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A 7502-1

:2015

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

1

4

  コンクリート腐食対策技術  

2

5

  腐食対策の状況把握のための運転管理  

2

5.1

  運転管理の目的  

2

5.2

  運転管理で留意する項目  

2

6

  腐食対策技術を施した下水道構造物の点検  

2

6.1

  点検の目的  

2

6.2

  点検の種類及び項目  

2

6.3

  点検記録の作成と保管  

3

6.4

  点検記録の活用  

3

附属書 A(参考)下水道構造物のコンクリート腐食対策技術概念図  

4

附属書 B(参考)施設点検記録項目  

5


A 7502-1

:2015

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本コンクリート防食協会

(JCEP)

,地方共同法人日本下水道事業団(JS)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原

案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣

が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS A 7502

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

A

7502-1

  第 1 部:基本概念

JIS

A

7502-2

  第 2 部:防食設計標準

JIS

A

7502-3

  第 3 部:防食施工標準


日本工業規格

JIS

 A

7502-1

:2015

下水道構造物のコンクリート腐食対策技術−

第 1 部:基本概念

Corrosion protection technology of sewerage concrete structures-

Part 1: Concept

序文 

この規格は,下水道構造物のコンクリート腐食対策技術の設計・施工・点検の方法を規定し,標準を示

すことによって,コンクリート構造物の耐用年数を可能な限り長く保持することを目的とする。

適用範囲 

この規格は,下水道法で定められた終末処理場及びポンプ場における硫化水素に起因する硫酸によるコ

ンクリート構造物の腐食対策技術の基本概念について規定する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS A 0203

  コンクリート用語

JIS A 7501

  下水道管路維持管理計画の策定に関する指針

JIS A 7502-2

  下水道構造物のコンクリート腐食対策技術−第 2 部:防食設計標準

JIS A 7502-3

  下水道構造物のコンクリート腐食対策技術−第 3 部:防食施工標準

JIS Q 24510

  飲料水及び下水事業に関する活動−サービスの評価及び改善に関する指針

JIS Q 24511

  飲料水及び下水事業に関する活動−下水事業のマネジメントに関する指針

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 0203JIS Q 24510JIS Q 24511 及び JIS A 7501 によるほ

か,次による。

3.1 

終末処理場 

下水を最終的に処理して,河川その他の公共の水域又は海域に放流するために,下水道の施設として設

けられる処理施設及びこれを補完する施設。

3.2 

ポンプ場 

下水をポンプ揚水する目的のポンプ,配管,弁,補機類及び制御設備を含む施設。目的に応じて,排水

ポンプ場及び中継ポンプ場がある。


2

A 7502-1

:2015

3.3 

コンクリート腐食 

硫化水素に起因する硫酸との接触による,コンクリートの劣化現象。

3.4 

防食被覆層 

コンクリート腐食を防止するため,硫酸に対して高い抵抗性を有する層。

3.5 

防食被覆工法 

コンクリート表面に防食被覆層を形成させる工法。

コンクリート腐食対策技術 

終末処理場及びポンプ場の下水道構造物において用いられるコンクリート腐食対策技術は,コンクリー

ト腐食を防止するとともに,箇条 に規定する運転管理及び箇条 に規定する点検を行うことで,耐用年

数を可能な限り長く保持することである。下水道構造物のコンクリート腐食対策技術の概念図を,

附属書

A

に示す。

コンクリート腐食対策技術は,次の二つの技術からなる。

a)

コンクリート腐食抑制技術  コンクリート腐食抑制技術とは,コンクリート腐食の原因となる硫化水

素の発生を抑制するため,汚水及び汚泥の滞留又は腐敗の防止,換気・脱臭施設の設置などを行うこ

とをいう。

b)

