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A 6021 : 2000

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS A 6021:1995 は改正され,この規格に置き換えられる。


日本工業規格

JIS

 A

6021

: 2000

建築用塗膜防水材

Liquid-applied compounds for waterproofing

membrane coating of buildings

1.

適用範囲  この規格は,主に鉄筋コンクリート造建築物の屋根及び外壁などの防水工事に用いる塗膜

防水材(以下,防水材という。

)について規定する(

1

)

(

1

)  3.

に規定する防水材を対象とし,JIS A 6909に規定する建築用仕上塗材は除く。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS A 1415

  高分子系建築材料の実験室光源による暴露試験方法

JIS A 5430

  繊維強化セメント板

JIS A 6909

  建築用仕上塗材

JIS K 5407

  塗料成分試験方法

JIS K 6250

  加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの物理試験方法通則

JIS K 6251

  加硫ゴムの引張試験方法

JIS K 6252

  加硫ゴムの引裂試験方法

JIS K 6257

  加硫ゴムの老化試験方法

JIS K 6259

  加硫ゴムのオゾン劣化試験方法

JIS K 7350-4

  プラスチック−実験室光源による暴露試験方法−第 4 部:オープンフレームカーボン

アークランプ

JIS K 8575

  水酸化カルシウム(試薬)

JIS K 8576

  水酸化ナトリウム(試薬)

JIS K 8951

  硫酸(試薬)

JIS R 5201

  セメントの物理試験方法

JIS R 6252

  研磨紙

JIS Z 8807

  固体比重測定方法

3.

種類  防水材の種類は,主要原料及び適用部位によって,次のとおり区分する。

3.1

主要原料による区分

ウレタンゴム系

: ポリイソシアネート,ポリオール,架橋剤を主な原料とするウレタンゴムに充

てん材などを配合したウレタンゴム系防水材。その性能によって,1 類と 2 類

に区分する。


アクリルゴム系

: アクリルゴムを主な原料とし,充てん材などを配合したアクリルゴム系防水

材。

クロロプレンゴム系  : クロロプレンゴムを主な原料とし,充てん材などを配合したクロロプレンゴム

系防水材。

ゴムアスファルト系  : アスファルトとゴムを主な原料とするゴムアスファルト系防水材。

シリコーンゴム系

: オルガノポリシロキサンを主な原料とし,充てん材などを配合したシリコーン

ゴム系防水材。

備考  防水材は,そのまま使用する一成分形と,使用時に多成分(主剤,硬化剤,硬化促進剤,充て

ん材など)を混合する多成分形とがある。

なお,一成分形には,エマルションタイプと溶液タイプがある。

3.2

適用部位による区分

a)

屋根用  主として,屋根に用いる防水材。

備考  屋根用防水材には,主として一般平場部に用いる一般用及び立ち上がり部に用いる立ち上がり

用並びに両者に共通に用いる共用とがある。

b)

外壁用  主として,外壁に用いる防水材。

4.

性能  防水材の性能は,6.によって試験し,屋根用は表 に,外壁用は表 に適合しなければならな

い。


 

