>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

A 1470-2

:2008

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

1

4

  試験体  

1

5

  試験装置  

2

5.1

  概要  

2

5.2

  密閉箱  

2

5.3

  恒温槽  

3

5.4

  温度測定器  

4

5.5

  湿度測定器  

4

6

  試験体の作製方法  

4

7

  試験方法  

5

7.1

  試験装置の準備  

5

7.2

  密閉箱内の初期相対湿度  

5

7.3

  試験体の設置  

5

7.4

  密閉箱の設置  

5

7.5

  温度条件  

6

7.6

  温湿度の測定  

6

8

  結果の算出  

6

8.1

  密閉箱内温湿度  

6

8.2

  温度応答吸放湿量  

7

9

  報告 

8

附属書 A(規定)密閉箱の性能値の測定方法  

9

附属書 B(参考)容積絶対湿度の計算方法  

10


A 1470-2

:2008

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人建材試験

センター(JTCCM)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これ

によって,JIS A 1470-2:2002 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

JIS A 1470

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS A 1470-1

  第 1 部:湿度応答法

JIS A 1470-2

  第 2 部:温度応答法


日本工業規格

JIS

 A

1470-2

:2008

建築材料の吸放湿性試験方法−第 2 部:温度応答法

Determination of water vapour adsorption/desorption properties for building

materials : Part 2-Response to temperature variation

適用範囲 

この規格は,断湿した気密な箱(密閉箱)に,主に内装材などに使用する建築材料を入れ,密閉箱の外

部から温度変動を与えた場合の吸放湿性の試験方法について規定する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS A 9511

  発泡プラスチック保温材

JIS Z 8704

  温度測定方法−電気的方法

JIS Z 8806

  湿度−測定方法

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1 

吸放湿性 

材料がもつ吸湿及び放湿に関する性質。

3.2 

温度応答吸放湿量 

密閉箱内における,温度変動に伴う吸湿・放湿過程での試験体の吸放湿積算量を,温度変化積算量で除

したものに密閉箱内の空間の容積を乗じ,試験体の吸放湿面積で除したもの。

試験体 

試験体の大きさ,厚さ及び試験体数は,次による。

なお,試験体が次の条件に該当しない場合は,吸放湿性を評価することができる形状とする。

注記  面積の小さなタイルなどは,何枚かのタイルを組み合わせて試験体寸法とする。また,塗材な

どは,吸放湿性のない下地板に,実際に施工される厚さで試験体を作製することが望ましい。

a) 

大きさ  試験体の大きさは,通常,100 mm×100 mm の正方形とする。試験体の大きさが正方形にで

きない場合は,標準寸法と同一の面積(100 cm

2

)とする。

b) 

厚さ  試験体の厚さは,通常,製品の厚さとする。


2

A 1470-2

:2008

c) 

試験体の数  試験体の数は,通常,一つの試験条件に対して 1 体とする。

d)

試験体の質量  試験体の質量は,養生終了後及び試験終了後のものとする。

試験装置 

5.1 

概要 

試験装置は,主に密閉箱,恒温槽,温度測定器及び湿度測定器からなり,

図 に示す構成とする。

単位  mm

図 1−装置の概要 

5.2 

密閉箱 

密閉箱は,次による(

図 参照)。

a)

容器及びふたの材質は,ステンレス,アクリル樹脂板などの,湿気を通さないものとする。

b)

密閉箱内の空間の容積は,次の条件を満たすものとする。

)

m

(m

2.7

2

3

=

A

V

ここに,

V

厚さ

100 mm

の断熱材を入れた場合の密閉箱内の空間の容積

m

3

A

試験体の吸放湿面積(

m

2

注記

試験体の吸放湿面積が

100 mm

×

100 mm

の場合に,

2.7 m

3

/m

2

の条件を満たすためには,断熱

材を除いた容器の内のりを

300 mm

×

300 mm

×

400 mm

にすればよい。

c) 

