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A 1493

:2014

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語,定義,記号及び単位

2

3.1

  用語及び定義

2

3.2

  記号及び単位

2

3.3

  添え字

2

4

  測定原理

2

4.1

  一般

2

4.2

  日射取得熱量の測定

3

4.3

  貫流熱量の決定

4

4.4

  熱貫流率の測定

4

5

  測定装置及び試験体

5

5.1

  測定装置の構成及び概要

5

5.2

  日射照射装置(ソーラシミュレータ)

5

5.3

  恒温室

5

5.4

  計測箱

6

5.5

  試験体取付パネル

6

5.6

  校正板

6

5.7

  温度及び照射日射の測定位置

6

5.8

  試験体

7

6

  測定手順

7

6.1

  室内外表面熱伝達率の設定

7

6.2

  測定の実施

8

7

  報告書

8

7.1

  報告書の内容

8

7.2

  不確かさの推定

9

附属書 A(規定)空気温度による表面熱伝達率の算出方法

10

附属書 B(参考)試験体取付パネルの作成例及び熱量の算出方法

11

附属書 C(参考)測定と不確かさの計算例

13


A 1493

:2014

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 A

1493

:2014

窓及びドアの熱性能−日射熱取得率の測定

Thermal performance of windows and doors-

Determination of solar heat gain coefficient

1

適用範囲

この規格は,窓及びドア,並びに窓に日射遮蔽物を附属する場合の日射熱取得率の測定方法について規

定する。

この規格は,次のものに適用できる。

−  様々なタイプのグレージング(単層又は複層,ガラス又はプラスチック,低放射率コーティングの有

無,日射調整フィルムの有無及び空気又は他の気体を封入した中空層をもつもの)

−  窓又はドア内の不透明パネル

−  様々なタイプのフレーム[木製,樹脂製,金属製(熱遮断構造を含む。

,その他材料を任意に組み合

わせたもの]

−  様々なタイプの日射遮蔽物(ブラインド,スクリーン,紙障子,その他日よけの効果のある附属物)

この規格には,次の事項は含まない。

−  ひさし(庇)

,袖壁など建築部位による日射遮蔽効果

−  漏気による熱移動

−  二重窓及び複合窓における中間空気層の換気

−  窓若しくはドアのフレームと建物外壁との間の戸じゃくり又は接合部の熱橋作用

この規格は,次のものには適用できない。

−  出窓

−  カーテンウォール及び他の構造用グレージング

−  産業用,商業用及びガレージ用ドア

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS A 0202

  断熱用語

JIS A 1420

  建築用構成材の断熱性測定方法−校正熱箱法及び保護熱箱法

JIS A 2103

  窓及びドアの熱性能−日射熱取得率の計算

JIS A 4710

  建具の断熱性試験方法

JIS C 8912

  結晶系太陽電池測定用ソーラシミュレータ

JIS R 3106

  板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法


2

A 1493

:2014

3

用語,定義,記号及び単位

3.1

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 0202JIS A 1420JIS A 2103JIS A 4710 及び JIS C 8912

による。

3.2

記号及び単位

この規格で用いる記号及び単位は,

表 による。

表 1−記号及び単位

記号

単位

A

h

I

Q 
U

W

H

η 
θ 

面積

熱伝達率

照射強度 
熱量

熱貫流率

幅 
高さ

日射熱取得率

セルシウス温度

m

2

W/(m

2

・K)

W/m

2

W

W/(m

2

・K)

m

m

3.3

添え字

添え字は,

表 による。

表 2−添え字

B

C

ex

g

Gain

I

in

計測箱周壁 4 面 
冷却板

屋外側

グレージング 
照射日射取得

ファン・ヒータ

室内側

N

ne

ni

P

Solar

r

W

照射日射なし 
屋外側環境

室内側環境

試験体取付パネル
照射日射

a)

反射

試験体

a)