3

A

 6021

 : 20

00

表 1  屋根用塗膜防水材の性能

種類

項目

ウレタンゴム系 1 類

アクリルゴム系

クロロプレンゴム系

ウレタンゴム系 2 類

ゴムアスファルト系

引張強さ   N/mm

2

2.3

以上 1.3 以上 1.3 以上 1.9 以上 0.25 以上

破断時の伸び率

%

450

以上 300 以上 450 以上 550 以上 600 以上

引張性能

抗張積   N/mm

280

以上 120 以上 180 以上 280 以上

引裂性能  引裂強さ   N/mm

14

以上 6.0 以上 13 以上 12 以上 2.0 以上

試験時温度  −20℃

100

以上 300 以下 100 以上 400 以下 100 以上 400 以下 100 以上 300 以下 700 以上 2 000 以下

引張強さ比

%

試験時温度    60℃

60

以上 30 以上 30 以上 35 以上 5.0 以上

試験時温度  −20℃

250

以上 70 以上 50 以上 300 以上 70 以上

試験時温度    23℃

300

以上 180 以上 300 以上 350 以上 600 以上

温度依

存性

破 断 時 の つ か
み間の伸び率

%

試験時温度    60℃

200

以上 150 以上 200 以上 200 以上 600 以上

加熱伸縮性状

伸縮率          %

−4.0 以上 1.0 以下

−1.0 以上 1.0 以下

−1.0 以上 1.0 以下

−4.0 以上 1.0 以下

−4.0 以上 1.0 以下

加熱処理 80 以上 150 以下 80 以上 150 以下 80 以上 200 以下 80 以上 150 以下 80 以上 150 以下

促進暴露処理 60 以上 150 以下 80 以上 150 以下 80 以上 200 以下

アルカリ処理 60 以上 150 以下 60 以上 150 以下 80 以上 150 以下 80 以上 150 以下 80 以上 150 以下

引張強さ比

%

酸処理 80 以上 150 以下 40 以上 150 以下 80 以上 150 以下

加熱処理 400 以上 200 以上 200 以上 500 以上 600 以上

促進暴露処理 400 以上 200 以上 200 以上

アルカリ処理 400 以上 200 以上 200 以上 500 以上 600 以上

劣化処

理後

の引張

性能

破 断 時 の 伸 び

%

酸処理 400 以上 200 以上 200 以上

加熱処理

いずれの試験片にもひび割れ及び著しい変形を認めない。

促進暴露処理

いずれの試験片にもひび割れ及び著しい変形を認めない。

伸び時の劣化性状

オゾン処理

いずれの試験片にもひび割れ及び著しい変形を認めない。

たれ長さ        mm いずれの試験体も 3.0 以下。

たれ抵抗性能 
(一般用は除く。

しわの発生

いずれの試験体にも認めない。

固形分

%

表示値±3.0

硬化物比重

表示値±0.1

表示値±0.1

参考

用途

主として露出用

主として非露出用


 

4

A

 6021

 : 20

00

表 2  外壁用塗膜防水材の性能

種類

項目

アクリルゴム系

ウレタンゴム系

クロロプレンゴム系

シリコーンゴム系

引張強さ   N/mm

2

1.3

以上 2.3 以上 1.3 以上 0.40 以上

引張性能

破断時の伸び率   %

300

以上 450 以上 450 以上 600 以上

引裂性能  引裂強さ N/mm

6.0

以上 14 以上 13 以上 3.0 以上

試験時温度

−20℃

100

以上 400 以下 100 以上 300 以下 100 以上 400 以下 100 以上 200 以下

引張強さ比    %

試験時温度

60

30

以上 60 以上 30 以上 60 以上

試験時温度

−20℃

70

以上 250 以上 50 以上 300 以上

試験時温度

23

180

以上 300 以上 300 以上 300 以上

温度依

存性

破 断 時 の つ か み 間
の伸び率        %

試験時温度

60

150

以上 200 以上 200 以上 250 以上

加熱伸縮性状

伸縮庫率        %

−1.0 以上 1.0 以下

−4.0 以上 1.0 以下

−1.0 以上 1.0 以下

−1.0 以上 1.0 以下

加熱処理 80 以上 150 以下 80 以上 150 以下 80 以上 200 以下 80 以上 130 以下

促進暴露処理 80 以上 150 以下 60 以上 150 以下 80 以上 200 以下 80 以上 130 以下

引張強さ比      %

アルカリ処理 60 以上 150 以下 60 以上 150 以下 80 以上 150 以下 60 以上 130 以下

加熱処理 200 以上 400 以上 200 以上 500 以上

促進暴露処理 200 以上 400 以上 200 以上 500 以上

劣化処理後の引張性能

破断時の伸び率 %

アルカリ処理 200 以上 400 以上 200 以上 500 以上

加熱処理

いずれの試験片にもひび割れ及び著しい変形を認めない。

促進暴露処理

いずれの試験片にもひび割れ及び著しい変形を認めない。

伸び時の劣化性状

オゾン処理

いずれの試験片にもひび割れ及び著しい変形を認めない。

無処理 0.70 以上 0.70 以上 0.70 以上 0.30 以上

付着性能  付着強さ   N/mm

2

温冷繰返し処理 0.50 以上 0.50 以上 0.50 以上 0.30 以上

耐疲労性能

いずれの試験体にも塗膜の穴あき・裂け・破断のない。

たれ長さ mm いずれの試験体も 3.0 以下。

たれ抵抗性能

しわの発生

いずれの試験体にも認めない。

固形分

%

表示値±3.0


5

A 6021 : 2000

5.

