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A 1531 : 1998 (ISO 4211 : 1979)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS A 1531-1984 は改正され,この規格に置き換えられる。

今回の改正は,対応国際規格である ISO 4211 に整合を図り,国際一致規格にすることを目的として行わ

れた。

JIS A 1531

には,次に示す附属書がある。

附属書  表面の試験溶液

附属書(参考)  評価スケールによる評価方法


日本工業規格

JIS

 A 1531

: 1998

 (ISO 4211

: 1979

)

家具−常温液体に対する

表面抵抗の試験方法

Furniture

−Assessment of surface resistance to cold liquids

序文  この規格は,1979 年に第 1 版として発行された ISO 4211, Furniture−Assessment of surface resistance to

cold liquids

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で下線の点線を施している参考は,原国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,家具の仕上げ面とその表面の常温液体に対する耐久性の評価の方法について

規定する。なお,この規格は,家具と同一の方法で仕上げられた,また同じ材料を用いた試験条件に合っ

た試験体にも適用できる。

試験液の種類及び試験期間(5.中から選ばれる)はその明細を明らかにし,また,受渡当事者間が認め

たものでなければならない。

試験液は,附属書に規定したものから選ぶが,他の試験液でも必要とあれば使用してもよい。

2.

定義  常温液体の家具表面への適用は,ガラス皿で覆われた円形ろ紙によって行う。指定された期間

(時間)の後,円形ろ紙を取り除き,表面を洗って乾燥する。その後,家具の表面の損傷(変色,光沢の

変化,水膨れなど)を調べる。

試験の結果は,数字によって表された等級によって評価する。

3.

器具及び試験液

3.1

円形ろ紙  直径約 25mm で,坪量 400∼500g/m

2

のもの。

3.2

ガラス皿  縁部が磨かれて,縁のない外直径約 40mm,高さ約 25mm のもの。

3.3

ピンセット

3.4

ろ紙

3.5

柔らかい吸収性のある布

3.6

観測用光源  等分に光を拡散し,試験部分に 1 000∼5 000lx の照明を与える光源。太陽光線又は人工

光線のどちらでもよい。

備考  太陽光線を用いる場合には,周囲の木立や建物の影響を受けてはならない。人工光源の場合に

は,

色温度が 5 000∼6 550k で平均演色評価数 (Ra) が 92 を超える光線にしなければならない。

3.7

直射光  60W のつや消し電球で,試験部分にはその電球の光だけが入るようにし,試験者には直接

当たらないように仕切る。電球と試験面とを結ぶ線が水平面となる角度は 30∼60°でなければならない。

備考  図 に示すような観測箱を使用するのもよい。


2

A 1531 : 1998 (ISO 4211 : 1979)

3.8

試験液  試験液の温度は,23±2℃とする。

3.9

蒸留水又は脱イオン水  蒸留水又は脱イオン水の温度は 23±2℃とする。

3.10

洗浄溶液  洗浄溶液は,蒸留水又は脱イオン水(3.9)の 1に対し,15ml の洗浄剤(3.11)を溶かした溶

液。この洗浄溶液は,必要な都度,新しく調製すること。

3.11

洗浄剤  洗浄剤は,次のとおりとする。

−  1 級アルキル (C10∼C14)  アリルスルホン酸ナトリウム 12.5% (m/m)

−  最低 1%の水溶液で,濁り点が 25∼75℃で 5∼15 のエトキシル基をもつ 1 級又は 2 級アルコール (C8

∼C16)  ポリエトキシル誘導体 12.5% (m/m)  (濁り点の決定は ISO 1065 の中に述べられている。

−  エタノール 5.0% (m/m)

−  蒸留水又は脱イオン水  (3.9) 70% (m/m)

洗浄剤はガラス瓶に入れ,冷暗所に貯蔵し,調製後 1 年以内に使用すること。

4.

試験体の調製及び予備処理  試験体は古いものであっても,試験に良好な状態であれば使用できる。

試験体は,気温 15℃以上で通風のよい室内に 4 週間以上放置しなければならない。

試験状態は,試験の 1 週間前から始められ,温度 23±2℃,相対湿度 (50±5) %の状態下に置かれる。試

験体の表面は平滑とし,6.に規定する手順に対応できる大きさでなければならない。

もし,追加試験が必要であれば,十分な場所を確保するのがよい。試験表面は,試験前に乾燥した布  (3.5)

で,注意深く拭いておく。

5.

