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A 2102-2

:2011

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1  適用範囲 

1

2  引用規格 

1

3  用語,定義,記号及び単位 

2

4  計算方法 

3

4.1  一般原理 

3

4.2  計算プログラムの検証 

3

4.3  熱貫流率の決定

3

5  材料及び境界の扱い

3

5.1  材料

3

5.2  表面の放射率

4

5.3  境界

4

6  キャビティの扱い

4

6.1  概要

4

6.2  グレージング内の中空層 

4

6.3  フレーム内部の密閉キャビティ 

5

6.4  換気のあるキャビティ 

9

7  報告書

10

7.1  概要

10

7.2  形状寸法データ

10

7.3  熱物性値 

10

7.4  結果

11

附属書 A(参考)各種材料の熱伝導率 

12

附属書 B(規定)表面熱伝達抵抗 

14

附属書 C(規定)熱貫流率の算定

15

附属書 D(規定)計算プログラムの検証例題

22

附属書 E(参考)参考文献

33

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表

34


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(2)

まえがき

この規格は,

工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,

社団法人日本建材・住宅設備産業協会

(J-CHIF)

及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS A 2102 の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

A

2102-1  第 1 部:一般

JIS

A

2102-2  第 2 部:フレームの数値計算方法


日本工業規格

JIS

 A

2102-2

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窓及びドアの熱性能−熱貫流率の計算−

第 2 部:フレームの数値計算方法

Thermal performance of windows and doors-Calculation of thermal

transmittance-Part 2: Numerical method for frames

序文 

この規格は,ISO 10077-2:2003 の改訂版として 2010 年に発行された ISO/FDIS 10077-2 を基とし,国内

の実情を反映させるため技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,フレーム形材の熱貫流率,グレージング又は不透明パネルとフレーム形材との結合部の線

熱貫流率及び錠又はポスト口の点熱貫流率に関する計算方法並びに計算の入力データについて規定する。

また,この規格は計算に用いる数値計算方法の検証の基準を与える。

この規格は,日射及び漏気による熱移動並びに断面のごく小さい金属結合部における 3 次元熱伝導の影

響は含まない。フレームと建築構造との間の熱橋の影響は含まない。

この規格における計算方法は,基本的に垂直のフレーム形材に適用するが水平のフレーム形材(例:窓

の下枠及び上枠断面)及び傾斜して使用される製品(例えば,天窓)のフレーム形材へも近似的に適用可

能である。グレージングが取り付けられている場合,フレーム内部の熱流パターン及び温度分布を副次的

に得ることができる。

この規格は,建物ファサード及びカーテンウォールには適用しない。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO/FDIS 10077-2:2010,Thermal performance of windows, doors and shutters−Calculation of

thermal transmittance−Part 2: Numerical method for frames(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS A 0202  断熱用語

注記  対応国際規格:ISO 7345,Thermal insulation−Physical quantities and definitions,ISO 9229


2

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Thermal insulation−Materials, products and systems−Vocabulary,ISO 9251,Thermal insulation

−Heat transfer conditions and properties of materials−Vocabulary,ISO 9288,Thermal insulation

−Heat transfer by radiation−Physical quantities and definition 及び ISO 9346,Thermal insulation

−Mass transfer−Physical quantities and definitions(全体評価:MOD)

JIS Q 17025  試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項

注記  対応国際規格:ISO/IEC 17025,General requirements for the competence of testing and calibration

laboratories(IDT)

JIS R 3107  板ガラス類の熱抵抗及び建築における熱貫流率の算定方法 
ISO 10211,Thermal bridges in building construction−Heat flows and surface temperatures−Detailed

calculations

ISO 10456 , Building materials and products− Hygrothermal properties− Tabulated design values and

procedures for determining declared and design thermal values

ISO 12567-2:2005,Thermal performance of windows and doors−Determination of thermal transmittance by

hot box method−Part 2: Roof windows and other projecting windows

用語,定義,記号及び単位 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 0202 による。記号及び単位を

表 に,また,添え字を表

に示す。

表 1−記号及び単位 

記号

記号の意味

単位

面積

m

2

幅:熱流方向に垂直 m

距離,厚さ:熱流方向に平行 m

表面間の放射係数

形態係数

熱伝達係数又は熱コンダクタンス W/(m

2

・K)

L

2D

 

2 次元熱コンダクタンス W/(m・K)

L

3D

 

3 次元熱コンダクタンス W/K

長さ m

熱流密度 W/m

2

熱抵抗

m

2

・K/W

絶対温度 K

熱貫流率 W/(m

2

・K)

σ 

ステファン−ボルツマン定数 W/(m

2

・K

4

)

ε 

放射率

λ 

熱伝導率 W/(m・K)

Ψ 

線熱貫流率 W/(m・K)

  χ   

点熱貫流率 W/K


3

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表 2−添え字 

a

対流(面から面へ)

e

屋外側

g

グレージング

eq

等価

f

フレーム

i

室内側

p

パネル(不透明)

r

放射

s

空間(空気又はガスの)

se

屋外側表面

si

室内側表面

edge

屋根部又は底部

計算方法 

4.1 

一般原理 

この計算は,ISO 10211 に適合する 2 次元数値計算方法を用いる。要素は,更なる分割が計算結果を大

きく変化させないように細分割しなければならない。ISO 10211 には,十分な分割が行われたかどうかを

判断する基準が与えられている。

この規格による計算では,フレーム部材及びキャビティは垂直方向にあると見なして等価熱伝導率を定

めることとする(6.3 参照)

