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A 7501:2020  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 維持管理計画の策定の考え方 ······························································································ 3 

5 維持管理計画書の記載内容 ································································································· 4 

附属書A(参考)リスクの大きさの算定の考え方 ······································································· 6 

附属書B(参考)維持管理方針及び目標指標の記載内容 ······························································· 9 

附属書C(参考)対象地域の概要の記載内容 ············································································ 10 

附属書D(参考)対象地域の管路及びポンプ施設の概要の記載内容··············································· 11 

附属書E(参考)維持管理情報の収集整理及び活用 ···································································· 13 

附属書F(参考)維持管理状況の記載内容 ················································································ 14 

附属書G(参考)巡視における緊急対応の判断基準 ··································································· 15 

附属書H(参考)点検の実施頻度 ··························································································· 16 

附属書I(参考)点検における緊急対応の判断基準 ···································································· 17 

附属書J(参考)腐食するおそれが大きい箇所の選定 ································································· 18 

附属書K(参考)調査の実施頻度 ··························································································· 19 

附属書L(参考)目視調査又はテレビカメラ調査による診断 ························································ 20 

附属書M(参考)清掃着手基準及び清掃の実施頻度 ··································································· 25 

附属書N(参考)定期報告書及び不定期報告書 ········································································· 26 

附属書O(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ····························································· 27 

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(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,公益社団法人

日本下水道管路管理業協会(JASCOMA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添

えて日本産業規格を改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正

した日本産業規格である。これによって,JIS A 7501:2013は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。国土交通大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

注記 工業標準化法に基づき行われた申出,日本工業標準調査会の審議等の手続は,不正競争防止法

等の一部を改正する法律附則第9条により,産業標準化法第12条第1項の申出,日本産業標準

調査会の審議等の手続を経たものとみなされる。 

日本産業規格          JIS 

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下水道管路維持管理計画の策定に関する指針 

Planning for sewer system maintenance 

序文 

この規格は,下水道管路維持管理計画の策定の考え方及び記載内容を統一することによって,健全な管

路の維持管理,維持管理計画の策定の能率化などを目的として,2013年に制定され,その後の関連法規の

改正などに対応するために改正した。技術上重要な改正に関する新旧対照表を附属書Oに示す。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,地方公共団体が管理する下水道管路の維持管理計画(以下,維持管理計画という。)の策定

の考え方及び記載内容について規定する。 

なお,この規格は,我が国における下水道に相当する事業を基本に構成しているが,下水道法適用範囲

外の管路にも適用可能である。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS Q 24510 飲料水及び下水事業に関する活動−サービスの評価及び改善に関する指針 

JIS Q 24511 飲料水及び下水事業に関する活動−下水事業のマネジメントに関する指針 

JIS Q 31000 リスクマネジメント−指針 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Q 24510,JIS Q 24511及びJIS Q 31000によるほか,次によ

る。 

3.1 

下水道 

下水を排除するために設けられる排水管,排水きょその他の排水施設(かんがい排水施設を除く。),こ

れに接続して下水を処理するために設けられる処理施設(し尿浄化槽を除く。)又はこれらの施設を補完す

るために設けられるポンプ施設及びその他の施設の総体。 

3.2 

管路 

下水を排除するために設けられる排水施設。管きょ,マンホール,ます,取付け管,圧送管,伏越し,

雨水吐,吐口などの総称。ポンプ施設は含まないが,この規格ではマンホール形式ポンプ場を含む。 

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3.3 

管きょ 

下水を排除するために設けられる排水管及び排水きょ。 

3.4 

マンホール 

管路の清掃,換気,点検,採水などを目的として設けられる施設。マンホールの蓋を含む。 

3.5 

ます 

排水設備の清掃,換気,点検,公共下水道との接続点における管理などを目的として設けられる施設で,

ますの蓋を含む。 

3.6 

マンホール形式ポンプ場 

マンホール内に設置した水中ポンプによって,下水を揚水して排除する施設。 

3.7 

スパン 

隣接するマンホールとマンホールとの間の区間。 

3.8 

巡視 

管路の地上部の状態を目視によって把握するために実施する行為。 

3.9 

点検 

マンホールの蓋を開閉するなどし,管路の状態を目視,管口カメラなどによって把握するために実施す

る行為。 

3.10 

調査 

管路の状態を把握し,異状箇所を明確にし,その原因を把握するために目視,テレビカメラなどによっ

て実施する行為。 

3.11 

清掃 

管路内に堆積した土砂などを除去し,施設能力を維持するとともに,臭気などの発生を防止するために

行う行為。 

3.12 

腐食 

硫化水素に起因する硫酸と接触するコンクリートの劣化現象。 

3.13 

他工事 

管路の付近で行われる工事で,管路に支障を来すおそれのある工事。 

3.14 

ライフサイクルコスト 

施設及び設備における新規整備,維持,修繕などから処分までを含めた生涯費用の総計。 

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維持管理計画の策定の考え方 

維持管理計画の策定の考え方は,次による。 

a) 維持管理の目的 維持管理の目的は,次による。 

1) 管路の状態把握及び機能保持 

2) 管路の使用期間の延長 

3) 他の施設への悪影響の防止及び他工事による管路の損傷防止 

b) 維持管理の視点 維持管理の目的を効率的かつ経済的に達成するため,安全衛生の確保とともに管路

の特徴を考慮した維持管理の視点は,次による。 

1) 下水の流下及び交通の確保を考えた維持管理 

2) 流量,道路種別,近接構造物,腐食・劣化状況などを考慮し,優先順位を付けた維持管理 

3) 緊急対応を考えた維持管理 

4) 十分な情報提供を行うとともに,ユーザの協力が得られる維持管理 

5) 他工事による損傷防止を含めた資産の保全を考えた維持管理 

6) 事故などの発生を未然に防止するために実施される維持管理 

7) 腐食するおそれが大きい箇所に対する点検など法令を踏まえた維持管理 

8) 維持管理の結果を適切に評価し,質の向上を図る維持管理 

c) 計画的な維持管理の考え方 維持管理の目的を達成するために,起こり得る事故などのリスクを想定

し,維持管理の目標,作業内容などを定めた計画を作成し,維持管理を行う。維持管理の目標は,ユ

ーザ及び利害関係者のニーズなどを勘案して決める。管路の属性,及び過去の閉塞,道路陥没,苦情

などの発生履歴などを考慮し,管路に関するリスクの大きさの算定を行い,維持管理する管路の重要

度を判断し,優先順位を付けて維持管理を行う。リスクの大きさの算定の参考となる考え方を附属書

Aに示す。維持管理の結果を踏まえて,必要とされる対策について検討する。計画は,必要に応じて

見直しを行う。 

d) 巡視の考え方 巡視は,目視によって,管路が埋設されている地表面の状態又は露出管などの状態を

把握するために行う。巡視は,対象管路,実施時期などを定めた計画に基づき行うもの及び通報など

に基づき随時行うものとし,前者については,管路の構造,使用状況などを勘案して適切な時期に行

う。巡視結果によって,必要とされる対応について判断する。 

e) 点検の考え方 点検は,目視,管口カメラなどによって管路の状態を把握し,異状箇所を早期発見す

るために行う。点検は,対象管路,実施時期などを定めた計画に基づき行うもの,及び苦情,巡視結

果,事故などから随時行うものとする。腐食するおそれが大きい箇所については,5年に1回以上の

頻度で点検を行う。点検結果によって,清掃,調査など必要とされる対応について判断する。 

f) 

