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A 1400

:2007

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

1

4

  試験方法の種類

1

5

  試験方法の概要

2

5.1

  温水を熱媒とする放熱能力の試験方法

2

5.2

  蒸気を熱媒とする放熱能力の試験方法

2

5.3

  放射計を使用する放射放熱能力の試験方法

2

6

  試験室の種類

2

7

  試験室の概要

2

7.1

  開放形試験室

2

7.2

  空冷密閉形試験室

2

7.3

  液冷密閉形試験室

3

8

  試験室の校正

3

9

  放熱能力の計算方法及び試験結果の報告

3

9.1

  放熱能力

3

9.2

  放射放熱能力

3

附属書 A(規定)温水を熱媒とする放熱器の放熱能力試験方法

4

附属書 B(規定)蒸気を熱媒とする放熱器の放熱能力試験方法

12

附属書 C(規定)放熱能力試験のための試験室

21

附属書 D(規定)放射計を使用する放射放熱能力の試験方法

26

附属書 E(参考)マスターラジエータを使用する試験室の校正方法

33


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まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本暖房機器工業

会及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS A 1400:1998 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


日本工業規格

JIS

 A

1400

:2007

暖房用自然対流・放射形放熱器−性能試験方法

Radiators, convectors and similar appliances

−Methods of performance test

1

適用範囲

この規格は,暖房用自然対流・放射形放熱器(以下,放熱器という。

)の性能試験方法について規定する。

性能試験時に放熱器に供給する温水又は蒸気の温度及び圧力の限度は,放熱器ごとに製造業者の定める値

(最高使用温度及び最高使用圧力)以下とする。

なお,この規格でいう蒸気とは,すべて飽和蒸気を指し,圧力は,すべてゲージ圧力とする。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS A 4004

  暖房用自然対流・放射形放熱器−種類及び要求事項

JIS Z 8704

  温度測定方法−電気的方法

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 4004 によるほか,次による。

3.1

形態係数

二つの面 1,2 が空間を隔てて相対するとき,面 1 から放射され面 2 に直接入射する放射熱量の比を,面

1

から面 2 への形態係数といい,F

12

と書く。形態係数は,2 面の大きさ,形状,相対位置,角関係など幾

何学的な関係だけで決まる値である。

4

試験方法の種類

試験方法の種類は,

表 のとおりとする。

表 1−試験方法の種類

試験方法の種類

要旨

温水を熱媒とする放熱器
の放熱能力試験方法

放熱器に供給される温水の熱容量を,放熱器の放熱能力とする。 
供給される温水の放熱器入口及び出口におけるエンタルピの差から放熱能力
を求める。

蒸気を熱媒とする放熱器
の放熱能力試験方法

放熱器に供給される蒸気の熱容量を,放熱器の放熱能力とする。 
凝縮水量から放熱能力を求める。

放射計を使用する放射放
熱能力の試験方法

放熱器前面に熱遮へい板を置いた場合と置かない場合のそれぞれの放射熱量
を放射計によって計測し,その差から放熱器の正味放射熱量を求める。


2

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5

試験方法の概要

5.1

温水を熱媒とする放熱能力の試験方法

放熱器の入口及び出口における熱媒の温度と,放熱器を流れる熱媒の流量を測定することによって,熱

媒のエンタルピの差と質量流量を乗じ,放熱能力を求める。試験方法の詳細は,

附属書 による。

5.2

蒸気を熱媒とする放熱能力の試験方法

放熱器の凝縮水量を測定することによって,放熱能力を求める。試験方法の詳細は,

附属書 による。

5.3

放射計を使用する放射放熱能力の試験方法

放熱器を A.6.3 に示す定常状態になるように,熱媒の供給及び試験室内空気温度の制御を行う。その安

定状態において,放熱器の前方 0.6 m の位置で,放射計によって放射量を測定する。

次に,放熱器のすぐ前に近接して熱遮へい板を置いて放熱器からの放射を遮り,この状態で同じ位置で

放射計によって放射量を測定する。熱遮へい板によって放熱器からの放射熱だけが遮られるので,遮へい

板を置いたときと置かないときの放熱量の差から,放熱器からの正味放射熱量を求めることができる。

試験方法の詳細は,

附属書 による。

6

試験室の種類

放熱能力試験に使用する試験室の種類は,

表 のとおりとする。

なお,この規格において,試験室が内室と外室とで構成される場合には,特に断りがない限り,放熱器

を設置する内室を試験室という。

表 2−試験室の種類

試験室の種類

要旨

開放形試験室

放熱器を設置する内室と,それを取り囲む外室とからなる二重構造の試験室で,内室の

床面及び天井面には空気の出入口となる開口部を設ける。

空冷密閉形試験室

放熱器を設置する内室と,それを取り囲む外室とからなる二重構造の試験室で,内室を
構成する壁体にできるだけ熱を透過させやすい部材を使用する。

液冷密閉形試験室

放熱器を設置する試験室の壁体に,冷水その他の冷却用媒体を通すパイプ,パネルなど
を設置する。

7

試験室の概要

7.1

開放形試験室

放熱器をセットする試験室を開放形で空冷方式とする試験方法で,試験室は内室と外室とをもつ二重構

造とし,内室に外室と通ずる通風孔を設ける構造とする。試験室(内室)内に放熱器をセットして,外部

から配管を通して熱媒を供給し,これによって発生する熱負荷を天井面の開口部から空気とともに外室に

逃がす方法である。

外室においては,冷却ファンによる空気の強制循環,ファンを使わない自然循環,又は空調機によって,

放熱器の放熱量に見合う熱量を除去する。これによって,放熱器からの放熱量と,外室によって除去され

る熱量とをバランスさせ,試験室内の空気温度を一定に保つ。試験の詳細は,

附属書 による。

注記  空調機を使用しない場合は,熱負荷の強制的な除去を行わないので,外部温度の安定した時刻

を選んで試験を行う。

7.2

空冷密閉形試験室

放熱器をセットする試験室を密閉形で空冷方式とする試験方法で,試験室を内室と外室とをもつ二重構

造とする。試験室(内室)内に放熱器をセットして,外部から配管を通して熱媒を供給し,これによって


3

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発生する熱負荷を試験室の壁を通して外室に逃がす方法である。

外室においては,空調機によって空気の循環を伴う冷却によって放熱器の放熱量に見合う熱量を除去す

る。これによって,放熱器からの放熱量と,空調機によって内室から除去する熱量とをバランスさせ,試

験室内の空気温度を一定に保つ。試験室の詳細は,

附属書 による。

7.3

液冷密閉形試験室

放熱器をセットする試験室を密閉形で液冷方式とする試験方法で,試験室の周壁(床及び天井を含む。

に冷却パイプを巡らせるか又は試験室の壁自体を内部に冷却液などが通せるようにしたもので構成する。

試験室内に放熱器をセットして,外部から配管を通して熱媒を供給し,これによって発生する熱負荷を

試験室の周壁に巡らせた冷却パイプ又は冷却液を通じた壁パネルに逃がすことによって,放熱器の放熱量

に見合う熱量を除去する。これによって,放熱器からの放熱量と,冷却液によって試験室周壁から除去す

る熱量とをバランスさせ,試験室内の空気温度を一定に保つ。試験室の詳細は,

附属書 による。

注記  この方式の場合,壁体を冷却するための冷媒又は冷却液を供給する必要があるが,空冷方式の

ときのような外室は不要になる。

8

試験室の校正

放熱能力試験に使用する試験室の校正は,

附属書 によって行うことができる。

9

放熱能力の計算方法及び試験結果の報告

9.1

放熱能力

開放形試験室,空冷密閉形試験室又は液冷密閉形試験室を用いた放熱能力試験の結果から,放熱器の放

熱能力を算出する方法及び試験結果の報告は,温水用放熱器の場合は

附属書 A,蒸気用放熱器の場合は附

属書 による。

9.2

放射放熱能力

開放形試験室,空冷密閉形試験室又は液冷密閉形試験室を用いた放射放熱能力試験の結果から,放熱器

の放射放熱能力を算出する方法及び試験結果の報告は,

附属書 による。


4

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附属書 A

規定)