原料及び製造方法

5.1

原料  防水材の製造に用いる原料は,次による。

5.1.1

基材  防水材の製造に用いる基材は,ウレタンゴム(

2

),

  アクリルゴム,クロロプレンゴム,ゴム

アスファルト又はオルガノポリシロキサンとする。

(

2

)

主剤と硬化剤が反応してウレタンゴムとなる場合,及び一成分形の材料で空気中の水分が直接

又は間接的に硬化に関与しウレタンゴムとなる場合などを含む。

5.1.2

鉱物質充てん材  防水材の製造に用いる鉱物質充てん材は,炭酸カルシウム,タルク,クレー,カ

ーボンブラック,微粉末シリカなどとする。

5.1.3

添加剤  防水材の製造に用いる添加剤は,顔料,増粘剤,架橋剤,老化防止剤,界面活性剤,希釈

剤などとする。

5.2

製造方法  防水材は基材,鉱物質充てん材,添加剤を配合し,均一に練り混ぜて製造する。ただし,

多成分形では,硬化の開始,硬化の促進,環境対応などを目的として,使用時に混合するよう原料を分け

て製造する。

6.

試験

6.1

試験の一般条件  試験片及び試験体の作製並びに試験の環境条件は,特に指定がない限り標準状態

とする。標準状態とは,温度は 23±2℃,相対湿度は (50±10) %とする。材料,容器,型枠及び下地板は,

試験前に 24 時間以上標準状態に置かなければならない。

a)

試料  一成分形防水材の場合は,よくかき混ぜて均質としたものを試料とする。多成分形防水材の場

合は,製造業者が指定する混合比となるように正確に計量し,均一に混合したものを試料とする。

なお,必要に応じてそれに製造業者が指定する量の薄め液(

3

)

を加えてもよい。ただし,固形分測定

用の試料は,薄め液を加えないものとする。

(

3

)

薄め液の添加量に範囲が定めてあるときは,その範囲の中央値とする。

b)

試験片及び試験体の塗膜厚さ  試験片の乾燥後の塗膜の厚さは,アクリルゴム系,クロロプレンゴム

系及びシリコーンゴム系は約 1mm,ウレタンゴム系及びゴムアスファルト系は約 2mm とする。付着

性能及び耐疲労性能の試験体の乾燥後の塗膜の厚さは,約 1mm とする。

6.2

試験片及び試験体の作製方法

6.2.1

試験片の作製

a)

試験片の作製は,試料を

図 に示す型枠(

4

)

に気泡が入らないように,製造業者の指定する方法によっ

て,均一に充てん又は塗布する。その後,

表 の養生条件によって成膜,脱型及び養生する。この塗

膜から試験片を採取する。

なお,脱型後は,塗膜を裏返して養生するものとする。

(

4

)

型枠は,反りがなく,かつ平滑面で,成膜後の塗膜が,容易に脱型できるように処理されたも

のとする。


6

A 6021 : 2000

図 1  試験片作製用型枠(例図)

表 3  試験片作製時の養生条件

区分

脱型までの養生条件

脱型後の養生条件

一成分形

エマルション

タイプ

標準状態で 24 時間後,40±2℃

で 24 時間(

5

)

40

±2℃で 48 時間後,標準状態

で 4 時間以上(

7

)

溶液タイプ

標準状態で 96 時間(

6

)

標準状態で 72 時間以上(

7

)

多成分形

標準状態で 96 時間

標準状態で 72 時間以上

(

5

)

ゴムアスファルト系は,標準状態で120時間とする。

(

6

)

クロロプレンゴム系は,標準状態で 168 時間とする。

(

7

)

クロロプレンゴム系は,70±2℃で 24 時間後,標準状態で 4 時間以上とする。

b)

試験片及び試験体の形状並びに個数は,

表 による。

表 4  試験片及び試験体の形状並びに個数

項目

試験片及び試験体の形状

個数

引張性能

ウレタンゴム系,アクリルゴム系,クロロプレンゴム系及びシリコー

ンゴム系は,JIS K 6251 に規定するダンベル状 3 号形,ゴムアスファ

ルト系は JIS K 6251 に規定するダンベル状 2 号形

3

引裂性能

JIS K 6252

に規定する切込みなしアングル形 3

温度依存性

ウレタンゴム系,アクリルゴム系,クロロプレンゴム系及びシリコー

ンゴム系は,JIS K 6251 に規定するダンベル状 3 号形,ゴムアスファ

ルト系は JIS K 6251 に規定するダンベル状 2 号形

6

加熱伸縮性状

長さ 300mm,幅 30mm 3

加熱処理

3

促進暴露処理

3

アルカリ処理

3

劣 化 処 理 後

の引張性能

酸処理

ウレタンゴム系,アクリルゴム系,クロロプレンゴム系及びシリコー

ンゴム系は,JIS K 6251 に規定するダンベル状 3 号形,ゴムアスファ

ルト系は JIS K 6251 に規定するダンベル状 2 号形

3

加熱処理

3

促進暴露処理

3

伸び時の

劣化性状

オゾン処理

JIS K 6251

に規定するダンベル状 1 号形

3

無処理

6.2.3

による。 3

付着性能

温冷繰返し後

3

耐疲労性能

6.2.4

による。 3

硬化物比重

6.13

の試験方法に適した形状 3

6.2.2

試験片の厚さの測定及び標線付け  試験片の厚さの測定及び標線付けは,それぞれの試験及び劣化

処理に先立って,JIS K 6250 の 7.7(厚さ及び幅の測定)及び JIS K 6251 の 4.6(試験片の伸び測定用の標

線)によって行う。


7

A 6021 : 2000

6.2.3

付着性能試験体の作製

a)