調査の考え方 調査は,目視,テレビカメラなどによって管路の状態を詳細に把握し,異状の原因を

解明するために行う。目視調査又はテレビカメラ調査は,対象管路,実施時期などを定めた計画に基

づき行うもの,巡視及び点検の結果,苦情などに基づき随時行うもの,並びに修繕又は改築を実施す

るときに行うものとする。目視調査又はテレビカメラ調査の結果は,修繕又は改築の実施時期を示す

緊急度の判定などに用いる。目視調査又はテレビカメラ調査では判断できない場合に,不明水調査,

腐食・劣化調査,布設環境状態調査など,その他の方法による調査によって管路の状態の把握及び異

状の原因の解明を行う。 

g) 清掃の考え方 清掃は,土砂,汚泥などの堆積物,油脂類などの付着物,侵入した樹木根などを除去

し,管路の機能(流下能力)を継続的に確保するために行うもので,次の場合に行う。 

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1) 流下機能が確保されていないことが確認された場合 

2) 閉塞,悪臭の発生などによって清掃が必要な場合 

3) 閉塞,悪臭の発生などによって頻繁に清掃を行ってきた管路については,これまでの維持管理情報

に基づいて,清掃の時期又は頻度が定められた場合。清掃が必要となった原因について確認を行う。 

4) テレビカメラ調査の精度を向上させるために必要な場合 

h) 修繕・改築の考え方 点検及び調査によって把握された管路の異状が清掃では解消できない場合,管

路の状態に応じて修繕又は改築を検討する。 

維持管理計画書の記載内容 

維持管理計画書の記載は,a)〜m)の中から必要な項目を選択し,それぞれの内容は次による。 

a) 維持管理方針及び目標指標 維持管理の目的を達成するため,維持管理方針及び目標指標を記載する。

維持管理方針及び目標指標の記載に参考となる内容を,附属書Bに示す。 

b) 対象地域の概要 対象地域の概要の記載内容は,次による。 

なお,対象地域の概要の記載に参考となる内容を,附属書Cに示す。 

1) 下水道計画上の位置付け及び整備状況 

2) 地形,地質及び地下水の概況 

3) 道路状況及び交通量並びに土地利用状況 

4) 地下埋設物の状況 

5) 水の利用状況 

6) その他,下水道に関連する項目 

c) 対象地域の管路及びポンプ施設の概要 対象地域の管路及びポンプ施設の概要の記載内容は,次によ

る。 

なお,対象地域の管路及びポンプ施設の概要の記載に参考となる内容を,附属書Dに示す。 

1) 管きょ 

2) マンホール 

3) ます 

4) 取付け管 

5) ポンプ施設(処理場内ポンプ施設を除く。) 

6) 圧送管 

7) 伏越し 

8) 雨水吐 

9) 吐口 

10) 腐食するおそれが大きい箇所 

11) その他,管路及びポンプ施設に関連する施設 

d) 維持管理状況 維持管理状況の記載内容は,次による。 

なお,維持管理情報の収集整理及び活用に関する参考となる内容を,附属書Eに示す。維持管理状

況の記載に参考となる内容を,附属書Fに示す。 

1) 維持管理情報の収集整理状況 

1.1) 下水道台帳の調製状況 

1.2) 管路関係資料の収集整理状況 

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1.3) その他,ユーザ,関係機関などに関する情報の収集整理状況 

2) 維持管理の実施状況 

2.1) 巡視 

2.2) 点検 

2.3) 目視調査又はテレビカメラ調査 

2.4) その他の方法による調査 

2.5) 清掃 

2.6) 苦情対応 

2.7) 事故対応又は緊急対応 

2.8) 修繕・改築 

2.9) 他工事立会い 

2.10) 道路占用者としての対応 

2.11) その他,維持管理に関連する作業 

e) 巡視計画 巡視計画は,巡視を行う管路,時期,方法などを記載する。巡視における緊急対応の判断

に関する参考となる基準を,附属書Gに示す。 

f) 

点検計画 点検計画は,点検を行う管路,時期,方法などを記載する。点検の実施頻度に関する参考

となる基準を,附属書Hに示す。また,点検における緊急対応の判断に関する参考となる基準を,附

属書Iに示す。腐食するおそれが大きい箇所の選定に参考となる例を附属書Jに示す。 

g) 調査計画 調査計画は,調査を行う管路,時期,方法などを記載する。調査の実施頻度に関する参考

となる基準を,附属書Kに示す。目視調査又はテレビカメラ調査による異状の判定及び緊急度の判定

に関する参考となる方法を,附属書Lに示す。 

h) 清掃計画 清掃計画は,清掃に着手すべき管路の状態を示した清掃着手基準,及び清掃を行う管路,

時期,方法などを記載する。清掃着手基準及び清掃の実施頻度に関する参考となる基準を,附属書M

に示す。 

i) 

修繕・改築計画 修繕・改築計画は,修繕又は改築を行う管路,時期,方法などを記載する。 

j) 

維持管理体制 策定した維持管理計画に基づき,維持管理を着実に実施するため,維持管理体制につ

いて記載する。 

k) 情報管理 維持管理に関する情報の収集,ユーザへの情報の提供など,情報管理について記載する。 

l) 

維持管理の結果の記録 維持管理の結果について記録し,文書で残すことを記載する。定期報告書及

び不定期報告書の記載に関する参考となる事項を,附属書Nに示す。 

m) 維持管理計画の見直し 維持管理計画は,社会環境,管路の整備状況,老朽化の状況などの変化に応

じて,見直すことを記載する。 

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附属書A 

(参考) 

リスクの大きさの算定の考え方 

維持管理する管路の重要度は,管路の機能不全に起因して発生する可能性のあるリスクから算定される

リスクの大きさに基づき,決定する。リスクの大きさは,リスクが発生した場合の影響度(被害規模)及

び発生確率(不具合の起こりやすさ)から算定する。 

a) リスクの特定 管路におけるリスクは,地震,風水害,管路の劣化などに起因する事故,機能低下に

伴う利用者への使用制限・使用中止,管路内への異物の投入による悪臭の発生など,多様であるが,

維持管理で扱うリスクは,管路の不具合及び劣化に伴う機能不全など,維持管理で対応できるリスク

とする。管路の事象に関するリスクの中で維持管理で対応できるリスクの例を,表A.1に示す。 

表A.1−維持管理で対応できる管路のリスクの例([1]参照) 

管路の事象 

リスク 

管路の破損・クラック 

・道路陥没による人身事故,交通阻害 
・下水道利用者への使用制限・使用中止 

浸入水 

・処理水量増による処理費増大 

たるみなどによる下水の滞留 

・臭気の発生 

施設構造に起因する騒音の発生 

・マンホール部での落差,段差構造による騒音発生 

油脂・モルタルなどによる詰まり 

・管路の閉塞 
・下水のいっ(溢)水 
・下水道利用者への使用制限・使用中止 

マンホールの蓋の劣化 

・マンホールの蓋のがたつきによる騒音・振動 
・マンホールの蓋の腐食による人身・物損事故 
・スリップによる交通事故 

有害ガスの発生 

・悪臭物質の発散 
・有害ガス(硫化水素など)の噴出 

漏水 

・地下水,土壌などの環境汚染 

b) 影響度 管路の損傷及び劣化による事故の被害の大きさは,影響度で評価する。影響度の検討はスパ

ン単位で行う。影響度に関する評価の視点の例を,表A.2に示す。 

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表A.2−影響度に関する評価の視点の例([1]参照) 