温水を熱媒とする放熱器の放熱能力試験方法

序文

この附属書は,温水を熱媒とする放熱器の放熱能力試験方法について規定するもので,各放熱器の形式

に応じて設定された条件に従い,定常状態で行われる試験に適用する。また,放熱器に特殊な設置条件を

設定したときにも適用できる。

A.1

試験室

放熱器の状態を一定に保つために,試験室を設ける。試験室の大きさ,構造などは

附属書 による。

A.2

測定計器

A.2.1

温湿度測定計器  温湿度の測定は,あらかじめ校正された水銀封入ガラス製温度計,熱電対温度計,

抵抗温度計,サーミスタ温度計などを使用する。これらの温湿度計の最小目盛の値を

表 A.1 に示す。また,

精度はその計測値において,

表 A.1 に示す範囲内とする。

A.2.2

水量測定計器  水量の測定は,流量計,オリフィスメータ又は質量若しくは体積を直接測定する水

量計を用いる。水量測定計器の最小目盛の値を

表 A.1 に示す。また,精度はその計測値において,表 A.1

に示す範囲内とする。

A.2.3

通水抵抗測定計器  通水抵抗の測定は,水圧力計を用いる。水圧力測定計器の最小目盛の値を表

A.1

に示す。また,精度はフルスケールにおいて,

表 A.1 に示す範囲内とする。

A.2.4

大気圧測定計器  大気の圧力測定は,気圧計を用いる。この計器の最小目盛の値を表 A.1 に示す。

また,精度はその計測値において,

表 A.1 に示す範囲内とする。

表 A.1−測定計器の 目盛の値及び精度

測定項目

計器

最小目盛の値

精度

空気乾球及び湿球温度用

0.1

℃以下

±0.1  ℃

温水温度用 0.1

℃以下

±0.1  ℃

温湿度測定

乾球温度計 
湿球温度計

一般温度用 1

±0.5  ℃

質量計 5

g

以下

±0.5 %

容積計 5

cm

3

以下

±0.5 %

水量計

時計 0.1

s

以下

±0.5 %

水量測定

流量計 0.01

L/h

以下

±0.5 %

大気圧力測定

気圧計 0.1

hPa

以下

±0.25 hPa

通水抵抗測定

水圧力計

計測値の 5 %以下

±1.6 %F.S

A.3

試験装置

A.3.1

試験装置全体  試験装置全体の構成は,図 A.1 の例による。

なお,温水を供給する試験装置の構成は,要求条件に適合する他の装置を使用してもよい。

A.3.2

温水供給源  温水供給源は,試験中安定した温度と水量を保持して供給できるものとする。


5

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A.3.3

管系  管系は,適所に管内の空気泡が目視できる構造とし,空気抜きその他必要なものを設け,試

験中,水に空気泡が混入していないことを確認できるものとする。

図 A.1−試験装置全体の構成例

A.4

測定装置

A.4.1

一般

測定装置は,

図 A.1 及び図 A.2 に示す状態で,図に示す測定計器又はこれに準じる測定計器によって,

空気の乾球温度,湿球温度,熱源とする温水の通水量,水入口温度,水出口温度,水入口圧力及び水出口

圧力を測定する。

A.4.2

試験室内空気,壁,床及び天井面温度の測定

試験室内空気温度,試験室壁温度,試験室床面温度及び試験室天井面温度の測定には,放射の影響を排

除した感温体を用いる。

感温体は,

あらかじめ校正した T 形熱電対又は白金測温抵抗体の使用が望ましい。

測定点は次のとおりとし,温度測定のための感温体の配置を,

図 A.2 に示す。

a)

試験室の中心垂直軸の空気温度

1)

  代表点:床面上 0.75 m

2)

  床面上  0.05 m,0.50 m 及び 1.50 m

天井面下  0.05 m

b)

試験室の 隅の垂直軸の空気温度

試験室の 4 隅で直交する 2 壁面から,それぞれ 1 m の 4 垂直合計 8 点(各垂直軸に 2 点)

床面上  0.75 m 及び 1.50 m

c)

試験室内の壁面温度

1)

  外壁面,床面及び天井面の各中点:合計 6 点

2)

  試験用放熱器が設置される裏側対向壁面の中心垂直軸上で,床面上 0.3 m の点


6

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d)

その他の測定

1)

  試験室内空気の相対湿度

2)

  外室内を循環する空気の温度

3)

  大気圧

単位  m

図 A.2−試験室内空気温度,壁,床及び天井面温度測定のための感温体の配置

A.4.3

熱源水量,水温度及び圧力の測定

熱源水量,水温度及び圧力の測定は,次による。

a)

熱源水量の測定  水量測定は,はかりを用いて質量法で測定するか又は水量計によって計測する。容

積又は質量法による水量測定法では,少なくとも 2 分間の流量を蓄積できる容器を設けて計測しなけ

ればならない。水量測定を質量法で行う場合は,試験中流れている水量が安定していることを確認す

るために,瞬間流量計又はオリフィスメータを併設する。

b)

熱源水温の測定  水温の測定は,放熱器のコイルの水入口及び水出口にできるだけ近い位置で,温度

計,温度センサなどを用いて行う。

c)

配管の保温  水温度測定装置及び水温度測定装置と放熱器との間の配管,並びに水温度測定装置を超

えて 150 mm の間の配管は,いずれも保温するものとする。

d)

通水抵抗の測定  放熱器の入口及び出口の圧力を,水圧力計によって測定する。

A.5

試験の原理

放熱器の放熱能力は熱媒側の測定値を用い,放熱器を通過する熱媒流量と入口及び出口の比エンタルピ


7

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差とによって算出する。

放熱器の放熱能力は,次の式で与えられる。

(

)

2

1

m

h

h

W

Q

ここに,

Q

放熱器の放熱能力 (W)

W

m

熱媒の質量流量(質量速度)(kg/s)

h

1

h

2

放熱器入口及び出口における熱媒の比エンタルピ (J/kg)

h

1

及び h

2

は,試験時の放熱器出入口における圧力,温度及び熱媒の状態を基に,最新の蒸気表によって

求める。

A.6

試験要項

A.6.1

試験の準備

A.6.1.1

試験用放熱器の仕様範囲

この附属書に規定する方法で性能試験を行ってもよい放熱器は,次の仕様をもつ放熱器とする。

a)

  放熱能力は,試験室の単位容積当たり 87 W/m

3

以下とする。

b)

  放熱能力は,700 W 以上とする。

c)

  放熱器の幅(長さ)は,0.5 m 以上とする。ただし,たて長形の放熱器にあっては,放熱器の高さが

0.5 m

以上とする。

A.6.1.2

試験用放熱器の設置方法

a)

放熱器は,試験室の 1 壁面(

図 A.2 に示す N 面)に平行で,壁面中心軸に対し対称となるよう設置す

る。ただし,製造業者が定めた特別な設置条件がある場合は,それによる。

b)

放熱器裏側に対向する壁面と最も近い放熱器裏側放熱面の間隔は,

製造業者が定める標準の値とする。

c)

床面と放熱器下端の距離は,製造業者が定める標準の設置位置とする。

d)

試験用放熱器の配管接続は,製造業者が定める方法で熱媒入口及び出口に接続する。

e)

放熱器は,製造業者が用意した標準取付金具を用い支持又は固定する。

A.6.2

試験室内の空気状態制御

試験室内代表点で測定された空気温度が,19  ℃∼21  ℃の間で,かつ,その変動が±0.5  ℃以内で安定

を保つよう調節する。

試験室内の壁面温度は,室内空気の露点温度以上とする。

A.6.3

定常状態

放熱能力試験は,温度測定によって十分な熱的定常状態が確認されてから行う。定常状態は,試験開始

前に既に確立し,試験中は安定して維持されることが要求される。定常状態は,熱媒側と試験室内の空気

状態の両方に関係する。

試験室内各部の温度の定常状態を

表 A.2 に,熱媒側各部の温度及び圧力の定常状態を表 A.3 に示す。試

験中に等間隔で 6 回以上測定した各点の温度が,

表 A.2 及び表 A.3 に規定した範囲内であれば,定常状態

が確立し,試験中も維持されていたものとみなす。

空気温度の変動は,代表点ほかの測定点ともに±0.5  ℃以内とする。


8

A 1400

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表 A.2−試験室内温度の定常状態

測定された温度

平均値からの最大偏差

各周壁面,床面及び天井面の中点温度

±0.5  ℃

放熱器裏側に接近して対向する壁面の温度

±0.5  ℃

代表点の空気温度

±0.5  ℃

表 A.3−熱媒側の定常状態

測定対象

平均値からの最大偏差

流量

±2 %

温度

±0.2  ℃

圧力

±2 %

熱量

±1 %

A.6.4

試験操作

放熱器を所定の位置に設置し,要求される試験状態を得るため試験装置の加熱を開始し調整する。この

準備時間内は,各点の温度を継続して記録し,熱媒供給装置と試験室内の双方が A.6.3 で規定した定常状

態に達するまで調節を続ける。

温水を熱媒とする放熱器は,試験中の放熱器に対し規定の温度差となるよう流量を定める。この目的の

ため,試験中は放熱器入口及び出口の温水温度を測定し,放熱器出入口温度差を確認する。

A.6.5

標準状態

標準状態における試験は,

表 A.4 に示す条件で行う。各試験では,安定した状態が確認できるよう温度

を記録する。

表 A.4−標準状態

空気乾球温度 20

平均温水温度 70

温度差

50 K

(平均温水温度−空気乾球温度)

