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A 6930 : 1997 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

A 6930 : 1997 

住宅用プラスチック系防湿フィルム 

Plastic films vapour barrier for residential use 

1. 適用範囲 この規格は,主として住宅を断熱構造とする場合において,断熱構造部の防露のために,

別に防湿層を構成する際に使用するプラスチック系フィルムについて規定する。 

備考 この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,参

考として併記したものである。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・

追補には適用しない。 

JIS A 1324 : 1995 建築材料の透湿性測定方法 

JIS A 6111 : 1996 透湿防水シート 

JIS A 9521 : 1994 住宅用人造鉱物繊維断熱材 

JIS K 6783 : 1994 農業用エチレン・酢酸ビニル樹脂フィルム 

JIS K 7129 : 1992 プラスチックフィルム及びシートの水蒸気透過度試験方法(機器測定法) 

JIS K 7212 : 1995 熱可塑性プラスチックの熱老化性試験方法(オーブン法)通則 

JIS K 8575 : 1994 水酸化カルシウム(試薬) 

JIS Z 0208 : 1976 防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法) 

JIS Z 8401 : 1961 数値の丸め方 

JIS Z 8703 : 1983 試験場所の標準状態 

JIS Z 9001 : 1980 抜取検査通則 

3. 種類 フィルムの種類は,次による。 

3.1 

材料の構成による区分 材料の構成による区分は,表1のとおりとする。 

表1 材料の構成による区分 

区分 

材料の構成 

単体フィルム 

ポリエチレンフィルムのような,単一のプラスチック材料により構成されるフィルム。 

複合フィルム 

単体フィルムに,性質の異なる他の単体フィルム及び/又はフィルムと形状の異なる他のプラ

スチック材料(1)を複合したフィルム。構成層の一部に金属などの蒸着層を持つフィルムを含

む。 

注(1) ポリエチレン製延伸テープを用いた編織物,ポリエチレン製割繊維不織布等がある。 

3.2 

透湿性(透湿抵抗)による区分 透湿性(透湿抵抗)による区分は,次による(表2参照)。 

a) A種 

b) B種 

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A 6930 : 1997  

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4. 品質 フィルムの品質は,表2のとおりとする。 

表2 品質 

項目 

A種 

B種 

適用試験箇条 

透湿性(透湿抵抗)m2・s・Pa/ng 

 {m2・h・mmHg/g} 

82×10-3 {170} 以上 

144×10-3 {300} 以上 

7.3 

強度(つづり針保持強さ) 

N {kgf} 

 23℃ 

15 {1.53} 以上 

7.4.2a) 

−5℃ 

15 {1.53} 以上 

7.4.2b) 