評価の視点 

評価項目 

該当する管路の例 

内容 

機能上重要な施
設 

下水道機能上の 
重要性 

幹線管路 

処理場までの流下機能を確保する
上で重要な管路 

処理場に直結した管路 

管路の接合箇所 

防災上の重要性 

処理場と重要な防災拠点をつなぐ管路 

被災時の流下機能を確保する上で
重要な管路 

社会的な影響が
大きな施設 

軌道横断の有無 

平面軌道を横断する管路 

日常又は緊急時に交通機能確保を
図る上で重要な管路 

河川横断の有無 

河川を横断する管路 

緊急輸送路の下 

緊急輸送路下に布設された管路 

事故時に対応が難しい施設 

伏越し 

不具合が生じた場合に対応が難し
い管路 

事故時の下水の切り回しが難しい管路 

埋設深度が深い幹線管路 

重要埋設文化財指定区域内に布設され
た管路 

c) 発生確率 発生確率は,管路の属性,布設環境などによって大きく異なることから,発生確率に関す

る情報の蓄積が重要となる。 

維持管理の実績が蓄積されている場合は,これまでの維持管理情報を基に,発生確率を算定するこ

とが可能となる。 

維持管理の実績が蓄積されていない場合に参考となる情報の例を,次に示す。 

1) 経過年数 管路の布設後の経過年数が長くなると,異状の発生する可能性が高まることから,経過

年数を発生確率の指標とすることができる。 

2) 異状・劣化が進行しやすい箇所 劣化が進行しやすい箇所の例として,コンクリート管の腐食があ

げられる。コンクリート管に対する腐食の発生する可能性が高い箇所が明らかにされており,腐食

するおそれが大きい箇所の選定に参考となる例を附属書Jに示す。 

3) 劣化進行予測式 他の団体の維持管理情報を基に作成された管路の劣化進行予測式を参考とするこ

とができる。 

d) リスクの大きさの算定 リスクの大きさは,事故などが発生したときの影響度と発生確率との積で定

義される。リスクの大きさの算定方法の例として,影響度と発生確率をそれぞれランク化して得られ

るリスクマトリクスを用いて算定する方法の例を図A.1に示す。 

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リスクの大きさリスクの大きさリスクの大きさ

   中

 やや大

   大

リスクの大きさリスクの大きさリスクの大きさ

 やや小

   中

 やや大

リスクの大きさリスクの大きさリスクの大きさ

   小

 やや小

   中

影響度

図A.1−リスクマトリクスによるリスクの大きさの算定の例([1]参照) 

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附属書B 

(参考) 

維持管理方針及び目標指標の記載内容 

維持管理の考え方を把握し,目的を明確にしたうえで,維持管理の方針及び目標指標を記載する。 

維持管理方針及び目標指標の記載例を次に示す。 

例1 維持管理方針 

管路は,排水設備からの下水を放流先まで排除する役割を果たす施設であり,その維持管理

の主な目的は,管路の機能保持によるサービスの維持・向上,地域・住民生活の安全確保,効

率性の確保,ライフサイクルコストの低減及び環境の維持・向上である。維持管理計画におい

ては,この目的を実現し,その達成に向けた取組みを進めるために,各目的に対応した具体的

な目標を設定する。 

例2 目標指標 

− 管路の機能保持によるサービスの維持・向上:巡視・点検・調査実施率,苦情発生率など 

− 地域・住民生活の安全確保:浸水家屋数,事故発生率など 

− 効率性の確保:管理延長当たりのコストなど 

− ライフサイクルコストの低減:使用期間の延長など 

− 環境の維持・向上:合流式下水道改善率,エネルギー使用量など 

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附属書C 
(参考) 

対象地域の概要の記載内容 

対象地域の概要は,次の内容を必要に応じて記載する。 

a) 下水道計画上の位置付け及び整備状況 

1) 対象地域の範囲 

2) 整備状況(整備開始年,供用開始年,計画下水量及び維持管理計画策定時における下水量) 

b) 地形,地質及び地下水の概況 

1) 地形概況及び必要に応じて治水地形分類図を添付 

2) 地質概況及び必要に応じて地質図を添付 

3) 地下水概況及び必要に応じて地下水面標高図を添付 

c) 道路状況及び交通量並びに土地利用状況 

1) 交通量の多い路線の名称及び交通量を図示 

2) 緊急輸送路及び避難路を図示 

3) 人通りの多い繁華街を図示 

d) 地下埋設物の状況 

1) 主要な地下埋設物の名称,位置及び寸法を図示 

2) 近接した重要構造物で,基礎が管路の影響範囲に入る,又は管路が基礎の影響範囲に入る重要な建

築物,工作物,橋などの名称及び位置を図示 

e) 対象地域より下流の主要な取水施設の位置,名称,目的及び取水量 

f) 

その他,対象地域に関連した不明水の状況など,下水道に関連する項目 

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附属書D 
(参考) 

対象地域の管路及びポンプ施設の概要の記載内容 

対象地域の管路及びポンプ施設の概要は,次の内容を必要に応じて記載する。 

a) 管きょ 

1) 総延長及び総スパン数 

2) 総延長の内訳 

− 汚水,雨水,合流別 

− 暗きょ,開きょ別 

− 口径別 

− 材質別 

− 経過年数別 

3) 平面図 

維持管理において注意することが望ましい管きょ及びマンホールを図示した平面図を添付し,リ

ストに図示番号,断面,延長,材質などを記入する。 

b) マンホール 

1) マンホール(特殊マンホールを含む。)及び特殊マンホールの数 

2) マンホール(特殊マンホールを含む。)及び特殊マンホールの数の内訳(汚水,雨水,合流別) 

c) ます 

1) 箇所数 

2) 箇所数の汚水,雨水,合流別の内訳 

3) 平面図 

維持管理において注意することが望ましい“ます”及び取付け管の位置を図示した平面図を添付

し,リストに図示番号,排水の種類などを記入する。 

例 ビルピットからの排水を受ける“ます” 

油分を多く排水する飲食店からの排水を受ける“ます” 

過去に油分によって閉塞したことのある“ます” 

d) 取付け管 

1) 箇所数及び管延長 

2) 箇所数及び管延長の汚水,雨水,合流別の内訳 

e) ポンプ施設(処理場内ポンプ施設を除く。) 

1) ポンプ施設総数及びマンホール形式ポンプ場数 

2) ポンプ施設総数及びマンホール形式ポンプ場数の汚水,雨水,合流別の内訳 

3) 平面図 

ポンプ施設及びマンホール形式ポンプ場の位置を図示した平面図を添付し,リストに図示番号な

どを記入する。 

f) 

圧送管 

1) 箇所数及び管延長 

12 

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2) 箇所数及び管延長の内訳 

− 汚水,雨水,合流別 

− 口径別 

− 材質別 

− 経過年数別 

3) 平面図 

圧送管の位置を図示した平面図を添付し,リストに図示番号などを記入する。 

g) 伏越し 

1) 箇所数 

2) 箇所数の汚水,雨水,合流別の内訳 

3) 平面図 

伏越しの位置を図示した平面図を添付し,リストに図示番号,構造,深さなどを記入する。 

h) 雨水吐 

1) 箇所数 

2) 平面図 

雨水吐の位置を図示した平面図を添付し,リストに図示番号などを記入する。 

i) 

吐口 

1) 箇所数 

2) 箇所数の雨水,合流別の内訳 

3) 平面図 

吐口の位置を図示した平面図を添付し,リストに図示番号などを記入する。 

j) 

腐食するおそれが大きい箇所 

1) 腐食するおそれが大きい箇所を点検するためのマンホールの数 

2) 腐食するおそれが大きい箇所を点検するためのマンホールの位置図 

k) その他,管路及びポンプ施設に関連する施設 

13 

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附属書E 

(参考) 

維持管理情報の収集整理及び活用 

E.1 

下水道台帳 

下水道台帳の調製は,下水道法に規定されており,維持管理の基本である。 

E.2 

維持管理記録の整理及び活用 

維持管理を実施したときに得られたデータ,問題発生の原因などは記録し,これらの情報を集積し,分

類・解析し,維持管理計画の策定及び見直しに役立てる。 

E.3 

ユーザからの情報の整理及び活用 

ユーザからの苦情などの情報は,管路の状態又はユーザの関心の程度を推定できることから,計画の策

定に役立てることができる。また,ユーザとの協働を進めることによって,良質な情報の入手が可能とな

る。 

E.4 

関係部局との連絡体制の確立並びに入手資料の整理及び活用 

管路に影響を与えるものとして,新たな発生源,下水の質又は量の変更,管路付近での工事の実施など

がある。このような行為を行うには,多くの場合,行政庁の許可又は届けが必要であるため,これらの情

報を入手できるようにしておき,効率的な維持管理に反映させる。 

E.5 

資料の保存及び活用 

下水道台帳,維持管理記録及び収集整理した情報は,適正に保存し,管理し,活用する必要がある。多

量の情報を保存し,管理し,その情報を基に維持管理を計画的に効率よく行うために,電子化されたデー

タベースを構築することが望ましい。 

14 

A 7501:2020  

附属書F 

(参考) 

