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日本工業規格

JIS

 A

1423

-1983

赤外線放射温度計による放射率の

簡易測定方法

Simplified Test Method for Emissivity by Infrared Radio Meter

1.

適用範囲  この規格は,主として建築物の壁,屋根,床,天井等に用いる建築部材の表面の常温にお

ける放射率を,赤外線放射温度計を用いて,簡易に測定する方法について規定する。

引用規格:

JIS Z 8120

  光学用語

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8704

  温度の電気的測定方法

2.

用語の意味  この規格に用いる主な用語は,次に示すほか,JIS Z 8120(光学用語)による。

(1)

放射率  表面の出す放射熱量を表面のほぼ垂直方向から測定し,その表面は灰色体であると仮定して

算出する放射率。

(2)

赤外線放射温度計  試料表面の放射率をあらかじめ知って計器の放射率指定目盛をそれに合わせた後,

試料表面の出す赤外線放射熱量と,赤外線放射温度計の内部に自蔵する基準面の放射熱量とを比較し,

その差から対象とする試料表面の温度を算出する計器。

3.

試料

3.1

寸法・形状  縦・横の寸法は,50×100mm 以上 150×300mm 以下とする。厚さは,短辺の少なくと

10

1

以下で,放射率を測定しようとする側の表面(以下,試料表面という。

)の形状は平面とし,凹凸の

差は 1mm 以内とする。

また,裏面は,試料加熱装置と密着するように十分平滑でなければならない。

3.2

表面の加工  試料表面のうち,その半分を放射率 0.95 以上の黒色つや消し塗料で一様に塗装する(以

下,この部分を黒体化した部分という。

4.

測定装置

4.1

測定装置の構成  測定は恒温室内で行うものとし,装置の構成は図 のように,試料表面の赤外線

放射熱量を測るための赤外線放射温度計,試料表面の温度を測るための熱電温度計,試料表面温度を調整

するための試料加熱装置,周囲から入射する放射量を調整するための暗幕及びそれぞれに附属する諸計器

から成る。


2

A 1423-1983

図 1  測定装置の構成例

4.2

恒温室  常温の範囲で±0.5℃の精度で室内の温度を一様に保つことができるものとする。

4.3

赤外線放射温度計  次の性能のものとする。

応答波長範囲  8∼13

µm 又はそれ以上の長波長を測定可能なもの

測定温度範囲  常温

視野角

2

°以下

温度分解能 0.2℃以上(常温において)

4.4

試料加熱装置  図 に一例を示すように,加熱板表面温度を一定に保つことによって,これに取り

付けた試料表面の温度を一定かつ均一に保ち,制御範囲は,試料表面の温度が,恒温室空気とほぼ等しい

温度と,それより 10℃又はそれ以上高い温度の二つに制御できるものとする。温度変動は±0.1℃とする。


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A 1423-1983

図 2  試料加熱装置断面図(例)

4.5

暗幕  裏面が透けて見えない十分に厚い布地のものとする。暗幕は,二重であることが望ましい。

また暗幕の大きさは,装置の発熱があっても暗幕内部の温度分布が不均一にならないために十分な大き

さである必要がある。

4.6

熱電温度計  素線径 0.20mm 以下の CC 熱電対を用いた熱電温度計で,JIS Z 8704(温度の電気的測

定方法)の B 級の方式とする。

5.

測定

5.1

恒温室の調整  恒温室の設定温度を常温の範囲の任意の温度に定める。恒温室は少なくとも 3 時間

以上運転し,恒温室内各位置の温度が変わらないことを確かめる。

5.2

試料表面温度の調整  試料を,その裏面が試料加熱装置の銅板に密着するようにちょう(貼)付す

る。次に,試料表面に熱電対を

図 の例に示すように配置し,試料加熱装置を運転して試料表面が恒温室

とほぼ同じ温度になるように調整し,熱電温度計によってそれを確かめる。


4

A 1423-1983

図 3  試料表面の熱電対の位置

5.3

赤外線放射温度計による読み  赤外線放射温度計の放射率指定目盛を完全黒体の位置に合わせ,試

料表面の黒体化した部分の温度を測定し,その読みが 5.2 による熱電温度計の値と一致することを確かめ

る。その温度を T

b1

とする。次いで,赤外線放射温度計の放射率指定目盛を完全黒体の位置に合わせたま

ま,試料表面の黒体化してない部分の温度を測定し,その読みを T

1

とする。

5.4

試料の加熱  試料加熱装置の温度を設定し直し,試料表面の温度が 5.2 の状態よりも 10℃又はそれ

以上高温となるように調整し,熱電温度計を用いてそれを確かめる。

5.5

赤外線放射温度計による 回目の読み  赤外線放射温度計の放射率指定目盛を完全黒体の位置に合

わせ,試料表面の黒体化した部分の温度を測定し,その読みが 5.4 による熱電温度計の値と一致すること

を確かめる。その温度を T

b2

とする。次いで,赤外線放射温度計の放射率指定目盛を完全黒体の位置に合

わせたまま,試料の黒体化してない部分の温度を測定し,その読みを T

2

とする。

6.

放射率の算出  放射率の算出は,次式による。

1

2

1

2

b

b

T

T

T

T

=

ε

ここに,

ε

:  求める放射率

T

1

:  5.3 の方法で読みとった値  (℃)

T

2

:  5.5 の方法で読みとった値  (℃)

T

b1

:  5.3 の方法で読みとった値  (℃)

T

b2

:  5.5 の方法で読みとった値  (℃)

算出された数値の有効数字は二けたとし,丸め方は JIS Z 8401(数値の丸め方)による。ただし,二け

た目は参考とする。

7.

結果の記録  次の項目について記録する。

(1)

材料名  特記すべきことがあればそれも付記する。

(2)

放射率  6.によって算出された値を記す。

(3)

放射率を算出したときの試料表面温度

T

b1

及び

T

b2


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A 1423-1983

(4)

その他必要と思われる事項

JIS

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

藤  井  正  一

芝浦工業大学

成  瀬  哲  生

近畿大学理工学部

斎  藤  平  蔵

東京理科大学理工学部

宮  野  秋  彦

名古屋工業大学工学部

宿  谷  昌  則

早稲田大学理工学部

岡      樹  生

財団法人建材試験センター

田  中  辰  明

株式会社大林組

中  村  政  則

大成建設株式会社

林      俊  太

通商産業省工業技術院標準部

高  橋      徹

建設省住宅局

芦  沢      達

社団法人日本カーテンウォール工業会

悳      昭  彦

日本真空技術株式会社

矢  野      寛

板硝子協会

岩  田  誠  二

通商産業省生活産業局