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A 6602:2019  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 種類······························································································································ 10 

4.1 材料による種類 ············································································································ 10 

4.2 支持方式による種類 ······································································································ 10 

4.3 強度による種類 ············································································································ 11 

4.4 単体形・連結形による種類 ····························································································· 11 

5 性能······························································································································ 11 

6 寸法及び傾斜角度の許容差 ································································································ 12 

7 構造······························································································································ 12 

8 外観······························································································································ 13 

9 材料······························································································································ 13 

10 試験 ···························································································································· 13 

10.1 変位量の算出 ·············································································································· 13 

10.2 強度試験 ···················································································································· 13 

11 検査 ···························································································································· 20 

12 表示 ···························································································································· 21 

12.1 製品の表示 ················································································································· 21 

12.2 包装の表示 ················································································································· 21 

13 取付方法及び維持管理の確認事項 ····················································································· 21 

附属書A(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ····························································· 23 

A 6602:2019  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

エクステリア工業会(JEIA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工

業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工

業規格である。 

これによって,JIS A 6602:2013は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

A 6602:2019 

低層住宅用テラス屋根構成材 

Roof components for terrace of dwellings 

適用範囲 

この規格は,主として低層住宅用に使用するテラス屋根構成材について規定する。 

なお,技術上重要な改正に関する新旧対照表を附属書Aに示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 6601 低層住宅用バルコニー構成材及び手すり構成材 

JIS B 7503 ダイヤルゲージ 

JIS B 7512 鋼製巻尺 

JIS B 7516 金属製直尺 

JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材 

JIS G 3131 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯 

JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯 

JIS G 3302 溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 3313 電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯 

JIS G 3446 機械構造用ステンレス鋼鋼管 

JIS G 4305 冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯 

JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金の押出形材 

JIS H 5202 アルミニウム合金鋳物 

JIS H 8602 アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化塗装複合皮膜 

JIS H 8610 電気亜鉛めっき 

JIS K 5674 鉛・クロムフリーさび止めペイント 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

テラス屋根 

露台又はバルコニーの上部に設置する建物の壁面から外部に突き出した片流れの屋根で,フラット形状

又はアール形状をいう。また,テラス屋根は,バルコニーと組み合わせて使用するものもある(図1〜図

8参照)。 

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3.2 

テラス屋根構成材 

たる(垂)木掛け,妻たる(垂)木,たる(垂)木,側枠,野縁,中桟,桁,前枠,妻ばり,柱などに

よって構成される低層住宅用テラス屋根の主たる部材。このうち屋根部四方枠を構成する前枠,たる(垂)

木掛け,側枠,妻たる(垂)木,及び桁並びに柱を主要構成材と定義する。テラス屋根構成材は,屋根ふ

き材及び基礎を除く(図1〜図8参照)。 

3.3 

構成部品 

テラス屋根を構成する部品。 

3.3.1 

支持金具 

壁支持式テラス屋根に用い,建物と妻ばり又は連結ばりとを連結し,主に屋根に掛かる荷重を支える建

物壁面に取り付ける部品(図5及び図6参照)。 

3.3.2 

柱取付金具 

テラス屋根の柱をく(躯)体バルコニーに固定し,主に屋根に掛かる荷重を支える部品(図7参照)。 

3.3.3 

柱連結金具 

テラス屋根の柱とJIS A 6601に規定するバルコニー構成材とを連結する部品(図8参照)。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 L:屋根長さ(側枠両端間の寸法) 

l:柱の中心間距離 
D:屋根奥行[く(躯)体面から前枠先端までの水平寸法] 
H:柱長さ[基礎埋め込み下端から柱中心とたる(垂)木下面との交点までの鉛直寸法] 
d:テラス屋根奥行[く(躯)体面から柱中心までの水平寸法] 
h:テラス屋根高さ[基礎上端から柱中心とたる(垂)木下面との交点までの鉛直寸法] 
θ:屋根部の傾斜角度 