“照射日射”は,

“照射された日射”を示す。また,

“日射照射”は,

“日射を照射する”を示す。

4

測定原理

4.1

一般

窓及びドアの日射熱取得率の測定は,二つの段階によって行う。第 1 段階は,照射日射がある場合に試

験体を通して計測箱に流れる熱量(照射日射取得熱量+貫流熱量)の測定である。第 2 段階は,照射日射

がない場合に試験体の内外温度差によって流れる熱量(貫流熱量)の測定である。照射日射熱量は,第 1

段階の測定において試験体直前の放射強度計によって決定する。照射日射取得熱量は,第 1 段階で測定し

た熱量と第 2 段階で測定した熱貫流率を用いて算出した貫流熱量との差として決定する。窓及びドアの日

射熱取得率(η

(日射侵入率と同義)は,照射日射取得熱量の照射日射熱量に対する比であるから,日射

遮蔽物の有無にかかわらず式(1)によって求められる。

Solar

Gain

Q

Q

η

=

  (1)

ここに,  Q

Gain

照射日射取得熱量(W)


3

A 1493

:2014

Q

Solar

照射日射熱量(W)

照射日射によって生じる熱伝達率の変化等の影響は,全て日射熱取得率に含まれるものとする。

4.2

日射取得熱量の測定

照射日射がある場合に測定する熱量の内訳を,

図 に示す。

Q

Solar

Q

Gain

Q

C

Q

I

Q

B

Q

W

Q

P

図 1−照射日射がある場合に測定する熱量の内訳

注記  図 は,室内側環境温度より屋外側環境温度が高い夏期条件の場合を示している。冬期条件の

場合は,計測箱内外の温度が逆転するため試験体及び試験体取付パネルの貫流熱流方向が逆に

なる。

照射日射熱量(Q

Solar

)は,式(2)によって求められる(

図 参照)。

g

r

W

Solar

Solar

A

I

A

I

Q

×

×

=

  (2)

ここに,

I

Solar

照射強度(W/m

2

A

W

試験体面積(伝熱開口面積)

(m

2

I

r

計測箱内で反射された後,計測箱外へ透過する日射強度
(W/m

2

A

g

グレージング面積(m

2

計測箱内表面を艶消し黒色仕上げとすることで,計測箱内で反射された後,計測箱外へ透過する日射強

度を無視できる程度に小さくできる(

I

r

≒0)

。これによって,照射日射熱量(

Q

Solar

)は,式(2)の右辺第 2

項を 0 とした式(3)によって求められる。

W

Solar

Solar

A

I

Q

×

=

(3)

照射日射取得熱量(

Q

Gain

図 参照)は,試験体を通して計測箱に流れる熱量と内外温度差による貫流

熱量(

Q

W

)との差であるから,式(4)によって求められる。

W

P

I

B

C

Gain

Q

Q

Q

Q

Q

Q

=

  (4)

ここに,

Q

C

冷却板によって除去される熱量(W)

Q

B

計測箱周壁 4 面から流入する熱量(W)

Q

I

ファン・ヒータによって供給される熱量(W)

Q

P

試験体取付パネルから流入する熱量(W)

Q

W

照射日射がある場合の試験体の貫流熱量(W)

Q

B

:計測箱周壁 4 面から流入する熱量

Q

C

:冷却板によって除去される熱量

Q

Gain

:照射日射取得熱量

Q

I

:ファン・ヒータによって供給される熱量

Q

P

:試験体取付パネルから流入する熱量

Q

Solar

:照射日射熱量

Q

W

:照射日射がある場合の試験体の貫流熱量

熱流計

屋外側

バッフル

室内側

バッフル

ファン・ヒータ

冷却板


4

A 1493

:2014

4.3

貫流熱量の決定

照射日射がある場合の試験体の貫流熱量(

Q

W

)は,式(5)によって求められる。

(

)

ni

ne

W

N

W

θ

θ

×

×

=

A

U

Q

  (5)

ここに,

U

N

照射日射がない場合の試験体の熱貫流率[W/(m

2

・K)]

θ

ne

照射日射がある場合の屋外側環境温度(℃)

θ

ni

照射日射がある場合の室内側環境温度(℃)

