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A 1485

:2006

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人建材試験センター(JTCCM)/財団法

人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

JIS A 1485

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(規定)分析試料作製時におけるフロン放散量の測定・補正方法

附属書 2(参考)分析試料作製時におけるフロン放散量の測定方法


A 1485

:2006

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義,記号及び単位

1

3.1

  定義

1

3.2

  記号及び単位

2

4.

  測定原理

2

5.

  試料の採取及び作製方法

3

5.1

  試料の採取

3

5.2

  試料の移送及び保管

3

5.3

  試料の採取記録

3

5.4

  分析試料の作製方法

3

6.

  加熱抽出装置

4

6.1

  管状炉

4

6.2

  抽出管

4

6.3

  捕集バッグ

4

6.4

  流量計

4

6.5

  密栓(キャップ)

4

6.6

  配管(不活性材料)

5

6.7

  温度計

5

7.

  測定方法

5

7.1

  分析試料のフロン抽出手順

5

7.2

  ガスクロマトグラフ分析法による定性・定量分析

6

8.

  測定結果の算出

7

8.1

  捕集バッグ中のフロン濃度

7

8.2

  分析試料中の補正前フロン含有率

7

8.3

  試料中のフロン含有率

7

9.

  測定精度

7

10.

  報告

7

附属書 1(規定)分析試料作製時におけるフロン放散量の測定・補正方法

9

附属書 2(参考)分析試料作製時におけるフロン放散量の測定方法

10

 


日本工業規格     

JIS

 A

1485

:2006

発泡プラスチック断熱・保温材中のフロン含有率の

測定方法−加熱抽出・ガスクロマトグラフ法

Method for measuring halocarbons in foamed plastics for thermal insulation

−Thermal extraction / gas chromatography

序文  フロン類を発泡剤とした発泡プラスチック断熱・保温材は,優れた断熱特性を示すことから,省エ

ネルギーなどのために建物,配管設備,機器類などの断熱・保温材として多く使用されているが,フロン

類は,種類によってはオゾン層破壊,地球温暖化という環境問題との関連が指摘されている。この規格は,

このような環境問題を背景に,フロン類を使用した断熱材,保温材におけるフロンの種類を特定し,その

含有量を簡便にかつ精度よく測定できるようにすることを目的としている。

1.

適用範囲  この規格は,硬質ウレタンフォーム,吹付け硬質ウレタンフォーム,押出法ポリスチレン

フォームなどのフロン発泡プラスチック断熱・保温材(以下,断熱材という。

)中のフロン類の含有率を加

熱抽出−ガスクロマトグラフ法で測定する方法について規定する。

備考1.  測定対象とするフロン類は,主に CFC-11 (CCl

3

F)

,CFC-12 (CCl

2

F

2

)

,HCFC-141b (CH

3

CCl

2

F)

HCFC-142b (CH

3

CClF

2

)

,HFC-134a (CH

2

FCF

3

)

,HFC-227ea (CF

3

CHFCF

3

)

HFC-245fa (CF

3

CH

2

CF

2

H)

,HFC-365mfc (CF

3

CH

2

CF

2

CH

3

)

などの化学的に安定でガスクロマト

グラフによる分析ができるものとする。

2.

この規格で測定可能なフロン類の含有率は,0.1〜15 %程度である。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0095

  排ガス試料採取方法

JIS K 0114

  ガスクロマトグラフ分析通則

JIS K 0123

  ガスクロマトグラフ質量分析通則

JIS K 0512

  水素

JIS K 1107

  窒素

JIS Z 8401

  数値の丸め方

3.

定義,記号及び単位 

3.1

定義  この規格で用いる主な用語は次による。

a)

試料  建物などに施工された断熱材から採取したもの。

b)

分析試料  試料からフロンを抽出するため,分析用に作製したもの。

c)

試料ガス  分析装置に供することができるように調製したもの。


2

A 1485

:2006

d)

セル  樹脂と発泡剤によって形成された気泡。

e)

抽出管  分析試料を入れ,加熱して断熱材中のフロンを排出させる容器。

3.2

記号及び単位  記号及び単位は,表 による。

  1  記号及び単位

記号

名称

単位

C

1

 

捕集バッグ中のフロン濃度 mg/L

捕集ガス中のフロンのピーク面積

標準ガスで求めた検量線の傾き(A

s

/C

s

) 1/mg/L

C

s

 

標準ガスの濃度 mg/L

A

s

 

標準ガスのピーク面積

C

 

測定フロン含有率(補正前フロン含有率) %

V

1

 

捕集バッグで捕集したガス体積 L

分析試料の質量(浮力などの補正後) mg

M

m

 

分析試料の質量の天びんによる測定値 mg

M

e

 

表面放散フロンの質量 mg

試料中のフロン含有率 %

Δ

表面から放散したフロンの分率 %

空気の浮力補正係数

ρ

 

空気の密度 g/cm

3

d

x

 

分析試料の密度 g/cm

3

d

m

 

分銅の密度 g/cm

3

4.