図1−柱支持式テラス屋根単体形(波板)の例 

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 L:屋根長さ(側枠両端間の寸法) 

L1,L2:連結形屋根長さ(側枠端面から前枠連結部までの寸法) 
l:柱の中心間距離 
l1,l2:柱と間柱との中心間距離 
D:屋根奥行[く(躯)体面から前枠先端までの水平寸法] 
H:柱長さ(基礎埋め込み下端から桁下面までの鉛直寸法) 
d:テラス屋根奥行[く(躯)体面から柱中心までの水平寸法] 
h:テラス屋根高さ(基礎上端から桁下面までの鉛直寸法) 
θ:屋根部の傾斜角度 

図2−柱支持式テラス屋根連結形(波板)の例 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 L:屋根長さ[妻たる(垂)木両端間の寸法] 

l:柱の中心間距離 
D:屋根奥行[く(躯)体面から前枠先端までの水平寸法] 
H:柱長さ(基礎埋め込み下端から前枠下面までの鉛直寸法) 
d:テラス屋根奥行[く(躯)体面から柱中心までの水平寸法] 
h:テラス屋根高さ(基礎上端から前枠下面までの鉛直寸法) 
θ:屋根部の傾斜角度 

図3−柱支持式テラス屋根単体形(平板)の例 

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 L:屋根長さ[妻たる(垂)木両端間の寸法] 

L1,L2:連結形屋根長さ[妻たる(垂)木端面から前枠連結部までの寸法] 
l:柱の中心間距離 
l1,l2:柱と間柱との中心間距離 
D:屋根奥行[く(躯)体面から前枠先端までの水平寸法] 
H:柱長さ(基礎埋め込み下端から桁下面までの鉛直寸法) 
d:テラス屋根奥行[く(躯)体面から柱中心までの水平寸法] 
h:テラス屋根高さ(基礎上端から桁下面までの鉛直寸法) 
θ:屋根部の傾斜角度 

図4−柱支持式テラス屋根連結形(平板)の例 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 L:屋根長さ[妻たる(垂)木両端間の寸法] 

D:屋根奥行[く(躯)体面から前枠先端までの水平寸法] 
θ:屋根部の傾斜角度 

図5−壁支持式テラス屋根単体形(平板)の例 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 L:屋根長さ[妻たる(垂)木両端間の寸法] 

L1,L2:連結形屋根長さ[妻たる(垂)木端面から前枠連結部までの寸法] 
D:屋根奥行[く(躯)体面から前枠先端までの水平寸法] 
θ:屋根部の傾斜角度 

図6−壁支持式テラス屋根連結形(平板)の例 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 L:屋根長さ[妻たる(垂)木両端間の寸法] 

l:柱の中心間距離 
D:屋根奥行[く(躯)体面から前枠先端までの水平寸法] 
d:テラス屋根奥行[く(躯)体面から柱中心までの水平寸法] 
h:テラス屋根高さ[く(躯)体バルコニー床面から前枠下面までの鉛直寸法] 
θ:屋根部の傾斜角度 

図7−柱支持式テラス屋根く(躯)体バルコニー用(平板)の例 

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10 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 L:屋根長さ[妻たる(垂)木両端間の寸法] 

l:柱の中心間距離 
D:屋根奥行[く(躯)体面から前枠先端までの水平寸法] 
d:テラス屋根奥行[く(躯)体面から柱中心までの水平寸法] 
h:テラス屋根高さ(バルコニー柱連結部から前枠下面までの鉛直寸法) 
θ:屋根部の傾斜角度 

図8−柱支持式テラス屋根バルコニー構成材用(平板)の例 

種類 

4.1 

材料による種類 

材料による種類は,表1による。 

表1−材料による種類 

種類 

材料 

アルミテラス屋根 

アルミニウム合金 

スチールテラス屋根 

鋼 

ステンレステラス屋根 

ステンレス鋼 

4.2 

支持方式による種類 

支持方式による種類は,表2による(図1〜図8参照)。 

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11 

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表2−支持方式による種類 

種類 

支持方式 

柱支持式 

テラス屋根構成材の屋根部のたる(垂)木掛けを壁面く(躯)体で支
持し,前枠を柱で支持するもの,又はテラス屋根構成材の屋根部のた
る(垂)木掛けを壁面く(躯)体で支持し,前枠側はたる(垂)木の
下側に桁を介して柱で支持するもの。 

