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日本工業規格

JIS

 A

3304

-1994

組立仮設建築物の構造設計標準

Standard of structural design systems on the prefabricated

temporary houses

1.

適用範囲  この規格は,事務所,宿舎,学校,応急住宅などの用途に供する鉄骨軸組構造の組立仮設

建築物(

1

)

の構造設計標準について規定する。

(

1

)

この規格でいう組立仮設構築物とは,建築基準法第85条でいう仮設建築物以外の用途に使用さ

れる建築物も含めるものとし,下屋その他の附属建築物は含まないものとする。

備考1.  この規格の引用規格は,付表1に示す。

2.

この規格の中で  {  }  を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

参考値である。

2.

種類  組立仮設建築物を表 のとおり区分する。

表 1

種類

記号

平家建

I

2

階建 II 型

3.

寸法

3.1

はり間寸法  はり間寸法は,表 のとおりとする。1.8∼1.88m を K で表す。

表 2

はり間寸法

1.5K 2K 2.5K

2.75K

3K 3.25K

3.5K 4K 4.5K 5K

3.2

けた行寸法  けた行寸法は,1K の整数倍を標準とする。ただし,はり間方向筋かい構面で区画され

る場合の最大寸法は,はり間寸法の 4 倍,かつ,10K 以下とする。

3.3

居室の天井高・軒の出・屋根のこう配  建築物の各部の寸法は,表 のとおりとする。

表 3

各部の名称

居室の天井高  cm

軒の出  cm

屋根のこう配

寸法 210 以上 45 以下 1/10∼4.5/10

4.

構造計画

4.1

部材配置  柱及びはりを用いた軸組構造とし,柱及びはりのほか,床,壁などを有効に配置して,

建築物全体が,荷重に対して一様に安全であるようにすること。

4.2

壁面筋かいの配置  壁面筋かいはつり合いよく配置し,各方向とも全水平力を負担し得る数以上と

する。


2

A 3304-1994

4.3

水平筋かい  建物各部に加わる水平力を安全に壁面筋かいに伝達できるよう 2 階床,屋根面に筋か

いを配置する。

4.4

主要構造部材の最小板厚  主要構造部材に使用する鋼材の板厚は,1.6mm 以上とする。

4.5

接合部  接合部は,構造耐力上十分な強度をもち,かつ,有害な局部変形が生じないものとする。

5.

構成部品

5.1

名称及び記号  構成部品の名称及び記号は,表 のとおりとする。

表 4

名称

記号

名称

記号

屋根ばり RG

外壁パネル WP

2

階床ばり G

屋根パネル RP

柱 C

土台 D

つなぎ材(

2

) V

大引き O

筋かい B

床パネル FP

屋外階段 S

(

2

)

