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日本工業規格

JIS

 A

1406

-1974

屋内換気量測定方法(炭酸ガス法)

Method for Measuring Amount of Room Ventilation (Carbon Dioxide Method)

1.

適用範囲  この規格は,室内と室外の炭酸ガス(以下 CO

2

という。

)濃度の差を測定することにより,

計算によってその室の換気量を求める方法の一般的原則について規定する。

2.

測定方法とその注意事項

2.1

測定方法  CO

2

濃度の測定は,次のいずれかの方法による。

(1)

水酸化バリウム法

(2)

簡易定量法

(3)

検知管法

(4)

ガス干渉計法

(5)

赤外線ガス分析計法

2.2

測定点  換気によって入ってくる空気量(給気量)を求める場合は,室内空気中に一様に CO

2

が分

布しているかどうかを調べるのに十分な数の測定点を設けなければならない。

一般に,比較的空気の流動がある場合は,垂直,水平方向共に,大きな濃度分布差は見られないのが通

例であるが,空気が停滞している室の場合,時としてかなりの濃度分布差を生じることがあるので,この

ような場合は,この計算法は適用できないのであるが,垂直方向と水平方向に測定点を十分に多くして,

その算術平均値を用いれば準用することができる。垂直方向の測定点は,天井面付近,人の呼吸線の位置

(床から 1.2m 付近の高さ)

,床面に近い位置を含む 3 点ないし 5 点を選ぶことが望ましい。

3.1

の(1)式による計算法では,最初濃度分布が均一となるように,扇風機を使用するなどの適当な方法

で室内空気をかくはんする必要がある。ボンベから CO

2

を放出するような場合には,必ずこの操作を行わ

なければならない。ただし,映画館,劇場などの興行場において,客席に対する給気効果を知ろうとする

場合は,原則として床上 1∼1.5m の高さで,また水平方向に 4∼5m 平方 (16∼25m

2

)

につき 1 点の割合で

測定し,3.2 の(3)式を用いて計算する。給気(外気)に直接関係すると思われる開口部付近又は給気(外

気)取入口の近傍における CO

2

濃度も必ず測定する。

機械換気の場合には,更に給気口と排気口につきそれぞれ 1 点ずつ,風量及び CO

2

濃度の測定点を設け

る。

2.3

捕気に関する注意事項

(1)

捕気に当たっては,測定者自身及び在室者の呼気の影響のないように注意しなければならない。

(2)

測定器を直接測定場所に持ち込んで測定する場合と,捕気びん,捕気袋を用いて捕気し,別の場所で

検測する場合とがあるが,後者の場合は極力早く測定を終了するようにし,その間に温度変化などに

よる漏気のないようにしなければならない。その他,ゴム管などを用いて採気箇所から検測箇所へ空

気を吸引する方法があるが,このときは管内の空気を被験空気で十分置換する必要がある。また,捕


2

A 1406-1974

気袋は,あらかじめ漏気を確かめておかなければならないが,その場合,必ずスプレーなどの機械に

より,新鮮な空気を圧入して検査を試みるようにし,呼気によって漏気を検査することは絶対に避け

なければならない。

(3)

給気(外気)及び排気についても,(1)(2)と同様に扱う。

2.4

測定時間間隔及び測定回数  測定時間の間隔は,室の規模,種類と換気量の大小(CO

2

濃度の減少

速度)などに応じて適宜変えうるが,いずれの場合も 30 分間以内とし,測定は少なくとも最低 5 回以上繰

り返すこと。

一般に,換気量に比べて室容積が大きい場合ほど,測定時間間隔を大きくとることができる。

2.5

CO

2

発生源に在室者の呼気を利用する場合の基準と注意事項  人間の呼出する CO

2

の量は,次表に

よって算定する。

CO

2

発生源としての在室人員の算定は極めて重要であるから,一般に在室者数が全く不変の場合以外は,

10

分間隔以内で,その時間間隔内における人員の出入状況を調査することが望ましい。

人間が呼出する CO

2

量(成年男子)

作業中のエネルギー代謝率 CO

2

呼出量 (m

3

/h)

労働時間 8 時間中の平均エ

ネルギー代謝率

労働時間 8 時間中の平均

CO

2

呼出量 (m

3

/h)

0

(安生息時) 0.011

 0

∼1.0  (着座事務作業) 0.0129∼0.0230 0.8

0.0129

∼0.0184

 1.0

∼2.0  (徐歩行) 0.0230∼0.0330 0.8∼1.5 0.0184∼0.0248

 2.0

∼4.0  (軽労働) 0.0330∼0.0538 1.5∼2.6 0.0248∼0.0350

 4.0

∼7.0  (中労働) 0.0538∼0.0840 2.6∼3.5 0.0350∼0.0420

 7.0

以上  (重労働) 0.0840 以上 3.5 以上 0.0420 以上

備考  女子は表の値の 90%,児童は表の値の 50%程度にとる。

3.