注記  環境温度は,空気温度とみなしてもよい。

4.4

熱貫流率の測定

照射日射がない場合の試験体の熱貫流率(

U

N

)は,式(6)によって求められる。

(

)

ni

ne

W

W

N

1

A

Q’

U

θ

θ −

×

=

  (6)

ここに,  Q’

W

: 照射日射がない場合の試験体の貫流熱量(W)

θ’

ne

照射日射がない場合の屋外側環境温度(℃)

θ’

ni

照射日射がない場合の室内側環境温度(℃)

注記  環境温度は,空気温度とみなしてもよい。

照射日射がない場合に測定する熱量の内訳を,

図 に示す。

Q’

C

Q’

B

Q’

W

Q’

P

Q’

I

図 2−照射日射がない場合に測定する熱量の内訳

注記  図 は,室内側環境温度より屋外側環境温度が高い夏期条件の場合を示している。冬期条件の

場合は,計測箱内外の温度が逆転するため試験体及び試験体取付パネルの貫流熱流方向が逆に

なる。

照射日射がない場合の試験体の貫流熱量(Q’

W

)は,式(7)によって求められる。

P

I

B

C

W

Q’

Q’

Q’

Q’

Q’

=

  (7)

ここに,

Q’

C

冷却板によって除去される熱量(W)

Q’

B

計測箱周壁 4 面から流入する熱量(W)

Q’

I

ファン・ヒータによって供給される熱量(W)

Q’

P

試験体取付パネルから流入する熱量(W)

Q’

B

:計測箱周壁 4 面から流入する熱量

Q’

C

:冷却板によって除去される熱量

Q’

I

:ファン・ヒータによって供給される熱量

Q’

P

:試験体取付パネルから流入する熱量

Q’

W

:照射日射がない場合の試験体の貫流熱量

熱流計

屋外側

バッフル

室内側

バッフル

ファン・ヒータ

冷却板


5

A 1493

:2014

5

測定装置及び試験体

5.1

測定装置の構成及び概要

5.1.1

測定装置の構成

測定装置は,日射照射装置,恒温室及び計測箱によって構成する。測定装置の全体構成を,

図 に示す。

図 3−測定装置の全体構成

5.1.2

測定装置の概要

測定装置の概要は,次による。

a)

日射照射装置で射出された光は,光導入窓,屋外側バッフルを通過し,試験体に照射される。試験体

を透過した光は,室内側バッフルを透過し,冷却板に吸収される。

b)

恒温室には,日射照射装置の光を試験体に照射するための光導入窓を設置する。

c)

試験体の恒温室側には,高透過ガラス製のバッフルを設置し,バッフルと試験体との間の熱伝達率を

設定するために,気流発生装置を設置する。

d)

計測箱の試験体との対向面には,侵入した熱を除去するために冷却板を設置する。計測箱及び試験体

取付パネルの計測箱内部の表面全面には,熱流計を貼付する。

e)

室内側バッフルは,計測箱内部に透過した光を冷却板に吸収させるために高透過ガラス製とする。

f)

室内側バッフル下部には,バッフルと試験体との間の熱伝達率の調整及び温度の制御のためのファ

ン・ヒータを設置する。

5.2

日射照射装置(ソーラシミュレータ)

JIS C 8912

に規定する等級 B 以上の連続光形キセノンランプソーラシミュレータを用いる。ただし,最

大入射角及び有効照射面は,次による。

a)

最大入射角  試験体への最大入射角は,10°以内とする。

b)

有効照射面  有効照射面の幅及び高さは,試験体幅(

W

W

)及び試験体高さ(

H

W

)の各々の寸法の 105 %

以上となるようにする。

5.3

恒温室

屋外側を模擬した恒温室は,次の光導入窓,気流発生装置及び屋外側バッフル並びに試験体取付パネル

用の開口で構成し,屋外側バッフルと試験体及び試験体取付パネルとの間に

表 に示す屋外側環境条件を

維持する(

図 参照)。

a)

