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日本工業規格

JIS

 A

5208

-1996

粘土がわら

Clay rooftiles

1.

適用範囲  この規格は,粘土を主原料として混練,成形及び焼成した粘土がわらについて規定する。

備考  この規格の中で{  }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,参

考値である。

2.

種類  粘土がわらは,その製法,形状及び寸法によって,次のとおり区分する。

(1)

製法による区分

(a)

ゆう薬がわら(

1

(b)

いぶしがわら

(c)

無ゆうがわら

(

1

)

ゆう薬がわらには,塩焼がわらを含む。

(2)

形状による区分

(a)  J

形粘土がわら  J 形粘土がわらは,基本形となる桟がわらと,軒がわら,そでがわら,のしがわら,

かんむり(がんぶり)がわらなどの役物とする(

例図 1参照)。

例図 1  桟がわら 

例図 2  軒がわら 

例図 3  そでがわら

例図 4  のしがわら 

例図 5  かんむりがわら

(b)  S

形粘土がわら  S 形粘土がわらは,基本形となる桟がわらと,半がわら,そでがわら,かんむり

がわらなどの役物とする(

例図 6参照)。

例図 6  桟がわら 

例図 7  半がわら 

例図 8  そでがわら 

例図 9  かんむりがわら


2

A 5208-1996

(c)  F

形粘土がわら  F 形粘土がわらは,基本形となる桟がわらと半がわら,そでがわら,かんむりが

わらなどの役物とする(

例図 1013 参照)。

例図 10  桟がわら 

例図 11  半がわら 

例図 12  そでがわら 

例図 13  かんむりがわら

(3)

寸法による区分

(a)  J

49A

・49B・53A・53B・56・60

(b)  S

49A

・49B

(c)  F

40

備考  F 形についての 40 は一例であり,3.3m

2

当たりのふき枚数の概数値で区分する。

3.

品質

3.1

粘土がわらは,使用上有害な変形,きず及びき裂並びに焼成むら及び色調に著しい不ぞろいがあっ

てはならない。

3.2

粘土がわらは,5.3 及び 5.4 に規定する試験を行い、

表 の規定に適合しなければならない。

表 1  曲げ破壊荷重及び吸水率

曲げ破壊荷重

N {kgf}

吸水率

%

桟がわら

のしがわら

ゆう薬がわら

いぶしがわら

無ゆうがわら

1 500 {153.0}

以上 600

{61.2}

以上 12 以下 15 以下 12 以下

3.3

粘土がわらに耐凍害性の必要がある場合には,5.5 に規定する試験を行い,ひび割れ及びはく離があ

ってはならない。

3.4

粘土がわらの役物の品質は,桟がわらと同等以上とする。ただし,のしがわらを除く役物は,曲げ

破壊荷重を適用しない。

4.

形状及び寸法

4.1

桟がわらの形状は,

例図 1416 による。くぎあな又は針金あなの数は 1 個以上とし,引っ掛けをも

つものとする。

なお,引っ掛けは,桟木に十分に引っ掛かる形状及び寸法でなければならない。

4.2

桟がわらの寸法及び寸法許容差は,

表 に示すとおりとする。ただし,F 形桟がわらの寸法の表示は,

一例であり,長さ・幅・働き長さ・働き幅は,当事者間の協定による。

4.3

粘土がわらの役物の形状及び寸法は,桟がわらに組み合わせることができるものとし,その寸法許

容差は,桟がわらに準じる。


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A 5208-1996

備考  粘土がわらの表面及び裏面には,補強,水切りなどの目的で力骨,凸凹模様などを付けてもよ

い。くぎあな及び針金あなは,雨仕舞に支障を生じるものであってはならない。

例図 14  形桟がわら

例図 15  形桟がわら

例図 16  形桟がわら

表 2  桟がわらの寸法

寸法 mm

参考

働き寸法

形 状 に よ る

区分

寸 法 に よ る

区分

長さ

A

B

長さ

a

b

許容差

谷の深さ

(山の高さ)

