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日本工業規格

JIS

 A

5105

-1993

住宅用簡易水洗便器

Trapless water toilet bowls

1.

適用範囲  この規格は,主として住宅に使用する簡易水洗便器(

1

)

(以下,便器という。

)について規定

する。

(

1

)

ここでいう簡易水洗便器とは,くみ取り便槽に接続して使用する便器であって,1回の洗浄に必

要とする洗浄水又は洗浄液の量(以下,洗浄水量という。

)が500ml 以下のものをいう。

備考1.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS A 5207

  衛生陶器

JIS B 2061

  給水栓

JIS K 3370

  台所用合成洗剤

JIS K 6747

  ポリプロピレン成形材料

JIS K 6873

  ABS 樹脂板

JIS P 4501

  トイレットペーパー

JIS S 6026

  クレヨン及びパス

2.

この規格の中で  {  }  を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって参

考値である。

2.

各部の名称  便器の各部の名称は,図 及び図 による。


2

A 5105-1993

図 1  洋風便器(例図)

図 2  和風便器(例図)

3.

種類  便器の種類は,次による。

(1)

洋風便器

(a)

タンク密結形 1 種(

図 3.1 参照)

(b)

タンク密結形 2 種(

図 3.2 参照)

(c)

タンク密結形 3 種(

図 3.3 参照)

(d)

タンク分離形 1 種(

図 3.4 参照)

(e)

タンク分離形 2 種(

図 3.5 参照)

(2)

和風便器(

2

)

(a)

タンク密結形(

図 4.1 参照)

(b)

タンク分離形 1 種(

図 4.2 参照)

(c)

タンク分離形 2 種(

図 4.3 参照)

(d)

タンク分離形 3 種(

図 4.4 参照)

(

2

)

大便及び男子の小便時にも使用できるように,床に段差を付けて設置する和風両用便器を含む。

4.

性能  便器は,9.によって試験し,表 の規定に適合しなければならない。


表 1

項目

性能

試験箇条

洗浄性

トイレットペーパーが完全に便器外に排出され,また,洗浄面の赤

インキの跡が残らないこと。

9.1

止水性

漏水がないこと。

9.2

防臭性

漏れがないこと。

9.3

操作性

異状を生じないこと。

9.4

汚染性

クレヨンの跡が著しく目立たないこと。

9.5

便ぶた荷重強度

便ぶたに変形,ひび割れ,破損などの異状が生じないこと。

9.6

便座荷重強度

便座に変形,ひび割れ,破損などの異状が生じないこと。

9.7

便座衝撃強度

便座及び便座固定部分に変形,ひび割れ,破損などの異状が生じな

いこと。

9.8

5.

機能及び構造

5.1

機能  機能は,次による。

(1)

通常の使用状態及び良好な維持管理のもとで,十分な耐久性を有すること。

(2)

使用に当たっては操作が容易で,安全性が確保されていること。

(3)

保守点検及び修理の場合には,容易に取外し分解ができ,かつ,部品の交換が容易にできること。

5.2

構造  構造は,次による。

(1)

給水圧の変化,設置条件の違いなどの影響を受けない安定した洗浄水量が得られること。

(2)

便器本体は,衛生的で,排出口に開閉弁を用いるなど防臭構造を有すること。

(3)

便器本体は,床に固定できること。

(4)

便器本体と洗浄用タンクとの接続は,洗浄水が漏えいしない構造であること。

(5)

便器本体と便槽との接続は,洗浄水が漏えいしない構造であること。

(6)

洗浄用タンクにはオーバーフロー口を設け,容易に便槽外に洗浄水を排出できること。

(7)

洗浄用タンクの有効容量は,2.5以上であること。

(8)

便座及び便ぶたの開角は,90 度以上であること。

(9)

金属部分は,めっき,塗装などを施すか又は容易に腐食しない材料を用いること。

(10)

給水器具は,JIS B 2061 の規定に適合するか又はこれと同等以上のものとする。

参考  関係法令として,電気用品取締法の電気用品の技術上の基準を定める省令,建築基準法第 38

条などがある。

6.