。これは,天窓を含め実際の窓の設置角度とは無関係に適用する。

4.2 

計算プログラムの検証 

使用する計算プログラムの適合性を保証するため,

附属書 の例題を計算しなければならない。計算で

得られた 2 次元熱コンダクタンス(L

2D

)は,

表 D.3 に与えられる各例題の値より±3 %を超えてはならな

い。これによって,熱貫流率(U)及び線熱貫流率(Ψ)の精度は約 5 %となる。

注記  表 D.3 及び表 D.4 における±の偏差は,ラウンドロビンからの標準偏差であり,上記に規定し

た±3 %と混同してはならない。

4.3 

熱貫流率の決定 

フレームの熱貫流率は,

附属書 における屋外側表面熱伝達抵抗及び室内側表面熱伝達抵抗を用いて,

附属書 に従ってグレージングを断熱パネルで置き換えて決定しなければならない。線熱貫流率に関する

フレームとグレージングとの間の相互の影響は,グレージングを配置した場合の計算及びグレージングを

断熱パネルで置き換えた場合の計算の両方を用いて決定しなければならない。

材料(例えば,断熱材)がフレーム又は窓と恒久的に固定されない場合,これらの材料はフレームの一

部とはしない。

注記 1  フレームと建築構造との相互の影響は,個別に建築全体として考慮するのがよい。

これはフレームの熱貫流率の一部ではない。

注記 2  フレームと壁の一部とが重なる場合,線熱貫流率は負となる可能性がある。

材料及び境界の扱い 

5.1 

材料 

この規格において材料に用いる熱伝導率は,次のいずれかの値を用いなければならない。

−  この規格の

表 A.1


4

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−  ISO 10456 に与えられる表の値

−  製品規格値

−  認定実施機関による技術承認値

−  適切な国際規格に従った測定値

測定値は,上記規格内に作表されたデータがなく,かつ,関連製品規格又は技術承認に従うデータがな

い場合に限り使用するものとする。測定に際しては 23  ℃,相対湿度 50 %で,恒量(24 時間以上の 0.1 %

以下の質量の変化)のサンプルで,熱伝導率測定の認定実施機関(JIS Q 17025 に規定)によって,適切な

方法を用いて平均温度 10  ℃において実施されなければならない。熱伝導率の値が当該材料の代表値であ

ること(すなわち,材料の変わりやすさ及び測定の不確かさを反映した値であること)を保証するため,

計算に用いる熱伝導率を測定データによって得るためには,

次のいずれかの方法を用いなければならない。

−  熱伝導率は ISO 10456 

附属書 C(90 %のフラクタイル値)に従う統計評価された測定データ[普通

の製品変化を代表するロット違いからの少なくとも三つの異なる試料(経年変化を考慮に入れた)

]か

ら得られる宣言値である。

−  試料数が 3 以下の場合は,熱伝導率は 1.25 を乗じた平均値を使用する。

5.2 

表面の放射率 

通常,空気のある空間と境を接する表面の放射率は,0.9 としなければならない。アルミニウム合金製フ

レーム,スチール補強材及びその他の金属又は合金のような金属表面は,より低い放射率をもつ。金属表

面の典型的な放射率の値を

表 A.3 に示す。表 A.3 から引用する場合又は放射率測定の認定実施機関(JIS Q 

17025 に規定)で適切な規格を用いて測定する場合に限り,0.9 より小さい値を使用できる。

測定値による場合,少なくとも三つの試料を ISO 10456 に規定する統計処置によって評価しなければな

らない。

5.3 

境界 

屋外側表面及び室内側表面熱伝達抵抗は,屋外側及び室内側環境への対流及び放射による伝熱に依存す

る。屋外側表面が通常の風状態にさらされなければ,端部又は 2 平面のつくる隅角部で,対流成分は減少

するであろう。水平の熱流に関する表面熱伝達抵抗は

附属書 に与えられる。この規格の計算では,天窓

も含め実際の窓の設置角度とは無関係にこの値を使用しなければならない。表面結露は,

附属書 の表面

抵抗を使用して計算する最も低い室内側表面温度に基づいて評価する。

充塡材の切断面及び周囲の材料との切断面は断熱条件(境界)としなければならない(

図 及び附属書

参照)。

基準温度条件は,室内側は 20  ℃,屋外側は 0  ℃としなければならない。

キャビティの扱い 

6.1 

概要 

キャビティにおける熱流は,等価熱伝導率(λ

eq

)を用いて表さなければならない。この等価熱伝導率は,

伝導,対流及び放射による熱流を含み,キャビティの幾何学的形状及び隣接する材料に依存する。

6.2 

グレージング内の中空層 

グレージングの板ガラス間にある換気のない中空層(複層ガラスの密閉中空層)の等価熱伝導率は,JIS 

R 3107 に従って決定しなければならない。結果として得られる等価熱伝導率は,端部を含む中空層全体で

使用するものとする。

注記  アスペクト比の大きいキャビティに対して,JIS R 3107 で使用された相関関係では,等価熱伝


5

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導率に対して低い値を与える傾向がある。より正確な相関関係は ISO 15099 を参照。

6.3 

フレーム内部の密閉キャビティ 

6.3.1 

定義 

空間が完全に密閉されているか又は幅 2 mm 以下のスリットによって外部又は内部に接続している場合,

その空間は換気がないもの(密閉キャビティ)とする(

図 参照)。これは,熱流の方向に対する空間の

方向とは無関係に適用される。密閉キャビティと見なせない場合,その空間は換気のあるキャビティ又は

僅かに換気のあるキャビティ(半密閉キャビティ)として処理しなければならない(6.4 参照)

単位  mm

記号

境界(

附属書 参照)

A  断熱境界 
B  屋外側表面熱伝達抵抗 
C  室内側表面熱伝達抵抗 
D  表面抵抗の増加部分 

キャビティ 
E  グレージング(6.2 参照) 
F  密閉キャビティ(6.3 参照) 
G  半密閉キャビティ(6.4.1 参照) 
H  換気のよいキャビティ(6.4.2 参照)

