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A 5557

:2006

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本接着剤工業会(JAIA)/財団法人日本規格

協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の

審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


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目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  種類

2

5.

  品質

2

6.

  試験

3

6.1

  試験の一般条件

3

6.2

  試験に用いる材料及び用具

3

6.3

  試験方法

4

7.

  検査

13

8.

  製品の呼び方

13

9.

  表示

13

10.

  取扱い上の注意事項

14

 


日本工業規格

JIS

 A

5557

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外装タイル張り用有機系接着剤

Organic adhesives for exterior tile finishing

1.

適用範囲  この規格は,建築物の外壁面に陶磁器質タイル(

1

)

(以下,タイルという。

)を施工する場合

に使用する有機系接着剤(以下,接着剤という。

)について規定する。

注(

1

)

ここでいう陶磁器質タイルとは,JIS A 5209 に規定するタイルの中で“外装壁タイル及び外装

壁モザイクタイル”をいう。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS A 1435

  建築用外壁材料の耐凍害性試験方法(凍結融解法)

JIS A 5209

  陶磁器質タイル

JIS A 5430

  繊維強化セメント板

JIS G 3101

  一般構造用圧延鋼材

JIS K 2207

  石油アスファルト

JIS K 6251

  加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方

JIS K 6257

  加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−熱老化特性の求め方

JIS K 6833

  接着剤の一般試験方法

JIS K 7100

  プラスチック−状態調節及び試験のための標準雰囲気

JIS R 3202

  フロート板ガラス及び磨き板ガラス

JIS R 5201

  セメントの物理試験方法

JIS R 6252

  研磨紙

JIS Z 1525

  包装用ポリ塩化ビニル粘着テープ

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 9015-0

  計数値検査に対する抜取検査手順−第 0 部:JIS Z 9015 抜取検査システム序論

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

a)

可使時間  二液反応硬化形接着剤を塗布するために混練した,針入度の値が 180 になるまでの時間。

b)

張付け可能時間  一液反応硬化形接着剤を塗布した後タイルを接着するまでの時間のうち,所定の接

着強さを満足する最長の時間。

c)

反応硬化形接着剤  化学反応によって硬化する接着剤。

d)

養生  接着接合部の性能を確保するために,一定条件下に放置すること。


2

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4.

種類  接着剤は,その主成分及び反応硬化形によって,表 のとおり区分する。

  1  主成分による区分

種類

備考

一液反応硬化形

ウレタン樹脂を主成分とした一液硬化形のもの

ウレタン樹脂系

二液反応硬化形

ウレタン樹脂を主成分とした二液混合硬化形のもの

一液反応硬化形

変成シリコーン樹脂を主成分とした一液硬化形のもの

変成シリコーン樹脂系

二液反応硬化形

変成シリコーン樹脂を主成分とした二液混合硬化形のもの

5.

品質  接着剤の品質は,次による。

a)

接着剤の外観は,均質で,有害と認められる異物の混入があってはならない。

b)

接着剤は,これに接するタイル,下地材などを侵すものであってはならない。

c)

接着剤は,化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律に規定された第 1 種特定化学物質及び第 2

種特定化学物質,並びに労働安全衛生法に基づく“有機溶剤中毒予防規則”に規定された第 1 種有機

溶剤を使用してはならない。

d)

接着剤は,6.に従って

表 に示す項目の試験を行ったとき,表 の品質に適合しなければならない。

  2  品質

試験項目 

品質

試験方法

貯蔵安定性(

4

) 

質量の変化が 5  %以内で,かつ,均質で異物が認めら
れない。

6.3.1 

混練終結確認容易性(

3

)

混練終結時の色が明りょうでなければならない。

6.3.2 

標準養生 0.60

N/mm

2

以上で,かつ,凝集破壊率(

2

)

が 75  %以上

低温硬化養生 0.40

N/mm

2

以上で,かつ,凝集破壊率(

2

)

が 50  %以上

アルカリ温水浸せき処理 0.40

N/mm

2

以上で,かつ,凝集破壊率(

2

)