維持管理状況の記載内容 

維持管理状況は,次の内容を必要に応じて記載する。 

a) 維持管理情報の収集整理状況 

1) 下水道台帳の調製状況 

2) 管路関係資料の収集整理状況 

流量表,特殊構造物の設計図面など 

3) その他,ユーザ,関係機関などに関する情報の収集整理状況 

b) 維持管理の実施状況 

1) 巡視 

年次別実施地域の図示,記録表の整理状況 

2) 点検 

年次別実施地域の図示,記録表の整理状況 

3) 目視調査又はテレビカメラ調査 

年次別実施地域の図示,実施済み延長,記録表の整理状況 

4) その他の方法による調査 

時期,箇所,内容 

5) 清掃 

年次別実施地域の図示,原因,頻度の高い箇所の図示 

6) 苦情対応 

時期,箇所,内容,原因,対応状況,苦情の多い箇所の図示 

7) 事故対応又は緊急対応 

時期,箇所,内容,原因,対応状況,箇所の図示 

8) 修繕・改築 

時期,箇所,内容,箇所の図示 

9) 他工事立会い 

時期,箇所,工事内容 

10) 道路占用者としての対応 

道路法に基づく報告徴収等及び措置命令の有無,対応状況 

11) その他,維持管理に関連する作業 

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15 

A 7501:2020  

附属書G 
(参考) 

巡視における緊急対応の判断基準 

巡視結果を基に,緊急対応の必要性について判断を行う。巡視における緊急対応の判断基準の例を,表

G.1に示す。 

表G.1−巡視における緊急対応の判断基準の例([2]参照) 

巡視箇所 

異状の状態 

道路面 

陥没又は通行に支障を来すような段差ができるほどの不陸がある。 
いっ(溢)水がある。 

マンホール 

通行に支障を来すような段差がある。 
マンホールの蓋にがたつきがある。 

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16 

A 7501:2020  

附属書H 
(参考) 

点検の実施頻度 

管路の状態を把握し,異状箇所を早期に発見するために,点検を行う。 

維持管理の実績が蓄積されている場合は,事故,苦情など問題の発生状況を基に,点検の実施頻度を設

定することが可能となる。 

腐食するおそれが大きい箇所(附属書J参照)については,5年に1回以上点検を行わなければならな

い。 

腐食するおそれが大きい箇所以外の管路については,管路の重要度に応じて設定された点検の実施頻度

の例を表H.1に示す。 

表H.1−管路の重要度に応じた点検の実施頻度の例([3]参照) 

重要度 

点検頻度 

最重要 

5年に1回 

重要 

7年から8年に1回 

一般 

15年に1回 

管路の重要度を判断する目安として,リスクの大きさを用いることができる(附属書A参照)。 

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17 

A 7501:2020  

附属書I 

(参考) 

点検における緊急対応の判断基準 

点検結果を基に,緊急対応の必要性について判断を行う。点検における緊急対応の判断基準の例を,表

I.1に示す。 

表I.1−点検における緊急対応の判断基準の例([2]参照) 

点検箇所 

異状の状態 

管きょ及びマンホール 

硫化水素などによる腐食が著しい。 
異常に水量が多い。 
土砂が堆積している。 

伏越し 

上流側の水位が異常に高い。 

マンホール形式ポンプ場 

水位が上昇している(上昇した形跡がある。)。 

雨水吐 

水位が上昇している。 

吐口 

土砂が堆積している。 

汚水ます 

流下方向の管口が見えない。投棄物並びに蓋の破損及び紛失。 

雨水ます 

流下方向の管口が見えない。投棄物並びに蓋の破損及び紛失。 

ゲート 

開閉がスムーズにできない。 

18 

A 7501:2020  

附属書J 

(参考) 

腐食するおそれが大きい箇所の選定 

腐食するおそれが大きい箇所として点検対象とする箇所は,腐食劣化の実績並びにこれまでの点検及び

調査で把握した腐食環境などを踏まえて選定する。 

例 腐食するおそれが大きい箇所の例([4]参照) 

a) 下水の流路の勾配が著しく変化する箇所又は下水の流路の高低差が著しい箇所 

− 圧送管吐出し先 

− 落差・段差の大きい箇所 

b) 伏越室の壁そのほか多量の硫化水素の発生により腐食のおそれが大きい箇所 

− 伏越し下流部 

− 汚泥が堆積しやすい箇所 

− 溶存硫化物又は硫酸塩を多量に含む特殊排水が排出される箇所 

− 管内貯留部 

− ビルピット排水が排出される箇所 

− 海水を含む地下水の浸入がある箇所の下流部 

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19 

A 7501:2020  

附属書K 

(参考) 

調査の実施頻度 

管路の状態を詳しく把握するために,調査を実施する。 

管路の調査は,管路の重要度,過去の点検・調査の結果などを基に,実施頻度を設定して実施すること

が望ましい。管路の重要度に応じて設定された調査の実施頻度の例を表K.1に示す。 

表K.1−管路の重要度に応じた調査の実施頻度の例([3]参照) 

重要度 

調査頻度 

最重要 

10年に1回 

重要 

15年に1回 

一般 

30年に1回 

管路の重要度を判断する目安として,リスクの大きさを用いることができる(附属書A参照)。 

20 

A 7501:2020  

附属書L 

(参考) 

目視調査又はテレビカメラ調査による診断 

目視調査又はテレビカメラ調査から得られた管きょの状態について,調査記録表などを使用して異状の

ランク付けを行い,診断を行う。目視調査又はテレビカメラ調査の結果に基づく異状のランク付け及び診

断の例を,次に示す。 

a) 異状のランク付けの例 異状の程度の判定は,調査結果を評価し,3段階にランク付けを行う。 

評価は,異状の項目によって,次に示すスパン全体又は管1本ごとに行う。 

1) スパン全体で評価する項目 腐食及び上下方向のたるみは,スパン全体で評価する。 

2) 管1本ごとに評価する項目 破損及び軸方向クラック,円周方向クラック,継手ずれ,偏平,変形,

浸入水,取付け管の突出し,油脂の付着,樹木根侵入及びモルタル付着については,管1本ごとに

評価する。 

注記1 鉄筋コンクリート管など及び陶管,並びに硬質塩化ビニル管における異状のランク付けの例

を,表L.1及び表L.2に示す。 

注記2 スパン全体で評価する項目のランク付け及び判定基準の例を,表L.3に示す。 

注記3 管1本ごとに評価する項目のランク付け及び判定基準の例を,表L.4に示す。 

注記4 管1本ごとの評価に基づき,スパン全体に対する不良管の発生率(不良発生率)を求め,ス

パン全体の評価を行う。不良発生率によるスパン全体のランク付け及び判定基準の例を,表

L.5に示す。 

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21 

A 7501:2020  

表L.1−スパン全体の評価及び管1本ごとの評価のランク付けの例 

(鉄筋コンクリート管など及び陶管) 

([1]参照) 

スパン全体で評価 

項目 

ランク 

1) 管の腐食 

鉄筋コンクリート管など 

鉄筋露出状態 

骨材露出状態 

表面が荒れた状態 

2) 上下方向
のたるみ 

管きょ内径 

(700 mm未満) 

内径以上 

内径の1/2以上 

内径未満 

内径の1/2未満 

管きょ内径 

(700 mm以上 

1 650 mm未満) 

内径の1/2以上 

内径の1/4以上 

1/2未満 

内径の1/4未満 

管きょ内径 

(1 650 mm以上 
3 000 mm以下) 

