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A 1157

:2010

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

1

4

  供試体

2

4.1

  供試体の形状及び寸法

2

4.2

  供試体の作り方

2

4.3

  供試体数

2

4.4

  供試体の養生及び載荷開始材齢までの保存方法

2

5

  載荷装置

3

6

  載荷方法

3

7

  計測

4

7.1

  ひずみを計測する供試体

4

7.2

  ひずみの計測長さ

4

7.3

  ひずみの計測位置

4

7.4

  ひずみの計測方法

4

7.5

  載荷持続期間中のひずみの計測時期

4

7.6

  除荷時及び除荷後のひずみの計測時期

4

7.7

  載荷持続期間

5

8

  結果の算出

5

8.1

  各ひずみなどの求め方

5

8.2

  結果の図示及びクリープ曲線式の求め方

5

9

  報告

5


A 1157

:2010

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本コンクリート工学協会(JCI)か

ら,

工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,

国土交通大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


日本工業規格

JIS

 A

1157

:2010

コンクリートの圧縮クリープ試験方法

Method of test for compressive creep of concrete

序文

この規格は,将来的に制定される予定の国際規格における同じ内容の試験との整合に向け,持続荷重に

よるコンクリートの圧縮クリープについての標準的な我が国における試験方法を規定する。

1

適用範囲

この規格は,持続荷重によるコンクリートのクリープを試験室で測定するための圧縮クリープ試験方法

について規定する。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS A 0203

  コンクリート用語

JIS A 1108

  コンクリートの圧縮強度試験方法

JIS A 1129-2

  モルタル及びコンクリートの長さ変化測定方法−第 2 部:コンタクトゲージ方法

JIS A 1132

  コンクリート強度試験用供試体の作り方

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS A 0203 によるほか,次による。また,用語の概念を,

図 1

に示す。

3.1

載荷供試体

持続荷重を与える供試体。

3.2

無載荷供試体

載荷供試体と同様の温湿度環境において,載荷開始材齢以降も無載荷で保存した供試体。

3.3

載荷時弾性ひずみ(ε

e

載荷開始から載荷完了までの間に載荷供試体に生じる弾性ひずみ。

3.4

無載荷ひずみ(ε

st

載荷供試体の載荷完了時と同じ材齢で基長を取った無載荷供試体のひずみ。


2

A 1157

:2010

3.5

全ひずみ(ε

at

載荷開始を基長とした載荷時弾性ひずみを含む載荷供試体のひずみ。

3.6

クリープひずみ(ε

ct

全ひずみから載荷時弾性ひずみ及び無載荷ひずみを差し引いたひずみ。

3.7

載荷持続期間

載荷完了から除荷するまでの期間。

3.8

載荷応力度(σ

載荷持続期間中,載荷供試体に生じさせる所定の応力度で,載荷荷重を供試体の断面積で除した値。

3.9

単位クリープひずみ(μ

εct

クリープひずみを載荷応力度で除した値。

3.10

クリープ係数(

φ

t

クリープひずみを載荷時弾性ひずみで除した値。

注記  ここで用いているひずみという用語は,ひずみ度と同義である。

図 1−用語の概念

4

供試体

4.1

供試体の形状及び寸法

供試体の形状は円柱形とし,その直径は粗骨材の最大寸法の 3 倍以上,かつ,100 mm 以上,高さは直

径の 2 倍とする。載荷供試体,無載荷供試体及び圧縮強度試験用供試体は同一の寸法とする。

4.2

供試体の作り方

供試体は,JIS A 1132 の 4.(圧縮強度試験用供試体)に従って作製する。載荷供試体の上端面の平面度

は,研磨によって,JIS A 1132 の 4.に規定する精度に仕上げる。また,必要に応じて下端面の平面精度も

研磨によって仕上げる。

4.3

供試体数

同一条件の試験に対し,載荷供試体,無載荷供試体及び圧縮強度試験用供試体は,それぞれ 3 個とする。

4.4

供試体の養生及び載荷開始材齢までの保存方法


3

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コンクリートを型枠に詰め終わった後,24 時間以上 48 時間以内に脱型し,材齢 7 日まで標準養生を行

