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A 5547:2003  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本接着剤工業会 

(JAIA) /財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS A 5547 : 2002は改正され,この規格に置き換えられる。 

この規格の一部が、技術的性質をもつ特許権、出願公開後の特許出願、実用新案権、又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は、このような技術的性質をもつ特許権、出願公開後の特許出願、実用新案権、又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について、責任はもたない。 

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A 5547:2003  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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目 次 

ページ 

1. 適用範囲 ································································································································· 1 

2. 引用規格 ································································································································· 1 

3. 種類 ······································································································································· 1 

3.1 用途による区分 ······················································································································ 1 

3.2 主成分による区分 ··················································································································· 1 

3.3 ホルムアルデヒド放散による区分 ···························································································· 2 

4. 品質 ······································································································································· 2 

5. 試験 ······································································································································· 4 

5.1 試験条件(ホルムアルデヒド放散試験の場合は除く) ······························································· 4 

5.2 引張接着強さ ························································································································· 4 

5.3 作業性 ··································································································································· 6 

5.4 垂れ ······································································································································ 7 

5.5 密度 ······································································································································ 8 

5.6 張合せ可能時間 ······················································································································ 8 

5.7 可使時間 ······························································································································· 8 

5.8 侵食性 ··································································································································· 8 

5.9 耐熱クリープ ························································································································· 9 

5.10 ホルムアルデヒド放散試験 ···································································································· 9 

6. 検査 ······································································································································ 10 

7. 製品の呼び方 ·························································································································· 10 

8. 表示 ······································································································································ 10 

9. 取扱い上の注意 ······················································································································ 11 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格       JIS 

A 5547:2003 

発泡プラスチック保温板用接着剤 

Adhesives for preformed cellular plastics thermal insulation board 

1.  適用範囲 この規格は,建築物の壁面,天井面などにポリスチレンフォーム保温板(1)又は硬質ウレタ

ンフォーム保温板(2)(以下,発泡プラスチック保温板という。)を張り付ける場合に使用する接着剤(以下,

接着剤という。)について規定する。 

注(1) JIS A 9511に規定する押出法ポリスチレンフォーム保温板をいう。 

(2) JIS A 9511に規定する硬質ウレタンフォーム保温板2種(面材としてポリエチレン加工紙,張

り合せアルミニウムはくなどを積層したもの。)をいう。 

2.  引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 1901 建築材料の揮発性有機化合物(VOC),ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散

測定方法−小形チャンバー法 

JIS A 5430 繊維強化セメント板 

J1S A 6901 せっこうボード製品 

JIS A 9511 発泡プラスチック保温材 

JIS K 2207 石油アスファルト 

JIS K 6833 接着剤の一般試験方法 

JIS K 7100 プラスチック−状態調節及び試験のための標準雰囲気 

JIS Z 1514 ポリエチレン加工紙 

JIS Z 1520 はり合せアルミニウムはく 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 9015-0 計数値検査に対する抜取検査手順−第0部:JIS Z 9015抜取検査システム序論 

3.  種類  

3.1 

用途による区分 接着剤は,その用途によって表1のとおり区分する。 

3.2 

主成分による区分 接着剤は,その主成分によって表2のとおり区分する。 

3.3 

ホルムアルデヒド放散による区分 接着剤は,そのホルムアルデヒド放散によって,表3のとおり

区分する。 

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A 5547:2003  

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表 1 用途による区分 

種類 

用途 

内部用 

壁 

内部の壁面にプラスチックフォーム保温板を張り付けるもの。 

天井 

内部の天井面又は壁面にプラスチックフォーム保温板を張り付け
るもの。 

外部用 

建築物の外部にプラスチックフォーム保温板を張り付けるもの。 

表2 主成分による区分 

種類 

主成分内容 

酢酸ビニル樹脂系溶剤形 

酢酸ビニル樹脂又はその共重合物を主成分とした溶剤形のもの。 

酢酸ビニル樹脂系エマルション形 

酢酸ビニル樹脂又はその共重合物を主成分としたエマルション形
のもの。 

ゴム系溶剤形 

天然又は合成ゴムを主成分とした溶剤形のもの。 

ゴム系ラテックス形 

天然又は合成ゴムを主成分としたラテックス形のもの。 

再生ゴム系溶剤形 

再生ゴムを主成分とした溶剤形のもの。 

エポキシ樹脂系 

エポキシ樹脂を主成分とした主剤と,ポリアミン類などを主成分
とした硬化剤との二液反応形のもの。 

ウレタン樹脂系 

ウレタン樹脂を主成分とした一液形のもの。 

変成シリコーン樹脂系 

変成シリコーン樹脂を主成分とした一液形のもの。 

表 3 ホルムアルデヒド放散による区分 

単位 μg/(m2・h) 