密閉箱は,容器内の気密及び箱内外の断湿が保持できる構造とする。

d)

パッキンは,必要に応じて使用する。パッキンを用いる場合は,パッキンは吸湿性及び透湿性のない

材質のものとし,厚さは

2 mm

以下とする。

e)

容器上面の中央部に温湿度センサを通すための孔を開け,センサ設置後は油粘土などでふさぐ。

f)

密閉箱は,

附属書 に規定する方法で性能値(m

c

)を測定したとき,その値は,

0.16 g/ m

2

・℃以下と

する。


3

A 1470-2

:2008

単位  mm

a)

フランジ面に凹凸,ごみなどが付着していると,密閉箱からの漏えいの原因となるため,密閉箱を組
み立てる前に確認する。

b)

パッキンの寸法は,フランジと同一であることが望ましいが,気密性が確保できる寸法であればよい。

図 2−密閉箱(例) 

5.3 

恒温槽 

恒温槽は,次による。

a)

恒温槽は,密閉箱を収容するのに十分な大きさをもつものとする。

b)

恒温槽は,自動制御によって温度変動を与えられる機能をもつものとする。また,恒温槽の温度は,


4

A 1470-2

:2008

密閉箱の各側面の中央から約

20 mm

離れた位置で測定し,それらの温度が±

0.5

℃以内でなければな

らない。

5.4 

温度測定器 

温度測定器は,±

0.1

℃の精度とする。

5.5 

湿度測定器 

湿度測定器は,JIS Z 8806 に従って評価した拡張不確かさ(k

2

)が

4

%未満のものとする。

試験体の作製方法 

試験体の作製方法は,次による。

a) 

試験体の断湿  試験体の側面及び裏面は,アルミニウムテープなどによって断湿する(図 参照)。

単位  mm

図 3−試験体の断湿(標準寸法の例) 

b) 

試験体の養生  a)によって断湿された試験体を,表 に示す相対湿度の雰囲気中で恒量となるまで養

生する。

注記  養生における恒量とは,

24

時間ごとに行う質量測定において,その前後の試験体の質量差が

0.1

%以下となった時点とする。

表 1−試験体養生条件 

湿度条件

養生条件

温度  ℃

相対湿度  %

低湿域 23

30

中湿域 23

50

高湿域 23

70

c) 

試験体の断熱方法  図 に示すように,試験体の側面及び裏面を断熱材によって断熱する。このと

き,試験体の吸放湿面と周囲断熱材上面とが一致するようにする。断熱材の表面は,吸放湿が生じな

いようにアルミニウムテープなどによって断湿する。また,試験体と断熱材との境界面にすき間が生

じないように注意する。

断熱材の厚さは,試験体厚さを含めて

100 mm

とする。また,断熱材は,JIS A 9511 に規定する押

出法ポリスチレンフォーム保温板

1

種又は

3

種とする。


5

A 1470-2

:2008

単位  mm

図 4−試験体の断熱方法(標準寸法の例) 