内径の1/4以上 

内径の1/8以上 

1/4未満 

内径の1/8未満 

管1本ごとに評価 

項目 

ランク 

3) 管の破損
及び軸方向ク
ラック 

鉄筋コンクリ

ート管など 

欠落 
又は 

軸方向のクラックで 

幅5 mm以上 

軸方向のクラックで 

幅2 mm以上5 mm未満 

軸方向のクラックで 

幅2 mm未満 

陶管 

欠落 
又は 

軸方向のクラックが 

管長の1/2以上 

軸方向のクラックが 

管長の1/2未満 

− 

4) 管の円周
方向クラック 

鉄筋コンクリ

ート管など 

幅5 mm以上 

幅2 mm以上5 mm未満 

幅2 mm未満 

陶管 

長さが円周の2/3以上 

長さが円周の2/3未満 

− 

5) 管の継手
ずれ 

鉄筋コンクリ

ート管など 

脱却 

70 mm以上 

70 mm未満 

陶管 

50 mm以上 

50 mm未満 

6) 浸入水 

噴き出ている 

流れている 

にじんでいる 

7) 取付け管の突出しa) 

本管内径の1/2以上 

本管内径の1/10以上 

1/2未満 

本管内径の1/10未満 

8) 油脂の付着a) 

内径の1/2以上閉塞 

内径の1/2未満閉塞 

− 

9) 樹木根侵入a) 

内径の1/2以上閉塞 

内径の1/2未満閉塞 

− 

10) モルタル付着a) 

内径の3割以上 

内径の1割以上3割未満 

内径の1割未満 

注a) 7) 取付け管の突出し,8) 油脂の付着,9) 樹木根侵入,及び10) モルタル付着については,基本的に清掃な

どで除去できる項目とし,除去できない場合に適用する。 

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22 

A 7501:2020  

表L.2−スパン全体の評価及び管1本ごとの評価のランク付けの例 

(硬質塩化ビニル管) 

([1]参照) 

スパン全体で評価 

項目 

ランク 

1) 上下方向
のたるみ 

管きょ内径 

(800 mm以下) 

内径以上 

内径の1/2以上 

内径未満 

内径の1/2未満 

管1本ごとに評価 

項目 

ランク 

2) 管の破損及び 
軸方向クラック 

亀甲状に割れている 

又は 

軸方向のクラック 

− 

− 

3) 管の円周方向クラック 

幅5 mm以上 

幅2 mm以上5 mm未満 

幅2 mm未満 

4) 管の継手ずれ 

脱却 

接合長さの1/2以上 

接合長さの1/2未満 

5) 偏平 

たわみ率15 %以上 

たわみ率5 %以上15 %未満 

− 

6) 変形a) 
(内面に突出し) 

本管内径の1/10以上 

内面に突出し 

本管内径の1/10未満 

内面に突出し 

− 

7) 浸入水 

噴き出ている 

流れている 

にじんでいる 

8) 取付け管の突出しb) 

本管内径の1/2以上 

本管内径の1/10以上 

1/2未満 

本管内径の1/10未満 

9) 油脂の付着b) 

内径の1/2以上閉塞 

内径の1/2未満閉塞 

− 

10) 樹木根侵入b) 

内径の1/2以上閉塞 

内径の1/2未満閉塞 

− 

11) モルタル付着b) 

内径の3割以上 

内径の1割以上3割未満 

内径の1割未満 

注a) 材料の白化が伴う変形はaランクとする。 

b) 8) 取付け管の突出し,9) 油脂の付着,10) 樹木根侵入,及び11) モルタル付着については,基本的に清掃な

どで除去できる項目とし,除去できない場合に適用する。 

表L.3−スパン全体の評価のランク付け及び判定基準の例([1]参照) 

項目 

管種別該当項目 

ランク 

判定の基準 

鉄筋コン
クリート

管など 

及び陶管 

硬質塩化
ビニル管 

管の腐食 

○ 

− 

A:機能低下,異状が著しい(重度) 
B:機能低下,異状が少ない(中度) 
C:機能低下,異状がほとんどない(軽度) 
A,B,Cに該当しない場合は,異状なしなど
と判定する 

上下方向のたるみ 

○ 

○ 

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23 

A 7501:2020  

表L.4−管1本ごとの評価のランク付け及び判定基準の例([1]参照) 

項目 

管種別該当項目 

ランク 

判定の基準 

鉄筋コン
クリート

管など 

及び陶管 

硬質塩化
ビニル管 

管の破損及び 
軸方向クラック 

○ 

○ 

a:劣化,異状が進んでいる (重度) 
b:中程度の劣化,異状がある(中度) 
c:劣化,異状の程度は低い (軽度) 
a,b,cに該当しない場合は,異状なしなど
と判定する 

管の円周方向 
クラック 

○ 

○ 

管の継手ずれ 

○ 

○ 

偏平 

− 

○ 

変形 

− 

○ 

浸入水 

○ 

○ 

取付け管の突出し 

○ 

○ 

油脂の付着 

○ 

○ 

樹木根侵入 

○ 

○ 

モルタル付着 

○ 

○ 

表L.5−不良発生率に基づくスパン全体のランク付け及び判定基準の例([1]参照) 

スパン全体のランク 

判定基準(不良発生率) 

“aランク20 %以上”又は“aランク+bランク40 %以上” 

“aランク20 %未満”又は“aランク+bランク40 %未満”又は“aランク+bラン

ク+cランク60 %以上” 

aランク,bランクがなく,cランク60 %未満 

注記1 不良発生率は,次の式で求める。 

100

t

=N

N

F

ここに,F: 不良発生率(%) 

Nf: 1スパンの中でa,b,cランクとされた管の各ランクごとの合計本数及びそれらの和 

Nt: 1スパンの管本数 

注記2 同一箇所で複数の不良が発生している場合には,最上位の評価ランクだけをカウントする(例 “管の円

周方向クラックa”及び“浸入水b”が発生している場合には,最上位の評価ランク“管の円周方向クラッ
クa”だけをカウントする。)。 

注記3 管1本ごとの評価ランクを基に不良発生率を算定し,その結果に基づきスパン全体のランクを判定し,最

上位の評価ランクを当該スパンの評価とする。 

注記4 “管の破損及び軸方向クラック”又は“管の継手ずれ”のランクaが1か所でもある場合,道路陥没など

の社会的影響が想定されることから,この表の判定基準とは別にランクAとする。 

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24 

A 7501:2020  

b) 緊急度の判定の例 緊急度は,対策の実施が必要とされたものについて,その実施時期を定めるもの

で,a) のスパン全体での評価結果を基に判定する。 

緊急度の区分は,次のとおりである。 

− 緊急度Iとは,速やかに措置が必要な場合。 

− 緊急度IIとは,簡易な対応によって必要な措置を5年未満まで延長できる場合。 

− 緊急度IIIとは,簡易な対応によって必要な措置を5年以上に延長できる場合。 

緊急度の判定基準の例を,表L.6に示す。 

表L.6−緊急度の判定基準の例([1]参照) 

緊急度の区分 

判定基準 

緊急度I 

三つの項目(管の腐食,上下方向のたるみ,不良発生率に基づくランク)におけるスパン
全体でのランクで,ランクAが2項目以上ある場合 

緊急度II 

三つの項目におけるスパン全体でのランクで,ランクAが1項目又はランクBが2項目以
上ある場合 

緊急度III 

三つの項目におけるスパン全体でのランクで,ランクAがなく,ランクBが1項目又はラ
ンクCだけの場合 

劣化なし 

三つの項目におけるスパン全体でのランクで,ランクCもない場合 

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25 

A 7501:2020  

附属書M 

(参考) 

清掃着手基準及び清掃の実施頻度 

M.1 清掃着手基準 

管路の清掃の必要性を判断する基準(以下,清掃着手基準という。)の例を,表M.1に示す。 

表M.1−清掃着手基準の例([2]参照) 

