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A 1218

:2009

(1)

目  次

ページ

序文 

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

1

4

  試験方法の種類及び選択 

2

4.1

  試験方法の種類

2

4.2

  試験方法の選択

2

5

  定水位透水試験 

3

5.1

  試験器具 

3

5.2

  試料及び供試体の作製 

4

5.3

  供試体の飽和度を高める方法

5

5.4

  試験方法 

5

5.5

  計算

5

6

  変水位透水試験 

6

6.1

  試験器具 

6

6.2

  試料及び供試体の作製 

7

6.3

  供試体の飽和度を高める方法

7

6.4

  試験方法 

7

6.5

  計算

7

7

  報告

7


A 1218

:2009

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人地盤工学

会(JGS)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会

の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS A 1218:1998 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 A

1218

:2009

土の透水試験方法

Test methods for permeability of saturated soils

序文 

この規格は,1961 年に制定され,その後 5 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 1998 年に

行われたが,その後 JIS Z 8301 に基づく表記,用語の変更などに対応するために改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

適用範囲 

この規格は,飽和状態にある土の層流状態における透水係数を求める方法について規定する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS A 1201

  土質試験のための乱した土の試料調製方法

JIS A 1202

  土粒子の密度試験方法

JIS A 1203

  土の含水比試験方法

JIS A 1210

  突固めによる土の締固め試験方法

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1 

透水係数 

浸透流の見掛けの流速と動水こう(勾)配とを関係付ける比例定数(

図 参照)。

  vk

ここに, v  :見掛けの流速(m/s)

 k 

:透水係数(m/s)

 i 

:動水こう配

=

ΔL

Δh

i

図 1−透水係数の説明図 


2

A 1218

:2009

   

試験方法の種類及び選択 

4.1 

試験方法の種類 

試験方法は,次の 2 種類とする。

a)

定水位透水試験  定水位透水試験は,一定の断面及び長さをもつ供試体の中を,一定の水位差の下で

一定時間内に浸透する水量を測定する試験で,その原理を,

図 に示す。

L:供試体の長さ 
h:水位差

図 2−定水位透水試験の例 

b)

変水位透水試験  変水位透水試験は,一定の断面及び長さをもつ供試体の中を,ある水位差を初期状

態として浸透するときの水位の降下量,及びその経過時間を測定する試験で,その原理を,

図 に示

す。

L:供試体の長さ 
h

1

:時刻 t

1

における水位差

h

2

:時刻 t

2

における水位差

図 3−変水位透水試験の例 

4.2 

試験方法の選択 

一般に,定水位透水試験は透水係数の比較的大きい土に,変水位透水試験は透水係数の比較的小さい土

に適用する。両試験の選択の境界は,透水係数 k=10

5

 m/s を目安とし,供試体の透水係数の概略値は,

試料の種類,粒度などから

図 を基に推定する。


3

A 1218

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透水係数  k(m/s)

 10

−11

10

−10

10

−9

10

−8

10

−7

10

−6

10

−5

10

−4

10

−3

10

−2

10

−1

10

0

透水性

実質上不透水

非常に低い

低い

中位

高い

対応する土の種類

粘性土

(C)

微細砂,シルト

砂−シルト−粘土混合土

(SF)

(S-P)

(M)

砂及びれき(礫)

(GW)

(GP)

(SW)

(SP)

(G-F)

清浄なれき

(GW)

(GP)

変水位透水試験

定水位透水試験

透水係数を直接 
測定する方法

特殊な変水位 
透水試験

特殊な変水位 
透水試験

透水係数を間接的 
に測定する方法

圧密試験結果から計算

なし

清浄な砂及びれきは,粒度と間げき(隙)
比とから計算

図 4−透水性と試験方法との適用性 

定水位透水試験 

5.1 

試験器具 

5.1.1 

透水試験器具 

透水試験器具は,次のとおりとする(

図 参照)。

a)

透水円筒  透水円筒は,試料の最大粒径に比べて十分大きい内径及び長さをもつ円筒のもので,通常,

内径 10 cm 及び長さ 12 cm とする。また,透水円筒の内径及び長さは,試料の最大粒径の 10 倍以上と

する。ただし,粒径幅の広い試料に対しては,最大粒径の 5 倍まで許容する。

b)