耐久性 加熱処理後の縦方向引張切断

伸び残率         % 

50以上 

7.5.1 

アルカリ処理後の縦方向引張
切断伸び残率       % 

80以上 

7.5.2 

発火性 

発火しないこと。 

7.6 

5. 外観 フィルムの外観は,7.7によって試験を行い,裂け,穴など性能上支障を来す欠点があってはな

らない。 

6. 寸法 

6.1 

厚さ フィルムの厚さ及び許容差は,7.2によって試験し,表3に適合しなければならない。 

表3 厚さ 

厚さ 

mm 

0.05 

0.10 

0.15 

0.20 

厚さの許容差   % 単体フィルム 

±18 

複合フィルム 

±23 

平均厚さの許容差 % 単体フィルム 

±10 

複合フィルム 

±13 

6.2 

幅,長さ フィルムの幅,長さの寸法及び許容差は,表4による。幅の寸法については,特殊な寸

法が必要とされる場合に限り,受渡当事者間の協定による。 

表4 幅,長さ 

幅 

寸法 

mm 

1 100 

2 000 

2 500 

2 700 

3 000 

許容差 mm 

マイナスは認めない。 

長さ 寸法 

受渡当事者間の協定による。 

許容差 

マイナスは認めない。 

7. 試験 

7.1 

試験の一般条件 試験の一般条件は,次のとおりとする。 

7.1.1 

試験場所の標準状態 試験場所の標準状態は,特に規定がない限りJIS Z 8703に規定する温度23

±2℃,相対湿度 (50±2) %とする。 

7.1.2 

試料の採取方法 試験用試料の採取方法は,次による。 

a) 厚さ,強度(引張切断強さ及び引張切断伸び)及び耐久性に用いる試験用試料は,巻き上がりのフィ

ルムの端末から縦方向(2)に,長さ約2mを切り取る。次にこれを図1に示すとおり,上部,中央部及

び下部に分けて,合計9個の試験片用試料及び3個の厚さ測定用試料を採取する。 

注(2) 縦方向とは,フィルムの成形加工の方向をいう。 

b) 透湿性,強度(つづり針保持強さ)及び発火性に用いる試験用試料は,巻き上がりのフィルムの端末

から縦方向に,長さ約1mを切り取る。 

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7.1.3 

試験片の作り方 試験片の作り方は,次による。 

a) 引張切断強さ,引張切断伸び及び耐久性に用いる試験片は,7.1.2a)によって採取した9個の試験片用

試料から,図2を参考にして作る。試験片の寸法は,図3のとおりとする。 

b) 透湿性,つづり針保持強さ及び発火性に用いる試験片は,7.1.2b)によって採取した試験片用試料から,

図4を参考にして作る。試験片の寸法及び個数は,表5のとおりとする。 

7.1.4 

試験片の前処理 試験片は,特に規定がない限り標準状態の試験場所に1時間以上放置してから,

試験を行う。 

7.1.5 

数値の丸め方 測定値及び計算値を丸める場合の数値の丸め方は,JIS Z 8401による。 

7.1.6 

数値の換算 従来単位の試験機又は計測器を用いて試験する場合の国際単位系 (SI) による数値へ

の換算は,次による。 

1kgf=9.80N 

1Pa=7.50×10-3mmHg 

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図1 試料の採取方法 

(厚さ測定用試料及び引張切断強さ,引張切断伸び及び耐久性試験片用試料) 

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図2 試料から試験片の採取例 

(引張切断強さ,引張切断伸び及び耐久性試験片) 

図3 試験片の寸法 

(引張切断強さ,引張切断伸び及び耐久性試験片) 

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表5 試験片の寸法及び個数 

(透湿性,つづり針保持強さ及び発火性) 

試験項目 

寸法 

(縦方向×横方向) 

mm 

個数 

試験片の記号 

透湿性 

φ 90〜100 

強度 

つづり針 
保持強さ 

縦方向 

150×30 

横方向 

30×150 

B' 

発火性 

165×165 

図4 試験片の形状及び採取例 

(透湿性,つづり針保持強さ及び発火性) 

7.2 

厚さ 厚さの測定及び許容差の計算は,7.1.2a)によって採取した3個の厚さ測定用試料を用いて,

JIS K 6783に規定する測定方法及び計算方法による。 

7.3 

透湿性 透湿性試験は,7.1.3b)によって作った試験片を用いて,JIS Z 0208に規定するカップを使用

し,JIS A 1324に規定するカップ法による。ただし,測定条件は,雰囲気を温度40±0.5℃,相対湿度 (90

±2) %とする。透湿性は透湿抵抗で表し,3個の測定値の平均値とする。 

備考 JIS K 7129に規定する機器測定法又はJIS Z 0208に規定するカップ法で透湿度を測定する場合

は,JIS A 1324に規定するカップ法との相関を十分確認した上で行う。 

なお,同一条件で測定した場合の透湿度から透湿抵抗への換算は,次による。 

Rv=573.6×10−3× (1/Pe) 

ここに, 

Rv:透湿抵抗 (m2・s・Pa/ng) 

Pe:透湿度 [g/ (m2・24h)] 