注記  図 に窓を示す。同じ原理が天窓に適用可能であるが,境界の断熱部分は異なる。天窓の例を図 D.5 

示す。

図 1−フレーム断面のキャビティ及び境界の扱い 


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6.3.2 

換気のない長方形のキャビティ 

6.3.2.1 

等価熱伝導率 

キャビティの等価熱伝導率は,異方性をもつものである。

図 に放射率 ε

1

ε

2

ε

3

及び ε

4

の四つのキャ

ビティ内表面をもつ寸法 b×の長方形キャビティを例示する。一般に等価熱伝導率は,

図 で示される

方向 1 と方向 2 とで異なる。

キャビティの等価熱伝導率として使用する値は,方向 1 及び方向 2 の等価熱伝導率の大きい方とする。

この細分箇条では,6.3.2.2 及び 6.3.2.3 とともに,方向 1 に対する等価熱伝導率の計算法を定める。

方向 2 に対する等価熱伝導率を計算するには,次の同じステップに従う。

・  を に置き換え,を に置き換える;

・  ε

1

及び ε

2

の代わりに ε

3

及び ε

4

このキャビティ(密閉空気層)の方向 1 の等価熱伝導率(λ

eq

)は式(1)によって算出する。

s

eq

R

d

=

λ

 (1)

ここに,

d: 方向 1 のキャビティの寸法,図 参照(m)

R

s

式(2)によって与えられるキャビティの熱抵抗(m

2

・K/W)

r

a

s

1

h

h

R

+

=

 (2)

ここに,

h

a

対流熱コンダクタンス[W/(m

2

・K)]

h

r

放射熱コンダクタンス[W/(m

2

・K)]

1  熱流方向 1 
2  熱流方向 2

図 2−長方形のキャビティ 

6.3.2.2 

対流熱コンダクタンス 

対流熱コンダクタンス(h

a

)は次によって算出する。


7

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b

5 mm の場合,

d

C

h

1

a

=

 (3)

ここに,

C

1

0.025 W/(m・K)

b

5 mm の場合,

Δ

=

3

/

1

2

1

a

;

max

T

C

d

C

h

 (4)

ここに,

C

1

0.025 W/(m・K)

C

2

0.73 W/(m

2

・K

4/3

)

ΔT: キャビティの最大表面温度差(K)

この規格に従った計算に対して

ΔT=10 K を用い,次によって算出する。

=

3

1

a

;

max

C

d

C

h

 (5)

ここに,

C

1

0.025 W/(m

K)

C

3

1.57 W/(m

2

K)

注記

より正確な対流熱コンダクタンスは ISO 15099 を参照。

6.3.2.3 

放射熱コンダクタンス 

放射熱コンダクタンス(

h

r

)は次によって算出する。

1

3

m

r

1

1

1

4

+

=

F

E

T

h

σ

 (6)

ここに,

h

r

放射熱コンダクタンス[

W/(m

2

K)

σ

ステファンボルツマン定数

5.67

×

10

8

W/(m

2

K

4

)

E

表面間の放射係数(−)

F

長方形断面の形態係数(−)

1

2

1

1

1

1

⎟⎟

⎜⎜

+

=

ε

ε

E

(6')

ここに,

ε

1

図 に示す表面の放射率(−)

ε

2

同上

⎟⎟

⎜⎜

+

+

=

b

d

b

d

F

2

1

1

2

1

(6")

ここに,

b

熱流に垂直な幅(

m

d

熱流に平行な厚さ(

m

放射率の値は小数点以下

2

桁まで与えなければならない。その他の情報が入手できない場合は,

ε

1

ε

2

0.9

を使用する。

注記 1

金属表面に対する放射率データは,

表 A.3 で与えられる。

この規格に従った計算に対して

T

m

283 K

を用い,次によって算出する。

⎟⎟

⎜⎜

+

+

+

=

b

d

b

d

h

2

r

1

1

2

222

.

0

14

.

5

 (7)

注記 2

より正確な放射熱コンダクタンスは,

附属書 の文献

[7]

を参照。


8

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6.3.3 

換気のない長方形以外のキャビティ 

長方形以外のキャビティ(

T

形,

L

形など)は,同一の面積(

A

A'

)と同一のアスペクト比(

d/b

d'/b'

をもつ長方形のキャビティに変換し,6.3.2 を適用する(

図 参照)。

記号 
A

  等価な長方形のキャビティの面積(m

2

db    等価なキャビティの厚さと幅(m) 
A'

  実際のキャビティの面積(m

2

d'b'    この空間を取り囲む最小の長方形の厚さと幅(m) 
ε

i

  実際のキャビティの外周面 i の放射率(−)

d'

i

  実際のキャビティの外周面 i の長さ(m)

ε

  等価な放射率(−)

図 3−長方形以外のキャビティの変換 

変換は,次の式で算出する。

d

b

A

b

⋅′

=

 (8)

b

d

A

d

⋅′

=

 (9)

等価な長方形の四つの面の各放射率は,対応する方向をもつ周囲部の放射率の面積加重平均によって決

定しなければならない(

図 参照)。

2

1

2

2

1

1

d

d

d

d

+

+

=

ε

ε

ε

 (10)

一方の寸法が

2 mm

以下のキャビティ又は

2 mm

以下の断面を連結部としてもつキャビティは,分離し

ていると見なさなければならない(

図 参照)。


9

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1  2 mm 以下の断面によってつながっているキャビティ 
2  別々のキャビティとして処理する上記 1 のキャビティ 
3  2 mm 以下の幅の小さなキャビティ 
4  別々のキャビティとして処理する上記 3 のキャビティ 
5  固体材料

図 4−キャビティの分割 

6.4 

換気のあるキャビティ 

6.4.1 

小断面の溝又はキャビティ(半密閉キャビティ) 