下地板  下地板は,JIS R 5201 の 10.4(供試体の作り方)に規定する方法によって調整したモルタル

を内のり寸法長さ約 70mm,幅約 70mm,厚さ約 20mm の金属製型枠を用いて成形し,温度 20±3℃,

湿度 90%以上の状態で 24 時間養生した後脱型し,その後 6 日間 20±2℃の水中で養生する。さらに 7

日間以上標準状態に静置した後,JIS R 6252 に規定する 150 番研磨紙を用いて付着面とする成形時の

下面を十分に研磨したものとする。

b)

作製方法  作製方法は,下地板の表面に製造業者の指定するプライマーを塗布した後,試料を塗布す

る。塗布後の養生条件は,

表 による。

なお,温冷繰返し後の付着性能試験に用いる試験体は,4 側面をエポキシ樹脂塗料などでピンホー

ルができないように注意して塗り包むものとする。

表 5  試験体作製時の養生条件

区分

養生条件

エ マ ル シ ョ
ンタイプ

標準状態で 24 時間後,40±2℃で 72 時間
後,標準状態で 4 時間以上(

8

)

一成分形

溶液タイプ

標準状態で 168 時間以上(

9

)

多成分形

標準状態で 168 時間以上

(

8

)

クロロプレンゴム系は,標準状態で24時間後,40±2℃で24時間
後,70±2℃で24時間後,標準状態で4時間以上とする。

(

9

)

クロロプレンゴム系は,標準状態で 96 時間後,70±2℃で 24 時
間後,標準状態で 4 時間以上とする。

6.2.4

耐疲労性能試験体の作製

a)

下地板  下地板は,JIS A 5430 に規定する厚さ 8mm のフレキシブル板を長さ約 200mm,幅約 80mm

に切断し,その裏面中央部幅方向に深さ 6mm の V 形の切込みを入れたものとする。

備考  下地板には,あらかじめ疲労試験機に取り付ける穴をあけておく。

なお,

図 に示す 6 か所において,下地板にプライマーなどを塗る前にダイヤルゲージなど

で下地板の厚さを事前に測定しておく。

b)

作製方法

1)

試料の塗布  試料の塗布は,下地板の表面に図 に示すように,内のり寸法長さ約 120mm,幅約

60mm

のせき枠を置き,次いで,せき枠の中に製造業者の指定するプライマーを塗布し,試料を充

てん又は塗布する。


8

A 6021 : 2000

図 2  耐疲労性能試験体の作製方法

2)

試験体の養生  試験体の養生は,表 による。

3)

塗膜厚さの測定  塗膜厚さの測定は,次による。

図 に示す 6 か所において,養生終了後の試験体について厚さを測定する。

なお,測定値の平均値が,1.0±0.1mm であるものを試験体とする。

6.3

引張性能

6.3.1

試験機器  試験機器は,次による。

a)

引張試験機  引張試験機は,試験時の最大引張力がその能力の 15∼85%の範囲になるものとし,引張

力及び変位の自動記録装置並びに調節精度±2℃で温度調節できる恒温槽を備えたものとする。引張速

度は,500mm/min 又は 200mm/min に調節でき,試験片の標線間距離の 8 倍以上引っ張れるものとす

る。

6.3.2

試験方法  試験方法は,試験片を標準状態に 1 時間以上置いた後,標準状態で 6.3.1 a)に規定する

引張試験機につかみ間が 60mm になるように試験片を取り付け,ウレタンゴム系,クロロプレン系及びゴ

ムアスファルト系は 500mm/min,アクリルゴム系及びシリコーンゴム系は 200mm/min の引張速度で試験

片が破断するまで引っ張る。

a)

引張強さ  引張強さは,試験片の破断に至るまでの最大引張力を求め,次の式によって算出し,試験

片 3 個の平均値で示す。

A

P

T

B

B

ここに,

T

B

引張強さ

 (N/mm

2

)

P

B

最大引張力

 (N)