が 50  %以上

凍結融解処理 0.40

N/mm

2

以上で,かつ,凝集破壊率(

2

)

が 50  %以上

接着強さ

熱劣化処理 0.40

N/mm

2

以上で,かつ,凝集破壊率(

2

)

が 50  %以上

6.3.3 

引張強さ 0.60

N/mm

2

以上

引張性能

破断時の伸び 35

%以上

試験時温度  80 ℃

0.60 N/mm

2

以上

引張強さ

試験時温度−20  ℃

0.60 N/mm

2

以上

試験時温度  80 ℃

35

%以上

温度依存性

破断時の 
伸び

試験時温度−20  ℃

35

%以上

ア ル カ リ温水 浸せ
き処理

0.40 N/mm

2

以上

引張強さ

熱劣化処理 0.40

N/mm

2

以上

ア ル カ リ温水 浸せ

き処理

25

%以上

皮膜


劣化処理後
の引張性能

破断時の

伸び

熱劣化処理 25

%以上

6.3.4 

耐熱性

80

℃4 週間 1 kg のおもりで安定していなければなら

ない。

6.3.5 

ずれ抵抗性

ずれが生じてはならない。

6.3.6 

可使時間(

3

)

9

.(表示)に記載する時間

6.3.7 

張付け可能時間(

4

)

9

.(表示)に記載する時間

6.3.8 

密度

9

.(表示)に記載する密度

6.3.9 

注(

2

)

凝集破壊率とは,破壊面全体の面積に対する凝集破壊(タイル,下地材の破壊を含む。

)の割合とする。

(

3

)

二液反応硬化形に適用。

(

4

)

一液反応硬化形に適用。


3

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6.

試験

6.1

試験の一般条件  試験の一般条件は,次による。

a)

試験の標準状態  試験の標準状態は,特に指定のない限り JIS K 7100 に規定する標準状態[温度 23

±2  ℃,湿度(50±10)RH  %]で行う。

b)

接着剤及び試験に用いる材料  接着剤及び試験に用いる材料は,標準状態の室内に作製前 24 時間養生

しておかなければならない。

c)

二液反応硬化形接着剤の取扱い  二液反応硬化形接着剤は,練り上がり質量約 300 g になるように,

主剤及び硬化剤を製造業者の定めた割合に計量し,寸法約 300 mm×300 mm×5 mm の 6.2 a)  に示すガ

ラス板上に載せ,直ちに適切なへらを用いて均質になるようよく混練する。

d)

一液反応硬化形接着剤の取扱い  一液反応硬化形接着剤は,接着剤を容器から 6.2 a)  に示すガラス板

上に載せ,そのまま用いる。

6.2

試験に用いる材料及び用具  試験に用いる材料及び用具は,次による。

a)

試験に用いる材料及び用具は,

表 による。

  3  試験に用いる材料及び用具

材料及び用具

材質

ガラス板

JIS R 3202

に規定するフロート板ガラス及び磨き板ガラス

モルタル板

JIS R 5201

の 10.4 に規定する方法によって調整したモルタルを,内のり寸

法 70 mm×70 mm×20 mm の金属製型枠を用いて成形し,温度 20±3  ℃,
湿度 80  %以上の状態で 24 時間養生した後,

脱型し,

その後 6 日間,

20

±2  ℃

の水中で養生する。更に,7 日間以上養生室で養生した後,JIS R 6252 に規

定する P150 研磨紙を用いて,成形時の下面を十分に研磨して試験用基板と
したもの。

陶磁器質タイル

JIS A 5209

に規定する外装モザイクタイル。

へら,標準くし目ごて,接着強さ試験

用鉄片,接着強さ試験用治具

JIS G 3101

に規定するもの。

けい酸カルシウム板

JIS A 5430

に規定するけい酸カルシウム板タイプ 2。 

b)

試験に用いる塗布器具は,標準くし目ごてとする。標準くし目ごては,JIS G 3101 に規定する鋼材又

は同等以上の強度をもつもので,その形状・寸法は

図 による。ただし,製造業者の指定するくし目

ごてを用いてもよい。

                                                                        単位  mm

  1  標準くし目ごて


4

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c)