測定原理  この規格で規定する断熱材中のフロン含有量を測定する方法は,加熱抽出−ガスクロマト

グラフ法と称し,その測定方法の概要を

図 に示す。

建物などに施工された断熱材から試料を採取し,適切な大きさの分析試料を作製する。分析試料を抽出

管に入れ,抽出管を管状炉(電気炉)内に設置して窒素気流下で加熱して発泡樹脂のセルを溶融・破壊し,

内包されているフロンを樹脂及びセル中から抽出する。抽出したフロンは捕集バッグ(テドラーバッグ)

に導き,捕集する。次いで捕集バッグから試料ガスを採取し,ガスクロマトグラフによってフロンを定性・

定量分析する。測定したフロン濃度から捕集したフロン量を求め,あらかじめ測定した分析試料の質量と

の比によって,試料中のフロン含有率を算出する。


3

A 1485

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  1  測定方法の概要(加熱抽出−ガスクロマトグラフ法)

5.

試料の採取及び作製方法 

5.1

試料の採取  試料は,断熱材を施工した建物,建築設備,機器及び施工前の製品から次のような事

項に注意して採取する。

a)

現場などから採取する場合には,現状を乱さないようにして,採取する試料中のフロン放散を少なく

するため圧力及び熱がかからないように注意する。

試料の採取は,鋭利なカッターなどを用いて行う。

b)

試料の大きさは,測定対象の断熱材を代表できる十分な大きさとし,断熱材の厚さは現状のままとす

る。

備考1.  断熱材の種類,断熱の施工法,施工状態などによって採取の方法が異なるが,試料はできる

だけ施工されている状態を維持できるような方法で採取するようにする。大きさは,100 mm

角程度を最小とする。

2.

採取した試料が含水している場合は,室温においてデシケータ中で一夜放置し,乾燥させる。

5.2

試料の移送及び保管  採取した試料を採取場所から測定場所まで搬送する場合は,押しつぶされな

いように適切な容器に入れて行う。また,試料の保管に当たっては通常の室温とし,直射日光及び水分の

影響のない条件とする。

なお,保管期間は,一般に採取後 1 か月以内とする。

5.3

試料の採取記録  採取した試料は識別のために,必要な項目を記録する。

備考  識別のための必要な項目の例を次に示す。

−  建物,配管設備,機器などの名称,用途,建設地など

−  施工年,建物のしゅん(竣)工年

−  建物などの採取部位,場所

−  断熱材の種類,断熱工法,断熱施工厚さなど断熱材にかかわる事項

−  面材の有無及び面材の種類

−  試料の大きさ,採取方法など

−  採取年月日

5.4

分析試料の作製方法  試料からの分析試料の作製方法は,次による。

なお,分析試料の作製は,試料作製時の瞬時フロン放散を完了させるため,試料によるがフロン抽出工

程の 1〜3 時間前に行うようにする。

5.4.1

切断方法  分析試料を作製する場合には,鋭利なカッターで圧力・温度を与えないように切断する。

なお,カッターに油が付着している場合は,油を洗浄して使用する。


4

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参考  電子顕微鏡の試料切断に用いるミクロトーム用カッターが望ましい。

5.4.2

切断形状  分析試料は,切断しやすい直方体とする。

5.4.3

切断方向  断熱材中の平均的なフロン濃度を測定するような場合は,  建物などの使用においてフ

ロンが表面側から放散することを考慮して断熱材の表面に垂直(厚さ方向)に切断し,試料として採取す

る。

備考  建築物から試料を採取する場合は,断熱施工の状態によって,フロンの放散する状況が異なる

ので,現場の状況を勘案し,試料を採取する方向を決定する。

5.4.4

分析試料の採取量  分析試料は,例えば試料の中心部から約 100〜300 mg を採取する。採取した分

析試料は 0.1 mg まで天びんによってひょう(秤)量する。

備考1.  分析試料の採取量が 50 mg 以下の場合は,切断面のセルに内包しているフロンが放散し,分

析試料の含有率測定結果に大きく影響するため避けなければならない。

通常のフロン発泡の断熱材の密度を考慮すると,分析試料の大きさは 1 cm×1 cm×5 cm〜

1.5 cm

×1.5 cm×5 cm 程度又は 2 cm×2 cm×2 cm となる。 

2.