区分 

記号 

内容 

F☆☆☆☆等級 

F☆☆☆☆ 

ユリア樹脂,メラミン樹脂,フェノール樹脂,レゾルシノール樹
脂,ホルムアルデヒド系防腐剤,メチロール基含有モノマー及び
ロンガリット系触媒のいずれをも使用してはならない。 

F☆☆☆☆ 

放散速度が5以下のもの。 

F☆☆☆等級 

F☆☆☆ 

放散速度が20以下のもの。 

F☆☆等級 

F☆☆ 

放散速度が120以下のもの。 

4.  品質 接着剤の品質は,次による。 

a) 接着剤は,均質で接着に有害と認められる異物の混入があってはならない。 

b) 接着剤は,充てん剤として石綿を含有してはならない。 

c)  接着剤は,使用するプラスチックフォーム保温板や下地材を変形させたり,侵したりするものであっ

てはならない。 

d) 接着剤は,5.の試験を行い,表4に適合しなければならない。引張接着強さは,この数値以下でも,

その破断位置が下地試料又は仕上試料であれば合格とする。 

e)  接着剤は,温度20±15℃,湿度 (65±20) %において有効期間又は有効期限まで保存して,a)〜d)の品

質に適合しなければならない。 

f) 

接着剤のホルムアルデヒド放散は,表5の規定に適合しなければならない。 

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A 5547:2003  

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表 4 接着剤の品質 

試験項目 

品質 

適用試験箇条 

用途 

内部用(壁及び天井) 

外部用 




さ 

被着体 

下地試料 

木材, 

コンクリート, 

モルタル, 
コンクリート
ブロック,
ALCパネル 

せっこうボー
ド 

ポリスチレン
フォーム保温
板 

硬質ウレタン
フォーム保温
板 

コンクリート, 
モルタル, 

コンクリートブロック, 

ALCパネル 

5.2.5 

仕上試料 
(発泡プラスチック保温板) 

ポリスチレンフォーム保温板,
硬質ウレタンフォーム保温板 

ポリスチレン
フォーム保温
板 

硬質ウレタン
フォーム保温
板 

ポリスチレンフォーム
保温板, 
硬質ウレタンフォーム
保温板 

引張接着強さ(4) 
N/mm2 

標準条件 

0.2 

第一種特殊条件 

高温状態 

0.2 

水中浸せき 

0.1 

− 

0.1 

0.1 

0.2 

第二種特殊条件 

低温状態 

0.2 

作業性 

気泡を含まず,均一な塗膜で,表面に完全に密着している部分の長さが20cm以上あるも
のとする。 

5.3 

垂れ(3) 

標準状態 

1mm以下 

5.4 

低温状態 

1mm以下 

密度 g/cm3 

表示項目 

5.5 

張合せ可能時間(5) 分 

5.6 

可使時間(6) 分 

5.7 

侵食性 

溶解,膨潤,ひび割れなどの有害な異状が認められないものとする。 

5.8 

耐熱クリープ 

ずれ,はく離などの有害な異状が認められないものとする。 

5.9 

注(3) 仮止めをしない内部用(天井)接着剤だけに適用する。 

(4) 引張接着強さは,この数値未満でも,その破断位置が下地試料又は仕上試料である場合は合格とする。 
(5) エポキシ樹脂系以外の接着剤に適用する。 
(6) エポキシ樹脂系接着剤にだけ適用する。 

3

A

 5

5

4

7

2

0

0

3

 ¥

* M

E

R

G

E

F

O

R

M

A

T

 ¥

3

A

5

5

4

7

2

0

0

3

 A

5

5

4

7

2

0

0

3

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表 5 ホルムアルデヒド放散 

単位 μg/(m2・h) 

