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A 1509-10:2020  

(1) 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 試験・測定の原理 ············································································································· 2 

5 器具······························································································································· 2 

6 試験溶液························································································································· 2 

7 試料······························································································································· 2 

8 手順······························································································································· 2 

8.1 試料の前処理 ················································································································ 2 

8.2 試験溶液への浸せき(漬) ······························································································ 2 

8.3 試料の観察 ··················································································································· 3 

9 結果の表示 ······················································································································ 3 

10 試験記録 ······················································································································· 3 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 4 

附属書JB(参考)技術上重要な改正に関する新旧対照表 ····························································· 6 

A 1509-10:2020  

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,全国タイル工

業組合(JCTMA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を改正すべきとの申出があり,日本産業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規格である。これによって,JIS A 1509-10:2014

は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS A 1509の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS A 1509-1 第1部:抜取検査 

JIS A 1509-2 第2部:寸法・形状の測定方法 

JIS A 1509-3 第3部:吸水率,見掛け気孔率及びかさ密度の測定方法 

JIS A 1509-4 第4部:曲げ破壊荷重及び曲げ強度の測定方法 

JIS A 1509-5 第5部:床タイルの耐素地摩耗性試験方法 

JIS A 1509-6 第6部:床タイルの耐表面摩耗性試験方法 

JIS A 1509-7 第7部:耐熱衝撃性試験方法 

JIS A 1509-8 第8部:施ゆうタイルの耐貫入性試験方法 

JIS A 1509-9 第9部:耐凍害性試験方法 

JIS A 1509-10 第10部:耐薬品性試験方法 

JIS A 1509-11 第11部:施ゆうタイルから溶出する鉛及びカドミウムの定量方法 

JIS A 1509-12 第12部:耐滑り性試験方法 

JIS A 1509-13 第13部:ユニットタイルの品質試験方法 

日本産業規格          JIS 

A 1509-10:2020 

セラミックタイル試験方法− 

第10部:耐薬品性試験方法 

Test methods for ceramic tiles- 

Part 10: Determination of chemical resistance 

序文 

この規格は,2016年に第2版として発行されたISO 10545-13を基とし,国内の実状を反映させるため,

技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。また,技術上重要な改正に関する旧JISとの対比を附属書

JBに示す。 

適用範囲 

この規格は,セラミックタイル(以下,タイルという。)の常温(5〜35 ℃)における耐薬品性試験方法

について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 10545-13:2016,Ceramic tiles−Part 13: Determination of chemical resistance(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 1509-1 セラミックタイル試験方法−第1部:抜取検査 

JIS A 5209 セラミックタイル 

JIS K 8116 塩化アンモニウム(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8283 くえん酸一水和物(試薬) 

JIS K 8574 水酸化カリウム(試薬) 

用語及び定義 

この規格で用いる用語及び定義は,JIS A 5209による。 

A 1509-10:2020  

試験・測定の原理 

試験溶液中にタイルを一定時間浸せき(漬)して外観の変化を調べることによって,タイルの耐薬品性

を評価する。 

器具 

ほうけい酸ガラス又は他の耐薬品性に優れた材質の蓋付きの容器。 

試験溶液 

6.1 

塩化アンモニウム溶液 JIS K 8116に規定する塩化アンモニウムの特級100 gを蒸留水又はイオン交

換水1 000 mLに溶解したもの。 

6.2 

塩酸溶液 JIS K 8180に規定する塩酸の特級1容に蒸留水又はイオン交換水10容を加え,約3 %に

したもの。 

6.3 

くえん酸溶液 JIS K 8283に規定するくえん酸一水和物の特級100 gを蒸留水又はイオン交換水

1 000 mLに溶解したもの。 

6.4 

水酸化カリウム溶液 JIS K 8574に規定する水酸化カリウムの特級30 gを蒸留水又はイオン交換水

1 000 mLに溶解したもの。 

6.5 

次亜塩素酸ナトリウム溶液 工業用又はそれと同等の次亜塩素酸ナトリウムを用いて有効塩素濃度

2.0 g/Lに調製したもの。 

試料 

それぞれの試験溶液ごとに,JIS A 1509-1に規定する数の全形タイルを用いる。ただし,試料の試験溶

液への浸せき(漬)を8.2 c) によって行う場合は,8.3における比較用試料として,必要な数の全形タイ

ルを用意する。タイルは,必要に応じて器具に適した寸法に切断して用いてもよい。また,意匠(色調,

光沢など)の違いがあるタイルは,全ての要素が試験溶液に浸せき(漬)されるように調製する。 

なお,8.2 a)〜c) に規定する試料の試験溶液への浸せき(漬)の方法に応じて,試料の用意及び必要な

調製を行う。 

手順 

8.1 

試料の前処理 

試料は,必要に応じて中性洗剤又はアルコールを使用して洗浄し,乾燥させる。 

8.2 

試験溶液への浸せき(漬) 