胴差しを含む。

5.2

材料  表 に規定する部品を構成する材料の材質及び形状・寸法は,表 の材料の欄に定めたもの

は材質及び形状・寸法の欄に定めたもの及びこれと同等以上のものとする。

表 5

材料

材質及び形状・寸法

鋼材

JIS G 3101

JIS G 3444

JIS G 3466

JIS G 3350

JIS G 3112

JIS G 3117

溶接棒

JIS Z 3211

ボルト・ナット

JIS B 1180

JIS B 1181

リベット

JIS B 1213

JIS B 1214

ターンバックル

JIS A 5540

筋かい

JIS A 5541

JIS A 5542

鉄板

JIS G 3302

JIS G 3312

JIS G 3131

JIS G 3141

JIS G 3313

合板

普通合板の日本農林規格・特殊合板の日本農

林規格・難燃合板の日本農林規格

くぎ類

JIS A 5508

5.3

木製部品

5.3.1

枠組  枠組台上で,所定寸法のさん木をくぎ打ちその他の方法で枠組みする。


3

A 3304-1994

5.3.2

表面材のはり付け  くぎ打ち又は接着剤を用いてはり付ける。くぎの長さは,はり付け板厚さの

2.5

倍以上とする。

接着剤は,JIS K 6801JIS K 6802 に規定するもの,又は品質がこれと同等以上のものを用いなければ

ならない。

5.4

鉄骨部品

5.4.1

切断  切断は,機械切断を原則とする。

5.4.2

曲げ加工  曲げ加工を要する部材は,常温又は熱間加工とし,その発生する有害なひずみは,矯正

する。

5.4.3

穴あけ  穴あけは,ポンチ穴あけ又はドリル穴あけとし,穴あけによるまくれ,有害なひずみは取

り除くものとする。

5.4.4

組立  組立てに先立ちあらかじめ素材を修正し,アーク溶接又はスポット溶接,ボルト接合で所定

の寸法に組み立て,有害なそり,ねじれのないようにする。

5.4.5

溶接  溶接の際は,JIS Z 3801 による資格を保有する溶接工をもつこと。溶接は,主としてアーク

溶接とし,母材の溶接面は溶接に先立ち水分,さび,油,その他の不純物を清掃する。溶接は,溶接棒の

種類,太さ及び作業姿勢に応じて適当な電流と電圧で実施する。

5.4.6

さび止め塗装  塗装に先立って,鋼材全面を十分に清掃し,さび止め塗装 1 回塗りを施す。

5.5

形状・寸法及びその許容差  構成部品の形状・寸法は,特に定めないが,その寸法許容差は表 

とおりとする。

表 6

単位 mm

構成部品

寸法許容差

2K

以下

± 5

屋根ばり

長さ

2K

を超える場合

±10

2

階床ばり

長さ

± 3

長さ

± 3

つなぎ材・大引き

長さ

± 3

長さ

± 4

外側パネル・床パネル

± 3

長さ

± 8

屋根パネル

± 3

土台

柱取付け孔間隔

± 3

備考1.  屋根ばり,2階床ばり,柱,つなぎ材及び大引きの長さとは,

取り付けリベット又はボルトの孔中心間隔とする。

2.

パネルの長さ,幅の寸法は,パネルを構成する下地で測定し,

両端及び中央,3 か所の平均をとる。

5.6

性能

5.6.1

構造計算  構成部品の構造強度は,建築基準法施行令第 3 章第 8 節の規定に基づいて設計する。

5.6.2

たわみの限度  構成部品の変形は,5.6.1 で規定する荷重に応じて表 の限度を超えてはならない。

表 7

構成部品

たわみの限度

2

階床ばり

はり間方向の長さの

300

1

外壁パネル

長さの

200

1

床パネル

長さの

300

1


4

A 3304-1994

5.6.3

実大試験  構成部品は,(2)に規定する試験を行い,(3)に規定する判定基準に適合するものとする。

(1)

数値の換算  従来単位の試験機又は計測器を用いて試験する場合の国際単位系 (SI) による数値への

換算は,次による。

1kgf

=9.80N

(2)

実際に近い,支持条件,荷重状態で荷重を加えること。ただし,次の(4)(5)(6)に規定する試験方法

によってよい。この場合,はり及びパネルの予想破壊荷重は,

表 中欄の荷重状態で生じる最大モー

メントと等価の荷重とする。

(3)

表 の規定に合格すること。

表 8

構成部品

荷重状態

判定基準

G

又は GSW

使用上有害な変形を生じない。

屋根ばり・屋根パネル

1.2G

+2.1 (SW)  又は 1.4 (GSW)

破壊しない。

G

P

表 のたわみの限度以下。

2

階床ばり・床パネル

1.2G

+2.1又は 1.4 (GP)

破壊しない。

(G

PS)

使用上有害な曲がり,ねじれが生じない。

2 (G

PS)

破壊しない。

W

表 のたわみの限度以下。

外壁パネル

2.1W

破壊しない。

ここで,  G:建築基準法施行令に規定する固定荷重

P

:建築基準法施行令に規定する積載荷重

S

:建築基準法施行令に規定する積雪荷重

W

:建築基準法施行令に規定する風圧力

破壊に関する実験で加える と の荷重は,建築基準法施行令に規定する軽減は行わない。

(4)  2

階床ばり・屋根ばり試験方法  図 のように試験機の上に試験体を水平に置き,支点間距離の約 3

等分点に 2 点荷重を加える。

荷重は,予想破壊荷重を 5 等分した 5 段階荷重とし,各段階ごとに荷重をゼロに戻す。各段階ごと

に試験体中央のたわみ及び荷重をゼロに戻したときの残留たわみを,0.01mm 目盛ダイヤルゲージで

測定する。

試験機は,予想破壊荷重の 1.5 倍以上の能力をもつ油圧式又はてこ式のものを用いる。

試験体は,適当な方法で横倒れ防止をすること。

合掌形屋根トラスも,これに準じた方法で行う。

試験の結果は,

図 のように荷重と中央たわみで表し,P

a

(変形が著しく増大する直前の荷重)

P

u

(最大荷重)を求める。


5

A 3304-1994

図 1

図 2

(5)

屋根パネル・床パネル・外壁パネル試験方法  図 のように試験体を水平に置き,支点間距離の 3 等

分点に 2 点荷重を加える。荷重装置は,予想破壊荷重の 1.5 倍以上の荷重を加えられるものとし,油

圧式,てこ式,重錘式いずれでもよい。

荷重は,予想破壊荷重を 5 等分した 5 段階荷重とし,各段階ごとに荷重をゼロに戻す。

各荷重段階ごとの試験体中央のたわみ及び荷重をゼロに戻したときの残留たわみを 0.01mm 目盛ダ

イヤルゲージ 2 個で測定する。

試験の結果は,

図 のように荷重と中央たわみ(2 個の平均値)で表し,P

a

(変形が著しく増大す

る直前の荷重)

P

u

(最大荷重)を求める。


6

A 3304-1994

図 3

図 4

(6)

柱試験方法  図 のように試験体の上下に補強板を取り付け,油圧式試験機の間に垂直に立て圧縮力

を加える。試験機は,予想最大荷重の 1.5 倍以上の荷重を加えられるものとする。

荷重は,予想最大荷重を 5 等分した 5 段階荷重とする。

各段階ごとに 0.01mm 目盛ダイヤルゲージを用いて柱の縮み量(2 個で測定する)と横方向のたわ

み量を測定する。

試験の結果は,

図 及び図 のように荷重と変形量で表し,P

a

(変形が著しく大きくなる直前の荷

重)

P

u

(最大荷重)を求める。


7

A 3304-1994

図 5

図 6  荷重−縮み量

図 7  荷重−横方向変形

5.6.4

性能の確認  性能は,5.6.15.6.2 に規定する構造計算に基づいて判定するか,5.6.3 に規定する実

大試験によって確認してよい。

6.