試験方法 

7.1 

試験装置の準備 

試験体を設置する前に,水分などの吸着を防止するために,密閉箱の内側の油及びその他の汚れを十分

に除去する。

7.2 

密閉箱内の初期相対湿度 

密閉箱内の初期相対湿度は,

表 に示す低湿,中湿及び高湿の

3

条件のうちのいずれかとし,試験体の

養生条件と同一とする。

7.3 

試験体の設置 

試験体は,7.2 の条件に保たれた密閉箱容器の中央に静置し,密閉する。以上の作業は,養生条件に保た

れた雰囲気中で行うことが望ましい。

7.4 

密閉箱の設置 

密閉箱を恒温槽内に設置する。このとき,密閉箱各面と恒温槽各面とは

50 mm

以上離す。

注記  密閉箱底面との接触面積をできるだけ小さくするため,密閉箱にあらかじめ脚を取り付けてお

いてもよい。


6

A 1470-2

:2008

7.5 

温度条件 

恒温槽内の温度を

22.5

℃に設定し,密閉箱内の温湿度が安定した後に,恒温槽内の温度を

図 に示す正

弦波を模した条件で変動させる。温度周期は,

1

サイクル

24

時間とし,これを

4

回(

4

サイクル)繰り返

す。

経過時間

h

0  2  4  6  8  10 12 14 16 18 20 22 24

設定温度

22.5 26.3 29.0 30.0 29.0

26.3

22.5

18.8

16.0

15.0 16.0 18.8

22.5

図 5−恒温槽の温度条件 

7.6 

温湿度の測定 

密閉箱内の温湿度は,試験体面から約

150 mm

離れた位置で測定し,この場合の温度の測定は,JIS Z 8704

による。密閉箱内の温湿度の測定間隔は,

10

分を標準とし,密閉箱内の空気温度,密閉箱内の相対湿度及

び恒温槽内の空気温度をそれぞれ測定する。この場合は,温度は

0.1

℃まで,相対湿度は

0.1

%まで測定

する。

注記  恒温槽内の空気温度は,モニタ用であり,測定点は

1

点以上とする。

結果の算出 

8.1 

密閉箱内温湿度 

7.1

7.6 で測定した密閉箱内の空気温度と時間との関係を

図 のように,相対湿度と時間との関係を図 7

のように示す。また,空気温度及び相対湿度から容積絶対湿度を求め,容積絶対湿度と時間との関係を

8

のように示す。容積絶対湿度は,

附属書 による方法又はこれと同程度の精度が確保できる方法によっ

て算出する。


7

A 1470-2

:2008

図 6−密閉箱内の温度の測定結果(例) 

図 7−密閉箱内の相対湿度の測定結果(例) 

図 8−密閉箱内の容積絶対湿度の変動計算結果(例) 

8.2 

温度応答吸放湿量 

7.1

7.6 で測定した

4

サイクル目の密閉箱内の空気温度及び相対湿度から容積絶対湿度を求め,次の式

によって試験体の温度応答吸放湿量を小数点以下

2

けたまで算出する。

A

V

m

×

=

0

0

θ

θ

ν

ν

ここに,

m

試験体の温度応答吸放湿量[

g/(m

2

・℃

)

V

密閉箱内の空間の容積(

m

3

A

試験体の吸放湿面積(

m

2

ν

4

サイクル目の密閉箱内の時間ごとの容積絶対湿度(

g/m

3

0

ν :

4

サイクル目の密閉箱内の平均容積絶対湿度(

g/m

3

θ :

4

サイクル目の密閉箱内の時間ごとの温度(℃)

0

θ :

4

サイクル目の密閉箱内の平均温度(℃)


8

A 1470-2

:2008

報告 

次の項目について報告する。

a) 

試験体の名称,種類及び商品名 

b) 

試験体寸法  大きさ,厚さ及び密度(試験開始前後)

c) 

試験条件  試験体の養生条件,密閉箱内の初期相対湿度及び温度

d) 

試験結果 

1)

密閉箱内の温度の測定結果,相対湿度の測定結果,容積絶対湿度の変動計算結果,吸放湿積算量

0

ν

ν

)及び温度変化積算量(

0

θ

θ

2)

密閉箱の性能値(

m

c

3)

試験体の温度応答吸放湿量(

m

e)

試験期間

f)

試験機関名及び試験実施者


9

A 1470-2

:2008

附属書 A

規定)

密閉箱の性能値の測定方法

序文 

この附属書は,試験に用いる密閉箱の性能値の測定方法について規定する。

A.1 

密閉箱の性能 

密閉箱の性能の測定方法は,次による。

a)

密閉箱の空間の容積が 5.2 b)  の条件を満たすように,箇条 6 c)  に規定する断熱材を用いて,立方体

1)

の断熱材を作製する。

1)

試験体が標準寸法の場合は,容器の内のりは

300 mm

×

300 mm

×

400 mm

になるので,断熱材

の寸法は,

300 mm

×

300 mm

×

100 mm

となる。

b)