接着強さ試験用鉄片は,JIS G 3101 に規定する鋼材又は同等以上の強度をもつものとし,接着面積は

40 mm

×40 mm とする。その形状・寸法は,

図 による。

                        単位  mm

  2  接着強さ試験用鉄片

6.3

試験方法

6.3.1

貯蔵安定性試験方法  製品仕様形態そのままで 4 週間貯蔵する。前半の 2 週間は温度 23±2  ℃及

び湿度(50±10)RH%,後半の 2 週間は温度 50±2  ℃及び湿度(85±5)RH%とする。貯蔵期間終了後,

接着剤約 100 g を 6.2 a)に規定する寸法約 100 mm×100 mm×5 mm のガラス板上に載せ,直ちに適切なへ

らを用いて約 1 mm 厚程度に伸ばし,接着剤が均質で硬化物などの異物が認められないことを調べる。

なお,この試験は,一液反応硬化形に適用する。

6.3.2

混練終結確認容易性試験方法  練り上がり質量が約 200∼300 g になるように,主剤及び硬化剤を

製造業者の定めた割合に計量し,6.2 a)に規定する寸法約 300 mm×300 mm×5 mm のガラス板上に載せ,

直ちに適切なへらを用いて均質になるように約 3 分間混練する。

混練後の接着剤の色と,混練前の主剤と硬化剤それぞれの色とを比較して,その区別が明りょうである

ことを確認する。

なお,この試験は,二液反応硬化形に適用する。

6.3.3

接着強さ試験方法  接着強さ試験方法は,次による。

a)

試験用材料  試験用材料は,次による。

1)

下地材  下地材は,6.2 a)に規定するモルタル板とし,寸法は,約 70 mm×70 mm×20 mm とする。

表面は,ごみその他の異物が付着しないよう清掃する。

2)

タイル  タイルは,6.2 a)に規定するもので,寸法約 45 mm×45 mm×7 mm を用いる。

b)

試験体の作製  試験体の作製は,次による。

1)

接着剤の塗布  下地材への接着剤の塗布は,図 の形状・寸法の鉄製塗布用補助枠に,平滑面を上

にして下地材 5 枚をすき間なく挿入固定し,供試接着剤の適量をとり,標準くし目ごてを用いて塗

布する。接着剤の塗布作業を行う時,

図 に示すように,下地材に JIS Z 1525 に規定するテープを

幅 7 mm 覆うように張り付け,接着剤の適切量を載せ,へらなどを用いて厚さ約 5 mm に塗布した

後,標準くし目ごてを角度約 60 度に立てて一気に手前に引いて,接着剤を 5 枚の下地材に均一に塗

布する。テープは,接着剤塗布後直ちに,静かにはがす。


5

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                              単位  mm

部位

寸法

部位

寸法

350

±1

110

±5

20

±1

10

±4

390

±1

20

±1

70

±0.5

30

±4

  3  鉄製塗布用補助枠

                                                                                      単位  mm

  4  接着剤の塗布

2)

タイルの張付け  接着剤塗布後,6.3.3 a) 2)に規定するタイルを接着剤が塗布してある下地材の中央

部に接着する。タイルの周囲にはみ出した接着剤は,タイルを張付け後,速やかに取り除く。

c)

試験体の養生

1)

標準養生  試験の標準状態で,672 時間試験体の養生を行う。

2)

低温硬化養生  低温 5±2  ℃雰囲気中で 672 時間養生を行う。

d)

試験体の処理  試験体の処理は,次による。

1)

アルカリ温水浸せき処理  6.3.3 c) 1)に規定する標準養生を行った後,表 に示す条件でアルカリ温

水浸せき処理を行う。処理終了後,試験体を流水で洗浄し,23  ℃の水の中に 24 時間浸せき後,試

験の標準状態の雰囲気に取り出し,

乾いた布などで軽く表面の水を取除いて,

直ちに試験に供する。

2)