形状及び寸法  便器本体の形状及び寸法は,次による。

(1)

便器本体の形状及び寸法は,

図 3,図 及び表 による。ただし,図の点線の部分及び寸法のない部

分の形状及び寸法は,製造業者の考案意匠による。


4

A 5105-1993

図 3  洋風便器 


図 4  和風便器


6

A 5105-1993

表 2  寸法

単位  m  m

記号

種類

A

B

C

D

E

F

1

種  650, (625), (675)

2

種 470,

500

タンク密結形

3

種 600

1

洋風

タンク分離形

2

470

355

(370)

350

370

440 140

(220)

φ

16

(

φ

13)

(M6 めねじ)

タンク密結形

− 750

1

2

和風

タンク分離形

3

610, (550), (580)

(660)

270

(290)

備考  (  )内の寸法は,当分の間認める。

(2)

便器本体の寸法の許容差は,

表 による。

表 3  寸法の許容差

40mm

以下

±2mm

41mm

以上

±5%(

3

)

(

3

) 1mm

未満の端数は切り上げるも

のとし,最大は±25mm とする。

7.

外観  外観は,次による。

(1)

便器から約 60cm 離れて目視したとき,著しい色むら,きず,き裂及び変形があってはならない。

(2)

表面は平滑で,異物の混入がなく,かつ,光沢が均一でなければならない。

(3)

人体に触れる部分には,危険な角部,突起,ばりなどがあってはならない。

8.

材料  便器本体,便座,便ぶた及び洗浄用タンクの材料は,表 又はこれと同等以上の品質をもち,

それぞれの機能を果たし得るものとする。


表 4

材料

規格

陶器

JIS A 5207

に規定する溶化素地質

合成樹脂

JIS K 6747

に規定する 1 種及び 3 種

JIS K 6873

に規定する A 種

備考  便器本体,便座,便ぶた及び洗浄用タンク

のそれぞれの附属部品の材料は除く。

9.

試験方法

9.1

洗浄試験  洗浄操作を数回繰り返した後,便器本体の排出口下端部から 50mm 上部の洗浄面周囲に

濃度 1%エオシン Y 水溶液(以下,赤インキという。

)で幅 50mm の線を帯状に描き,JIS P 4501 に規定す

るトイレットペーパーを約 760mm に切り,直径約 50∼75mm に球状に緩く丸めたものを 2 個排出口に置

き,直ちに表示された洗浄水量の洗浄水又は洗浄液を流し,トイレットペーパーが完全に排出されるかど

うか,また,洗浄面の赤インキの跡の有無を調べる。

備考  分離形の洗浄用タンク設置高さは,便器本体据付面から洗浄用タンク下部までの距離を約

600mm

とする。

9.2

漏水試験  表示された洗浄水量によって洗浄操作を 10 回繰り返した後,30 分間放置し,便器接続部

の漏水の有無を調べる。

9.3

防臭試験

9.3.1

滞水試験  表示された洗浄水量によって洗浄操作を 3 回繰り返した後,30 分間放置し,便器本体

の排出口からの漏水の有無を調べる。ただし,滞水構造以外の便器については適用しない。

9.3.2

煙試験  便器を煙試験装置(

4

)

(以下,装置という。

)に装着し,装置内に刺激性の濃煙を送入する。

便器本体の排出機構部から煙が装置内に充満したことを確認後,便器本体の排出機構部を密閉又は脱臭機

構を作動し,30 分間保持して煙の漏れの有無を調べる。ただし,滞水構造の便器については適用しない。

(

4

)

煙試験装置とは,便器に装着できる気密性の箱をいう。

9.4

洗浄操作試験  表示された洗浄水量によって洗浄操作を 1 分間に 1 回以上の割合で 50 000 回繰り返

し,洗浄装置各部の異状の有無を調べる。

9.5

汚染試験  便器本体の洗浄面を JIS S 6026 に規定する赤色クレヨンを用いて塗りつぶし(

5

)