断熱材の全面を,アルミニウムテープなどによって断湿する。

c)

7.1

7.6 に従い,密閉箱内の温湿度を測定する。

A.2 

性能値の算出 

A.1

で測定した

4

サイクル目の密閉箱内の空気温度及び相対湿度から容積絶対湿度を求め,式

 (A.1)

よって,試験体がない場合の密閉箱の性能値

m

c

を求める。容積絶対湿度は,

附属書 による方法又はこ

れと同程度の精度をもつ方法から求める。

)

m

/

m

(

7

.

2

2

3

0

0

0

0

c

×

=

θ

θ

ν

ν

m

  (A.1)

ここに,

m

c

無試験体の密閉箱の性能値[

g/(m

2

・℃

)

0

ν :

4

サイクル目の密閉箱内の時間ごとの容積絶対湿度

g/m

3

0

ν :

4

サイクル目の密閉箱内の平均容積絶対湿度(

g/m

3

0

θ :

4

サイクル目の密閉箱内の時間ごとの温度(℃)

0

θ :

4

サイクル目の密閉箱内の平均温度(℃)

A.3 

許容される性能値 

密閉箱の性能値(

m

c

)は,5.2 f) に規定する性能値を超えてはならない。

m

c

がこの許容値を超える場合

は,密閉箱からの漏えい,部品の吸放湿などが考えられるため,密閉箱の性能を再検討又は製作し直さな

ければならない。


10

A 1470-2

:2008

附属書 B

参考)

容積絶対湿度の計算方法

序文 

この附属書は,測定した温度と相対湿度とから容積絶対湿度を計算する方法について記載するものであ

って,規定の一部ではない。また,次に示す式は,JIS Z 8806 の 4.(湿度の表示・単位及び関係式)に規

定されているものである。 

B.1 

飽和水蒸気圧の計算 

温度が

T

である空気の飽和水蒸気圧

e

w

は,式

 (B.1)

SONNTAG

の式)によって算出する。

)

(

ln

502

433

.

2

10

952

673

.

1

10

193

711

.

2

2

964

240

.

21

5

938

.

096

6

)

(

ln

2

5

2

1

w

T

T

T

T

e

×

+

×

×

+

×

×

+

×

=

   (B.1)

ここに,

e

w

温度

T

の空気の飽和水蒸気圧(

Pa

T

湿潤空気の温度(絶対温度)

K

B.2 

湿潤空気中の水蒸気分圧の計算 

B.1

の方法によって算出した飽和水蒸気圧から,式

 (B.2)

によって湿潤空気中の水蒸気分圧を算出する。

100

w

w

e

U

e

×

=

  (B.2)

ここに,

e

湿潤空気中の水蒸気の分圧(

Pa

e

w

温度

T

の空気の飽和水蒸気圧(

Pa

U

w

湿潤空気の相対湿度(%)

B.3 

容積絶対湿度の計算 

容積絶対湿度は,B.1 及び B.2 の方法で算出した飽和水蒸気圧及び湿潤空気中の水蒸気分圧を用いて,

 (B.3)

によって容積絶対相対湿度を算出する。

注記

附属書 では,JIS Z 8806 に従い容積絶対湿度を

d

v

kg/m

3

)で算出しているが,本体で規定し

ている容積絶対湿度

v

g/m

3

)への換算は,式

 (B.4)

を用いればよい。

T

R

M

e

d

×

×

=

v

v

   (B.3)

v = d

v

×

1 000  (B.4)

ここに,

d

v

容積絶対湿度(

kg/m

3

e

湿潤空気中の水蒸気の分圧(

Pa

M

v

水のモル質量

M

v

18.015 28

×

10

3

kg/mol

R

気体定数

R

8.314 472

J

K

1

mol

1


11

A 1470-2

:2008

T

湿潤空気の温度(絶対温度)

K

v

容積絶対湿度(

g/m

3