7.4 

強度 強度試験は,次による。 

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7.4.1 

引張切断強さ及び引張切断伸び 引張切断強さ試験及び引張切断伸びの計算は,7.1.3a)によって作

った試験片を用いて,JIS K 6783に規定する試験方法及び計算方法による。ただし,試験速度は,毎分 (100

±10) mm又は毎分 (500±50) mmとする。 

7.4.2 

つづり針保持強さ つづり針保持強さ試験は,次による。ただし,引張は,JIS K 6783に規定する

引張試験機を用いる。 

a) 23℃におけるつづり針保持強さ試験 23℃におけるつづり針保持強さ試験は,7.1.3b)によって作った

試験片を用いて,JIS A 6111に規定する試験方法による。 

b) −5℃におけるつづり針保持強さ試験 −5℃におけるつづり針保持強さ試験は,7.1.3b)によって作っ

た試験片を,つづり針でJIS A 6111に規定する方法で取り付け,−5℃に制御された恒温槽内に入れ,

引張試験機に固定し(3),槽の温度が−5±0.5℃になってから3分間保持後,JIS A 6111に規定する試験

方法による。 

注(3) 試験片をつかみ具上部に,合板をつかみ具下部に固定する。 

7.5 

耐久性 耐久性試験は,次による。 

7.5.1 

加熱処理後の縦方向引張切断伸び残率 加熱処理後の縦方向引張切断伸び残率は,次によって求め

る。 

a) 7.1.3 a)によって作った縦方向の試験片を,JIS K 7212に規定する方法によって,加熱処理する。加熱

処理条件は,90±2℃,34週間とする。 

b) 加熱処理した試験片を取り出し,室温まで放冷したものを,標準状態の試験場所に24時間以上放置し

てから,7.4.1に規定する方法により試験を行い,縦方向引張切断伸びを計算する。 

c) 加熱処理後の縦方向引張切断伸び残率の計算は,次による。 

100

1

=LL

Lw

ここに, 

Lw:加熱処理後の縦方向引張切断伸び残率 (%) 

L1:7.4.1により得た未処理試験片の縦方向引張切断伸び (%) 

L2:加熱処理後の試験片の縦方向引張切断伸び (%) 

7.5.2 

アルカリ処理後の縦方向引張切断伸び残率 アルカリ処理後の縦方向引張切断伸び残率は,次によ

って求める。 

a) 7.1.3a)によって作った縦方向の試験片を,23±2℃の水酸化カルシウム(4)の飽和水溶液に,168時間浸

せきする。 

注(4) JIS K 8575に規定する1級品 

b) 浸せき後の試験片を,十分水洗いし,乾いた布でふいた後,標準状態の試験場所に24時間つるして乾

燥させる。乾燥後,7.4.1に規定する方法によって試験を行い,縦方向引張切断伸びを計算する。 

c) アルカリ処理後の縦方向引張切断伸び残率の計算は,次による。 

100

1

=LL

Lw

ここに, 

Lw:アルカリ処理後の縦方向引張切断伸び残率 (%) 

L1:7.4.1により得た未処理試験片の縦方向引張切断伸び (%) 

L2:アルカリ処理後の試験片の縦方向引張切断伸び (%) 

7.6 

発火性 発火性試験は,JIS A 9521の附属書に規定する試験方法による。ただし,試験片は,試験

片と同じ大きさの厚さ50mmのグラスウールの上に置く。 

7.7 

外観 外観は,1m角程度を平面に広げ,目視によって調べる。 

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8. 検査 検査は,次による。 

a) 厚さ,透湿性及び外観は,JIS Z 9001によってロットの大きさを決定し,合理的な抜取検査方法によ

って行う。 

b) つづり針保持強さ,耐久性及び発火性は,それらの性能に影響を及ぼす技術的生産条件を変更したと

きに,型式検査として行う。 

c) 引張切断強さ及び引張切断伸びは,7.4.1によって試験を行い,10.2のとおり表示する。 

9. 呼び方 呼び方は,次の例による。 

例1. 