C

3.3m

2

当たりの

ふき枚数

(概数)

49A 315 315 245 275

49B 325 315 250 265

49

53A 305 305 235 265

53B 295 315 225 275

35

以上

53

56  295 295 225 255

57

J

60  290 290 220 250

30

以上

60

49A 310 310 260 260

50

以上

S

49B 335 290 270 250

40

以上

49

F

形 40  350 345 280 305

±4

(35 以下) 40

備考1.  J 形桟がわらは,働き長さが表2の寸法より20mm 小さいもの(深切がわら)も認める。また,働き幅が表2

の寸法より30mm 小さいもの(調整がわら)も認める。

2.  S

形桟がわら 49A は,長さ 320mm も認める。

5.

試験

5.1

試験体  粘土がわらの試験体は,気乾状態(

2

)

の粘土がわら全形のままとする。ただし,曲げ試験に

用いるのしがわらの試験体は,割り線に沿って半裁したものを使用する。

(

2

)

気乾状態とは,粘土がわらを乾燥した室内に静置し,ほぼ室温に達した状態をいう。

参考  のしがわらは,半裁で使用することを容易にするため,例図 17 に示すように表又は裏に割り線

が入れてあるものが多い。


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A 5208-1996

例図 17  のしがわら 

5.2

寸法測定  寸法測定は,次による。

(1)  J

形桟がわら  J 形桟がわらの長さ  (A)  及び幅  (B)  は,中央部直交線上,働き長さ  (a)  は,切り込み

間とする。谷の深さ  (C)  は,幅  (B)  の測定線上で最深部とする。

(2)  S

形桟がわら  S 形桟がわらの長さ  (A),幅  (B),谷の深さ  (C)  は,(1)のとおりとする。働き幅  (b)  は,

49A

では幅  (B)  の測定値 (mm) から 50mm を差し引き,49B では 40mm を差し引く。

(3)  F

形桟がわら  F 形桟がわらの長さ  (A),幅  (B),働き長さ  (a),働き幅  (b)  は,中央部直交線上とす

る。山の高さ  (C)  は,平坦部から頂上部とする。

5.3

曲げ試験  曲げ試験は,次による。

(1)  J

形及び 形桟がわらの曲げ試験  試験体を図 に示すように直径約 30mm の鋼製丸棒で支持した後,

スパン中央に支持棒と平行させて直径約 30mm の鋼製丸棒を用いて(

3

)

荷重速度約 50N/s {5.1kgf/s} で

均一に載荷し,曲げ破壊荷重を測定する。

(2)

のしがわらの曲げ試験  試験体を図 に示すように直径約 30mm の鋼製丸棒で支持した後,スパン中

央に支持棒と平行させて直径約 30mm の鋼製丸棒を用いて(

3

)

荷重速度約 50N/s {5.1kgf/s} でかわら表

面から均一に載荷し,曲げ破壊荷重を測定する。

(3)  F

形桟がわらの曲げ試験  試験体を図 に示すように 9mm 以上の鋼製板上に約 15×24mm の桟木を試

験体の引っ掛け部がかかるように置き,試験体中央を直径約 65mm,厚さ約 12mm の鋼製円盤を用い

(

3

)

荷重速度約 50N/s {5.1kgf/s}  で均一に載荷し,曲げ破壊荷重を測定する。

(

3

)

試験体を支持する鋼製丸棒,鋼製板及び荷重をかける中央の鋼製丸棒,鋼製円盤が試験体に密

着し,かつ,試験体をほぼ水平に支持するために,適当なゴム板を鋼製丸棒,鋼製板及び鋼製

円盤と試験体との間に挿入する。


5

A 5208-1996

図 1  桟がわらの曲げ試験 

図 2  のしがわらの曲げ試験 

図 3  形桟がわらの曲げ試験

5.4

吸水試験  吸水試験は,次の方法によって質量を測定し,吸水率を算出する。

なお,質量は感度 5g 以上の精度で測定する。

(1)