光導入窓  恒温室を通して試験体に照射光を入射するために光導入窓を設置する。光導入窓は,高透

過ガラス製とする。高透過ガラスの仕様は,次による。


6

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1)  JIS R 3106

による日射透過率が 88.0 %以上のもの

2)  JIS R 3106

付表 2(日射透過率,日射反射率及び日射吸収率を計算するための重価係数)の波長

のうち 380∼2 100 nm の範囲での分光透過率の最大値と最小値との差が 0.050 以下のもの

b)

気流発生装置  屋外側バッフルと試験体及び試験体取付パネルとの間の屋外側表面熱伝達率を維持す

るために気流発生装置を設置する。気流は,屋外側バッフル,試験体及び試験体取付パネルと平行流

とし,

表 に示す屋外側表面熱伝達率を維持できる適切な風速を与える。

c)

屋外側バッフル  試験体及び試験体取付パネルとの間に表 に示す屋外側環境条件を形成し,維持す

るために屋外側バッフルを設置する。屋外側バッフルは,高透過ガラス製とする。

5.4

計測箱

室内側を模擬した計測箱は,次の冷却板,室内側バッフル及びファン・ヒータで構成し,室内側バッフ

ルと試験体及び試験体取付パネルとの間に

表 に示す室内側環境条件を維持する(図 参照)。

内部の表面には,熱流計を貼付して計測箱全体の熱流を測定する。使用する熱流計は,日射吸収率 0.90

以上及び艶消しの仕上げとする。

注記  熱流計については,JIS A 1412-2 の附属書 C(熱流計の校正及び装置の設計)及び附属書 D(熱

流計)を参照するとよい。

a)

冷却板  試験体対向面には,日射熱及び貫流熱を除去するために冷却板を設置する。冷却板の表面に

は,熱流計を貼付して除去熱量を測定する。冷却板の裏面には,室温より低めに設定した冷媒を循環

させる。室温は,後述のヒータによって制御する。

b)

室内側バッフル  試験体及び試験体取付パネルとの間に表 に示す室内側環境条件を形成し,維持す

るために室内側バッフルを設置する。室内側バッフルは,高透過ガラス製とする。

c)

ファン・ヒータ  バッフル下部には,熱伝達率の調整と温度の制御のためにファン・ヒータを設置す

る。ファン・ヒータは,調節可能とし,

表 に示す室内側環境条件を維持する。

5.5

試験体取付パネル

試験体取付パネルは,

恒温室側と計測箱側とを隔て,

試験体を正確な位置に取り付けるために使用する。

試験体取付パネルの計測箱側の表面には,通過する熱量を測定するために全面に熱流計を貼付する。使

用する熱流計は,日射吸収率 0.90 以上及び艶消しの仕上げとする。

試験体取付パネルの恒温室側の表面は,照射光の反射防止のために日射吸収率 0.90 以上及び艶消しの仕

上げとし,吸収した熱の排出を促進する工夫をしなければならない。試験体取付パネルの作成例を,

附属

書 に示す。

5.6

校正板

校正板は,試験体とほぼ同様な大きさとする。校正板は,表面熱伝達率の測定条件を設定するために用

いる。

校正板は,JIS A 4710 による。

5.7

温度及び照射日射の測定位置

温度及び照射日射の測定位置は,次による。

a)

校正板は,恒温室側及び計測箱側の表面温度を測定する。校正板の測定点は,最低でも等面積に 9 分

割した長方形の中心に 9 点とする(

図 参照)。

b)

空気温度及びバッフル板の表面温度の測定は,校正板の表面温度の測定と同様な位置とする。

c)

空気温度の測定位置は,恒温室側及び計測箱側共に試験体取付パネル表面から 100 mm 程度離れた位

置とする。


7

A 1493

:2014

d)

照射日射熱量(

Q

Solar

)の測定のために放射強度計を恒温室側に照射日射の光源と正対させて設置する。

測定位置は,温度センサに影を落とさない試験体の中央付近かつ試験体取付パネル表面から 50 mm 程

度離れた位置とする(

図 参照)。

e)

温度センサは,可能な限り照射日射による影響を排除する工夫をしなければならない。

f)