壁支持式(柱なし式) 

テラス屋根構成材の屋根部のたる(垂)木掛けを壁面く(躯)体で支
持し,妻ばり,又は連結ばりを壁面く(躯)体と緊結された支持金具
で支持するもの。 

4.3 

強度による種類 

鉛直荷重の強度による種類は,表3による。 

表3−強度による種類 

種類 

載荷重N/m2 

積雪量 

 600 

  600 

20 cm程度の積雪を考慮して用いるもの 

 900 

  900 

30 cm程度の積雪を考慮して用いるもの 

1500 

1 500 

50 cm程度の積雪を考慮して用いるもの 

3000 

3 000 

1 m程度の積雪を考慮して用いるもの 

4500 

4 500 

1.5 m程度の積雪を考慮して用いるもの 

4.4 

単体形・連結形による種類 

単体形・連結形による種類は,表4による。 

表4−単体形・連結形による種類 

種類 

単体形・連結形 

単体形 

長さ寸法(L)方向の部材[前枠,たる(垂)木掛け,桁]を1本(単
体)で構成するもの 

連結形 

長さ寸法(L)方向の部材[前枠,たる(垂)木掛け,桁]を複数連
結して構成するもの 

性能 

テラス屋根構成材の性能は,箇条10によって試験したとき,表5に適合しなければならない。 

なお,連結形のテラス屋根構成材についても,同様の性能をもつものとする。 

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12 

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表5−性能 

性能項目 

性能 

適用試験箇条 

鉛直荷重 

損傷確認 

10.2.2 a) で示す部材の最大残留変位量は次のとおりで,かつ,部材
及び部品に損傷(修復を要する)を生じてはならない。また,緩み
又は外れがあってはならない。 
a) 屋根長さ(L)(連結形の場合はL1,L2)又は屋根奥行(D)の

いずれか大きい方の寸法が3 000 mm以下の場合。 

最大残留変位量は3 mm以下 

b) 屋根長さ(L)(連結形の場合はL1,L2)又は屋根奥行(D)の

いずれか大きい方の寸法が3 000 mmを超え4 500 mm以下の場
合。 

最大残留変位量は5 mm以下 

c) 屋根長さ(L)(連結形の場合はL1,L2)又は屋根奥行(D)の

いずれか大きい方の寸法が4 500 mmを超える場合。 

最大残留変位量は10 mm以下 

10.2.2 a) 

破壊確認 

a) テラス屋根構成材の破壊(部材及び部品の折れ又は外れ)があ

ってはならない。 

b) 前枠・桁の最大残留変位量は,屋根長さ(L)(連結形の場合は

L1,L2)又は屋根奥行(D)のいずれか大きい方の寸法が4 500 mm

以下の場合は5 mm以下,4 500 mmを超える場合は10 mm以下。 

10.2.2 b) 

鉛直上向き荷重 

損傷確認 

10.2.3 a) で示す部材の最大残留変位量は次のとおりで,かつ,部材
及び部品に損傷(修復を要する)を生じてはならない。また,緩み
又は外れがあってはならない。 
a) 屋根長さ(L)(連結形の場合はL1,L2)又は屋根奥行(D)の

いずれか大きい方の寸法が3 000 mm以下の場合。 

最大残留変位量は3 mm以下 

b) 屋根長さ(L)(連結形の場合はL1,L2)又は屋根奥行(D)の

いずれか大きい方の寸法が3 000 mmを超え4 500 mm以下の場
合。 

最大残留変位量は5 mm以下 

c) 屋根長さ(L)(連結形の場合はL1,L2)又は屋根奥行(D)の

いずれか大きい方の寸法が4 500 mmを超える場合。 

最大残留変位量は10 mm以下 

10.2.3 a) 