区分 

内容 

主成分 

適用試験箇条 

F☆☆☆☆等級 

ユリア樹脂,メラミン樹脂,フェノ
ール樹脂,レゾルシノール樹脂,ホ
ルムアルデヒド系防腐剤,メチロー
ル基含有モノマー及びロンガリッ
ト系触媒のいずれをも使用しては
ならない。 

酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形 
ゴム系ラテックス形 
エポキシ樹脂系 
ウレタン樹脂系 
変成シリコーン樹脂系 

− 

F☆☆☆☆等級 

放散速度が5以下 

酢酸ビニル樹脂系溶剤形,ゴム系溶剤
形,再生ゴム系溶剤形 

5.10 

F☆☆☆等級 

放散速度が20以下 

F☆☆等級 

放散速度が120以下 

5.  試験  

5.1 

試験条件(ホルムアルデヒド放散試験の場合は除く) 特に規定のない限り,試験室の温湿度は,

JIS K 7100の標準雰囲気2級[温度23±2℃,湿度 (50±10) %]とし,試験体は3個とする。ただし,接

着強さの試験体は5個とする。 

5.2 

引張接着強さ 引張接着強さ試験は,次による。 

5.2.1 

試験体材料  

a) 下地材料及び仕上材料 試験体作成のための下地試料及び仕上試料は,表6に示すものとする。厚さ

は製品厚さとし,被着材の周辺50mm以上内側から5.2.3に示す寸法の試料を採取する。下地試料及

び仕上試料が,被着材の周辺50mm以上内側から採取できない場合は,受渡当事者間の協議によって

試料を採取する。表4にない組合せは,受渡当事者間の協議によって追加することができる。 

b) 接着剤 接着剤は,試験に必要な十分な量を気密で蒸散しにくい容器にとり,使用に際しては,十分

にかき混ぜ均一にする。多成分系接着剤は,主剤と硬化剤とを製造業者が定めた割合に適切な大きさ

のガラス板上にとり,へらなどを用いて均質になるまで練り混ぜる。必要に応じて接着剤製造業者指

定のプライマーを使用する。 

表 6 下地試料及び仕上試料 

区分 

被着材の種類 

材質 

下地試料 

木材 

含水率20%以下のひのき又はべいひのきのまさ目材で,接着
面を機械かんなで2回仕上げたもの。 

せっこうボード 

JIS A 6901に規定する難燃2級品の厚さ9.5mmのせっこうボ
ード (GB-R)。 

コンクリート,モルタル,コンクリ
ートブロック及びALCパネル 

JIS A 5430に規定するスレートボード平板 (S) ,厚さ6mmの
もの。 

仕上試料 
(下地試料) 

ポリスチレンフォーム保温板 

JIS A 9511に規定する押出法ポリスチレンフォーム保温板2
種厚さ25mmのもの。 

硬質ウレタンフ
ォーム保温板 

ポリエチレン加
工紙付き 

JIS A 9511に規定する2種3号に準じた硬質ウレタンフォー
ム保温板にJIS Z 1514に規定するポリエチレン加工紙を積層
した厚さ25mmのもの。 

張合せアルミニ
ウム付き 

JIS A 9511に規定する2種3号に準じた硬質ウレタンフォー
ム保温板にJIS Z 1520に規定するはり合せアルミニウムはく
で,厚さ0.015mm以上のものを積層した厚さ25mmのもの。 

5.2.2 

試験の環境条件及び持続時間 試験の環境条件及び持続時間は,表7による。 

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表 7 試験の環境条件及び持続時間(7)  

試験の環境条件 

試験体の作製時 

試験体の養生時 

試験時 

接着作業前 

接着作業時 

接着後(8) 

試験前 

24時間 

10分以内 

72時間(168時間) 

24時間 

− 

標準条件 

23±2℃ 

(50±10) %RH 

23±2℃ 

(50±10) %RH 

23±2℃ 

(50±10) %RH 

第一種 
特殊条件 

高温
状態 

23±2℃ 

(50±10) %RH 

23±2℃ 

(50±10) %RH 

50±2℃ 

50±2℃ 

水中
浸せ

き 

23±2℃ 

(50±10) %RH 

23±2℃ 

(50±10) %RH 

23±2℃の清水
中に浸せき 

23±2℃ 

(50±10) %RH 

第二種 
特殊条件 

低温
状態 

5±1℃ 

23±2℃ 

(50±10) %RH 

5±1℃ 

5±1℃ 

注(7) 持続時間とは,その環境条件下に置く時間を示す。 

(8) ウレタン樹脂系及び変成シリコーン樹脂系接着剤については168時間養生し,その他の接着剤については72

時間養生する。 

参考1. 