温水温度降下

10 K

A.6.6

放熱能力変化特性試験の条件

熱媒温度による放熱能力の変化特性を求めるための試験は,

表 A.5 に示す条件で行う。

各試験では,安定した状態が確認できるよう温度を記録する。試験は,平均温水温度 70  ℃のとき,入

口及び出口の温水温度降下が 10 K となる通水量を定格通水量とし,平均温水温度が 80  ℃及び 50  ℃のい

ずれの場合も,この定格通水量に等しい量の温水を通水して試験を行う。

表 A.5−放熱能力変化特性試験の条件

空気乾球温度 20

80

70

平均温水温度

50

通水量

平均温水温度 70  ℃のときに,温水温度降下が 10 K となるときの水量(定格通
水量)を通水する。 
流量の偏差は,±2 %以内とする。

A.6.7

試験時間

同一条件の試験は 1 時間以上続け,10 分以内の等間隔で要求された測定と記録を行う。試験状態の有効

性(定常状態の維持)が確認されたのち,各測定点の平均値を用いて放熱能力の計算を行い,試験結果の

報告を行う。

A.7

放熱能力の計算


9

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放熱能力の計算には,

試験で得た各測定値の平均値を用いる。

この方法によって算出された放熱能力を,

標準圧力状態に換算するため,次の補正係数を乗じる。

0

1

p

p

β

ここに, 

β

 

は定数であり,ラジエータ類の場合は 0.3,コンベク

タ類の場合は 0.5 とする。

0

p

p

p

ここに,

p

試験時の平均大気圧 (kPa)

p

0

標準大気圧 (101.3 kPa)

この補正係数は,1.01 以上のとき適用する。

同一熱媒流量で放熱器内平均熱媒温度が相違する 3 種の試験が行われたとき,放熱能力 は次の式の形

で整理する。

(

)

( )

n

n

t

B

t

t

B

Q

a

wm

ここに,

t

wm

放熱器内平均熱媒温度:(t

w1

t

w2

)/ 2 (

℃)

t

w1

放熱器入口熱媒温度  (℃)

t

w2

放熱器出口熱媒温度  (℃)

t

a

試験中の代表空気温度  (℃)

定数 と指数 は,logQ=logBnlog

の関数関係を利用し,A.8 に示す重み係数を考慮した最小 2 乗

法の適用によって得られる。

A.8

試験結果への重み係数の適用

各試験結果に適用する信頼できる重みの数値は,選択した方法によって正当化される。

この附属書に規定した試験方法で起こり得る誤差は,基本的に温度差(t

wm

t

a

)に関するものである。

それゆえ,重み

ω

はこれらの誤差に逆比例するので,次のように適用する。

(

)

( )

n

n

t

B

t

t

B

Q

a

wm

前記の式を直線の式に回帰すると,次の式を得る。

logQ

=logBnlog

t

最小 2 乗法を適用し,log及び を求めるため次の式を得る。

2

2

2

)

log

(

)

(log

log

log

log

)

(log

log

log

t

t

Q

t

t

t

Q

B

å

å

å

å

å

å

å

=

ω

ω

ω

ω

ω

ω

ω

2

2

)

log

(

)

(log

log

log

log

log

t

t

Q

t

Q

t

n

å

å

å

å

å

å

å

=

ω

ω

ω

ω

ω

ω

ω

いま,起こり得る誤差範囲がそれぞれ

1 %

1.5 %

及び

2.5 %

である

3

個の実験点を仮定する。このとき,

重み

ω

は,それぞれ

1/1

1/1.5

及び

1/2.5

に比例し,整数化すると

30

20

及び

12

となる。

そこで,

62

=

å

ω


10

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3

2

1

log

12

log

20

log

30

log

Q

Q

Q

Q

+

+

=

å

ω

Q

1

Q

2

及び

Q

3

は,

t

1

t

2

及び

t

3

に対応し

12

20

30

3

2

1

t

t

t

3

2

1

log

12

log

20

log

30

log

t

t

t

t

+

+

=

å

ω

A.9

長さだけが異なる同一キャラクターの放熱器の放熱能力の算出

構造,外観及び放熱部分の形状が同じであり,かつ,高さ寸法及び奥行き寸法が同一の放熱器で,長さ

だけ異なるバリエーション機種が存在する場合,この規格に規定する方法で実施した試験結果を基に,計

算によって当該放熱器の放熱能力を算出することができる。

この場合,放熱能力が長さに比例することを証明できる,合理的な根拠に基づく複数の試験結果を必要

とする。

A.10

温水温度降下が 10 K と異なる基準で設計した放熱器の放熱能力試験を,この附属書に準じた方法で

行うことについて

温水温度降下が,20 K,5 K など,この規格に規定する値:10 K と異なる温水流量の基準で設計された

放熱器は,製造業者の指定する流量又は温水温度降下で試験を行うことができる。この場合,得られた試

験結果は,この規格に基づく定格値として扱うことはできず,参考値として取り扱う。

なお,これらの試験結果を表示する場合には,温水温度降下を明記しなければならない。

A.11

試験報告書

A.11.1

記録の保存

試験中に一定周期で行われた実験結果の記録を保存する。

A.11.2

試験ごとの記録内容

ある試験条件に相当する報告書には,各測定値,放熱能力など平均値だけを表記すればよい。

A.11.3

記載事項

A.11.3.1

試験方法に関する詳細な解説

a

)

熱媒供給装置(

図 A.1 参照)

b

)

試験室(

附属書 参照)

A.11.3.2

試験放熱器の詳細な仕様

a

)

試験に使用した放熱器の詳細な説明及び放熱器の構成が明確に理解できる写真並びに解説

b

)

試験放熱器の外形寸法,質量,水容量などの仕様

A.11.3.3

試験の結果得られたデータ

放熱能力の計算に必要なすべての測定値を含む,各試験で得られた測定点の平均値を表記したもの。試

験が定格試験条件である 10 K 以外の温度差で行われた場合(参考値)は,採用した温度差について記述す

る。また,放熱能力の計算で補正が必要な場合は,その理由を明記する。

A.11.3.4

関連する項目

a

)

  試験室内の空気の相対湿度

b

)

  試験室内外の空気温度

c

)

  大気圧


11

A 1400

:2007

d

)

  外室をもつ試験室を試験に使用した場合には,外室内空気温度

A.11.3.5

熱媒温度の変化に対する放熱特性のグラフ

温水を熱媒とする試験では,

両対数軸を用いて放熱能力

Q

と温度差

t

の直線関係を視覚的に表現できる。

これによって,放熱器内平均熱媒温度

t

wm

と試験室内の代表空気温度

t

a

の差が 50 K であるときの標準(定

格)放熱能力が求められる。

A.11.3.6

測定結果記録項目

放熱能力試験の測定結果は,

表 A.6 に従って記録する。

なお,測定結果記入欄の括弧内の数値は基準値を示すもので,流量欄の GW は定格通水量を示す。また,

測定位置を表す記号は,

図 A.2 による。

表 A.6−測定結果記録表

単位 1

2

3

C

点床上 0.05 m

C

点床上 0.5 m

C

点床上 0.75 m(代表点)

℃ (20)  (20)  (20)

C

点床上 1.5 m

C

点天井下 0.05 m

NW

点床上 0.75 m

NW

点床上 1.5 m

NE

点床上 0.75 m

NE

点床上 1.5 m

SW

点床上 0.75 m

SW

点床上 1.5 m

SE

点床上 0.75 m

SE

点床上 1.5 m

放熱器裏

N

点壁面中点

W

点壁面中点

E

点壁面中点

S

点壁面中点

C

点天井面

C

点床面

放熱器入口温水温度

℃ (75)