破壊確認 

a) テラス屋根構成材の破壊(部材及び部品の折れ又は外れ)があ

ってはならない。 

b) 前枠・桁の最大残留変位量は,屋根長さ(L)(連結形の場合は

L1,L2)又は屋根奥行(D)のいずれか大きい方の寸法が4 500 mm

以下の場合は5 mm以下,4 500 mmを超える場合は10 mm以下。 

10.2.3 b) 

寸法及び傾斜角度の許容差 

主要なテラス屋根構成材の寸法に対する許容差は,長さ5 000 mm未満は±8 mm,長さ5 000 mm以上は

±12 mmとする。 

なお,傾斜角度θ及びその許容差は,受渡当事者間の協定による。 

構造 

テラス屋根構成材の構造は,次による。 

a) テラス屋根構成材の各部は,溶接,ボルト締め又はその他の方法によって,緩みが生じないように堅

ろうに結合できる構造とする。 

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13 

A 6602:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) テラス屋根構成材は,耐久性及び強度を確保した構造とする。 

c) 柱は,取付穴,ボルト穴などによって加工されても,表3に示す強度を確保した構造とする。 

d) テラス屋根構成材をバルコニーと組み合わせて使用する場合,バルコニーは,く(躯)体バルコニー

又はJIS A 6601に規定するバルコニー構成材とし,十分緊結できる構造とする。 

e) 人体又は衣服の触れるおそれのある部分には,鋭い突起などがなく,平滑で,安全な構造とする。 

外観 

テラス屋根構成部材の外観は,目視によって確認したとき,その表面にきず,凹凸,割れ,異物などの

使用上の有害な欠陥があってはならない。 

材料 

テラス屋根構成材に用いる主要材料は,表6に示す規格又はこれと同等以上の機械的性質をもつものと

する。 

表6−テラス屋根構成材に用いる主要材料 

材料 

基材 

表面処理 

アルミニウム合金 

JIS H 4100 

JIS H 8602に規定する種類B以上の複合
皮膜を施したもの 

JIS H 5202 

アクリル焼付塗装の平均膜厚20 μmと同
等以上の性能をもつもの 

鋼 

JIS G 3302に規定するZ12以上のもの 

溶接部はJIS K 5674に規定する塗料の
乾燥塗膜厚さ15 μmと同等以上の性能を
もつさび止め塗装を施したもの 

JIS G 3313に規定するE40以上のもの 

JIS G 3101 

JIS H 8610に規定する3級と同等以上の
性能をもつもの 

JIS G 3131 

JIS G 3141 

ステンレス鋼 

JIS G 3446 

− 

JIS G 4305 

10 

試験 

10.1 

変位量の算出 

測定値及び計算によって求めた数値並びにその許容差は,四捨五入して各規定値の有効数字に丸める。 

10.2 

強度試験 

10.2.1 

測定器 

この試験に用いる残留変位量測定器は,JIS B 7503に規定する0.1 mm単位で測定できるダイヤルゲージ

又はこれに相当する電気式変位計とする。また,試験体設置時及び試験時の距離測定には,次のいずれか

を用いる。 

− JIS B 7512に規定する目量1 mmのコンベックスルール1級 

− JIS B 7516に規定する目量1 mmの直尺1級 

10.2.2 

鉛直荷重試験 

鉛直荷重試験は,次による。 