形材の屋外側又は室内側の表面の,

2 mm

より大きく

10 mm

以下のスリットで屋外又は室内の空気につ

ながっている小断面の溝又はキャビティは,僅かに換気される空気キャビティと見なさなければならない

図 参照)。等価熱伝導率は,6.3 に従い同一面積の換気のないキャビティの値の

2

倍である。

単位  mm

図 5−小断面の溝又はキャビティ(半密閉キャビティ)の例 


10

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6.4.2 

大断面の溝又はキャビティ(換気のよいキャビティ) 

6.3 及び 6.4.1 に包含されていないケース,特に溝の幅(b)又はキャビティの周囲に接続するスリット幅

b)が

10 mm

より大きい場合,全ての面が周囲にさらされていると見なす。したがって,5.3 で示した表

面熱伝達抵抗(R

si

又は R

se

)を,展開した表面で使用しなければならない(

図 参照)。

大きなキャビティが一つのスリットにつながっていて,展開した表面の長さがスリット幅の

10

倍を超え

る場合,放射が低減した表面熱伝達抵抗を使用しなければならない(

附属書 参照)。

単位  mm

図 6−大断面の溝又はキャビティ(換気のよいキャビティ)の例 

報告書 

7.1 

概要 

報告書には,再計算が可能なように必要な全ての情報を含まなければならない。この規格で採用してい

ない全てのデータについて,その情報源をこの報告書に記載する。また,計算に使用したソフトウェアツ

ール名を記述しなければならない。

7.2 

形状寸法データ 

断面の縮尺図(望ましくは,

1

1

の原寸大)を報告書に添付しなければならない。この図面には,寸

法及び使用した材料の仕様を記入しなければならない。最小限の記載項目は次のとおりとする。

金属製フレームの場合:熱遮断の厚さ,位置,種類,数量

プラスチック製フレームの場合:金属製補強材の存在及びその位置

木材又はプラスチック製フレームの厚みは縮尺図に記入するのが望ましい。

室内側及び屋外側投影フレーム面積は縮尺図に記入するのが望ましい。

フレーム部におけるグレージング又はパネルの深さ及び厚さ

7.3 

熱物性値 

7.3.1 

熱伝導率 

フレーム断面を構成する全ての材料は,計算に用いた熱伝導率の値と共に列挙しなければならない。

属書 に与えられるデータを使用することが望ましい。その他のデータを用いる場合には,このことを明

確に述べてその情報源に言及しなければならない。

7.3.2 

放射率 

キャビティに対して,周囲の表面の放射率を,

表 A.3 の適切な参照とともに記載しなければならない。


11

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0.9

未満の値を使用する場合は,参考文献を含む根拠を提示しなければならない。

7.3.3 

境界条件 

室内側及び屋外側の表面熱伝達抵抗及び断熱境界は,室内及び屋外の空気温度とともに,図面に示さな

ければならない。

7.4 

結果 

全熱流又は熱流密度及び

附属書 に従って求めたフレーム断面の熱貫流率,線熱貫流率,点熱貫流率は,

有効数字

2

桁まで記載しなければならない(すなわち,

1.0

以上の場合は小数点

1

桁まで,

1.0

より小さい

場合は小数点

2

桁まで,ただし,

0.1

未満の場合は小数点

3

桁まで)


12

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附属書 A

(参考)

各種材料の熱伝導率

各用途に使用される材料の熱伝導率を

表 A.1 に示す。

表 A.1−各種材料の熱伝導率 

適用先

材料名

a)

密度

ρ 

kg/m

3

熱伝導率

λ

W/(m・K)

銅 8

9

380

アルミニウム(Si 合金) 2

800

160

黄銅 8

4

120

鋼材 7

8

50

ステンレススチール

b)

(オーステナイト系又はオーステナイト−フェライト系)

7 900

17

ステンレススチール

b)

(フェライト系又はマルテンサイト系)

7 900

30

塩化ビニル(PVC)

,硬質 1

390

0.17

堅材

c)

 700

0.18

軟材

d)

 500

0.13

軟材

d)

 450

0.12

フレーム

ガラス繊維(UP レジン)

*

 1

900

0.40

ソーダ石灰ガラス 2

500

1.00

ポリメチルメタアクリレート(PMMA) 1

180

0.18

ガラス

ポリカーボネート 1

200

0.20

アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS) 1

050

0.20

ポリアミド(ナイロン) 1

150

0.25

25 %のガラス繊維入り 6.6 ポリアミド 1

450

0.30

HD ポリエチレン,高密度 980

0.50

LD ポリエチレン,低密度 920

0.33

ポリプロピレン,固体 910

0.22

25 %のガラス繊維入りポリプロピレン 1

200

0.25

ポリウレタン(PU)

,硬質 1

200

0.25

熱絶縁材

塩化ビニル(PVC-U)

,硬質 1

390

0.17

ポリクロロプレン(PCP)

,例:ネオプレン 1

240

0.23

エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM) 1

150

0.25

シリコーン,純粋 1

200

0.35

シリコーン,混合物 1

450

0.50

PVC,40 %軟化剤入りの軟質(PVC-P) 1

200

0.14

パイル雨よけ材(ポリエステル・モヘア)

− 0.14

雨よけ材

エラストマーフォーム,軟質 60∼80 0.05

ポリウレタン(PU) 1

500

0.40

ブチルゴム,固体/ホットメルト 1

200

0.24

ポリサルファイド 1

700

0.40

シリコーン,純粋 1

200

0.35

シーラント及びガ
ラスエッジ材料

シリコーン,充塡 1

450

0.40


13

A 2102-2

:2011

表 A.1−各種材料の熱伝導率(続き) 

適用先

材料名

a)

密度

ρ 

kg/m

3

熱伝導率

λ

W/(m・K)

ポリイソブチレン 930

0.20

ポリエステル樹脂 1

400

0.19

シリカゲル(乾燥剤) 720

0.13

モレキュラーシーブ(乾燥剤)