透水円筒カラー  透水円筒カラーは,給水側の水位を一定に保持できる越流口をもつ円筒のもの。

c)

有孔板  有孔板は,透水円筒内の供試体及びフィルターを保持するための多数の小孔をもつ耐食性板

とする。

d)

フィルター  フィルターは,供試体の 10 倍以上の透水係数をもつ粗砂又は多孔板で,その合計厚さは,

供試体長さの 0.2 倍以下のもの。

e)

金網  金網は,供試体とフィルターとの間に置く耐食性金網で,その目の開きは通常 425 μm のもの。

f)

越流水槽  越流水槽は,排水側の水位を一定に保持できる越流口をもつ水槽とする。

5.1.2 

供試体作製器具 

供試体作製器具は,次による。

a)

ノギス

b)

はかり  はかりは,測定質量に対して 0.02  %の質量をはかることができるもの。

c)

締固め器具  締固め器具は,突固めによる締固めの場合には JIS A 1210 に規定するランマー,振動締

固めの場合にはタンパー及び直ナイフとする。

d)

含水比測定器具  含水比測定器具は,JIS A 1203 に規定するもの。

5.1.3 

供試体の飽和度を高める装置及び器具 

供試体の飽和度を高める装置及び器具は,次による。

a)

真空ポンプ  真空ポンプは,真空度 80 kPa 以上を保持できるもの。

b)

水浸減圧容器  水浸減圧容器は,供試体を収めた透水円筒を水浸状態に保つ容器で,透明部のある気

密なふたをもつもの(

図 参照)。


4

A 1218

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図 5−水浸減圧容器の例 

c)

減圧吸水装置  減圧吸水装置は,貯水槽,給水瓶,透明アスピレーター瓶などで構成されるもの。こ

の装置を用いる場合の透水円筒は,その上下端を排水口・給水口をもつふた及び底板で水密に保持で

きるものとする(

図 参照)。

図 6−減圧吸水装置の例 

5.1.4 

計測器具 

計測器具は,次による。

a)

金属製直尺

b)

メスシリンダー  メスシリンダーは,測定水量の 1/100 以下の目盛をもつもの。

c)

ストップウォッチ又は時計

d)

温度計  温度計は,最小目盛 1  ℃以下のもの。

5.2 

試料及び供試体の作製 

試料及び供試体の作製は,次による。

a)

供試体を締め固めて作製する場合には,JIS A 1201 に規定する方法によって得られた試料を,よく混

合して含水比が均一になったものを準備する。

b)

試料の土粒子の密度

ρ

s

(g/cm

3

)を JIS A 1202 に規定する方法によって求める。

c)

透水円筒の内径をはかり,断面積 A(cm

2

)を求める。

d)

透水円筒を有孔板に固定し,フィルターを設置し,その上に金網を置く。

e)

試料を金網の上に規定の厚さに入れ,層状に締め固める。1 層の厚さは,締固め後の厚さが 15 mm 又

は最大粒径の 1.5 倍のうちの大きい方とする。

注記  JIS A 1210 によってモールド内に締め固めた試料を,そのまま透水試験用供試体として使用

することができる。

f)

締固め後の供試体の長さ L(cm)

,質量 m(g)をはかり,試料の含水比 w(%)を求める。


5

A 1218

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g)

乱さない試料を供試体として用いる場合は,供試体と透水円筒内面とのすき間を漏水防止材で密封す

る。この場合,供試体の質量 m(g)

,断面積 A(cm

2

,長さ L(cm)及び含水比 w(%)をあらかじ

め求めておく。

h)

供試体の上面を金網及びフィルターで覆い,有孔板を載せて透水円筒に固定する。

5.3 

供試体の飽和度を高める方法 

供試体の飽和度を高めるために,次のいずれかの方法で脱気を行う。用いる水は,煮沸又は減圧によっ

て十分脱気した水とする。供試体の底部からの水浸によって,十分飽和度を高められる粗砂又はれき(礫)

の場合は,真空ポンプによる脱気過程を省略してもよい。また,この場合は,脱気水を用いなくてもよい。

a)

