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日本工業規格

JIS

 A

1436-

1991

建築用被膜状材料の下地不連続部

における耐疲労性試験方法

Test methods for movement capability of coatings and

sheets fully adhered on substrate

1.

適用範囲  この規格は,建築物等の保護・仕上げなどの目的で屋根スラブ,壁,床等に接着して用い

るシート状材料又は塗布して用いる液状材料の硬化物の,下地不連続部に生じるムーブメントによる疲労

に対する抵抗性を評価するための試験方法について規定する。

備考  この規格の引用規格を次に示す。

JIS A 5403

  石綿スレート

JIS Z 8703

  試験場所の標準状態

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。

(1)

ムーブメント  下地不連続部に繰り返し生じる動き。

(2)

ムーブメントの大きさ  動きの全振幅。

3.

試験体

3.1

下地板

(1)

材料  下地板の材料は,JIS A 5403 に規定する厚さ 8mm のフレキシブル板とする。

(2)

種類及び寸法  下地板の種類は,表 に示すように,下地不連続部の形によって A 形,B1 形及び B2

形の 3 種類とする。

なお,下地板の寸法を

表 に示す。

表 1  下地板の形状

形状

下地不連続部の形

対象とする下地の参考例

A

下地板の裏面中央部の幅方向に深さ

約 6mm の V 形の切込みを入れたもの

図 参照)

通常のコンクリート下地など。

プレキャストコンクリート部材,ALC パネルで目地詰めなどの処
理を行うもの

B1

下地板の中央部の幅方向に 1mm の開
口部を開けたもの(

図 参照)

成形品によって構成される下地で接合部を目地詰めなどの処理
をせず,しかもそのすき間が狭いもの。例えば,プレキャストコ
ンクリート部材,ALC パネルの長辺突き付け部分など

B2

下地板の中央部の幅方向に 2mm の開
口部を開けたもの(

図 参照)

成形品によって構成される下地で接合部を目地詰めなどの処理
をせず,しかもそのすき間が広いもの。例えば,プレキャストコ
ンクリート部材,ALC パネルの短辺突き付け部分,断熱材の突き

付け部分など


2

A 1436-1991

図 1  下地板の形状(形)

図 2  下地板の形状(B1 形及び B2 形)

表 2  下地板の寸法

単位 mm

形状

長さ

備考

400 150

シート状材料に用いる

A

230 90

液状材料の硬化物に用いる

200 150

シート状材料に用いる

B1

形,B2 形

115 90

液状材料の硬化物に用いる

備考  1 枚の下地板を複数の被膜状材料に用いる場合は,適宜幅を大

きくする。 

3.2

試料などの準備  試料及び試験体作製のために必要な材料並びに下地板は,JIS Z 8703 の温度 20℃2

級,湿度 65%20 級 [20±2℃, (65±20) %]  の状態(以下,標準状態という。

)で 24 時間以上静置する。


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A 1436-1991

3.3

試験体の作製  試験体は,標準状態において製造業者の指定する方法によって試料を下地板に接着

又は塗布して作製する。

被膜の大きさは,シート状材料では幅 100mm,長さ 300mm,液状材料では幅 50mm,長さ 150mm とし,

長さ方向の中央部が下地板の切込み部分又は開口部分の上にくるようにする。その形状を

図 及び図 

示す。

図 3  試験体の形状(形試験体)

図 4  試験体の形状(形試験体)

3.4

試験体の養生  試験体の養生は,標準状態で 14 日間行い,その後 40±2℃の恒温乾燥器内で,シー

ト状材料は 3 日間,液状材料は 7 日間行う。

3.5

試験体の数量  試験体の数は,3 個とする。

4.

試験装置  試験装置は,次による。

4.1

疲労試験装置

(1)

下地板の平面を保ちながら平行に往復運動するもの。

(2)

下地板の不連続部の幅を,

表 及び表 に規定するムーブメントに調節できるもの。

(3)

表 及び表 に規定する繰返し回数を制御できるもの。

4.2

恒温槽  疲労試験装置を収納し,槽内温度を表 及び表 に規定する温度に調節できるもの。温度

調節の精度は±2℃とする。

なお,疲労試験装置の一例を

図 に示す。


4

A

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表 3  疲労試験工程表(形試験体) 

(

1

) 0.05

∼0.1mm とは,ムーブメントの最小値を0.05mm,最大値を0.1mm とし,その間を繰り返すことを表す。以下,同様。

(

2

)