う。材齢 7 日以降は,温度 20±2  ℃,湿度(60±5)%の恒温恒湿室に保存する。

5

載荷装置

載荷装置の例を,

図 に示す。

載荷装置は,次に示す性能をもつものとする。

a)

上下の加圧面の中心は装置の枠の中心線上に一致し,一方の加圧面は球面座をもち,圧縮荷重以外の

力が加わらないような構造とする。

b)

載荷完了直後の状態において,所定の載荷荷重の±2  %の精度で載荷でき,かつ,載荷応力を±2  %

の精度で監視・調整できるものとする。

                                      単位  mm

図 2−載荷装置の例

6

載荷方法

a)

準備

1)

クリープ試験開始直前に,載荷供試体及び無載荷供試体と同一の養生を行った圧縮強度試験用供試

体を用いて,JIS A 1108 に従って圧縮強度を求める。

2)

載荷供試体及び無載荷供試体の乾燥条件を近づけるため,載荷開始材齢以降は無載荷供試体の上下

端面をシールして乾燥を抑制する。クリープ試験を実施する恒温室は,温度 20±2  ℃,湿度(60±

5

)%とする。

注記  シールには,エポキシ樹脂,ポリウレタン樹脂,アルミニウムはく(箔),乾燥防止に効果

のあるテープなどを用いてもよい。

b)

載荷応力度  載荷応力度は,a)で求めた圧縮強度の 1/3 とする。


4

A 1157

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c)

載荷開始材齢  載荷開始材齢は,28 日とする。

注記  載荷開始材齢は,プレストレスの導入などのために行う場合は 28 日よりも短く,また,強度

発現に時間のかかる高強度コンクリートなどの場合には 28 日よりも長く設定することが多

い。

d)

載荷手順

1)

供試体に荷重が正しく作用していることを確かめるため,予備載荷として載荷応力度の 1/2 となる

ように荷重を加えて除荷した後,本載荷を行う。

注記  載荷時に荷重を加える速度は,圧縮応力度の増加が毎秒 0.6±0.4 N/mm

2

になるようにする

とよい。

2)

予備載荷では,載荷応力度の 1/2 となるように荷重を加えたときに,箇条 によって計測した各測

定点におけるひずみ差(最大値−最小値)ができる限り小さくなるように調整する。各測定点での

ひずみ差が平均値の 10  %以上となっている場合には,供試体の位置を変えたりすることで 10  %未

満に調整する。

3)

本載荷では,ひずみの測定は,載荷開始直前及び載荷完了直後を含めて少なくとも 3 回行う。

e)

載荷応力度の変動の許容幅  載荷応力度は,載荷持続期間中,b)で規定する応力度の±2  %の範囲に

保持しなければならない。

7

計測

7.1

ひずみを計測する供試体

ひずみを計測する供試体は,載荷供試体及び無載荷供試体とする。載荷供試体及び無載荷供試体のひず

みの計測長さ,計測位置は同一条件とする。

7.2

ひずみの計測長さ

ひずみの計測長さは,粗骨材の最大寸法の 4 倍以上,かつ,100 mm 以上とする。

7.3

ひずみの計測位置

ひずみの計測位置は,供試体の軸に平行,かつ,対称な二つの線上で供試体の高さの 1/2 の位置を中心

に定める。

7.4

ひずみの計測方法

ひずみの計測は,JIS A 1129-2 に準じる。ひずみの計測精度は,10×10

6

又はそれより高い精度とする。

7.5

載荷持続期間中のひずみの計測時期

ひずみの計測時期は,載荷完了直後からの期間を基点とし,次の時期で行う。

a)