放熱器出口温水温度

℃ (65)

平均温水温度

℃ (70)  (80)  (50)

温度差(平均温水温度−代表空気温度) K

(50)

(60)

(30)

放熱量 W

流量 L/h

(GW)

(同左)

(同左)

試験室寸法(縦 m×横 m×高さ m)

試験室冷却方式(空冷開放,空冷密閉又は液冷密閉)


12

A 1400

:2007

附属書 B

規定)

蒸気を熱媒とする放熱器の放熱能力試験方法

序文

この附属書は,蒸気を熱媒とする放熱器の放熱能力試験方法について規定するもので,各放熱器の形式

に応じて設定された条件に従い,定常状態で行われる試験に適用する。また,放熱器に特殊な設置条件を

設定したときにも適用できる。

B.1

試験室

放熱器の状態を一定に保つために,試験室を設ける。試験室の大きさ,構造などは

附属書 による。

B.2

測定計器

B.2.1

温湿度測定計器

温湿度測定計器は,あらかじめ校正された水銀封入ガラス製温度計,熱電対温度計,抵抗温度計,サー

ミスタ温度計などを使用する。これらの温湿度計の最小目盛の値を

表 B.1 に示す。また,精度は,その計

測値において

表 B.1 に示す範囲内とする。

B.2.2

蒸気圧力測定計器

蒸気の圧力測定は,蒸気圧力計を用いる。測定計器の最小目盛の値を

表 B.1 に示す。また,精度は,そ

の計器のフルスケールにおいて

表 B.1 に示す範囲内とする。

B.2.3

凝縮水量測定計器

凝縮水量の測定は,質量を直接測定するはかり及び時計を用いる。これらの測定計器の最小目盛の値を

表 B.1 に示す。また,精度は,その計測値において表 B.1 に示す範囲内とする。

B.2.4

その他の計器

大気の圧力測定は,気圧計を用いる。測定計器の最小目盛の値を,

表 B.1 に示す。また,精度は,計測

値において

表 B.1 に示す範囲内とする。

表 B.1−測定計器の 目盛の値及び精度

測定項目

計器

最小目盛の値

精度

空気乾球及び湿球温度用 0.1

℃以下

±0.1  ℃

蒸気温度用 0.1

℃以下

±0.1  ℃

温水温度用 0.1

℃以下

±0.1  ℃

温湿度測定

乾球温度計 
湿球温度計

一般温度用 1

±0.5  ℃

質量計 5

g

以下

±0.5 %

容積計 5

cm

3

以下

±0.5 %

凝縮水量測定

水量計

時計 0.1

s

以下

±0.5 %

蒸気圧力計

蒸気圧力用 10

kPa

以下

±1.6 % F.S

圧力測定

気圧計

大気圧力用 0.1

hPa

以下

±0.25 hPa

B.3

試験装置

B.3.1

試験装置全体


13

A 1400

:2007

試験装置全体の構成は,

図 B.1 の例による。

なお,蒸気を供給する試験装置の構成は,要求条件に適合する他の装置を使用してもよい。

図 B.1−試験装置全体の構成例

B.3.2

蒸気供給源

蒸気は,試験中安定した温度と圧力を保持できる供給源から送る。

B.3.3

管系

B.3.3.1

水滴分離器及び絞り弁

蒸気供給源と放熱器との間には,水滴分離器(セパレータ)及び絞り弁を設ける。水滴分離器から放熱

器までの蒸気供給管はできるだけ短くし,600 mm を超えないようにする。水滴分離器は適切な容量をも

つものとし,絞り弁は精細に調節できるものを用いる。

B.3.3.2

凝縮水取出し管

放熱器からの凝縮水取出し管は,凝縮水の流出を確実にするために,凝縮水受け(レシーバ)に向かっ

て傾斜をつけ,その長さは 600 mm を超えず,かつ,その間にはバルブ類及びトラップ類を設けてはなら

ない。

B.3.3.3

凝縮水受け及び出口調節弁

凝縮水受けの大きさは,内径 50 mm 以下,長さ 350 mm 以下とする。凝縮水受けは,直接水面が見やす

いようにするか又は水面計を取り付ける。出口調節弁は精細に調節できるものを用いる。

B.4

測定装置


14

A 1400

:2007

B.4.1

一般

測定装置は,

図 B.1 及び図 B.2 に示す状態で,図に示す測定計器又はこれに準じる測定計器によって,

空気の乾球温度,湿球温度,熱源とする蒸気の圧力,蒸気温度,凝縮水量及び凝縮水温度を測定する。

B.4.2

試験室内空気,壁,床及び天井面温度の測定

試験室内空気温度,試験室壁温度,試験室床面温度及び試験室天井面温度の測定には,放射の影響を排

除した感温体を用いる。

感温体は,あらかじめ校正した T 形熱電対,又は白金測温抵抗体の使用が望ましい。

測定点は次のとおりとし,温度測定のための感温体の配置を

図 B.2 に示す。

a

)

試験室の中心垂直軸の空気温度

1

)

代表点:床面上 0.75 m

2

)

床面上  0.05 m,0.50 m 及び 1.50 m

天井面下  0.05 m

b

)

試験室の 隅の垂直軸の空気温度

試験室の 4 隅で直交する 2 壁面からそれぞれ 1 m の 4 垂直合計 8 点(各垂直軸に 2 点)

床面上  0.75 m 及び 1.50 m

c

)

試験室内の壁面,床面,天井面温度

1

)

各壁面,床面及び天井面の各中点:合計 6 点

2

)

試験用放熱器が設置される裏側対向壁面の中心垂直軸上で,床面上 0.3 m の点

d

)

その他の測定

1

)

試験室内空気の相対湿度

2

)

外室内を循環する空気の温度

3

)

大気圧


15

A 1400

:2007

単位  m

図 B.2−試験室内空気温度,壁,床及び天井面温度測定のための感温体の配置

B.4.3

蒸気温度及び圧力並びに凝縮水量の測定

B.4.3.1

蒸気圧力及び温度の測定

放熱器入口の蒸気状態を測定する圧力計及び温度計は,絞り弁の後に取り付け,温度計と放熱器の蒸気

入口との間隔は 150 mm 以内とし,温度計の感熱部が蒸気主流に触れるように配置する。

B.4.3.2

凝縮水量の測定

凝縮水量は容積又は質量法による水量測定法で行い,少なくとも 2 分間の流量を蓄積できる容器を設け

て計測しなければならない。

B.4.3.3

配管の保温

水滴分離器,凝縮水受け及びその間の配管系は,すべて保温するものとする。

B.5

試験の原理

放熱器の放熱能力は熱媒側の測定値を用い,放熱器を通過する熱媒流量と入口及び出口の比エンタルピ

差とによって算出する。

放熱器の放熱能力は,次の式で与えられる。

)

(

2

1

m

h

h

W

Q

=


16

A 1400

:2007

ここに,

Q

放熱器の放熱能力 (W)

W

m

熱媒の質量流量(質量速度)(kg/s)

h

1

h

2

放熱器入口及び出口における熱媒の比エン
タルピ (J/kg)

h

1

及び

h

2

は,試験時の放熱器出入口における圧力,温度及び熱媒の状態を基に,最新の蒸気表によって

求める。

B.6

試験要項

B.6.1

試験の準備

B.6.1.1

試験用放熱器の仕様範囲

この規格に規定の方法で性能試験を行ってもよい放熱器は,次の仕様をもつ放熱器とする。

a

)

放熱能力は,試験室の単位容積当たり 87 W/m

3

以下とする。

b

)

放熱能力は,700 W 以上とする。

c

)

放熱器の幅(長さ)は,0.5 m 以上とする。ただし,たて長形の放熱器にあっては,放熱器の高さが

0.5 m

以上とする。

B.6.1.2

試験用放熱器の設置方法

a

)

  放熱器は,試験室の 1 壁面(

図 B.2 に示す N 面)に平行で,壁面中心軸に対し対称となるよう設置す

る。ただし,製造業者が定めた特別な設置条件がある場合は,それによる。

b

)

  放熱器裏側に対向する壁面と,最も近い放熱器裏側放熱面の間隔は,製造業者が定める標準の値とす

る。

c

)

  床面と放熱器下端の距離は,製造業者が定める標準の設置位置とする。

d

)

  試験用放熱器の配管接続は,製造業者が定める方法で熱媒入口及び出口に接続する。

e

)

