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A 1310

:2015

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

1

4

  原理 

2

5

  試験装置  

2

5.1

  概要  

2

5.2

  試験体の基板  

2

5.3

  試験体の架台  

2

5.4

  燃焼チャンバー  

2

6

  試験体  

6

7

  試験体の養生  

6

8

  加熱方法  

6

9

  測定項目  

7

10

  試験環境  

7

11

  試験手順  

7

12

  試験結果  

7

13

  精度  

8

14

  試験報告書  

8

附属書 JA(参考)開口部まわりの図例  

9

附属書 JB(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

17


A 1310

:2015

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,建築研究開発コンソーシアム(CBRD)及び

一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 A

1310

:2015

建築ファサードの燃えひろがり試験方法

Test method for fire propagation over building façades

序文 

この規格は,2002 年に第 1 版として発行された ISO 13785-1 を基とし,加熱手法,試験体形状などの技

術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JB に示す。

適用範囲 

この規格は,建築物の外壁が開口噴出火炎にあぶられた際の建築ファサードの燃えひろがりを測定する

試験方法について規定する。

なお,外壁の非損傷性,遮熱性及び遮炎性については,この規格では扱わない。

警告  この規格に基づいて試験を行う者は,実験中に有害ガスが発生する可能性も考慮して,適切な

予防策をとることとする。過度の燃えひろがりの結果,試験体の一部又は全部が構造的に崩壊

する可能性にも注意する。また,適切な消火手法を確立しておく必要がある。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 13785-1:2002

,Reaction-to-fire tests for façades−Part 1: Intermediate-scale test(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS A 5430

  繊維強化セメント板

JIS K 2240

  液化石油ガス(LP ガス)

JIS R 3311

  セラミックファイバーブランケット

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1 

建築ファサード 

建築物の外壁躯体より外側に位置する部分。


2

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3.2 

燃えひろがり 

燃焼範囲の拡大によって,火炎が移動又は成長すること。

原理 

建築ファサードが開口噴出火炎にあぶられたときの燃えひろがりについて,温度及び熱流束を測定し,

目視観察を行う。

試験装置 

5.1 

概要 

試験装置は,試験体の基板,試験体の架台及び燃焼チャンバーから構成する。試験装置及び試験体につ

いては,

図 に示す。

5.2 

試験体の基板 

試験体の基板は,JIS A 5430 に規定する 0.8 けい酸カルシウム板とし,厚さ 12 mm のものを 2 枚重ねで

作製し,箇条 に定める試験体の大きさと同一とし,試験中,架台とともに形状を保持し,かつ,試験体

を保持することができるものとする。ただし,1 層目の目地と 2 層目の目地は,重なってはならない(

1

及び

図 参照。)。

5.3 

試験体の架台 

試験体の架台は,試験体の基板及び試験体を構造的に支えることができるものとする(

図 及び図 

照。

5.4 

燃焼チャンバー 

燃焼チャンバーの大きさは,内寸で高さ 1 350×幅 1 350×奥行 1 350 mm とし,開口部寸法は 910 mm 角

とする。燃焼チャンバーは試験中,試験の障害となるような溶融・脱落・変形等が生じない構造とし,内

装は,JIS R 3311 に規定するセラミックファイバーブランケット 1 号(厚さ 25 mm)で仕上げることとす

る。


3

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単位  mm

1

:試験体

2

:試験体の基板

3

:試験体の架台

4

:開口部

5

:燃焼チャンバー

6

:バーナー

図 1−試験装置及び試験体 


4

A 1310

:2015

単位  mm

1

:試験体

2

:試験体の基板

3

:試験体の架台

4

:開口部

5

:燃焼チャンバー

6

:バーナー

○:熱流束計設置箇所

×:熱電対設置箇所

図 2−試験装置の配置及び計測装置(熱電対・熱流束計)の設置位置 


5

A 1310

:2015

単位  mm

○:熱流束計設置箇所
×:熱電対設置箇所

注記 ABC の各点は,垂直方向の軸上に位置しており,B は試験体の中心軸上の点,A 及び C は中心軸から左右に

705 mm

ずつ離した軸上の点である。

図 3−計測装置(熱電対・熱流束計)の設置箇所 


6

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単位  mm

1

:セラミック・ボール又は砕石を充塡

2

:パンチングメタル

3

:ガス流入口

図 4−バーナー図面(左:A断面図,右:上面図) 

試験体 

試験体は,次による。

a)

試験体は,実際の建築ファサードについて,試験体の基板の外側に,実際のものと同一又は反映でき

るように製作することとし,燃えひろがり上不利な部分を含ませる。開口部まわりについても,実際

のものと同一に製作することとし,代表的な工法の例を,

附属書 JA に示す。

b)