9

A 6021 : 2000

A

試験片の断面積

 (mm

2

)

ダンベル状

2

号形の場合:

A

10

×

t (mm

2

)

ダンベル状

3

号形の場合:

A

5

×

t (mm

2

)

ただし,

t

:試験片の厚さ

 (mm)

b)

破断時の伸び率

  破断時の伸び率は,破断時の標線間距離を測定し,次の式によって算出し,試験片

3

個の平均値で示す。

100

20

20 ×

L

E

ここに,

E

:  破断時の伸び率 (%)

L

:  破断時の標線間距離 (mm)

c)

抗張積

  抗張積は,

6.3.2 a)

で求めた引張強さ及び

6.3.2 b)

で求めた破断時の標線間距離を用い,次の式

によって算出し,試験片 3 個の平均値で示す。

T

P

T

B

×  (

L

−20)

ここに,

T

P

:  抗張積 (N/mm)

T

B

:  引張強さ (N/mm

2

)

L

:  破断時の標線間距離 (mm)

6.4

引裂性能

6.4.1

試験機器

  試験機器は,

6.3.1a

による。

6.4.2

試験方法

  試験方法は,試験片を標準状態に 1 時間以上置いた後,標準状態で

6.3.1 a)

に規定する

引張試験機に試験片を取り付け,ウレタンゴム系,クロロプレン系及びゴムアスファルト系は 500mm/min,

アクリルゴム系及びシリコーンゴム系は 200mm/min の引張速度で試験片が破断するまで引っ張る。引裂強

さは,試験片が破断に至るまでの最大引裂力を求め,次の式によって算出し,試験片 3 個の平均値で示す。

t

P

T

T

T

ここに,

T

T

:  引裂強さ (N/mm)

P

T

:  最大引裂力 (N)

t

:  試験片の厚さ (mm)

6.5

温度依存性

6.5.1

試験機器

  試験機器は,

6.3.1 a)

による。

6.5.2

試験方法

  試験方法は,試験片を−20±2℃及び 60±2℃の試験時温度に 1 時間以上置いた後,恒

温槽の温度をそれぞれの試験温度に調節した引張試験機につかみ間が 60mm になるように試験片を取り付

け,ウレタンゴム系,クロロプレン系及びゴムアスファルト系は 500mm/min,アクリルゴム系及びシリコ

ーンゴム系は 200mm/min の引張速度で試験片が破断するまで引っ張る。

a)

引張強さ比

  引張強さ比は,それぞれの温度における引張強さを

6.3.2 a)

によって算出し,引張性能の

引張強さに対する比(百分率)の平均値で示す。

b)

破断時のつかみ間の伸び率

  破断時のつかみ間の伸び率は,それぞれの試験時温度について

6.3.1 a)

に規定する引張試験機によって,つかみ間距離 60mm に対する破断時の伸び量を読み取り,次の式に

よって算出し,試験片 3 個の平均値で示す。ただし,試験時温度 23℃の伸び率は,

6.3

で行った試験

結果から読み取り,算出する。

100

60

C

C

×

L

E

ここに,

E

C

:  破断時のつかみ間の伸び率 (%)

L

C

:  つかみ間距離 60mm に対する破断時の伸び量 (mm)


10

A 6021 : 2000

6.6

加熱伸縮性状

6.6.1

試験機器

  試験機器は,次による。

a)

測長器

  測長器は,精度 0.5mm 以上のものとする。

b)

加熱恒温器

  加熱恒温器は,

JIS K 6257

4.2

(試験装置)に規定する試験機又はこれと同等以上の性

能をもつ装置とする。

6.6.2

試験方法

  試験方法は,試験片を標準状態に 24 時間以上静置し,試験片の長さを中央部で測長器

によって測定する。ウレタンゴム系 1 類,アクリルゴム系,クロロプレンゴム系,ウレタンゴム系(外壁

用)及びシリコーンゴム系は 80±2℃,ウレタンゴム系 2 類及びゴムアスファルト系は 70±2℃に調節した

加熱恒温器内に 168 時間水平に置く。この場合,試験片はタルク粉などの粘着防止粉末を打粉した離型紙

などの上に置く。次いで,試験片を取り出して標準状態に 4 時間以上静置した後,再び試験片の長さを同

一箇所で測定し

(

10

)

,次の式によって最初の長さに対する伸縮率を算出し,試験片 3 個の平均値で示す。

(

10

)

試験片に反りを生じたときは,測長器で押さえて測定する。

100

0

0

1

×

L

L

L

S

ここに,

S

:  伸縮率 (%)

L

0

:  加熱処理前の長さ (mm)

L

1

:  加熱処理後の長さ (mm)

6.7

劣化処理後の引張性能

6.7.1

試験機器

  試験機器は,次による。

a)

引張試験機

  引張試験機は,

6.3.1 a)

による。

b)

加熱恒温器

  加熱恒温器は,

6.6.1 b)

による。

c)

促進暴露試験装置

  促進暴露試験装置は,

JIS K 7350-4

4.