2. 

10. 表示 

10.1 包装の表示 1こん(梱)包ごとに,包装の見やすい箇所に,次の事項を表示しなければならない。 

a) 名称 

b) 種類 

c) 厚さ (mm),幅 (mm) 及び長さ (m) 

d) 製造年月日又はその略号 

e) 製造業者名又はその略号 

10.2 試験検査書,仕様書などの表示 試験検査書,仕様書などには,引張切断強さ及び引張切断伸びを

表示しなければならない。 

11. 取扱注意事項 取扱注意事項は,施工マニュアルなどを作成し,必要に応じて添付する。 

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JIS A 6930(住宅用プラスチック系防湿フィルム)原案作成委員会 構成表 

a) 本委員会 

氏名 

所属 

(委員長) 

土 屋 喬 雄 

東洋大学工学部 

(委員) 

阿 部 宏 侑 

北海道立寒地住宅都市研究所 

福 永 健 文 

通商産業省生活産業局 

大 嶋 清 治 

工業技術院標準部 

松 野   仁 

建設省住宅局 

大 澤 元 毅 

建設省建築研究所 

鈴 木 大 隆 

北海道立寒地住宅都市研究所 

山 村 修 蔵 

財団法人日本規格協会 

黒 木 勝 一 

財団法人建材試験センター 

齋 藤 博 昭 

住宅金融公庫 

日 野 壽 郎 

社団法人日本木造住宅産業協会 

子 安   誠 

社団法人日本ツーバイフォー建築協会(三菱地所ホーム株式会社) 

鈴 木   晶 

社団法人プレハブ建築協会(ミサワホーム株式会社) 

佐 藤 雅 一 

社団法人全国中小建築工事業団体連合会(丸安佐藤建設株式会社) 

小田原   隆 

硝子繊維協会 

清 水 良 一 

宇部興産株式会社 

竹 内 惠 夫 

積水化学工業株式会社 

大 浦 憲 二 

三菱樹脂株式会社 

島 田 義 男 

大倉工業株式会社 

川 北 勝 美 

伊藤忠サンプラス株式会社 

藤 川 正 二 

北一化学工業株式会社 

(事務局) 

中 里 敞 一 

日本ポリオレフィンフィルム工業組合 

伊 藤 治 之 

日本ポリオレフィンフィルム工業組合 

b) ワーキンググループ (WG) 

氏名 

所属 

(主査) 

鈴 木 大 隆 

北海道立寒地住宅都市研究所 

(委員) 

黒 木 勝 一 

財団法人建材試験センター 

窪 田 俊 二 

工業技術院標準部 

齋 藤 博 昭 

住宅金融公庫 

日 野 壽 郎 

社団法人日本木造住宅産業協会 

子 安   誠 

社団法人日本ツーバイフォー建築協会(三菱地所ホーム株式会社) 

鈴 木   晶 

社団法人プレハブ建築協会(ミサワホーム株式会社) 

佐 藤 雅 一 

社団法人全国中小建築工事業団体連合会(丸安佐藤建設株式会社) 

清 水 良 一 

宇部興産株式会社 

尾 崎 樹 男 

三井石油化学工業株式会社 

中 村 眞 彦 

三菱化学株式会社 

竹 内 惠 夫 

積水化学工業株式会社 

大 浦 憲 二 

三菱樹脂株式会社 

樋 笠 慎 一 

大倉工業株式会社 

川 北 勝 美 

伊藤忠サンプラス株式会社 

藤 川 正 二 

北一化学工業株式会社 

藤 島 昭 一 

大化工業株式会社 

宗 像 安 則 

日東ユーテック株式会社 

(事務局) 

中 里 敞 一 

日本ポリオレフィンフィルム工業組合 

伊 藤 治 之 

日本ポリオレフィンフィルム工業組合