*

 650∼750 0.10

シリコーンフォーム,低密度 750

0.12

シーラント及びガ
ラスエッジ材料

シリコーンフォーム,中密度

*

 820

0.17

注記  このグループに属する商業用木材は,実用上は針葉樹の種類に限定される。 

a)

*

を付した材料を除き,大半の材料は ISO 10456 からの引用である。

b)

  EN 10088-1 には,具体的なステンレススチールの成分が知られている場合に使用できるステンレススチール

の性質に関する詳細な表が記載されている。

c)

  堅材及び植物分類の双子葉植物の木材(表 A.2 も参照)

d)

  軟材及び植物分類の裸子葉植物の木材(表 A.2 も参照)

この規格の適用に当たっては,木材の熱伝導率は,木材種によって

表 A.2 の値を使用できる。

表 A.2−各種木材の熱伝導率 

単位  W/(m・K)

木材種

熱伝導率

λ

ベイマツ,ベイヒバ,オウシュウマツ,スギ,ヒノキ,ヒバ,エゾマツ,カラマツ 0.11

ホクオウパイン,マホガニー,ヘムロック 0.13

サペリ,レッドオーク,アフロモシア,ナラ,タモ 0.16

リプタス,メルバウ,ホワイトオーク,ニヤトー 0.18

表 A.3−金属表面の代表的な放射率 

金属材料の状況

垂直放射率

無処理のアルミニウム表面

0.1

やや酸化したアルミニウム表面(5 μm まで) 0.3

金属表面(一般,亜鉛めっきを含む) 0.3

陽極酸化,塗装又は粉体塗装表面 0.9

注記  無処置の表面とは,人工処置をしていないもの。例えば,陽極酸化処理,亜鉛めっき,塗装をいう。


14

A 2102-2

:2011

附属書 B

(規定)

表面熱伝達抵抗

表 B.1−形材の表面熱伝達抵抗(水平熱流) 

単位  m

2

・K/W

位置

屋外側

R

se

室内側

R

si

標準(平面) 0.04

0.13

低下した放射/対流

(端部又は 2 平面のつくる隅角部,

図 B.1 参照)

0.04 0.20

注記  これらの値は,ISO 6946 に与えられる表面熱伝達抵抗に対応しており,これは,更に表面熱伝達抵

抗に対する対流及び放射の影響に関する情報も与える。

シミュレーション用ソフトウェアにおいて傾斜平面を直角のメッシュで分割する場合(例:差分法)

,実

際の長さのシミュレーションモデルで使用する長さに対する比を表面抵抗に乗じることによって,表面抵

抗を修正することができる。

単位  mm

記号 
1  熱流の方向 
2  室内側表面

図 B.1−放射/対流伝熱の低下によって表面抵抗が増加する面の概要 

図 B.1 において影を付けた部分は,表面熱伝達抵抗を割り増しして使用できる距離を示す。これは,寸

法 と であり,は深さ(d)と等しいが

30 mm

未満である。

A

d

30 mm

の場合,bd

B

d

30 mm

の場合,b

30 mm

C

:傾斜面で d

30 mm

の場合,b

30 mm


15

A 2102-2

:2011

附属書 C 
(規定)

熱貫流率の算定

C.1  フレームの熱貫流率 

フレームの熱貫流率(U

f

)を次のように定義する。

計算モデルでは,

5

mm

以上のエッジクリアランス(b

1

)をもちフレームにはめ込まれたグレージング

又は不透明パネルを,熱伝導率

λ

0.035 W/(m

K)

の断熱パネルで置き換える。重なり部分(b

2

)は,断熱

パネルで置き換えられたグレージング又は不透明パネルの重なり部分に等しい。

断熱パネルの見付け幅は,

突き出しているガスケットを無視し,フレームから少なくとも

190 mm

なければならない。突き出してい

るガスケットによってパネルの目視長さは

190 mm

より短い可能性がある。断熱パネルの厚さ(d)は,置

き換えられたグレージング又は不透明パネルの厚さと等しくなければならない(

図 C.1 参照)。外壁とフ

レームとの境界及びフレームと反対側の断熱パネルの端部は断熱境界と考える。フレームモデルには,断

熱パネルに置き換えられたグレージング又は不透明パネルを除き,窓の製造に用いられた全ての材料を含

まなければならない。

フレームに対して様々な厚さのグレージングが用いられる場合,断熱パネルの厚さは通常グレージング

の最大厚とする。

注記 1

図 D.1∼図 D.7 に,数値計算用の境界条件を含む代表的な窓のフレーム断面を示す。

単位  mm

図 C.1−断熱パネルを取り付けたフレーム断面の概念図 

天窓に対しては,製造業者の指示に従って施工される場合,屋根と天窓のフレームの境界を断熱境界と

する。製造業者の施工指示書によって天窓の施工方法を決めることができない場合は,ISO 12567-2

:2005

図 に示すようにモデル化しなければならない。


16

A 2102-2

:2011

フレームと断熱パネルから構成される断面の

2

次元熱コンダクタンス(

D

L

2
f

)を計算する(

図 C.1 参照)。

フレームの熱貫流率(

U

f

)は次によって算出する。

f

p

p

D

2
f

f

b

b

U

L

U

=

(C.1)

ここに,

U

f

:  フレームの熱貫流率[

W/(m

2

K)

D

2
f

L

図 C.1 に示す断面の熱コンダクタンス[

W/(m

K)

U

p

断熱パネル中央部分の熱貫流率[

W/( m

2

K)

b

p

断熱パネルの見付け幅(

m

b

f

フレームの投影幅(突出したガスケットを除く)

m

注記 

D

2
f

L

は,その断面を通過する単位長さ当たりの全熱流量を,屋外と室内の温度差で除すこと

によって計算する(ISO 10211 参照)