(装置)に規定する暴露試験装置とする。

6.7.2

試験片の処理

  試験片の処理は,次による。

a)

加熱処理

  加熱処理は,

JIS K 6257

4.

(空気加熱老化試験)による。ただし,試験片が変形するも

のについては,試験片を離型紙などの上に水平に置いて加熱する。加熱温度は,ウレタンゴム系 1 類,

アクリルゴム系,クロロプレンゴム系,ウレタンゴム系(外壁用)及びシリコーンゴム系は 80±2℃,

ウレタンゴム系 2 類及びゴムアスファルト系は 70±2℃とし,加熱時間は 168 時間とする。加熱後の

試験片は,標準状態に 4 時間以上静置する。

b)

促進暴露処理

  促進暴露処理は,

JIS A 1415

6.3

(オープンフレームカーボンアークランプによる暴

露試験方法)による。ただし,ブラックパネル温度計の指示温度は 63±3℃,スプレーサイクルは 120

分中 18 分,試験時間は 250 時間とする。試験片に影響を与えない非粘着処理した長さ約 150mm,幅

約 70mm,厚さ約 1mm のアルミニウム合金製の支持板に試験片の上下端をひも(紐)などでくくりつ

けて固定する。1 枚の支持板には,並列 2 個の試験片を固定するものとし,試験片の標線間部分がで

きるだけ支持板の中央部に位置するようにする。試験片を取り付けた支持板を試料ホルダに固定し,

促進暴露処理を行う。暴露後の試験片は標準状態に 4 時間以上静置する。

c)

アルカリ処理

  アルカリ処理は,温度 23±2℃の

JIS K 8576

に規定する水酸化ナトリウム特級品の

0.1%

水溶液中に,

JIS K 8575

に規定する水酸化カルシウム特級品を飽和させ,その溶液 400ml 中に試

験片 3 個を 168 時間浸せきする。浸せき後の試験片は十分水洗し,乾いた布でふき,標準状態に 4 時

間以上静置する。ただし,エマルションタイプは 50∼60℃で 6 時間以上乾燥した後,標準状態に 4 時

間以上静置する。


11

A 6021 : 2000

d)

酸処理

  酸処理は,温度 23±2℃の

JIS K 8951

に規定する硫酸特級品の 2%溶液 400ml 中に試験片 3

個を 168 時間浸せきする。浸せき後の試験片は十分水洗し,乾いた布でふき,標準状態に 4 時間以上

静置する。ただし,エマルションタイプは 50∼60℃で 6 時間以上乾燥した後,標準状態に 4 時間以上

静置する。

6.7.3

試験方法

a)

引張強さ比

  引張強さ比は,それぞれの処理後の引張強さを

6.3.2 a)

によって算出し,引張性能の引張

強さに対する比(百分率)の平均値で示す。

b)

破断時の伸び率

  破断時の伸び率は,

6.3.2 b)

による。

6.8

伸び時の劣化性状

6.8.1

試験機器

  試験機器は,次による。

a)

加熱恒温器

  加熱恒温器は,

6.6.1 b)

による。

b)

促進暴露試験装置

  促進暴露試験装置は,

6.7.1 c)

による。

c)

オゾン劣化試験装置

  オゾン劣化試験装置は,

JIS K 6259

4.2

(試験装置)に規定する静的オゾン劣

化試験用装置とする。

d)

保持具

  保持具は,試験片の標線間の伸び率を 100%まで保持できるつかみをもち,かつ,試験の際,

腐食しない器具とする。

6.8.2

試験方法

a)

加熱処理

  加熱処理の試験方法は,

6.8.1 d)

の保持具を用いて,試験片の標線間距離 40mm を 80mm に

なるように伸長して保持し,鉛直にして 24 時間標準状態に置く。次に,その試験片付き保持具を

6.6.1 

b)

の加熱恒温器内に鉛直にして,ウレタンゴム系 1 類,アクリルゴム系,クロロプレンゴム系,ウレ

タンゴム系(外壁用)及びシリコーンゴム系は 80±2℃,ウレタンゴム系 2 類及びゴムアスファルト

系は 70±2℃で 168 時間加熱する。

試験片付き保持具を取り出して鉛直にして標準状態に 4 時間以上静置後,試験片を保持具に付けた

まま,試験片の変形の有無と,8 倍の拡大鏡でひび割れの有無を観察する。

b)