第一種特殊条件とは,標準条件で硬化した接着剤が,施工後の温度上昇,温度低下又は結露に対して, 

    どのような影響を受けるかを調べようとするときの条件で,主として仮止めして使用する接着剤の試験 
    に適用する条件である。 

 2.   第二種特殊条件とは,暑中,寒中又は雨期の特殊条件下での施工でも安全であるかどうかを調べようと 

  するときの条件で,主として仮止めしないで使用する接着剤の試験に適用する条件である。 

5.2.3 

試験体の作製 試験体の作製は,次による。 

a) 下地試料,仕上試料及び接着剤は,試験体作製前に,表7の接着作業前の条件で処理し,試験体の作

製を行う。 

なお,接着剤の塗布方法,塗布量,接着面(表裏の区別)及びその処理方法,塗布後張り合わせる

までの時間は,実際の使用条件に従って定める。ただし,ゴム系溶剤形接着剤及び再生ゴム系溶剤形

接着剤は,仕上試料及び下地試料の両面塗布とする。 

b) あらかじめ仕上試料に質量160gの引張接着強さ試験用の鋼製アタッチメントを接着後[図1a)],仕

上試料に接着剤を塗布し,下地試料の上に静かに載せて,前後に動かしながら接着する[図1b)]。ア

ッタチメントの接着は,エポキシ樹脂系接着剤などの試験対象接着剤の引張接着強さより大きいもの

を用いて行う。 

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図 1 引張接着強さ試験 

5.2.4 

試験体の養生 張合せが完了した接着強さ試験体は,0.001N/mm2(ゴム系溶剤形及び再生ゴム系

接着剤は,0.1N/mm2)の圧着力を加えた状態で,表7の試験体の養生時の接着後の条件で養生する。 

5.2.5 

引張接着強さ試験 接着剤の引張接着強さは,次による。 

a) 試験機は,試験体が破断するまでの最大荷重が,その容量の15〜85%に当たるものを用いる。 

試験器具は,接着面にできるだけ均一な荷重がかかるような構造のものとする。 

b) 変位速度3mm/分で引張接着強さ試験を行い,試験体が破断するまでの最大荷重を測定する。 

引張接着強さは,次の式によって算出し,5個の平均値で表す。 

W

P

T=

ここに, 

T: 引張接着強さ (N/mm2)  

P: 最大荷重 (N)  

W: 試料面積 (mm2) =1 600 (mm2)  