天びんを用いて断熱材の質量を測定する場合には,空気の浮力の影響を受けるため,その補

正を行う。浮力の補正は次の式によって行う。

÷

ø

ö

ç

è

æ

+

=

m

x

1

1

1

d

d

f

ρ

ここに,

f

空気の浮力の補正係数(

1.04

とする。

ρ

空気の密度(

0.001 2 g/cm

3

とする。

d

x

分析試料の密度[かさ密度(

g/cm

3

)とする。

d

m

分銅の密度(

8 g/cm

3

)とする。

6.

加熱抽出装置  フロン抽出系を図 に示す。管状炉(電気炉),抽出管,流量計,捕集バッグ(テドラ

ーバッグ)

,密栓(キャップ)

,バルブ(コック)などによって構成される。

6.1

管状炉  管状炉は,抽出管を内包できる電気炉であり,抽出管中の分析試料を

300

℃まで加熱でき

るもの。

備考

円筒形の抽出管の出し入れを容易にするため,管状炉が二つに分かれて開閉ができる構造のも

のが望ましい。

6.2

抽出管  抽出管は,内径

30

50 mm

,長さ

100

300 mm

の円筒形で,管状炉よりは長く,密栓が炉

の外側にあり,直接加熱されない長さのもの。材質は,耐熱ガラス,透明石英ガラス又は

SUS304

とする。

備考

加熱を繰り返すことによって抽出管の内壁が汚染されるが,適度に洗浄でき,清浄に保つこと

ができるもの。

6.3

捕集バッグ  捕集バッグは,JIS K 0095 に例示する内容積が

3

5 L

の合成樹脂製バッグとする

(

1

)

(

1

)

7.1 c

)

備考 2.に示す室温から昇温抽出する場合は

20 L

以上のものを用いる。

6.4

流量計  流量計は,積算値が計測できる積算流量計とし,窒素ガスの流量を

200

500 mL/min

の範

囲で計測できるもの。

流量の積算値は

10 mL

以下の精度をもつこと。

備考

ガスメーターにあっては,乾式のものを用いる。

6.5

密栓(キャップ)  抽出管の両端には,気密になるように密栓(キャップ)をする。密栓は,

O

ング又はガラスのすり合わせによって気密に保つ。


5

A 1485

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なお,洗浄が容易なものとする。

6.6

配管(不活性材料)  配管(不活性材料)は,四ふっ化エチレン樹脂のようにフロンが吸着しにく

い材料とする。

6.7

温度計  温度計は,±

2

℃の精度をもつ熱電対などを用いる。

備考

温度計は,あらかじめ抽出管内の温度と管状炉の設定温度の相関関係が既知であれば,管状炉

の温度計で代用してもよい。

1

窒素ガスボンベ

7

密栓(キャップ)

2 1

次側圧力計

8

抽出管

3

圧力調節バルブ

9

管状炉(電気炉)

4 2

次側圧力計 10

配管(不活性材料)

5,11 3

方バルブ 12

捕集バッグ

6

流量計 13

温度計

  2  加熱・抽出系

7.

測定方法 

7.1

分析試料のフロン抽出手順  分析試料のフロン抽出手順は,次のとおりとする。

a

)

分析試料を石英皿に載せ,抽出管の中心部付近に設置し,抽出管にすり合わせ部をはめ,配管(不活

性材料)を接続する。流量を

200

500 mL/min

(流量制御精度

2 mL

)に設定した窒素ガスを抽出管に

流し,分析試料の雰囲気を窒素ガスで満たすため,

3

方バルブ(

11

)の流路を系外排出方向にする。

b

)

次に所定の温度に加熱した管状炉を開けて,炉内に抽出管を設置する。

3

方バルブ(

11

)を操作し,

流路をバッグ(

12

)方向に切り替え,分析試料の加熱を開始する。

c

)

窒素とともに抽出したフロンを約

5 L

捕集する。捕集量は,積算流量計で

1 mL

単位まで読み取る。

備考1.