載荷完了直後

b) 1

時間,3 時間,24 時間

c) 24

時間を過ぎ 1 週まで毎日 1 回

d) 1

週を過ぎ 2 週まで隔日 1 回

e) 2

週を過ぎ 1 か月まで毎週 1 回

f) 1

か月を過ぎ 2 か月まで隔週 1 回

g) 2

か月を過ぎ 6 か月まで毎月 1 回

h) 6

か月を過ぎた後,隔月 1 回

7.6

除荷時及び除荷後のひずみの計測時期

必要に応じて 6 d)  及び 7.5 と同じ要領で測定を行う。


5

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7.7

載荷持続期間

載荷持続期間は,1 年以上とする。

8

結果の算出

8.1

各ひずみなどの求め方

各ひずみなどは,次のように求め,いずれも四捨五入によって,有効数字 3 けたに丸める。

なお,ここでは,収縮側のひずみを正の値として扱う。

a)

載荷時弾性ひずみ  載荷時弾性ひずみは,試験を行ったすべての載荷供試体の載荷完了直後のひずみ

の平均値とする。

b)

各計測時の全ひずみ  各計測時の全ひずみは,載荷完了後の各計測時期におけるすべての載荷供試体

のひずみの平均値とする。

c)

各計測時の無載荷ひずみ  各計測時の無載荷ひずみは,載荷完了後の各計測時期におけるすべての無

載荷供試体のひずみの平均値とする。

d)

各計測時のクリープひずみ  各計測時のクリープひずみは,次の式によって算出する。

st

e

at

ct

ε

ε

ε

ε

=

ここに,

ε

ct

クリープひずみ

ε

at

全ひずみ

ε

e

載荷時弾性ひずみ

ε

st

無載荷ひずみ

e)

単位クリープひずみ  各計測時の単位クリープひずみは,次の式によって算出する。

σ

ε

μ

ε

ct

ct

=

ここに,

μ

εct

単位クリープひずみ[(N/mm

2

)

1

σ: 載荷応力度(N/mm

2

f)

クリープ係数  各計測時のクリープ係数は,次の式によって算出する。

e

ct

t

ε

ε

φ =

ここに,

φ

t

クリープ係数

8.2

結果の図示及びクリープ曲線式の求め方

試験結果を図示する場合,又は試験結果からクリープ曲線式を求める場合は,次による。

a)

図示する場合  縦軸に単位クリープひずみ又はクリープ係数を,横軸に対数表示の載荷後の経過材齢

(日数)を表示する。

b)

クリープ曲線式を求める場合  クリープ曲線式を求める場合は,次の式によって表す。

B

t

A

e

ct

+

+

=

)

1

(

log

ε

μ

  又は

B

t

A

e

t

+

+

⋅′

=

)

1

(

log

φ

ここに,

t: 載荷後の経過材齢(日)

AA

BB

: 実験から得られた定数

9

報告

報告には,次の事項を記載する。

a

)

必ず報告する事項  必ず報告する事項は,次による。


6

A 1157

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1

)

供試体の形状及び寸法(直径及び長さ)

2

)

供試体の個数(圧縮強度試験用供試体,載荷供試体及び無載荷供試体)

3

)

供試体の脱型時期

4

)

供試体の養生方法(材齢,方法,温度及び湿度)

5

)

供試体の保存方法(材齢,温度及び湿度)

6

)

供試体の端面処理方法

7

)

無載荷供試体の端面のシール方法

8

)

載荷開始材齢

9

)

載荷時の圧縮強度

10

)

載荷応力度

11

)

載荷持続期間

12

)

ひずみの計測方法

13

)

載荷時弾性ひずみ(個々の載荷供試体の値,すべての載荷供試体の平均値)

14

)

クリープひずみ(すべての載荷供試体の平均値)

b

)

必要に応じて報告する事項  必要に応じて報告する事項は,次による。

1

)

コンクリートの種類

2

)

載荷装置

3

)

載荷持続期間中の載荷供試体のひずみ(個々の載荷供試体の値,すべての載荷供試体の平均値)

4

)

載荷持続期間中の無載荷供試体のひずみ(個々の載荷供試体の値,すべての載荷供試体の平均値)

5

)

単位クリープひずみ

6

)

クリープ係数