試験溶液の入った蓋付きの容器内に,試料表面が他の試料及び容器に接触しないように置き,蓋で覆っ

て常温(5〜35 ℃)で約8時間保持する。 

このとき,試料の試験溶液への浸せき(漬)は,次のいずれかによる。 

なお,a)〜c) のいずれの場合も,浸せき(漬)部分,及び非浸せき(漬)部分又は比較用試料は,意匠

(色調,光沢など)の全ての要素が含まれなければならない。 

a) 試料表面の約半分を試験溶液に浸せき(漬)する。 

b) 試料を2辺に切断し,1片の全部分を試験溶液に浸せき(漬)し,もう1片を8.3における比較用試料

とする。 

c) 試料の全部分を試験溶液に浸せき(漬)する。 

A 1509-10:2020  

8.3 

試料の観察 

試料を容器から取り出して水洗いし,乾燥させた後,目視観察によって,試料表面の浸せき(漬)部分

と非浸せき(漬)部分又は比較用試料とを比較し,浸せき(漬)部分の変化の有無を調べる。 

結果の表示 

試験溶液ごと,試料ごとに,意匠(色調,光沢など)の変化の有無を記録する。 

10 

試験記録 

試験記録には,次の事項のうち,必要な事項を記載する。 

a) 試験材料の概要(種類,形状・寸法,品名など) 

b) 試験溶液の種類 

c) 試料の数 

d) 各試料の意匠(色調,光沢など)の変化の有無 

e) その他必要な事項 

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A 1509-10:2020  

附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS A 1509-10:2020 セラミックタイル試験方法−第10部:耐薬品性試験方法 

ISO 10545-13:2016,Ceramic tiles−Part 13: Determination of chemical resistance 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲 セラミックタイル

の耐薬品性試験方
法について規定 

一致 

2 引用規格  

3 用語及び
定義 

− 

− 

追加 

ISO規格には用語の定義がないが,
本文中に出てくる用語は関連規格
であるJIS A 5209(セラミックタイ
ル)によることとした。 

6 試験溶液 試験溶液について

規定 

JISとほぼ同じ 

変更 

JISでは,塩酸,水酸化カリウム及
び乳酸の高濃度溶液については規
定していない。 
 
次亜塩素酸ナトリウム溶液につい
ては,JIS独自に高濃度へ変更した。 

ISO規格も要求があった場合に適
用する試験としており,特殊な濃
度(使用場面)での試験を規定す
る必要はないとした。 
ISO規格ではプールに使われる濃
度を想定した試験であるが,国内
では水周りの除菌などに次亜塩素
酸ナトリウムを含んだ高い濃度の
洗剤が使用されることから,日本
の実状に合わせた濃度に変更し
た。 

7 試料 


6.2 

JISとほぼ同じ 

変更 

JISでは,器具に必要な大きさに切
断可能に変更した。 

大型タイルは切断しないと装置に
納まらない可能性があるため。 

 
 

2

A

 1

5

0

9

-1

0

2

0

2

0

background image

A 1509-10:2020  

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

8 手順 

8.1 試料の前処理 

7.3 

JISとほぼ同じ 

変更 

エタノールを中性洗剤とアルコー
ルに変更した。 

処理結果に影響がないため。 

8.2 試験溶液への浸
せき(漬) 

8.1 

JISとほぼ同じ 

変更 

溶液中に保持する温度・時間を変更
した。 

常温でも影響はないため。 
ISO規格では試験時間が長期にわ
たるため,旧JISに合わせた。 

変更 

ISO規格では,溶液を満たしたシリ
ンダーを試料表面に立てる方法と
溶液へ部分浸せき(漬)する方法と
を規定しているが,JISでは後者を
採用した。 

試験の合理化及び効率化のため,
簡便な方法を採用した。また,旧
JISでもこの方法を採用していた
ため。 

8.3 試料の観察 

変更 

水洗いの条件を削除し,乾燥温度を
削除した。 

結果に影響がないため。 

9 結果の表
示 

意匠(色調,光沢な
ど)の変化の有無を
記録する。 

8.2 

JISとほぼ同じ 

変更 

ISO規格では,目視検査での判定後
にさらに,その結果を細分すること
で変化の度合いをA〜Cにクラス
分けしているが,JISでは目視検査
によって,その変化の有無を判定す
るだけとした。 

適切な試験者であれば,目視判定
だけで変化の有無は判別でき,ユ
ーザ側の品質要求としてもそれ以
上の細分は必要ないため。 

10 試験記
録 

JISとほぼ同じ 

変更 

規定項目のうち,必要な項目を選択
できるようにした。 

国内の実情に合わせて,必要な項
目を選択できる自由度をもたせた
ため。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 10545-13:2016,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 一致 ················ 技術的差異がない。 
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

2

A

 1

5

0

9

-1

0

2

0

2

0

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A 1509-10:2020  

附属書JB 

(参考) 