試験体の大きさは,幅 1 820 mm 以上,及び高さ 4 095 mm 以上とし,開口部(910 mm 角)

図 に示

す箇所(横方向中央)に設ける。

c)

試験体は,試験結果に影響を与えないように基板に固定することとする。

d)

試験開始前までに,

図 及び図 に示す③∼⑦の高さごとに,試験体表面上に油性ペンなどでマーキ

ングを施す。

試験体の養生 

試験体の養生は,次による。

a)

養生期間中の周囲温度は常温とし,製造業者の定める養生期間を経て試験に供する。

b)

養生期間中は,水分にさらされない状態とする。

c)

養生条件は,試験報告書に記載する。

加熱方法 

加熱方法は,次による。

a)

燃焼チャンバー内の火源は,プロパンガスバーナー(以下,バーナーという。

)とし,プロパンガスは

JIS K 2240

に規定する 1 種 1 号とする。

b)

バーナー寸法(

図 4)は 600 mm 角として,図 及び図 に示す箇所に設ける。

なお,バーナー内部には,粒径 5 mm 以上 10 mm 以下のセラミック・ボール又は砕石を敷き詰める

こととする。

c)

プロパンガスの発熱速度は,試験時間中,600 kW 以上とする。


7

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d)

バーナーへのガス流量については,発熱速度に応じてあらかじめ設定する。

測定項目 

測定項目は,次による。

a)

熱電対を

図 及び図 に示す位置において,試験体の表面及び 50 mm 外側に設置し,試験中の試験体

表面温度,及び近傍の気流温度を測定する。

b)

通気層を含む試験体の場合は,

図 に示す位置において,通気層内部(通常,厚みの中央)にも熱電

対を設置し,試験中の通気層内部の温度を測定する。

c)

熱流束計を

図 に示す B⑧の位置において試験体の最外装面に合わせて設置するとともに,図 に示

す D④において試験体から 2 m 離れた位置に設置し,各々の箇所で試験中の入射熱流束を測定する。

d)

試験中,目視観察を行い,連続火炎の到達範囲,試験体の脱落状況などを発生時間とともに記録する。

試験終了後,焼損状況,脱落状況などを記録する。その他,特筆すべき状況がある場合は記録する。

10 

試験環境 

試験環境は,次による。

a)

試験中の周囲温度は,常温とする。

b)

試験中は,試験装置及び試験体が水分にさらされない状態とする。

c)

試験中は,風速が 2 m/s を超えない状態とする。

11 

試験手順 

試験手順は,次による。

a)

試験体,燃焼チャンバー,及びバーナーが確実に設置されていることを確認する。

b)

試験開始の 2 分前からデータ収録システムを起動させる。測定間隔は 6 秒以下とする。

c)

バーナーへのガス流量をあらかじめ算出した値に設定する。

d)

プロパンガスを流し始めるとともに,10 秒以内にバーナーに着火し,着火をもって試験開始とする。

e)

試験中は,温度・熱流束の計測に加えて,連続火炎の到達範囲,試験体の脱落状況などを目視観察で

記録するとともに,写真又は動画を記録する。火炎到達高さの目視確認については,試験体表面にあ

らかじめマーキングした水平方向の線を参考にして行う。

なお,試験中は,床に落下した脱落物からの火熱によって試験体に着火しないように留意する。

f)

加熱時間は 20 分とし,プロパンガスのバーナーへの流入を止めることで加熱終了とするが,加熱途中

でも燃焼が激しく試験継続に危険が生じた場合は,その時点で試験を終了することができる。

g)

計測は,通常どおり加熱を 20 分行った場合,加熱終了後,更に 5 分間継続して,計 25 分間で試験終

了とする。

h)

計測終了後,試験体が十分に冷却された後,焼損状況を確認して写真などによって記録する。試験体

表面に加えて,試験体が複層の場合は,各層の状況,通気層を含む場合は通気層内部の状況を確認し

て写真などによって記録する。

12 

試験結果 

試験結果は,目視観察による連続火炎の到達範囲,試験体の脱落状況及びデータ収録システムの記録結

果に基づいて,次の項目をまとめる。


8

A 1310

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なお,データ収録システムの記録結果は,1 分ごとの移動平均をとって平滑化する。

a)

熱流束の時系列グラフ

b)

温度の時系列グラフ

c)

熱流束の最大値

d)

温度の最大値

e)

火災の進展状況(写真)

f)

試験中の観察結果

g)

試験後の観察結果(写真)

通気層を含む試験体の場合は,更に次の項目もまとめる。

h)

通気層内部温度の時系列グラフ

i)

通気層内部温度の最大値

j)

通気層内の試験後の観察結果(写真)