放熱器は,製造業者が用意した標準取付金具を用い支持又は固定する。

B.6.2

試験室内の空気状態制御

試験室内代表点で測定された空気温度が,19  ℃∼21  ℃の間で,かつ,その変動が±0.5  ℃以内で安定

を保つよう調節する。

試験室内の壁面温度は,室内空気の露点温度以上とする。

B.6.3

定常状態

放熱能力試験は,温度測定によって十分な熱的定常状態が確認されてから行う。

定常状態は,試験開始前に既に確立し,試験中は安定して維持されることが要求される。定常状態は,

熱媒側と試験室内の空気状態の両方に関係する。

試験室内各部の温度の定常状態を

表 B.2 に,熱媒側各部の温度及び圧力の定常状態を表 B.3 に示す。試

験中に等間隔で 6 回以上測定した各点の温度が,

表 B.2 及び表 B.3 に規定した範囲内であれば,定常状態

が確立し,試験中も維持されていたものとみなす。

空気温度の変動は代表点ほかの点ともに±0.5  ℃以内とする。

表 B.2−試験室内温度の定常状態

測定された温度

平均値からの最大偏差

各周壁面,床面及び天井面の中点温度

±0.5  ℃

放熱器裏側に接近して対向する壁面の温度

±0.5  ℃

代表点の空気温度

±0.5  ℃


17

A 1400

:2007

表 B.3−熱媒側の定常状態

測定対象

平均値からの最大偏差

凝縮水量

±2 %

温度

±0.2 ℃

圧力

±2 %

熱量

±1 %

B.6.4

試験操作

放熱器を所定の位置に設置し,要求される試験状態を得るため試験装置の加熱を開始し調整する。この

準備時間内は,各点の温度を継続して記録し,熱媒供給装置と試験室内の双方が B.6.3 で規定した定常状

態に達するまで調節を続ける。放熱器入口の蒸気は,2∼5  ℃の過熱度をもつものとする。

試験中は,放熱器から凝縮水だけが排出され,凝縮水温度は入口蒸気圧力に相当する飽和温度より 1  ℃

以上降下してはならない。

蒸気圧力と温度とは,放熱器入口及び出口で測定する。

B.6.5

標準状態

標準状態における試験は,

表 B.4 に示す条件で行う。

各試験では,安定した状態が確認できるよう温度を記録する。

表 B.4−標準状態

空気乾球温度 20

飽和蒸気温度 102

飽和蒸気圧力

5 kPa

(大気圧力 101.3 kPa 基準)

温度差

82 K

(飽和蒸気温度

空気温度)

B.6.6

放熱能力変化特性試験の条件

熱媒温度による放熱能力の変化特性を求めるための試験は,

表 B.5 に示す条件で行う。

各試験では,安定した状態が確認できるよう温度を記録する。

表 B.5−放熱能力変化特性試験の条件

空気乾球温度 20

5 kPa

20 kPa

飽和蒸気圧力

 

100 kPa

B.6.7

試験時間

同一条件の試験は 1 時間以上続け,10 分以内の等間隔で要求された測定と記録を行う。試験状態の有効

性(定常状態の維持)が確認されたのち,各測定点の平均値を用いて放熱能力の計算を行い,試験結果の

報告を行う。

B.7

放熱能力の計算

放熱能力の計算には,

試験で得た各測定値の平均値を用いる。

この方法によって算出された放熱能力を,

標準圧力状態に換算するため,次の補正係数を乗じる。

0

1

p

p

β

ここに, 

β 

は定数であり,ラジエータ類の場合は 0.3,コンベク

タ類の場合は 0.5 とする。


18

A 1400

:2007

0

p

p

p

ここに,

p

試験時の平均大気圧 (kPa)

p

0

標準大気圧 (101.3 kPa)

この補正係数は,1.01 以上のとき適用する。

放熱器内平均熱媒温度が相違する 3 種の試験が行われたとき,放熱能力

Q

は次の式の形で整理する。

(

)

( )

n

n

t

B

t

t

B

Q

a

s

ここに,

t

s

放熱器内熱媒温度  (℃)

t

a

試験中の代表空気温度  (℃)

定数

B

と指数

n

は,log

Q

=log

B

n

log

t

の関数関係を利用し,B.8 に示す重み係数を考慮した最小 2 乗

法の適用によって得られる。

蒸気を熱媒とする場合で,測定した熱媒温度が 1 水準だけのときは,測定条件による放熱能力だけが得

られる。

B.8

試験結果への重み係数の適用

各試験結果に適用する信頼できる重みの数値は,選択した方法によって正当化される。

この附属書に規定した試験方法で起こり得る誤差は,基本的に温度差(

t

s

t

a

)に関するものである。そ

れゆえ,重み

ω

はこれらの誤差に逆比例するので,次のように適用する。

(

)

( )

n

n

t

B

t

t

B

Q

a

s

前記の式を直線の式に回帰すると,次の式を得る。

log

Q

=log

B

n

log

t

最小 2 乗法を適用し,log

B

n

を求めるため次の式を得る。

2

2

2

)

log

(

)

(log

log

log

log

)

(log

log

log

t

t

Q

t

t

t

Q

B

å

å

å

å

å

å

å

=

ω

ω

ω

ω

ω

ω

ω

2

2

)

log

(

)

(log

log

log

log

log

t

t

Q

t

Q

t

n

å

å

å

å

å

å

å

=

ω

ω

ω

ω

ω

ω

ω

いま,起こり得る誤差範囲がそれぞれ 1 %,1.5 %及び 2.5 %である 3 個の実験点を仮定する。このとき,

重み

ω

は,それぞれ 1/1,1/1.5 及び 1/2.5 に比例し,整数化すると 30,20 及び 12 となる。

そこで,

62

=

å

ω

3

2

1

log

12

log

20

log

30

log

Q

Q

Q

Q

+

+

=

å

ω

Q

1

Q

2

及び

Q

3

は,

t

1

t

2

及び

t

3

に対応し

12

20

30

3

2

1

t

t

t

3

2

1

log

12

log

20

log

30

log

t

t

t

t

+

+

=

å

ω

B.9

長さだけが異なる同一キャラクターの放熱器の放熱能力の算出


19

A 1400

:2007

構造,外観及び放熱部分の形状が同じであり,かつ,高さ寸法及び奥行き寸法が同一の放熱器で,長さ

だけ異なるバリエーション機種が存在する場合,この規格に規定する方法で実施した試験結果を基に,計

算によって,当該放熱器の放熱能力を算出することができる。

この場合,放熱能力が長さに比例することを証明できる,合理的な根拠に基づく複数の試験結果を必要

とする。

B.10

試験報告書

B.10.1

記録の保存

試験中に一定周期で行われた実験結果の記録を保存する。

B.10.2

試験ごとの記録内容

ある試験条件に相当する報告書には,各測定値,放熱能力など平均値だけを表記すればよい。

B.10.3

記載事項

B.10.3.1

試験方法に関する詳細な解説

a

)

熱媒供給装置(

図 B.1 参照)

b

)

試験室(

附属書 参照)

B.10.3.2

試験放熱器の詳細な仕様

a

)

  試験に使用した放熱器の詳細な説明と,放熱器の構成が明確に理解できる写真及び解説

b

)

試験放熱器の外形寸法,質量などの仕様

B.10.3.3

試験の結果得られたデータ

放熱能力の計算に必要なすべての測定値を含む,各試験で得られた測定点の平均値を表記したもの。ま

た,放熱能力の計算で補正が必要な場合は,その理由を明記する。

B.10.3.4

関連する項目

a

)

  試験室内の空気の相対湿度

b

)

  試験室内外の空気温度

c

)

  大気圧

d

)

  外室をもつ試験室を試験に使用した場合には,外室内空気温度

B.10.3.5

測定結果記録項目

放熱能力試験の測定結果は,

表 B.6 に従って記録する。

なお,測定結果記入欄の括弧内の数値は,基準値を示す。また,測定位置を表す記号は,

図 B.2 による。


20

A 1400

:2007

表 B.6−測定結果記録表

単位 1

2

3

C

点床上 0.05 m

C

点床上 0.5 m

C

点床上 0.75 m(代表点)

℃ (20)  (20)  (20)

C

点床上 1.5 m

C

点天井下 0.05 m

NW

点床上 0.75 m

NW

点床上 1.5 m

NE

点床上 0.75 m

NE

点床上 1.5 m

SW

点床上 0.75 m

SW

点床上 1.5 m

SE

点床上 0.75 m

SE

点床上 1.5 m

放熱器裏

N

点壁面中点

W

点壁面中点

E

点壁面中点

S

点壁面中点

C

点天井面

C

点床面

放熱器入口蒸気温度

放熱器入口蒸気圧力

kPa

(5 kPa)