試験体は,等分布に荷重をかけられる,十分に剛性のある屋根ふき材を用いてテラス屋根構成材を使用

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14 

A 6602:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

状態に組み立て,柱支持式は柱脚部をジグなどで固定したものとする。剛性がない屋根ふき材を用いる場

合は,図9のc) 及びd) に示すように,当て材として厚さ12 mmの合板を枠にかからないように載せ,そ

の上に荷重をかける方法を用いてもよい。その場合は,合板荷重を積載荷重に含める。試験体は規格最大

サイズとし,サイズによって構成部材が異なればその構成部材ごとの最大サイズで確認することとする。 

なお,テラス屋根高さ(h)は,500 mm以上600 mm未満とする。 

a) 損傷確認試験 図9に示すように,表3に示す強度による種類ごとに表7に示す載荷重の約1/2荷重

を,荷重袋などによって屋根全面に等分布になるよう静かに加え,載荷終了1分経過後に荷重を除去

する。荷重を除去し,3分経過後の変位を基準として,再び表7に示す荷重を静かに加え,載荷終了5

分経過後に荷重を除去し,3分経過後,構成部材の残留変位量を測定する。併せて,各部材及び部品

の損傷,緩み及び外れの有無を調べる。ただし,アール形状屋根の場合は,必要に応じて横材を用い

るなどして,前枠の曲線部の1/2の距離まで荷重がかかるようにする。残留変位量は,テラス屋根奥

行(d)の1/2線上のたる(垂)木,妻たる(垂)木,側枠,中桟及び野縁を測定し,最大となる数値

を採る。ただし,壁支持式については,妻たる(垂)木は先端部を測定する。 

なお,中桟及び野縁が1/2線上にない場合は,1/2線上に最も近い中桟及び野縁を測定する。 

b) 破壊確認試験 

1) 損傷確認試験に引き続き,表7に示す載荷重を,荷重袋などによって屋根全面に等分布になるよう

静かに加え,載荷終了5分経過後に荷重を除去し,テラス屋根構成材の破壊(部材及び部品の折れ

又は外れ)の有無を確認する。 

2) 破壊がなかった場合,荷重を除去し,3分経過後,前枠及び桁の残留変位量を測定する。 

表7−試験荷重 

種類 

載荷重N/m2 

損傷確認試験 

破壊確認試験 

 600 

  600 

  800 

 900 

  900 

1 200 

1500 

1 500 

2 000 

3000 

3 000 

3 700 

4500 

4 500 

5 500 

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15 

A 6602:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 ○印:測定点 

d:テラス屋根奥行[く(躯)体面から柱中心までの寸法] 

a) フラット形状屋根の場合 

 ○印:測定点 

d:テラス屋根奥行[く(躯)体面から柱中心までの寸法] 

b) アール形状屋根の場合 

図9−鉛直荷重試験の例 

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16 

A 6602:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) フラット形状屋根に当て材を当てる場合 

d) アール形状屋根に当て材を当てる場合 

図9−鉛直荷重試験の例(続き) 

