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日本工業規格

JIS

 A

1432

-1995

被覆材付き配管の熱的性能測定方法

Method of testing to determine the thermal

properties of insulated heating tubes

(Hot water circulation procedure)

1.

適用範囲  この規格は,住宅などの暖房(冷房)又は給湯配管に用いられる,工場で被覆材を取り付

けた小口径管の流水試験方法による熱的性能について規定する。

備考1.  ここでいう熱的性能とは,被覆材付き配管の線熱損失率,線熱通過率,被覆材表面温度など

をいう。

2.

この規格の中で{  }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるもので参考値で

ある。

2.

用語の定義  この規格で用いる用語の定義は,次のとおりとする。

(1)

被覆材付き配管  火傷の防止又は断熱を目的とする材料を工場で被覆した管を加工・組み立てたもの

をいい,管にはコイル巻管と直管がある。

(2)

コイル巻管  一般にコイル状に巻いて流通する製品で,人力によって比較的容易に曲げ加工できる性

状の管をいう。

(3)

直管  一般に直線状で流通する製品で曲がり部・分岐部にはエルボ・チーズなどの継手類を用いる管

をいう。

(4)

入口温水温度  (

θ

1

及び出口温水温度  (

θ

2

)

  測定する試料の端部における温水温度であって,流入部

の温度を入口温水温度,流出部の温度を出口温水温度という。

(5)

線熱損失率  (q)  ある温水温度条件における被覆材付き配管の 1m 当たり,1 時間に損失する熱量をい

う。

(6)

線熱通過率  (k)  入口温水温度と出口温水温度の平均値(以下,平均温水温度という。)と周囲温度と

の差 1℃に対する線熱損失率をいう。

3.

測定装置

3.1

測定装置の主な構成は,

図 に示すように,恒温水槽,流量測定装置,温度(必要な場合,差温)

測定装置から成る。

3.2

恒温水槽は,温水入口温度を±0.2℃以内に維持する性能をもつものとする。

3.3

測定機器の精度は,

表 のとおりとする。


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A 1432-1995

図 1  測定装置(例)

表 1  測定機器の精度

測定温度

精度

入口・出口温水温度測定装置

±0.05℃分解能 0.01℃以上

表面温度及び周囲温度用温度計

±0.5℃分解能 0.1℃以上

流量測定装置

±1%

備考1.  測定機器の精度は,記録された測定値の精度を示す。

2.

周囲温度とは,試料の周囲の空気温度をいう。

3.4

被覆材表面温度の測定は,熱電対を用いて行う。

熱電対は,線径 0.2mm 以下,又はシート型のものとする。

3.5

試験室は,周囲温度変動が±1℃に維持できるものとする。

備考  試験室内の環境は,理想的には静止空気であり,恒温装置をもつ試験室の場合にも,気流に十

分注意する。

4.

試料

4.1

試料は,コイル巻管及び直管を対象とし,直管の場合はエルボを用いる。エルボ部は,対応するエ

ルボを用い,同質の被覆材を取り付ける。

備考1.  直管と同質の被覆材付きコイル巻管がある場合は,コイル巻管で代用することができる。

2.

直管で専用の被覆材付きエルボがある場合は,これを使用する。

4.2

試料は,原則として

図 に示す標準形状及び寸法に組み立てて,水平に配置する。

4.3

この測定方法は,実際の使用状態の熱的特性を測定するため,特に試料の養生・乾燥などについて

は規定しない。


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A 1432-1995

図 2  試料管材の標準形状及び寸法

5.

測定方法

5.1

周囲温度  (

θ

a

)

は,

試料の近傍において同じ高さで 4 か所以上測定し,

その平均値によって表示する。

5.2

被覆材表面温度  (

θ

S

)

は,試料の 3 か所を測定し,各箇所は上・中・左・右 4 点,計 12 点の平均値

で表示する。

5.3

平均温水温度  (

θ

n

)

と周囲温度の差は 20℃以上とする。

5.4

測定は,温度の定常状態で行う。定常状態の判定は,平均温水温度と被覆材表面温度との差[式(1)]

及び被覆材表面温度と周囲温度との差[式(2)]が次の範囲内の変動に収まったときとする。

(

) (

)

%

2

s

m

s

m

sm

mm

θ

θ

θ

θ

θ

θ

 (1)

(

) (

)

%

2

a

s

a

s

am

sm

θ

θ

θ

θ

θ

θ

 (2)

2

2

1

θ

θ

θ

m

ここに,

θ

mm

測定時前 1 時間の平均温水温度の平均値  (℃)

θ

sm

測定時前 1 時間の被覆材表面温度の平均値  (℃)

θ

am

測定時前 1 時間の周囲温度の平均値  (℃)

θ

m

平均温水温度  (℃)

θ

s

被覆材表面温度  (℃)

θ

a

周囲温度  (℃)

θ

1

入口温水温度  (℃)

θ

2

出口温水温度  (℃)


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A 1432-1995

測定は,定常状態が 30 分以上継続した後,30 分間に 5 回行う。

5.5

測定は,1 試料に対して平均温水温度の設定を変えて 3 回行う。

備考1.  例えば平均温水温度は,原則として約80℃,60℃及び40℃のように設定する。ただし,恒温

水槽は一般に平均温水温度を検出していないので,上記例を目安とする。

2.

使用最高温度が 80℃より低い場合は,その温度を最高温度として平均温水温度を設定する。

6.

性能の算出  試料の熱的特性は,線熱損失率,線熱通過率を算出する。

6.1

線熱損失率

(

)

L

m

C

q

p

2

1

θ

θ

&

ここに,

q

:  線熱損失率 (W/m) {kca1/m・h}

C

p

:  水の定圧比熱 (J/kg・K) {kca1/kg・℃}

m

&:  質量流量 (kg/s) {kg/h}

L

:  試料長さ (m)

6.2

線熱通過率

a

m

q

k

θ

θ

ここに,  k:  線熱通過率 (W/m・℃) {kcal/m・h・℃}

7.

報告  次の項目について報告する(付表 参照)。

(1)

被覆材付き配管の種類及び仕様

(2)

平均温水温度,周囲温度,被覆材表面温度の測定結果

(3)

線熱損失率及び線熱通過率

(4)

その他(参考値)

備考  被覆材の熱伝導率が別途測定されているとき,線熱損失率を計算し,参考値として報告する。


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付表 1  測定報告書(例)


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A 1432-1995

新規原案調査作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

田  中  俊  六

東海大学工学部

斎  藤  忠  義

国士館大学工学部

吉  野      博

東北大学工学部

宇田川  光  弘

工学院大学

武  田      仁

東京理科大学理工学部

卯  木      稔

工業技術院標準部

岡      樹  生

財団法人建材試験センター

上  園  正  義

財団法人建材試験センター中央試験所

井  上  二  郎

東京ガス株式会社技術研究所

平  山  昌  宏

株式会社大林組設備設計部

高  橋      存

日本保温保冷工業協会

古  川  典  保

関東電気工業株式会社

佐  藤  雅  直

三菱金属株式会社桶川製作所

小  川      忠

松下電器産業株式会社東京設備機器営業所

江  夏      弘

社団法人日本住宅設備システム協会

鴨志田  隆  英

日本暖房機器工業会

山  中  克  彦

社団法人日本電気工業会

真  嶋  秀  雄

社団法人日本銅センター

印  牧  宗一郎

社団法人日本冷凍空調工業会