13 

精度 

この規格では,試験方法の精度については定めない。

14 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記載する。

a)

試験所の名称及び住所

b)

試験実施の日付及び識別番号

c)

試験依頼者の名前及び住所

d)

試験目的

e)

試験体の養生条件

f)

試験体提供者の名称及び住所

g)

試験体の確認番号

h)

試験体の情報(次の事項を含める。

図面,施工方法,使用材料,接合部,備品

i)

試験体の作成日

j)

試験の実施日

k)

規格番号

l)

試験中の試験体状況,及び/又は,試験環境(温度,圧力,相対湿度等)

m)

この規格の試験方法からの変更があればその内容

n)

試験結果

熱流束の時系列グラフ,温度の時系列グラフ,熱流束の最大値,温度の最大値,火災の進展状況(写

真)

,試験中の観察結果,試験後の観察結果(写真)

(通気層がある場合は通気層の写真も含める。


9

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附属書 JA

(参考)

開口部まわりの図例

JA.1 

開口部まわりの図例 

開口部まわりの図例を,

図 JA.1∼図 JA.7 に示す。

単位  mm

図 JA.1−外付けサッシタイプ(仕上げ:現場施工)の図例 


10

A 1310

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単位  mm

図 JA.2−外壁アルミニウムパネルタイプ(仕上げ:工業製品)の図例 


11

A 1310

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単位  mm

図 JA.3−あと張り湿式外断熱工法(金属額縁なし)の図例 


12

A 1310

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単位  mm

図 JA.4−あと張り湿式外断熱工法(金属額縁なし)(ファイアーストップ挿入)の図例 


13

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単位  mm

図 JA.5−あと張り湿式外断熱工法(金属額縁あり)の図例 


14

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単位  mm

図 JA.6−通気層外断熱工法の図例 


15

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単位  mm

図 JA.7−木材外装の図例 


16

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参考文献 JIS 

1602

  熱電対

JIS C 1605

  シース熱電対

BS 8414-1

,Fire performance of external cladding systemsTest methods for non-loadbearing external

cladding systems applied to the face of a building

BS 8414-2

,Fire performance of external cladding systemsTest method for non-loadbearing external

cladding systems fixed to and supported by a structural steel frame

NFPA 285

,Standard Fire Test Method for Evaluation of Fire Propagation Characteristics of Exterior

Non-Load-Bearing Wall Assemblies Containing Combustible Components

SP 105

,External Wall Assemblies and Facade Claddings, Reaction to Fire


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A 1310

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附属書 JB

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS A 1310:2015

  建築ファサードの燃えひろがり試験方法

ISO 13785-1:2002

  Reaction-to-fire tests for façades−Part 1: Intermediate-scale

test

(I)JIS の規定

(II) 
国際規格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇 条 番

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

3

用 語 及

び定義

二つの用語を規定

3

九つの用語を規定

変更

JIS

とほぼ同じ。

ISO

規格では細かい用語規定ま

で行っているが,JIS では使用者
の混乱を避けるためにこの規格

で必要な用語に絞って定義を記

載した。

5

試 験 装

燃焼 チ ャン バ ーを
設け て 開口 噴 出火

炎を 発 生さ せ て試

験体 を 加熱 す る装
置構成

 5

試験体下部にバーナーを
設置して加熱する手法

変更

JIS

とほぼ同じ。

ISO

規格では加熱によって試験

体が溶融する場合,滴下物によ

っ て バ ー ナ ー 上 部 が 目 詰 ま り

し,加熱強度が変化するが,JIS
ではその点が改善されている。

ISO

規格の見直しの際,修正を

提案する。

6

試験体

試験 体 につ い て規

 7

JIS

とほぼ同じ

変更

ISO

規格では袖壁があるが,

JIS

では不要とした。

我が国において一般的な建築フ
ァサードの状況を考慮した。

なお,関連する外国規格では,

JIS

と同様に,袖壁がない規格も

存 在 す る ( 例   NFPA 285 , SP 

105

17

A

 1

310


20
15


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A 1310

:2015

(I)JIS の規定

(II) 
国際規格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇 条 番

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

8

加 熱 方

加熱 方 法に つ いて

規定

 6

JIS

とほぼ同じ

変更

JIS

とほぼ同じ。

ISO

規格では加熱によって試験

体が溶融する場合,滴下物によ
っ て バ ー ナ ー 上 部 が 目 詰 ま り

し,加熱強度が変化するが,JIS

ではその点が改善されている。

ISO

規格の見直しの際,修正を

提案する。

附属書 JA

(参考)

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 13785-1:2002,MOD

関連する外国規格

BS 8414-1

BS 8414-2NFPA 285SP 105

注記 1

箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

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A

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20
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