10.2.3 

鉛直上向き荷重試験 

鉛直上向き荷重試験は,次による。 

17 

A 6602:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

試験体は,図10に示すように,柱支持式は柱脚部をジグなどで固定し,等分布に荷重をかけられる,十

分に剛性のある屋根ふき材を用いてテラス屋根構成材を天地を逆に組み立てる。剛性がない屋根ふき材を

用いる場合は,図10のc) 及びd) に示すように,当て材として厚さ12 mmの合板を載せ,その上に荷重

をかける方法を用いてもよい。その場合は,合板荷重を積載荷重に含め,また,当て材は図11のa) 及び

b) に示すように,上向き荷重が加わった際,屋根材を支持する部材の上に載せることとする。試験体は規

格最大サイズとし,サイズによって構成部材が異なればその構成部材ごとの最大サイズで確認することと

する。 

なお,テラス屋根高さ(h)は,500 mm以上600 mm未満とする。 

a) 損傷確認試験 250 N/m2から屋根ふき材による荷重の2倍を引き四捨五入して整数に丸めた荷重を,

荷重袋などによって屋根全面に等分布になるよう静かに加え,載荷終了1分経過後に荷重を除去する。

荷重を除去し,3分経過後の変位を基準として,500 N/m2から屋根ふき材による荷重の2倍を引き四

捨五入して丸めた荷重を静かに加え,載荷終了5分経過後に荷重を除去し,3分経過後,構成部材の

残留変位量を測定する。併せて,各部材及び部品の損傷,緩み及び外れの有無を調べる。残留変位量

は,テラス屋根奥行(d)の1/2線上のたる(垂)木,妻たる(垂)木,側枠及び野縁を測定し,最大

となる数値を採る。ただし,壁支持式については,妻たる(垂)木は先端部を測定する。 

なお,野縁が1/2線上にない場合は,1/2線上に最も近い野縁を測定する。 

b) 破壊確認試験 

1) 損傷確認試験に引き続き,600 N/m2から屋根ふき材による荷重の2倍を引き四捨五入して整数に丸

めた荷重を,荷重袋などによって屋根全面に等分布になるよう静かに加え,載荷終了5分経過後に

荷重を除去し,テラス屋根構成材の破壊(部材及び部品の折れ又は外れ)の有無を確認する。 

2) 破壊がなかった場合,荷重を除去し,3分経過後,前枠及び桁の残留変位量を測定する。 

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18 

A 6602:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 ○印:測定点 

d:テラス屋根奥行[く(躯)体面から柱中心までの寸法] 
h:テラス屋根高さ(基礎上端から桁下面までの鉛直寸法) 

a) フラット形状屋根の場合 

図10−鉛直上向き荷重試験の例 

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19 

A 6602:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 ○印:測定点 

d:テラス屋根奥行[く(躯)体面から柱中心までの寸法] 
h:テラス屋根高さ(基礎上端から桁下面までの鉛直寸法) 

b) アール形状屋根の場合 

 h:テラス屋根高さ(基礎上端から桁下面までの鉛直寸法) 

c) フラット形状屋根に当て材を当てる場合 

図10−鉛直上向き荷重試験の例(続き) 

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20 

A 6602:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

 h:テラス屋根高さ(基礎上端から桁下面までの鉛直寸法) 

d) アール形状屋根に当て材を当てる場合 

図10−鉛直上向き荷重試験の例(続き) 

a) 波板タイプの合板の載せ方 

b) 平板タイプの合板の載せ方 

図11−鉛直上向き荷重試験の合板の載せ方 

11 

検査 

検査は,形式検査1) と受渡検査2) とに区分し,次による。 

なお,合理的な抜取検査方式で実施する。 

注1) テラス屋根構成材の品質が,設計で示す全ての特性を満足するかどうかを判定するための検査。 

2) 既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造によるテラス屋根構成材の受渡しをする場合,

必要と定める特性が満足するものであるかどうかを判定するための検査。 

a) 形式検査 形式検査は,性能,寸法,構造,材料及び外観について箇条5〜箇条9の規定に適合して

いるか検査を行う。 

b) 受渡検査 受渡検査は,構造及び外観について箇条7及び箇条8の規定に適合しているか検査を行う。 

21 

A 6602:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

12 

表示 

12.1 

製品の表示 

この規格の全ての要求事項に適合したテラス屋根構成材には,容易に消えない方法で使用者が目視確認

可能な位置に次の事項を表示しなければならない。 

a) 製造業者名又はその略号 

b) 製造年月又はその略号 

c) 規格名称又は規格番号 

d) 強度による種類 

例 ○○○株式会社 2017年10月 低層住宅用テラス屋根構成材 600型 

12.2 

包装の表示 

テラス屋根構成材を一括包装する場合はその包装に,また,分割包装の場合はそれぞれの包装ごとに,

次の事項を表示しなければならない。 

a) 包装記号3) 

b) 製品寸法[屋根長さ(L),テラス屋根奥行(d),柱長さ(H)及びテラス屋根高さ(h)] 

屋根長さ(L)を表示する包装:桁,前枠,たる(垂)木掛け,野縁などを包装するもの 

テラス屋根奥行(d)を表示する包装:たる(垂)木,妻たる(垂)木などを包装するもの 

柱長さ(H)及びテラス屋根高さ(h)を表示する包装:柱などを包装するもの 

注3) 包装記号とは,製造業者が定めた記号をいう。 

なお,複数の包装に分割されている場合は,テラス屋根の構成に必要な包装の組合せを包装組合せ表に

表示する。 

13 

取付方法及び維持管理の確認事項 

取付方法及び維持管理の確認事項は,次の事項を主要な部材の包装に添付するか,又は施工者及び使用

者に文書で伝えなければならない。 

a) 取付方法の確認事項 

1) 強度による区分 

2) 柱の埋込み方法及び埋込み寸法 

3) 基礎の寸法(幅,長さ,埋込みなど) 