項目 

基準 

参考 

汚泥・土砂堆積深 

汚泥・土砂堆積深が5〜20 %以上
堆積している場合に実施 

5〜20 %の堆積深の場合,経済性及びたるみ・沈下の
状況を考慮して清掃の実施を判断する。 

油脂付着 

油脂付着が確認された時点で実
施 

油脂類の付着は成長し,閉塞の原因となる。 
別途,発生源調査,指導などを行う。 

モルタル付着・堆積 

モルタル付着・堆積が確認された
時点で実施 

閉塞の原因となる。 
別途,発生源調査,指導などを行う。 

侵入根 

侵入根が確認された時点で実施 

侵入根は,成長し,閉塞の原因となる。 
別途,再侵入防止策を計画し,実施する。 

異物混入(投入) 

異物混入(投入)が確認された時
点で実施 

閉塞の原因となる。 
別途,除去方法を検討し,実施する。 

たるみ,沈下,滞流 

たるみ,沈下及び滞流が確認され
た時点で実施 

汚泥などが堆積しやすい。 
別途,たるみ,沈下の原因及び解消方法の検討を行う。 

M.2 清掃の実施頻度 

管路を良好な状態に保つために,管路の状態に応じて,清掃を行う。維持管理の実績が蓄積されている

場合は,維持管理情報に基づき,清掃の実施頻度を設定することができる。 

維持管理の実績が蓄積されていない場合に参考となる清掃の実施頻度の例を,表M.2に示す。 

表M.2−清掃の実施頻度の例([2]参照) 

施設・部位 

清掃頻度 

管きょ 

5年に1回 

マンホール 

5年に1回 

伏越し 

1年に1回 

マンホール形式ポンプ場 

3月に1回 

雨水吐 

2年に1回 

吐口 

1年に1回 

汚水ます 

5年に1回 

雨水ます 

1年に1回 

取付け管 

5年に1回 

ゲート 

1年に1回 

26 

A 7501:2020  

附属書N 
(参考) 

定期報告書及び不定期報告書 

N.1 定期報告書 

N.1.1 年度実施計画 

前年度末までに関係者との協議がまとまり次第速やかに提出し,変更があればその都度修正し,提出す

る。 

N.1.2 月次実施工程表 

前月末までに提出し,変更があれば修正し,提出する。 

N.1.3 月次実施結果報告 

次月初めに前月の実施内容を報告し,結果がまとまり次第報告するとともに,実施計画の変更要因があ

れば関係者と協議する。 

N.2 不定期報告書 

N.2.1 ユーザからの苦情・要請 

苦情・要請の都度,内容,原因及び処置方法を報告する。処置が終わらない場合は,経過報告及び完了

報告を行う。 

N.2.2 維持管理作業のユーザへの事前説明 

事前に内容,方法などについてユーザに周知した結果について報告する。事前説明の後,ユーザからの

反応などについて報告する。 

N.2.3 他企業者などとの打合せ 

打合せの都度報告し,指示を仰ぐべき内容については速やかに報告する。 

N.2.4 ユーザなどへの提供資料 

関係者と作成方針,内容などを協議のうえ作成し,了解を得てから提供する。 

参考文献 

[1] 公益社団法人日本下水道協会,下水道維持管理指針 −2014年版− 

[2] 社団法人日本下水道管路管理業協会,下水道管路施設維持管理計画策定の手引き,平成13年3月 

[3] 国土交通省水管理・国土保全局下水道部,下水道事業のストックマネジメント実施に関するガイドラ

イン −2015年版−,平成27年11月 

[4] 公益社団法人日本下水道協会,下水道管路施設ストックマネジメントの手引き,−2016年版−,平成

28年12月 

background image

27 

A 7501:2020  

附属書O 
(参考) 

技術上重要な改正に関する新旧対照表 

現行規格(JIS A 7501:2020) 

旧規格(JIS A 7501:2013) 

改正の理由 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号
及び題名 

内容 

2 引用規
格 

JIS Q 24510,JIS Q 24511,JIS Q 31000 

2 引用規
格 

JIS Q 24510,JIS Q 24511 

・リスクに関する記述を追

加したことによりJIS Q 
31000を追加した。 

3 用語及
び定義 

3.8 巡視 
管路の地上部の状態を目視によって把握するために実
施する行為 

3 用語及
び定義 

3.7 巡視 
(省略),マンホール蓋の開閉は行わず,管路の地上部
の状態を把握するために実施する行為 

・マンホールの蓋を開閉し

ないことが巡視に限定さ
れないため変更した。 

3.9 点検 
マンホールの蓋を開閉するなどし,管路の状態を目視,
管口カメラなどによって把握するために実施する行為 

3.8 点検 
マンホールの蓋を開閉し,施設の状態を目視によって
確認する行為 

・マンホールの蓋を開けず

に行う点検があること及
び管口カメラが普及した
ことから変更した。 

3.12 腐食 
硫化水素に起因する硫酸と接触するコンクリートの劣
化現象 

− 

・下水道法の改正を受け
て,腐食の定義を追加し
た。 

4 維持管
理計画の
策定の考
え方 

b) 維持管理の視点 
7) 腐食するおそれが大きい箇所に対する点検など法令
を踏まえた維持管理 
8) 維持管理の結果を適切に評価し,質の向上を図る維
持管理 

4 維持管
理計画の
策定の考
え方 

4.2 維持管理の視点 
− 
 
f) 評価及び見直しによる継続的な安定した管理 

・下水道法及び道路法の改

正を受け法令を踏まえた
維持管理を追加した。 

・趣旨を分かりやすく伝え

るため変更した。 

 
 
 
 
 
 
 
 

4

A

 7

5

0

1

2

0

2

0

background image

28 

A 7501:2020  

現行規格(JIS A 7501:2020) 

旧規格(JIS A 7501:2013) 

改正の理由 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号
及び題名 

内容 

4 維持管
理計画の
策定の考
え方 
(続き) 

c) 計画的な維持管理の考え方 維持管理の目的を達成
するために,起こり得る事故などのリスクを想定し,維
持管理の目標,作業内容などを定めた計画を作成し,維
持管理を行う。維持管理の目標は,ユーザ及び利害関係
者のニーズなどを勘案して決める。管路の属性,及び過
去の閉塞,道路陥没,苦情などの発生履歴などを考慮し,
管路に関するリスクの大きさの算定を行い,維持管理す
る管路の重要度を判断し,優先順位を付けて維持管理を
行う。リスクの大きさの算定の参考となる考え方を附属
書Aに示す。維持管理の結果を踏まえて,必要とされ
る対策について検討する。計画は,必要に応じて見直し
を行う。 

4 維持管
理計画の
策定の考
え方 
(続き) 

4.3 計画的な維持管理 
重要な管路は,その機能を常時発揮させる必要があり,
また,老朽管路が多い場合は,更新の時期又は費用の
平準化も必要である。このためには,巡視,点検及び
調査を繰り返し実施し,異常を早期に発見し,対策を
計画的に実施する維持管理が必要である。 
以下,省略。 
4.4 重点路線又は重点区域及び一般路線又は一般区域
の考え方 
(省略)管路の重要度,機能が損なわれた場合の影響
の程度,老朽化の進展状況,事故・苦情など問題の発
生状況及び維持管理の難易度を考慮し,重点路線又は
重点区域を選定する。以下,省略。 

・計画的な維持管理は,こ

の規格の要となる部分で
あることから,その考え方
をc) 計画的な維持管理の
考え方にまとめて示した。 
・旧規格の4.4の趣旨は,
c) 計画的な維持管理の考
え方に反映させているこ
とから,4.4を全て削除し
た。 

d) 巡視の考え方 巡視は,目視によって,管路が埋設
されている地表面の状態又は露出管などの状態を把握
するために行う。巡視は,対象管路,実施時期などを定
めた計画に基づき行うもの及び通報などに基づき随時
行うものとし,前者については,管路の構造,使用状況
などを勘案して適切な時期に行う。巡視結果によって,
必要とされる対応について判断する。 
e) 点検の考え方 点検は,目視,管口カメラなどによ
って管路の状態を把握し,異状箇所を早期発見するため
に行う。点検は,対象管路,実施時期などを定めた計画
に基づき行うもの,及び苦情,巡視結果,事故などから
随時行うものとする。腐食するおそれが大きい箇所につ
いては,5年に1回以上の頻度で点検を行う。点検結果
によって,清掃,調査など必要とされる対応について判
断する。 