(20 kPa)

(100 kPa)

凝縮水量 g/h

温度差(飽和蒸気温度−代表空気温度) K

放熱量 W

試験室寸法(縦 m×横 m×高さ m)

試験室冷却方式(空冷開放,空冷密閉又は液冷密閉)


21

A 1400

:2007

附属書 C 

規定)

放熱能力試験のための試験室

序文

この附属書は,暖房用自然対流・放射形放熱器の放熱能力試験を行うための試験室で,開放形試験室,

空冷密閉形試験室及び液冷密閉形試験室について規定する。

C.1

開放形試験室(図 C.1 参照)

単位  m

図 C.1−開放形試験室の例

C.1.1

試験室の寸法及び構造

C.1.1.1

内室の寸法

内室は,次に示す寸法をもつものとする。

  床面:4±0.2 m×4±0.2 m

天井高:3.0±0.2 m

ただし,既設の試験室については,次の寸法範囲内にあればよい。

  床面:2.7∼4.5 m×3.4∼6.7 m

天井高:2.0∼3.2 m

なお,

附属書 によって,試験室を含む試験装置全体の校正を行った場合には,この寸法によらなくと

もよいが,床面積は 9 m

2

以上あることが望ましい。

C.1.1.2

構造

試験室は,内室と外室とからなる二重構造とする。

内室の床面は,外室の床から 0.3 m 以上高く設ける。壁及び天井は,開口部を除き気密にして,その内

面は平滑な仕上げとする。内室の天井面及び床面に,空気出口及び空気入口を設ける。床面の空気入口は,

放熱器の設置側に設けてはならない。また,空気出口及び空気入口は,開閉可能な構造とする。内室は,

機械換気を行わないものとし,自然循環流以外の空気流があってはならない。


22

A 1400

:2007

C.1.2

外室

外室と内室との間隔は 0.5 m 以上とし,両室の天井は 0.5 m 以上離す。外室内においては試験室の側面

で,内室と外室の中間点で,外室の床上から 1.5 m の位置で測定した試験中の温度の変動が±2  ℃以上に

ならないようにする。外室は,必要に応じて循環用送風機,空調機などを備え,試験中,内室内空気温度

が所定の温度を維持できるようにする。この場合,外室内の強制空気流が,内室内の自然循環流に影響を

及ぼさないように配置する。

C.2

空冷密閉形試験室(図 C.2 及び図 C.3 参照)

単位  m

図 C.2−空冷密閉形試験室の例  その 1

単位  m

図 C.3−空冷密閉形試験室の例  その 2

C.2.1

試験室の寸法及び構造

C.2.1.1

内室の寸法

内室は,次に示す寸法をもつものとする。

  床面:4±0.2 m×4±0.2 m

天井高:3.0±0.2 m

ただし,既設の試験室については,次の寸法範囲内にあればよい。

  床面:2.7∼4.5 m×3.4∼6.7 m

天井高:2.0∼3.2 m


23

A 1400

:2007

なお,

附属書 によって,試験室を含む試験装置全体の校正を行った場合には,この寸法によらなくと

もよいが,床面積は 9 m

2

以上あることが望ましい。

C.2.1.2

構造

試験室は,内室と外室とからなる二重構造とする。

内室の床面は,

図 C.2 に示すように外室の床から高く設けるか又は,図 C.3 に示すように,外室床面と

共通とする。壁及び天井は気密にして,その内面は平滑な仕上げとする。また,内室を形成する壁,天井

などの材料は,できるだけ熱容量が小さく,熱通過性の良いものを使用し,試験中放熱器から発生した熱

が,外室内空気に速やかに逃げるようにする。

これによって,内室内空気温度と外室内空気温度との温度差を小さくし,内室の壁面及び天井面の表面

温度を内室内空気温度に近づける。内室は,機械換気を行わないものとし,自然循環流以外の空気流があ

ってはならない。いずれの場合も,外室内の強制空気流が,内室内の自然循環流に影響を及ぼさないよう

にする。

C.2.2

外室

外室と内室との間隔は 0.3 m 以上とし,両室の天井は 0.3 m 以上離す。外室内においては試験室の側面

で,内室と外室の中間点で,外室の床上から 1.5 m の位置で測定した試験中の温度の変動が±2  ℃以上に

ならないようにする。外室には,空調機などを備えて内室内空気温度を所定の条件に維持できるようにす

る。

この場合,恒温室用空調機からの気流が,外室内でショートサーキットなどを起こさないように空気吹

出し口の風向などを考慮する。

C.2.3

パートタイム形試験室の寸法及び構造

試験室は,

既設の強制対流形恒温室内に,

骨組みと帆布を用いて内室を形成したもので構成してもよい。

この場合,内室の寸法,構造及び外室は,それぞれ C.2.1.1C.2.1.2 及び C.2.2 による。また,その構造例

は,

図 C.3 による。

なお,内室を形成する帆布は,十分な熱通過性をもつテント布,ビニルシートなどを用いてもよい。こ

の場合,外室内の強制空気流によって,内室を形成する布などが揺らぐようなことがあってはならない。

C.3

液冷密閉形試験室(図 C.4 参照)

単位  m

図 C.4−液冷密閉形試験室の例


24

A 1400

:2007

C.3.1

寸法

試験室は,次に示す寸法をもつものとする。

  床面:4±0.2 m×4±0.2 m

天井高:3.0±0.2 m

ただし,既設の試験室については,次の寸法範囲内にあればよい。

  床面:2.7∼4.5 m×3.4∼6.7 m

天井高:2.0∼3.2 m

また,

附属書 によって,試験室を含む試験装置全体の校正を行った場合には,この寸法によらなくと

もよいが,床面積は 9 m

2

以上あることが望ましい。

C.3.2

構造

試験室の周壁,床及び天井は,冷水又は他の液媒体を循環し,内表面温度をほぼ均一に冷却し,維持で

きるものとする。試験室の内表面は,金属性顔料を含まない塗料で仕上げる。放熱器設置側壁面は,横方

向及び高さ方向が試験用放熱器と同一の幅及び高さ寸法をもつ断熱板で覆う。この断熱板は,外表面と液

冷壁側表面の間の熱抵抗が 0.05 m

2

・K/W±10 %以上で,厚さは 6 mm 程度とする。

試験室内表面をほぼ一様に冷却するため,全周壁に対する冷水循環量は,温度差 1 K 当たり 6 900 W 以

上となるように選定することが望ましい。また,各周壁面の冷水循環量は,面ごとに調節できるものとし,

かつ,放熱器の設置位置裏側壁面は,冷却を停止できる構造とする。

試験室は,機械換気を行わないものとし,自然循環流以外の空気流があってはならない。

C.4

試験室内の空気状態制御

C.4.1

一般

試験室(外室と内室をもつ二重構造の場合は,内室を指す。以下“試験室”という。

)は,試験用放熱器

を定格放熱能力測定のための標準状態で運転したときに,試験室内代表点で測定された空気温度が,19  ℃

∼21  ℃の間で,かつ,変動が±0.5  ℃以内で安定を保てるものでなければならない。

このとき試験室内の壁面温度は,室内空気の露点温度以上にならなければならない。また,試験室は放

熱能力試験を行うための熱的定常状態を,試験の期間中,維持できなければならない。

C.4.2

熱的定常状態の確認

試験室内各部の温度の定常状態を

表 C.1 に示す。

放熱能力試験の試験中に等間隔で 6 回以上測定した各点の温度が,

表 C.1 に規定した範囲内であれば,

定常状態が確立したものとみなす。また,

図 C.5 に試験室内各部の温度測定位置を示す。

表 C.1−試験室内温度の定常状態

測定された温度

平均値からの最大偏差

各周壁面,床面及び天井面の中点温度

±0.5  ℃

放熱器裏側に接近して対向する壁面の温度

±0.5  ℃

代表点の空気温度

±0.5  ℃

その他の点の空気温度

±0.5  ℃

C.4.3

試験室内空気,壁,床及び天井面温度の測定

試験室内空気温度,試験室壁温度,試験室床面温度及び試験室天井面温度の測定には,放射の影響を排

除した感温体を用いる。

感温体は,あらかじめ校正した T 形熱電対,又は白金測温抵抗体の使用が望ましい。


25

A 1400

:2007

測定点は次のとおりとし,温度測定のための感温体の配置を

図 C.5 に示す。

a

)