加熱温度は,分析試料の温度とし,樹脂及びセル内のフロンが完全に抽出できる温度とする。

試料が硬質ウレタンフォームの場合は

200

250

℃,押出法ポリスチレンフォームでは

200

℃になるように,管状炉の加熱温度を設定する。加熱温度を高くし過ぎると樹脂が熱分

解し,結果に影響する場合があるので注意を要する。押出法ポリスチレンフォームの場合は,

加熱による抽出が速いので約

3 L

の採取でもよい。

2.

フロンの抽出のための加熱の方法は,次の三つの事例がある。

a

)

所定の温度に加熱した管状炉に,分析試料を入れた抽出管を挿入し,加熱する。

b

)

分析試料を入れた抽出管を管状炉に設置し,室温から分析試料を加熱する。

c

)

長めの抽出管を用意し,分析試料をボードに載せて炉の外側の温度の低い部分に入れ,

密栓した後,窒素で置換し,外部からボードを加熱部に導いて加熱する。


6

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7.2

ガスクロマトグラフ分析法による定性・定量分析  分析試料から抽出した試料ガスの定性及び定量

は,ガスクロマトグラフを用いて次のように行う。

参考

試料ガスの分析には,JIS K 0123 に規定するガスクロマトグラフ質量分析計(

GC

MS

)を用

いることもできる。この場合は発泡に用いたフロン以外の補助発泡剤及び熱分解で発生するガ

ス成分も同定でき,フロンの種別がより明確にできるという利点がある。ただし,通常は,断

熱材発泡用のフロンの種類は限定されるのでガスクロマトグラフで十分,分離・同定が可能で

ある。

7.2.1

標準ガス  標準ガスは,調製済み(窒素をバランスガスとし,フロン濃度が

1 000 ppm

1 %

程度)

のものを購入,使用する

(

2

)

(

2

)

断熱材の発泡に使用されたフロンの種類は,

CFC-11(CCl

3

F)

CFC-12(CCl

2

F

2

)

HCFC-141b(CH

3

CCl

2

F)

HCFC-142b(CH

3

CClF

2

)

HFC-365mfc(CF

3

CH

2

CF

2

CH

3

)

などである。これ

ら数種類のフロンが混合された標準ガスを用いてもよい。

7.2.2

ガスクロマトグラフ  ガスクロマトグラフは,JIS K 0114 に従い,次のとおりとする。

a

)

検出器  水素炎イオン化検出器(

FID

b

)

キャリヤーガス  JIS K 1107 に規定する窒素

2

級又は純度

99.8 %

以上のヘリウム。

c

)

燃料ガス  JIS K 0512 に規定する純度

99.9 %

以上の水素。

d

)

助燃ガス  空気又は酸素。

e

)

カラム  内径

0.1

1 mm

程度,長さ

10

60 m

程度の溶融シリカ管,ほうけい酸ガラス管又はステン

レス鋼管の内面にスチレン

-

ジビニルベンゼンの微粒子(

8

20

µ

m

)を担持させたもの又は同等の分解

能をもつもの。

参考

カラムには,例えば

PoraPLOT Q

カラム(内径

0.32 mm

,長さ

25 m

又は

50 m

)がある。

7.2.3

定量操作  定量操作は,次のとおりとする。

a

)

ガスクロマトグラフの条件設定  ガスクロマトグラフの操作条件は,次のとおりとする。

1

)

カラム温度 

100

150

2

)

検出器槽温度 

200

℃付近

3

)

キャリヤーガス流量 

1

3 mL/min

4

)

スプリット比 

1

5

1

50

5

)

試料ガス導入系  ガスサンプリングバルブ(内容積が

0.25

1 ml

のサンプルループをもつ

6

方バル

ブ)

備考

再現性が良好な場合には,ガスタイトシリンジの使用も考えられるが,信頼性が低いのでな

るべく使用は避ける。

b

)

測定  測定は,次のとおりとする。

1

)

捕集バッグ中の試料ガスは,温度を室温に下げ,捕集バッグ内で十分に混合して一様なガス濃度に

する。試料ガスをガスサンプリングバルブに導き,サンプルループ内のガスを試料ガスで十分に置

換した後,ガスサンプリングバルブの流路を切り替えてループ中の試料ガスをカラムに導入し,ク

ロマトグラムを記録する。

2

)

クロマトグラム上のフロンに相当するピークについて,ピーク面積を求める。

3

)

7.2.4

によって作成した検量線からフロン量を求める。


7

A 1485

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7.2.4

検量線の作成  分析条件の安定を確認後,

試料ガスの予想濃度の数倍程度の濃度を上限として測

定対象成分を含む標準ガスを準備し,7.2.3 b

)