放射強度計は,直達日射計などを用いる。

図 4−温度及び照射日射の測定位置

5.8

試験体

試験体は,実際の施工に準じて試験体取付パネルの開口部に気密に取り付ける。

試験体取付パネルと試験体のフレームとの隙間は 5 mm 以下とし,試験体取付パネルと試験体との接合

周辺は,両側ともテープ,コーキング又はマスキング材料でシールする。試験体の取付方法と伝熱開口寸

法の取り方は,JIS A 4710 

附属書 3(試験体の取付方法と伝熱開口寸法の取り方)による。

6

測定手順

6.1

室内外表面熱伝達率の設定

表面熱伝達率の設定は,照射日射がない条件で行う。

表面熱伝達率の設定には,5.6 に規定する校正板を用いる。

表面熱伝達率の設定値の算出には,空気温度又は環境温度による方法を用いる。空気温度による表面熱

伝達率の算出方法は,

附属書 に規定する。環境温度による表面熱伝達率の算出方法は,JIS A 4710 の附

属書 1(環境温度の求め方)による。

なお,校正板の通過熱量と,ファン・ヒータによる供給熱量,試験体取付パネル及び計測箱内に貼付し

た熱流計の熱収支とが合致していることを確認する。

100

100

50

試験体

試験体取付パネル

A

A

A-A

断面図

屋外側バッフル

室内側バッフル

×:温度センサ 
○:放射強度計

室内(計測箱)側

屋外(恒温室)側

単位  mm


8

A 1493

:2014

室内外の表面熱伝達率は,恒温室側の気流発生装置及び計測箱側のファンによって

表 の環境条件にな

るように調整する。

表面熱伝達率の設定値と

表 に示す環境条件との許容差は,±10 %とする。調整した気流発生装置及び

ファンの運転は一定とし,以降全ての測定を行う。

表 3−環境条件

項目

夏期条件

a)

冬期条件

a)

室温 θ

in

℃ 25

20

外気温 θ

ex

℃ 30 0

室内側表面熱伝達率 h

si

 W/(m

2

・K)

8 8

屋外側表面熱伝達率 h

se

 W/(m

2

・K)

14 24

照射日射強度

b)

 I

Solar

 W/m

2

 500  300

a)

窓及びドアに求められる性能は,夏期は日射遮蔽,冬期は日射熱取得で

ある。このため,この規格では,各々の環境条件について規定する。

b)

照射日射は,試験体面に対して垂直に入射させる。夏期条件における照
射日射強度(I

Solar

)は,日射照射装置の能力上困難な場合には 400 W/m

2

以上かつ日射照射装置で可能な最大照射強度としてもよい。

6.2

測定の実施

測定は,

表 に示す環境条件によって照射日射がある場合及び照射日射がない場合のそれぞれについて

行う。

測定の際の室内外空気温度差の許容値は,設定値±2  ℃とする。

試験体表面及びバッフル表面の温度を測定する場合の測定点は,空気温度と同様な位置とする。

なお,結露などの影響が生じないよう恒温室及び計測箱の相対湿度は,十分に低く保たなければならな

い。

試験体を通過する熱量などは,箇条 に示すとおりである。

日射熱取得率を求めるために必要なパラメータは,十分熱移動が安定した後に測定器で可能な最短の間

隔で 10 分間以上かつ 120 回以上の測定の平均値とする。

7

報告書

7.1

報告書の内容

試験報告書には,次の事項を記載する。

a)

規格番号及び測定名

b)

測定を行った組織名

c)

測定年月日

d)

環境条件

e)

試験体に関する必要な事項

1)

フレーム,グレージング,日射遮蔽物,不透明パネル等の名称,種類,幅,高さ,厚さ,材質,色

等の仕様

2)

試験体取付納まり図(正面図,側面断面図)

,写真など

f)

測定結果

測定結果は,

表 に示す値を提示する。日射熱取得率は,小数点以下 2 桁とする。


9

A 1493

:2014

表 4−提示する測定結果

項目

夏期条件又は冬期条件

照射日射あり

照射日射なし

日射熱取得率 η

熱貫流率 U

N

 W/(m

2

・K)