試験期間  試験期間は,表から選択する。それは,家具の表面が自然に使用年数を過ぎた状態に似る

ために選ぶ。長期的試験期間も同様とする。

表  試験期間

期間

適用

10

秒間

即時に除去

2

分間

即時に除去

10

分間

しばらく後に除去

1

時間

食事時間程度経過後

6

時間

仕事又は他の活動時間経過後

16

時間

翌日(できる限り早く)

24

時間

1

日後

7

日間

1

週間後

28

日間

長期間にわたって作用

6.

手順

6.1

試験表面は水平に維持する。試験箇所の中心間距離は 60mm 以上とする。試験箇所の中心は,試験

表面の縁部から 40mm 以上離れるようにする。

もし,試験表面の特性を変更する何かの理由がない場合は同時に二つの同様な試験を行ってもよい。

6.2

円形ろ紙(3.1)を試験液(3.8)に 30 秒間浸した後,ピンセット(3.3)で取り上げ,容器の縁でぬぐう。こ

のろ紙を試験部分に置いて,直ちにガラス皿(3.2)をかぶせる。


3

A 1531 : 1998 (ISO 4211 : 1979)

6.3

試験期間終了後ガラス皿を外し,ピンセットでろ紙を取り除く。このとき,試験表面に付いたろ紙

の繊維は除去してはならない。表面に残っている試験液を乾いたろ紙でこすらないように吸い取った後,

試験表面を覆いをしない状態で,室内に 16∼24 時間,そのまま放置する。試験場所は,空気の流通を妨げ

ずに,しかも,じんあい(塵挨)から十分に保護する。

6.4 16

∼24 時間後,試験表面を最初に洗浄溶液(3.10),次に水に浸した吸水性のある布(3.5)で軽くこすり

ながら洗う。最後に表面を乾いた布(3.5)で注意深く拭く。同時に同じ表面で試験液にさらされなかった部

分を同じ方法で洗い乾燥させる(試験部分)

。そして試験表面をそのままの状態で覆いをせずに,30 分間

室内に放置する。

6.5

試験部分の変化(変退色,光沢の変化,水膨れ,損傷)を検査する。検査は,観測用光源(3.6)及び

観測箱(3.7)の両方の光源を別々に表面に照射して,種々な角度から行う。表面で反射した光が観測者の目

に入ってくる角度でも検査する。

観測距離は 25∼100cm とする。

照射光による異なった試験表面の位置は,

もし木目であればその方向に対して平行及び垂直に当たるように位置を変えておく。それぞれの位置で,

試験部分を試験液をつけなかった表面と比べる。

6.6

もし,試験が,要求項目,又は条件に従って始められたならば,他の試験はその後,3∼7 日の間に

行う。

7.

結果の評価  結果の評価は,各々の液体について,試験部分とその試験液を付けなかった表面とを比

較し,次の数値による段階によって行う。

5

肉眼で見える変化がない(損傷を受けていない。)。

4

色・光沢にわずかな変化がある。ただし,光源が試験表面の非常に近くを照らし,その光が

観測者の目に反射して入ってくる場合にだけ認められる程度。

3

数通りの観測方向から認められるわずかなこん跡がある。例えばほとんど完全な円又は環が

見える。

2

明らかに色・光沢に変化があり,又は損傷がある。

1

ひどい損傷があり(割れ・水泡・浮きなど),表面組織が変化している。表面素材が全部若

しくは部分的に除去されているか,又はろ紙が表面に付着して離れない。

それぞれの試験部分の評価は,1 人以上の当該試験の評価の経験のある観察者によることが望ましい。

試験部分の評価の報告は最多評価値すなわち観察者全体が同数,又は超えている場合,次の例による。

単独の評価:

1. 2. 3. 3. 3.

試験の評価:

3

単独の評価:

1. 2. 2. 3. 3.

試験の評価:

2

二重の試験部分の評価は別に報告する。

参考  評価スケールによる評価方法を附属書(参考)に示す。

8.

試験報告  試験の報告は,少なくとも次の情報を記載しなければならない。

a)

規格番号

b)

関連する試験(関連するデータ)

c)

試験液

d)

試験期間


4

A 1531 : 1998 (ISO 4211 : 1979)

e)

7.