注記 

b

f

は,伝熱開口寸法の基準線及びグレージング又は不透明パネル見付け周長線に囲まれた内

側投影幅である(伝熱開口寸法は JIS A 4710 

附属書 参照)。

注記 

b

p

は,

b

f

と同じ側で測定する。

C.2  グレージング又は不透明パネルとの接合部の線熱貫流率 

グレージングの熱貫流率(

U

g

)は,グレージング中央部に適用でき,グレージング端部のスペーサの影

響は含まない。また,フレームの熱貫流率(

U

f

)はグレージングなしで適用できる。線熱貫流率(

Ψ

)は,

スペーサの影響を含めたフレームとガラス端部との熱橋効果を表す。

フレームとグレージングとから構成される断面の,スペーサ効果を含めた

2

次元熱コンダクタンスを計

算するために,投影フレーム幅(

b

f

)と熱貫流率(

U

f

)をもつフレーム断面を熱貫流率(

U

g

)と長さ(

b

g

をもつグレージングで完成させる(

図 C.2 参照)。線熱貫流率(

Ψ

)は式

(C.2)

によって求める。

グレージングの代わりに不透明パネルが取り付けられたドアのフレーム断面に関しては,同様の手順を

適用できる。

単位  mm

図 C.2−グレージングを取り付けたフレーム断面の概念図 


17

A 2102-2

:2011

g

g

f

f

D

2

b

U

b

U

L

Ψ

=

Ψ

(C.2)

ここに,

Ψ

:  線熱貫流率[

W/(m

K)

D

2

Ψ

L

図 C.2 に示す断面の熱コンダクタンス[

W/(m

K)

U

f

:  フレームの熱貫流率[

W/(m

2

K)

U

g

:  グレージング中央部分の熱貫流率[

W/( m

2

K)

b

f

フレームの投影幅(

m

b

g

グレージングの見付け幅(

m

注記 1

ガラス又は断熱パネルの見付け幅が

190 mm

あれば,

60 mm

までの厚さのグレージングに対

して十分である。これ以外の場合は見付け幅を大きくする必要がある(ISO 10211 参照)

注記 2

b

f

は,伝熱開口寸法の基準線,及びグレージング又は不透明パネル見付け周長線に囲まれた

室内側投影幅である(伝熱開口寸法は JIS A 4710 

附属書 参照)。

注記 3

b

g

は,

b

f

と同じ側で測定する。

C.3  スペーサの扱い 

様々なフレーム構造とスペーサを含む複層ガラス(

IGU

)を組み合わせた

Ψ

g

の値を計算するためには,

スペーサの形状寸法及び材質に関する詳細情報が必要である。詳細情報がない場合には,代表的なスペー

サモデル(

図 C.3 参照)を用いなければならない。

スペーサの詳細情報がある場合でも,解析精度の向上と解析負荷の低減を目的としてスペーサを等価な

熱伝導率をもつ仮想材料に置き換えて計算することが可能である。

C.3.1  アルミスペーサの形状寸法 

アルミスペーサの形状寸法又は材質に関する詳細情報がない場合は,次のスペーサを用いることができ

る。

スペーサの厚さ(

d

)は,

IGU

の中空層の厚さより

0.5 mm

小さい値とする。これは,スペーサの内外に

ある厚さ

0.25 mm

の内部シーラント(ブチルゴム)の厚さのためである。例えば,

IGU

の中空層が

16 mm

の場合,

スペーサの厚さは

15.5 mm

である。

スペーサの一般的な寸法及び

IGU

への組込みを

図 C.3 に示す。

これ以外の情報が得られない場合には,外部シーラントは幅

3 mm

のポリサルファイドでなければならな

い。


18

A 2102-2

:2011

単位  mm

A  ポリサルファイド 
B  ブチルゴム 
C  アルミニウム 
d  複層ガラス中空層の厚さ

図 C.3IGU(複層ガラス)に組み込まれた代表的なアルミスペーサ 

C.3.2  等価熱伝導率を用いたスペーサの簡略化 

IGU

のスペーサを通過熱流束が等しくなるような等価な熱伝導率をもつ単一材料に置き換えて,

Ψ

g

を計

算することができる。等価熱伝導率を求める詳細手順は

附属書 の文献

[5]

に記載されている。

附属書 の文献

[5]

の手順に従って得られた

図 C.3 に示すアルミスペーサの等価熱伝導率は,

4.5 W/(m

K)

である。等価熱伝導率に置き換えるスペーサの範囲及び寸法を

図 C.4 に示す。スペーサに関して利用

可能な詳細情報がない場合は,これらの形状及び値を用いることができる。


19

A 2102-2

:2011

単位  mm

A  ポリサルファイド 
B  等価熱伝導率の範囲 
d  複層ガラス中空層の厚さ

図 C.4−等価熱伝導率を用いるスペーサの範囲及び寸法 

C.4  窓及びドアセットを構成するフレーム,グレージング並びに不透明パネルを貫通する部品の点熱貫

流率(錠,ポスト口などの熱橋) 

窓及びドアセットには内外を貫通する錠,ポスト口などの部品が取り付けられる場合がある。グレージ

ング及び不透明パネルの中央部の熱貫流率(

U

g

U

p

)には,これらの部品の熱橋の影響を含めない。点熱

貫流率(

χ

)は,

3

次元的な熱橋効果によって生じる付加的な熱流を表す。

点熱貫流率(

χ

)は,

3

次元モデルの投影面積(

A

p

,不透明パネルの熱貫流率(

U

p

)そして

3

次元モデ

ルの熱コンダクタンスから式

(C.3)

によって計算する。錠及びポスト口の

3

次元モデルを

図 C.5 に示す。

p

p

D

3

A

U

L

=

χ

(C.3)