技術上重要な改正に関する新旧対照表 

現行規格(JIS A 1509-10:2020) 

旧規格(JIS A 1509-10:2014) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

6.5 次亜
塩素酸ナ
トリウム
溶液 

工業用又はそれと同等の次亜塩素酸ナトリウムを用い
て有効塩素濃度2.0 g/Lに調製したもの。 

6.5 次亜
塩素酸ナ
トリウム
溶液 

工業用又はそれと同等の次亜塩素酸ナトリウムを用い
て有効塩素20 mg/lの濃度に調製したもの。 

水周りなどに使用される
洗剤などを想定し,実状
に合わせた濃度に変更し
た。 

7 試料 

それぞれの試験溶液ごとに,JIS A 1509-1に規定する数
の全形タイルを用いる。ただし,試料の試験溶液への
浸せき(漬)を8.2 c) によって行う場合は,8.3におけ
る比較用試料として,必要な数の全形タイルを用意す
る。ただし,タイルは,必要に応じて器具に適した寸
法に切断して用いてもよい。また,意匠(色調,光沢
など)の違いがあるタイルは,全ての要素が試験溶液
に浸せき(漬)されるように調製する。 
なお,8.2 a)〜c) に規定する試料の試験溶液への浸せき
(漬)の方法に応じて,試料の用意及び必要な調製を
行う。 

7 試料 

それぞれの試験溶液ごとに,JIS A 1509-1に規定する数
の全形タイルを必要に応じて器具に適した寸法に切断
して用いる。ただし,一辺は切断しないようにし,ま
た,無ゆうタイルの場合は,必ず一辺は切断する。 

ISO規格に合わせ施ゆう
無ゆうの区別をなくし,
表面だけの観察としたた
め,関連する規定を削除
した。 
小さいサイズが多い国内
の事情を鑑み,試験の合
理化・効率化のため,サ
ンプル及び浸せき(漬)
方法に自由度をもたせ
た。 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

2

A

 1

5

0

9

-1

0

2

0

2

0

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A 1509-10:2020  

現行規格(JIS A 1509-10:2020) 

旧規格(JIS A 1509-10:2014) 

改正理由 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条番号 
及び題名 

内容 

8.2 試験
溶液への
浸せき
(漬) 

試験溶液の入った蓋付きの容器内に,試料表面が他の
試料及び容器に接触しないように置き,蓋で覆って常
温(5〜35 ℃)で約8時間保持する。 

このとき,試料の試験溶液への浸せき(漬)は,次

のいずれかによる。 

なお,a)〜c) のいずれの場合も,浸せき(漬)部分,

及び非浸せき(漬)部分又は比較用試料は,意匠(色
調,光沢など)の全ての要素が含まれなければならな
い。 
a) 試料表面の約半分を試験溶液に浸せき(漬)する。 
b) 試料を2辺に切断し,1片の全部分を試験溶液に浸

せき(漬)し,もう1片を8.3における比較用試料
とする。 

c) 試料の全部分を試験溶液に浸せき(漬)する。 

8.2 試験
溶液への
浸せき
(漬) 

試験溶液の入った蓋付きの容器内に,試料が互いに接
触しないように置き,蓋で覆って常温で約8時間保持
する。このとき,タイル表面,切断面及び非切断面の
約半分が溶液中に浸った状態になるようにする。ただ
し,施ゆうタイルの場合の切断面は,この限りではな
い(図1参照)。 
なお,試料の大きさ又は形状によって約半分を浸せき
(漬)することが困難な場合,試料を半分に切断し,
片方の試料の全部分を試験溶液に浸せき(漬)し,8.3
でもう一方の試料と比較対照して変化の有無を調べ
る。 

7に同じ 

8.3 試料
の観察 

試料を容器から取り出して水洗いし,乾燥させた後,
目視観察によって試料表面の浸せき(漬)部分と非浸
せき(漬)部分又は比較用試料とを比較し,浸せき(漬)
部分の変化の有無を調べる。 

8.3 試料
の観察 

試料を容器から取り出して水洗いし,乾燥させた後,
目視で観察し,浸せき(漬)した試料の表面,非切断
面及び切断面の変化の有無を調べる。 
なお,切断面の観察は,無ゆうタイルに適用する。 

ISO規格に合わせ,切断
面及び非切断面の観察が
なくなったため。 

9 結果の
表示 

試験溶液ごと,試料ごとに,意匠(色調,光沢など)
の変化の有無を記録する。 

9 結果の
表示 

試験結果の表示は試験溶液ごと,試料ごとに,表1に
示す3段階のクラスに分類して表す。 

表1−耐薬品性のクラス分類 

切断面,非切断面及び表面の 

変化の有無 

クラス 

変化が認められない。 

切断面だけに変化が認められる。 

切断面・非切断面・表面に変化が
認められる。 

ユーザ側の品質要求とし
てそれ以上のクラス分類
は必要ないため。 

2

A

 1

5

0

9

-1

0

2

0

2

0