水浸脱気法  水を満たした水浸減圧容器に透水円筒を入れ,真空ポンプで容器内を徐々に減圧する。

透水円筒から気泡が出なくなることを確認した後,容器内の圧力を徐々に大気圧に戻す(

図 参照)。

b)

吸水脱気法  透水円筒を減圧吸水装置に連結し,真空ポンプによる透水円筒内の減圧,及び給水瓶か

らの給水を交互に,アスピレーター瓶に気泡が出なくなるまで繰り返す(

図 参照)。

5.4 

試験方法 

試験方法は,次のとおりとする。

a)

透水円筒の上部に透水円筒カラーを取り付け,越流水槽に水を満たす。

b)

給水側水槽となる透水円筒カラーに注入して越流口から越流させ,給水側の水位を一定に保つ。

c)

越流水槽からの越流量がほぼ一定になるのを待って,時刻 t

1

から t

2

までの間の流出水量 Q(cm

3

)を

メスシリンダーではかる。測定は,3 回以上行う。

d)

給水側水槽(透水円筒カラー)の水位と越流水槽の水位との差 h(cm)をはかる。

e)

越流水槽の中の温度 T(℃)をはかる。

f)

試験後の供試体の含水比 w

f

(%)を求める。ただし,保水性の小さい試料の場合は,省略してもよい。

5.5 

計算 

計算は,次のとおり行う。

a)

供試体の乾燥密度,間げき比及び飽和度は,次の式(1),式(2)及び式(3)によって算出する。

+

×

=

100

1

d

w

L

A

m

ρ

 (1)

1

d

s

=

ρ

ρ

e

 (2)

w

s

r

ρ

ρ

e

w

S

=

 (3)

ここに,

ρ

d

乾燥密度(

g/cm

3

e

間げき比

S

r

飽和度(%)

m

供試体の質量(

g

A

供試体の断面積(

cm

2

L

供試体の長さ(

cm

w

含水比(%)

ρ

s

JIS A 1202

によって求めた土粒子の密度(

g/cm

3

ρ

w

水の密度(

g/cm

3

b)

測定時の水温

T

(℃)における透水係数は,次の式

(4)

によって算出する。


6

A 1218

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(

)

100

1

1

2

T

×

×

=

t

t

A

Q

h

L

k

 (4)

ここに,

k

T

T

℃における透水係数(

m/s

h

水位差(

cm

Q

流出水量(

cm

3

t

2

t

1

測定時間(

s

c)

温度

15

℃における透水係数は,次の式

(5)

によって算出する。

15

T

T

15

η

η

×

k

k

 (5)

ここに,

k

15

温度

15

℃における透水係数(

m/s

η

 T

/

η

 15

温度

15

℃における透水係数を求めるための補正係数で,

表 から求める。

表 1−温度 15  ℃に対する T  ℃の粘性係数の比 

η

 T

/

η

 15

T(℃) 

0 1 2 3 4 5 6 7 8 9

0

1.575

1.521 1.470

1.424

1.378

1.336

1.295

1.255 1.217 1.181

10

1.149

1.116 1.085

1.055

1.027

1.000

0.975

0.950 0.925 0.925

20

0.880

0.859 0.839

0.819

0.800

0.782

0.764

0.748 0.731 0.715

30

0.700

0.685 0.671

0.657

0.645

0.632

0.620

0.607 0.596 0.584

40

0.574

0.564 0.554

0.544

0.535

0.525

0.517

0.507 0.498 0.490

d)

試験後の供試体の含水比

w

f

(%)を用いて飽和度

S

r

(%)を a)  の式に準じて算出する。ただし,保

水性の小さい試料の場合は,飽和度の計算を省略してもよい。

変水位透水試験 

6.1 

試験器具 

6.1.1 

透水試験器具 

透水試験器具は,次による(

図 参照)。

a)

透水円筒  透水円筒は,注水孔のある上ぶた及び排水孔のある底板によって内部を気密にできる円筒

で,試料の最大粒径に比べて十分大きい内径及び長さがあるもので,通常,内径

10 cm

及び長さ

12 cm

とする。また,透水円筒の内径及び長さは,試料の最大粒径の

10

倍以上とする。ただし,粒径幅の広

い試料に対しては,最大粒径の

5

倍まで許容する。

b)