試験体幅(伝熱開口幅)W

W

 m

試験体高さ(伝熱開口高さ)H

W

 m

試験体面積(伝熱開口面積)A

W

m

2

グレージング面積比 A

g

/A

W

照射日射熱量 Q

Solar

 W

照射日射取得熱量 Q

Gain

 W

試験体貫流熱量 Q

W

Q’

W

 W

屋外側環境温度 θ

ne

θ’

ne

室内側環境温度 θ

ni

θ’

ni

7.2

不確かさの推定

測定の不確かさを評価する場合には,次の不確かさの寄与成分(標準不確かさ)を含める。

a)

測定装置及び測定方法に関わる不確かさ(測定装置の検証,測定方法の校正の不確かさを含む。

b)

日射照射装置の点灯条件に関わる不確かさ(時間変動率,場所むらなど)

c)

測定方法に関わる不確かさ(測定を行う場合の条件のばらつきなど)

注記  不確かさの評価手順は,ISO/IEC Guide 98-3 に記載している。

測定の不確かさを記載する場合は,

表 の測定結果と合わせて記載し,約 95 %信頼の水準にふさわしい

拡張不確かさとともに報告する。

注記  測定と不確かさの計算例を,附属書 に示す。


10

A 1493

:2014

附属書 A

規定)

空気温度による表面熱伝達率の算出方法

A.1

一般

6.1

に規定する室内外表面熱伝達率の設定に用いる空気温度による表面熱伝達率の算出方法を規定する。

A.2

表面熱伝達率の算出方法

表面熱伝達率の算出には,照射日射がない場合の測定値を用いる。

屋外側表面熱伝達率(

h

se

)及び室内側表面熱伝達率(

h

si

)は,式(A.1)及び式(A.2)によって求められる。

(

)

se

ex

cal

cal

se

θ

θ

×

=

A

Q

h

  (A.1)

(

)

in

si

cal

cal

si

θ

θ

×

=

A

Q

h

  (A.2)

ここに,

h

se

屋外側表面熱伝達率[W/(m

2

・K)]

h

si

室内側表面熱伝達率[W/(m

2

・K)]

Q

cal

校正板貫流熱量(W)

A

cal

校正板面積(伝熱開口面積)

(m

2

θ

ex

屋外側空気温度(℃)

θ

in

室内側空気温度(℃)

θ

se

屋外側校正板表面温度(℃)

θ

si

室内側校正板表面温度(℃)

校正板貫流熱量(

Q

cal

)は,式(A.3)によって求められる。

(

)

cal

si

se

cal

cal

R

A

Q

θ

θ

×

=

   (A.3)

ここに,

R

cal

校正板の熱抵抗(m

2

・K/W)

校正板の熱抵抗(

R

cal

)は,式(A.4)によって求められる。

=

j

j

cal

λ

d

R

   (A.4)

ここに,

d

j

校正板の厚さ(m)

λ

j

校正板の熱伝導率[W/(m・K)]


11

A 1493

:2014

附属書 B

参考)