に準じて分析を行う。標準ガスはガスサンプリングバルブ

に導入し,大気圧に平衡させた後にカラムに導入し,クロマトグラムを記録する。濃度の異なる標準ガス

を使い,ピーク面積とフロン濃度との関係を求め,検量線を作成する。

なお,通常,検量線は測定の都度作成する。

備考

フロン濃度の異なる標準ガスが用意できず

1

濃度の場合は,あらかじめ検量線が直線の領域で

あることを確かめた上で,原点と結ぶ

1

点検量線とすることができる。この場合は,標準ガス

を適度に希釈して同様に測定し,面積と濃度との関係が検量線上にあることを確認する。

7.2.5

ピークの同定  フロンの定性は,クロマトグラム上の各ピークの保持値(保持時間,保持比又は保

持指標)とフロン標準ガスのクロマトグラム上ピークの保持値とを比較して行う。

備考

ガスクロマトグラフ質量分析に供し,質量スペクトルを得て同定すると,より信頼性の高い結

果が得られる。

8.

測定結果の算出 

8.1

捕集バッグ中のフロン濃度  捕集バッグ中のフロン濃度  試料ガスのクロマトグラム上フロンのピ

ーク面積を測定し,検量線の傾きから捕集バッグ中の試料ガスのフロン濃度を式

(1)

によって算出する。

s

s

1

A

C

A

F

A

C

×

=

=

 (1)

結果は,JIS Z 8401 に従って有効数字

2

けたに丸める。

8.2

分析試料中の補正前フロン含有率  分析試料の質量,捕集バッグ中の捕集ガス体積から,分析試料

中の測定フロン含有率(補正前フロン含有率)を式

(2)

によって算出する。

100

1

1

m

×

×

=

M

V

C

C

 (2)

ただし,分析試料の質量 は,式(3)  によって補正する。

e

m

M

M

f

M

+

×

=

 (3)

ここに,は通常の断熱材の場合 1.04 とし,M

e

は少ない場合は考慮しなくてもよいものとする。

なお,フロン含有率は,JIS Z 8401 に従って有効数字 2 けたに丸める。

8.3

試料中のフロン含有率  附属書 に従って,分析試料作製時に切断によって破壊される表面のセル

からのフロン放散量を測定し,表面から放散したフロンの分率を求めて式(4)によって補正を行い,試料中

のフロン含有率を算出する。

C

C

C

Δ

+

=

m

 (4)

なお,フロン含有率は,JIS Z 8401 に従って有効数字 2 けたに丸める。

9.

測定精度  捕集バッグから試料ガスをサンプリングし,フロン濃度を測定した場合,2 回の測定値の

差は,測定平均値の 5 %以下とする。

備考  この方法で測定するフロン含有率の測定での不確かさは,±5 %以下である。

なお,試料間のばらつきを考慮し,試料数は n≧3 とすることが望ましい。

10.

報告  測定結果の報告には,次の事項を記載する。

a

)

試料に関する事項  現場採取,分析試料等に関連する事項など


8

A 1485

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b

)

加熱抽出方法 

c

)

抽出条件 

d

)

分析条件 

e

)

測定結果  フロンの種類,フロンの含有量など

f

)

測定日 

g

)

測定機関 


9

A 1485

:2006

附属書 1(規定)分析試料作製時におけるフロン放散量の測定・補正方法

1

.  適用範囲  この附属書は,断熱材中のフロン濃度を測定するために,分析試料作製時に破壊される表

面のセルから放散するフロン量を算定するための方法について規定する。

備考  分析試料を作製する場合にカッターで切断するため,断熱材中のセルが破壊されフロンが大気

に放散する。この放散する量の一部は本来試料に含有するものとして計測しなければならない

ものである。放散するフロン量は,断熱材のセルサイズ及び作製する分析試料の大きさ(寸法)

によって異なる。

2

.  測定法概要  この方法は,分析試料作製時に放散されるフロン量を推定,補正するため,質量がほぼ

同じで表面積の異なる 2 個の分析試料(試料 A と B)を準備し,各々のフロン含有率を測定することによ

って,2 個の補正前フロン含有率と表面積との測定値から本体の 8.3 に規定する補正式[式(4)]を用いて,

真のフロン含有率を求めるというものである。分析試料の分割数は 4 分割又は 8 分割とする。

a

)

分析試料の作製  試料質量がほぼ同じで表面積の異なる 2 個の分析試料(試料 A と B)を本体の 5.