○印は,縦及び横の欄で示される条件で,ムーブメントを 500 回繰り返すことを表す。

(

3

)

→印は,工程の実施する順序を示す。

(

4

)

◎印は,縦及び横の欄で示される条件で,ムーブメントを 300 万回繰り返すことを表す。

(

5

)

周期の区分は,

表 による。

(

6

)

大きさの区分は,

表 6.1,表 6.2 による。

(

7

)

最低試験温度による区分は,

表 による。

(

8

)

試験条件記号は,

表 から表 に示す試験条件を表す。


5

A

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1

表 4  疲労試験工程表(形試験体) 

(

9

)

±0.25mm とは,ムーブメントの大きさを表す。以下,同様。

(

10

)

大きさの区分は,

表 7.1 及び表 7.2 による。


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A 1436-1991

図 5  試験装置(例)

5.

試験方法

5.1

試験条件

5.1.1

試験条件の種類  試験条件の種類は,表 及び表 に示す 48 種類とする。

5.1.2

試験条件の選定  試験条件の選定は,下地,環境及び部位によって,ムーブメントの周期,大きさ

及び最低試験温度について行う。

(1)

ムーブメントの周期  ムーブメントの周期は,表 によって長周期又は短周期のいずれかを選定する。

表 5  ムーブメントの周期

周期の区分

周期

主として対象とするムーブメントの発生原因

記号

長周期 10 分

温度変化及び湿度変化による場合 L

短周期 0.1 秒

風又は地震による場合,若しくは空調機等の機器類
の運転又は車両等の通行に起因する振動による場合

S

(2)

ムーブメントの大きさ  ムーブメントの大きさは,試験体の形状によって A 形試験体では表 6.1 及び

表 6.2,B 形試験体では表 7.1 及び表 7.2 によって選定する。


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A 1436-1991

表 6.1  形試験体のムーブメントの大きさ(長周期の場合)

ムーブメントの

大きさの区分

ムーブメント

mm

対象とする

部位の参考例

対象とする下地の参考例

0.1A 0.05

∼0.1

(第一工程)

0.1

∼0.2

(第二工程)

0.25A 0.1

∼0.2

(第一工程)

0.25

∼0.5

(第二工程)

床 
内壁

0.5A 0.25

∼0.5

(第一工程)

0.5

∼1.0

(第二工程)

内壁,外壁

現場打ち鉄筋コンクリート

屋根 
外壁

現場打ち鉄筋コンクリート 
プレキャストコンクリート部材

1.0A 0.5

∼1.0

(第一工程)

1.0

∼2.0

(第二工程)

床 
内壁,外壁

プレキャストコンクリート部材

ALC

パネル

2.5A 1.0

∼2.0

(第一工程)

2.5

∼5.0

(第二工程)

屋根 ALC パネル

表 6.2  形試験体のムーブメントの大きさ(短周期の場合)

ムーブメントの

大きさの区分

ムーブメント

mm

対象とする

部位の参考例

対象とする下地の参考例

0.1A 0.05

∼0.1

(第一工程)

0.1

∼0.2

(第二工程)

0.25A 0.1

∼0.2

(第一工程)

0.25

∼0.5

(第二工程)

振 動 の 生 じ る
床,壁

0.5A 0.25

∼0.5

(第一工程)

0.5

∼1.0

(第二工程)

振 動 の 生 じ る

屋根

現場打ち鉄筋コンクリート 
プレキャストコンクリート部材

ALC

パネル

表 7.1  形試験体のムーブメントの大きさ(長周期の場合)

ムーブメントの

大きさの区分

ムーブメント

mm

対象とする

部位の参考例

対象とする下地の参考例

0.5B

±0.25

1.0B

±0.5

2.0B

±1.0

屋根,床,壁

断熱材 
プレキャストコンクリート部材

ALC

パネル


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A 1436-1991

表 7.2  形試験体のムーブメントの大きさ(短周期の場合)

ムーブメントの

大きさの区分

ムーブメント

mm

対象とする部

位の参考例

対象とする下地の参考例

0.5B

±0.25

1.0B

±0.5

振動の生じる
屋根,床,壁

断熱材 
プレキャストコンクリート部材

ALC

パネル

(3)

最低試験温度  最低試験温度は,表 によって選定する。

表 8  最低試験温度

最低試験温度

対象とする使用環境の参考例

0

年間を通じて,外気温が 0℃以下とならない地域に使

用する場合,又は通常の室内だけに限定される場合

−10

外気温が 0℃から−10℃の間になる地域に使用する場

−20

外気温が−10℃以下となる地域に使用する場合

5.2

試験の手順  試験の手順は,次のとおりとする。

5.2.1

A

形試験体の場合

(1)