凍結融解処理  6.3.3 c) 1)に規定する標準養生を行った後,JIS A 1435 の気中凍結水中融解法によっ

て凍結融解 200 サイクル行う。ただし,凍結融解の条件は,次による。


6

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試験片を 15∼25  ℃の清水中に約 24 時間浸せきした後,凍結融解試験装置の槽内に設置し,−20

±3  ℃の気中で約 2 時間の凍結,20±3  ℃の水中で約 1 時間の融解を 1 サイクルとする凍結融解処

理を 200 サイクル行う。処理終了後,試験体を試験の標準状態で 24 時間放置し試験に供する。

3)

熱劣化処理  6.3.3.c) 1)に規定する標準養生を行った後,表 に示す熱劣化処理を恒温槽(室)内で

行う。処理終了後,試験体を試験の標準状態で 24 時間放置し試験に供する。

  4  養生及び処理の条件

条件

項目

時間 h

温度  ℃

水分・その他

標準養生

672

  23

±2

(50±10)RH%

養生条件

低温硬化養生

672

   5

±2

低温雰囲気中

アルカリ温水浸せき

168

  60

±2

水酸化カルシウム飽和水溶液

2

−20±3

低温雰囲気中

1

  20

±3

水中

凍結融解

これを 1 サイクルとして 200 サイクル繰り返す

処理条件

熱劣化

336

  80

±2

高温乾燥雰囲気中

e)

接着強さ試験

1)

試験機  試験機は,破壊荷重が試験機の容量の 15∼85  %の範囲の引張試験機で,引張速度が 3

mm/min

に調節できるものとする。

2)

接着強さ鉄片の取付け  接着強さ試験を行う前までに,図 のように接着試験用鉄片をエポキシ樹

脂系など(

5

)

でタイルに接着して試験体に取り付けておく[このとき,あらかじめ,タイルの施ゆう

(釉)面を JIS R 6252 に規定する粒度 P150 の研磨紙などで,目荒らししておくとよい。

注(

5

)

この接着剤は

表 に規定する接着剤の接着強さより大きいものを用いる。

  5  試験ジグ(鉄片)の取付け

3)

接着強さ  接着強さは,b)によって作製した試験体に c)又は d)の養生又は処理を行った後,図 

示す接着強さ試験用ジグ及び

図 に示す鋼製当て板を用いて,試験機に図 の方法で取り付け,引

張速度 3 mm/min で引張試験を行い,破壊するまでの最大荷重を測定し,破壊の状況を記録する。

試験は,すべて標準状態で行う。


7

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単位  mm

寸法

部位

寸法

21

10

10

80

60

55

10

97

  6  接着強さ試験用ジグ

 
 
 
 
 
 

              図  7  鋼製当て板                                図  8  ジグの取付け

4)

接着強さの求め方  接着強さは,式 (1) によって求める。

S

P

F

=

 (1)

ここに,

F

:  接着強さ(N/ mm

2

P

:  最大荷重(N)

S

:  破壊面全体の面積[タイルの面積(45 mm×45 mm)

](mm

2

接着強さは,5 個の試験体の平均値で表す。

5)

破壊の状況の記録  破壊の状況は,次のように記録する。

破壊面を観察し,破壊の位置を

図 に従って区分する。測定方法は破壊面をまず白紙上に写し取

り,破壊面を目視で観察しながら,

図 における(A+G+B)の部分及び(GA+AB)の部分を色

分けする。凝集破壊率の判定は目視によるが,凝集破壊率が

表 に示す範囲に入る場合は,e) 5) 5.1)

の碁盤目測定法によってそれぞれの面積を算出し,

(A+G+B)の部分の凝集破壊率(材料破壊率

を含む。

)を式 (2) によって求める。

100

×

=

S

M

C

 (2)

単位  mm

部位

寸法

12.5

50

75

10


8

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ここに,

C

:  凝集破壊率(材料破壊率を含む。

(%)

M

:  (A+G+B)の面積(mm

2

S

:  破壊面全体の面積[タイルの面積(45 mm×45 mm)