4) 建物などとの取合いの方法 

5) 屋根ふき材の取付方法 

6) バルコニーへの取付方法 

7) ガス管,給配水管などの埋設物への注意事項 

8) 積雪地における施工上の注意事項 

9) 包装の個数 

b) 維持管理の確認事項 

1) さびなどの手入れ方法 

2) 清掃方法 

3) 構成部品の交換 

4) 屋根ふき材の交換 

5) 使用上の注意事項 

22 

A 6602:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6) 積雪時の注意事項 

7) 保証の範囲及び期間 

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23 

A 6602:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 

技術上重要な改正に関する新旧対照表 

現行規格(JIS A 6602:2019) 

旧規格(JIS A 6602:2013) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

3 用語及び
定義 

図1〜図8 
− 屋根奥行(D)は,く(躯)体面か

ら前枠先端までの水平寸法。 

− 図の各寸法の説明文を追加。 

3 用語及び
定義 

図1〜図8 
− 屋根奥行(D)は,く(躯)体面か

ら前枠先端までの屋根傾斜に沿っ
た寸法。 

− 図の各寸法の説明文なし。 

屋根奥行(D)の取り方を市場の実態に合わせた。 
また,L,D,hなど,各寸法がどこを指すのか明確
にした。 

4 種類 

表3−強度による種類 

種類:600,900,1500,3000,4500

を規定。 

4 種類 

表3−強度による種類 

種類:600,1200,1500,3000,4500

を規定。 

強度による種類の1200を削除し,新たに900を追
加して,市場との整合性を図った。 

5 性能 

・ 屋根長さ(L)又は屋根奥行(D)

のいずれか大きい方の寸法が3 000 
mm以下,3 000 mmを超え4 500 
mm以下及び4 500 mmを超える場
合について規定。 

・ 鉛直荷重(等分布荷重),鉛直上向

き荷重(等分布荷重) 

損傷確認 

前枠・桁以外の最大残留変位量を規

定。 
破壊確認 

破壊がないことを規定。 
前枠・桁の最大残留変位量を規定。 

5 性能 

・ 長さ(L)又は奥行(D)のいずれ

か大きい方の寸法が3 000 mm以下
及び3 000 mmを超える場合につい
て規定。 

・ 鉛直荷重(等分布荷重) 

最大たわみ量を規定。 
最大残留たわみ量を規定。 

・ 鉛直上向き荷重(集中荷重) 
 

1 200 N荷重 

最大たわみ量を規定。 
最大残留たわみ量を規定。 

2 000 N荷重 

外れがないことを規定。 

近年の高強度材料の使用を考慮し,最大たわみ量の
規定を削除し,破壊確認を追加した。 
また,鉛直上向き荷重については,現実に即した評
価方法とするため,集中荷重での評価から,等分布
荷重による評価に変更した。さらに,4 500 mmを
超える大型サイズの規定を追加した。 
なお,部材の絶対変位量を測定するため,“たわみ
量”を“変位量”に修正した。 

8 外観 

テラス屋根構成部材の外観は,目視に
よって確認したとき,その表面にきず,
凹凸,割れ,異物などの使用上の有害
な欠陥があってはならない。 

− 

外観の規定なし。 

検査に必要な外観を新たに規定した。 

 
 

2

A

 6

6

0

2

2

0

1

9

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24 

A 6602:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

現行規格(JIS A 6602:2019) 

旧規格(JIS A 6602:2013) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

9 材料 

材料,基材及び表面処理について規定。 7 材料 

材料及びその規格について規定。 

要求品質を明確にするため,材料,基材及び表面処
理について規定した。 

− 

−(削除) 

