファンまでの距離及びガードの開口

寸法は,

表 によらなければならない。

  1  距離及び開口寸法

単位  mm

ガードとファンとの間の距離

最大開口寸法

≦ 90 12

 91

∼ 140

16

141

∼ 165

19

166

∼ 190

22

191

∼ 320

32


4

A 8307

:2006 (ISO 3457:2003)

8. 

サーマルガード

8.1 

運転操作位置から手の到達範囲内において通常の運転条件で温度が 75  ℃を超える金属表面(塗装又

は塗布)への接触防止のためにサーマルガードを備えなければならない(JIS A 8407 参照)

8.2 

運転員・整備員の乗降,移動用経路及び製造業者が推奨する日常点検箇所に近づくときに,意図し

ないで高温の表面に接触するのを防止するためのサーマルガード又は他の類似手段を考慮しなければなら

ない。

9. 

ホースガード

9.1 

通常の運転位置にいる運転員から 1 m 以内に位置するもので,圧力 5 000 kPa 又は温度 60  ℃  を超

える流体を内蔵するホースは,破損したときに,吹き出した流体が運転員に届かないようにガードしなけ

ればならない。

9.2 

ホースガードは,柔軟性のあるホースカバーを含め,十分に頑丈で,

(吹き出した)流体が運転員に

直接触れないように,止めるか又は向きを反らさなければならない。

備考  機械の作業中に開けることのできるキャブドア及び窓には,9.1 及び 9.2 の要求事項を適用しな

い。

10. 

安全距離による保護

10.1 

基本的仮定  表 に示す安全距離は,次の仮定をすることによって導く。

a)

危険に対する保護構造物及びその開口部は,その形状及び位置が変化しない。

b)

安全距離は,身体又はその一部の動きを制限する保護構造の表面から測定する。

c)

人が,身体の一部を保護構造物を超え,又は開口部を通して、身体の一部を危険区域に届く方向に動

かし得る。

d)

基準面は,人が通常立つ面であるが,必ずしも床である必要はない。例えば,作業床が基準面となる

こともある。

e)

いす又ははしごのような補助によって基準面を変更しない。

f)

上肢が自然に届く範囲を延長するために,さお又は工具のような補助が使用できない。

10.2 

要求事項  危険な構成部品は,ガードを設けていない場合,安全距離の範囲外とする。(ガードの)

開口部の寸法は,ガードと危険部品との間隔に応じて定まる適切な寸法を超えてはならない。

10.3 

上方への到達距離  直立姿勢の人が頭上の危険に届かないようにするための安全距離は,基準面か

ら 2.5 m  とする。

10.4 

乗越え障壁

10.4.1 

保護構造物と危険区域との距離を決定するための原則を,

図 に示す。

安全距離は,

表 に示す危険区域への水平距離と,保護構造物の高さとの組み合わせで得られる。危険

区域の高さ,保護構造物の高さ又は危険区域への水平距離が,

表 の二つの値の中間である場合は,より

高い安全レベルを提供する値とする。

10.4.2 

保護構造物の高さは,1 m 以上でなければならない。


5

A 8307

:2006 (ISO 3457:2003)

記号

A

:危険区域の高さ

B

:保護構造物の高さ

C

:危険区域への水平距離

1

:基準面

2

:危険区域

3

:保護構造物

備考  JIS B 9707:2002 の図 を適用。 

  1  保護構造物と危険区域との距離を決定するための原則

  2  下方及び水平方向への安全距離

単位  mm

保護構造物の高さ(

a

)

1 000

1 200

1 400

1 600

1 800

2 000

2 200

2 400

2 500

危険区域

の高さ

危険区域への水平距離

  2 500

2

400 100 100 100 100 100 100 100 100

2

200 600 600 500 500 400 350 250

  2 000

 1 100

900

700

600

500

350

  1 800

 1 100

 1 000

900

900

600

  1 600

 1 300

 1 000

900

900

500

  1 400

 1 300

 1 000

900

800

100

  1 200

 1 400

 1 000

900

500

  1 000

 1 400

 1 000

900

300

 800

 1 300

900

600

 600

 1 200

500

 400

 1 200

300

 200

 1 100

200

 0

 1 100

200

備考  JIS B 9707:2002 の表 を適用。 
(

a

)

高さ 1 000 mm 未満の保護構造物は含まない。この場合,身体の動作を十分に拘束できない。 


6

A 8307

:2006 (ISO 3457:2003)

