>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

 
A 1510-2 : 2001

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条の規定に基づき,財団法人建材試験センター (JTCCM) /財団法人日

本規格協会 (JSA) から工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調

査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。これによって JIS A 1511 : 1995 は廃止

され,JIS A 1510-2 に置き換えられる。

JIS A 1510 の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

A

1510-1  第 1 部:錠

JIS

A

1510-2  第 2 部:ドア用金物

JIS

A

1510-3  第 3 部:フロアヒンジ,ドアクローザ及びヒンジクローザ


日本工業規格

JIS

 A

1510-2

 : 2001

建築用ドア金物の試験方法−

第 2 部:ドア用金物

Test method for door fittings of buildings−

Part 2 : Fittings for door

1.  適用範囲  この規格は,建築物の開口部の戸に用いる金物のうち,丁番,グラビティヒンジ,戸当た

り,上げ落し,用心鎖及びガードアームの試験方法について規定する。

2.  引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS A 4702  ドアセット

JIS B 7503  ダイヤルゲージ

JIS B 7507  ノギス

JIS B 7524  すきまゲージ

JIS B 7721  引張試験機−力の検証方法

JIS B 7733  圧縮試験機−力の検証方法

JIS Z 8401  数値の丸め方

JIS Z 8703  試験場所の標準状態

3.  定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 
a)  グラビティヒンジ  トイレブースなどに使用するせりあがり丁番。閉扉は戸の自重によって行われる。 
b)  ガードアーム  鎖の代わりに棒状,ループ状又は板状の部品を用いて開扉を制限するドア用金物。

4.  試験の項目  試験の項目は,表 による。

表 1  試験の項目

試験の項目

評価対象

適用試験箇条

丁番及びグラビティヒンジの繰返し開閉試験

繰返し使用に対する耐摩耗性

6.1

戸当たりの衝撃試験

衝撃に対する強さ

6.2

上げ落しの落し棒の押込み試験

押込み荷重に対する強さ

6.3

上げ落しの落し棒の衝撃試験

衝撃に対する強さ

6.4

用心鎖及びガードアームの引張試験

引張荷重に対する強さ

6.5

5.  試験の一般条件 
5.1

数値の丸め方  数値の丸め方は,JIS Z 8401 による。



A 1510-2 : 2001

5.2

試験条件  試験の条件は,特に規定のない限り,JIS Z 8703 に定める常温・常湿とする。

6.  試験方法 
6.1

丁番及びグラビティヒンジの繰返し開閉試験

6.1.1

試験装置  試験装置は,試験戸,試験枠及び開閉装置[又は開扉装置(

1

)]から構成するものとし,

開閉回数を計る回数計などを備えたものとする。ただし,閉扉時に試験体の閉じ力に影響を及ぼさないも

のとする。試験装置の一例を,

図 及び図 に示す。

(

1

)  グラビティヒンジの場合は,閉扉が戸の自重によって行われるので,試験戸を開く機能があれ

ばよい。

図 1  丁番の繰返し開閉試験(例)


3

A 1510-2 : 2001

図 2  グラビティヒンジの繰返し開閉試験装置(例)

a)  試験戸  試験戸は,JIS A 4702 に規定するスイングドアセットで,木製又は鋼製とし,表 に示す質

量及び寸法のものとする。また,その開閉のための連動かんを

図 に示す位置(作動点)に取り付け

られる構造のものとする。

なお,

表 以外の試験戸を使用する場合は,受渡当事者間の協議による。

表 2  試験戸の質量及び寸法

質量  kg(

2

)