による評価

f)

試験が一定の要求条件の下で行われた結果か

g)

当該規格と違う方法で試験した場合はその詳細

h)

試験年月日

備考  観測箱の内部表面は黒く塗ること

図 1  観測箱(寸法は概数)


5

A 1531 : 1998 (ISO 4211 : 1979)

附属書  表面の試験溶液

A.1

序文

ここでは,家具表面の液体に対する耐久性テストを行うのに適した溶液を,家庭,仕事場などでよく使

われているものの中から幾つかを取り上げてみる。試験ではその他の溶液を使って行ってもよい。

A.2

溶液

純正薬品は,利用される部分において承認されている分析評価と少なくとも同じでなければならない。

水溶液の調合には蒸留水を使用する。

試験液はガラスの容器に入れて,冷暗所でかつ 23±2℃の室温内で保存する。

名称 No.

試験溶液の内容

酢酸 1.1

44%

(m/m)

水溶液

 1.2

4.4%

(m/m)

水溶液

アセトン 2

アンモニア水 3

10%

(m/m)

水溶液

ブラックカーレント 4

くろすぐりの生ジュース

クエン酸 5

10%

(m/m)

水溶液

洗浄剤 6

3.11

を見よ

コーヒー 7

中程度にい(煎)ったインスタントコーヒー40g を熱湯 1に溶かした液

消毒液 8.1

フェノール誘導体(塩化アルキル,塩化環状アルキルアリルフェノールなど)
の 0.5%水溶液

 8.2

クロラミン T(p−トルエンスルホンクロラマイドナトリウム)の 2.5%水溶液

証券用インク 9

証券用インク液

非変性エタノール 10.1

96

v

/

v

%

 10.2

48

v

/

v

%

エチル−ブチルアセテート 11

比率 1 : 1

よう素 12

5%

(m/m)

溶液

コンデンスミルク 13

10%

乳脂肪

オリーブ油 14

パラフィン油 15

医薬用

SBP spirit

16

医薬用,ベンゼン,脂肪性炭化水素の溶剤,沸点 70∼100℃

ナトリウム炭酸塩 17.1

10%

(m/m)

水溶液

 17.2

0.5%

(m/m)

水溶液

ナトリウム漂白剤 18.1

15%

(m/m)

水溶液

 18.2

5%

(m/m)

水溶液

紅茶 19

紅茶の葉 10g を熱湯 1の中に入れ,5 分間静かに置いた後の上澄み液

水 20

蒸留水


6

A 1531 : 1998 (ISO 4211 : 1979)

附属書(参考)  評価スケールによる評価方法

序文  この附属書(参考)は,評価スケールによる評価方法について記述するものであり,規定の一部で

はない。

1.

評価スケールによる評価方法

試験部分の評価は,規格本体 7.で規定している評価方法によるが,その他の評価方法として次の

参考図

1

の評価スケールを同時に用いてもよい。

参考図 1  評価スケール


7

A 1531 : 1998 (ISO 4211 : 1979)

JIS A 1531

改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

坂  田  種  男

坂田研究室

(小委員長)

岩  井  一  幸

東京家政学院大学

(委員)

高  橋  牧  人

通商産業省生活産業局

西  出  徹  雄

工業技術院標準部

上  野  義  雪

千葉工業大学

古  澤  富志雄

職業能力開発大学校

田  山  茂  夫

千葉大学工学部

山  村  修  蔵

財団法人日本規格協会

小  杉  健一郎

株式会社イトーキ

金  井      博

株式会社内田洋行

小  熊  誠  次

株式会社岡村製作所

石  原  俊  彦

コクヨ株式会社

加  藤      博

株式会社ホウトク

青  木  恒太郎

株式会社コスガ

桜  井  久  喜

株式会社天童木工

森          章

社団法人全国家具工業連合会

松  岡  寿  人

財団法人日本文化用品安全試験所

藤  村  盛  造 F&F デザインオフィス

吉  沢  晴  行

文部省文教施設部

池  浜  静  夫

製品安全協会

村  井      敬

株式会社日建設計

佐  分  正  雄

社団法人用度需要者協会

篠  崎  輝  紀

社団法人ニューオフィス推進協議会

武  井  孝  純

住友海上火災保険株式会社

(事務局)

辻  村  照  哉

社団法人日本オフィス家具協会

西  山  栄  一

社団法人日本オフィス家具協会

備考  ○印は小委員会委員も兼ねる。