(mm

2

  5  凝集破壊率

項目

凝集破壊率の範囲(%)

標準養生 65∼85

低温硬化養生 40∼60

アルカリ温水浸せき処理 40∼60

凍結融解処理 40∼60

熱劣化処理 40∼60

5.1

)

碁盤目測定法  白紙上に色分けされた破壊面をトレーシングペーパーの方眼紙に写し取り,次に

断面全体の面積を碁盤目を数えることによって S を求める。

さらに(A+G+B)の部分の面積を同様に求め,M とする。

  9  破壊位置

6.3.4

皮膜物性試験方法  皮膜物性試験方法は,次による。

a

)

試験片の作製方法  試験片の作製は,次による。

1

)

皮膜の作製  接着剤の成膜は,接着剤を図 10 に示す深さ 2 mm の型枠(

6

)

に,気泡が入らないように

均一に充てんし,23±2  ℃,

(50±10)RH%にて 4 週間養生し皮膜を作製する。各試験片の厚みは,

約 2 mm に仕上げるものとする。

注(

6

)

型枠は,反りがなく,かつ,平滑面で,成膜後の塗膜が容易に脱型できるように処理されたも

のとする。

記号

破壊の位置

B

タイル

AB

接着剤とタイル界面

A

接着剤

GA

下地材と接着剤界面

G

下地材


9

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                                                        単位  mm

 10  皮膜作製用型枠

2

)

試験片の採取  6.3.4 a) 1)で作製した厚さ約 2 mm の皮膜から,図 11 に示す JIS K 6251 に規定する

ダンベル状 5 号形試験片を,

表 に従って採取する。

  6

試験項目

個数

引張性能 6

温度依存性(−20  ℃,80  ℃)

各温度 6

アルカリ温水浸せき処理 6

劣化処理後の引
張性能

熱劣化処理 6

                                                              単位  mm

 11  皮膜物性試験片

3

)

試験片の厚さと標線間の測定  試験片の厚さの測定及び標線の表示は,それぞれの試験及び劣化処

理に先立って,JIS K 6251 の 6.(試験片)及び 7.(試験方法)によって行う。

b

)

引張性能試験方法

1

)

引張試験機  引張試験機は,試験時の最大荷重が試験機の容量の 15∼85  %の範囲とし,荷重及び

変位自動記録装置をもつものとし,試験片の標線間の距離の 8 倍以上加力できるものとする。

2

)

試験方法  試験方法は,試験片を試験の標準状態に 1 時間以上置いた後,採取した試験片のうち 5

個の試験片を,試験の標準状態で引張試験機に所定のつかみ間距離になるように取り付け,引張速

度 100±10 mm/min で試験片が破断するまで加力する。標線外で破断した試験片は破棄し,予備と

して採取した試験片で試験しなければならない。


10

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3

)

引張強さ  引張強さは,自動記録されたチャート紙から最大荷重を読み取り,式 (3) によって算出

し,計算によって得られたそれぞれの値の平均値を JIS Z 8401 によって丸め,有効数字 3 けたで表

す。

A

P

T

B

B

=

 (3)

ここに,  T

B

:  引張強さ(N/mm

2

P

B

:  最大荷重(N)

A

:  試験片の元の断面積(mm

2

4

)

破断時の伸び  破断時の伸びは破断時の標線間距離を測定し,式 (4) によって算出し,計算によっ

て得られたそれぞれの値の平均値を JIS Z 8401 によって丸め,有効数字 2 けたで表す。

100

0

0

1

B

×

=

L

L

L

E

 (4)

ここに,  E

B

:  破断時の伸び率(%)

L

1

:  破断時の標線間距離(mm)

L

0

:  標線間距離(mm)

c

)

温度依存性試験方法

1

)

引張試験機  引張試験機は,6.3.4 b) 1)による。

2

)

