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日本工業規格

JIS

 A

1438

-1992

建築用外壁ボード類の耐水性試験方法

Test methods for water resistance of exterior

wall boards for building

1.  適用範囲  この規格は,建築用外壁ボード類(

1

)の吸水又は吸水・乾燥の繰返しによる耐水性(

2

)を評価

する試験方法について規定する。

(

1

)  外壁ボード類とは,建築物の外壁仕上げに使用される工場で板状に成形製造された人造非金属

板で,厚さ30mm 以下のものをいい,押出し成形などによる中空品は除く。

(

2

)  耐水性とは,外壁ボード類が外部の雨水や結露などによって吸水し,また,外気によって乾燥

して,これらの作用が単独又は繰り返されてボード類の物理的な性能が変化する度合をいう。

備考1.  この規格は,試験方法を規定するものであって,適用する試験の種類,試験の繰返し回数そ

の他,この規格で規定していない条件などについては,材料規格,製品規格などの指定によ

る。ただし,指定のないものについては,受渡当事者間の協定による。

2.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS A 1129  モルタル及びコンクリートの長さ変化試験方法

JIS A 1408  建築用ボード類の曲げ試験方法

JIS B 4627  ハンドリベッタ

JIS G 3350  一般構造用軽量形鋼

JIS Z 9001  抜取検査通則

2.  試験の種類  試験の種類は,試験片に対する吸水・乾燥の繰返しの有無,その条件及び評価項目によ

って

表 のように区分する。

表 1  試験の種類

試験の種類  繰返しの有無 吸水条件 乾燥条件

評価項目

耐水性 A 法

有り

恒量吸水 恒量乾燥 外観変化

質量変化 
長さ変化

曲げ強度変化

恒量吸水 継続乾燥

ひび割れ

耐水性 B 法

無し

継続吸水

反り

3.  試験方法 
3.1

試験用機械器具

(1)  乾燥器(

3

)  試験片を乾燥する乾燥器は,60±2℃の温度を保持できるものとする。

(

3

)  空気かくはん機及びベンチレーターが付いているものとする。



A 1438-1992

(2)  コンパレーター  長さ変化率の測定に使用するコンパレーターは,JIS A 1129 に規定するものとする。 
(3)  はかり  質量の測定に使用するはかりは,ひょう(秤)量の 0.1%以上の精度をもつものとする。 
(4)  曲げ試験機  曲げ強度の測定に使用する曲げ試験機は,JIS A 1408 に規定する性能を満足するものと

する。

(5)  反り測定器具  反りの測定に使用する反り測定器具は,R2.5mm の支点をもち,その支点間距離が

200mm で精度

100

1

mm 以上で自動計測できる変位計をもち,総質量が 300∼350g の範囲のものとする。

反り測定器具の一例を

図 に示す。

図 1  反り測定器具(例)

(6)  収縮拘束台  ひび割れ測定に使用する収縮拘束台は,JIS G 3350 のリップ溝形鋼呼び名 4225 とする。

なお,取付用のリベットは,JIS B 4627 

附属書に示されるブラインド・リベットとし,フランジ

の直径が 4.8mm で,その材質はアルミニウム合金 A5154 とし,引張荷重は 3 000N 以上,せん断荷重

は 2 000N 以上とする。

3.2

試料及び試験片

(1)  試料は,気乾状態又は所定の出荷時の含水率に調整されたものを,JIS Z 9001 に規定された各ロット

からランダムに 3 枚採取する。

(2)  (1)に規定する各 1 枚の試料のほぼ中央から,曲げ強度変化に用いる試験片は各 2 個,ひび割れ試験片

は各 3 個,その他の試験片は各 1 個を

表 に示す大きさに切り取る。試験片の表面,裏面及び小口面

の処理は行わない。

なお,曲げ強度変化に用いる試験片については,6 個のうち 3 個を比較用とする。

表 2  試験片の寸法及び数量

評価項目

寸法(幅×長さ)mm

数量  個

外観 
質量変化 
長さ変化

40×160 3

40× (14t+80)(

4

)

6(

6

)

曲げ強度変化

40×180(

5

)

6(

6

)