試験体取付パネルの作成例及び熱量の算出方法

B.1

一般

5.5

に規定する試験体取付パネルの作成例を示す。また,パネル部の通過熱量の算出方法を示す。

B.2

試験体取付パネルの作成例

試験体取付パネルの断面図及び内観姿図の例を,

図 B.1 に示す。

試験体取付パネルの恒温室側の表面は,照射光の反射防止のために日射吸収率 0.90 以上及び艶消しに仕

上げた遮蔽板を設ける。また,遮蔽板で吸収した熱の排出を促進し,試験体取付パネルから計測箱へ流入

する熱量を少なくするために,遮蔽板の背面に通気層を設ける。遮蔽板は,通常の外壁が納まる状態と同

等となることが望ましい。そのため,フレームが本来日射を受照しない範囲は,遮蔽板で覆わなければな

らない。

計測箱側の表面には,試験体取付パネルを通過する熱量を測定するために全面に熱流計を貼付する。そ

の際,熱流計は,計測箱内法以内のパネル全面に隙間なく貼付することが望ましい。しかし,試験体の開

口寸法によっては隙間なく熱流計を貼付することが困難となる。その場合は,熱流計をパネル部分の面積

に対して均等になるように貼付する。

試験体取付パネルの芯材は,断熱材を用いると熱移動の安定に時間を要するため,ハニカムコア材など

熱抵抗が比較的大きく熱容量が小さい材質を選定し,短時間で熱移動を安定させることが望ましい。

また,通常フレームの室内側に施工される木額縁を設置する。

B.3

試験体取付パネルを通過する熱量の算出方法

熱流計に隙間がある場合,測定される熱流量は試験体取付パネルの一部分の熱量となるため,パネル全

体に均等に熱流が発生したと仮定して式(B.1)及び式(B.2)によって補正する。

A

p

W

ps

×

H

ps

A

W

  (B.1)

×

=

t

t

p

p

A

Q

A

Q

   (B.2)

ここに,

A

p

計測箱内法の試験体取付パネル面積(m

2

A

W

伝熱開口面積(m

2

A

t

熱流計の面積(m

2

W

ps

計測箱内法幅(m)

H

ps

計測箱内法高さ(m)

Q

p

試験体取付パネル全体の通過熱量(W)

Q

t

熱流計で測定した通過熱量(W)


12

A 1493

:2014

図 B.1−試験体取付パネルの断面図及び内観姿図の例(半外付枠)

通気胴縁

試験体

遮蔽板

試験体取付パネル幅

計測箱内法幅:W

ps

熱流計

熱流計

木額縁

計測箱 
壁厚さ

計測箱 
壁厚さ

恒温室側

計測箱側

伝熱開口幅:W

W

熱流計

芯材(ハニカムコア)

試験体

熱流計

木額縁

計測

壁厚

計測

壁厚

恒温室側

計測箱側

計測箱内法幅:W

ps

試験体取付パネル幅

計測箱
壁厚さ

計測箱
壁厚さ

試験

体取

付パ

ネル

高さ

計測

壁厚

計測

壁厚

伝熱開口

H

W

試験体

取付

パネル

計測箱内法高さ:

H

ps

計測箱内

法高さ

H

ps

●  ●

● 

H

W

H

ps

H

ps


13

A 1493

:2014

附属書 C 

参考)

測定と不確かさの計算例

C.1

一般

測定装置で測定された試験体の日射熱取得率の不確かさは,測定装置,測定条件,測定手順及び試験体

特性に依存する。

特定の測定装置の不確かさを解析することによって,測定の不確かさを確認し,定量化することができ

る。

日射熱取得率の測定結果に関わる不確かさに対する評価手順を測定した日射熱取得率とともに確定し,

報告するべきである。

C.2

基本的な測定の不確かさ

基本的な測定に関わる個々の不確かさは,不確かさの構成要素として適用できる。

基本的な測定の不確かさを増やすために不確かさの各々の測定構成要素は,他の不確かさと組み合わせ

る。日射熱取得率の測定結果に不確かさ伝播を考慮する前に,測定装置に関連する構成要素の不確かさを

調査するべきである。

不確かさ構成要素は,メーカーによって供給される仕様又は一部の国家標準にトレーサブルな校正デー

タを使用している校正結果によって得ることができる。

表 C.1−不確かさ構成要素

不確かさの構成要素

記号

単位

長さ

Δ

P

d m

温度

Δ

P

θ

温度差

Δ

P

δθ K

電圧

Δ

P

V mV

電力

Δ

P

W W

照射強度

Δ

P

I

Solar

 W/m

2

C.3

日射熱取得率の不確かさ伝播

表 C.1 に記載する各々の不確かさ構成要素を日射熱取得率の全体の不確かさに組み込む。

結果(R)が式(C.1)で与えられる量 x

i

i=1, 2,  …, N)に基づくと仮定する。

RR(x

i

)

i=1, 2,  …, N  (C.1)

各々同じ信頼水準 P(例えば,P=95 %)で,x

i

は不確かさ Δ

P

 x

i

である。

i

i

i

x

Δ

x

x

P

±

=

   (C.2)

結果(R)の不確かさは,式(C.3)によって求められる。

=

=

N

1

2

P

i

i

i

x

Δ

x

R

ΔR

   (C.3)