4.5 巡視・点検の考え方 
巡視は,視覚などによって管路の地上部の状態及び周
辺の状況を把握するために行う。計画に基づき行うも
のと,通報などに基づき随時行うものとがある。点検
は,施設の現状を把握し,異常箇所を早期発見するた
めに行う。また,苦情,巡視結果,事故などから臨時
に実施する場合もある。 

・下水道法改正を受けて巡

視及び点検を分けて記載
し,法改正の内容に合わせ
て変更した。 

・巡視の対象を管路が埋設

されている地表面の状態
又は露出管などの状態と
明示した。 

・巡視及び点検の結果の活

用については,旧規格の
5.6 巡視・点検計画に記載
されていたものをd) 巡視
の考え方,e) 点検の考え
方に移した。 
・“異常箇所”は下水道法
改正を受けて“異状箇所”
と変更した。 

 
 
 

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A 7501:2020  

現行規格(JIS A 7501:2020) 

旧規格(JIS A 7501:2013) 

改正の理由 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号
及び題名 

内容 

4 維持管
理計画の
策定の考
え方 
(続き) 

f) 調査の考え方 調査は,目視,テレビカメラなどに
よって管路の状態を詳細に把握し,異状の原因を解明す
るために行う。目視調査又はテレビカメラ調査は,対象
管路,実施時期などを定めた計画に基づき行うもの,巡
視及び点検の結果,苦情などに基づき随時行うもの,並
びに修繕又は改築を実施するときに行うものとする。目
視調査又はテレビカメラ調査の結果は,修繕又は改築の
実施時期を示す緊急度の判定などに用いる。目視調査又
はテレビカメラ調査では判断できない場合に,不明水調
査,腐食・劣化調査,布設環境状態調査など,その他の
方法による調査によって管路の状態の把握及び異状の
原因の解明を行う。 

4 維持管
理計画の
策定の考
え方 
(続き) 

4.6 調査の考え方 
目視調査及びテレビカメラ調査は,管路内部の状況を
把握するためのもので,次の場合に行われる。a) 巡
視・点検結果に基づき実施する場合,b) 巡視・点検結
果を踏まえなくても定期的に実施する場合,c) 修繕・
改築のときに実施する場合。詳細調査は,あらかじめ
問題が把握されているもの,及び巡視・点検で得られ
た結果に基づき,更に調査結果の判定及び修繕・改築
に関する検討資料を得るため,誤接合調査,定量調査,
機能耐久性調査,環境状態調査などを組み合わせて行
う。 
 

・調査の方法を,目視調査

又はテレビカメラ調査及
び,その他の方法による調
査に分けて示した。 

・目視調査又はテレビカメ

ラ調査を実施する場合の
三つの条件を分かりやす
く示した。 

・調査結果の活用について

は,旧規格の5.7 調査計画
に記載されていたものを
f) 調査の考え方に移し
た。 

g) 清掃の考え方 清掃は,土砂,汚泥などの堆積物,
油脂類などの付着物,侵入した樹木根などを除去し,管
路の機能(流下能力)を継続的に確保するために行うも
ので,次の場合に行う。1) 流下機能が確保されていな
いことが確認された場合,2) 閉塞,悪臭の発生などに
よって清掃が必要な場合,3) 閉塞,悪臭の発生などに
よって頻繁に清掃を行ってきた管路については,これま
での維持管理情報に基づいて,清掃の時期又は頻度が定
められた場合。清掃が必要となった原因について確認を
行う。4) テレビカメラ調査の精度を向上させるために
必要な場合 

4.7 清掃の考え方 
清掃は,管路内部の堆積物などを除去するためのもの
で,次の場合に行われる。a) 定期(計画)清掃1) 点
検又は目視調査・テレビカメラ調査によって,清掃着
手基準に達している管路,又は未実施の管路について,
清掃を実施する。2) 閉塞又は悪臭の発生などによって
頻度の高い清掃を実施してきたスパンについては,こ
れまでの経験をもとに設定した実施時期及び周期で清
掃する。また,清掃頻度の高い原因についても確認を
行う。b) 緊急清掃1) 閉塞,悪臭の発生などによって
清掃が必要なものについて,清掃を実施する。c) 調査
のための事前清掃1) 目視調査・テレビカメラ調査の前
に清掃が必要なものについて実施する。以下,省略。 

・清掃の内容,目的に関し

て旧規格の5.8 清掃計画
に記載されているものを
g) 清掃の考え方に移し
た。 
・清掃を行う条件につい
て,実状を踏まえて変更し
た。 

h) 修繕・改築の考え方 点検及び調査によって把握さ
れた管路の異状が清掃では解消できない場合,管路の状
態に応じて修繕又は改築を検討する。 

− 

・旧規格で5.9修繕・改築
計画の記載を求めている
ので,h) 修繕・改築の考
え方を追加した。 

 
 

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A 7501:2020  

現行規格(JIS A 7501:2020) 

旧規格(JIS A 7501:2013) 

改正の理由 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号
及び題名 

内容 

5 維持管
理計画書
の記載内
容 

5 維持管理計画書の記載内容 

5 記載内
容 

5 記載内容 

・記載対象を明記した。 

d) 維持管理状況 2.1) 巡視,2.2) 点検,2.3) 目視調査
又はテレビカメラ調査,2.4) その他の方法による調査,
2.5) 清掃,2.6) 苦情対応,2.7) 事故対応又は緊急対応,
2.8) 修繕・改築,2.9) 他工事立会い,2.10) 道路占用者
としての対応,2.11) その他,維持管理に関連する作業 

5.4 b) 維持管理の実施状況 
1) 巡視・点検,2) 目視調査,3) テレビカメラ調査,
4) 詳細調査,5) 清掃,6) 苦情,7) 事故又は緊急対応,
8) 修繕・改築,9) その他 

・巡視・点検を分けた。 

・他工事立会いの状況を追

加した。 

・道路法改正を受けて道路

占用者としての対応を追
加した。 

e) 巡視計画 巡視計画は,巡視を行う管路,時期,方
法などを記載する。巡視における緊急対応の判断に関す
る参考となる基準を,附属書Gに示す。 
f) 点検計画 点検計画は,点検を行う管路,時期,方
法などを記載する。点検の実施頻度に関する参考となる
基準を,附属書Hに示す。また,点検における緊急対
応の判断に関する参考となる基準を,附属書Iに示す。
腐食するおそれが大きい箇所の選定に参考となる例を
附属書Jに示す。 

5.6 巡視・点検計画 
管路の重要度,過去の浸水,道路陥没,苦情などの発
生履歴,事故発生時の影響の大きさ,過去の清掃頻度
などを考慮して,巡視・点検計画を記載する。巡視・
点検結果によって緊急対応など必要とされる対応につ
いて判断する。巡視・点検の実施周期に関する参考と
なる基準を,附属書Gに示す。また,巡視・点検にお
ける緊急対応の判断に関する参考となる基準を,附属
書Hに示す。 

・下水道法改正を受けて巡

視計画及び点検計画に分
けた。 
・緊急対応の判断基準は,
旧規格の附属書Hの内容
を巡視及び点検に分け,現
行規格の附属書G及び附
属書Iとした。 

・腐食するおそれが大きい

箇所の選定例を附属書J
として追加した。 

g) 調査計画 調査計画は,調査を行う管路,時期,方
法などを記載する。調査の実施頻度に関する参考となる
基準を,附属書Kに示す。目視調査又はテレビカメラ
調査による異状の判定及び緊急度の判定に関する参考
となる方法を,附属書Lに示す。 