10.5 

障壁周囲への到達

10.5.1 

人の身体の一部が障壁の周囲に届く範囲は,開口部の寸法及び他の介在物を考慮して,

表 に示す。

120 mm

以上の開口寸法に対しては,

表 に示す安全距離を適用する。

10.5.2 

表 及び表 に示す。指,手及び腕の届く寸法は,障壁の下側から届くかどうかを検討するときに

用いる。

  3  到達範囲の安全距離

単位  mm

動作の制限

安全距離

d

S

図示

肩及びわき(脇)の下においてだけの

動作の制限

≧ 850

ひじ(肘)まで支えられる腕

≧ 550

手首まで支えられる腕

≧ 230

指の関節まで支えられる腕及び手

≧ 130

番号

1

  腕の動作の範囲

備考  JIS B 9707:2002 の表 を適用。 
(

a

)

これは円形開口部の直径,又は正方形開口部の辺,若しくは長方形開口部の幅を示す。

120

(a

)

120

(a

)

120

(a

)

120

(a

)


7

A 8307

:2006 (ISO 3457:2003)

10.6 

開口を通しての到達

10.6.1

ファンガード  7.参照。

10.6.2 

長方形開口部,正方形開口部又は円形開口部  開口部を通して届くかどうかの安全距離を表 に示

す。開口の寸法 は,正方形開口部の辺,円形開口部の直径及び長方形開口部の最も狭い寸法に相当する。

120 mm

以上の開口寸法に対しては,

表 に示す安全距離を適用する。

  4  開口部を通しての到達安全距離

単位  mm

安全距離  d

S

身体の部分

図示

開口部

e

長方形

正方形

円形

      e

≦ 4

≧ 2

≧ 2

≧ 2

指先

4 < e

≦ 6

≧ 10

≧ 5

≧ 5

6 < e

≦ 8

≧ 20

≧ 15

≧ 5

 8 < e

≦ 10

≧ 80

≧ 25

≧ 20

10 < e

≦ 12

≧ 100

≧ 80

≧ 80

12 < e

≦ 20

≧ 120

≧ 120

≧ 120

指の関節までの

指又は手

20 < e

≦  30

≧ 850

 (a)

≧ 120

≧ 120

30 < e

≦ 40

≧ 850

≧ 200

≧ 120

肩の起点までの

 40 < e

≦ 120

≧ 850

≧ 850

≧ 850

備考  JIS B 9707:2002 の表 を適用。 
(

a

)

長方形開口部の長さが 65 mm 以下なら,親指はストッパとして働くので,安全距離は 200 mm まで減らすこ

とができる。

10.6.3 

異形開口部  不規則な形状の開口部の安全距離については,まず,その異形開口部が完全にはまり

こむような次の寸法を求める(

図 参照)。

a)

最小の円形開口部の直径

b)

最小の正方形開口部の一辺

c)

最狭長方形開口部の幅

  次に

表 又は表 に従って,該当する三つの安全距離を選択する。選択された三つの値の最短安全距離

を使用する。


8

A 8307

:2006 (ISO 3457:2003)

記号

S

:辺

W

:幅

D

:直径

  2  異形開口部

10.7 

挟まれ  表 に人体が物体に挟まれるのを防止するための安全距離(最小すき間)を示す。

  5  押しつぶされることを回避するための最小すき間(

a

)

単位  mm

人体部位

開口すき間 a

図示

人体 500

頭(最悪の位置) 300

脚 180

(

a

)

  押しつぶされることを回避するための最小すき間の使い方は,

    JIS B9711 に記載されている。

a

a


9

A 8307

:2006 (ISO 3457:2003)

  5  押しつぶされることを回避するための最小すき間(続き)

人体部位

開口すき間 a

図示

足 120

つま先 50

腕 120

手 
手首

こぶし

100

指 25

備考  JIS B 9711:2002 の表 を適用。

関連規格  JIS B 9707:2002  機械類の安全性−危険区域に上肢が到達することを防止するための安全距離

参考  ISO 13852:1996, Safety of machinery−Safety distances to prevent danger zones being

reached by the upper limbs

が,この規格と一致している。

JIS B 9711:2002

  機械類の安全性−人体部位が押しつぶされることを回避するための最小すき

参考  ISO 13854:1996  Safety of machinery−Minimum gaps to avoid crushing of parts of the

human body

が,この規格と一致している。

a

a

a