ここに,

χ

:  点熱貫流率(

W/K

L

3D

3

次元熱コンダクタンス(

W/K

U

p

不透明パネルの熱貫流率[

W/(m

2

K)

A

p

3

次元モデルの投影面積(

m

2


20

A 2102-2

:2011

単位  mm

掘込み錠(補強材  木) 

一般ポスト口 

図 C.5−錠及びポスト口の 次元モデル(分の モデル) 

錠,ポスト口などの熱橋からの不透明パネルの見付け幅が

300 mm

以上であれば,熱橋効果を計算する

ことが可能である。

3

次元モデルの例を

図 C.6 に示す。熱橋をなす錠,ポスト口などの部品の

4

分の

1

C.5 参照)が左下に配置された

1/4

モデルである。モデルの周囲は断熱境界とする。

1/4

モデルから得られる熱コンダクタンスを

4

倍することによって,熱橋全体の熱コンダクタンスを計

算する。

単位  mm

図 C.6−熱橋 次元モデル(分の モデル)の範囲 

C.5  ユニット出窓の屋根部と底部との接合部の線熱貫流率 

出窓の上部及び下部のフレームはそれぞれ屋根部と底部と連結しており,両者の相互作用によって付加

的な熱流が生じる。出窓の熱貫流率を計算する場合は,窓の取付けアングルより室外側の屋根部,底部と


21

A 2102-2

:2011

フレームの熱橋効果による線熱貫流率(

Ψ

edge

)を次のように定義する。

Ψ

edge

の計算には,フレームと屋根部,底部を一体とした

2

次元モデルの熱コンダクタンスからフレーム

と屋根部,底部を分離した

2

次元モデルの熱コンダクタンスを減じることによって計算する。出窓上部を

例に

Ψ

edge

の計算に用いる

2

次元モデルを

図 C.7 に示す。このとき,

Ψ

edge

は,式

(C.4)

によって算出する。

D

2

D

2

f

D

2

edge

edge

L

L

L

Ψ

=

Ψ

   

(C.4)

ここに,

Ψ

edge

:  屋根部又は底部とフレームとの熱橋効果による線熱貫流

率[

W/(m

K)

L

Ψedge

2D

図 C.7 に示すフレーム・屋根一体断面の熱コンダクタン
ス[

W/(m

K)

L

2D

図 C.7 に示す屋根部断面の熱コンダクタンス[

W/(m

K)

フレーム・屋根一体モデル 

フレームモデル 

(図 C.1 参照) 

図 C.7−出窓上部のフレーム,屋根部の 次元モデルの範囲 

屋根部モデル

記号

A  断熱境界


22

A 2102-2

:2011

附属書 D 
(規定)

計算プログラムの検証例題

D.1  概要 

この附属書は,計算プログラムの検証基準を示す。4.2 に規定したように,

図 D.1∼図 D.9 のフレーム断

面に対するプログラムの適用は,

L

2D

に関して差が,

表 D.3 及び表 D.4 の値の

3 %

以内とならなくてはなら

ない。これらの計算において,空気層は等価熱伝導率を用いる(6.3.2 参照)

D.2  図 

図 D.1∼図 D.9 では,表 D.1 及び表 D.2 に示す記号を用いる。

表 D.1−境界 

記号

表面熱伝達抵抗

m

2

・K/W

温度

A  断熱

無限大

B  屋外

附属書 参照

0

C  室内

附属書 参照 20

表 D.2−各種材料 

単位  W/(m・K)

記号

材料

熱伝導率

a

断熱パネル 0.035

b

軟材 0.13

c PVC

0.17

d EPDM

0.25

e 25

%のガラス繊維入り 6.6 ポリアミド 0.3

f

ガラス 1.0

g

鋼材 50

h

アルミニウム 160

i

パイルウェザーストリッピング(ポリエステルモヘア)

0.14

k

ポリアミド 0.25

l PU(ポリウレタン),硬質 0.25

m

ポリサルファイド 0.40

n

シリカゲル(乾燥剤) 0.13

o

封入ガス 0.034

a)

注記  全ての表面は,放射率 0.9 

a)

  封入ガスの等価熱伝導率


23

A 2102-2

:2011

単位  mm

図 D.1−アルミニウム熱遮断構造フレーム断面及び断熱パネル(b

f

110 mm 


24

A 2102-2

:2011

単位  mm

図 D.2−アルミニウム被覆木材フレーム断面及び断熱パネル(b

f

110 mm 


25

A 2102-2

:2011

単位  mm

図 D.3−鋼補強材を備えた PVC フレーム断面及び断熱パネル(b

f

110 mm 


26

A 2102-2

:2011

単位  mm

図 D.4−木材フレーム断面及び断熱パネル(b

f

110 mm 


27

A 2102-2

:2011

単位  mm

注記 1  一般的に,熱流の方向は面に直角であると考えられる。 
注記 2  投影フレーム幅(b

f

)は 89 mm である。

図 D.5−天窓フレーム断面及び断熱パネル(b

f

89 mm 


28

A 2102-2

:2011

単位  mm

図 D.6−スライド式窓フレーム断面及び断熱パネル(b

f

95 mm 


29

A 2102-2

:2011

単位  mm

図 D.7−はめ殺し窓フレーム断面及び断熱パネル(b

f

48 mm 


30

A 2102-2

:2011

単位  mm

図 D.8PVC シャッター形材(b57 mm 


31

A 2102-2

:2011

単位  mm

図 D.9−木材フレーム断面(図 D.4 参照)及び通常のガラスエッジシステムを備えた U

g

1.3 W/(m

2

K) 

グレージングの線熱貫流率の決定例 

複層ガラスの熱貫流率(

U

g

)の

1.3 W/(m

2

K)

を達成するためには,熱伝導率が

0.034 W/(m

K)