c)  仕上試料及び下地試料の両方の破断面を観察し,5個を平均して最大面積を示す破断の位置(図2)を

目測で判定し,その破断の位置を記号で示す。 

図 2 破断の位置及びその記号 

5.3 

作業性 作業性の試験は,次による。 

a) 試験用下地試料 試験には,大きさ約300×300mmの清浄なせっこうボードを用いる。 

b) 塗布用具 接着剤の塗布用具は,図3による。 

単位 mm 

a) 見取り図        b) 正面図        c)  側面図 

図 3 接着剤の塗布用具 

c)  試験方法 試験用下地試料の表面を上にして水平に置き,その一端に約30mlの接着剤を置き,塗布

用具を接着面に約60°の角度になるようにして静かに引き,塗布したときの接着剤の状態を観察する。

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また,表面に完全に密着している部分の長さを測定する。 

5.4 

垂れ 内部用(天井)接着剤において,実際の施工が仮止めによらない場合は,次のとおり垂れ試

験を行う。 

a) 試験体の作製時及び養生の環境条件 試験体の作製時及び養生の環境条件を表8に示す。 

表 8 垂れ試験の試験体の作製時及び養生の環境条件 

環境条件 

接着作業前の養生時間 

接着作業時間 

接着後,養生時間 

標準条件:23±2℃ 
     (50±10) %RH 

24時間 

表示の張合せ可能時間のう
ちの最短時間 

72時間 
(168時間)注(4)参照 

低温条件:5±1℃ 

b) 試験体の作製 40×40mmの発泡プラスチック保温板に,あらかじめ,その質量の19倍の鋼製アタッ

チメントを接着する。その後,表8に示す試験体の作製時及び養生の環境条件で,[図4a)]に示すよ

うにスレートボード平板と発泡プラスチック保温板とを接着する。 

c)  試験方法 接着後5分以内に[図4b)]に示すとおり,発泡プラスチック保温板の20倍に相当する引

張力が接着層に加わる状態とし,表8に示す養生時間後,発泡プラスチック保温板の垂れ落ちた長さ

を精度0.5mm以上の測定器で,各コーナーについて測定し,その最大値 (mm) で示す。 

図 4 垂れ試験 

5.5 

密度 密度の試験は,次による。 

a) 試験器具 比重カップ,はかりはJIS K 6833の6.1.1(比重カップ法)に規定するものとする。 

b) 試験方法  

1) 表7の標準条件で比重カップに水を満たし,ふたをして,ふたの穴から吹き出した水をぬぐい取り,

質量をはかる。 

2) 比重カップに泡が入らないように接着剤を満たし,ふたをして,ふたの穴から吹き出した余分の接

着剤をぬぐい取る。この比重カップの質量をはかる。 

3) 密度は,次の式によって算出し,3回の平均値を求め,小数点以下2けたに丸める。 

1

2

1

3

W

W

W

W

d

D

×

=

ここに, 

D: 密度 (g/cm3)  

d: 測定温度における水の密度 (g/cm3) (23℃では,0.997 54) 

W1: 比重カップの質量 (g)  

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W2: 水を入れた比重カップの質量 (g)  

W3: 接着剤を入れた比重カップの質量 (g)  

5.6 

張合せ可能時間 5.2.3 a) に従って数個の試料に同時に接着剤を塗布し,5分おきに1個ずつ接着す

る。それぞれの試験片を表7に示す標準条件で養生した後,5.2.5の引張接着強さ試験を行い,表4の引張

接着強さを下回らない最短時間から最長時間をもって張合せ可能時間とする。ただし,発泡プラスチック

保温板又は下地材料が破断する試験体については,その破断面積が12cm2を下回らない最短時間から最長

時間をもって張合せ可能時間とする。 

5.7 

可使時間 可使時間の試験は,次による。 

a) 試験器具 針入度計,針及び試験容器は,JIS K 2207の6.3.2(針入度試験装置)に規定するものとす

る。ただし,落下針入する総質量は12.5gとする。 

b) 試験方法 試料を容器にほぼ一杯になるまで充てんする。充てんは,へら又はナイフを用いて気泡の

入らないように行う。針入度測定用針を試料に5秒間針入させ,その針入量を0.1mmまで針入度計で

測定し,針入量0.1mmを針入度1として示す。練り混ぜ直後から試料の針入度が180になるまで継続

し,その時間を可使時間(分)とする。ただし,針は,測定ごとに洗浄溶剤をしみこませた柔らかい

布でふいて使用する。 

5.8 

侵食性 侵食性の試験は,次による。 

a) 試験体の作製 表6に示す発泡プラスチック保温板 (200×100mm) を2枚用意し,その1枚を中央部

から半分 (100×100mm) に切断する残りの1枚の発泡プラスチック保温板 (200×100mm) の表面に,

20mlの接着剤を全面にむらなく塗布する。ただし,ゴム系溶剤形及び再生ゴム系接着剤については,

20mlの接着剤を等分し,両面に塗布する。次に,100×100mmの発泡プラスチック保温板を切断面が

中央部にくるようにして,張合せ可能時間の最短時間で1枚ずつ張り付け,試験体全体に10g/cm2相

当のおもりを載せ,温度23±2℃,湿度 (50±10) %の試験室で24時間養生する。 

b) 試験方法 養生後,直ちに図5に示すように,試験体の対角線上で切断し,その切断面の接着剤によ

る侵食の有無を観察する。 

図 5 侵食性試験体 

5.9 

耐熱クリープ 耐熱クリープの試験は,次による。 

a) 試験体の作製 表6に示す発泡プラスチック保温板 (40×40mm) に,あらかじめ質量160gの鋼製ア

タッチメントを接着し,その後,スレートボード平板 (70×70mm) と発泡プラスチック保温板とを[図

6 a)]に示すように5.2.3 a)に従って接着する。試験体作製時及び養生時の環境条件は,表7に示す標

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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準条件による。 