同様にカッターを用いて作製する。

例 1.  試料 A:2 cm 角の立方体が 1 個(表面積 24 cm

2

試料 B:試料 A と同等の立方体を 8 分割したもので 1 cm 角の立方体が 8 個(表面積 48 cm

2

例 2.  試料 A:2 cm 角の立方体が 1 個(表面積 24 cm

2

試料 B:試料 A と同等の立方体を 4 分割したもので 2 cm×1 cm×1 cm 角の直方体が 4 個(表

面積 40 cm

2

例 3.  試料 A:1 cm×1 cm×5 cm 角の直方体が 1 個(表面積 22 cm

2

試料 B:試料 A と同等の直方体を 8 分割したもので 0.5 cm×0.5 cm×2.5 cm 角の直方体が 8 個

(表面積 44 cm

2

b

)

測定手順 

1

)

同じ寸法の分析試料を 2 個作製する。

2

) 2

個の分析試料を室温下で 1〜3 時間静置する。

3

) 2

個の分析試料を天びんによって各々ひょう量する。片方の分析試料は試料 A とする。もう片方の

分析試料をカッターで 8 分割又は 4 分割して試料 B とし,室温下で 1〜3 時間静置する。

4

)

本体 7.1 に従い,試料 A 及び試料 B のフロン抽出を行う。

5

)

本体 7.2 に従い,試料 A 及び試料 B のフロン定性・定量を行う。

6

)

本体 8.に従い,試料 A 及び試料 B の補正前フロン含有率を算出する。

c) 

補正方法  分析試料作製時に放散するフロン量

Δ

C

は,次の式によって求める。

Δ

C

(

)

(

)

A

B

A

B

A

S

S

S

C

C

×

=

ここに,

Δ

C

表面から放散したフロンの分率(%)

C

A

試料 A の補正前フロン含有率(%)

C

B

試料 B の補正前フロン含有率(%)

S

A

試料 A の表面積(cm

2

S

B

試料 B の表面積(cm

2


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A 1485

:2006

附属書 2(参考)分析試料作製時におけるフロン放散量の測定方法

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。

1.

適用範囲  分析試料作成時に試料表面から放散するフロン量について,附属書 とは別の測定で求め

る方法を参考として示す。

2

.  測定方法概要  この方法は,分析試料と同一のものを用い,これを捕集バッグの中で分析試料作製時

と同様な方法で試料をある面積に切断し,その時の捕集バッグ内のフロン濃度を測定して放散フロン量を

求めるものである。求めた放散フロン量と切断表面積とから単位表面積当たりの放散量を算出すれば,分

析試料の表面積からのフロン放散量が補正できる。

3

.  試料作製  分析試料と同一の種類の断熱材を用いて試料を作製する。試料寸法は,表面を切断したと

きに放散するフロンを測定しやすい大きさとする。

4

.  測定手順 

a

)

捕集バッグに,試料を入れた密閉容器とカッターとを入れる。

b

)

真空ポンプで捕集バッグ内の空気を排出し,次に窒素ガスを積算流量計で計測して 10〜20 L 程度注入

する。

c

)

密閉容器から試料を取り出し(容器は再びふたをし,密閉する。

,カッターで試料を切断する。

d

) 1

時間以上経過後,捕集バッグを軽く振ってかきまぜ,捕集バッグ内のフロン濃度を均一にする。

e

)

本体 7.2 に従い,捕集バッグ内のフロン濃度を定量する。

f

)

試料を取り出し,切断面積を測定する。

g

)

切断面積を変えて a)〜e)の操作を行い,切断面積とフロン放散量との関係を求める。

5

.  放散量の算出  切断したときに表面から放散するフロン量は,次のように算出する。

a

)

単位表面積当たりのフロン放散量は,次の式によって求める。

(

)

s

1

1

S

V

C

E

×

=

ここに,

E

単位表面積当たりのフロン放散量(mg/cm

2

C

1

捕集バッグ中のフロン濃度(mg/L)

V

1

捕集バッグの体積(L)

S

s

切断した表面積(cm

2

b) 

試料の切断面からの補正フロン含有率は,次の式から求める。

Δ

C

M

S

E

m

×

=

ここに,

Δ

C

: 切断面からの放散フロンの補正(%)

S

m

試料の表面積(cm

2

M

分析試料の質量(浮力などの補正後)

(mg)


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:2006