8.1 試験体 

試験体の組立状態及び柱の高さを規
定。 

鉛直荷重試験と鉛直上向き荷重試験とで試験体の
設置方法が異なるため,項目を削除し,各試験の中
で試験体設置方法及び柱の高さを規定した。 

10.2.1 測定
器 

試験体設置時及び試験時の距離測定器
について規定。 

8.2.1 測定器 

距離測定器の規定なし。 

試験体設置時及び試験時の距離測定器の記載が欠
落していたため,新たに規定した。 

10.2.2 鉛直
荷重試験 

・ 試験体サイズを規定。 
・ テラス屋根高さは,500 mm以上

600 mm未満と規定。 

・ 損傷確認試験 

最大たわみ量の測定なし。 
残留変位量測定部材を規定し,

残留変位量を測定する。 

また,変位量測定点を図示した。 

・ 破壊確認試験 

破壊の有無を確認。 
前枠及び桁の残留変位量を測

定。 

8.2.2 鉛直荷
重試験 

・ 試験体サイズの規定なし。 
・ 柱の高さは,500 mm以上と規定

し,上限なし。 

・ 最大たわみ量を測定。 
・ 荷重部位の最大残留たわみ量を測

定。 

・ 破壊確認試験の規定なし。 

近年の高強度材料の使用を考慮し,最大たわみ量の
測定を削除し,破壊確認を追加した。 
また,試験体及び残留変位量測定にばらつきが生じ
ないよう,不明瞭な表現を明確にした。 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2

A

 6

6

0

2

2

0

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9

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25 

A 6602:2019  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

現行規格(JIS A 6602:2019) 

旧規格(JIS A 6602:2013) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

10.2.3 鉛直
上向き荷重
試験 

・ 試験体サイズを規定。 
・ テラス屋根高さは,500 mm以上

600 mm未満と規定。 

・ 損傷確認試験:500 N/m2等分布荷

重 

最大たわみ量の測定なし。 
残留変位量測定部材を規定し,

残留変位量を測定する。 

また,変位量測定点を図示した。 

・ 破壊確認試験:600 N/ m2等分布荷

重 

破壊の有無を確認。 
前枠及び桁の残留変位量を測

定。 

8.2.3 鉛直上
向き荷重試
験 

・ 試験体サイズの規定なし。 
・ 柱の高さは,500 mm以上と規定

し,上限なし。 

・ 1 200 N集中荷重試験 

最大たわみ量を測定。 
荷重部位の最大残留たわみ量を

測定。 

・ 2 000 N集中荷重試験 

外れの有無を調べる。 

・ 破壊確認試験の規定なし。 

現実に即した評価方法とするため,集中荷重での評
価から,等分布荷重による評価に変更した。 
なお,鉛直荷重試験と同様に最大たわみ量の測定を
削除し,破壊確認を追加した。 
また,試験体及び残留変位量測定にばらつきが生じ
ないよう,不明瞭な表現を明確にした。 

12.1 製品の
表示 

強度による種類を規定。 

10.1 製品の
表示 

強度による種類の規定なし。 

市場流通の実態に合わせて追加した。 

12.2 包装の
表示 

屋根長さ(L),テラス屋根奥行(d),
柱長さ(H)及びテラス屋根高さ(h)
を表示する包装部材を規定。 

10.2 包装の
表示 

長さ(L),奥行(d),柱長さ(H),高
さ(h)を表示する包装部材の規定なし。 

各製品寸法を表示する包装部材を規定した。 

13 取付方法
及び維持管
理の確認事
項 

取付方法及び維持管理の確認事項は,
主要部材の包装に添付するか,又は文
書で伝えることと規定。 

11 取付方法
の確認事項,
維持管理の
確認事項 

取付方法の確認事項及び維持管理の確
認事項は,主要部材の包装に添付する
ことと規定。 

文書で伝えることを追加した。 

2

A

 6

6

0

2

2

0

1

9