5.7 調査計画 
目視調査,テレビカメラ調査,詳細調査の実施周期な
どを記載した調査計画を記載する。調査結果によって
異常の程度をランク分類し,健全度を判断する。管き
ょ及びマンホール調査の実施周期に関する参考となる
基準を,附属書Iに示す。目視調査及びテレビカメラ
調査による異常のランク分類・診断及び優先度の決定
に関する参考となる方法を,附属書Jに示す。 

・記載内容は巡視計画及び

点検計画に合わせた。 

・旧規格の5.7の健全度及

び優先度は旧規格の附属
書Jの緊急度と同義で用
いられているので,緊急度
にそろえた。 

h) 清掃計画 清掃計画は,清掃に着手すべき管路の状
態を示した清掃着手基準,及び清掃を行う管路,時期,
方法などを記載する。以下,省略 

5.8 清掃計画 
清掃着手基準,清掃の実施周期などを記載した調査計
画を記載する。以下,省略 

・記載内容は,清掃着手基

準以外は,巡視計画などに
合わせた。 

k) 情報管理 維持管理に関する情報の収集,ユーザへ
の情報の提供など,情報管理について記載する。 

5.11 情報発信 
ユーザなどへ情報を分かりやすく発信し,情報の管理
を適切に行うことを記載する。 

・記載内容に合わせて,項

目の名称を変更した。 

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A 7501:2020  

現行規格(JIS A 7501:2020) 

旧規格(JIS A 7501:2013) 

改正の理由 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号
及び題名 

内容 

5 維持管
理計画書
の記載内
容(続き) 

m) 維持管理計画の見直し 維持管理計画は,社会環
境,管路の整備状況,老朽化の状況などの変化に応じて,
見直すことを記載する。 

5 記載内
容(続き) 

5.13 改訂 
この計画は,社会環境,管路の整備状況,老朽化の状
況などの変化に応じて,適宜見直すことを記載する。 

・記載内容に合わせて,項

目の名称を変更した。 

附属書A
(参考)
リスクの
大きさの
算定の考
え方 

維持管理する管路の重要度は,管路の機能不全に起因し
て発生する可能性のあるリスクから算定されるリスク
の大きさに基づき,決定する。リスクの大きさは,リス
クが発生した場合の影響度(被害規模)及び発生確率(不
具合の起こりやすさ)から算定する。 
以下,省略 

附属書A
(参考)
重点路線
又は重点
区域及び
一般路線
又は一般
区域 

A.1 重点路線又は重点区域 
a) 重点路線又は重点区域は,次の事項を考慮して選定
する。 
以下,省略 
 

・管路の重要度を判断する

上で必要となるリスクの
大きさの算定の考え方を
示した。これにより,旧規
格の附属書Aは削除した。 

附属書F 
(参考) 
維持管理
状況の記
載内容 

b) 1) 巡視 年次別実施地域の図示,記録表の整理状況 
2)〜5) は省略,6) 苦情対応 時期,箇所,内容,原因,
対応状況,苦情の多い箇所の図示,7)〜8) は省略,9) 他
工事立会い 時期,箇所,工事内容,10) 道路占用者と
しての対応 道路法に基づく報告徴収等及び措置命令の
有無,対応状況,11) は省略。 

附属書E 
(参考) 
管路の維
持管理状
況の記載
内容 

b) 1) 巡視・点検 周期,緊急点検の割合,実施済み地
域,未実施地域及び実施・未実施地域の図示 
2)〜5) は省略,6) 苦情 苦情内容,頻度,時期及び苦
情の多い箇所の図示 
以下,省略。 

・記載内容を必要最小限と

し,そろえた。 

・他工事立会いと道路占用

者としての対応を追加し
た。 

附属書H 
(参考)
点検の実
施頻度 

表H.1−管路の重要度に応じた点検の実施頻度の例は,
管路の重要度を3段階に分け,それぞれに,点検の頻度
を示している。 
 

附属書G 
(参考)
巡視・点
検の実施
周期 

表G.1−巡視・点検の実施周期の例は,マンホール及び
管きょなどの8種の施設ごとに,経過年数で30年未満
と30年以上に分けて,周期を示している。 

・点検の頻度を管路の重要

度に応じて設定する例に
変更した。 

附属書J 
(参考) 
腐食する
おそれが
大きい箇
所の選定 

腐食するおそれが大きい箇所として点検対象とする箇
所は,腐食劣化の実績並びにこれまでの点検及び調査で
把握した腐食環境などを踏まえて選定する。 
例 腐食するおそれが大きい箇所の例 
以下,省略 

− 

− 

・下水道法の改正を受け
て,腐食するおそれが大き
い箇所の選定に参考とな
る例を示した。 

 
 
  

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A 7501:2020  

現行規格(JIS A 7501:2020) 

旧規格(JIS A 7501:2013) 

改正の理由 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号
及び題名 

内容 

附属書K 
(参考)
調査の実
施頻度 

表K.1−管路の重要度に応じた調査の実施頻度の例は,
管路の重要度を3段階に分け,それぞれに,調査の頻度
を示している。 

附属書I 
(参考)
管きょ及
びマンホ
ール調査
の実施周
期 

表I.1−管きょ及びマンホール調査の実施周期の例は,
マンホール内目視調査,管きょ内目視調査,管きょ内
テレビカメラ調査の3種の調査について,経過年数で
30年未満と30年以上に分けて,周期を示している。 

・調査の頻度を管路の重要

度に応じて設定する例に
変更した。 

附属書L 
(参考) 
目視調査
又はテレ
ビカメラ 
調査によ
る診断 

表L.1−スパン全体の評価及び管1本ごとの評価のラン
ク付けの例(鉄筋コンクリート管など及び陶管)では,
項目1) 管の腐食に,鉄筋コンクリート管など,を追加
した。 
表L.2−スパン全体の評価及び管1本ごとの評価のラン
ク付けの例(硬質塩化ビニル管)は,塩化ビニル管に
関するランク付け及び評価の例を示した。 
表L.5−不良発生率に基づくスパン全体のランク付け
及び判定基準の例は,不良発生率の定義及び判定基準の
例をまとめて示した。 

附属書J 
(参考) 
目視調査
又はテレ
ビカメラ 
調査によ
る管きょ
の診断 

表J.1−スパン全体の評価及び管1本ごとの評価のラン
ク分類の例では,項目1) 管の腐食,には管種の記載が
ない。 
 
− 
 
 
不良発生率の定義は,a) 2) の本文で記載され,判定基
準は,表J.5−不良発生率に基づくスパン全体での判定
基準の例に示されている。 

・陶管は腐食の対象外であ

るので,その旨を追加し
た。 

・参考文献に,塩化ビニル

管に関する基準が示され
たので,それを引用した。 

・不良発生率の記述を分か

りやすくするため,一つの
表にまとめた。 

附属書M 
(参考) 
清掃着手
基準及び
清掃の実
施頻度 

表M.1−清掃着手基準の例で,項目“たるみ,沈下,滞
流”の参考は次のとおり。“汚泥などが堆積しやすい。
別途,たるみ,沈下の原因及び解消方法の検討を行う。” 
表M.2−清掃の実施頻度の例は,管路の10の施設・部
位ごとに,頻度を示した。 

附属書K 
(参考) 
清掃着手
基準及び
清掃の実
施周期 

表K.1−清掃着手基準の例で,項目“たるみ,沈下,
滞流”の参考は次のとおり。“(省略)別途,有毒ガス
の発生状況を調査し,清掃周期の検討を行う。” 
表K.2−清掃の実施周期の例は,管路の10の施設・部
位ごとに,経過年数で30年未満と30年以上に分けて,
周期を示している。 

・たるみなどが確認されれ

ば,原因などの検討が必要
なため変更した。 

・清掃の実状を踏まえて実

施周期の例を変更した。 

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