スタンドパイプ  スタンドパイプは,長さ

1 m

程度の透明管で,目盛又は標尺を付けたもの。試料の

透水性に応じて,管の内径が

0.5 cm

2 cm

又は

5 cm

のものを選ぶ。

c)

有孔板  有孔板は,5.1.1 に規定するもの。

d)

金網  金網は,5.1.1 に規定するもの。

e)

フィルター  フィルターは,5.1.1 に規定するもの。

f)

貯水槽

g)

越流水槽  越流水槽は,5.1.1 に規定するもの。

6.1.2 

供試体作製器具 

供試体作製器具は,5.1.2 に規定するもの。

6.1.3 

供試体の飽和度を高める装置及び器具 

供試体の飽和度を高める装置及び器具は,5.1.3 に規定するもの。


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6.1.4 

計測器具 

計測器具は,次による。

a)

金属製直尺

b)

ストップウォッチ又は時計

c)

温度計  温度計は,最小目盛

1

℃以下のものとする。

6.2 

試料及び供試体の作製 

試料及び供試体の作製は,5.2 に規定する方法による。

6.3 

供試体の飽和度を高める方法 

供試体の飽和度を高める方法は,5.3 に規定する方法による。

6.4 

試験方法 

試験方法は,次による。

a)

透水円筒の上ぶたにスタンドパイプと貯水槽とを連結し,水を満たした越流水槽に沈める。

b)

スタンドパイプの断面積

a

cm

2

)を求め,スタンドパイプに越流水槽の水面からはかった高さ

h

1

h

2

を設定する。

c)

図 のバルブ

B

を閉じ

A

を開いて貯水槽の水をスタンドパイプに満たし,バルブ

A

を閉じる。

d)

バルブ

B

を開いて,スタンドパイプの水面が

h

1

及び

h

2

を通過した時刻

t

1

及び

t

2

を記録する。

e) c)

及び d)の操作を繰り返し,

t

2

t

1

)の値がほぼ一定となったことを確認した後,

3

回以上の測定を行

う。

f)

越流水槽の水温

T

(℃)をはかる。

g)

試験後の供試体の含水比

w

f

(%)を求める。

6.5 

計算 

計算は,次による。

a)

供試体の乾燥密度

ρ

d

g/cm

3

,間げき比

e

及び飽和度

S

r

(%)は,式

(1)

,式

(2)

及び式

(3)

によって算出

する。

b)

測定時の水温

T

(℃)における透水係数は,次の式

(6)

によって算出する。

(

)

100

1

log

303

.

2

2

1

10

1

2

T

×

=

h

h

t

t

A

aL

k

 (6)

ここに,

k

T

T

℃における透水係数(

m/s

a

スタンドパイプの断面積(

cm

2

L

供試体の長さ(

cm

A

供試体の断面積(

cm

2

t

2

t

1

測定時間(

s

h

1

時刻

t

1

における水位差(

cm

h

2

時刻

t

2

における水位差(

cm

c)

温度

15

℃における透水係数

k

15

m/s

)は,式

(5)

によって算出する。

d)

試験後の供試体の含水比

w

f

(%)を用いて飽和度

S

r

(%)を式

(1)

,式

(2)

及び式

(3)

によって算出する。

ただし,保水性の小さい試料の場合は,飽和度の計算を省略してもよい。

報告 

試験結果には,次の事項を報告する。

a)

試料の状態


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A 1218

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b)

供試体作製方法

c)

供試体の直径(

cm

,長さ(

cm

)及び質量(

g

d)

試験方法の種類

e)

供試体の飽和度を高めるために用いた方法

f)

試験用水の種類

g)

試験時の水温(℃)

h)

試験前の供試体の含水比(%)

,間げき比,乾燥密度(

g/cm

3

)及び飽和度(%)

i)

試験後の供試体の含水比(%)及び飽和度(%)

。ただし,保水性の小さい試料の場合は,省略しても

よい。

j)

温度

15

℃における透水係数(

m/s

k)

その他報告事項

関連規格:JIS Z 8301  規格票の様式及び作成方法