促進暴露処理

  促進暴露処理の試験方法は,

6.8.1 d)

の保持具を用いて,試験片の標線間距離 40mm を

60mm

になるように伸長して保持し,鉛直にして 24 時間標準状態に置く。次に,その試験片付き保持

具を

6.7.1 c)

の促進暴露試験装置に入れ,

JIS A 1415

6.3

(オープンフレームカーボンアークランプ

による暴露試験方法)によって促進暴露処理する。ただし,ブラックパネル温度計の指示温度は 63±

3

℃,スプレーサイクルは 120 分中 18 分,試験時間は 250 時間とする。次いで,試験片付き保持具を

取り出して鉛直にして標準状態に 4 時間以上静置した後,試験片を保持具に取り付けたまま,試験片

の変形の有無と,8 倍の拡大鏡でひび割れの有無を観察する。

c)

オゾン処理

  オゾン処理の試験方法は,

6.8.1 d)

の保持具を用いて,試験片の標線距離 40mm を 56mm

になるように伸長して保持し,鉛直にして 24 時間標準状態に置く。次に,その試験片付き保持具をオ

ゾン濃度 75±7.5pphm,温度 40±2℃に調節した

6.8.1 c)

のオゾン劣化試験装置内に試験片相互間隔を

上下・左右 50mm 以上,内壁から 50mm 以上離して鉛直にして 168 時間置く。次いで,試験片付き保

持具を取り出して鉛直にして標準状態に 4 時間以上静置した後,試験片を保持具に取り付けたまま,

試験片の変形の有無と,8 倍の拡大鏡でひび割れの有無を観察する。

6.9

付着性能

6.9.1

試験機器

  試験機器は,

6.3.1 a)

の引張試験機で,引張速度が 2mm/min に調節できるものとする。


12

A 6021 : 2000

6.9.2

温冷繰返し処理

  温冷繰返し処理は,試験体を 23±2℃の水中に 18 時間浸せきした後,直ちに−

20

±2℃の恒温槽中で 3 時間冷却し,次に,50±2℃の別の恒温槽中で 3 時間加温する。この 24 時間を 1

サイクルとした操作を 10 回繰り返した後,標準状態に 48 時間以上静置する。

なお,繰返し操作の途中で試験を中断する場合は,加温 3 時間終了後とし,標準状態に置く。ただし,

試験期間は 3 週間を超えてはならない。

6.9.3

試験方法

a)

アタッチメントの取付け

  アタッチメントの取付けは,無処理及び温冷繰返し後の試験体を水平に保

持し,塗膜面のほぼ中央に接着剤を塗り,

図 3

に示す引張用鋼製アタッチメントを静かに載せ,軽く

すりつけるように接着し,更にその上に質量約 1kg のおもりを載せ,周辺にはみ出した接着剤を丁寧

に取り除き,24 時間以上静置する。

b)

付着強さ

  付着強さの試験方法は,引張用鋼製アタッチメントからおもりを取り除き,アタッチメン

トの側面 4 辺に接して鋭利な刃物を用いて塗膜を下地面に達するまで切断する。次いで,

図 4

及び

5

に示す引張用鋼製器具及び鋼製当て板を用いて,

図 6

に示すように試料面に対し垂直方向に 2mm/min

の引張速度で引っ張り,最大引張力を求める。この場合,引張用アタッチメント及び器具を引っ張る

つかみ具は自動調心されるものが望ましい。付着強さは,次の式によって算出し,試験体 3 個の平均

値で示す。

600

1

A

A

P

T

ここに,

T

A

:  付着強さ (N/mm

2

)

P

A

:  最大引張力 (N)

参考

引張用アタッチメントの取付けに用いる接着剤は,

塗膜に浸透しにくい高粘度のもの,例えば,

無溶剤形のエポキシ樹脂接着剤がよい。

図 3  引張用鋼製アタッチメント


13

A 6021 : 2000

図 4  引張用鋼製器具(例図)

図 5  鋼製当て板


14

A 6021 : 2000

図 6  付着性能の試験方法

6.10

耐疲労性能

6.10.1

試験機器

  試験機器は,次による。

a)

疲労試験機

  疲労試験機は,試験体下地板を平面に保ちながら,下地板のき裂に所定の大きさの拡大

縮小を発生させ,かつ,その回数を制御できる装置

(

11

)