試験室の中心垂直軸の空気温度

1

)

  代表点:床面上 0.75 m

2

)

  床面上  0.05 m,0.50 m 及び 1.50 m

天井面下  0.05 m

b

)

試験室の 隅の垂直軸の空気温度

試験室の 4 隅で直交する 2 壁面からそれぞれ 1 m の 4 垂直合計 8 点(各垂直軸に 2 点)

床面上  0.75 m 及び 1.50 m

c

)

試験室内の壁面,床面,天井面温度

1

)

  各壁面,床面及び天井面の各中点:合計 6 点

2

)

  試験用放熱器が設置される裏側対向壁面の中心垂直軸上で,床面上 0.3 m の点

d

)

その他の測定

1

)

  試験室内空気の相対湿度

2

)

  外室内を循環する空気の温度(二重構造の試験室の場合)

3

)

  大気圧

単位  m

図 C.5−試験室内各部の温度測定位置


26

A 1400

:2007

附属書 D 

規定)

放射計を使用する放射放熱能力の試験方法

序文

この附属書は,放射計を使用する放射放熱能力の試験方法について規定するもので,パネル形状が平板

又は平板に近い形状をもつ,温水用パネルラジエータの放射放熱量の試験に適用する。

なお,ここでいうパネルラジエータとは,熱交換部が外部に露出したもの(フィンそのものが表面板に

なっているものを含む。

)で,ケーシングがないものをいう。

D.1

試験装置

D.1.1

試験室

試験室は,

附属書 による。

D.1.2

試験装置全体

試験装置全体の構成例は,

図 D.1 による。

図 D.1−試験装置全体の構成例


27

A 1400

:2007

D.1.3

温水供給源等

温水供給源,管系,水量測定装置などは,

附属書 による。

D.1.4

温度の計測

パネルラジエータの入口及び出口の温水温度,空気温度,試験室内壁面温度及び遮へい板表面温度を計

測する。計測器は,あらかじめ校正された 0.1  ℃以下の目盛をもつものを用いる。

なお,空気温度及び表面温度の測定には,T 形熱電対,又は白金測温抵抗体の使用が望ましい。

D.1.4.1

温水温度の計測

パネルラジエータの入口及び出口の温水温度を計測する温度検出部は,パネルラジエータから 0.15 m 以

内で,温水の平均温度を適切に測ることができるように配置する。

D.1.4.2

空気温度及び壁面温度の計測

空気温度及び壁面温度は,

附属書 の A.4.2 の規定に従って計測し記録する。

D.1.4.3

遮へい板表面温度の計測

遮へい板表面温度は,熱電対を用いた熱電対温度計によって測定し,測定方式の等級は JIS Z 8704 の B

級とする。

D.1.5

放射計

放射計は,放射計側からみてパネルラジエータ側 A 面の放射量と,パネルラジエータと反対側 B 面の放

射量を計測できるものを用いる。また,平均放射温度の測定誤差が,平均放射温度 0∼50  ℃の範囲内で±

0.5

℃,50  ℃∼100  ℃の範囲で± [0.5+0.04 (

T

r

−50)]  ℃の性能をもつ放射計で,応答時間が十分速いも

のを使用する(ここで,

T

r

は基準室温を指す。

放射計は,

図 D.1 に示すようにパネルラジエータに平行に設置し,パネルラジエータ表面からの距離を

0.6 m

とする。

なお,ここでいう放射計とは,放射熱量計を指すものとし,また,

“応答時間が十分速い”とは,応答時

間が,15 秒 (50 %) 及び 60 秒 (90 %) 程度以上であることを指す。

D.1.6

遮へい板

パネルラジエータからの放射を遮るため,遮へい板を用いる。遮へい板は,パネルラジエータと同一寸

法とし,十分な断熱性及び放射遮へい性のあるものとする。遮へい板の放射計側の表面は,周壁面と同様

の長波長放射率をもつものとし,また,遮へい板のパネルラジエータ側の表面は,放射率の低い材料で仕

上げる。

なお,遮へい板の例としては,放射計側の表面を黒く塗装し,かつ,パネルラジエータ側の表面にはア

ルミはく(箔)をはった段ボール板紙がある。

D.2

試験状態

D.2.1

標準状態

試験は,

表 D.1 に示す温水用放熱能力試験の標準状態で行う。

表 D.1−標準状態

空気乾球温度 20

平均温水温度 70

温度差

50 K

(平均温水温度−空気乾球温度)

温水温度降下

10 K

D.2.2

試験時における空気温度


28

A 1400

:2007

試験時における空気温度は,標準状態又は標準状態に近い温度に調節する。また,標準状態と異なる状

態で試験を行った場合には,試験状態での空気温度,温水温度,全放熱量及び放射熱量を記録する。

D.3

試験操作

D.3.1

試験準備

測定は,10 分間にわたって空気温度,入口温水温度,出口温水温度及び温水流量がほぼ一定になり,か

つ,周壁の表面温度と試験室内空気温度が,ほぼ等しくなってからはじめる。

D.3.2

試験時間

測定は,30 分間以上続ける。

D.3.3

全放熱量の測定

計測は,5 分間隔又はそれ以下の間隔で行い,水量,入口温水温度,出口温水温度,空気温度及び壁面

温度を一斉に計測する。

D.3.4

遮へい板なしの状態での入射熱量の測定

D.3.3

に示す全放熱量測定の計測時ごとに,直ちに放射計の A 面の入射熱量

Q

a

及び B 面の入射熱量

Q

b

を測定する。

なお,パーティションのような使い方をするパネルラジエータで,その表と裏の形状が異なるものの場

合には,

パネルラジエータの裏側の面における入射熱量も測定可能な場合に限り,

同様の方法で測定する。

D.3.5

遮へい板なしの状態における周囲壁面温度の測定

D.3.4

に示す入射熱量の計測ごとに,直ちに室内壁表面温度:

T

w

を D.1.4.3 に規定する熱電対温度計によ

って測定する。測定位置を,

図 D.2 に示す。“壁温度=室内温度”がこの試験の前提である。

図 D.2−遮へい板なしの状態における測定点


29

A 1400

:2007

D.3.6

遮へい板設置状態での入射熱量の測定

パネルラジエータの前面に遮へい板を設置する。

遮へい板の位置は,

パネルラジエータと放射計の間で,

パネルラジエータに接触させないようにして,できるだけパネルに接近させて設置する。

なお,遮へい板は,あらかじめ一定時間以上試験室内に置いておき,温度を一定(室温と同じ)にして

おく。確認は,遮へい板表面温度

T

s

(放射計側の温度 1 点)を D.1.4.3 に規定する熱電対温度計を用いて

測定することによって行う。

遮へい板設置後 10 秒以上経過し,放射計の準安定状態を確認後,直ちに A 面の入射熱量

Q

a

'

と B 面の入

射熱量

Q

b

'

を測定する(

図 D.3 参照)。時間が経過すると,遮へい板の温度が上がって,遮へい板自体から

放射を行うので,計測は迅速に行わなければならない。さらに,放射計付近の空気温度を熱電対温度計に

よって測定し,室温

T

a

'

とする。

なお,ここでいう放射計の準安定状態とは,表示値が大きく変動しなくなった状態を指す。また,D.3.4

では,周壁面などからの放射熱量も含まれて測定されている。D.3.4 と D.3.6 との差がパネルからの放射熱

量である。

図 D.3−遮へい板設置状態における測定点

D.4

放射熱量の計算方法及び試験結果の報告

D.4.1

放射熱量の計算

D.4.1.1

試験状態における全放熱量

試験によって得られた平均値を能力の計算に使用する。試験状態における全放熱量は,次の式で算出す

る。

V

P

T

W

C

Q

×

×

 (1)


30

A 1400

:2007

ここに,

Q

試験状態における全放熱量 (kW)

C

P

平均温水温度における温水の比熱 (kJ/kg・K)

T

V

入口温水温度−出口温水温度 (K)

W

定格通水量 (kg/s)

D.4.1.2

放射熱量の計算

パネルラジエータの試験状態において放射熱量は,次に示す式によって算出する。

まず,

Q

b

Q

b

'

を確認する。これは,周壁からの放射熱量が,パネルラジエータの遮へい板なしの状態で

も,遮へい板設置状態の場合でも,ほぼ同じであることの確認である。確認方法は,放射計 B 面(裏面)