試験方法  温度依存性試験方法は,−20  ℃及び 80  ℃の試験時温度に,採取した試験片のうち 5 個

の試験片をそれぞれ 1 時間以上置いた後,恒温槽の温度をそれぞれの試験温度に調節した引張試験

機に,所定のつかみ間距離になるように取り付け,引張速度 100±10 mm/min で試験片が破断する

まで引っ張る。ただし,試験時温度の精度はそれぞれ±2  ℃とする。標線外で破断した試験片は破

棄し,予備として採取した試験片で試験しなければならない。

3

)

引張強さ  引張強さは,それぞれの温度における引張強さを 6.3.4 b) 3)によって算出し,計算によっ

て得られたそれぞれの値の平均値を JIS Z 8401 によって丸め,有効数字 3 けたで表す。

4

)

破断時の伸び  破断時の伸びは,それぞれの温度における伸びを 6.3.4 b) 4)によって算出し,計算に

よって得られたそれぞれの値の平均値を JIS Z 8401 によって丸め,有効数字 2 けたで表す。

d

)

アルカリ温水処理試験方法

1

)

引張試験機  引張試験機は,6.3.4 b) 1)による。

2

)

試験片のアルカリ温水浸せき処理及び試験方法  試験片のアルカリ温水浸せき処理は,温度 60±

2

℃の飽和水酸化カルシウム水溶液約 400 ml 中に試験片 5 個を 168 時間浸せきする。浸せき後の試

験片は,十分水洗いし,乾いた布でふ(拭)き,温度 50∼60  ℃で 6 時間以上乾燥した後,標準状

態に 4 時間以上静置する。処理した試験片のうち 5 個の試験片を,試験の標準状態で引張試験機に

所定のつかみ間距離になるように取り付け,引張速度 100±10 mm/min で試験片が破断するまで加

力する。

標線外で破断した試験片は破棄し,

予備として処理した試験片で試験しなければならない。

3

)

引張強さ  引張強さは,それぞれの処理後の引張強さを 6.3.4 b) 3)によって算出し,計算によって得

られたそれぞれの値の平均値を JIS Z 8401 によって丸め,有効数字 3 けたで表す。

4

)

破断時の伸び  破断時の伸びは,それぞれの処理後の伸びを 6.3.4 b) 4)によって算出し,計算によっ

て得られたそれぞれの値の平均値を JIS Z 8401 によって丸め,有効数字 2 けたで表す。

e

)

熱劣化処理試験方法

1

)

引張試験機  引張試験機は,6.3.4 b) 1)による。


11

A 5557

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2

)

加熱恒温器  加熱恒温器は,JIS K 6257 の 7.2(試験装置)に規定する強制循環形空気加熱老化試験

機(横風式)

(ギア老化試験機ともいう。

)又はこれと同等以上の性能をもつ装置とする。

3

)

試験片の加熱処理及び試験方法  試験片の加熱処理は,JIS K 6257 の 7.(促進老化試験 A-2 法)に

よる。ただし,試験片が変形するものについては,試験片を離型紙などの上に水平において加熱す

る。加熱温度は 80±2  ℃とし,加熱時間は 336 時間とする。加熱後の試験片は,標準状態に 4 時間

以上静置する。処理した試験片のうち 5 個の試験片を,試験の標準状態で引張試験機に所定のつか

み間距離になるように取り付け,引張速度 100±10 mm/min で試験片が破断するまで加力する。標

線外で破断した試験片は破棄し,予備として処理した試験片で試験しなければならない。

4

)

引張強さ  引張強さは,それぞれの処理後の引張強さを 6.3.4 b) 3)によって算出し,計算によって得

られたそれぞれの値の平均値を JIS Z 8401 によって丸め,有効数字 3 けたで表す。

5

)

破断時の伸び  破断時の伸びは,それぞれの処理後の伸びを 6.3.4 b)  4)によって算出し,試験片 5

個の値の平均値を JIS Z 8401 によって丸め,有効数字 2 けたで表す。

6.3.5

耐熱性試験方法  耐熱性試験は,次による。

a

)

試験用材料  試験用材料は,次による。

1

)