寸法  mm

幅×高さ

25 800×2 000 
50 
75

900×2 000

(

2

)  所定の質量より軽い戸に,

慣性モーメントが同一に

なるよう適宜に必要な質
量を付加したものでもよ
い。 

b)  開閉装置及び開扉装置

1)  丁番の開閉装置  丁番の開閉装置は,試験戸を動力によって開閉する装置で,試験戸を開閉速度毎

分 15 回程度で,開き角度約 70°に繰返し開閉できるものとする。

2)  グラビティヒンジの開扉装置  グラビティヒンジの開扉装置は,試験戸を動力によって開扉する装

置で,試験戸を所要時間 2∼6 秒で,開き角度約 70°に繰返し開扉できるものとする。

3)  試験枠  試験枠は,試験戸を取り付けて支持する部位全体をいい,試験中装置全体ががたつかない

ような堅固な構造とする。

6.1.2

試験の手順  試験の手順は,次による。



A 1510-2 : 2001

a)  試験体を,通常の取付方法に従って試験戸及び試験枠に取り付ける。このとき,試験戸の回転軸が同

一鉛直線上にくるようにする。また,試験戸が円滑に開閉し,その開閉抵抗が開閉のどの位置におい

ても 10N・m 以下であることを確認する。

b)  試験戸の作動点に連動かんを装着した後,丁番の場合は次の 1)又は 2)のいずれかの測定を,グラビテ

ィヒンジの場合は 3)の測定を行い,この値をそれぞれ初期値とする。

1)  上部試験体の最上部節のすきま測定  試験戸を閉じた状態(試験体の両羽根が閉じた状態)で,上

部試験体の最上部節のすきまを,JIS B 7524 に規定するすきまゲージを用いて 0.1mm の精度で測定

する。この際,以降におけるすきま測定時の測定位置を一定にするために,測定点の上下の軸筒に

通じるマークを付けておく。

2)  試験戸の上端と基準面間のクリアランス測定  試験戸が閉じた状態で,試験戸のつり元の上端と試

験枠に設けた基準面との間のクリアランスを,JIS B 7507 に規定するノギスを用いて 0.1mm の精度

で測定する。

3)  上部試験体の軸長測定  試験戸が閉じた状態で,上部試験体の軸長をノギスを用いて 0.1mm の精度

で測定する。この際,以降におけるすきま測定時の測定位置を一定にするために,測定点の上下の

軸筒に通じるマークを付けておく。

c)  a)の測定後,開閉装置(グラビティヒンジの場合は開扉装置)を駆動させ,試験戸の繰返し開閉操作

を開始する。

なお,開閉回数は,閉じた状態から“開ける”→“閉じる”をもって 1 回とする。

d)  試験戸の開閉回数が所定回数に達したとき,開閉操作を停止し,b)と同様の測定を行う。この測定値

と初期値との差を摩耗量とする。

e)  さらに,繰返し開閉操作を繰り返す場合には,d)の測定後,開閉操作を再開し,開閉回数が所定回数

に達したその都度開閉操作を停止して d)の測定を行う。

f)  試験戸の最終開閉回数は,10 万回を最小単位とする。

6.2

戸当たりの衝撃試験

6.2.1

試験装置  試験装置は,図 の例に示すように,おもり,試験体取付けジグ及び台から構成するも

ので,おもりのガイド用パイプをもつものとする。


5

A 1510-2 : 2001

図 3  戸当たりの衝撃試験(例)

a)  おもり  おもりは,鋼製の円柱形で試験体に所定の衝撃を与えるものである。おもりの質量及び寸法

を,

表 に示す。表 以外のおもりを使用する場合は,受渡当事者間の協議による。

表 3  おもりの質量及び寸法

質量  kg

寸法  mm



3

φ

28

b)  ガイド用パイプ  ガイド用パイプは,透明なポリカーボネート製で,内径約 30mm とし,衝撃時にお

もりが試験体に正しく当たるように十分な長さをもつものとする。

c)  試験体取付けジグ及び台  試験体取付けジグ及び台は,試験体を取付け固定するもので,使用時に戸

が当たるのと同一の方向からおもりの衝撃が加わるように試験体を取り付けることができる構造とす

る。台は,ガイド用パイプを垂直に設置することができる構造とする。また,試験体取付けジグ及び

台は,衝撃時に振動や取付部が緩んだりしないような堅固な構造とする。

6.2.2

試験の手順  試験の手順は,次による。

a)  試験体を試験体取付けジグに取り付け,使用時に戸が当たる部分におもりが正しく当たるように,ガ

イド用パイプを設置する。このとき試験体には,使用時に戸が当たるのと同一の方向からおもりが当

たるようにする。

b)  試験体に,おもりを 1m の高さからガイド用パイプを通して自然落下させて衝撃を加えた後,試験体

の使用上支障となる変形又は損傷の有無を調べる。

6.3

上げ落しの落し棒の押込み試験

6.3.1

試験装置  試験装置は,圧縮試験機及び試験体取付けジグから構成する。

a)  圧縮試験機  圧縮試験機は,JIS B 7733 に規定する試験機又はこれと同等以上の性能をもつものとす

る。

b)  試験体取付けジグ  試験体取付けジグは,図 に示すように実際の戸の一部を模し,試験体を使用時



A 1510-2 : 2001

と同様の状態に取り付けることができる構造とする。その材質は,鋼製又は木製とし,木製の場合は,

気乾密度が 0.7∼0.8g/cm

3

とする。

図 4  上げ落しの落し棒の押込み試験(例)

6.3.2

試験の手順  試験の手順は,次による。

a)  試験体を,試験体取付けジグに取り付け,上げ落しの落し棒を施錠した状態(落し棒が試験体取付け

ジグから突き出た状態)にする。

b)  図 に示す落し棒の出の長さ l

0

をノギスを用いて 0.1mm の精度で測定した後,

図 に示すように,落

し棒の先端に荷重を徐々に加え 3 分以内で

表 の荷重にして,その荷重を 1 分間保持する。

なお,

表 以外の荷重を加える場合は,受渡当事者間の協議による。

図 5  上げ落しの落し棒の変位量の測定位置


7

A 1510-2 : 2001

表 4  押込み試験の押込み荷重

押込み荷重  N

1 000 
2 000

c)  除荷後,落し棒の出の長さ l

1

を測定し,落し棒の先端の変位量△l  (=l

0

l

1

)  を求める。また,試験体

の使用上有害な曲がり,ねじれ及び操作上の異常の有無を調べる。

6.4

上げ落しの落し棒の衝撃試験

6.4.1

試験装置  試験装置は,図 に示すように,おもり,試験体取付けジグ及び台から構成するものと

し,衝撃時におもりが試験体に適切に当たるように,ガイド用パイプをもつ構造とする。

a)  おもり  おもりは,鋼製円柱形で,試験体に所定の衝撃力を与えるもので,6.2.1a)に規定する質量 1kg

のものを使用する。

b)  ガイド用パイプ  ガイド用パイプは,6.2.1b)と同一仕様のものとする。 
c)  試験体取付けジグ及び台  試験体取付けジグは,6.3.1b)と同一仕様のもので,剛性のある台上に堅固