この手順を使用することで一部の中間的な構成要素に対する不確かさと最終的な日射熱取得率に対する

不確かさとを得ることができる。


14

A 1493

:2014

C.4

不確かさの決定例

日射熱取得率(

η

)は,式(1)によって求められる。また,式(1)に必要となる熱貫流率(

U

N

)は,式(6)

によって求められる。

ここで,熱貫流率に対する不確かさを算出する。

表 C.1 の不確かさ構成要素を用いて検討した標準不確かさの例を,表 C.2 に示す。

表 C.2−不確かさ構成要素と標準不確かさ

不確かさの構成要素

記号

標準不確かさ

単位

長さ

Δ

P

d

±0.000 4

m

面積

Δ

P

A

W

±0.001 m

2

温度差

Δ

P

δθ

±0.2 K

電力

Δ

P

W

±1.0 %

W

照射強度

Δ

P

I

Solar

±2.7 %

W/m

2

熱貫流率(

U

N

)のある測定結果によって算出した不確かさの例を,

表 C.3 に示す。また,貫流熱流(

H

N

U

N

/

A

W

)の測定結果によって算出した不確かさの例を,

表 C.4 に示す。

表 C.3−熱貫流率測定のバジェットシート

項目

測定値

感度係数

成分の標準不確かさ

標準不確かさ

単位

Q

C

 

−86.1 0.096

4

0.861

0.083

W

Q

P

 10.5

0.096

4

0.105

0.010  W

Q

B

−10.0 0.096

4

0.100

0.010

W

Q

I

 61.7

0.096

4

0.617

0.059  W

δθ

n

 4.5  0.516

8

0.200

0.103  K

A

W

 2.315 1.000

2

0.001

0.001 m

2

U

N

 2.32

− 0.146

W/(m

2

・K)

表 C.4−貫流熱流のバジェットシート

項目

測定値

感度係数

成分の標準不確かさ

標準不確かさ

単位

Q

C

 

−86.1 0.223

2

0.861

0.192

W

Q

P

 10.5

0.223

2

0.105

0.023  W

Q

B

−10.0 0.223

2

0.100

0.022

W

Q

I

 61.7

0.223

2

0.617

0.138  W

δθ

n

 4.5  1.196

5

0.200

0.239  K

H

N

 5.36

− 0.338

W/K


15

A 1493

:2014

次に,日射熱取得率(

η

)のある測定結果によって算出した不確かさの例を,

表 C.5 に示す。

表 C.5−日射熱取得率のバジェットシート

項目

測定値

感度係数

成分の標準不確かさ

標準不確かさ

単位

Q’

C

−722.9 0.001

0

7.229

0.007 W

Q’

P

8.9

0.001 0

0.089

0.000 1

W

Q’

B

−14.1

0.001 0

0.141

0.000 1

W

Q’

I

30.6

0.001 0

0.306

0.000 3

W

H

N

5.36

0.002 0

0.239

0.000 5

W/K

Δθ’

n

 1.9  0.005

4

0.200

0.001  K

I

Solar

 427.9

0.001

6

11.554

0.019  W/m

2

A

W

2.315

0.299 6

0.001

0.000 3

m

2

η 

0.69

− 0.020

拡張不確かさは,測定の不確かさに包含係数

k

=2 を乗じて求め,0.040(=0.020×2)となる。

よって,

表 C.5 から日射熱取得率(

η

)及び P=95 %の信頼水準の不確かさは次のとおりである。

η

=0.69±0.040,

(P=95 %)

この値は,不確かさ範囲(0.650∼0.730)の中にあって,測定された値から 4.0 %である。

参考文献  ISO/IEC Guide 98-3,Uncertainty of measurement−Part 3: Guide to the expression of uncertainty in

measurement (GUM:1995)

注記  上記ガイドは,TS Z 0033(測定における不確かさの表現のガイド)として公表されて

いる。

JIS A 1412-2

  熱絶縁材の熱抵抗及び熱伝導率の測定方法−第 2 部:熱流計法(HFM 法)