コンクリート防食技術  コンクリート防食技術とは,硫化水素に起因する硫酸によるコンクリート腐

食を防止するためにコンクリート表面に防食被覆を行うことをいう。コンクリートの防食の設計は,

JIS A 7502-2

に基づいて,施工は,JIS A 7502-3 に基づいて行う。

腐食対策の状況把握のための運転管理 

5.1 

運転管理の目的 

運転管理は,終末処理場及びポンプ場が稼働している際,コンクリート腐食抑制技術の実施状況を管理

することを目的とする。

5.2 

運転管理で留意する項目 

運転管理では,次に示す項目について留意する。

a)

終末処理場及びポンプ場内の各施設における下水及び汚泥の嫌気性化抑制のための滞留防止

b)

終末処理場及びポンプ場内の各施設における換気及び脱臭機能の保持

腐食対策技術を施した下水道構造物の点検 

6.1 

点検の目的 

点検は,次の目的で行う。

a)

腐食環境の把握

b)

腐食対策の機能維持

c)

改築のための基礎データの蓄積

6.2 

点検の種類及び項目 

点検の種類は,次による。また,点検の項目の例を

附属書 に示す。


3

A 7502-1

:2015

a)

初期点検  施設管理者が新築工事及び改築工事後の供用開始初期において施設の状況を把握するため

に実施する。

b)

日常点検  施設管理者が日常の機器点検など覆蓋の開口時に目視,指触などの簡易的な方法によって

構造物の状況又は腐食環境を確認するために実施する。点検頻度は,月に 1 回∼2 回程度が望ましい。

c)

定期点検  施設管理者が定期的に腐食要因の測定を行い,構造物の状況又は腐食環境を確認するため

に実施する。

6.3 

点検記録の作成と保管 

終末処理場及びポンプ場の施設管理者は,日常点検,定期点検の記録を作成し,保管する。また,JIS A 

7502-2

に規定する調査及び診断,又は改築工事を行った場合には,それらの記録も併せて保管する。

6.4 

点検記録の活用 

点検記録は,次に示す項目に活用することができる。

a)

コンクリート腐食抑制技術の確認

b)

防食被覆層の機能維持の確認

c)

設計時に決定した腐食環境と実態との整合性の確認

d)

異常の早期発見

e)

調査及び診断の要否の判断


4

A 7502-1

:2015

附属書 A

(参考)

下水道構造物のコンクリート腐食対策技術概念図

下水道構造物のコンクリート腐食対策技術の概念図を,

図 A.1 に示す。

図 A.1−下水道構造物のコンクリート腐食対策技術概念図 

腐食対策技術を施した下水道構造物の点検

(初期点検,日常点検,定期点検)

コンクリート腐食対策技術

コンクリート 
腐食抑制技術

腐食対策の状況把握のための運転管理

コンクリート防食技術

施設の調査及び診断

改築工事の要否

施設の改築設計

施設の改築工事

施設の新築設計

施設の新築工事

調査及び診断の

要否

JIS A 7502-2 

防食設計標準

JIS A 7502-3 

防食施工標準


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A 7502-1

:2015

附属書 B

(参考)

施設点検記録項目

腐食環境におかれた施設の点検記録項目を,

表 B.1 に示す。

表 B.1−施設点検記録項目の例 

項目

施設点検記録項目

点検の種別

初期点検,日常点検,定期点検

施設の概要

施設名称,施設の規模・能力など,構造物の状態,供用開始年月日,

補修後供用開始年月日

コンクリートの諸元

設計基準強度,混和剤使用の有無,設計被り厚さ

防食被覆層の諸元

設計腐食環境,防食被覆層の種類,防食被覆層の材料及び工法名

初期点検時の状態

初期の欠陥の有無,種類及び対策

下水の水質

下水中の硫酸イオン濃度,水温,下水中の溶存硫化物

腐食環境

硫化水素ガス濃度,槽内の気温,表面の水素イオン濃度指数

点検結果

劣化現象の種別及びレベル,発生部位,記録写真の有無

評価

施設の調査及び診断の必要性