,2 時間放

置後 JIS K 3370 に規定する台所用合成洗剤を布又はナイロンブラシに含ませてふき取り,汚れの程度を調

べる。

(

5

)

試験箇所に2×4cm の内抜き開孔部をもつ板を当て,その開孔部分を均等に塗り付ける。

9.6

便ぶた荷重強度試験  図 に示すように,便ぶたのほぼ中央部に直径 280mm,厚さ約 6mm のゴム

板及び厚さ 12mm の合板の当て板を置き,785N {80kgf} の荷重を 10 分間かけ,荷重,当て板及びゴム板

を除去後,便ぶたの変形,ひび割れ及び破損の有無を調べる。


8

A 5105-1993

図 5

9.7

便座荷重強度試験  図 に示すように,便座の両そでの便座脚のほぼ中央に 200×150mm,厚さ約

6mm

のゴム板を載せ,その上に 500×200×12mm の合板の当て板を置いて,785N {80kgf}  の荷重を 10 分

間かけ,荷重,当て板及びゴム板を除去後,便座の変形,ひび割れ及び破損の有無を調べる。

図 6

9.8

便座衝撃強度試験  図 に示すように,便座を水平面から約 60 度の角度まで持ち上げ,自然落下さ

せる。この操作を 1 分間に約 10 回の割合で 20 000 回繰り返した後,便座及び便座固定部分の変形,ひび

割れ及び破損の有無を調べる。


図 7

>

10.

検査  便器は,寸法,外観及び性能を検査して合否を決定する。

11.

表示  便器には,容易に消えない方法で,取付け後も認められる箇所に次の事項を表示する。

(1)

種類

(2)

洗浄水量

(3)

製造業者名又はその略号

(4)

製造年月又はその略号

12.

使用説明書  便器には使用説明書を添付し,少なくとも次の事項を記載する。

(1)

各部の名称

(2)

附属品の名称

(3)

使用方法,使用上の注意事項及び洗浄水量

(4)

手入れ,掃除の方法

(5)

簡単な故障,異状の見分け方及び処理方法

(6)

アフターサービスに関する事項(保証期間,サービス連絡場所など)

13.

施工説明書  便器には施工説明書を添付し,少なくとも次の事項を記載する。

(1)

製造業者名及び住所

(2)

種類

(3)

施工上必要な各部の寸法,接続管の種類及び管径

(4)

施工手順及び注意事項

(5)

部品一覧(部品名,数量など)

(6)

施工後の点検項目

14.

カタログ表示  便器のカタログには少なくとも次の事項を記載する。

(1)

製造業者名及び住所

(2)

種類


10

A 5105-1993

(3)

仕様(寸法,材料など)

(4)

取付最大寸法

(5)

機構説明

(6)

洗浄水量及び使用便槽の容量

(7)

電気部品使用の場合の部品名及び定格消費電力

(8)

使用及び施工上の主な注意事項

(9)

その他選択及び購入上参考となる事項

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

栗  山      寛

東北大学名誉教授

佐  藤  鉄  夫

芝浦工業大学建築工学科

角  田  頴  保

角田技術士事務所

越  智  福  夫

建設省住宅局住宅生産課

西  川  禎  一

通商産業省生活産業局日用品課

卯  木      稔

工業技術院標準部材料規格課

山  川  清  栄

財団法人建材試験センター公示検査課

佐  藤  輝  夫

建設省大臣官房官庁営繕部建築課

佐  川  英  明

株式会社ミサワホーム総合研究所

永  井  善次郎

社団法人日本建築士事務所協会連合会

深  井  政  信

社団法人日本建築大工技能士会

畠      テル子

主婦連合会

水  谷  千加古

株式会社 INAX 住設事業本部商品計画設計部

村  上  忠  夫

積水化学工業株式会社住宅資材事業本部設備器材企画室

五  辻      源

ネポン株式会社技術本部

乾      幹  治

松下電工株式会社住設事業部

中  台  光  雄

ロンシール工業株式会社第四営業部

北  原  一  昭

財団法人建材試験センター公示検査課