ひび割れ 100×400(

7

) 9

反り 200×200 3


3

A 1438-1992

(

4

)  は製品厚さで,厚さ6mm を超える試験片に使用する。

(

5

)  厚さ 6mm 以下の試験片に使用する。

(

6

)  6 個のうち 3 個は比較用試験片とする。

(

7

)  厚さ 20mm を超える試験片については適用しない。

(3)  試験片は,温度 60±2℃に調整した乾燥器に入れ,恒量(

8

)になるまで乾燥する。

(

8

)  恒量とは,日間の質量差が1g かつ試験片質量の0.5%以下になった状態をいう。

(4)  乾燥した試験片は,20±2℃に調整した室内でデシケーターに入れて,その室温になるまで冷却する。

3.3

耐水性 

3.3.1

外観,質量及び長さ変化

(1)  試験片は,質量  (M

0

)  を測定し,図 に示す位置にエポキシ樹脂系接着剤を用いて 10×10mm の乳白

ガラスをはり付けた後,更に,質量  (M

0

')  を測定する。次に,JIS A 1129 に準じて試験片の標線間距

離が約 140mm になるように標線を刻む。その後コンパレーターを用いて標線間の長さ  (L

0

)  を測定す

る。

図 2  長さ変化試験片

(2)  次に,試験片の長さ方向を水平にこば立てとし,その上端が水面下 3±0.5cm となるように保持して,

20±2℃の水中に恒量となるまで浸せきする。恒量となった試験片を水中から取り出して湿布で表面に

付着した水をふきとり,質量  (M

1

)  を測定した後,標線間の長さ  (L

1

)  を測定する。

(3)  測定が終了した試験片を温度 60±2℃の乾燥器に入れ,恒量となるまで乾燥する。その後,20±2℃に

調整した室内でデシケーターに入れて,その室温になるまで冷却した後,質量  (M

1

')  及び標線間の長

さ  (L

1

')  を測定する。

(4)  その後,(2)に要した日数と(3)に要した日数を一回数とし,所定の回数(回)まで吸水・乾燥を繰り

返す。

(5)  所定の回数(回)のときに,外観,質量  (M

x

, M

x

')  及び長さ  (L

x

, L

x

')  を測定する。

また,外観は,最初と所定の回数後(回)の試験片の状態を観察して,その差異を記録する。

3.3.2

曲げ強度変化

(1)  試験片は,長さ方向を水平にこば立てとし,その上端が水面下 3±0.5cm となるように保持して,20

±2℃の水中に恒量となるまで浸せきする。

(2)  次に,上記の試験片を水切りを行った後,温度 60±2℃の乾燥器に入れ恒量となるまでこば立てした

状態で乾燥する。

(3)  乾燥した試験片を 20±2℃に調整した室内でデシケーターに入れて,その室温になるまで冷却した後,

(1)と同様の方法で,また,(1)で必要とした日数だけ水中に浸せきする。



A 1438-1992

(4)  吸水させた試験片を(2)と同様な方法で,また(2)で必要とした日数だけ乾燥する。

(5)  (3)(4)の操作を一回数として,所定の回数(回)だけ繰り返す。

(6)  所定の回数を繰り返した試験片は,20±2℃に調整した室内で,デシケーターに入れて,その室温にな

るまで冷却した後,JIS A 1408 に準じて曲げ強度の測定を行う。この場合,スパンは,厚さが 6mm を

超える試験片についてはその厚さの 14 倍とし,

厚さが 6mm 以下の試験片については 100mm とする。

また,比較用として吸水・乾燥の繰返しを行わない試験片を温度 60±2℃の乾燥器に入れ,恒量と

なるまで乾燥した後,20±2℃の室温になるまで冷却して同様に曲げ強度を測定する。

3.4

耐水性 

3.4.1

ひび割れ

(1)  図 3(a)に示すように試験片に有効幅が 15mm,25mm 及び 35mm になるように径 6mm の穴をあけた後,

切り込みを入れる。有効幅の精度は±0.5mm 以内とし,試験片数は有効幅それぞれについて 3 個ずつ

とする。

(2)  試験片を 20±2℃の水中に入れ,恒量になるまで浸せきする。

(3)  恒量に吸水させた試験片を取り出して,直ちに図 3(b)に示すようにリベットを用いて速やかに収縮拘

束台に固定する。

なお,試験片と収縮拘束台のリベット穴はボール盤を用いて同時に開ける。

(4)  固定した試験片を温度 60±2℃の乾燥器に入れ,5 日間乾燥し,その間 24 時間ごとにひび割れの有無

を確認する。

図 3  ひび割れ試験片及び固定方法

3.4.2

反り

(1)  試験片の裏面には,図 4(a)に示すような測定位置(基点,測定点)に,大きさ 10mm 角のガラス板を

エポキシ樹脂系接着剤ではる。

(2)  図 4(b)に示すように試験開始 24 時間以上前に温度 20±2℃の水槽に,厚さ 50mm のけい酸カルシウム

(

9

)を置き,水位をけい酸カルシウム板表面から下に 20±5mm になるようにする。

(

9

)  けい酸カルシウム板は,比重0.5±0.05,水中浸せき24時間後の吸水率が (160±30) %になるも


5

A 1438-1992

の。

(3) (1)の試験片を(2)のけい酸カルシウム板上に試験片の表面を下にして置き,試験片表面から吸水させる。

(4)  吸水させてから 48 時間までの反りを 1 時間ごとに自動計測する。

図 4  最大反り試験片及び試験方法

4.  試験結果  試験結果は,次の(1)(6)に示す方法でまとめる。 
(1)  外観観察  所定の回数を繰り返したときのそれぞれの試験片に発生するふくれ,はく離,変色などの