換気量の計算方法及びその適用範囲

3.1

CO

2

濃度の減少を測定して行う場合の計算方法  室内で CO

2

の発生が停止されると,室内空気中の

CO

2

濃度は逐次減ずる。給気の中の CO

2

濃度がこの間一定で,また室内空気中の CO

2

が一様に分布してい

る場合,給気量は(1)式(Seidel の式)で求める。

0

0

1

10

3

log

303

.

2

/h)

(m

C

C

C

C

t

V

Q

t

=

 (1)

ここに

Q

:  給気量 (m

3

/h)

V

:  その室の気積 (m

3

)

t

:  第 1 回目の測定時刻からその測定までの経過時間 (h)

C

1

:  第 1 回目の測定時刻  (t=0)  における室内空気中の CO

2

濃度

(m

3

/m

3

)

C

t

:  時間後における室内空気中の CO

2

濃度 (m

3

/m

3

)

C

0

:  給気中の CO

2

濃度 (m

3

/m

3

)

3.2

CO

2

濃度の増加を測定して行う場合の計算方法  室内で CO

2

の発生が開始されると,室内空気中の

CO

2

濃度は逐次上昇し,十分に時間が経過すると,ある一定濃度に達する。給気中の CO

2

濃度と,室内に

おける CO

2

の発生量がこの間一定で,また,室内空気中に CO

2

が一様に分布している場合,給気量は(2)

式で求める。

t

V

Q

t

t

V

Q

e

C

C

C

C

e

M

Q

=

)

(

)

1

(

/h)

(m

0

1

0

3

 (2)


3

A 1406-1974

ここに

M

:  1 時間当たり室内で発生する CO

2

量 (m

3

/h)

  その他の記号は(1)式の場合に同じ。

この場合,CO

2

の発生を始める前に,室内空気中の CO

2

濃度が給気中の CO

2

濃度と等しいならば,給気

量は(2')式で求める。

0

3

)

1

(

/h)

(m

C

C

e

M

Q

t

t

V

Q

=

(2')

また,この方式で十分に時間が経過する場合〔(2),(2')式の

V

Q

が 5 以上の場合〕

,給気量は(3)式で求める。

0

3

/h)

(m

C

C

M

Q

t

=

 (3)

3.3

計算式が成り立つための条件と適用範囲  3.1 及び 3.2 の計算方法は,室内空気中に

CO

2

が一様に分

布し,かつ,給気中の

CO

2

濃度と

CO

2

の発生速度が測定中一定でないと成り立たない。ただし,給気中の

CO

2

濃度を知っておくことは望ましいが,給気と室内空気との

CO

2

濃度差を測定できるならば,必ずしも

知る必要はない。この計算方法は,室が

1

室で直接外気に面して開口部がある建物の換気量を知りたい場

合に適用できる。ただし,室が

2

室以上あっても,相互に十分かくはん流通していて

1

室と見なしうる場

合には適用できる。

4.

記録  換気量の測定の結果は,外気の

CO

2

濃度,風速などとともに記録する。

建築部会  屋内換気量測定方法専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

木  村      宏

関東学院大学

斎  藤  平  蔵

東京大学

太  田  敏  彦

建設省住宅局

吉  沢      晋

厚生省国立公衆衛生院

市  橋  利  明

工業技術院標準部

関  根      孝

建設省建築研究所

板  本  守  正

日本大学

今  野  啓  一

職業訓練大学校

野  村      豪

東京大学校

前  川  甲  陽

株式会社竹中工務店

橋  口      敬

神奈川大学

(事務局)

田  村  尹  行

工業技術院標準部材料規格課

松  本  大  治

工業技術院標準部材料規格課

小  林  秋  穂

工業技術院標準部材料規格課