試験に際して,被膜面を内側にして表面をきず付けないように試験体を軽く折り曲げ,下地板の切込

み部にき裂を生じさせる。

なお,下地板の切込み部にき裂が生じないときは,更に,被膜面を外側にして軽く折り曲げる。

(2)

試験体を疲労試験装置に取り付け固定する。

(3)

試験体を温度 20±2℃の状態で 3 時間以上静置する。

(4)

第一工程のムーブメントの最小値まで下地板のき裂部の幅を拡大し,速やかに第一工程を繰り返す。

(5)

順次,試験温度を変えて第一工程を繰り返す。

なお,試験温度条件変更に伴う調整時間中は,下地板のき裂幅をそれまで実施されていたムーブメ

ントの最小値に保持する。

また,試験温度条件変更に伴う繰返しの再開は,当該温度になってから 1 時間以上とする。

(6)

第一工程終了後,第一工程と同様に第二工程を繰り返す。

(7)

第二工程の試験温度条件変更に伴う条件は(5)と同じとする。

5.2.2

B

形試験体の場合

(1)

試験体を疲労試験装置に取り付ける。このとき,下地板の開口幅は B1 形の場合は 1mm,B2 形の場合

は 2mm とする。

(2)

試験体を温度 20±2℃の状態で 3 時間以上静置後,繰り返す。順次,試験温度を変えて繰返しを行う。

なお,試験温度条件変更に伴う調整時間中は,下地板の開口幅を試験体を取り付けたときの幅に保

持する。

また,試験温度条件変更に伴う繰返しの再開は,当該温度になってから 1 時間以上とする。

6.

検査項目  検査は各工程の最後に,ムーブメントの最大値及び最小値の開口幅の状態で目視によって

観察し,結果を次の項目について記録する。

(1)

破断  被膜の一部又は全部が,表面から裏面まで貫通する破れを生じた状態。

(2)

ピンホール  被膜表面に生じた円形の穴で,裏面まで貫通しているもの。

(3)

ひび割れ  表面又は裏面に生じた細かい割れ。


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A 1436-1991

(4)

しわ  き裂部又は開口部の拡大時に伸びた部分が,縮小時にそのまま残留した変形状態。

(5)

はく離  下地板と被膜の間又は被膜内に生じた層状のはだ分かれ。

(6)

小穴  被膜表面に生じた円形の小さい穴で,裏面まで貫通していないもの。

(7)

その他  上記以外の変化。

参考  裏面を観察する場合は,必要に応じてファイバースコープ,鏡などを使用するとよい。

7.

報告  試験報告書には,下記の事項を記載する。

(1)

採用した条件など

(a)

試験体の形状・寸法

(b)

下地板

(c)

養生条件

(d)

試験条件

(e)

検査項目

(2)

各試験工程ごとの観察結果


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A 1436-1991

建築用皮膜状材料の下地不連続部における耐疲労性試験方法 JIS 原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

小  池  迪  夫

東京工業大学工業材料研究所

田  中  亨  二

東京工業大学工業材料研究所

上  野  公  成

建設省住宅局

伊  藤      弘

建設省建築研究所

田  中  正  躬

通商産業省生活産業局

池  田      要

工業技術院標準部

池  田  順  一

財団法人日本規格協会

須  藤  作  幸

財団法人建材試験センター

古  屋  重  光

建設省大臣官房官庁営繕部

中  村  和  夫

社団法人日本建築士事務所協会連合会

川  島  繁  三

住宅・都市整備公団試験研究所

鶴  田      裕

大成建設株式会社技術研究所

渡  邊  敬  三

戸田建設株式会社建築本部

青  山      幹

株式会社大林組技術研究所

岩  井  孝  次

鹿島建設株式会社技術研究所

佐  川  昭  夫

日本ウレタン建材工業会

中  澤  文  雄

日本外壁防水材工業会

大  杉  豊  彦

日本建築仕上材工業会

郡  司      亮

アスファルトルーフィング工業会

鷹  島  鉦  造

合成高分子ルーフィング工業会

伊  藤  光  一

シリコーン工業会

芝      吉  朗

日本ラテックス加工株式会社

浅  見      勉

株式会社エービーシー商会

(事務局)

富  田  賢  策

財団法人建材試験センター