構成の基準

6.1

基礎  鉄筋コンクリート造,補強コンクリートブロック造又は木杭で,十分な耐力があるように基

礎を作り,上面を水平にする。鉄筋コンクリート造,補強コンクリートブロック造では,所定の位置に正

しくアンカーボルトを埋め込む。

6.2

土台,大引き  基礎と土台をアンカーボルト又は羽子板ボルトなどで緊結する。

6.3

1

階床  土台,大引きの上に床パネルを正しく敷き並べ,必要なときは,緊結金具で,床パネルと土

台又は大引き及び床パネル相互を緊結する。

6.4

柱  土台にボルトなどで緊結する。

6.5

外壁パネル  柱にパネルをはめ込むか,ボルトなどで緊結する。

6.6

2

階ばり  柱などにボルトなどで緊結する。

6.7

2

階床  6.3 に準じる。


8

A 3304-1994

6.8

屋根ばり  柱に屋根ばり,けたつなぎ材をボルトで緊結し,必要なときはつなぎ材で屋根ばり相互

をつなぐ。

6.9

筋かい  壁面筋かい,水平筋かいは,所定の位置に取り付けた後,一様に初張力が導入されるよう

ターンバックルなどで締め付ける。

6.10

仮支柱,控え綱  台風時,積雪時に備え,仮支柱,控え綱を設置するときは,それらが有効に働く

ように基礎,接合部に注意し,必要なときは偏心,局部座屈を防止するように柱,はりを補強する。この

場合,仮支柱,控え綱を用意し,必要なときに使用できるように整備しておかなければならない。

6.11

再使用  構成部品はよく点検し,補修,取替えが必要な部品には適当な処置を施し,また,鉄鋼部

品の防せい塗料及びさびの状態を確かめ,必要なときはさびを落とし,防せい再塗装を行う。

付表 1  引用規格

JIS A 5508

  くぎ

JIS A 5540

  建築用ターンバックル

JIS A 5541

  建築用ターンバックル胴

JIS A 5542

  建築用ターンバックルボルト

JIS B 1180

  六角ボルト

JIS B 1181

  六角ナット

JIS B 1213

  冷間成形リベット

JIS B 1214

  熱間成形リベット

JIS G 3101

  一般構造用圧延鋼材

JIS G 3112

  鉄筋コンクリート用棒鋼

JIS G 3117

  鉄筋コンクリート用再生棒鋼

JIS G 3131

  熱間圧延軟鋼板及び鋼帯

JIS G 3141

  冷間圧延鋼板及び鋼帯

JIS G 3302

  溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯

JIS G 3312

  塗装溶融亜鉛めっき鋼板及び鋼帯

JIS G 3313

  電気亜鉛めっき鋼板及び鋼帯

JIS G 3350

  一般構造用軽量形鋼

JIS G 3444

  一般構造用炭素鋼管

JIS G 3466

  一般構造用角形鋼管

JIS K 6801

  ユリア樹脂木材接着剤

JIS K 6802

  フェノール樹脂木材接着剤

JIS Z 3211

  軟鋼用被覆アーク溶接棒

JIS Z 3801

  溶接技術検定における試験方法及び判定基準


9

A 3304-1994

建築部会  組立仮設建築物専門委員会  構成表(昭和 48 年 2 月 1 日制定のとき)

氏名

所属

(委員会長)

藤  本  盛  久

東京工業大学

羽  倉  弘  人

千葉工業大学

救仁郷      斎

建設省住宅局

金  子  勇次郎

建設省住宅局

片  山  光  生

建設省大臣官房官庁営繕部

原  野  律  郎

通商産業省化学工業局

西  村      一

工業技術院標準部

青  木  敬二郎

大和ハウス工業株式会社

南  林  繁次郎

日成ビルド工業株式会社

広  田  正  則

株式会社ヤシマ工業

辻  村  高  志

小松ハウス株式会社

相  川  新  一

鹿島建設株式会社

並  木  秀  男

大成建設株式会社

福  井  嘉  明

三井建設株式会社

北  川  吉  夫

清水建設株式会社

吉  田  圭  三

不動建設株式会社

(事務局)

田  村  尹  行

工業技術院標準部材料規格課

松  本  大  治

工業技術院標準部材料規格課

(事務局)

牛  島  宏  育

工業技術院標準部材料規格課(平成 6 年 2 月 15 日改正のとき)

荒  井      淳

工業技術院標準部材料規格課(平成 6 年 2 月 15 日改正のとき)