乾燥時の質量の測定は,試験体を空気乾燥器に入れ,その温度を約 110℃に保ち,24 時間以上経過し

た後取り出して室内に静置し,室温に達したときの質量とする。

なお,窯出し直後の室温以上の粘土がわらを試験体として用いるときは,空気乾燥器による乾燥を

省略することができる。

(2)

吸水時の質量の測定は,次の(a)及び(b)のいずれの方法で測定してもよい。

(a)  (1)

の試験体を水温 15∼25℃の清水中にこば(木端)立てし,その上面が水面下約 10cm になるよう


6

A 5208-1996

に全形を浸し,24 時間以上経過した後取り出し,手早く湿布でふき,直ちに測定したときの質量と

する。

(b)  (1)

の試験体を 1 時間煮沸し,水温 15∼25℃の清水中にて清水の温度まで冷却した後取り出し,手早

く湿布でふき,直ちに測定したときの質量とする。

(3)

吸水率は,次の式によって算出する。

100

g

g

g

%

×

=

乾燥時の質量(

)−乾燥時の質量(

吸収時の質量(

吸水率(

5.5

凍害試験

  凍害試験は,次による。

(1)

試験体を水温 15∼25℃の清水中に 24 時間以上浸し,吸水させてから取り出し,手早く試験体を湿布

でふき,直ちに−20±3℃の冷気中に試験体同士が接触しないようにこば立てし,8 時間以上静置する。

(2)

次に,これを再び水温 15∼25℃の水中に 6 時間以上入れた後,取り出して湿布でふき,試験体のひび

割れ及びはく離の有無を観察する。

(3)

凍結融解及び観察の操作を 1 回とし,所定の回数繰り返し

(

4

)

凍結融解によるひび割れ及びはく離の有

無を調べる。

(

4

)

繰り返しの回数は,当事者間の協定による。

5.6

数値の換算

  従来単位の試験機又は計測器を用いて試験する場合の国際単位系 (SI) による数値の

換算は,次による。

1kgf

=9.80N

6.

検査

  検査は,品質及び寸法について,合理的な抜取検査方式によって行い,

3.

及び

4.

の規定に適合

しなければならない。

7.

製品の呼び方

  粘土がわらの呼び方は,次による。ただし,呼び方は,必要のない部分を除いてもよ

い。

1.

粘土がわら

いぶし

J

桟 53A

2.

粘土がわら

ゆう薬

黄金色

S

そで 49B

3.

粘土がわら

ゆう薬

黒色

F

桟 40

8.

表示

  粘土がわらには,1 枚ごとに次の事項を表示しなければならない。

(1)

製造業者名又はその略号

(2)

製造年月日又はその略号

9.

取扱い上の注意事項

  粘土がわらの取扱説明書,カタログなどには,標準屋根こう(勾)配及びその

流れ長さを明記しなければならない。


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A 5208-1996

JIS A 5208

(粘土がわら)規格原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

大津賀      望

西東京科学大学

(主査)

宮  野  秋  彦

名古屋工業大学

稗  田  祐  史

建設省住宅局

伊  藤      弘

建設省建築研究所

富  田  育  男

通商産業省生活産業局

天  野      徹

工業技術院標準部

森  川  泰  年

愛知県常滑窯業技術センター

岸      賢  蔵

財団法人建材試験センター

大  野  和  男

住宅金融公庫

河  岡  道  顕

社団法人日本建築士事務所協会連合会

吉  留  一  馬

社団法人プレハブ建築協会

日  野  寿  郎

社団法人日本木造住宅産業協会

佐  藤  雅  一

全国中小建築工事業団体連合会

川  村  忠  吉

社団法人全日本瓦工事業連盟

(幹事)

佐  藤  太  郎

全国陶器瓦工業組合連合会

神  谷      治

愛知県陶器瓦工業組合

今  崎  一  治

石州瓦工業組合

岡  田  貞  夫

兵庫県粘土瓦協同組合連合会

(協力委員)

伊  藤  征  幸

愛知県三河窯業試験場

(事務局)

白  石  眞  吾

社団法人日本建材産業協会