に固定できる構造とする。

6.4.2

試験の手順  試験の手順は,次による。

a)  試験体を,試験体取付けジグに取り付ける。

b)  試験体の落し棒を施錠した状態にして,図 のようにおもりをガイド用パイプを通して,試験体に 1m

の高さから自由落下させて,落し棒のほぼ中心部に衝撃を加えた後,試験体の使用上支障となる変形

の有無を観察するとともに,操作が無理なく確実に行えるかを確認する。

図 6  上げ落しの落し棒の衝撃強さ試験(例)

6.5

用心鎖及びガードアームの引張試験

6.5.1

試験装置  試験装置は,図 に示すように引張試験機及び試験体取付けジグから構成するものとす

る。

a)  引張試験機  引張試験機は,JIS B 7721 に規定する試験機又はこれと同等以上の性能をもつものとす

る。

b)  試験体取付けジグ  試験体取付けジグは,試験体を取り付ける台座で,試験時の引張荷重に十分耐え

る剛性をもつものとする。



A 1510-2 : 2001

6.5.2

試験の手順  試験の手順は,次による。

a)  試験体を試験体取付けジグに取り付けた後,引張試験機に据え付ける。

b)  試験体の遊びがない状態(

3

)にして,変位量測定位置(両試験体取付けジグの内−内間の距離)をノギ

スを用いて 0.1mm の精度で測定する。次に,JIS B 7503 に規定するダイヤルゲージ又はこれに相当す

る電気式変位計(

4

)を変位量測定位置間に据え付ける。

(

3

)  このとき試験体に過大な引張荷重が加わらないように注意する。

(

4

)  精度 0.1mm 以上であることを確認のうえ,引張試験機に内蔵された加圧盤の変位量測定装置を

これに代用してもよい。

c)  試験体に荷重を徐々に加える。用心鎖の場合は,表 に示す荷重に達してから,1 分間その荷重を保

持した後,変位量を測定し伸びを求める。除荷後,鎖部及び取付け部の使用上の有害な曲がり,ねじ

れなどの異常の有無を調べる。

なお,

表 以外の引張荷重を加える場合は,受渡当事者間の協議による。

表 5  用心鎖の引張試験の引張荷重

引張荷重  N

1 000 
1 500 
3 000

ガードアームの場合は,試験体が破壊するまで荷重を加え,破壊時の荷重及び破壊までの変位量を

測定して伸びを求める。また,破壊状況を観察する。


9

A 1510-2 : 2001

図 7  用心鎖及びガードアームの引張試験(例)

7.  報告  報告は,次の事項を記載する。 
a)  試験体の名称,種類及び寸法

b)  試験場所の環境条件

c)  試験項目,試験条件及び試験結果

d)  ガードアームの引張試験

e)  試験年月日


10 
A 1510-2 : 2001

f)  試験場所及び試験実施者

g)  その他,試験中に生じた特記すべき事項

JIS A 1510-2(建築用ドア金物の試験方法−第 2 部:ドア用金物)改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

坂  田  種  男

坂田研究室

(委員)

和  泉  洋  人

建設省住宅局

阿  部  道  彦

建設省建築研究所

本  城      薫

通商産業省生活産業局

穐  山  貞  治

工業技術院標準部

佐  野  行  雄

財団法人ベターリビング

橋  本      進

財団法人日本規格協会

岸      賢  蔵

財団法人建材試験センター

豊  岡  光  男

都市基盤整備公団

青  島  清  一

全国建具組合連合会

長  岡  正  昭

社団法人日本建築士事務所協会連合会

檜  垣  恭  一

社団法人建築業協会(戸田建設株式会社)

井  出  辰一郎

社団法人日本サッシ協会

前  山  正  行

日本建築金物工業組合

石  川      始

日本ロック工業会(美和ロック株式会社)

蓑  毛  勝  也

ドアクローザ工業会(株式会社ニッカナ)

江  頭      宏

合資会社堀商店

野  崎  定  美

株式会社ベスト

(事務局)

佐  藤  哲  夫

財団法人建材試験センター

関  根  茂  夫

財団法人建材試験センター

備考  ○印は,小委員会委員も兼ねる。

その他の小委員会委員を,次に示す。 

永  田  邦  博

工業技術院標準部

鈴  木  敏  夫

財団法人建材試験センター