下地材  下地材は,6.2 a)に規定するモルタル板とし,大きさ約 70 mm×70 mm,厚さ 20 mm とする。

表面は,ごみその他の異物が付着しないよう清掃する。

2

)

タイル  タイルは,6.2 a)に規定するもので,寸法約 45 mm×45 mm×7 mm を用いる。接着層の厚

さを確保するために,タイル裏面四隅に,あらかじめ接着剤などを用いて 1 mm のスペーサー(鋼

球等)を取り付けておく。

b

)

試験体の作製  試験体の作製は,次による。

1

)

接着剤の塗布  下地材への接着剤の塗布は,図 の形状・寸法の鉄製塗布用補助枠に,平滑面を上

にして,下地材 3 枚を左側からすき間なく挿入固定し,供試接着剤の適量をとり,へらを用いて塗

布する。接着剤の塗布作業を行うとき,

図 に示すように,下地材に JIS Z 1525 に規定するテープ

を幅 7 mm 覆うように張り付け,接着剤の適当量を載せ,へらなどを用いて厚さ約 5 mm に塗布す

る。テープは,接着剤塗布後,直ちに静かにはがして取り去る。

2

)

タイルの張付け  接着剤塗布後,接着剤が塗布してある下地材の中央部に,6.3.5 a) 2)に規定するタ

イルを手で圧締し,スペーサーが下地材に触れるまで押しつける。試験体の周囲にはみ出した接着

剤は,ただちに取り除く。二液形接着剤は 2 週間,一液形接着剤は 4 週間,標準状態で養生する。

c

)

試験体の処理及び試験方法  標準養生を行った後,図 12 に示すように温度 80  ℃の恒温槽にほぼ垂直

に立てて,タイルに質量 1kg のおもりをかけ,4 週間そのままとする。タイルがはがれ落ちなければ

合格とする。

 12  耐熱性試験


12

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6.3.6

ずれ抵抗性試験方法  ずれ抵抗性試験は,次による。

a

)

試験用材料  試験用材料は,次のとおりとする。

1

)

下地材  下地材は,6.2 a)に規定する厚さ 8 mm のけい酸カルシウム板を,大きさ約 200 mm×500 mm

に切断したものとする。表面は,ごみその他異物が付着しないよう清掃する。

2

)

タイル  タイルは,6.2 a)に規定するもので,寸法約 45 mm×45 mm×7 mm を用いる。タイル裏面

の四隅にはあらかじめ接着剤などを用いて 1 mm のスペーサー(鋼球など)を取り付けておく。

b

)

試験体の作製及び試験方法

1

)

接着剤の塗布  下地材への接着剤の塗布は,供試接着剤の適当量をとり,へらなどを用いて,下地

材に厚さ約 3 mm 塗布する。次に,6.2 b)に規定する標準くし目ごて(

図 1)を角度 60 度に立てて一

気に引いて余分の接着剤を取り除く。くし目の方向は,下地材の長辺方向に平行,又は直角方向と

する。

2

)

試験方法  接着剤塗布後,5 分以内に 6.3.6 a)に規定するタイルを接着剤が塗布してある下地材に図

13

に示すとおり静かに載せ,下地材にスペーサーが触れるまで静かに押しつけた後,タイル周囲に

はみ出た余分の接着剤をへらなどによって取り除く。次に,下地材表面とタイル表面との高低さを

なくすため,スペーサーを下地に取り付け(

7

)

,試験体中央部に墨を打ち,基準線とする。直ちに,

試験体を垂直に立て,24 時間経過後に基準線からのずれの長さを,精度 0.50 mm 以上のスケールを

用いて判定する。

注(

7

)

基準線用スペーサーは,試験中に動くことがないよう下地材へ強固に固定する。

                                        単位  mm                                        単位  mm

          ①下地材                                        ①下地材      ③基準線用スペーサー 
          ②タイル                                        ②タイル      ④基準線

 13  ずれ抵抗性試験

6.3.7

可使時間試験  可使時間の試験は,二液反応硬化形に適用し,次による。

a

)