で,試験体を温度−10±2℃に調節できる恒温

槽に収納できるものとする。

(

11

)

繰返しが可能な引張試験機を利用する場合には,試験体下地板を平面に保つガイドを設け,ロ

ードセル側のつかみ金具を固定するなどの処置が必要である。

6.10.2

試験方法

a)

試験体の折り曲げ

  試験体の折り曲げは,次による。

せき枠をはずし,

図 2

に示すように,幅が 50mm になるよう長手方向に沿って塗膜に鋭利な刃物で

下地板に達するまで切込みを入れる。次いで,平板上に

図 7

に示すように,塗膜面を上にして長手方

向の両端を板厚約 4mm のスペーサで支持して置き,塗膜を傷つけないよう下地板中央両端部を指で

軽く加圧して,下地板にき裂を発生させる。

図 7  試験体の折り曲げ

b)

疲労試験

  疲労試験は,試験体を疲労試験機に固定し,温度−10℃に 1 時間以上置く。次いで,その


15

A 6021 : 2000

温度で下地板のき裂幅 0.5∼2.5mm の拡大縮小を 5 回/min の速度で 2 000 回繰り返した後,き裂幅を

2.5mm

に拡大した状態で,塗膜の欠陥(穴あき・裂け・破断)の有無を観察する。

6.11

たれ抵抗性能

6.11.1

下地板の作製

  下地板の作製は,

JIS A 5430

に規定する厚さ 5mm のフレキシブル板を長さ約

400mm

,幅約 200mm に切断し,その平滑面の周囲に

図 8

に示すように幅約 10mm,厚さ 2mm のせき枠 A

及び B を張り付けて行う。

6.11.2

試験方法

a)

たれ抵抗性能

  たれ抵抗性能の試験方法は,試料を水平に置いた下地板上に,気泡が入らないように

流し込み,速やかにせき枠の表面に沿って,全面を丁寧にならす。次に,せき枠 B を外し,この部分

が下になるよう試験体を鉛直に保持し,標準状態で 24 時間静置する。その後,

図 8

に示すたれ長さを

6.6.1 a)

の測長器を用いて測定し,塗膜のしわの有無を観察する。

なお,試験体は 3 個とする。

図 8  たれ抵抗性能の試験方法

6.12

固形分

  固形分は,

JIS K 5407

4.(3)(3.1)

(試料の加熱残分が多い場合)によって,加熱残分を測

定し,3 個の測定値の平均値で示す。

6.13

硬化物比重

  硬化物比重は,

JIS Z 8807

4.

(液中でひょう量する測定方法)又は

5.

(固体比重天

びんによる測定方法)によって,試験片の比重を測定し,3 個の測定値の平均値を有効数字 2 けたで示す。

6.14

数値の換算

  従来単位の試験機又は計測器を用いて試験する場合の国際単位系 (SI) による数値へ

の換算は,次による。


16

A 6021 : 2000

1kgf

=9.80 N

7.

検査

  検査は,合理的な抜取検査方式によって行い,

4.

の規定に適合したものを合格とする。

備考

促進暴露処理後の引張性能,伸び時の劣化性状,付着強さ及び耐疲労性能の検査は,これらの

性能に影響を及ぼす生産条件を変更したときに行う。

8.

表示

  製品には 1 缶ごとに,見やすい箇所に次の事項を表示する。

a)

規格名称

b)

種類(

  屋根用ウレタンゴム系 1 類一般用)

c)

正味質量

d)

製造年月日

e)

製造業者名又は略号

f)

施工可能な最低温度

g)

固形分

h)

硬化物比重

i)

多成分形防水材は,成分の数とその内容及び混合比(

  二成分形,主剤,主剤:硬化剤=1:1)

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

小  池  迪  夫

千葉工業大学

田  中  亨  二

東京工業大学

本  城      薫

通商産業省生活産業局

八  田      勲

通商産業省工業技術院標準部

山  村  修  蔵

財団法人日本規格協会

清  水  市  郎

財団法人建材試験センター中央試験所

佐々木  良  夫

建設省大臣官房官庁営繕部

岩  井  孝  次

鹿島建設株式会社

松  本  洋  一

清水建設株式会社

服  部  介  韶

外壁防水施工団体協議会

山  中  健  治

社団法人全国防水工事業協会

谷  川      伸

東亞合成株式会社

鈴  木      博

三井化学株式会社

茂  呂  昌  男

日新工業株式会社

芝      吉  朗

株式会社イーテック

久保田  淳  一

日本外壁防水材工業会

(事務局)

小  柴      恵

社団法人日本建材産業協会