b) 試験方法 試験体を温度50±2℃の循環式空気乾燥機内に接着面を[図6b)]に示すように鉛直に立て

て,24時間放置後,ずれ,はく離などの異状の有無を観察する。 

5.10 ホルムアルデヒド放散試験 ホルムアルデヒド放散試験は,次による。 

a) 試験体の作成 試験体は,ステンレス板又はガラス板の表面に試料負荷率0.4 m2/m3になるよう塗布面

積を決定し,塗布量300±15g/m2を均一に速やかに塗布する。 

b) 試験体の養生 試験体は,a) によって接着剤を塗布した後,標準状態(23±2℃)で60±10分間放置

する。 

c)  試験方法 ホルムアルデヒド放散試験方法は,JIS A 1901に規定する試験方法による。ただし,換気

回数は0.5±0.05回/hとする。 

b) によって養生が終了した試験体を小形チャンバー内に静置し,試験を開始する。試験開始後3日

以内の近接する時間内にチャンバーからの排出空気を2回採取して放散速度を求める。 

ただし,チャンバー内のホルムアルデヒド濃度が0.1mg/m3を超える場合には,試料負荷率を小さく

することによって,チャンバー内のホルムアルデヒド濃度を0.1mg/m3以下となる条件で試験しなけれ

ばならない。 

なお,放散速度は,2回の平均値を求め,JIS Z 8401によって整数に丸め,μg/(m2・h)の単位で表す。 

  

図 6 耐熱クリープ試験 

6.  検査 接着剤は,JIS Z 9015-0によってロットの大きさを決定し,合理的な抜取検査方式によって試

料を抜き取り,4.a)〜4.d)の規定に適合しなければならない。 

なお,4.e)及び4.f)については,新しく設計したとき又は品質に影響を及ぼす技術的生産条件を変更した

ときに行う。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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7.  製品の呼び方 発泡プラスチック保温板用接着剤の呼び方は,ホルムアルデヒド放散による区分,発

泡プラスチック保温板の種類による区分,用途部位による区分及び接着剤の主成分による区分による。 

例 F☆☆☆☆・ポリスチレンフォーム保温板・内部用(天井)・酢酸ビニル樹脂系溶剤形接着剤 

                                                                   接着剤の主成分による区分 

                                                                   用途部位による区分 

                                                                   発泡プラスチック保温板の 

                                                                     種類による区分 

                                                                   ホルムアルデヒド放散によ 

                                                                     る区分の記号 

8.  表示 接着剤の容器には,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。 

a) 製品名称 

b) 接着剤の種類(ホルムアルデヒド放散による区分にあっては,その記号) 

c)  製造業者名又はその略号 

d) 連絡先 

e)  有効期間又は有効期限 

f) 

正味質量又は容量 

g) 密度 

h) 張合せ可能時間又は可使時間 

i) 

主剤と硬化剤との混合比(エポキシ樹脂系接着剤の場合) 

j) 

ロット番号又は製造年月日 

k) 塗布量 

l) 

適用(下地とボード類の種別及びくぎ止めの必要の有無) 

参考 表示例 

製品名称 

密度 

接着剤の種類 

張合せ可能時間又は可使時間 

製造業者名又はその略号 

主剤と硬化剤との混合比(エポキシ樹脂系接着剤の場合) 

連絡先 

ロット番号又は製造年月日 

有効期間又は有効期限 

塗布量 

正味質量又は容量 

適用(下地とボード類の種別及びくぎ止めの必要の有無) 

9.  取扱い上の注意 接着剤のカタログ,取扱説明書などに,少なくとも次の事項について,取扱い上の

注意事項を記載する。 

a) 選択上の注意 

b) 施工上の注意