試験器具  針入度計,針及び試験容器は,JIS K 2207 の 6.3.2(針入度試験装置)に規定するものとす

る。ただし,落下針入する総質量は 12.5 g とする。

b

)

試験方法  主剤及び硬化剤を,製造業者の示す割合で合計 50∼100 g 程度になるように採取し,へら

で十分均一になるように約 3 分間混練し,ただちに試料を容器にほぼ一杯になるまで充てんする。充

てんは,へら又はナイフを用いて気泡の入らないように行う。

針入度測定用針を試料に 5 秒間針入させ,その針入量を 0.1 mm まで針入度計で測定し,針入量 0.1

mm

を針入度 1 として示す。練り混ぜ直後から 10 分間隔で試料の針入度が 180 になるまで継続し,そ

の間を可使時間(分)とする。ただし,針は,測定ごとに洗浄溶剤をしみこませた柔らかい布でふい


13

A 5557

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て使用する。

6.3.8

張付け可能時間試験  張付け可能時間の試験は,一液反応硬化形に適用し,次による。

a

)

試験用材料  試験用材料は,次のとおりとする。

1

)

下地材  下地材は,6.2 a)に規定するモルタル板とし,大きさ約 70 mm×70 mm,厚さ 20 mm とする。

表面は,ごみその他の異物が付着しないよう清掃する。

2

)

タイル  タイルは,6.2 a)に規定するもので,寸法約 45 mm×45 mm×7 mm を用いる。

b

)

試験体の作製及び試験方法  6.3.3 b)  1)に従って下地材に接着剤を塗布する。接着剤塗布終了から 10

分おきに, タイル 1 枚ずつ接着剤が塗布してある下地材の中央に静かに載せる。 次にその上に質量

1 kg

のおもりを約 30 秒間載せた後,おもりを取り去り,試験の標準状態で 672 時間養生する。養生後,

6.3.3 e

) 1)

2),3)及び 4)によって接着強さ試験を行う。

c

)

張付け可能時間の求めかた  10 分おきに測定した接着強さの値が,標準養生接着強さの 80  %,かつ,

0.6 N/mm

2

を下回ることがない最長の時間をもって,張付け可能時間とする。

6.3.9

密度  密度を測定する場合は,JIS K 6833 の 6.1.1(比重カップ法)による。

7.

検査  接着剤は,JIS Z 9015-0 によってロットの大きさを決定し,合理的な抜取検査方式によって試

料を抜き取り,5. a)∼d)の規定に適合しなければならない。

8.

製品の呼び方  接着剤の呼び方は,規格名称及び種類(主成分による区分)による。

例  変成シリコーン樹脂系一液反応硬化形・外装タイル張り用有機系接着剤

                                                    規格名称

                                                    種類(主成分及び反応硬化形による区分)

9.

表示  接着剤の容器には,次の項目を表示しなければならない。

a

)  JIS

番号

b

)

種類

c

)

適用タイル

d

)

可使時間(

3

)

e

)

張付け可能時間(

4

)

f

)

正味質量又は容量

g

)

密度

h

)

ロット番号

i

)

製造年月日又はその略号

j

)

有効期限又は有効期間

k

)

製造業者名又はその略号

l

)

連絡先

注(

3

)

二液反応硬化形に適用。

  (

4

)

一液反応硬化形に適用。


14

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参考  表示例

JIS

番号

JIS A 5557 

ロット番号 AA1111

種類

変成シリコーン樹脂系

一液反応硬化形

製造年月日 2004 年 1 月 10 日

適用タイル

外装壁タイル

製造業者又はその略号

A

株式会社

張付け可能時間 60 分間

有効期限又は有効期間

6

か月

正味質量又は容量 2 kg 連絡先 Tel.

03-123-4567

密度 1.40

g/cm

3

10.

取扱い上の注意事項  接着剤の容器は,次に示す事項を記載しなければならない。

a

)

保管には直射日光を避ける。

b

)

気温 5  ℃以上で使用する。

c

)

接着剤の安全な取扱いについては,製造業者の指定する注意事項を守る。