である

記号“

o

”で示す固体材料で,複層ガラスの中空層を満たす。


32

A 2102-2

:2011

D.3  結果 

表 D.3−熱コンダクタンス(L

2D

)及び熱貫流率(U

f

)の計算値 

L

2D

W/(m・K)

U

f

W/(m

2

・K)

図 D.1 

0.552(0.007) 3.24(0.06)

図 D.2 

0.261(0.001) 1.44(0.03)

図 D.3 

0.422(0.006) 2.05(0.06)

図 D.4 

0.346(0.001) 1.36(0.01)

図 D.5 

0.408(0.007) 2.08(0.08)

図 D.6 

0.659(0.008) 4.67(0.09)

図 D.7 

0.285(0.002) 1.31(0.03)

図 D.8 

0.207(0.001) 3.64(0.01)

注記  丸め誤差を避けるため,これらの値は 3 桁の有効数字で与える。

表 D.4−熱コンダクタンス(L

Ψ

2D

)及び線熱貫流率の計算値 

単位  W/(m・K)

L

Ψ

2D

Ψ 

図 D.9 

0.481(0.004) 0.084(0.004)

表 D.3 及び表 D.4 の括弧内のデータは,欧州及び北米にある

9

か所の機関におけるラウンドロビン計算

2000

6

月)における標準偏差である。


33

A 2102-2

:2011

附属書 E

(参考) 
参考文献

[1]

EN 12412-2

Thermal performance of windows, doors and shutters

Determination of thermal transmittance by

hot box method

Part 2: Frames

[2]

EN 12664

Thermal performance of building materials and products

Determination of thermal resistance by

means of guarded hot plate and heat flow meter methods

Dry and moist products of medium and low thermal

resistance

[3]

EN 13556

Round and sawn timber

Nomenclature of timbers used in Europe

[4]

ISO 15099

Thermal performance of windows, doors and shading devices

Detailed calculations

[5]  ift Guideline WA-08engl/1, Thermally improved spacers

Part 1: Determination of representative

Ψ-values for

profile sections of windows, ift Rosenheim, November 2008

[6]

赤坂裕,伊丹清,二宮秀與:断熱玄関ドアの熱貫流率の計算法,日本建築学会環境系論文集

 No.502

1997.12

[7]

赤坂裕:仕切りのある中空層の放射熱伝達率の計算法,日本建築学会計画系論文集

 No.561

2002.11

[8]

EN 10088-1

Stainless steels. List of stainless steels

[9]

ISO 6946

Building components and building elements

Thermal resistance and thermal transmittance

Calculation method

[10]

JIS A 4702  ドアセット

[11]

JIS A 4706  サッシ

[12]

JIS A 4710  建具の断熱性試験方法


附属書 JA

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS A 2102-2:2011  窓及びドアの熱性能−熱貫流率の計算−第 2 部:フレームの数値計
算方法

ISO/FDIS 10077-2:2010  Thermal performance of windows, doors and shutters−
Calculation of thermal transmittance−Part 2: Numerical method for frames

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号

及び題名

内容

(II)

国際規格
番号

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

1  適 用 範

適用範囲

1

変更

シャッター関係の部分を扱わ
ないこととし,削除した。また,

錠及びポスト口の点熱貫流率
の扱いについて追記している。

日本のシャッターの納まり方が
海外とは異なっており,またシ

ャッター部分の熱特性が定かで
ないため,JIS ではシャッター関
係の部分を扱わないこととし,

削除した。また,錠及びポスト
口の点熱貫流率の扱いについて
追記している。

3  用語,定
義,記号及

び単位

用いる主な用語,定
義,記号及び単位

 3  JIS とほぼ同じ

変更

3 次元熱流の影響を表す用語
と,ユニット出窓の屋根部,底

部の影響を表す用語を追加。シ
ャッターボックスに関する用
語を削除

ISO 規格では錠及びポスト口を
無視しているが,これらの部位

では 3 次元熱流が生じており,
計算精度を高めるために点熱貫
流率の評価を導入した。また,

ユニットタイプの出窓は日本固
有の製品であり,屋根部,底部
との取り合い部分の熱流の影響

を線熱貫流率で評価した。

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1

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(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号

及び題名

内容

(II) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

5.3

ローラーシャッターボッ

クス

削除

JIS ではローラーシャッターボ
ックスを扱わない。

JIS ではローラーシャッターボ
ックスを扱わないこととし,削
除した。

5  材 料 及
び 境 界 の
扱い

5.4

窓のフレーム形材の簡略

削除

日本では Z 形状を削除せず,よ

り詳細な計算を行う。

日本では伝熱開口面積が固定さ

れているため,Z 形状を削除せ
ず,より詳細な計算を行う。

6.2  キャビティの等
価熱伝導率

 6.2  キャビティの等価熱伝導

変更

EN 673 から JIS R 3107 に変更
した。

6  キ ャ ビ
テ ィ の 扱

6.3  フレーム内部の
密閉キャビティ

 6.3  フレーム及びローラーシ

ャッターボックス内部の
密閉キャビティ

削除

ローラーシャッターボックス

に関する箇所を削除した。

JIS ではローラーシャッターボ
ックスを扱わないこととし,ロ
ーラーシャッターボックスに関

する箇所を削除した。

附属書 C 
(規定)

附属書 C 
(規定)

追加 C.4 で点熱貫流率を考慮したよ

り詳細な計算法となるため追
加し,C.5 で日本で一般的に用

いられるサッシの開閉形式に
合わせ追記した。

附属書 D

(規定)

計 算 プ ロ グ ラ ム の

検証用の例

附属書 D

(規定)

図 D.8

削除

JIS ではシャッター関係の部分
を扱わないこととしたため,
ISO 規格の図 D.8 を削除した。

JIS ではシャッター関係の部分
を扱わないこととしたため,削
除した。

JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO/FDIS 10077-2:2010,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

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