側での入射熱量の測定による。

ここに,

Q

b

遮へい板なしの状態における B 面の入射熱量測定値

Q

b

'

遮へい板設置状態における B 面の入射熱量測定値

放射熱量は,次の式で表される。

P

a

a

P

F

Q

Q

Q

'

 (2)

ここに,

Q

P

パネルラジエータからの放射熱量 (W/m

2

)

Q

a

D.3.4

で測定した A 面の入射熱量(遮へい板なしの状態)

(W/m

2

)

Q

a

'

D.3.6

で測定した A 面の入射熱量(遮へい板設置の状態)

(W/m

2

)

F

P

放射計からパネルラジエータをみた形態係数

この式(2)を用いて,放射熱量を算出する。

また,形態係数:FP は,次の式(3)で算出する。

ïþ

ï

ý

ü

ïî

ï

í

ì

+

+

+

+

+

×

=

)

(

tan

)

(

)

(

tan

)

(

2

1

4

2

2

1

2

2

2

2

1

2

2

P

c

b

a

c

b

b

c

a

b

c

a

a

F

π

 (3)

なお,式中

a

b

c

は,

図 D.4 に示すとおりである。

図 D.4−形態係数の算出にかかるパネルラジエータと放射計との角関係図

D.4.2

単位面積当たりの全放熱量の計算


31

A 1400

:2007

パネルラジエータの単位面積当たりの全放熱量は,次の式

(4)

によって算出する。

000

1

i

i

×

A

Q

Q

 (4)

ここに,

Q

i

単位面積当たりの全放熱量

 (W/m

2

)

Q

全放熱量

 (kW)

A

i

パネルラジエータの放熱面積

 (m

2

)

パネルラジエータの放熱面積

A

i

は,次のとおりとする。

a

)

  放熱面が前面及び後面の双方である場合……パネル放熱面の水平投影面積の

2

b

)

  放熱面が前面だけである場合

(後面を断熱した構造,又はこれに相当する構造のパネルの場合)……パネル放熱面の水平投影面積

ここでいう放熱面積とは,パネルの表面積ではなく,パネルに近接した空間の一断面を通過する熱流の

密度を算定するための“仮想的な熱通過面”の面積を指す。したがって,パネルの凹凸には無関係である。

なお,両側面及び上下面については,前後面に比べて極めて面積が小さいものとみなし,放熱面積に算

入しない。

D.4.3

単位面積当たりの全放熱量に対する放射熱量の割合の計算

パネルラジエータの単位面積当たりの全放熱量に対する放射熱量の割合は,次の式

(5)

によって算出する。

100

i

P

×

Q

Q

R

 (5)

ここに,

R

放射熱量の割合

 (%)

Q

P

放射熱量

 (W/m

2

)

Q

i

単位面積当たりの全放熱量

 (W/m

2

)

D.5

試験報告書

D.5.1

記録の保存

試験中に一定周期で行われた実験結果の記録を保存する。

D.5.2

記載事項

D.5.2.1

試験方法に関する詳細な解説

a

)

熱媒供給装置に関するもの(

図 D.1 参照)

b

)

試験室に関する詳細(

附属書 参照)

c

)

使用した放射計に関する情報(型式,製造業者名,主な仕様)

D.5.2.2

試験放熱器の詳細な仕様

a

)

試験に使用した放熱器の詳細な説明と,放熱器の構成が明確に理解できる写真と解説

b

)

試験放熱器の外形寸法,質量,水容量など仕様に関する詳細

D.5.2.3

試験の結果得られたデータ

放熱能力の計算に必要なすべての測定値を含む,各試験で得られた測定点の平均値を表記したもの。ま

た,放熱能力の計算で補正が必要な場合は,その理由を明記する。

D.5.2.4

関連する項目

a

)

試験室内外の空気温度及び相対湿度

b

)

大気圧

c

)

外室をもつ試験室を試験に使用した場合には,外室内空気温度

D.5.2.5

放射熱量の計算結果


32

A 1400

:2007

測定データを基に計算した放射熱量,及び放熱量に占める放射熱量の割合。

D.5.2.6

測定結果記録項目

放射放熱能力試験の測定結果は,

表 D.2 に従って記録する。

なお,測定結果記入欄の括弧内の数値は基準値を示し,流量欄の

GW

は定格通水量を示す。また,測定

位置を表す記号は,

図 C.5 による。

表 D.2−測定結果記録表

単位

1.

遮へい板なしのとき 2.遮へい板ありのとき

C

点床上 0.05 m

C

点床上 0.5 m

C

点床上 0.75 m(代表点)

℃ (20)

(20)

C

点床上 1.5 m

C

点天井下 0.05 m

NW

点床上 0.75 m

NW

点床上 1.5 m

NE

点床上 0.75 m

NE

点床上 1.5 m

SW

点床上 0.75 m

SW

点床上 1.5 m

SE

点床上 0.75 m

SE

点床上 1.5 m

放熱器裏

N

点壁面中点

W

点壁面中点

E

点壁面中点

S

点壁面中点

C

点天井面

C

点床面

放熱器入口温水温度

℃ (75)

(75)

放熱器出口温水温度

℃ (65)

(65)

平均温水温度

℃ (70)

(70)

温度差(平均温水温度−代表空気温度) K

(50)

(50)

放熱量 W

流量 L/h

(GW)

(同左)

外室空気温度

入射熱量 A 面 W/m

2

入射熱量 B 面 W/m

2

遮へい板表面温度

形態係数

放射熱量 W/m

2

放熱面積

m

2

単位面積当たりの放熱量 W/m

2

放射熱量割合 %

試験室寸法(縦 m×横 m×高さ m)

試験室冷却方式(空冷開放,空冷密閉又は液冷密閉)

放射計の型式


33

A 1400

:2007

附属書 E

参考)

マスターラジエータを使用する試験室の校正方法

序文

この附属書は,マスターラジエータを使用する試験室の校正方法について記載するものであって,規定

の一部ではない。

E.1

一般

この附属書は,暖房用自然対流・放射形放熱器の放熱能力試験を行うための試験室で,大きさだけが

属書 に規定した寸法範囲を外れる場合に,当該試験室が,この規格に規定する放熱器の試験室としての

機能,精度をもっているかどうかを判定するために行う試験方法について記載する。

E.2

試験室

この附属書が対象とする試験室は,寸法以外のすべてが,

附属書 に適合していなければならない。

E.3

測定計器

温湿度測定計器,水量測定計器など試験に使用するすべての測定計器は,

附属書 に規定するものを用

いる。

E.4

試験装置全般

温水供給源,管系を含む試験装置全般は,

附属書 による。

E.5

測定装置

空気温度,熱源とする温水の通水量,水入口温度,水出口温度などを測定するための測定装置及び試験

室内空気温度測定のための感温体の配置などは,

附属書 による。

E.6

試験要項

E.6.1

試験の準備

E.6.1.1

基準放熱器

試験用放熱器として基準放熱器を用いる。

基準放熱器は,EN 442-2

:1996

に規定するマスターラジエータ

No.2

を用いる。

E.6.1.2

基準放熱器の設置方法

基準放熱器は,

附属書 に従って設置する。ただし,取付け方法,温水の入口及び出口の接続方法など

は,EN 442-2

:1996

による。

E.6.1.3

定常状態の確認

試験室内各部の温度及び熱媒側の定常状態は,

附属書 に規定する方法によって確認する。

E.6.2

試験操作

基準放熱器を使用した放熱能力試験を,

附属書 に規定する方法によって行う。


34

A 1400

:2007

E.6.3

標準状態

試験は,

附属書 に規定の標準状態で行う。

E.6.4

試験時間,放熱能力の計算,試験報告書

試験時間,放熱能力の計算及び試験報告書は,

附属書 による。

E.7

判定方法

合否の判定は,試験結果を基に,次によって行う。

a

)

試験室内空気温度など各部の温度偏差が,

附属書 に規定の範囲内にある。

b

)

EN 442-2

:1996

Annex H に規定された reference value と,試験の結果得られた放熱能力値とを比較し

て,不合理な差異がない。

E.8

試験室の校正としてこの附属書の方法を適用することについて

新規又は既設の試験室で,試験室を含めた試験装置全体が,この規格で規定する精度範囲内にあるかど

うかを判断するために,この附属書に基づく方法で試験を行い,判定を行ってもよい。

参考文献

EN 442-2

:1996

Specification for radiators and convectors. Test methods and rating