有無及びその程度を目視によって観察して記録する。欠点の発生した試験片は,必要に応じて写真撮

影を行う。

(2)  質量変化率  それぞれの試験片について,所定の回数を繰り返したときの最大質量変化率 (%) は,式

(1)によって求め,大きい方を採用する。

100

'

0

1

×

M

M

M

x

  又は

100

'

0

0

×

M

M

M

x

 (1)

ここに,

M

0

試験前の試験片の質量 (g)

M

0

': 乳白ガラスをはり付けたときの試験前の試験片の質量 (g)

M

1

  1 回目の恒量吸水時の試験片の質量 (g)

M

x

所定回数(回)目の恒量吸水時の試験片の質量 (g)

M

x

': 所定回数(回)目の恒量乾燥時の試験片の質量 (g)

(3)

  長さ変化率  それぞれの試験片について,所定の回数を繰り返したときの最大長さ変化率 (%) は,式

(2)によって求め,大きい方を採用する。

100

'

0

1

×

L

L

L

x

  又は

100

'

0

0

×

L

L

L

x

 (2)

ここに,

L

0

試験前の試験片の標線間の長さ (mm)

L

1

1 回目の恒量吸水時の試験片の標線間の長さ (mm)

L

x

所定回数(回)目の恒量吸水時の試験片の標線間の長さ (mm)

L

x

': 所定回数(回)目の恒量乾燥時の試験片の標線間の長さ (mm)

(4)

  曲げ強度変化率  曲げ強度変化率 (%) は,比較用の試験片 3 個の平均値と所定の回数を繰り返したと

きの試験片 3 個の平均値を用いて,式(3)によって求める。

100

0

×

F

F

x

 (3)

ここに,  F

0

:  比較用試験片の曲げ強度 (N/mm

2

)



A 1438-1992

F

x

:  所定回数(回)を繰り返したときの試験片の曲げ強度 (N/mm

2

)

(5)

  ひび割れ  それぞれの試験片について,各有効幅に対するひび割れの有無及びひび割れ発生までの日

数を観察し記録する。

(6)

  反り  それぞれの試験片について,最大反り量とその時点までの時間を求める。

5.

  報告  報告は,次の事項のうち必要なものを記載する。

(1)

  試験片の種類,寸法及び採取方法

(2)

  試験の種類,繰返し回数

(3)

  外観観察

(4)

  最大質量変化率

(5)

  最大長さ変化率

(6)

  比較用試験片の曲げ強度及び曲げ強度変化率

(7)

  ひび割れ試験片の有効幅,乾燥日数及びひび割れの有無

(8)

  最大反り量及びその時点までの時間

JIS A 1438 原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

重  倉  祐  光

東京理科大学

(幹事)

丸  一  俊  雄

清水建設株式会社

菊  池  雅  史

明治大学

中  澤  守  正

建設省住宅局

楡  木      尭

建設省建築研究所

長  田  直  俊

通商産業省生活産業局

池  田      要

工業技術院標準部

塩  原  壮  太

建設省大臣官房

黒  木  勝  也

財団法人日本規格協会

上  園  正  義

財団法人建材試験センター

川  島  繁  三

住宅・都市整備公団

中  川  宗  男

戸田建設株式会社

吉  留  一  馬

社団法人プレハブ建築協会

中  島  勝  彌

社団法人日本建築士事務所協会連合会

飯  地      稔

社団法人石膏ボード工業会

原      敬  夫

日本繊維板工業会

土  谷  眞  澄

日本パルプセメント板工業組合

井  上  忠  泰

スレート協会

吉  田  邦  男

日本乾式防火サイディング協会

秋  山  信  夫

ロックウール工業会

(分科会委員)

富  永  勝  美

木片セメント板工業会

佐  藤  和  博

日本乾式防火サイディング協会

岸      賢  蔵

社団法人建材試験センター

(事務局)

富  田  賢  策

社団法人建材試験センター